JP2001314183A - キラー活性を増強したリンパ球 - Google Patents
キラー活性を増強したリンパ球Info
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Abstract
s:BRM)活性化キラー細胞(BAK細胞)免疫療法
の効果をより高めることができる、キラー細胞の細胞障
害性が高められた、BRMによって活性化されたキラー
細胞を含むリンパ球やかかるリンパ球の製造方法を提供
すること。 【解決手段】 末梢血から分取した単核細胞を固相化抗
CD3抗体の存在下でインキュベーションした後、IL
−2含有培地で培養し、次いでIL−2及びIFN−α
で所定時間活性化処理する。所定時間の活性化処理とし
て、1000単位/mlのIL−2と1000〜200
0単位/mlのIFN−αで約15分間の処理を行うこ
とにより、ダウジ(Daudi)癌細胞に対する細胞障害活
性が150溶解ユニット以上のリンパ球を得ることがで
きる。
Description
をもち、患者のクオリティーオブライフ(QOL)を改
善するための新しい養子免疫療法に用いることができ
る、癌細胞に対するキラー活性を増強したリンパ球とそ
の製造方法に関する。
や癌組織の縮減に重点がおかれていたが、現在の医学は
患者が身体的に良好な状態にあることに加えて、患者の
QOLを維持する為の精神的ケアを重要視するようにな
ってきている。癌治療における化学療法や放射線治療は
癌細胞を殺傷するが、健全な細胞(特に骨髄細胞)をも
殺傷するため、副作用を誘発したりQOLを低下させ
る。かかる状況の中で、副作用を誘発することなく、癌
細胞のみを殺傷する免疫療法を開発する試みが最近活発
に研究されている。
て、癌細胞を殺傷する方法として知られている免疫療法
として、リンホカイン活性化キラー (lymphokine activ
atedkiller cells:LAK) 細胞を用いる養子免疫療法
がローゼンベルグにより報告されている(Immunology To
day 1988; 9: 58-62)。この養子免疫療法は、患者の末
梢単核細胞からキラー細胞を分離し、インターロイキン
−2(IL−2)とともに培養し、活性化された細胞を
IL−2と共に患者体内に戻すという方法であるが、副
作用があり満足できるものではなかった。次いで、癌組
織からリンパ球を分離しIL−2で刺激し、活性化され
たリンパ球を患者にIL−2と共に戻す癌浸潤性リンパ
球(tumor infiltrating lymphocyte: TIL)療法が報
告された(J. Clin. Oncol. 1989; 7: 250-61, J. Immun
ol. 1989; 142: 4520-6, J. Immunol. 1991; 146: 1700
-7)が、この療法も副作用があり満足できるものではな
かった。また、癌特異的CD8陽性のキラー細胞を利用
する細胞障害性Tリンパ球(cytotoxic T lymphocytes:
CTL)療法と呼ばれる方法も報告されている(Jpn. J.
Cancer Res. 1989: 50: 337-45)が、この療法も副作用
の他に、CTLの処理に時間がかかる等の問題があっ
た。本発明者も、生物製剤(biological responsemodifi
ers: BRM)活性化キラー細胞(BRM activated kill
er:BAK細胞)療法について報告(以下「前報」とい
う)している(Biotherapy 1998; 11: 241-253)。この
BAK細胞療法は、癌患者の末梢血からリンパ球を取り
出し、癌細胞を特異的に障害する細胞を選択し、その細
胞障害活性を高める処理をしたリンパ球を患者に戻すこ
とによって、癌細胞の増殖を抑制し、また癌細胞を殺傷
することにより、癌細胞に起因する症状を改善し軽減す
るものである。
面にある抗原を認識するT細胞レセプター(T cell rece
ptor: TCR)にはαβ鎖とγδ鎖があり、αβ鎖を有
するαβT細胞と、γδ鎖を有するγδT細胞とが知ら
れている。αβT細胞は主要組織適合遺伝子複合体(maj
or histocompatibility complex:MHC)依存性であ
るが、γδT細胞はMHC非依存性である。αβ鎖とγ
δ鎖はともにTリンパ球細胞表面上でCD3蛋白複合体
と非共有結合によって結合し、TCR−CD3複合体を
形成することが知られている。可溶性の抗CD3抗体と
IL−2により処理した従来のLAK細胞は多数のαβ
T細胞を含有し、癌細胞と正常な白血球の両方を殺傷す
るため、副作用を引き起こす。αβT細胞は癌細胞のみ
ならず健全な白血球細胞等に対しても細胞障害性を有す
るが、他方γδT細胞は癌細胞に対してのみ細胞障害性
を有するため、患者の末梢血から採取したT細胞のう
ち、γδT細胞を選択し、その細胞障害活性をBRMで
活性化したBAK細胞の濃度を高めることが肝要であ
る。すなわち、BAK細胞療法においては、キラー細胞
の細胞障害活性を高めると共に、癌細胞を特異的に傷害
するキラー活性の比率を高めることが重要である。
キラー活性の比率を高めるには、あらかじめ抗CD3抗
体をフラスコ内壁に固定した固相化抗CD3抗体を用い
て、癌患者から採取したリンパ球を培養することが有効
であることを、本発明者らは既に報告しており、この固
相化抗CD3抗体を用いて処理したリンパ球には多くの
γδT細胞とNK(ナチュラルキラー)細胞が含まれて
いる。また本発明者らは、BRM活性化γδT細胞が抗
癌性のサイトカイン類(IFN−γ、TNF−α等)を
生産し、これらIFN−γ、TNF−αがBAK細胞の
主要な細胞障害性サイトカイン類であること(Clin Can
cer Res 3, 633-643, 1997)や、CD56陽性(CD5
6+)細胞はCD56陰性(CD56-)細胞よりも強い
細胞障害活性を有すること(J Immunol Methods 136, 1
-9, 1996)を既に報告している。
免疫療法であるBAK細胞療法は、固定化された抗CD
3抗体、IL−2及びIFN−αで活性化されたリンパ
球を用いるものであり、これらの活性化されかつ増殖し
たリンパ球は多くのCD56陽性細胞から構成されてお
り、CD56陽性のMHC−非依存性のキラー細胞であ
るγδT細胞及びNK(ナチュラルキラー)細胞が約半
分を占めている。NK細胞は数種類の標的細胞株に対す
る自然発生的な細胞障害性を媒介するCD16 +のリン
パ球として定義され、CD56抗原の発現に基づき二つ
のサブセットに分類されている。このうちCD16+C
D56+NK細胞は、CD16+CD56-NK細胞より
も強い細胞障害活性を有している。CD56抗原はMH
C−非依存性細胞障害性を媒介するCD3+Tリンパ球
の小さなサブセット上でも発現される。前報において
は、γδT+CD56+細胞はγδT+CD56-細胞より
も強い細胞障害性を持つことを示した。γδT細胞及び
CD16陽性NK細胞のうちで、CD56陽性細胞が特
に強いキラー細胞であることも示されている。かかるC
D56抗原は神経細胞接着分子(neural cell adhesion
molecule:NCAM)と同一物質であり、この神経系
及びその他の組織の胚発達の間に種々の部位に発現する
NCAMは、細胞表面上に5つのIgG様の領域を有す
ることも知られている。
いて報告した前記BAK細胞免疫療法は有効な方法であ
ったが、更に改善の余地がないとはいえなかった。本発
明の課題は、BAK細胞免疫療法の効果をより高めるこ
とができる、キラー細胞の細胞障害性が高められた、B
RMによって活性化されたキラー細胞を含むリンパ球や
かかるリンパ球の製造方法を提供することにある。
におけるBRMによるリンパ球中のγδT細胞とNK細
胞の活性化は、IL−2を加えた培地中で約2週間培養
し、最後にIL−2とIFN−αで再活性化することに
よってなされるが、BRMによる活性化の条件を改善す
ることにより、前報に比べ細胞障害性が著しく改善され
たBAK細胞を含むリンパ球が得られることがわかっ
た。また、BRMによる活性化処理により増加するCD
56陽性細胞が、癌等の患者の苦痛を和らげる効果を有
するβ−エンドルフィンを産生することを初めて見い出
した。そして、前記細胞障害性が著しく改善されたBA
K細胞を含むリンパ球を、かかるリンパ球を採取した進
行性癌患者に投与したところ、患者に対し延命効果があ
ること、QOLの向上に寄与すること、副作用がないこ
と、場合によっては原発性癌の消失や縮小効果があるこ
とを確認し、本発明を完成するに至った。
核細胞を固相化抗CD3抗体の存在下で培養した後、I
L−2含有培地で培養し、次いでIL−2及びIFN−
αで活性化処理することにより得られ、ダウディ癌細胞
に対する細胞障害活性が、150溶解ユニット以上であ
ることを特徴とする生物製剤(BRM)によって活性化
されたキラー細胞を含むリンパ球(請求項1)や、ダウ
ディ癌細胞に対する細胞障害活性が、180溶解ユニッ
ト以上であることを特徴とする請求項1記載の生物製剤
(BRM)によって活性化されたキラー細胞を含むリン
パ球(請求項2)や、生物製剤(BRM)によって活性
化されたキラー細胞が、生物製剤(BRM)によって活
性化されたγδT細胞及び/又はNK細胞であることを
特徴とする請求項1又は2記載の生物製剤によって活性
化されたキラー細胞を含むリンパ球(請求項3)や、生
物製剤(BRM)によって活性化されたγδT細胞及び
/又はNK細胞が、β−エンドルフィン産生能を有する
CD56陽性細胞であることを特徴とする請求項3記載
の生物製剤(BRM)によって活性化されたキラー細胞
を含むリンパ球(請求項4)や、β−エンドルフィン産
生能を有するCD56陽性細胞が50%以上含まれてい
ることを特徴とする請求項4記載の生物製剤(BRM)
によって活性化されたキラー細胞を含むリンパ球(請求
項5)や、生物製剤(BRM)を実質的に含まないこと
を特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の生物製剤
(BRM)によって活性化されたキラー細胞を含むリン
パ球(請求項6)や、生物製剤(BRM)がIL−2及
びIFN−αであることを特徴とする請求項6記載の生
物製剤(BRM)によって活性化されたキラー細胞を含
むリンパ球(請求項7)に関する。
胞を固相化抗CD3抗体の存在下でインキュベーション
した後、IL−2含有培地で培養し、次いでIL−2及
びIFN−αで所定時間活性化処理することを特徴とす
る請求項1〜7のいずれか記載の活性化されたキラー細
胞を含むリンパ球の製造方法(請求項8)や、IL−2
含有培地での培養が、単球の共存下に行われることを特
徴とする請求項8記載の活性化されたキラー細胞を含む
リンパ球の製造方法(請求項9)や、IL−2及びIF
N−αによる所定時間の活性化処理が、1000単位/
mlのIL−2と1000〜2000単位/mlのIF
N−αで約15分間行う活性化処理であることを特徴と
する請求項8又は9記載の活性化されたキラー細胞を含
むリンパ球の製造方法(請求項10)に関する。
れたキラー細胞を含むリンパ球は、ダウディ(Daudi)
癌細胞に対する細胞障害活性が150溶解ユニット以
上、好ましくは180溶解ユニット以上であることを特
徴とし、上記BRMとしては末梢血単核細胞(PBM
C)に作用してその細胞障害活性を高めうるものであれ
ば特に制限されないが、インターフェロンやインターロ
イキン等のサイトカイン類を例示することができ、具体
的に、IL−2やIFN−α等を挙げることができる。
の細胞障害活性を有する細胞であれば特に制限されるも
のではないが、正常細胞を傷害することなく、癌細胞を
特異的に傷害するキラー細胞が好ましい。かかる癌細胞
を特異的に傷害するキラー細胞として、具体的に、TC
Rγδ鎖を有するγδT細胞や、IgG型抗体のFc部
分に結合する細胞表面受容体として知られるCD16膜
貫通型抗原を発現するNK細胞等を挙げることができ、
これらの中でもβ−エンドルフィン産生能を有するCD
56陽性細胞、すなわちCD56陽性のγδT細胞やC
D56陽性のNK細胞が好ましい。
ー細胞を含むリンパ球としては、CD56陽性のγδT
細胞やNK細胞が50%以上含まれているリンパ球が、
強い癌細胞特異的障害活性やβ−エンドルフィン産生に
よるQOL改善の点から好ましく、また、活性化処理に
使用したIL−2、IFN−α等の生物製剤(BRM)
が実質的に含まれていないリンパ球が副作用を抑制しう
る点で好ましい。
に定義される。エフェクター細胞とCr56等の放射性物
質で標識されたダウディ細胞又はK562細胞等の標的
細胞とを接触せしめ、該標的細胞から放出される放射性
物質の量[測定放出値(cpm)]と、該標的細胞に取り
込まれた全放射性物質の量[最大放出値(cpm)]と、
放射性物質測定環境下における放射性物質の検出量[バ
ックグラウンド(cpm)]とをスペクトルガンマカウン
ター等でそれぞれ測定し、次式(数1)により比放出率
(%)を算出する。1溶解ユニットは、1×107のエフ
ェクター細胞が標的細胞からの比放出率30%を誘導す
る標的細胞の数として求められる。したがって、1溶解
ユニットは、1×107のエフェクター細胞がその30
%を殺傷することができる標的細胞数を意味することに
なる。
ー細胞を含むリンパ球は、例えば、以下のようにして調
製することができる。末梢血から分離したPBMCを、
培養器の内壁に固定した固相化抗CD3抗体の存在下で
インキュベートし、TCRと会合して抗原認識複合体を
形成するCD3(抗原)の抗CD3抗体との結合を利用
して、特にCD56陽性のγδT細胞を培養器内壁に付
着させ、次いでIL−2含有培地で培養し、T細胞やN
K細胞、特にCD56陽性のγδT細胞やCD56陽性
のNK細胞を増殖させた後、IL−2、IFN−α等の
BRMを用いて所定時間活性化処理することにより得る
ことができる。そして、このようにして得られたリンパ
球を洗浄し、活性化処理に用いたIL−2、IFN−α
等のBRMを実質的に除去しておくことが好ましい。ま
た、上記培養増殖時に単球を共存させることにより、よ
り細胞障害活性の強いキラー細胞を含むリンパ球を得る
ことができる。
等の標的細胞に対する細胞障害活性が150溶解ユニッ
ト以上となる処理であれば特に制限されるものでなく、
使用するBRMの種類・組合せ、濃度、処理時間等を適
宜選択することができる。例えば、活性化処理にBRM
としてIL−2とIFN−αを用いる場合について具体
的に説明すると、1000単位/mlのIL−2と10
00〜2000単位/mlのIFN−αで約15分間の
活性化処理により、ダウディ癌細胞等の標的細胞に対す
る細胞障害活性が150溶解ユニット以上となるリンパ
球を得ることができる。上記1000単位/mlのIL
−2と1000単位/mlのIFN−αとを用いる場
合、処理時間を15分より少し長くしてもよく、また、
1000単位/mlのIL−2と2000単位/mlの
IFN−αとを用いるときは、処理時間を15分より少
し短くしてもよい。
mlのIL−2と500単位/mlのIFN−αとで1
時間活性化処理を行ったが、かかる活性化処理では、最
大130溶解ユニットのダウディ癌細胞等の標的細胞に
対する細胞障害活性しか得られないが、上記のように、
1000単位/mlのIL−2と1000単位/mlの
IFN−αで15分間活性化処理すると溶解ユニット2
00以上の本発明のリンパ球を、1000単位/mlの
IL−2と2000単位/mlのIFN−αで15分間
活性化処理すると溶解ユニット180程度の本発明のリ
ンパ球を得ることができる。なお、このような処理濃度
と処理時間を変えた活性化処理により、細胞障害活性が
上記のように大きく変化する理由は定かではないが、B
RMにより活性化されたBAK細胞は、当初約20%の
CD56陽性細胞を含有するに過ぎないが、2週間培養
・増殖することによってCD56陽性細胞が約50%あ
るいは50%以上に増えたこともその一因と考えられ
る。
明するが、この発明の技術的範囲はこれらの実施例に限
定されるものではない。 実施例1[BAK細胞活性を高めたリンパ球の製造] (材料)BAK細胞活性を高めたリンパ球の製造には、
以下の材料を使用した。OKT3クローン(オルト フ
ァーマシュチカル、アメリカ)から精製された抗CD3
モノクローナル抗体は、ヤンセン協和(東京)から購入
したものを、遺伝子組換え大腸菌で製造したヒトIL−
2(rhIL−2)は塩野義製薬(東京)から購入した
ものを、ヒト天然IFN−αは、住友製薬(大阪)から
購入したものを、それぞれ用いた。
法)複数の進行性癌患者から採取した末梢血20mlを
ヘパリン処理した後、フィコール−パーク密度勾配遠心
分離(350×g、25分)して、中間に層状になった
リンパ球を含む末梢血単核細胞(PBMC)画分を分取
した。得られたPBMC3〜5×107個を、10%の
ヒトAB血清とrhIL−2を700単位/mlで含む
30mlのRPMI1640+7培地(日研生物医学研
究所社製)に加えた後、抗CD3抗体で被覆された22
5cm2培養フラスコ中で一晩インキュベートした。次
いで、30mlのPBMCを上記フラスコに添加し、C
O2雰囲気下37℃で2日間培養し、さらにRPMI1
640+7培地を60ml加え、さらに1〜2日培養し
た。
胞を2〜3日培養した。175単位/mlのIL−2と
2%のヒトAB血清を含むHyMedium930B-10(ニプロ社
製)1リットルを含むガス透過性のバッグに移し、2〜
3日間培養して2つのバッグに分け、これをさらに2〜
3日間培養して4つのバッグに分けた。殺菌試験とエン
ドトキシンアッセイを行い問題の無いことを確認した
後、1000単位/mlのIL−2と1000単位/m
lのIFN−αによって15分間活性化処理を行った。
0.1%のヒトアルブミンを含む生理食塩水中で遠心分
離することによって2回洗浄し、IL−2及びIFN−
αを除去し、得られた0.5〜1.0×1010のリンパ
球を2.5%のヒトアルブミンを含む生理食塩水200
mlを含む輸液バッグに入れた。この0.5〜1.0×
1010のリンパ球が、1回のBAK細胞療法において1
時間かけて静脈に点滴投与される量である。
理条件(IFN−α濃度、処理時間)について検討し
た。固相化抗CD3抗体処理に続くIL−2存在下での
2週間の培養・増殖後のPBMCを、1000単位/m
lのIL−2と、1000単位/ml又は2000単位
/mlのIFN−αで、15分間又は30分間活性化処
理を行い、得られた6種類のBAKを含むリンパ球をエ
フェクター細胞とし、ダウディ細胞を標的細胞とする細
胞障害活性について調べた。なお、対照としては、IL
−2とIFN−αを添加することなく、15分間インキ
ュベーションしたものを用いた。
より得られたエフェクター細胞(2×106)を、10
%のヒト血清を含むRPMI1640培地1mlを入れ
た24ウェルの平底プレートでインキュベートした。3
7℃で24時間インキュベートした後、エフェクター細
胞をRPMI1640培地で3回洗浄した後、10%子
牛血清(FBS)を含むRPMI1640培地に再懸濁
した。一方、標的細胞であるダウディ細胞を、0.5m
lのクロム酸ナトリウム(Cr56、比活性5mCi/m
l;ICN, CostaMesa, CA)を用い37℃で90分間で標
識し、10%子牛血清を含むRPMI1640培地で3
回洗い、新しい培地に再懸濁し、1×104/ウェルの
エフェクター細胞が予め加えられている96ウェルU底
プレート(ベクトンディッキンソンラボ社製)に所定の
標的細胞濃度となるように加えた。96ウェルU底プレ
ートを50×gで遠心分離し、上澄を各ウェルから回収
しスペクトルガンマカウンター(Packard Instrument,
Downers Grove, IL)で、標的細胞から放出される放射
性物質の量[測定放出値(cpm)]を測定した。また、
標的細胞に取り込まれた全放射性物質の量[最大放出値
(cpm)]は標的細胞を3%トリトンX−100(シグ
マ社製)でインキュベートした後に測定した。そして、
放射性物質測定環境下における放射性物質の検出量をバ
ックグラウンド(cpm)とし、前記比放出率(%)の式
(数1)より算出した比放出率が30%となる標的細胞
数を求め、その値を1×107のエフェクター細胞当た
りの殺傷標的細胞数に換算、すなわち1000倍して溶
解ユニット値とした。結果を図1に示す。
mlのIL−2と1000単位/mlのIFN−αとを
用いて15分間活性化処理したもの、及び、1000単
位/mlのIL−2と2000単位/mlのIFN−α
とを用いて15分間活性化処理したものは、溶解ユニッ
トが、それぞれ180程度及び200以上であり、極め
て高いことがわかった。一方、1000単位/mlのI
L−2と1000単位/ml又は2000単位/mlの
IFN−αとを用いて30分間活性化処理したものは、
1000単位/mlのIL−2のみを用いて15分間又
は30分間活性化処理したものと同程度の細胞障害活性
を示し、同濃度で15分間活性化処理したものに比べて
細胞障害活性が低かった。
性状] (材料)NK細胞、αβT細胞、γδT細胞、CD56
陽性細胞を定量するために、それぞれフルオレセインイ
ソチオシアネート(FITC)で標識したFITC抗C
D16モノクローナル抗体、FITC抗TCRαβモノ
クローナル抗体、FITC抗TCRγδモノクローナル
抗体、フィコエリトリン(PE)で標識したPE抗CD
56モノクローナル抗体を用い、これらモノクローナル
抗体はベクトンディッキンソン(マウンテンビュー、カ
リホルニア)から購入した。また、細胞内サイトカイン
分析のためのペリジニン−クロロフィル蛋白標識化抗C
D3抗体及びPE標識化抗IFN−γモノクローナル抗
体もベクトンディッキンソンから購入した。
氷上で30分間適量のFITC又はPEで標識したモノ
クローナル抗体で染色した。細胞を非標識化モノクロー
ナル抗体と30分間氷上でインキュベートし、冷たいR
PMI1640で洗浄し、それからFITC結合をした
ヤギF(ab′)2抗マウス免疫グロブリン抗体又は抗ラ
ット免疫グロブリン抗体(Cappel, Durham, NC)を用い
て染色した。染色したこれらの細胞を2回洗浄し、0.
5mlの冷たいRPMIに再度懸濁し、FACScan
フローサイトメーター(ベクトンディッキンソン社製)
により分析した。イソタイプ適合モノクローナル抗体を
ネガティブコントロールとして用いた。IFN−γ生産
性γδT細胞は前報(Biotherapy 11, 241-53, 1998)に
記載した方法と同様フローサイトメトリー法(Flow cyt
ometry)により測定した。
単離)末梢血単核細胞(PBMC)から、CD56陽性
及びCD56陰性リンパ球を、マイクロビーズ(Milten
yi Biotech Inc社製)を用いたガイセルハルトらの方法
(Geiselhart et al. Natural Immunity 15, 227-33, 1
996)により単離した。簡単に説明すれば、フィコール
−パーク(Ficoll-Paque)密度勾配遠心分離法により末梢
血からPBMCを分離し、得られたPBMC中のCD5
6陽性細胞を、抗CD56抗体と結合した磁気マイクロ
ビーズで被覆し、磁気カラムを用いて陽性的に選択し溶
出した。また、CD56陰性細胞は磁気的に消費されそ
のままの細胞として分離された。これらのCD56陽性
細胞及びCD56陰性細胞の純度は、FACS(fluore
scence activated cell sorter:蛍光活性化セルソータ
ー)分析によりそれぞれ98%であることがわかった。
56陽性細胞等の増加)後記する表3に示される癌患者
3名から末梢血を数ヶ月にわたり複数回採取し、IL−
2存在下2週間培養する実施例1記載の方法で活性化さ
れたキラー細胞を含むリンパ球を調製した。そして、培
養の前後におけるNK細胞、γδT細胞、CD56陽性
細胞の増加について調べた。結果を図2に示す。図2に
示されるように、患者番号1においては、γδT細胞と
CD16陽性細胞の両細胞数が培養によって増加し、患
者番号6においては、γδT細胞の数が増加し、患者番
号11においては、CD16陽性細胞の数が増加するこ
との他、CD56陽性細胞の数は全ての患者において増
加することや、BAK細胞の主な集団(ポピュレーショ
ン)はCD56陽性γδT細胞、CD56陽性NK細胞
等のCD56陽性細胞からなることがわかった。
2週間の培養時における単球共存の細胞障害活性やCD
56陽性細胞数に及ぼす影響について調べた。単球非共
存下での培養とするために、培養器内壁に付着した細胞
を除去した状態で培養する以外は、単球共存下の培養で
ある実施例1と同様に行った。また、細胞障害活性はダ
ウディ細胞に加えてK−562細胞を用いる以外は実施
例2と同様に行った。結果を表1に示す。表1から、末
梢血リンパ球中のCD56陽性細胞を増殖するために
は、培養する際に単球を共存させることが好ましいこと
や、BAK細胞を付着性単球の非共存下で培養すると、
K−562細胞(NK細胞の標的細胞)及びダウディ細
胞に対する細胞障害活性は増加しないことがわかった。
い知見)また、図2からわかるように、BAK細胞は培
養前約20%のCD56陽性細胞を含有するが、2週間
培養するとCD56陽性細胞は約50%に増加し、BA
K細胞の多くはCD56陽性細胞であることがわかっ
た。また、前報において、CD56陽性(CD56+)
細胞はCD56陰性(CD56-)細胞よりも強い細胞
障害活性を有することを報告した。他方、β−エンドル
フィンはNK細胞活性を増進し、NK細胞及びヒト末梢
血リンパ球によるIFN−γの生産を増進する。そこ
で、CD56陽性細胞がβ−エンドルフィンを産生する
かどうかについて調べた。
の培養上澄中のβ−エンドルフィンは、ラジオイムノア
ッセイ(RIA;INCSTAR Corp. 社製)により分析し
た。培養上澄をウサギ抗β−エンドルフィン血清と16
〜24時間4℃でインキュベートした。[125I]でラ
ベルしたβ−エンドルフィンを加え、さらに16〜24
時間4℃でインキュベートした。相分離はヤギ抗ウサギ
抗体の事前沈殿複合体で20分間4℃にて行った。その
溶液を760×gで20分遠心分離し、その上澄を捨
て、それぞれの試験管中の沈殿物をガンマシンチレーシ
ョンカウンターで測定した。このβ−エンドルフィン抗
体の交差−反応活性はヒトβ−エンドルフィン中で10
0%であり、エンケファリン(enkephalin)、ACTH及
びバソプレッシン中では0.01%以下であった。
の産生)CD56陽性細胞及びCD56陰性細胞は、前
記マイクロビーズ法によって末梢血単核細胞(PBM
C)から単離した。次いで、2.5mlの106細胞を
RPMI1640培地中で血清を添加せずに16時間培
養した培養上澄におけるβ−エンドルフィンを、前記β
−エンドルフィンの分析法により測定した。結果を表2
に示す。表2に示されるように、CD56陽性細胞だけ
が8pg/mlのβ−エンドルフィンを産生した。この
産生量は、109個のCD56陽性細胞の場合、20n
gのβ−エンドルフィンが生産されることに相当する。
通常のヒトの血漿中のβ−エンドルフィンは5.8±
1.1pg/mlであり、本発明のBAK細胞療法に用
いられるBAK細胞によって生産されるβ−エンドルフ
ィンは20ngとなるので、生体にとって有意の量とい
える。
6陰性細胞と比較した結果、CD56陽性細胞のみがβ
−エンドルフィンを産生することを初めて明らかにし
た。CD56陽性細胞はその細胞膜表面にNCAMをも
ち、脳ホルモンのβ−エンドルフィンを産生することか
ら、神経−免疫−エンドクリン(neuro-immune-endocrin
e:NIE)系に直接的に関与する、多機能的NIE細胞
であると考えられる。かかるCD56陽性細胞が多機能
NIE細胞であることはこれまで全く知られていなかっ
た。このように、CD56陽性細胞によるβ−エンドル
フィンの生産はBAK細胞療法によって誘起される一連
の抗癌反応に重要な役割を果たしていると考えられる。
他方、β−エンドルフィンは非常に重要な鎮痛・鎮静作
用を示す。したがって、BAK細胞療法を始めて2〜3
週間後に患者が満足すべきQOLを報告したのはこれが
理由であると推察される。
BAK細胞療法を施した患者は、余命が数ヶ月と予測さ
れる化学治療を拒否した13人の進行性癌患者、及び手
術を受けた後の転移の防止を希望した4人の患者であ
る。前報において、IFN−γ生産性のγδT細胞の割
合が1%以下の進行癌患者はBAK細胞治療の対象にな
らないことから、全ての患者のIFN−γ生産性のγδ
T細胞の割合が1%以上であることかどうかを確認し
た。表3に、患者の性別、年齢、原発病巣、転移病巣、
IFN−γ生産性のγδT細胞の割合を示した。
通院によるBAK細胞治療の対象とした。平均6×10
9の本発明のBAK細胞を1時間かけて月1回又は2週
間に1回点滴注射した。BAK細胞治療の結果を表4に
示す。全ての患者の行動状態(performance status)は
カルノフスキー指標で80%以上であった。また表4に
示されているように、2週間培養することによって患者
17人全てのPBMC中のCD56陽性細胞数が増加す
ることがわかった。BAK細胞治療の間中、癌マーカー
としての免疫抑制性酸性蛋白(IAP)及びQOLマー
カーとしてフェーススケールを測定し記録した。表2及
び図3に示されるように、たとえ癌マーカー蛋白(IA
P)が増加した場合でも、全ての患者のQOLは満足な
状態であるか改善された。番号1の患者の場合、図2に
示されるように、培養によってγδT細胞及びNK細胞
(CD16陽性細胞)の数が増加した。肺への転移癌の
大きさは像分析の結果3年間変化せず、患者の全体的状
況は大変良好であった(図3)。番号10の患者の場
合、図2に示されるように、培養によってγδT細胞及
びCD56陽性細胞の数が増加した。番号10の患者は
硬性胃癌に冒されていたが2週間に一度飛行機で札幌か
ら通院することができた。このことは、全般的に良好な
QOLが17月以上維持できたことを示している(図
3)。この患者は免疫療法の開始した後18月後、手術
した後30月後に死亡したが、死亡の1月前まで多くの
好きな活動に参加していた。図3に示すように、BAK
細胞治療が細菌汚染のためできなくなった7月、番号5
の患者の雰囲気は悪くなった。番号8の患者の場合、図
2に示されるように、培養によってNK細胞(CD16
陽性細胞)及びCD56陽性細胞の数が増加した。番号
8の患者は手術不可能な肺癌にかかっていたが、BAK
細胞治療を始めてからCT像分析によれば癌が消失し
た。
キーの指標で80%以上であり、彼等は2週間に1回の
割合で通院した。番号1〜7及び9〜13の患者の場
合、原発性癌が除去されたにも拘わらず、多くの手術不
可能な転移癌があった。これらの患者は2〜3月しか生
存出来ないと判断される状態であったが、16月以上に
亘ってBAK細胞治療を受けた。これは、BAK細胞治
療が進行癌患者に対し副作用の無い延命効果があること
を意味する。これら番号1〜7及び9〜13の患者の場
合、症像分析(CT及び/又はMRI)によれば、癌の
大きさは変化しなかった。したがって、これらの患者に
対するBAK細胞療法は、従来の化学療法で用いられる
基準からすれば効果なしと判定される。しかし、これら
の患者の行動状態(performance status)は、カルノフ
スキー指標によれば80%以上であり、彼等のQOL指
数は10段階のフェーススケールを使った評価によれば
維持されたか改善された。
ことにした。従来の固形癌の化学療法による効果判定で
は病巣像が消失し、4週間以上持続した場合を「著効」
(CR)、病巣面積が50%以上の縮小が4週間以上持
続した場合を「有効」(PR)、病巣面積が50%未満
縮小、又は25%以内増大が4週間以上持続した場合を
「不変」(NC)、病巣面積が25%以上増大した場合
を「進行」(PD)としており、画像上腫瘍の大きさが
不変であれば治療の効果がないとされてきた。しかし、
癌組織が存在しても副作用がなく、QOLが良好な状態
に維持されているならば患者にとって問題がないことか
ら、免疫療法では癌組織を無理矢理殺傷することはしな
いため、BAK細胞治療の効果判定基準として新しくP
RとNCの間に病巣面積が50%未満縮小、又は25%
以内増大が6ヶ月以上続く場合として「長期不変」(pr
olonged NC)を加えた。この判定基準を加えた番号1
〜13の患者の固形癌治療効果の判定結果を表4に示
す。病巣の画像が消失した番号8及び番号13の患者に
つきCRの例が2例、番号1〜7及び12の患者につき
prolonged NCの例が8例となり、BAK細胞治療の効
果がより一層明確となった。また、番号14〜17の手
術後の転移予防のためにBAK細胞治療を行った4名の
患者については、癌転移の無い期間がそれぞれ46、3
7、31及び18月続いた。このことは、BAK細胞治
療が癌転移予防効果を有することを意味する。
(IAP)はヒト血清α1−酸性糖蛋白質の一つであ
り、癌マーカー蛋白質である。IAPの血清濃度はヤギ
抗ヒトIAP血清抗体を用いる単一放射免疫拡散法によ
り測定した。精製されたIAPを用いた検量線は30μ
g/mlと1500μg/mlの間で直線であった。ま
た、表4及び図3中のフェーススケールとは、図4に示
されるように、異なったムードを表す順番に並べた10
枚の絵である。目、眉毛、及び口の微妙な変化が少しず
つ違ったムードを表している。その顔はムードが悪い順
に1〜10の番号が付されており、1が最も良いムード
であり、10は最も良くないムードである。試験官がこ
れらの顔を指差して患者に「これらの顔は最初の大変幸
福なものから最後の大変悲しいものまであります。今日
のあなたの気持ちを最も良く表している顔を指差してく
ださい。」といって患者に指差すものをムードとして採
用する。
性化されたキラー細胞を含むリンパ球は、CD系の各種
レセプターやサイトカインの免疫系における相互作用の
解明、癌治療の基礎的研究に有用であるばかりでなく、
癌患者に投与することにより延命効果があり、患者のQ
OLを向上させることができ、しかも副作用が無いの
で、新しい免疫療法を可能とする。
おける細胞障害活性の程度を溶解ユニットで示した図で
ある。
したときのNK細胞、γδT細胞、CD56陽性細胞の
細胞数の変化を示す図である。
を示す図である。
ルの図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 末梢血から分取した単核細胞を固相化抗
CD3抗体の存在下で培養した後、IL−2含有培地で
培養し、次いでIL−2及びIFN−αで活性化処理す
ることにより得られ、ダウディ癌細胞に対する細胞障害
活性が、150溶解ユニット以上であることを特徴とす
る生物製剤(BRM)によって活性化されたキラー細胞
を含むリンパ球。 - 【請求項2】 ダウディ癌細胞に対する細胞障害活性
が、180溶解ユニット以上であることを特徴とする請
求項1記載の生物製剤(BRM)によって活性化された
キラー細胞を含むリンパ球。 - 【請求項3】 生物製剤(BRM)によって活性化され
たキラー細胞が、生物製剤(BRM)によって活性化さ
れたγδT細胞及び/又はNK細胞であることを特徴と
する請求項1又は2記載の生物製剤によって活性化され
たキラー細胞を含むリンパ球。 - 【請求項4】 生物製剤(BRM)によって活性化され
たγδT細胞及び/又はNK細胞が、β−エンドルフィ
ン産生能を有するCD56陽性細胞であることを特徴と
する請求項3記載の生物製剤(BRM)によって活性化
されたキラー細胞を含むリンパ球。 - 【請求項5】 β−エンドルフィン産生能を有するCD
56陽性細胞が50%以上含まれていることを特徴とす
る請求項4記載の生物製剤(BRM)によって活性化さ
れたキラー細胞を含むリンパ球。 - 【請求項6】 生物製剤(BRM)を実質的に含まない
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の生物製
剤(BRM)によって活性化されたキラー細胞を含むリ
ンパ球。 - 【請求項7】 生物製剤(BRM)がIL−2及びIF
N−αであることを特徴とする請求項6記載の生物製剤
(BRM)によって活性化されたキラー細胞を含むリン
パ球。 - 【請求項8】 末梢血から分取した単核細胞を固相化抗
CD3抗体の存在下でインキュベーションした後、IL
−2含有培地で培養し、次いでIL−2及びIFN−α
で所定時間活性化処理することを特徴とする請求項1〜
7のいずれか記載の活性化されたキラー細胞を含むリン
パ球の製造方法。 - 【請求項9】 IL−2含有培地での培養が、単球の共
存下に行われることを特徴とする請求項8記載の活性化
されたキラー細胞を含むリンパ球の製造方法。 - 【請求項10】 IL−2及びIFN−αによる所定時
間の活性化処理が、1000単位/mlのIL−2と1
000〜2000単位/mlのIFN−αで約15分間
行う活性化処理であることを特徴とする請求項8又は9
記載の活性化されたキラー細胞を含むリンパ球の製造方
法。
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