JP2015038040A - 癌発症抑制剤、抗体産生能増強剤及び肝炎治療剤 - Google Patents
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Abstract
Description
癌が主要な死因となってから、癌治療のための薬剤の開発だけでなく、癌発症のリスク因子と抑制因子を明らかにし、それらの因子を排除または摂取することで癌予防に役立てる動きが活発になっている。代表的な癌発生のリスク因子として、喫煙など生活習慣、肝炎ウイルス(肝癌)、パルボウイルス(子宮頸癌)、ヘリコバクターピロリ(胃癌)等の持続感染が知られている。該リスク因子を排除することで結果的に癌予防に役立っている例として、B型肝炎ウイルスとパルボウイルス感染阻止のための予防ワクチン療法がある。
これらの食品や薬剤による癌予防のメカニズムとして、癌細胞の増殖抑制、アポトーシス誘導、ホルモン受容体への修飾、あるいは癌細胞の免疫感受性の上昇などが推定されている。
これらの癌予防の考え方は、正常細胞から癌細胞への変異や癌細胞の増殖・転移といった、癌細胞側の因子をいかに抑制するかという視点に立っている。一方、癌発生に対抗する生体側の因子、すなわち腫瘍免疫学的な見地から、以下に述べるように、免疫監視能力を強化することで癌発症を抑制させることも理論的に可能である。
20世紀半ばに、Burnetはマウスを用いた実験から、免疫システムが前癌細胞(precancerous)を見つけ、さらに排除することで癌への進行を阻止し、固体の恒常性を維持する免疫監視機構の存在を提唱した。その後、遺伝子改変マウスモデルの開発によって、免疫監視機構の存在が確かなものであることが証明され、Dunnらによるimmunoediting説によって、発癌と免疫システムまでの複雑な関連と過程が整理された(非特許文献1:Nat.Immunl. 2002;3:991)。
次のequilibrium段階では、正常な免疫機能を保持した生体でも免疫原性の低い癌細胞の選択が進行し、最終的に癌細胞に免疫抵抗性が獲得され、癌細胞の増殖が徐々に起こる。
3番目のescapeは、免疫システムがもはや癌細胞を認識できずに癌組織の急速な増大を招き、臨床的に癌が把握される段階である。
Equilibriumから先に進むほど癌の進行を抑制することは難しくなるので、癌発症の抑制のためには最初のeliminationの段階で確実に癌細胞を排除することが肝要である。しかし、加齢、ストレスなどによって、自然免疫細胞、獲得免疫細胞の機能が低下し、癌細胞の排除能力が十分に働かなくなる。例えば、加齢によってNK細胞の細胞傷害活性やインターフェロンγ産生能も減弱するが、一方100歳以上の超長命者の免疫能力を見ると、自然免疫系のNK細胞とNKT細胞の機能が高く維持されていることが報告されている(非特許文献2:J.Clin.Immunol. 2009;29:416)。
現在のところ、癌発症抑制手段として報告されているのは、すべて癌細胞に直接働いてその進展を抑制する、食品、サプリメント(セレニウム、ビタミンなど)、抗炎症薬、SERM(選択的エストロゲン調節薬)に限られ、必ずしもその抑制効果は高くはない。また、加齢などによるワクチン効果減弱への対処は、ワクチンアジュバントやワクチンの1回投与量や投与回数を増やすことに留まっている。
B型肝炎ウイルスに感染している慢性肝炎患者は全世界に3億6千万人おり、肝硬変、肝癌の予備群として大きな問題となっている。予防に使用するB型肝炎ワクチンをB型慢性肝炎の「治療」ワクチンとして、ウイルス増殖阻害剤との併用で試みられたが、満足な臨床的改善は見られていない(非特許文献3:Vaccine 2007;25:8585、非特許文献4:Hepat. Res. Treat. 2010;2010:817580)。
さらに、新しいDNAワクチン(非特許文献5:Gene Ther. 2006;13:1110)や免疫複合体ワクチン(非特許文献6:PLoS One 2008;3:e2565)の臨床試験のように「治療」ワクチン療法の開発も模索されている。
しかしながら、通常のHBワクチンを投与しても抗体価が上昇しない、又は極めて上昇しにくい集団(例えば、60歳以上の男性)が存在していることが問題となっている。
加えて、肝炎の治療では、一般にインターフェロンを使用している。しかし、患者によって治療効果が異なり、新たな治療方法の確立が必要とされている。
抗体産生増強剤に関する報告がされている。
特許文献1は、「茶多糖類を有効成分とする抗体産生誘導剤」を開示している。
特許文献2は、「卵白を含有することを特徴とするワクチンの抗体産生能増強剤」を開示している。
しかしながら、上記文献では、「NK細胞を含む抗体産生増強剤」については開示又は示唆がない。さらに、NK細胞は抗体産生能を抑制するという報告が多数されている(非特許文献7:Cell. Immunol. 1995;161:42)。すなわち、従来の知見では、NK細胞は抗体産生能を抑制するということが一般的であった。
そこで、本発明者らは、「該主要な免疫担当細胞が判明すれば、その機能を人為的に高めることにより、免疫監視能力が向上し、elimination過程を再強化させることができ、さらにこの再強化を行うことで、強化しない場合と比較し、最終的に癌発症の低下が期待される」と考えた。
さらに、本発明者らは、「先に述べたワクチン療法においても、癌発症と同じく加齢によって、NK細胞、樹状細胞の機能低下、ナイーヴT細胞、B細胞の減少は外来抗原に対する免疫反応能力が低下すること、事実、B型肝炎ワクチンにおいては、一部の健常者、HIV陽性患者、透析患者、アルコール中毒患者で抗体が誘導されず、無・低反応性が指摘されている」という知見を基にして、このような無・低反応性は最終的に慢性肝炎、肝癌のリスクが高まると考えた。
さらに、本発明者は、「無・低反応性の原因となっている免疫反応能力の低下を再び高めることによって、ワクチン効果が誘導され、最終的には癌、特に肝癌の予防が可能となる」と考えた。
そこで、本発明者は、上記知見を基にして、癌発症抑制剤、抗体産生能増強剤及び肝炎治療剤を提供することを課題とした。
「1.有効成分であるNK細胞を含む健常人用癌発症抑制剤。
2.前記NK細胞が活性化NK細胞である前項1に記載の健常人用癌発症抑制剤。
3.活性化NK細胞を健常人に投与することを特徴とする健常人の癌発症抑制方法。
4.前記活性化NK細胞は、前記健常者由来のNK細胞である前項3に記載の癌発症抑制方法。
5.有効成分であるNK細胞を含むワクチンの抗体産生能増強剤。
6.前記ワクチンが肝炎ワクチンである前項5に記載の抗体産生能増強剤。
7.前記肝炎ワクチンがB型肝炎ワクチンである前項6に記載の抗体産生能増強剤。
8.前記NK細胞は活性化NK細胞である前項5〜7のいずれか1に記載の抗体産生能増強剤。
9.有効成分であるNK細胞と有効成分である肝炎ワクチンを組み合わせたことを特徴とする肝炎治療剤。
10.前記肝炎ワクチンがB型肝炎ワクチンである前項9に記載の肝炎治療剤。
11.有効成分であるNK細胞を含むワクチンの抗体産生能増強剤、及び肝炎ワクチンを含む肝炎治療用キット。
12.前記肝炎ワクチンがB型肝炎ワクチンである前項11に記載の肝炎治療用キット。
13.以下の工程(1)(2)又は(1)'(2)'を含む患者のワクチンの抗体産生能増強方法。
(1)活性化NK細胞を患者に投与する工程
(2)ワクチンを該患者に投与する工程
(1)' ワクチンを患者に投与する工程
(2)' 活性化NK細胞を該患者に投与する工程
14.前記活性化NK細胞は、前記患者由来のNK細胞である前項13に記載の抗体産生能増強方法。
15.前記ワクチンが肝炎ワクチンである前項13又は14に記載の抗体産生能増強方法。
16.前記肝炎ワクチンがB型肝炎ワクチンである前項15に記載の抗体産生能増強方法。
17.以下の工程(1)(2)又は(1)'(2)'を含む肝炎治療方法。
(1)活性化NK細胞を患者に投与する工程
(2)ワクチンを該患者に投与する工程
(1)' ワクチンを患者に投与する工程
(2)' 活性化NK細胞を該患者に投与する工程
18.前記活性化NK細胞は、前記患者由来のNK細胞である前項17に記載の抗体産生能増強方法。
19.前記肝炎がB型肝炎である前項17又は18に記載の肝炎治療方法。」
本発明で使用するNK細胞は、自体公知の方法で取得したいかなるNK細胞も利用することができる。しかし、活性化NK細胞を使用することが好ましい。
なお、NK細胞の提供者(ドナー)とNK細胞の被提供者(レシーピエント)は、同種であることが好ましい。例えば、ドナーがヒトの場合には、レシーピエントはヒトである。
また、NK細胞の提供者とNK細胞の被提供者は、同一個体であることがより好ましい。例えば、ドナーが提供者Xの場合には、レシーピエントは提供者Xである。
本発明で使用するNK細胞は、自体公知の方法で取得することができる(参照:表1)。NK細胞は、末梢血、リンパ節、胸腺、骨髄、腫瘍、胸水、腹水又は臍帯血から採取された単核球、より好ましくは末梢血単核球から誘導して取得する。
例えば、末梢血から比重遠心法により、NK細胞を含む単核球を回収することができる。また、例えば、NK細胞上に特異的に発現する細胞表面マーカーに対する抗体を用いて、セルソーター、パニング、抗体磁気ビーズ法などによりNK細胞を単離することができる。
本発明のNK細胞活性化方法では、T細胞及びNK細胞を含む単核球にCD3アゴニスト及びCD52アゴニストによる刺激を与えることにより、NK細胞をT細胞よりも活性化させることができ、NK細胞をK562等と混合させることなく安全に且つ簡単に増殖することができる。特に、T細胞及びNK細胞を含む単核球にCD3アゴニストとCD52アゴニストによる刺激を、IL−2存在下で行うことにより、IL−2単独刺激に比べ、NK細胞をT細胞よりも増殖させることができる。また、本発明のNK細胞活性化方法を用いればNK細胞を1000倍以上にも増殖させることができる(参照:特開2005-124568)。
本発明の健常人用癌発症抑制剤は、少なくとも有効成分であるNK細胞、好ましくは活性化NK細胞を含み、より好ましくは活性化NK細胞が全細胞中で最も多く含む。
また、本発明の癌発症抑制剤は、NK細胞以外の細胞、例えばNKT細胞、T細胞、樹状細胞、γδT細胞など免疫細胞を含有することができる。加えて、本発明の癌発症抑制剤は、NK細胞を任意の他の治療のための有効成分との混合物としても含有することができる。
本発明の癌発症抑制剤は、有効量の有効成分を薬理学的に許容される一種若しくはそれ以上の担体と一緒に混合し、製剤学の技術分野においてよく知られている任意の方法により製造される。薬理学的に許容される担体は種々の物質が知られており、それらから適宜選択して使用されるが、緩衝液や、各種塩、血清、アルブミン、アミノ酸などの添加物を例示できる。
なお、本発明で意味する「健常人」とは、各種の検査・診断により癌と診断されていない哺乳類を意味し、癌以外の疾患を有する哺乳類も含む。さらに、癌細胞・腫瘍の大きさにより、現時点では治療が不要な哺乳類も含む。
本発明の健常人用癌発症抑制剤中に含まれるNK細胞及び/又は活性化されたNK細胞の濃度は、通常、約1×105〜1×1011個/ml、好ましくは約1×106〜1×1010個/mlの範囲であるが、特に限定されない。細胞濃度が低すぎると、投与に時間がかかるため患者への負担が増大し、細胞濃度が高すぎると、細胞同士が凝集してしまう可能性がある。
本発明の癌発症抑制方法は、NK細胞、好ましくは活性化NK細胞を健常人に投与する。なお、必ずしも該NK細胞は、該健常人由来のNK細胞である必要がない。しかしながら、好ましくは、少なくとも以下の工程を含む。
(1)健常人から取得したNK細胞を増殖・活性化させる工程
(2)該活性化したNK細胞を該健常人に投与する工程
また、NK細胞は、注射、点滴等により人体の血管に投与することが好ましい。
NK細胞又は活性化処理したNK細胞の投与は1回の投与当たり102〜1012個を投与し、年に1〜12回これを繰り返すが、好ましくは1〜2回投与を行う。
より詳しくは、NK細胞又は活性化処理したNK細胞の投与量は、投与形態、患者の年齢、体重等により異なるが、通常、1回の投与につき、活性化されたNK細胞の数として、通常1×107〜1×1011個、好ましくは1×108〜1×1010個の用量で投与される。
本発明のワクチンの抗体産生能増強剤は、少なくとも有効成分であるNK細胞、好ましくは活性化NK細胞を含み、より好ましくは活性化NK細胞が全細胞中で最も多く含む。
また、本発明のワクチンの抗体産生能増強剤は、NK細胞以外の細胞、例えば、NKT細胞、T細胞、樹状細胞、γδT細胞など免疫細胞を含むことができる。加えて、本発明のワクチンの抗体産生能増強剤は、NK細胞を任意の他の治療のための有効成分との混合物としても含有することができる。
本発明のワクチンの抗体産生能増強剤は、有効量の有効成分を薬理学的に許容される一種若しくはそれ以上の担体と一緒に混合し、製剤学の技術分野においてよく知られている任意の方法により製造される。薬理学的に許容される担体は種々の物質が知られており、それらから適宜選択して使用されるが、緩衝液や、各種塩、血清、アルブミン、アミノ酸などの添加物を例示できる。
本発明のワクチンの抗体産生能増強方法は、NK細胞(好ましくは活性化NK細胞)、ワクチンを患者に投与する。なお、必ずしも該NK細胞は、該患者由来のNK細胞である必要がない。
しかしながら、好ましくは、少なくとも以下の工程を含む。なお、下記(1)と(2)の工程は順番を変更することもできる。
(1)患者から取得した活性化NK細胞を該患者に投与する工程
(2)ワクチンを該患者に投与する工程
本発明の増強剤が使用できる「ワクチン」としては特に限定されるものではなく、生ワクチン、不活性化ワクチン、ペプチドワクチン、プラスミドDNAワクチン、抗原抗体複合体ワクチン等に使用できる。ワクチンは、自体公知の市販のワクチンを使用することができる。
本発明の増強剤は、好ましくは、肝炎ワクチン、より好ましくは、B型肝炎ワクチンに使用する。
本発明の肝炎治療剤は、少なくとも、有効成分であるNK細胞と有効成分である肝炎ワクチンを組み合わせた肝炎治療剤である。
なお、本発明の治療剤は、有効成分であるNK細胞と有効成分である肝炎ワクチンを、同時又は別々に、患者に投与できる形態となっている。
本発明の肝炎治療用キットは、少なくとも、有効成分であるNK細胞を含むワクチンの抗体産生能増強剤、並びに肝炎ワクチンを含む。
本発明のキットは、抗体産生能増強剤と肝炎ワクチンを、同時又は別々に、患者に投与できる形態となっている。
本発明の肝炎治療方法は、NK細胞(好ましくは活性化NK細胞)、肝炎ワクチンを患者に投与する。なお、必ずしも該NK細胞は、該患者由来のNK細胞である必要がない。
しかしながら、好ましくは、少なくとも以下の工程を含む。なお、下記(1)と(2)の工程は順番を変更することもできる。
(1)肝炎患者から取得した活性化NK細胞を該患者に投与する工程
(2)肝炎ワクチンを該患者に投与する工程
本発明の抗体産生能増強剤、肝炎治療剤の形態は、生体内に経口投与される緩衝水剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤等からなる薬剤に含有されて用いられてもよく、皮下注射、筋肉注射、静脈注射等により生体内に非経口投与される注射剤、点滴剤、座剤等からなる薬剤に含有されて用いられてもよい。
本発明の抗体産生能増強剤、肝炎治療剤は、凍結乾燥されていてもよく、治療効果上許容される担体、pH緩衝剤、安定化剤、賦形等の種々の添加物と共に薬剤に含有されて用いられてもよい。
本発明の抗体産生能増強剤、肝炎治療剤の投与法及び投与量は、前臨床試験や臨床試験の過程との関連において適宜決定される。本発明の抗体産生能増強剤、肝炎治療剤を経口投与する場合には、投与量は、通常、成人に対して1日当たり約0.01mg〜約1000mg(含まれるNK細胞及び/又は活性化されたNK細胞の濃度は、通常、約1×105〜1×1011個/ml、好ましくは約1×106〜1.0×1010個/mlの範囲である)であり、斯かる経口投与を1回又は数回に分けて行う。また、本発明の抗体産生能増強剤、肝炎治療剤を非経口投与する場合には、投与量は、通常、成人に対して1回当たり約0.01mg〜約1000mg(含まれるNK細胞及び/又は活性化されたNK細胞の濃度は、通常、約1×105〜1×1011個/ml、好ましくは約1×106〜1×1010個/mlの範囲である)である。
なお、経口投与又は非経口投与による医薬組成物の投与量は、年齢、体重及び病気の症状に応じて決定される。
本発明の癌発症抑制剤、抗体産生能増強剤、肝炎治療剤、癌発症抑制方法、抗体産生能増強方法、並びに肝炎治療方法の対象は、ヒトを含む哺乳類を対象とする。例えば、ヒト、イヌ、ネコ、ウマ(特に、競馬用ウマ)、ブタ等が例示される。
以下の工程により、自己末梢血リンパ球の培養・増殖を行うことにより、活性化NK細胞の培養・増殖を行った。
(工程1)
リン酸緩衝液(PBS)20mlに対し、オルソクローンOKT3:0.1μl/ml(抗CD3抗体,ヤンセンファーマより入手)及びMABCAMPATH:20〜40μl/ml(抗CD52抗体、バイエルより入手可)の溶液を作成した。
(工程2)
工程1の溶液を、それぞれ別の225cm2のフラスコに分注し、4℃で一晩静置させた。
(工程3)
工程2のフラスコをPBSで2回洗浄した。
(工程4)
健常人からヘパリン加末梢血30mlを採取し、Ficoll-Paque Plus(Amersham Pharmacia Biotech株式会社より入手)を媒体として用いた密度勾配遠心法により、末梢血単核球(PBMC)を分離した。
(工程5)
IL−2(500単位/ml、Chiron社)を含むNKGM培地(コージンバイオ株式会社より入手)に、工程4で分離したPBMCを0.5〜1×106/mlの濃度で浮遊させ、さらに患者血漿2〜10%を加えて培養液とした。この段階で培養液は60〜120mlになった。この培養液を、工程3で得た固相化抗体処理した培養フラスコに添加した。その後、5%CO2培養器内37℃の環境下で培養した。
(工程6)
培養開始から3〜5日目に、多数のコロニーが作られ、芽球化(blast化)したことを確認して、培養液を20〜100%追加し、さらにIL−2を500単位/ml添加した。通常この時期は培養開始してから3日目であった。
(工程7)
工程6で培養液を追加してから対数増殖期に入った1〜3日目(多くは1日目)に、活性化リンパ球を含んだ培養液を、NKGM−B(1リットル入りバッグ)に注入した。さらに、これを2〜3バッグに分注した。分注後3〜4日間隔で1バッグあたり、NKGM培地を100〜300ml、及び、IL−2を10〜20万単位、添加した。
(工程8)
培養開始14〜21日目に、バッグから培養液を遠心管に移し、これを600Gで10分遠心した。遠心管からペレットを残して上清を吸引した後、ペレットにPBSを加え洗浄し、再び遠心操作をおこなった。この作業を2〜3回繰り返し、培養リンパ球をよく洗浄した。最後に、ペレットを集め、生理的食塩水100mlに浮遊させ、これにヒト血清アルブミン2〜4%添加した。最後に、無菌テスト、エンドトキシンテストが陰性であることを確認した。
(凍結保存と解凍)
培養開始後、3〜7日で培養細胞を洗浄し、保存液であるKMバンカー(コージンバイオ)とともに凍結用チューブにいれ、液体窒素タンク内で−190℃以下に保って保存した。解凍後は、IL-2添加NKGM培養液で10〜14日間培養した。
上記培養・増殖したNK細胞表面には、CXCR3ケモカイン受容体、NKG2D、TRAIL、特異的な活性化受容体NKp30、NKp44、NKp46の発現が見られた。加えて、培養NK細胞には、持続的IFNγ産生があり、少なくとも3週間の培養まで、K562を標的した細胞傷害活性が高く維持されることが確認された。
以上により、溶液中には活性化したNK細胞が高濃度で存在していることを確認した。
健常人から得られた活性化NK細胞を含む培養リンパ球を該健常人に投与した。そして、該投与された健常人と非投与健常人の癌発症率を確認した。詳細は、以下の通りである。
実施例1の培養リンパ球を解凍し、IL-2添加NKGM培養液で10〜14日間培養後これを洗浄し、100mlの生理的食塩水に浮遊させ健常人の静脈から点滴投与した。
1回あたり投与した培養自己リンパ球数は、10.7×109個であった(参照:図1)。加えて、投与したリンパ球のうち、CD3-CD56+NK細胞またはCD56+リンパ球をもっとも多く含んでいた(図2)。
なお、投与の詳細は以下の通りでる。
健常人一人につき10回分またはそれ以上の投与ができるNK細胞の凍結保存を2006年から開始した。2011年まで最低13ヶ月以上保存した103例を対象とした。このうち本人の希望により保存期間中に1回以上投与した「投与群」は53例(男31例、女22例)、投与を希望しなかった「非投与群」は50例(男25例、女25例)であった。投与群は合計242回投与し、1人あたりの投与回数は、1回〜57回で、中央値は3回であった。癌発症までの期間は保存開始から癌発症までの月数とした。
両群全例のプロファイルである年齢(図3)及び保存期間(図4)には統計的有意差はなかった。投与群と非投与群はその母集団に差がないことから、両群の比較でNK細胞投与による癌発症抑制を統計的に示すことできることがわかった。
保存期間中に癌と診断されたのは、「投与群」で1例、「非投与群」で7例であった(表2、図5及び図6)。その保存期間を横軸にとった発症率曲線からログランク検定を行った(図7)。結果は両群の癌発症率に有意差を認め、その相対危険度(Relative Risk)は0.24で、投与することで癌発症が76%抑制された。
既報の癌予防法である、セレニウム(BJU Int. 2003;91:608)、コーヒー(Nutr. Cancer 2010;62:21)、緑茶(Am.J.Epidemiol. 2008;167:71)、タモキシフェン(Lancet 2003;361:296)、ラロキシフェン(JAMA. 1999;281:2189)、アスピリン(J.Natl.Cancer Inst. 2009;101:256)と本発明の癌発症抑制効果を示した(表3、図8)。本発明の癌発症抑制効果は、他と比べて優れた効果を示した。
健常人5名(A〜E)由来の活性化NK細胞、さらにはHBワクチンを、それぞれ自身に1〜3回投与して、抗体価の上昇を確認した。
コントロールとして、健常者(F〜H)由来の「NK細胞を大量増殖していない活性化Tリンパ球」、さらにはHBワクチンを、それぞれ自身に投与した、抗体価の上昇を確認した。
なお、NK細胞を大量増殖していない活性化Tリンパ球の培養・増殖方法は以下の通りである。
以下の工程により、自己活性化Tリンパ球を得るため、末梢血リンパ球の培養・増殖を行った。
(工程1)
リン酸緩衝液(PBS)20mlに対し、活性化T細胞の培養では、抗CD3抗体5μl/ml(オルソクローンOKT3,ヤンセンファーマより入手)の溶液を作成した。
(工程2)
工程1の溶液を、それぞれ別の225cm2のフラスコに分注し、4℃で一晩静置させた。
(工程3)
工程2のフラスコをPBSで2回洗浄した。
(工程4)
健常人(F〜H)からヘパリン加末梢血30mlを採取し、Ficoll-Paque Plus(Amersham Pharmacia Biotech株式会社より入手可能)を媒体として用いた密度勾配遠心法により、末梢血単核球(PBMC)を分離した。
(工程5)
IL−2(500単位/ml、Chiron社)を含むNKGM培地(コージンバイオ株式会社より入手)に、工程4で分離したPBMCを0.5〜1×106/mlの濃度で浮遊させ、さらに患者血漿2〜10%を加えて培養液とした。この段階で培養液は60〜120mlになった。この培養液を、工程3の固相化抗体処理した培養フラスコに添加した。その後、5%CO2培養器内37℃の環境下で培養した。
(工程6)
培養開始から3〜5日目に、多数のコロニーが作られ、芽球化(blast化)したことを確認したところで、培養液をさらに20〜100%追加し、IL−2を500単位/ml添加した。通常この時期は培養開始してから3日目であった。
(工程7)
工程6で培養液を追加してから対数増殖期に入った1〜3日目に(多くは1日目)、活性化リンパ球を含んだ培養液を、NKGM−B(1リットル入りバッグ)に注入した。通常、これを2〜3バッグに分注した。分注後3〜4日間隔で1バッグあたり、NKGM培地を100〜300ml、及び、IL−2を10〜20万単位、添加した。
(工程8)
培養開始14〜21日目に、バッグから培養液を遠心管に移し、これを600Gで10分遠心した。遠心管からペレットを残して上清を吸引した後、ペレットにPBSを加え洗浄し、再び遠心操作をおこなった。この作業を2〜3回繰り返し、培養リンパ球をよく洗浄した。最後に、ペレットを集め、生理的食塩水100mlに浮遊させ、これにヒト血清アルブミン2〜4%添加した。最後に、無菌テスト、エンドトキシンテストが陰性であることを確認した。
NK細胞投与群は、健常人5名(A〜E)に自身の培養活性化NK細胞を肘静脈から投与し、その3日後に遺伝子組み換えHBワクチン0.5ml(ビームゲン、化血研)を筋注した。ワクチン投与4週後にHBs抗体価を調べた。この組み合わせで、1回目のあと6週後に2回目、6ヵ月後に3回目をおこなった。なお、AとCは1回の投与で終了した。
なお、コントロールとして、Tリンパ球投与群は、健常人3名(F〜H)に「NK細胞を大量に含まない培養活性化Tリンパ球」を各自に静脈注射し、さらにHBワクチンを自身に投与した。投与の間隔はNK投与群と同じである。
実施例1で得られたNK細胞を含む培養リンパ球(生理的食塩水に浮遊させている)及び上記生理的食塩水に浮遊させたリンパ球をエッペンドルフチューブに取り、これに所定の標識抗体を加え、定法により細胞を染色した。染色した細胞はただちにフローサイトメトリーで解析し、CD3−CD56+NK細胞数を測定した。
実施例1で得られたNK細胞を含む培養リンパ球及び上記生理的食塩水に浮遊させたリンパ球中のNK細胞数の平均値を図9に示す。
図9は各例の投与NK細胞数の平均値をプロットしたものである。投与NK細胞数は、NK細胞投与群(A〜E)では平均4.8×109個であり、一方、Tリンパ球投与群(F〜H)では平均0.5×109個であった。これにより、NK細胞投与群は、Tリンパ球投与群と比較して約10倍のNK細胞が投与された。
上記投与前後の健常者A〜Hから取得した血中のHBs抗体価を自体公知のCLIA法(chemiluminescent immunoassay)を使用して測定した。この方法の正常値は10.0mIU/ml未満である。
健常者A〜Hから取得した血中のHBs抗体価を図10と図11に示す。5例中4例(80%:A,B,C,Dの4名)において、有意に高い抗体価を誘導することができた(参照:図10)。
一方、コントロールである活性化Tリンパ球(投与NK細胞が1億個未満である)とB型肝炎ワクチンの投与では、抗体価の明らかな上昇は見られなかった(参照:図11)。
以上により、NK細胞及びB型肝炎ワクチンを投与することにより、抗体価を上昇させることができた。特に、健常者A〜Dは、抗体価が上昇しにくい60歳以上の男性であることも考慮すると、本発明は非常に優れた抗体価上昇効果を示した。
上記実施例3の結果により、NK細胞、さらに肝炎ワクチンを患者に投与すれば、肝炎を治療することができると考えられる。
Claims (4)
- 有効成分であるNK細胞を含む健常人用癌発症抑制剤。
- 前記NK細胞が活性化NK細胞である請求項1に記載の健常人用癌発症抑制剤。
- 癌種は、以下のいずれか1である請求項1又は2に記載の健常人用癌発症抑制剤。
(1)肺癌
(2)結腸癌
(3)膵臓癌
(4)前立腺癌 - 癌種は、結腸癌である請求項1又は2に記載の健常人用癌発症抑制剤。
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