JP2001314073A - 渦電流式減速装置 - Google Patents
渦電流式減速装置Info
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Abstract
ーキングブレーキの調整ができる渦電流式減速装置を提
供する。 【解決手段】回転する円筒部5を磁界によって減速する
渦電流式減速装置であって、円筒部5が中心に穴20を有
する円板状の側板14によって回転軸1に連結されてお
り、円筒部5と側板14との形状を特定範囲に規定し、か
つ側板に同じく特定範囲に規定した調整穴15が設けられ
ている渦電流式減速装置である。なお、磁界の発生は、
永久磁石片で行うのが望ましい。
Description
てバスやトラックなどの大型自動車に取り付けられる渦
電流式減速装置に関する。
には、主ブレーキであるフットブレーキや補助ブレーキ
である排気ブレーキの他に渦電流式減速装置が取り付け
られるようになってきた。この渦電流式減速装置は、長
い降坂時などに安定した減速を行い、フットブレーキの
使用回数を減少させて、ブレーキライニングの磨耗やフ
ェード現象を防止するとともに制動停止距離を短縮する
効果がある。
磁石を使用するものと永久磁石を使用するものがあり、
最近では、制動時に通電を必要としない永久磁石を使用
したものが多くなっている。
装置の一例を示す断面図であり、(a)は部分側面図、(b)
は平面図である。
たロータ2と車体部(例えば、トランスミッションリヤ
ーケース)に固定されたステータ3から構成されてい
る。
がスポーク6およびスポーク支持部材7によって支持さ
れ、ボス8を介して回転軸1に連結されている。ボス8に
は、図示するようにパーキングブレーキドラム9が取り
付けられることもある。円筒部は、導電性材料で製作さ
れている。
支持リング11,11-1と高透磁率材料で製作されたポール
ピース12とを備えるケーシング13がトランスミッション
リヤーケース(図示せず)などに固定されている。支持
リング11,11-1は、ケーシング13の中にあって、それぞ
れの円周部に複数個の永久磁石片10,10-1が配置され、
駆動装置(図示せず)によって片方の支持リング11が磁
石片の取り付け1ピッチだけ円周方向に摺動する。支持
リング11が摺動することによって、永久磁石片10,10-1
の表面の磁極が軸方向で異なる配置になれば円筒部に制
動力が働かず(制動オフの状態)、軸方向で同じ配置に
なれば円筒部に制動力が働く(制動オンの状態)ことに
なる。
から発する磁束を横切ってロータ2の円筒部5が回転する
ので、ロータの円筒部の内周面の表面近傍に渦電流が流
れる。この渦電流と磁束の相互作用によってロータ2に
は制動トルクが発生する。
ても制動トルクの発生原理は、永久磁石の場合と同じで
ある。ただし、永久磁石を用いる場合には、前記のよう
に磁石が摺動運動することによって制動のオン・オフを
行うのに対して、電磁石を用いる場合には、電磁石コイ
ルの電流を調整することによって制動のオン・オフを行
う。
る渦電流はジュール熱を発生するため、円筒部には制動
のオン・オフの繰返しによって加熱・冷却の熱サイクル
が負荷される。この熱サイクルによって、円筒部は膨張
・収縮を繰返し、側板部には円筒部との結合部および回
転軸のボスとの結合部に熱ひずみが発生する。側板部に
は、このほか回転によるひずみが重畳され、き裂が発生
する。このため、例えば実開平5-18262号公報には、円
筒部と回転軸のボスとの間をゴムブッシュなどの緩衝部
材を内蔵するスポーク状のアーム構造として、円筒部の
熱膨張を吸収する構造(たとえば、図1の符号6-1参
照)が開示されている。しかし、この構造では、部品点
数が多くなり、組立後の回転バランスの調整などに長い
時間を要していた。
筒部を中心に開口部を有する側板(以下、これを単に
「側板」という)で結合した構造の渦電流式減速装置が
開示されている。これは、前述のロータのアームを円板
状(側板)とすることによって、製造コストの低減およ
び組立の容易さを可能としたものである。
動車には、フットブレーキ、排気ブレーキなどの減速装
置およびパーキングブレーキが備えられている。渦電流
式減速装置は、車体スペースを軽減するため、図1に示
すようにパーキングブレーキ装置と併設されることが多
い。パーキングブレーキ装置は、ブレーキドラムとブレ
ーキパッドとの間隔を調整する必要がある。しかし、上
述のロータの円筒部を側板で結合した構造では、アーム
で連結したもののように開口部がない。このため、パー
キングブレーキの調整を行うには、ロータを回転軸のボ
スから取り外して行う必要がある。
ら取り外すことなくパーキングブレーキの調整を可能と
した側板で円筒部を連結した渦電流式減速装置を提供す
ることにある。
結合した構造の渦電流式減速装置で、ロータを回転軸に
装着したままパーキングブレーキ装置の調整を行うに
は、パーキングブレーキドラムの調整穴に対向する側板
側の位置に穴を設けることである。しかし、側板に穴を
設けることは、切り欠きによる応力集中部を増加させ、
側板部の強度を低下させることになる。そこで、本発明
者らは、穴の形状および穴を設ける位置について、計算
および実験による検討を行い、これらを適正化すること
によって側板の応力集中を低減できることを見いだし、
本発明を完成した。
装置を要旨とする。
渦電流式減速装置であって、円筒部5が中心に穴20を有
する円板状の側板によって回転軸1に連結されており、
前記円筒部5および側板14の形状が下記(1)および(2)式
を満足し、かつ側板部に下記(3)〜(9)式を満足する調整
穴15が設けられていることを特徴とする渦電流式減速装
置。 W/t1≦12 ・・・・・・・・・・・・・ (1) t2/t1=0.60〜1.25 ・・・・・・・・・(2) r1/R=0.55〜0.68 ・・・・・・・・・ (3) r2≧10mm ・・・・・・・・・・・・・・(4) r2/R≦0.18 ・・・・・・・・・・・・ (5) r3/r2≧0.30 ・・・・・・・・・・・・(6) r4/r2≧0.25 ・・・・・・・・・・・・(7) L≧10mm ・・・・・・・・・・・・・・ (8) L/{2p(r1+r2/2)}≦0.070 ・・・・・・(9) ここで、Wは円筒部の軸方向の長さ(mm)、t1は円筒部
の厚さ(mm)、t2は側板の厚さ(mm)、Rは円筒部の内
側半径(mm)、r1は調整穴の回転軸中心から近い側面
までの距離(mm)、r2は調整穴の側板半径方向の長さ
(mm)、Lは前記r2中心部の周方向の長さ(mm)、r3
は調整穴の回転軸中心から遠い方の辺(上辺)の隅角半
径(mm)およびr4は調整穴の回転軸中心から近い方の
辺(下辺)の隅角半径(mm)である。
が望ましい。
を発生させる装置に永久磁石を使用した例について説明
する。
永久磁石を使用したものの構造の一例を示す図であり、
(a)は部分縦断面図、(b)は回転軸の軸方向から見た部分
正面図である。
装置は、ロータ2を回転軸1に連結する側板14以外の構造
は図1に示した従来の永久磁石を使用した渦電流式減速
装置と同様である。
円筒部5の片側面が側板14の外周部の側面に一体に結合
され、ボス8を介して回転軸1に連結されている。従来の
渦電流式減速装置では、円筒部5がスポーク(図1の符
号6、参照)の先端部側面に溶接され、スポークがスポ
ーク支持部材(図1の符号7、参照)によってボス8に結
合されていた。
の風穴17が穿たれ、開口部20の周辺にはパーキングブレ
ーキ装置を調整するための2つの穴15およびボス8に取
り付けるための2つのボルト穴18が設けられている。
ーキングブレーキドラム9およびプロペラシャフト(図
示せず)が取り付けられる。
調整穴と風穴の寸法およびボルト穴の位置を示す図であ
り、(a)は縦断面図、(b)は正面図である。
側面に一体化されている。制動のオン・オフによる加熱
・冷却サイクルによって円筒部5には、膨張・収縮が繰
り返され円周方向の応力が生じる。また、円筒部が回転
することによって円周方向の応力と半径方向の応力が生
じる。したがって、側板との結合部に疲労き裂が発生す
る。これを防止するため、本発明では、円筒部の取り付
け部の剛性をできるだけ小さくする。円筒部の取り付け
部の剛性は、円筒部の厚さt1、円筒部の軸方向の長さ
W、側板14の厚さt2および冷却フィンの大きさによって
変化する。
よる発熱を吸収するに必要な体積(熱容量)、すなわち
円筒部の軸方向の長さWおよび厚さt1を確保する必要が
ある。また、円筒部には冷却するための冷却フィン4が
設けられている。冷却フィンは、剛性および体積を増す
方向に作用するが、その形状は複雑である。ここでは、
フィンの影響を円筒部の厚さに付加(t1×1.2)した値
を用いて計算を行った。
の方法には、円筒部の厚さt1および側板14の厚さt2を
小さくすればよい。しかし、円筒部の厚さt1を小さく
すると、熱容量が低下するとともに熱変形量が大きくな
り、ポールピース(図1の符号12、参照)と円筒部(図
1の符号5、参照)との間隔が大きくなって制動力が低
下する。円筒部の形状は、計算および実験結果から、軸
方向の長さWが大きくなり厚さt1との比(W/t1)が12
を超えると残留変形量(円筒部内径の熱変形量)が大き
くなり、制動力の低下を招く。したがって、円筒部の形
状は、軸方向の長さWと厚さt1との比(W/t1)を12以
下とする。なお、W/t1の望ましい範囲は、7〜11であ
る。
化されているので、円筒部が熱膨張することによって半
径方向の応力が生じる。また、回転することによる円周
方向の応力と半径方向の応力が生じる。側板14と円筒部
5との接合部の強度を確保するためには、円筒部の変形
量を拘束しないような剛性を側板にもたせればよい。し
かし、円筒部の厚さt1と側板の厚さt2との比(t2/
t1)が0.6未満では側板の剛性が不足し、調整穴からき
裂が発生する。また、t2/t1が1.25を超えると円筒部
の半径方向の熱変形量が大きくなり、制動力の低下を招
く。したがって、円筒部の厚さt1と側板の厚さt2との
比(t2/t1)を0.6〜1.25とする。なお、t2/t1の
望ましい範囲は、0.7〜1.2である。
て説明する。
環状のステータ2の内側にパーキングブレーキ装置が設
けられており、ブレーキドラム9とブレーキパツド(図
示せず)との間隔を調整する必要がある。従来のスポー
ク式のロータでは、図1に示すようにパーキングブレー
キドラムの調整穴16がスポーク6とスポーク6との間に設
けられており、調整穴16に調整具(工具)を挿入するこ
とができる。しかし、本発明の側板式のロータでは、調
整穴が側板で覆われている。このため、側板部に調整穴
が必要である。
オフ時の側板の変形状態を知る必要がある。制動オンで
は、円筒部は渦電流によって温度が上昇し、膨張する。
このため、側板部は、半径方向に引っ張りひずみが生
じ、特に、内径側の応力が大きくなり、疲労破損するこ
とがある。なお、中心に穴のある回転円板に風穴および
調整穴を設けたときの応力解析式は、たとえば一般的な
教科書などに記載されているような単純な解析法ではな
く、熱応力の影響も考慮するために有限要素法解析を行
った。
くして剛性を小さくしているため、調整穴を設けると強
度が低下する。したがって、調整穴の最適な形状および
それを設ける位置が重要である。
て求め、さらに試験体による制動回転試験によって求め
た。
14の半径方向の長さをr2(mm)、そのr2の中央で側板
14の円周方向の長さをL(mm)、穴の回転軸中心から遠
い方(上辺)の隅角半径をr3(mm)、穴の回転軸中心
から近い方(下辺)の隅角半径をr4(mm)とする。調
整穴の位置は、側板の回転軸中心から調整穴の回転軸に
近い側面(下辺)までの距離r1(mm)で示す。
すとおりである。 計算に使用するロータの各部の寸法は、図3に示すと
おりである。 円筒部5と側板14とは、円筒部5の一側面が側板14の円
周部に剛に一体に連結されている。 円筒部5は、内半径R=150mm、厚さt1=8mm、長さW=
70mmであり、その外周部に50枚のフィンが45°方向に設
けられている。フィンの断面形状は、底辺の長さ8mm、
上辺の長さ4mm、高さ10mmである。 側板は、厚さt2が5mm、外径が円筒部の外径にほぼ等
しく、中心部に半径R1の開口部20を有する円板である。
開口部は、図示するように繭の断面のような形状をして
いるが、半径R1=75mmの円とした。側板には、直径d2=
260mmの位置に直径d1=30mmの風穴が14個穿たれてい
る。 ロータは、2000rpmで回転しながら制動をオンとし、
円筒部の内面温度が600℃になったとき、制動をオフと
する。そして、冷却後100℃となった時点で制動を再度
オンとする熱サイクルを付加し、この熱サイクルに伴い
調整穴の周囲に生じる塑性ひずみ量を求めた。したがっ
て、円筒部の内面最高温度は600℃、このとき円筒部外
周部の最高温度は510℃、フィンの最外周部の最高温度
は420℃である。
から調整穴半径方向の下辺までの長さr1が小さくなれ
ば、円筒部の熱膨張による応力および回転による応力と
の重畳によって調整穴の下辺に生じる円周方向応力が大
きくなる。このため、調整穴の下辺には円周方向の非弾
性ひずみが生じ、疲労き裂が発生する。また、r1が大
きくなれば、調整穴の位置がステータの位置と重なり合
うため、パーキングブレーキを調整することができな
い。したがって、回転軸中心から調整穴半径方向の下辺
までの長さr1は、円筒部内径をRとした場合、r1/Rの比
を0.55〜0.68とした。さらに好ましい範囲は、0.58〜0.
65である。
側板円周方向の長さLについて:調整穴の側板半径方向
の長さr2および側板円周方向の長さLは、調整工具を挿
入できればよく、10mm以上必要である。
半径Rとの比(r2/R)が0.18を超えると調整穴の下辺に
円周方向のひずみが集中して、き裂が発生する。したが
って、調整穴の側板半径方向の長さr2は、r2/Rの比を
0.18以下とした。さらに好ましい範囲は、0.15以下であ
る。
側板半径方向の長さr2の中心部における側板の円周方向
の長さ{2p(r1+ r2/2)}との比(L/{2p(r1+ r2/
2)})が0.070を超えると、調整穴の側辺にひずみが集
中し、き裂が発生する。したがって、比(L/{2p(r1+
r2/2)})の値は、0.070以上とした。さらに好ましい範
囲は、0.058以上である。
の上辺側の隅角半径r3と調整穴の側板半径方向の長さr2
との比r3/r2が0.30未満では、調整穴の上辺にひずみが
集中して、き裂が発生する。したがって、r3/r2の比
は、0.30以上とした。さらに好ましい範囲は、0.35〜0.
70である。
側板半径方向の幅r2との比r4/r2が0.25未満では、調整
穴の下辺にひずみが集中して、き裂が発生する。したが
って、r4/r2の比は、0.25以上とした。さらに好ましい
範囲は、0.30〜0.65である。
で作製した。ロータの材質は、側板部および円筒部をCr
-Mo系低合金鋼(JIS SCM415)から構成した。
材を円筒状に鍛造し、その後、機械加工によって外周部
に冷却フィン(底辺の長さ8mm、上辺の長さ4mmおよび高
さ10mm)を形成した。円筒部の形状は、内半径を150m
m、軸方向の長さWを62〜75mm、厚さt1を10〜13mmに変
化させたものと、内半径を200mm、軸方向の長さWを75〜
90mm、厚さt1を6〜10mmに変化させたものを製作した。
なお、冷却フィンの枚数は、円筒部内半径が150mmのも
のは50枚、200mmのものは70枚である。
した。側板の厚さは5〜10mmに変化させた。いずれも直
径260mmの円周をボルト穴を中心に16等分して2本のボ
ルト穴の延長部を除く位置に14個の風穴(直径30mm)を
設けた。調整穴は、表1に示す寸法のものを2本のボル
ト穴の延長部に回転軸の中心を対称として2個設けた。
円筒部と側板部とは、溶接によって一体構造とした。
繰り返し試験を行った。
の内周の表面温度を測定し、この温度が600℃となった
時点で制動オフにし、100℃まで冷却された時に、再
度、制動オンとする方法である。また、試験は回転軸に
連結しているプロペラシャフトの回転速度が2000rpm一
定の条件で行った。き裂の有無は、制動のオン・オフの
繰り返しを100回で中断し、カラーチェックによってロ
ータにき裂が発生していないかを検査した。そして、10
000回でき裂が検出できなかったものを合格とした。こ
れらの結果を表1に示した。
回でロータを取り外し、円筒部の残留変形量(内径の変
化量)を測定した。
心から調整穴までの距離r1が78mmと小さいため、円筒
部内半径Rとの比r1/ Rが0.520と小さい。このため、27
00回の耐久性試験で調整穴の回転軸中心に近い辺(これ
を「調整穴の下辺」という)にき裂が発生した。
径方向の長さr2が28mmと大きいため、円筒部内半径Rと
の比r2/ Rが0.187と大きい。このため、3200回の耐久
性試験で調整穴の下辺にき裂が発生した。
径方向の長さr2が15mmに対して調整穴の回転軸中心に
遠い辺(これを「調整側の上辺」という)の隅角半径r
3が4mmで、その比r3/r2が0.267と小さい。このため、
7000回の耐久性試験で調整穴の上辺にき裂が発生した。
径方向の長さr2が22mmに対して調整穴の下辺隅角半径
r4が5mmで、その比r4/r2が0.227と小さい。このた
め、3600回の耐久性試験で調整穴の下辺にき裂が発生し
た。
周方向の長さLが44mmと大きく、長さLと半径方向の長さ
r2の中心部の円周の長さとの比(L/{2p(r1+r2/
2)})が0.074と大きい。このため、5800回の耐久性試
験で調整穴の半径方向側辺にき裂が発生した。
さWと円筒部の厚さt1との比W/t1が12.5と大きいた
め、ロータの残留変形量が0.14mmと大きい。このため、
耐久試験は20回で中止した。
t2と円筒部の厚さt1との比t2/t 1が0.500と小さいた
め、4800回の耐久試験で調整穴の下辺にき裂が発生し
た。
t2と円筒部の厚さt1との比t2/t 1が1.290と大きいた
め、ロータの残留変形量が0.11mmと大きい。このため、
耐久試験は20回で中止した。
径方向の長さr2が38mmと大きいため、円筒部内半径Rと
の比r2/ Rが0.190と大きい。このため、4100回の耐久
性試験で調整穴の下辺にき裂が発生した。
心から調整穴までの距離r1が108mmと小さいため、円筒
部内半径Rとの比r1/ Rが0.540と小さい。このため、29
00回の耐久性試験で調整穴の下辺にき裂が発生した。
(番号11〜22)は、いずれも耐久試験で10000回の時点
で、き裂が観察されなかった。このように、本発明例の
渦電流式減速装置は、渦電流式減速装置を搭載後にロー
タを取り外さずに周辺装置を調整することが可能であ
り、耐久性にも優れていることが確認された。
円筒部を側板で連結し、その側板に耐久性に優れた形状
の風穴およびパーキングブレーキ装置を調整する耐久性
に優れた形状の穴を設けたので、ロータを取り外すこと
なく、パーキングブレーキ装置の調整を行うことができ
る。この渦電流式減速装置を搭載すればメンテナンス費
用が安く、かつ、耐久性に優れ、大型車両の安全性が向
上する。
示す断面図であり、(a)は部分縦断面図、(b)は部分正面
図である。
(a)は部分縦断面図、(b)は部分正面図である。
穴の形状を示す図である。
片 11,11-1.支持リング 12.ポールピース 13.ケーシング 14.側板 15,16.調整穴 17.風穴 18,19.ボルト穴 20.側板の開口部
Claims (1)
- 【請求項1】回転する円筒部を磁界によって減速する渦
電流式減速装置であって、円筒部が中心に穴を有する円
板状の側板によって回転軸に連結されており、前記円筒
部および側板の形状が下記(1)および(2)式を満足し、か
つ側板部に下記(3)〜(9)式を満足する調整穴が設けられ
ていることを特徴とする渦電流式減速装置。 W/t1≦12 ・・・・・・・・・・・・・ (1) t2/t1=0.60〜1.25 ・・・・・・・・・(2) r1/R=0.55〜0.68 ・・・・・・・・・ (3) r2≧10mm ・・・・・・・・・・・・・・(4) r2/R≦0.18 ・・・・・・・・・・・・ (5) r3/r2≧0.30 ・・・・・・・・・・・・(6) r4/r2≧0.25 ・・・・・・・・・・・・(7) L≧10mm ・・・・・・・・・・・・・・ (8) L/{2p(r1+r2/2)}≦0.070 ・・・・・・(9) ここで、Wは円筒部の軸方向の長さ(mm)、t1は円筒部
の厚さ(mm)、t2は側板の厚さ(mm)、Rは円筒部の内
側半径(mm)、r1は調整穴の回転軸中心から近い方の
側面までの距離(mm)、r2は調整穴の側板半径方向の
長さ(mm)、Lは前記r2中心部の周方向の長さ(mm)、
r3は調整穴の回転軸中心から遠い方の辺(上辺)の隅
角半径(mm)およびr4は調整穴の回転軸中心から近い
方の辺(下辺)の隅角半径(mm)である。
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Cited By (1)
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- 2000-04-28 JP JP2000130683A patent/JP3721937B2/ja not_active Expired - Fee Related
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KR20220148879A (ko) * | 2020-03-06 | 2022-11-07 | 닛폰세이테츠 가부시키가이샤 | 와전류식 감속 장치 |
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