JP2001311228A - 目地用保護材および保護方法 - Google Patents
目地用保護材および保護方法Info
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Abstract
も、炭酸温水による目地の劣化を防止する保護材および
方法。 【解決手段】 タイル等を固定する目地材の表面に被膜
を形成する為の保護材であって、pH=4.0、35℃
の酸性溶液に12ヶ月浸漬した際の強度低下率が30%
以下である目地用保護材。非常に簡便な方法で、又、後
加工でも目地の保護ができるため、既存のタイル張りの
浴槽及び浴室であっても、炭酸温水の使用を可能とする
ことができる。
Description
スを添加して得られる炭酸温水を使用する場所におい
て、タイル等を固定する目地材を炭酸温水等から保護す
る目地の保護材および方法に関する。
した場合の血管拡張効果や湯冷めしにくい等の温浴効果
は一般によく知られ、炭酸温水を簡便に得ることができ
る薬剤や装置が市販されている。また近年数100pp
mから1000ppmの高濃度での治療効果も証明され
つつある。このような炭酸ガスを含んだ水はpHが下が
り酸性になり、例えばより高い治療効果を得られる炭酸
ガス濃度1000ppm前後の炭酸温水のpHは約4.
5前後にまで下がる。
室では、タイル貼付や隙間充填のため、白色セメント等
の目地材が使用される場合がある。このような浴室や浴
槽で一般によく使用される白色セメント等の目地材はア
ルカリ性であるため、酸と接触すると中和反応により目
地材が溶解し、タイルの剥離等の問題が発生するため、
目地材を使用する浴室や浴槽で炭酸温水を使用すること
はできなかった。特開平3−147951号公報には、
目地の汚れを防ぐ方法として目地上にワックスを塗布す
る方法が提案されている。しかしながら、特開平3−1
47951号公報では、あくまで汚れを防ぐことを目的
としており、炭酸温水等の酸性水に対しては全く考慮さ
れていない。
たもので、目地材が使用されている浴槽や浴室であって
も、炭酸温水による目地の劣化を防止する保護材および
方法を目的とするものである。
は、タイル等を固定する目地材の表面に被膜を形成する
為の保護材であって、pH=4.0、35℃の酸性溶液
に12ヶ月浸漬した際の強度低下率が30%以下である
ことを特徴とするものである。本発明の目地保護方法
は、この保護材を用いて被膜を形成することを特徴とす
るものである。本発明は、炭酸ガスを含有する炭酸温水
を使用する浴槽及び浴室のタイル等を固定する目地材の
保護に、顕著にその効果を発揮する。被膜と目地材との
接着強度試験にて凝集破壊を起こす接着強度で被膜が形
成されていることが望ましい。シート状とされた保護材
を目地に貼付して被膜を形成する方法、または、液状の
保護材を目地上に塗布し硬化させて被膜を形成する方法
が望ましく、後者の場合、液状の保護材の粘度が100
00MPa・S/25℃以下のものが望ましい。
液に浸漬した際の強度低下率が30%以下の保護材を用
いて、タイル等を固定する目地材の表面に被膜を形成
し、目地を保護するものである。本発明によれば、酸に
弱い目地の表面に耐酸性の被膜を形成させるため、炭酸
温水と目地が直接接触することがなくなり、目地の劣化
を防ぐことが可能となる。本発明で、強度低下率とは被
膜を形成する保護材の初期の引っ張り強度からpH=
4.0、温度35℃の酸性溶液に12ヶ月間浸漬した後
の引っ張り強度の低下率を意味する。強度低下率が30
%より大きい材料により被膜を形成させた場合には、長
期間の使用により被膜が劣化し、ひび割れ、剥がれ等に
より目地と炭酸温水が接触することになり、目地の保護
が果たせなくなる。更に、pH=4.0、温度35℃の
酸性溶液に12ヶ月間浸漬した際の強度低下率が10%
以下である材料により被膜を形成させることはより長期
間目地を保護することが可能となり、非常に好ましい。
なお、本発明において材料を浸漬するためのpH=4.
0の溶液は、長期保存の安定性や、水素イオン以外のイ
オンによる強度低下の影響を無くすため、フタル酸塩の
pH緩衝液を用いる。pH=4.0、温度35℃の酸性
溶液に浸漬した際の強度低下率が30%以下である材料
(以下、耐酸性被膜材)の一例を挙げるならば、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、シリコン樹脂、塩化ビニル、
スチレン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等高分子化
合物の他、金、チタン、ステンレス等の金属、合金類が
挙げられる。
る材料により被膜を形成させることは、摩擦等により被
膜が削りとられ被膜の厚さが減少することを防ぐことが
でき非常に好ましい。また、被膜を形成する際に硬化さ
せる保護材の場合には、その時の硬化収縮率が20%以
下である材料により被膜を形成させることは、被膜の収
縮により目地の表面が露出することを防ぐことができ非
常に好ましい。ここで硬化収縮率とは目地上に塗布した
直後の体積から硬化終了後の体積の収縮率を指す。ま
た、このときの硬化収縮とは、硬化の際の重合、縮合或
いは熱膨張等による体積の変化であり、例えば保護材を
溶剤に溶解した溶液を塗布する場合のように、溶剤等の
揮発、蒸発による体積変化はここには含まれない。ま
た、目地上に形成された被膜の膜の厚さが0.01〜1
0mmの範囲であることは次の理由により好ましい。例
えば被膜の膜の厚さが0.01mm未満である場合には
被膜材質の強度が十分であっても被膜が削られ目地表面
が露出する可能性が増すため好ましくなく、また被膜の
膜の厚さが10mmより厚い場合には、タイル等目地材
が固定する物の表面より突出する可能性があるため好ま
しくない。
ならば、保護材のシート状物を作製し目地上に貼り付け
る方法、液状の保護材を目地上に塗布、硬化させる方法
等を挙げることができる。ここで液状とは流動性を有す
る状態のことであり、例えば保護材を溶剤に溶解しその
溶液を目地上に塗布する方法、保護材を熱溶融し目地上
に塗布する方法、或いは1液硬化型樹脂からなる保護材
或いは2液硬化型樹脂からなる保護材を目地上に塗布、
硬化させる方法等を挙げることができる。この際、液状
の保護材の粘度が10000MPa・S/25℃以下、
更に好ましくは3000MPa・S/25℃以下である
場合には、目地材とタイルとの隙間や目地材そのものに
保護材が浸透、含浸するため目地材の保護効果が更に向
上し好ましい。また、目地上に被膜を形成した際に、そ
れらの間での接着強度試験を行った際に凝集破壊を起こ
す材質を用いることが、目地及び被膜の材質の強度以上
の接着強度で接着されていることになり非常に好ましい
組み合わせである。なお、本発明でいう接着強度とは、
目地材を、8×8×50mmに成形した2枚の試片の、
8×8mmの面を保護材により接着し、引っ張り速度1
mm/minで引っ張り強度を測定し、得られた引っ張
り強度を接着面積1cm2当たりに換算することにより
求められるものである。また更に、目地材と被膜との接
着強度が0.1MPa以上であることは、目地材と被膜
との剥離を防ぐことができ非常に好ましい。このとき、
例えば、目地表面に凹凸を付ける等表面荒さを上昇させ
アンカー効果を得るようにすることは接着応力を上昇さ
せることができ非常に好ましい。その他プライマーを目
地表面に塗布する等、機械的、化学的に接着応力を上昇
させる方法を適宜実施することは、目地と被膜との剥離
を防ぐことができるだけでなく、被膜の材質の選択の幅
を広げることができ好ましい。
る。 [実施例1]1液硬化型シリコン樹脂(商品名ボンドシ
リコンコーク、コニシ(株)製)を固化成型し10mm
×10mm×100mmのサイズの引っ張り強度測定用
試験片を作製し、35℃に調節したフタル酸塩のpH緩
衝液である和光純薬(株)製pH4.0標準液に12ヶ
月間浸漬し引っ張り強度低下率を測定した。結果を表1
に示す。1液硬化型シリコン樹脂の初期の引っ張り強度
は1.5MPaであった。また、50mm×50mm×
10mmのサイズに成型した目地材(商品名トーヨータ
イル目地材、トーヨーマテラン(株)製)の表面に上記
1液硬化型シリコン樹脂を塗布し目地材保護性能評価用
試験片を作製した。目地材と被膜の間の接着強度は、
0.2MPaで、凝集破壊した。そして、炭酸ガス濃度
1000ppm、温度35℃の炭酸温水(このときpH
は4.62であった。)に目地材保護性能評価用試験片
を12ヶ月間浸漬し、目地材の状態を評価した。結果を
表1に示す。
ラソン、三井化学(株)製)を熱溶融後、固化成型し1
0mm×10mm×100mmのサイズの引っ張り強度
測定用試験片を作製し、35℃に調節したフタル酸塩の
pH緩衝液である和光純薬(株)製pH4.0標準液に
12ヶ月間浸漬し引っ張り強度低下率を測定した。結果
を表1に示す。ポリエチレン樹脂の初期の引っ張り強度
は21.5MPaであった。また、50mm×50mm
×10mmのサイズに成型した目地材(商品名トーヨー
タイル目地材、トーヨーマテラン(株)製)の表面に熱
溶融した上記ポリエチレン樹脂を塗布し目地材保護性能
評価用試験片を作製した。目地材と被膜の間の接着強度
は、0.2MPaで、凝集破壊した。そして、炭酸ガス
濃度1000ppm、温度35℃の炭酸温水(このとき
pHは4.62であった。)に目地材保護性能評価用試
験片を12ヶ月間浸漬し、目地材の状態を評価した。結
果を表1に示す。 [実施例3]ステンレス箔粘着シート(商品名ステンレ
ス粘着テープ、日本緑十字(株)製)を10mm×0.
02mm×100mmのサイズに切り取り引っ張り強度
測定用試験片を作製し、35℃に調節したフタル酸塩の
pH緩衝液である和光純薬(株)製pH4.0標準液に
12ヶ月間浸漬し引っ張り強度低下率を測定した。結果
を表1に示す。ステンレス箔粘着シートの初期の引っ張
り強度は500MPaであった。また、50mm×50
mm×10mmのサイズに成型した目地材(商品名トー
ヨータイル目地材、トーヨーマテラン(株)製)の表面
に上記ステンレス箔粘着シートを貼付し目地材保護性能
評価用試験片を作製した。目地材と被膜の間の接着強度
は、0.2MPaで、凝集破壊した。そして、炭酸ガス
濃度1000ppm、温度35℃の炭酸温水(このとき
pHは4.62であった。)に目地材保護性能評価用試
験片を12ヶ月間浸漬し、目地材の状態を評価した。結
果を表1に示す。
品名セラミッカーNY、中外商工(株)製)を固化成型
し10mm×10mm×100mmのサイズの引っ張り
強度測定用試験片を作製し、35℃に調節したフタル酸
塩のpH緩衝液である和光純薬(株)製pH4.0標準
液に12ヶ月間浸漬し引っ張り強度低下率を測定した。
結果を表1に示す。湿気硬化型ウレタン樹脂の初期の引
っ張り強度は30MPaであった。また、50mm×5
0mm×10mmのサイズに成型した目地材(商品名小
野田目地用タイロン、(株)小野田製)の表面に上記湿
気硬化型ウレタン樹脂を塗布し目地材保護性能評価用試
験片を作製した。目地材と被膜の間の接着強度は、0.
2MPaで、凝集破壊した。そして、炭酸ガス濃度10
00ppm、温度35℃の炭酸温水(このときpHは
4.62であった。)に目地材保護性能評価用試験片を
12ヶ月間浸漬し、目地材の状態を評価した。結果を表
1に示す。このとき湿気硬化型ウレタン樹脂の粘度は1
000MPa・S/25℃であり、また塗布後の目地材
の断面を調べたところ、目地材の1mmの深さまで湿気
硬化型ウレタン樹脂が含浸していた。
mのサイズに成型した目地材(商品名トーヨータイル目
地材、トーヨーマテラン(株)製)を、炭酸ガス濃度1
000ppm、温度35℃の炭酸温水(このときpHは
4.62であった。)に12ヶ月間浸漬し、目地材の状
態を評価した。結果を表1に示す。 [比較例2]アセタール樹脂(商品名ジュラコン、ポリ
プラスチック(株)製)を熱溶融後、固化成型し10m
m×10mm×100mmのサイズの引っ張り強度測定
用試験片を作製し、35℃に調節したフタル酸塩のpH
緩衝液である和光純薬(株)製pH4.0標準液に12
ヶ月間浸漬し引っ張り強度低下率を測定した。結果を表
1に示す。アセタール樹脂の初期の引っ張り強度は約5
0MPaであった。また、50mm×50mm×10m
mのサイズに成型した目地材(商品名トーヨータイル目
地材、トーヨーマテラン(株)製)の表面に熱溶融した
上記アセタール樹脂を塗布し目地材保護性能評価用試験
片を作製した。目地材と被膜の間の接着強度は、0.2
MPaで、凝集破壊した。そして、炭酸ガス濃度100
0ppm、温度35℃の炭酸温水(このときpHは4.
62であった。)に目地材保護性能評価用試験片を12
ヶ月間浸漬し、目地材の状態を評価した。結果を表1に
示す。
mのサイズの、常温ガラス(商品名クリスタルシーラ
ー、タスコム(株)製)の引っ張り強度測定用試験片を
作製し、35℃に調節したフタル酸塩のpH緩衝液であ
る和光純薬(株)製pH4.0標準液に12ヶ月間浸漬
し引っ張り強度低下率を測定した。結果を表1に示す。
常温ガラスの初期の引っ張り強度は50MPaであっ
た。また、50mm×50mm×10mmのサイズに成
型した目地材(商品名トーヨータイル目地材、トーヨー
マテラン(株)製)の表面に上記常温ガラスを塗布し目
地材保護性能評価用試験片を作製した。目地材と被膜の
間の接着強度は、0.2MPaで、凝集破壊した。そし
て、炭酸ガス濃度1000ppm、温度35℃の炭酸温
水(このときpHは4.62であった。)に目地材保護
性能評価用試験片を12ヶ月間浸漬し、目地材の状態を
評価した。結果を表1に示す。 [比較例4]50mm×50mm×10mmのサイズに
成型した目地材(商品名小野田目地用タイロン、(株)
小野田製)を、炭酸ガス濃度1000ppm、温度35
℃の炭酸温水(このときpHは4.62であった。)に
12ヶ月間浸漬し、目地材の状態を評価した。結果を表
1に示す。
に、本発明による目地材保護方法では、pH=4.0、
温度35℃の酸性溶液に浸漬した際の強度低下率が30
%以下の被膜材により被膜しているため、長期間炭酸温
水に接触した状態であっても目地材は劣化することなく
良好な状態を保っていた。しかしながら、被膜していな
い目地材(比較例1、4)及び強度低下率30%以上の
保護材を使用した場合(比較例2,3)では、目地材と
炭酸温水が接触してしまい目地材が劣化してしまった。
の浴槽及び浴室であっても、炭酸温水による目地の劣化
を防ぐことができる。更に、非常に簡便な方法で、又、
後加工でも目地の保護ができるため、既存のタイル張り
の浴槽及び浴室であっても、炭酸温水の使用を可能とす
ることができる。
Claims (7)
- 【請求項1】 タイル等を固定する目地材の表面に被膜
を形成する為の保護材であって、pH=4.0、35℃
の酸性溶液に12ヶ月浸漬した際の強度低下率が30%
以下であることを特徴とする目地用保護材。 - 【請求項2】 タイル等を固定する目地材の表面に、p
H=4.0、35℃の酸性溶液に12ヶ月浸漬した際の
強度低下率が30%以下である保護材による被膜を形成
することを特徴とする目地保護方法。 - 【請求項3】 炭酸ガスを含有する炭酸温水を使用する
浴槽及び浴室のタイル等を固定する目地材の表面に、被
膜を形成することを特徴とする請求項2記載の目地保護
方法。 - 【請求項4】 被膜と目地材との接着強度試験にて凝集
破壊を起こす接着強度で被膜が形成されていることを特
徴とする請求項2記載の目地保護方法。 - 【請求項5】 シート状とされた保護材を目地に貼付し
て被膜を形成することを特徴とする請求項2記載の目地
保護方法。 - 【請求項6】 液状の保護材を目地上に塗布し硬化させ
て被膜を形成することを特徴とする請求項2記載の目地
保護方法。 - 【請求項7】 液状の保護材の粘度が10000MPa
・S/25℃以下であることを特徴とする請求項6記載
の目地保護方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000128310A JP2001311228A (ja) | 2000-04-27 | 2000-04-27 | 目地用保護材および保護方法 |
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JP2000128310A JP2001311228A (ja) | 2000-04-27 | 2000-04-27 | 目地用保護材および保護方法 |
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