JP2001310923A - 硬質ポリウレタンフォーム及びその製造方法 - Google Patents

硬質ポリウレタンフォーム及びその製造方法

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JP2001310923A
JP2001310923A JP2001018797A JP2001018797A JP2001310923A JP 2001310923 A JP2001310923 A JP 2001310923A JP 2001018797 A JP2001018797 A JP 2001018797A JP 2001018797 A JP2001018797 A JP 2001018797A JP 2001310923 A JP2001310923 A JP 2001310923A
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polyurethane foam
rigid polyurethane
hydrofluorocarbon
weight
foam
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Kazuhiko Mizuta
和彦 水田
Masashi Ishii
正史 石井
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Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発泡剤としてハイドロフルオロカーボン(H
FC)を用いたオゾン破壊の問題のない硬質ポリウレタ
ンフォームであって、ポリオール成分にフタル酸或いは
フタル酸誘導体をエステル化反応させて得られるポリエ
ステルポリオール化合物を用いた場合であっても、配合
液の内圧の上昇の問題がなく、比較的多量のHFCを配
合してフォームの低密度化と断熱性、難燃性の向上を図
ることができる硬質ポリウレタンフォームを提供する。 【解決手段】 ポリイソシアネート成分、ポリオール成
分、発泡剤、触媒、及びその他の助剤を混合、発泡させ
て得られる硬質ポリウレタンフォーム。発泡剤として
1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを含むHF
Cを用い、気泡径:50〜400μm、独立気泡率:5
0%以上、コア密度:20〜45kg/m、酸素指数
(JIS K7201):22以上、熱伝導率(JIS
A1412):0.022W/m・K以下である硬質
ポリウレタンフォーム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は硬質ポリウレタンフ
ォーム及びその製造方法に係り、特に、ポリイソシアネ
ート成分と、ポリオール成分、発泡剤、触媒及びその他
の助剤を混合した配合液とをミキシングヘッドで混合し
て発泡させるエアレススプレー発泡に好適な硬質ポリウ
レタンフォームであって、オゾン層破壊の問題のないハ
イドロフルオロカーボン(HFC)を発泡剤として用
い、しかも、難燃性にも優れた硬質ポリウレタンフォー
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】硬質ポリウレタンフォームは、断熱性及
び自己接着性に優れることから、住宅、冷蔵庫等の断熱
材として広く利用されている。
【0003】これらの用途に用いられる硬質ポリウレタ
ンフォームは、一般にポリイソシアネート成分と、ポリ
オール成分、発泡剤、触媒、整泡剤及びその他の助剤を
混合した配合液とをミキシングヘッドで混合して発泡さ
せるエアレススプレー発泡で得られ、この方法であれ
ば、施工対象物に直接吹き付け施工するという簡単な作
業で、良好な硬質ポリウレタンフォームの断熱層を形成
することができる。
【0004】硬質ポリウレタンフォームにおいては、現
在、主たる発泡剤として用いられているジクロロモノフ
ルオロエタン(HCFC−141b)にはオゾン層破壊
の問題がある。このため、これに代る次世代の発泡剤と
して、オゾン層を破壊することのないハイドロフルオロ
カーボン(HFC)が候補に挙げられている。HFC類
にはテトラフルオロエタン(HFC134a)、1,
1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC24
5fa)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン
(HFC365mfc)などがあり、これらのなかに
は、オゾン破壊性がなくHCFC全廃後の発泡剤として
有力視される化合物もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、いずれ
のHFCもポリオール成分及びイソシアネート成分に対
して溶解し難いという性質を持つために、単独で使用し
た場合、配合液の内圧が上昇して容器の破裂や液の沸騰
などが起こったり、可燃性をもつものもあり、取り扱い
上の安全性が確保できないという欠点がある。特に、フ
ォームの難燃化を図る場合、ポリオール成分としてフタ
ル酸或いはフタル酸誘導体をエステル化反応させて得ら
れるポリエステルポリオール化合物の適用が不可欠とな
るが、この場合には、とりわけHFCの溶解性が低く、
配合液の内圧が上昇し易かった。
【0006】このため、自ずとHFCの投入量が制限さ
れ、この結果、得られるフォームの難燃性が低下した
り、密度が上昇して経済性が損なわれるなどの問題があ
った。
【0007】本発明は上記従来の問題点を解決し、発泡
剤としてHFCを用いたオゾン破壊の問題のない硬質ポ
リウレタンフォームにおいて、ポリオール成分にフタル
酸或いはフタル酸誘導体をエステル化反応させて得られ
るポリエステルポリオール化合物を用いた場合であって
も、配合液の内圧の上昇の問題がなく、比較的多量のH
FCを配合してフォームの低密度化と断熱性、難燃性の
向上を図ることができる硬質ポリウレタンフォームを提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の硬質ポリウレタ
ンフォームは、ポリイソシアネート成分、ポリオール成
分、発泡剤、触媒、及びその他の助剤を混合、発泡させ
て得られる硬質ポリウレタンフォームにおいて、発泡剤
として、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを
含むハイドロフルオロカーボンを用いた硬質ポリウレタ
ンフォームであって、フォームの気泡径が50〜400
μmであり、フォームの気泡のうちの独立気泡の割合が
50%以上であり、コア密度が20〜45kg/m
あり、コア部分の酸素指数(JIS K7201)が2
2以上であり、かつフォームの熱伝導率(JIS A1
412)が0.022W/m・k以下であることを特徴
とする。
【0009】発泡剤として1,1,1,3,3−ペンタ
フルオロブタンを含むHFCを用いた硬質ポリウレタン
フォームであれば、気泡の細かい断熱性能に優れた硬質
ポリウレタンフォームが得られ、また、上記特定の物性
を有する硬質ポリウレタンフォームであれば、低密度で
難燃性に優れた硬質ポリウレタンフォームが提供され
る。
【0010】特に、厚味15〜30mmでコア部分の表
面試験(JIS A1321)における発煙係数が12
0以下の硬質ポリウレタンフォームであれば、著しく良
好な難燃性が得られる。
【0011】また、ポリオール成分としてフタル酸或い
はフタル酸誘導体をエステル化反応させて得られるポリ
エステルポリオール化合物を用いたイソシアヌレート変
性硬質ポリウレタンフォームであれば、より一層難燃性
に優れる。
【0012】この場合、ポリオール成分中の、フタル酸
或いはフタル酸誘導体をエステル化反応させて得られる
ポリエステルポリオール化合物の含有量は5〜80重量
%であることが好ましい。
【0013】このような硬質ポリウレタンフォームにお
いて、発泡剤として1,1,1,3,3−ペンタフルオ
ロブタンを単独で用いた場合、1,1,1,3,3−ペ
ンタフルオロブタンは可燃性であるため得られるフォー
ムの難燃性を低下させる恐れがある上に、1,1,1,
3,3−ペンタフルオロブタンは分子量が大きいために
所定のフォーム密度を得るための必要重量が多い。この
ため、発泡剤として1,1,1,3,3−ペンタフルオ
ロブタンを単独で用いることは安全面及び経済面から好
ましくない。
【0014】従って、本発明では、このような1,1,
1,3,3−ペンタフルオロブタンと、1,1,1,
3,3−ペンタフルオロブタン以外のHFCとを併用す
ることで、発泡剤を混合した配合液の内圧の上昇を抑
え、高難燃性で低密度の硬質ポリウレタンフォームを安
価に得ることが好ましい。この場合には、比較的沸点の
高い1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンと比較
的沸点の低い他のHFCとを併用することで両者の共沸
混合物により、配合液の内圧の上昇が抑制される。
【0015】1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタ
ンと併用するHFCとしては、1,1,1,3,3−ペ
ンタフルオロプロパンが挙げられ、1,1,1,3,3
−ペンタフルオロプロパンを5〜95重量%、1,1,
1,3,3−ペンタフルオロブタンを95〜5重量%、
特に1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを2
0〜80重量%、1,1,1,3,3−ペンタフルオロ
ブタンを80〜20重量%とすることが好ましい。
【0016】また、HFCは、ポリイソシアネート成
分、ポリオール成分、発泡剤、触媒及びその他の助剤か
らなる反応性ポリウレタン原料に対して1〜20重量
%、特に、5〜15重量%含有されていることが好まし
い。
【0017】本発明の硬質ポリウレタンフォームは、特
にポリイソシアネート成分と、ポリオール成分、発泡
剤、触媒及びその他の助剤を混合した配合液とをミキシ
ングヘッドで混合して発泡させるエアレススプレー発泡
で得られる硬質ポリウレタンフォームに好適である。
【0018】本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造
方法は、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン以
外の発泡剤として常温常圧で沸点が0℃以下の低沸点H
FCを用いて、このようなエアレススプレー発泡にて硬
質ポリウレタンフォームを製造する方法において、該低
沸点HFCをミキシングヘッド内又はミキシングヘッド
への他成分の導入管路に直接注入することを特徴とする
ものであり、常温常圧で沸点が0℃以下の低沸点HFC
を効率的に注入して、高品質の硬質ポリウレタンフォー
ムを得ることができる。
【0019】この方法において、低沸点HFCの使用量
は、ポリイソシアネート成分、ポリオール成分、発泡
剤、触媒及びその他の助剤からなる反応性ポリウレタン
原料に対して0.5〜10重量%であることが好まし
い。また、低沸点HFCとしては1,1,1,2−テト
ラフルオロエタンが好適である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を詳細
に説明する。
【0021】まず、本発明の硬質ポリウレタンフォーム
が満足する物性について説明する。
【0022】本発明の硬質ポリウレタンフォームにおい
て、フォームの気泡径が50μm未満であるとフォーム
の強度が著しく低下し、400μmを超えると気泡が荒
れ気味となり、配合液とポリイソシアネート成分との攪
拌が不十分な現象を反映しており、難燃性が低下する。
従って、フォームの気泡径は50〜400μm、好まし
くは50〜200μmとする。
【0023】フォームの気泡のうちの独立気泡の割合
(以下「独立気泡率」と称す。)が50%未満であると気
泡中のエアが多くなり、炭酸ガスやフロンガスが減少し
フォームの断熱性及び難燃性が低下するので、独立気泡
率は50%以上、好ましくは75%以上とする。
【0024】コア密度(心密度)が20kg/m未満
であると強度が著しく低下して収縮し、45kg/m
を超えると、高密度化のために硬質ポリウレタンフォー
ムの燃焼量が増えてJIS A1321の難燃性が著し
く低下する。従って、コア密度は20〜45kg/m
好ましくは25〜40kg/mとする。
【0025】コア部分の酸素指数(JIS K720
1)が22未満では難燃性が不足する。なお、酸素指数
(O.I.)とは難燃性評価項目の1つであり、その代
表的な測定方法としてJIS K7201がある。JI
S K7201による測定方法は、燃焼部(燃焼円筒)
に置いたサンプルをある一定の距離又は時間燃焼させる
ために、燃焼部への酸素又は窒素流量を調節し、このと
きの酸素流量及び窒素流量から、次の式で酸素指数を算
出する。一般的に、酸素指数が高い程難燃性が高いと言
われている。
【0026】
【数1】
【0027】フォームの熱伝導率(JIS A141
2)が0.022W/m・Kを超えるものでは、断熱性
が不足するため、この熱伝導率は0.022W/m・K
以下、好ましくは0.020W/m・K以下とする。
【0028】厚味15〜30mmでコア部分の表面試験
(JIS A1321)における発煙係数が120を超
えるものでは、難燃性が不足するため、この発煙係数は
120以下、特に100以下とする。
【0029】なお、ここでフォームの厚みが15mm未
満ではJIS規格の規定条件に合わず、30mmを超え
ると成型後にサンプルが変形したり、積層間での剥離が
みられる。従って、この厚みは15〜30mm、好まし
くは15〜25mmとする。
【0030】次に、このような気泡径、独立気泡率、コ
ア密度、酸素係数、熱伝導率を満たし、好ましくは更に
JIS A1321における発煙指数が120以下の本
発明の硬質ポリウレタンフォームの原料について説明す
る。
【0031】 ポリイソシアネート成分 ポリイソシアネート成分としては、ジフェニルメタンジ
イソシアネート、トリレンジイソシアネート等の芳香族
系ポリイソシアネート化合物、イソホロンジイソシアネ
ート等の脂環族系ポリイソシアネート類、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネート類
等の1種又は2種以上を使用することができる。なお、
ポリイソシアネート成分のイソシアネート指数は100
〜250であることが好ましい。即ち、三量化触媒の存
在の下、イソシアヌレート発泡体を得ることが好まし
い。
【0032】 ポリオール成分 ポリオール成分としては、好ましくはo−フタル酸、m
−フタル酸、p−フタル酸及びこれらの誘導体よりなる
群から選ばれる1種又は2種以上のフタル酸又はその誘
導体をエステル化反応させて得られるフタル酸系ポリエ
ステルポリオールを用いる。ポリオール成分として、こ
のように芳香環を含むフタル酸系ポリエステルポリオー
ル化合物を用いることにより、安定な難燃性を得ること
ができる。
【0033】このフタル酸系ポリエステルポリオールを
形成するヒドロキシ化合物としては、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、フェノール及びその誘導体
等が挙げられ、フタル酸誘導体としてはフタル酸ジエチ
ル、フタル酸ジメチル等が挙げられ、フタル酸系ポリエ
ステルポリオールの好ましい水酸基価は150〜450
である。
【0034】ポリオール成分中のこのようなフタル酸系
ポリエステルポリオールの割合は、過度に少ないと十分
な難燃性が得られず、過度に多いとフォーム強度が低下
するので、ポリオール成分中に5〜80重量%含有され
ていることが好ましい。
【0035】ポリオール成分として、上記フタル酸系ポ
リエステルポリオールの他、フェノール及び/又はその
誘導体をマンニッヒ変性して得られたポリエーテルポリ
オール(以下「マンニッヒ変性ポリオール」と称
す。)、即ち、フェノール、或いはノニルフェノール、
アルキルフェノール等のフェノール誘導体をホルムアル
デヒドとジエタノールアミン等の2級アミンやアンモニ
ア、1級アミン等を用いてマンニッヒ変性し、エチレン
オキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキ
サイドを開環付加重合して得られるポリエーテルポリオ
ールを用いても良い。このようなマンニッヒ変性ポリオ
ールは、自己反応活性が高く、かつ難燃性も比較的高い
ため、マンニッヒ変性ポリオールを用いることにより、
例えば、エアレススプレー発泡型硬質ポリウレタンフォ
ームにおいて、吹き付け発泡時に難燃性能を著しく損な
うことなく、速やかに反応を進めることができる。ただ
し、ポリオール成分中のマンニッヒ変性ポリオールが8
0重量%を超えると難燃性能が悪化してくるため、マン
ニッヒ変性ポリオールを使用する場合、そのポリオール
成分中の割合は70重量%以下、特に20〜50重量%
とするのが好ましい。
【0036】更に、フタル酸系ポリエステルポリオール
及びマンニッヒ変性ポリオールの他、本発明の目的を損
なわない範囲でエチレンジアミン、トリレンジアミン、
シュークロース、アミノアルコール、ジエチレングリコ
ール等のマンニッヒ変性ポリオールとは異なる開始剤の
ポリオール化合物をポリオール成分中30重量%以下の
範囲で併用しても良い。
【0037】 触媒 触媒としては、トリエチレンジアミン、ペンタメチルジ
エチレントリアミン、テトラメチルヘキサメチレンジア
ミン等のアミン触媒や、ジブチル錫ジラウレート、オク
チル酸鉛、スタナスオクトエート、オクチル酸カリウム
(2−エチルヘキシル酸カリウム)、酢酸カリウムなど
の有機金属系触媒の1種又は2種以上を使用することが
できる。
【0038】 発泡剤 発泡剤としては、1,1,1,3,3−ペンタフルオロ
ブタンを用いる。この場合、発泡剤として1,1,1,
3,3−ペンタフルオロブタンを単独で用いても良い
が、好ましくは、1,1,1,3,3−ペンタフルオロ
ブタン以外のHFCを併用するのが望ましい。1,1,
1,3,3−ペンタフルオロブタン以外のHFCとして
は、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、
1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,
2,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,1,1,
4,4,4−ヘキサフルオロブタン等が挙げられ、この
うち、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、
1,1,1,2−テトラフルオロエタンが好適に用いら
れる。
【0039】1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロ
パンを用いる場合には、1,1,1,3,3−ペンタフ
ルオロプロパンを5〜95重量%、1,1,1,3,3
−ペンタフルオロブタンを95〜5重量%、特に1,
1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを20〜80
重量%、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを
80〜20重量%とすることが好ましく、1,1,1,
2−テトラフルオロエタンを用いる場合には、1,1,
1,2−テトラフルオロエタンを2〜12重量%、1,
1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを98〜88重
量%、特に1,1,1,2−テトラフルオロエタンを5
〜10重量%、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブ
タンを95〜90重量%とするのが好ましい。上記範囲
を超えて1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンが
多いと難燃性の低下、価格の高騰、共沸成分としての沸
点の上昇の問題があり、逆に1,1,1,3,3−ペン
タフルオロブタンが少ないと、低沸点発泡剤の濃度増大
による配合液の内圧の上昇、配合液粘度の上昇がみられ
る。また、1,1,1,2‐テトラフルオロエタンは、
1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンと混合して
配合液中に投入しても良いし、第3成分として直接ミキ
シングヘッドなどに混合しても良い。
【0040】上記のハイドロフルオロカーボン類のほ
か、水を発泡剤として併用できる。即ち、水とイソシア
ネートとを反応させて生成する炭酸ガスを発泡剤として
併用することにより、フォームの低密度化を図ったり、
高価なHFCの投入量を抑えて経済性を高めることがで
きる。ただし、水を必要以上に投入すると炭酸ガスの生
成量が増えてフォームの断熱性が低下するので、ポリイ
ソシアネート成分、ポリオール成分、発泡剤、触媒及び
その他の助剤からなる反応性ポリウレタン原料中の水の
含有量は0.01〜3重量%、好ましくは0.01〜
1.5重量%とする。
【0041】 整泡剤 整泡剤としては、硬質ポリウレタンフォーム製造用とし
て効果のあるものは全て使用できる。例えばポリオキシ
アルキレンアルキルエーテル等のシリコーン系のもの等
を用いることができる。
【0042】また、本発明においては、上記以外の任意
の成分、例えば難燃剤、充填剤等も本発明の目的を妨げ
ない範囲で使用することができる。
【0043】本発明の硬質ポリウレタンフォームを、ミ
キシングヘッドを用いたエアレススプレー発泡で製造す
る場合、上記ポリイソシアネート成分と、ポリオール成
分、発泡剤、触媒及びその他の助剤を混合した配合液と
を30〜50℃でミキシングヘッドを用いて混合し、施
工対象面に吐出圧力3.9〜7.8×10Paで吹き
付け、所定の厚さとなるまで吹き付けを繰り返して発泡
させることにより製造することができる。
【0044】なお、本発明の硬質ポリウレタンフォーム
の製造に当たり、発泡剤としての1,1,1,3,3−
ペンタフルオロブタンを含むHFCの使用量は、ポリイ
ソシアネート成分、ポリオール成分、発泡剤、触媒及び
その他の助剤からなる反応性ポリウレタン原料に対して
1〜20重量%、特に5〜15重量%とすることが好ま
しい。このHFCの使用量が上記範囲よりも少ないと発
泡が不十分でフォームの低密度化を十分に図ることがで
きず、上記範囲よりも多いと液の突沸や著しい泡立ちが
起きて取り扱い上の問題が起きる。
【0045】また、本発明においては、1,1,1,
3,3−ペンタフルオロブタン以外のHFCとして、常
温常圧で沸点が0℃以下のものを用いることにより、得
られるフォームの密度が更に低くなり経済性に優れると
いう効果が奏されるが、この場合、この低沸点HFC
は、ミキシングヘッド内又はミキシングヘッドへの他成
分の導入管路に直接注入することが、特にエアレススプ
レー発泡において、吹付時の作業性を確保する上で好ま
しい。
【0046】また、この場合において、低沸点HFCの
使用量は、ポリイソシアネート成分、ポリオール成分、
発泡剤、触媒及びその他の助剤からなる反応性ポリウレ
タン原料に対して0.5〜10重量%であることが好ま
しい。この使用量が上記範囲よりも少ないとフォームの
低密度化や作業性向上における効果が十分に得られず、
多いと低沸点発泡剤の気化力が強すぎて気泡が安定しな
い。
【0047】この低沸点HFCとしては、沸点−26℃
の1,1,1,2−テトラフルオロエタンが好適に使用
される。
【0048】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明する。
【0049】実施例1〜5、比較例13 表1に示した配合処方に従って、配合液Aを調製すると
共に、ポリイソシアネートを用意した。ポリイソシアネ
ート及び配合液Aに用いた原料は次の通りである。
【0050】 ポリイソシアネート: 日本ポリウレタン工業(株)製 粗製ジフェニルメタンジイソシアネート (NCO%:30.5) ポリオールA: 第一工業製薬(株)製 マンニッヒ変性ポリオール 水酸基価: 700mg−KOH/g ポリオールB: 東邦理化(株)製 フタル酸ベースポリエステルポリオール 水酸基価: 295mg−KOH/g ポリオールC: 東邦理化(株)製 フタル酸ベースポリエステルポリオール 水酸基価: 240mg−KOH/g ポリオールD: 武田薬品工業(株)製 エチレンジアミンベースポリエーテ ルポリオール 水酸基価: 685mg−KOH/g 難燃剤: 大八化学(株)製「TCPP(トリスモノクロロプロピルフォスフ ェート)」 整泡剤: 日本ユニカー(株)製「L5420」 (ジメチルシロキサンとポリエーテルのブロックコポリマー) 触媒A: 花王(株)製 テトラメチルヘキサメチレンジアミン 触媒B: 日本化学産業(株)製 オクチル酸カリウム溶液 発泡剤A: セントラル硝子(株)製 1,1,1,3,3−ペンタフルオロ プロパン(HFC245fa) 発泡剤B: ソルベイ(株)製 1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン (HFC365mfc) 発泡剤C: 旭硝子(株)製 1,1,1−ジクロロモノフルオロエタン (HCFC141b) 発泡剤D: 旭硝子(株)製 1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HF C134a) 表1に示す配合処方に従ってまず配合液Aとイソシアネ
ートを用意した。配合液Aとポリイソシアネートは所定
のイソシアネート指数となるように重量比を決め、液温
20℃にてラボミキサーを使用して6000〜9000
rpmで5秒間攪拌して発泡させて、硬質ポリウレタン
フォームを製造した。
【0051】この硬質ポリウレタンフォームの製造に当
たり、配合液の内圧を容量200ccのガラス製オート
クレーブに液温20℃の調整した配合液を120cc充
填して測定し、結果を表1に示した。
【0052】また、難燃性の評価基準となるイソシアネ
ート指数は表1に示す通りであった。
【0053】得られた硬質ポリウレタンフォームについ
て、コア密度を測定すると共に、下記方法により物性な
いし特性を調べ、結果を表1に示した。 [発煙係数]JIS A1321表面試験に基づく(燃
焼時間6分、試験体厚味20mm)。 [熱伝導率]JIS A1412の平板熱流計法で測
定。 [気泡径]所定の区間(20mm)の気泡数を20倍の
レンズを用いてカウント。 [独立気泡率]ASTM D2856により測定。 [酸素指数]長さ100mm、幅6.5mm、厚さ3m
mの試験体について、JIS K7201に従って測
定。
【0054】
【表1】
【0055】
【発明の効果】以上詳述したとおり、本発明によれば、
ポリオール成分としてフタル酸或いはフタル酸誘導体を
エステル化反応させて得られるポリエステルポリオール
化合物を用いた難燃性に優れたイソシアヌレート変性硬
質ポリウレタンフォームにおいて、オゾン層破壊の問題
のないHFCを発泡剤として用いて、低密度で難燃性、
断熱性に優れる硬質ポリウレタンフォームを安価に得る
ことができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F074 AA78 BA53 DA02 DA03 DA07 DA32 4J034 BA02 BA03 CA01 CA03 CA04 CB02 CB03 CC12 DB03 DB04 DC02 DF01 DG01 DG03 DG04 HA01 HC03 HC12 HC17 NA01 NA02 NA07 NA08 QB01 QB17 QC01 RA15

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリイソシアネート成分、ポリオール成
    分、発泡剤、触媒、及びその他の助剤を混合、発泡させ
    て得られる硬質ポリウレタンフォームにおいて、 発泡剤として、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブ
    タンを含むハイドロフルオロカーボンを用いた硬質ポリ
    ウレタンフォームであって、 フォームの気泡径が50〜400μmであり、 フォームの気泡のうちの独立気泡の割合が50%以上で
    あり、 コア密度が20〜45kg/mであり、 コア部分の酸素指数(JIS K7201)が22以上
    であり、かつフォームの熱伝導率(JIS A141
    2)が0.022W/m・K以下であることを特徴とす
    る硬質ポリウレタンフォーム。
  2. 【請求項2】 請求項1において、厚味15〜30mm
    でコア部分の表面試験(JIS A1321)における
    発煙係数が120以下であることを特徴とする硬質ポリ
    ウレタンフォーム。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、ポリオール成
    分として、フタル酸及び/又はフタル酸誘導体をエステ
    ル化反応させて得られるポリエステルポリオール化合物
    を含むポリオール成分を用いたイソシアヌレート変性硬
    質ポリウレタンフォームであることを特徴とする硬質ポ
    リウレタンフォーム。
  4. 【請求項4】 請求項3において、ポリオール成分中の
    前記ポリエステルポリオール化合物の含有量が5〜80
    重量%であることを特徴とする硬質ポリウレタンフォー
    ム。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項におい
    て、ハイドロフルオロカーボンが、1,1,1,3,3
    −ペンタフルオロプロパンと1,1,1,3,3−ペン
    タフルオロブタンとを含有することを特徴とする硬質ポ
    リウレタンフォーム。
  6. 【請求項6】 請求項5において、ハイドロフルオロカ
    ーボンが、5〜95重量%の1,1,1,3,3−ペン
    タフルオロプロパンと95〜5重量%の1,1,1,
    3,3−ペンタフルオロブタンとを含有することを特徴
    とする硬質ポリウレタンフォーム。
  7. 【請求項7】 請求項6において、ハイドロフルオロカ
    ーボンが、20〜80重量%の1,1,1,3,3−ペ
    ンタフルオロプロパンと80〜20重量%の1,1,
    1,3,3−ペンタフルオロブタンとを含有することを
    特徴とする硬質ポリウレタンフォーム。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれか1項におい
    て、ポリイソシアネート成分、ポリオール成分、発泡
    剤、触媒及びその他の助剤からなる反応性ポリウレタン
    原料中のハイドロフルオロカーボンの含有量が1〜20
    重量%であることを特徴とする硬質ポリウレタンフォー
    ム。
  9. 【請求項9】 請求項8において、ポリイソシアネート
    成分、ポリオール成分、発泡剤、触媒及びその他の助剤
    からなる反応性ポリウレタン原料中のハイドロフルオロ
    カーボンの含有量が5〜15重量%であることを特徴と
    する硬質ポリウレタンフォーム。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし9のいずれか1項にお
    いて、ポリイソシアネート成分と、ポリオール成分、発
    泡剤、触媒及びその他の助剤を混合した配合液とをミキ
    シングヘッドで混合して発泡させるエアレススプレー発
    泡で得られることを特徴とする硬質ポリウレタンフォー
    ム。
  11. 【請求項11】 1,1,1,3,3−ペンタフルオロ
    ブタン以外の発泡剤として常温常圧で沸点が0℃以下の
    低沸点ハイドロフルオロカーボンを用いて、請求項10
    の硬質ポリウレタンフォームを製造する方法において、
    該低沸点ハイドロフルオロカーボンをミキシングヘッド
    内又はミキシングヘッドへの他成分の導入管路に直接注
    入することを特徴とする硬質ポリウレタンフォームの製
    造方法。
  12. 【請求項12】 請求項11において、該ミキシングヘ
    ッド内又はミキシングヘッドへの他成分の導入管路に直
    接注入する低沸点ハイドロフルオロカーボンの量が、ポ
    リイソシアネート成分、ポリオール成分、発泡剤、触媒
    及びその他の助剤からなる反応性ポリウレタン原料に対
    して0.5〜10重量%であることを特徴とする硬質ポ
    リウレタンフォームの製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項11又は12において、該低沸
    点ハイドロフルオロカーボンが1,1,1,2−テトラ
    フルオロエタンであることを特徴とする硬質ポリウレタ
    ンフォームの製造方法。
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