JP2001310438A - 凹凸のある装飾シートの製造方法 - Google Patents

凹凸のある装飾シートの製造方法

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JP2001310438A
JP2001310438A JP2000129722A JP2000129722A JP2001310438A JP 2001310438 A JP2001310438 A JP 2001310438A JP 2000129722 A JP2000129722 A JP 2000129722A JP 2000129722 A JP2000129722 A JP 2000129722A JP 2001310438 A JP2001310438 A JP 2001310438A
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Masayoshi Yamada
真義 山田
Toshio Nakamoto
俊夫 中本
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Achilles Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンボス効果が充分でるだけの厚さがあり、
しかも無機質の粉粒体などが樹脂層に沈み込んでしまう
ことのない、凹凸のある装飾シートの製造方法を提供す
る。 【解決手段】 (イ)基材上に発泡剤を有した発泡性樹
脂塗料を塗布後、発泡剤が発泡しない温度で乾燥する工
程を1回以上実施し、少なくとも1層の発泡性樹脂下層
を設け、次いで、(ロ)上記発泡性樹脂下層の上に発泡
剤を有した発泡性樹脂塗料を塗布して発泡性樹脂上層を
設け、(ハ)上記発泡性樹脂上層に、粉粒体、粉砕物お
よび短繊維の群から選ばれた少なくとも1種を散布した
のち、(ニ)発泡性樹脂下層および上層を加熱発泡させ
て得られたシートに、(ホ)機械エンボス加工する、こ
とを特徴とする凹凸のある装飾シートの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、凹凸のある装飾シ
ートに関するものである。さらに詳しくは、ボリューム
のある凹凸があり、粉粒体が付着した、風合いの優れた
装飾シートの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、用途に応じてさまざまな表面状態
のシート材が提供されている。特に、壁紙として使用さ
れるシート材では、消費者の好みに応じて、色,柄だけ
でなく、表面の風合いも優れたものが求められている。
このような表面が複雑な、風合いの優れたものとして、
発泡合成樹脂と無機質や合成樹脂などの粉粒体を組合せ
て、表面を複雑にしたものがよく知られている。例え
ば、基材面に非発泡合成樹脂塗料を塗布し、これにエン
ボス加工を施し、さらにこの上に模様状に発泡性合成樹
脂ペースト塗料を塗布し、このペースト塗料がまだ乾燥
しないうちに、合成樹脂の微細片をふりかけて、発泡加
工してシート材を得る方法(特開平1−97641号公
報)などが開示されている。しかしながら、上記のシー
ト材の凹凸は、模様状の発泡層の表面に合成樹脂製の微
細片が、単純に付着して構成されたものであって、合成
樹脂製の微細片と発泡層との一体感がなく、また、凹凸
もそれほど複雑でなく、自然な感じのするものではな
い。これらの点を改良するものとして、基材に発泡剤を
含有した合成樹脂塗料を塗布し、乾燥しないうちに、無
機質の粉粒体などを塗布面に散布し、次いで発泡してか
らエンボス加工して凹凸のあるシートを得る方法が開示
されている(特許第2852800号)。
【0003】しかしながら、この方法においても、エン
ボス加工したときに、深い凹凸加工が可能となる厚さの
ある装飾シートを得ようとすると、塗布された発泡性樹
脂塗料の中に無機質の粉粒体などが沈み込んでしまい、
この無機質の粉粒体などの効果が出にくいという問題が
ある。さらに、発泡性樹脂塗料を厚く塗布すると、表面
のみが乾燥し内部が乾燥しにくくなり、均一な発泡が難
しいため、乾燥時の温度を下げ、乾燥ラインの速度を遅
くしたり、長い乾燥炉を設けたりしなければならないと
いう問題もある。これは、特に、水性エマルジョンタイ
プのものを用いる場合に顕著である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な従来の技術的課題を背景になされたものであり、エン
ボス効果が充分に発現できるだけの厚さがあり、しかも
無機質の粉粒体などが樹脂層に沈み込んでしまうことの
ない、凹凸のある装飾シートの製造方法を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(イ)基材上
に発泡剤を有した発泡性樹脂塗料を塗布後、発泡剤が発
泡しない温度で乾燥する工程を1回以上実施し、少なく
とも1層の発泡性樹脂下層を設け、次いで、(ロ)上記
発泡性樹脂下層の上に発泡剤を有した発泡性樹脂塗料を
塗布して発泡性樹脂上層を設け、(ハ)上記発泡性樹脂
上層に、粉粒体、粉砕物および短繊維の群から選ばれた
少なくとも1種を散布したのち、(ニ)発泡性樹脂下層
および上層を加熱発泡させて得られたシートに、(ホ)
機械エンボス加工する、ことを特徴とする凹凸のある装
飾シートの製造方法に関する。ここで、本発明の凹凸の
ある装飾シートは、上記基材と発泡性樹脂下層との間、
発泡性樹脂下層同士の間、あるいは、発泡性樹脂下層と
発泡性樹脂上層との間に、防湿コート層をさらに設けて
もよい。
【0006】
【発明の実施の態様】本発明の凹凸のある装飾シートの
製造方法の製造工程について、図1により説明する。図
1は、本発明の製造方法の一例を示す概略図である。本
発明においては、まず(イ)工程として、エマルジョン
タイプあるいはプラスチゾルタイプなどの、発泡剤を含
有した発泡性樹脂塗料を基材1上にロータリースクリー
ンコーター5で塗布し、発泡剤が発泡しない温度で加熱
乾燥し、発泡性樹脂下層2を設ける。乾燥は、熱風加
熱、ヒーター加熱、オーブン加熱などで行うことができ
る。乾燥後、この乾燥させた発泡性樹脂下層2の上に、
発泡剤を含有した発泡性樹脂塗料を再び塗布して、発泡
性樹脂上層3を設ける〔(ロ)工程〕。以上の(イ)〜
(ロ)工程においては、(イ)の工程を1回のみ実施す
ることにより、2層の発泡性樹脂層が形成されるが、さ
らに(イ)の工程のみを繰り返すことにより、3層ある
いは4層以上の発泡性樹脂層を形成することもできる。
次いで、この発泡性樹脂上層に、有機物あるいは無機物
の粉粒体、粉砕物および短繊維の群から選ばれた少なく
とも1種(以下「チップ」と総称する)として、珪藻土
4を散布する〔(ハ)工程〕。次に、チップが散布され
たシートを発泡剤が発泡する温度で加熱し、発泡、乾燥
させる〔(ニ)工程〕。その後、メカニカルエンボス加
工し、凹凸のある装飾シートを得る〔(ホ)工程〕。従
来は、図7に示すように、基材1に発泡性樹脂塗料を塗
布し、その塗布面にチップ4を散布していたが、塗料を
厚く塗布するとチップが樹脂塗料に沈み込んでしまうと
いう問題があった。
【0007】本発明において、基材1としては、スルフ
ァニル酸グアナジン、リン酸グアナジンなどの水性難燃
剤を含浸させたパルプ紙系難燃紙、炭酸カルシウム,水
酸化アルミニウム,水酸化マグネシウムなどの無機質剤
を混抄した、無機質紙、織布、不織布などを用いること
ができるが、これらに限定されるものではない。本発明
の発泡性樹脂塗料に用いられる樹脂としては、水性エマ
ルジョン樹脂、あるいはプラスチゾルなどを用いること
ができる。
【0008】上記水性エマルジョン樹脂としては、アク
リル系水性エマルジョン、水性ウレタン系樹脂、SBR
系、酢酸ビニル系、エチレン酢酸ビニル共重合体、シリ
コン、ポリウレタン、ボリブテンなどの水性エマルジョ
ンの少なくとも1種類または2種類以上の樹脂混合物が
挙げられる。
【0009】このような水性エマルジョン樹脂を用いた
発泡性樹脂塗料に添加される発泡剤としては、アゾジカ
ルボンアミド(ADCA)などのアゾ系化合物、P,
P′−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)
(OBSH)などのニトロソ化合物などの熱分解型化学
発泡剤、低沸点炭化水素を内包したポリアクリロニトリ
ル系、フェノール樹脂系、エポキシ樹脂系などの膨張型
マイクロカプセル発泡剤などが使用できる。
【0010】このような水性エマルジョン樹脂を用いた
発泡性樹脂塗料には、上記の発泡剤のほかに、必要に応
じて充填剤が添加される。充填剤としては、加工温度に
て溶融、分解などの物理的、化学的な変化をしないもの
であれば、どのような充填剤でもよいが、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、クレー、
タルク、シリカ、珪藻土、ケイ砂、軽石粉、雲母粉、ア
スベスト、酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸
バリウム、硫酸カルシウム、ガラス球、発泡ガラス球な
どの無機質充填剤、粉末繊維糸(セルロースパウダ
ー)、ポリビニルアルコール繊維、コルク粉末、木粉、
熱可塑性樹脂粉末、熱硬化性樹脂中空球などの有機質充
填剤などが使用できる。
【0011】水性エマルジョン樹脂を用いた発泡性樹脂
塗料には、このほかポリアクリル酸ナトリウム水溶液な
どのような分散剤、シリコーンオイルなどのようなブロ
ッキング防止剤、消泡剤、ジオクチルスルホコハク酸ナ
トリウム水溶液などのような浸透剤、増粘剤、水酸化ア
ルミニウムなどのような難燃剤、顔料などを添加しても
よい。これらの水性エマルジョン樹脂を用いた発泡性樹
脂塗料は、ジゾルバー、ホモミキサーなどで攪拌し、作
製することができる。作製された水性エマルジョン樹脂
タイプの発泡性樹脂塗料の基材への塗布方法としては、
ロータリースクリーンコーター、ナイフコーター、グラ
ビアコーター、ノズルコーター、リバースロースコータ
ー、コンマーコーターなどが使用できる。
【0012】本発明においては、発泡性樹脂塗料とし
て、上記の水性エマルジョン樹脂タイプだけでなく、プ
ラスチゾルタイプの発泡性樹脂塗料を用いることもでき
る。ここで、プラスチゾルとは、熱可塑性樹脂に可塑剤
などを多量に加えてゲル状となしたものである。上記プ
ラスチゾルに用いられる熱可塑性樹脂としては、塩化ビ
ニル系樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合樹
脂、ウレタン樹脂などの一般に使用されている合成樹脂
であれば、どのようなものであってもよいが、加工性、
価格などの理由から、特に塩化ビニル系樹脂が好まし
い。また、ここでいう塩化ビニル系樹脂とは、ポリ塩化
ビニル樹脂、および塩化ビニルと他のモノマー、例えば
エチレン、酢酸ビニル、ビニルエーテル、マレイン酸エ
ステル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エス
テルなどとの共重合体のほか、ポリ塩化ビニル樹脂と他
のポリマーとの混合物も含むものである。
【0013】前記プラスチゾルタイプの発泡性樹脂塗料
には、上記の熱可塑性樹脂のほかに、加熱により分解し
てガスを発生する化学発泡剤、可塑剤、必要に応じて、
安定剤、充填剤、防カビ剤、粘度低下剤、および着色剤
などの添加剤が含有される。含有される発泡剤として
は、例えばアゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタエ
チレンテトラミンなどの通常のものが使用できるが、中
でもアゾジカルボンアミドが好ましく、その添加量は、
熱可塑性樹脂100重量部に対して、2〜6重量部が好
ましい。2重量部未満では発泡が充分に生起せず、一
方、6重量部を超えると得られるシートの強度が弱くな
り、好ましくない。
【0014】上記プラスチゾルを構成する熱可塑性樹脂
に含有される可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジ
イソジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジド
デシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソ
デシルフタレート、ジヘキシルフタレート、ジイソノニ
ルフタレート、ジオクチルアジぺート、ジイソデシルア
ジペート、ジブチルセバケート、ジオクチルセバケー
ト、トリブチルホスフェート、トリクレジルホスフェー
ト、トリフェニルホスフェート、トリクロロエチルホス
フェート、トリオクチルホスフェート、ジフェニルクレ
ジルホスフェートなどのほか、トリメリット酸エステル
系可塑剤、エポキシ化大豆油や、各種エポキシ樹脂など
のエポキシ系可塑剤、ポリエステル系高分子可塑剤など
が使用できる。
【0015】なお、熱可塑性樹脂として、塩化ビニル系
樹脂を使用する場合には、粘度低下を目的とした粘度低
下剤として、白灯油、ナフサ、アルキルベンゼン誘導体
などの希釈剤もしくは二次可塑剤などが、可塑剤と併用
される。必要に応じて発泡剤の分解を促進する作用のあ
る安定剤を添加する場合は、使用する発泡剤の種類に応
じて選定することが必要であるが、発泡剤としてアゾジ
カルボンアミドを使用する場合は、亜鉛化合物などの使
用が好ましい。
【0016】防カビ剤としては、使用する熱可塑性樹脂
の種類により適宜選定することが必要であるが、塩化ビ
ニル樹脂を使用する場合には、変色させたり、発泡促進
剤に対する発泡促進効果を阻害したりすることのない、
10,10−オキシビスフェノキシアルシン、N−(フ
ルオロジクロロメチルチオ)−フタルイミド、N−トリ
クロロメチルメルカプト−4−シクロヘキサン−1,2
−ジカルボキシイミド、2,4,5,6−テトラクロロ
イソフタロニトリルなどの有機系防カビ剤などが添加で
きる。なお、この防カビ剤は、単独でも2種以上を混合
しても使用できる。このようなプラスチゾルタイプの発
泡性樹脂塗料は、ロータリースクリーンコーター、ナイ
フコーターなどによって、基材に塗布される。
【0017】本発明においては、シート表面にさまざま
な風合いを出すために、装飾用のチップ、すなわち、粉
粒体、粉砕物、短繊維などを散布する。これらは、求め
られる風合いに合わせて、有機物、無機物などどのよう
なものを用いてもよく、また、形態、大きさも限定され
るものではない。例えば、無機物としては、珪藻土、ゼ
オライト、セピオライト、バーミキュライト、クレー、
タルク、シリカ、ケイ砂、軽石粉、雲母粉などの粉体あ
るいは粒体、ガラス球、発泡ガラス球、貝殻、ヒル石な
どの粉砕物などが挙げられる。有機物としては、熱可塑
性樹脂粉末、熱硬化性樹脂中空球、ポリ塩化ビニル粒、
各種合成樹脂ビーズ、粉砕屑、フィルムの切断屑、短繊
維、粉末繊維糸(セルロースパウダー)、ポリビニルア
ルコール繊維、籾殻、コルク粉末、木粉、木屑などの粉
砕物などが用いられる。これらのチップは、シート表面
に風合いを出すための装飾用であって、上記以外にもあ
らゆるものを用いることができる。チップとして、吸放
湿性を有する珪藻土、ゼオライト、セピオライト、バー
ミキュライトなどの無機質粉体物を用いれば、壁紙とし
て用いると、室内の昼夜の湿度の変動を小さくすること
ができる。
【0018】本発明は、発泡性樹脂塗料を一度に塗布し
て樹脂層を得るのではなく、少なくとも2回に分けて塗
布することに特徴がある。本発明においては、発泡性樹
脂上層の下に位置する樹脂塗料を加熱乾燥後、発泡性樹
脂上層にチップを散布して付着させる。従って、チップ
が散布される上層の発泡性樹脂塗料の厚さを薄くすれ
ば、チップが沈みこむという問題はなく、しかも、下層
に発泡性樹脂層があり、これらを発泡させることによ
り、厚いシートを得ることができるのである。また、上
層の発泡性樹脂の厚さを調節することにより、粉粒体の
露出を自由にコントロールすることができ、粒径の細か
い粉粒体も使用可能となるので、さらに、意匠表現範囲
を広げることができる。上層の発泡性樹脂層の厚さは、
散布するものにより、また、求められる意匠により異な
るが、散布するチップの平均粒径に対して2/5〜5/
5程度とすることが好ましい。例えば、平均粒径75μ
mの珪藻土を散布する場合、30〜75μm(塗布時厚
さ)の厚さの発泡性樹脂上層を設けることが好ましい。
【0019】また、各層に異なる樹脂を用い、機能性を
付与することにより、コスト面、機能面で多様な対応が
できる。例えば、表面強度を必要とする場合、あるいは
吸放湿性を必要とする場合には、最上層にのみ、それぞ
れの機能を有する樹脂を使用すればよい。具体的には、
下層に発泡倍率の高い樹脂を用い、上層に発泡倍率が低
く強度の高い樹脂を用いた組合せ、下層に透湿性のない
樹脂を用い、上層に吸放湿性の樹脂を用いた組合せなど
が挙げられる。また、各層に異なった機能を有する樹脂
を組み合わせて使用すれば、複数の機能を持ったシート
を得ることができる。例えば、上層に表面強度のある樹
脂を用い、下層に可撓性および柔軟性のある樹脂を用い
れば、耐久性に優れ、巻物にしてもシワの発生しにくい
シートを得ることができる。また、基材と発泡性樹脂下
層との間、発泡性樹脂下層同士の間、あるいは、発泡性
樹脂下層と発泡性樹脂上層との間に、防湿コート層を設
けることもできる。このようなシートを壁紙に用いれ
ば、室内の湿気の躯体側への放出を防止できるので、水
分(結露)による建物の腐食を予防することができる。
また、上層の発泡性樹脂塗料に珪藻土のような吸放湿性
のあるものを散布すると、さらに効果が大きい。
【0020】このようにして、本発明の方法において
は、発泡性樹脂塗料を少なくとも2回に分けて塗布する
ことにより、得られるシートを厚くすることができるの
で、深い凹凸のあるエンボス効果のよくでるシートを得
ることができる。また、水性エマルジョンタイプの塗料
を厚くコートすると、乾燥に際し、長い乾燥炉がないと
ラインスピードを上げることができないが、薄く多層コ
ートすることで、短い乾燥炉でもよく、低コストでの製
造が可能となる。エンボス加工方法としては、発泡炉と
エンボス加工装置が別に設置された工程に従い、まず発
泡炉で加熱発泡したのち、再加熱しメカニカルエンボス
加工行う方法(オフライン)と、発泡炉の直後にエンボ
ス加工装置が設置された装置を用い、発泡直後に、加熱
しメカニカルエンボス加工を行う方法(インライン)の
2通りがあるが、何れの方法でも適用可能である。ま
た、使用するエンボスロールについても、従来、用いら
れているどのようなものであってもよい。
【0021】本発明の装飾シートの具体例を以下に示
す。図2,図3,図4は、それぞれ、本発明の装飾シー
トの一例を示す断面構成図である。図2において、1は
基材、下層2は発泡倍率の高いエマルジョン樹脂による
層、上層3は表面強度の高いエマルジョン樹脂による層
である。上層3は薄いコートであり、4は珪藻土であ
る。上層3が薄いので珪藻土4の露出が大きく、立体間
のある砂目調のシートとなる。図3は、上層3の厚いタ
イプであり、珪藻土4は、図2より沈んでおり、露出面
積が少なく、図2のシートとは異なった風合いのシート
である。図4は、エマルジョンタイプの高倍率発泡性樹
脂塗料による下層2と、表面強度の大きいエマルジョン
タイプの発泡性樹脂塗料による上層3の間に防湿コート
層6を設けたものである。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。 実施例1 基材として裏打ち材〔広明製紙(株)製、DKE−13
0〕に、ロータリースクリーン印刷法にて、下記に示す
下層用のエチレン−酢酸ビニル系共重合体エマルジョン
を、60g/m2 の塗布量で塗布し、カプセル型発泡剤
が発泡しない程度の温度145℃で加熱乾燥した。次
に、ロータリースクリーン印刷法にて、下記に示す上層
用のアクリル系樹脂エマルジョンを30g/m2 (約3
0μm塗布時厚さ)の塗布量で塗布したのち、平均粒径
75μmの珪藻土を30g/m2 の割合で散布し、カプ
セル型発泡剤が発泡する温度165℃で加熱し、発泡、
乾燥させた。これにメカニカルエンボス加工を行い、凹
凸のある装飾シートを得た。
【0023】得られた装飾シートは、珪藻土による微細
な凹凸がはっきり出現し、見る角度により微妙な陰影を
映し出すものであった。このシートの各工程での断面構
成図を図5に示す。図5に示すように、上層3が薄いの
で、珪藻土4の露出が大きくなっている。また、この装
飾シートは、上層に表面強度があり、メカニカルエンボ
ス性のよい樹脂を用いたので耐久性に優れたものであ
り、下層に可撓性、柔軟性のある樹脂を用いたので、巻
物にしてもシワの発生しにくいものであった。
【0024】 以上の成分に、さらに水を加えて、固形分60重量%の
アクリル系水性エマルジョンを作製した。
【0025】 以上の成分に、さらに水を加えて、固形分64重量%の
エチレン−酢酸ビニル系水性エマルジョンを作製した。
【0026】実施例2 裏打ち材〔広明製紙(株)製、DKE−130〕に、ロ
ータリースクリーン印刷法にて、実施例1と同様の下層
用のエチレン−酢酸ビニル系水性エマルジョンを、60
g/m2 の塗布量で塗布し、カプセル型発泡剤が発泡し
ない程度の温度145℃で加熱乾燥した。次に、ロータ
リースクリーン印刷法にて、実施例1と同様の上層用の
アクリル系水性エマルジョンを60g/m2 (約60μ
m塗布時厚さ)の塗布量で塗布したのち、平均粒径75
μmの珪藻土を30g/m2 の割合で散布し、カプセル
型発泡剤が発泡する温度165℃で加熱し、発泡、乾燥
させた。これにメカニカルエンボス加工を行い、凹凸の
ある装飾シートを得た。
【0027】得られた装飾シートは、珪藻土による微細
な凹凸が実施例1のものより浅く出現した。この様子を
図6に示す。図6は、このシートの各工程での断面構成
図である。図6に示すように、上層3が実施例1より厚
いので、珪藻土4の露出は小さくなっている。また、珪
藻土は上層にしっかり固定されているので、脱落の恐れ
が少ないものにできた。さらに、この装飾シートは、上
層に表面強度があり、メカニカルエンボス性のよい樹脂
を用いたので耐久性に優れたものであり、下層に可撓
性、柔軟性のある樹脂を用いたので、巻物にしてもシワ
の発生しにくいものであった。
【0028】実施例3 実施例1と同様の裏打ち材に、ロータリースクリーン印
刷法にて、防湿層用の発泡剤を含有しないエチレン−
酢酸ビニル共重合体エマルジョン、石油系ワックスの
混合水性エマルジョン〔/(固形分重量比)=70
/30〕を30g/m2 の塗布量で塗布後、加熱乾燥さ
せた。その後、実施例1と同様に、下層用のエチレン−
酢酸ビニル系水性エマルジョンを塗布乾燥後、上層用の
アクリル系水性エマルジョンを塗布し、珪藻土を散布
し、加熱発泡乾燥させた。これにメカニカルエンボス加
工を行い、凹凸のある装飾シートを得た。このシートは
湿気を通しにくいので、室内の湿気の躯体側への放出を
防止でき、水分(結露)による建物の腐食を予防できる
ものである。さらに、微細な凹凸のため用いた珪藻土
を、室内の調湿にも役だたせることができた。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、基材上の樹脂層を少な
くとも2層とすることで、樹脂層全体でなく、チップが
散布される上層の樹脂塗料の厚さだけを薄くすることに
より、チップが沈みこむという問題がなく、厚さのある
シートを得ることができる。また、上層の樹脂の厚さを
調節することにより、チップの露出を自由にコントロー
ルすることができ、粒径の細かい粉体物も使用可能とな
る。さらに、例えば、散布物による微細な凹凸がはっき
り出現し、見る角度により微妙な陰影を映し出すよう
な、優れた表面風合いのものを得ることができるなど、
意匠表現範囲を広げることができる。また、各層に異な
る樹脂を用い、機能性を付与することにより、コスト
面、機能面で多様な対応ができる。例えば、表面強度を
必要とする場合、吸放湿性を必要とする場合には、最上
層にのみ、それぞれの機能を有する樹脂を使用すればよ
い。また、各層に異なった機能を有する樹脂を組み合わ
せて使用すれば、複数の機能を持ったシートを得ること
ができる。例えば、上層に表面強度のある樹脂を用い、
下層に可撓性および柔軟性のある樹脂を用いれば、耐久
性に優れ、巻物にしてもシワの発生しにくいシートを得
ることができる。また、水性エマルジョンタイプの塗料
を厚くコートすると、乾燥に際し、長い乾燥炉がないと
ラインスピードを上げることができないが、薄く多層コ
ートすることで、短い乾燥炉でもよく、低コストでの製
造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装飾シートの製造工程の1例を示す概
略図である。
【図2】本発明の立体感があり、砂目調の装飾シートの
例を示す断面構成図である。
【図3】本発明の装飾シートの1例を示す断面構成図で
ある。
【図4】本発明の防湿コート層を設けた装飾シートの例
を示す断面構成図である。
【図5】実施例1で得られた装飾シートの各工程での断
面構成図である。
【図6】実施例2で得られた装飾シートの各工程での断
面構成図である。
【図7】従来の装飾シートの製造工程を示す概略図であ
る。
【符号の説明】
1;基材 2;下層 3;上層 4;珪藻土 5;ロータリースクリーンコーター 6;防湿コート層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29C 59/02 B29C 59/02 Z 69/02 69/02 B32B 5/18 B32B 5/18 // B29K 105:04 B29K 105:04 105:20 105:20 B29L 7:00 B29L 7:00 9:00 9:00 Fターム(参考) 4D075 AC19 AC21 AE03 BB06Z CB21 DA04 DA25 DB18 DC02 EA02 EA05 4F100 AC10 AJ11 AK01B AK01C AK24 AK68 AT00A BA05 BA07 BA10A BA10D CA01B CA01C CC00B CC00C CC00E DE01D DE04 DG03D DG10 DJ01B DJ01C EH46B EH46C EH46D EJ393 GB08 JD04 JD04E JK14 JM01 4F209 AA10 AA21 AB02 AC05 AF01 AG01 AG03 AG05 AH48 PA01 PB02 PC05 PG03 PG05 PG06 PG14 PH06 4F213 AB02 AB25 AC04 AD16 AD17 AD20 AG01 AG03 AH26 AH48 AH81 WA12 WA18 WA43 WA53 WA55 WA58 WB01 WC02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ)基材上に発泡剤を有した発泡性樹
    脂塗料を塗布後、発泡剤が発泡しない温度で乾燥する工
    程を1回以上実施し、少なくとも1層の発泡性樹脂下層
    を設け、次いで、(ロ)上記発泡性樹脂下層の上に発泡
    剤を有した発泡性樹脂塗料を塗布して発泡性樹脂上層を
    設け、(ハ)上記発泡性樹脂上層に、粉粒体、粉砕物お
    よび短繊維の群から選ばれた少なくとも1種を散布した
    のち、(ニ)発泡性樹脂下層および上層を加熱発泡させ
    て得られたシートに、(ホ)機械エンボス加工する、こ
    とを特徴とする凹凸のある装飾シートの製造方法。
  2. 【請求項2】 基材と発泡性樹脂下層との間、発泡性樹
    脂下層同士の間、あるいは、発泡性樹脂下層と発泡性樹
    脂上層との間に、防湿コート層をさらに設ける、請求項
    1記載の凹凸のある装飾シートの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100492136B1 (ko) * 2002-11-25 2005-06-01 장우진 메탈릭 파우더가 부착된 필름의 제조장치 및 이를 이용한메탈릭 파우더가 부착된 필름의 제조방법
KR20190068250A (ko) * 2017-12-08 2019-06-18 (주)진우섬유 항균 분말을 원단에 부착시키기 위한 코팅액

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