JP2001309651A - 圧電素子駆動回路 - Google Patents

圧電素子駆動回路

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JP2001309651A
JP2001309651A JP2000123730A JP2000123730A JP2001309651A JP 2001309651 A JP2001309651 A JP 2001309651A JP 2000123730 A JP2000123730 A JP 2000123730A JP 2000123730 A JP2000123730 A JP 2000123730A JP 2001309651 A JP2001309651 A JP 2001309651A
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modulation signal
winding transformer
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JP2000123730A
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Takatoshi Ono
貴敏 小野
Yukisuke Ishihara
行祐 石原
Yasushi Sakai
康司 酒井
Keiji Kaizaki
啓二 貝崎
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧電素子を小形電子機器における機械的動作
のアクチュエータとして使用する際の圧電素子駆動回路
に関するもので、高効率な圧電素子駆動回路の提供を目
的とする。 【解決手段】 任意の信号波形をパルス幅変調し、この
パルス幅変調した信号を所定の昇圧比のトランス1次側
に入力し、このトランス2次側出力信号を圧電素子に接
続することで、静的消費電流がほぼゼロとなるデジタル
回路でのパルス幅変調部が構成でき、スイッチング周波
数が高いために変換効率のよいコア材料を有する昇圧型
巻線トランスの採用が可能となり、高効率な圧電素子駆
動回路を実現することができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電素子を小形電
子機器における機械的動作のアクチュエータとして使用
する際の圧電素子駆動回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、圧電素子は低価格、高寿命といっ
た観点から単なる発音体としてだけでなく、アクチュエ
ータ用途に用いられている。
【0003】図7はこのようなアクチュエータ用途に使
用される従来の圧電素子駆動回路の構成図であり、正弦
波発生部1の出力信号を非反転増幅部2および反転増幅
部3に入力し、非反転増幅部2および反転増幅部3のそ
れぞれの出力を圧電素子4に接続する構成となってい
る。
【0004】図8は、図7における各部の電圧波形のタ
イミング図であり、hは正弦波発生部1の出力電圧波
形、jは非反転増幅部2の出力電圧波形、kは反転増幅
部3の出力電圧波形である。j−k間の電圧波形はjと
kの差動電圧を示すものであり、これはすなわち圧電素
子3の両端に加わる電圧波形となる。
【0005】以下図7、図8を用いてその動作の説明を
行う。
【0006】正弦波発生部1では、ウィーンブリッジ発
振回路等により圧電素子4を駆動するための駆動波形を
生成する。ここで波形を正弦波としているのは、矩形波
のような電圧変化が急峻な信号を圧電素子に与えた場合
に生じる圧電素子4の振動加速度増大による破壊防止
や、圧電素子4の急峻な機械的変位で生じる空気振動に
よる高レベルな音の発生を防止するためである。正弦波
発生部1で生成した正弦波のピークトゥピーク電圧は、
正弦波発生部1の電源電圧が5Vであれば、図8のhの
ように最大で5Vになるが、一般的に圧電素子4をアク
チュエータ用途、例えばダイヤフラム式ポンプのダイヤ
フラムを機械的に駆動するアクチュエータとする場合、
比較的低周波な正弦波を比較的高電圧で圧電素子4に印
加する必要がある。周波数に関しては、ポンプの弁効率
やポンプの媒体が特に液体の場合は200Hz程度以下
が望ましいと考えられる。
【0007】また、印加電圧に関しては、圧電素子4の
構成材質や圧電素子4の固定方法によっても大きく異な
るが、ここでは100V前後の印加電圧の場合を例に説
明すると、図7に示す非反転増幅部2の内部の高電圧オ
ペアンプ5と反転増幅部3の内部の高電圧オペアンプ6
は、高電圧生成部7で生成した±30Vの直流電源(V
pおよびVm)で動作するものであり、非反転増幅部2
の出力は正弦波発生部1の出力である5Vピークトゥピ
ークの正弦波電圧を±30Vに増幅(図8のjで示す)
し、反転増幅部3の出力は非反転増幅部2の出力とはち
ょうど逆位相の±30Vに増幅(図8のkで示す)する
ことで、j−k間の電圧波形で示すピークトゥピーク電
圧が120Vの正弦波電圧を圧電素子4に印加する圧電
素子駆動回路としている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図7に
示すような圧電素子駆動回路においては、静的消費電流
が駆動回路としての効率を劣化させているという欠点が
あった。例えば圧電素子4への印加電圧が120Vピー
クトゥピークで周波数が200Hzの正弦波であり、か
つ圧電素子4の容量値が100nFの場合には、その負
荷電流値は(数1)より約5.3mAとなる。
【0009】
【数1】
【0010】一方、高電圧オペアンプ5あるいは6自身
における静的消費電流は一般市販されているもので7〜
8mA程度であり2ヶ使用することから合計14〜16
mA程度の静的消費電流が流れることになる。以上のこ
とから図7の圧電素子駆動回路全体では約20mA消費
(±30V系)し、このうち約3/4が高電圧オペアン
プの静的消費電流ということになる。このため、効率劣
化もさることながら、高電圧オペアンプが発熱し、これ
を防ぐために大面積の放熱板等を必要とした。
【0011】また、5V単一電源をスイッチング電源等
で±30Vのような高電圧電源を生成する必要があり、
この高電圧生成部7においても効率を低下させるという
課題を有していた。
【0012】本発明は、このような従来の課題を解決
し、高効率な圧電素子駆動回路の提供を目的とするもの
である。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の圧電素子駆動回路は、正弦波信号成分をパル
ス幅変調し、このパルス幅変調した信号を所定の昇圧比
のトランス1次側に入力し、このトランス2次側の出力
を圧電素子に印加して駆動するものとした。
【0014】これにより、静的消費電流がほぼゼロとな
るデジタル回路でのパルス幅変調信号生成部が構成で
き、パルス信号の周波数を高く設定することによって変
換効率のよいコア材料を有する昇圧型巻線トランスの採
用が可能となり、高効率な圧電素子駆動回路を得ること
ができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、任意波形の電気信号をパルス幅変調するパルス幅変
調信号生成部と、所定の昇圧比を有する巻線トランス
と、圧電素子からなり、前記巻線トランスの1次側が前
記パルス幅変調信号生成部の出力側に接続され、前記巻
線トランスの2次側が前記圧電素子に接続された圧電素
子駆動回路としたものであり、パルス幅変調信号生成部
からの出力信号が巻線トランスで昇圧されると共に、巻
線トランスの直流抵抗成分と負荷となる圧電素子自身の
リアクタンス成分で構成される低周波域通過フィルタ効
果により、パルス幅変調信号の高周波成分が除去された
電気信号、すなわちパルス幅変調される前の任意波形の
出力が巻線トランスの2次側から得られて圧電素子に印
加できるというものであり、大きな静的消費電流を生じ
る部品を用いる必要がないという作用を有する。
【0016】請求項2に記載の発明は、任意波形の電気
信号をパルス幅変調する第1のパルス幅変調信号生成部
と、任意波形の電気信号をパルス幅変調する第2のパル
ス幅変調信号生成部と、絶縁型巻線トランスと、圧電素
子からなり、前記絶縁型巻線トランスの1次側の一端が
前記第1のパルス幅変調信号生成部の出力端に、他端が
前記第2のパルス幅変調信号生成部の出力端に接続さ
れ、前記絶縁型巻線トランスの2次側が前記圧電素子の
両端に接続された圧電素子駆動回路としたものであり、
第1のパルス幅変調信号生成部からの出力信号と第2の
パルス幅変調信号生成部からの出力信号との電位差分が
絶縁型巻線トランスで昇圧されると共に、絶縁型巻線ト
ランスの直流抵抗成分と負荷となる圧電素子自身のリア
クタンス成分で構成される低周波域通過フィルタ効果に
より、パルス幅変調信号の高周波域成分が除去された電
気信号、すなわち第1のパルス幅変調信号生成部で変調
される任意波形と第2のパルス幅変調信号生成部で変調
される任意波形の差である波形の出力が絶縁型巻線トラ
ンスの2次側から得られて圧電素子に印加できるもので
あり、大きな静的消費電流を生じる部品を要せず、かつ
巻線トランスの1次側の入力電圧を高くできて2次側か
らの高い出力を容易に得ることができ、さらに第1のパ
ルス幅変調信号生成部と第2のパルス幅変調信号生成部
で変調される波形の位相差を変えることで、絶縁型巻線
トランスの2次側の出力を容易に可変できるという作用
を有する。
【0017】請求項3記載の発明は、任意波形の電気信
号をパルス幅変調するパルス幅変調信号生成部と、前記
パルス幅変調信号生成部で生成される信号の電位を反転
した反転パルス幅変調信号生成部と、絶縁型巻線トラン
スと、圧電素子からなり、前記絶縁型巻線トランスの1
次側の一端が前記パルス幅変調信号生成部の出力端に、
他端が反転パルス幅変調信号生成部の出力端に接続さ
れ、前記絶縁型巻線トランスの2次側が前記圧電素子の
両端に接続された圧電素子駆動回路としたものであり、
パルス幅変調信号生成部からの出力信号と反転パルス幅
変調信号生成部からの出力信号との電位差分が絶縁型巻
線トランスで昇圧されると共に、絶縁型巻線トランスの
直流抵抗成分と負荷となる圧電素子自身のリアクタンス
成分で構成される低周波域通過フィルタ効果により、パ
ルス幅変調された信号の高周波成分が除去された電気信
号、すなわちパルス幅変調前の任意波形の出力が絶縁型
巻線トランスの2次側から得られて圧電素子に印加でき
るというものであり、大きな静的消費電流を生じる部品
を要せず、かつ簡素な構成で巻線トランスの1次側の入
力電圧を高くできて2次側からの高い出力を容易に得る
ことができるという作用を有する。
【0018】以下、本発明の実施の形態について、図1
から図6を用いて説明する。
【0019】なお、従来の技術の項で説明した構成と同
一構成の部分には同一符号を付して、詳細な説明を省略
する。
【0020】(実施の形態1)図1は本発明の一実施の
形態による圧電素子駆動回路の構成図であり、巻線トラ
ンス8の1次側の一端にパルス幅変調信号生成部9が接
続され、巻線トランスの2次側の一端には、圧電素子4
が接続される構成としている。
【0021】なお、巻線トランス8の1次、2次共通端
はグランド接続としているが、所定の一定の電位にすれ
ばよい。
【0022】また、パルス幅変調信号生成部9の電源電
圧は、5V電源である必要性はなく、生成されるパルス
幅変調信号のピークトゥピークの電圧値に応じ、圧電素
子4への印加に要する電圧を巻線トランス8の昇圧比で
調整すればよい。
【0023】さらに、巻線トランス8は、1次側巻線が
2次側巻線の一部を共用した非絶縁型の巻線トランス、
いわゆるオートトランスとしているが、絶縁型の巻線ト
ランスを用いてもよい。
【0024】次に図1で示した構成の圧電素子駆動回路
の動作について、図2で示す各部の電圧波形のタイミン
グ図を用いて説明する。
【0025】ここで図2のaの波形は、パルス幅変調信
号生成部9の出力信号、cの波形は圧電素子に加わる電
圧を示している。
【0026】パルス幅変調信号生成部9では、200H
zの正弦波データをパルス幅変調する。このとき後段回
路で再生する正弦波波形の歪みを抑えるために、変調前
正弦波1周期を64分割以上とすることが望ましく、2
00Hz×64=12.8KHzがパルス幅変調周波数
となるパルス幅変調信号を生成する。この波形が図2に
示すaの波形であり、パルス幅変調信号における“L”
レベルが0V(=グランドレベル)、“H”レベルが+
5V(=Vccレベル)である場合には、ピークトゥピ
ーク電圧を5Vとするパルス幅変調信号(周波数=1
2.8KHz)が巻線トランス8の1次側に入力される
ことになる。この信号は巻線トランス8の1次側巻線数
と2次側巻線数の比率で昇圧されるために、例えば巻線
トランス昇圧比が15.6倍のとき、5V×15.6=
78Vピークトゥピーク電圧のパルス幅変調信号を2次
側に出力しようとする。
【0027】ところが、巻線トランス8の2次側の直流
抵抗成分と圧電素子4のリアクタンス成分により、低周
波域通過フィルタが構成され、かつ巻線トランス8のイ
ンダクタにより電流を保持しようとする作用から、圧電
素子4に流れる電流はパルス幅変調信号の“H”レベル
と“L”レベルに応じて充放電が繰り返され、パルス幅
変調の時比率の増減に応じて平均電流も増減することに
なる。圧電素子4の両端の電圧波形は、平均電流の増減
に応じるために、パルス幅変調の時比率で表すことがで
き、図2のcで示す200Hzの正弦波が再生され、そ
のピークトゥピーク電圧は、理論上は78Vになる。
【0028】以上の構成により、パルス幅変調信号生成
部9はデジタル回路で構成でき、巻線トランス8の通過
周波数は12.8KHzであることから、コア材料に磁
性効率のよいフェライト等の材料選択範囲が可能とな
り、また従来例の構成では必須の高電圧生成部7を省略
できる。
【0029】次に、図3の変調度に応じた電圧波形のタ
イミング図により、パルス幅変調信号生成部9のパルス
幅変調度に応じて、圧電素子4に加える正弦波のピーク
トゥピーク電圧が変わることを説明する。
【0030】パルス幅変調の変調度を変えるには、パル
ス幅変調信号生成部9の内部にバレルシフター回路(所
定の値において、2のn乗分の1で示される値を準備
し、組み合せ加算することで前記所定の値の除算結果を
得る:nは自然数)を設け、元の正弦波データを比例縮
小させることで簡単に実現する。基本的な動作は図1お
よび2を用いて説明した内容と重複するので省略する
が、圧電素子4の両端の電圧波形はパルス幅変調の時比
率で表すことができるので、図3のcで示す200Hz
の正弦波が再生され、ピークトゥピーク電圧は、理論
上、(数2)で表すことができる。
【0031】
【数2】
【0032】以上の構成により、圧電素子4に印加する
電圧が可変できて、機械的変位量を自由に設定できるよ
うになり、当該アプリケーションにおける制御量の検出
手段を別途設けることで、その制御量を一定にするよう
なフィードバック制御系を容易に構成することが可能と
なる。
【0033】(実施の形態2)図4は本発明の第2の実
施の形態による圧電素子駆動回路の構成図であり、絶縁
型巻線トランス10の1次側の一端に第1のパルス幅変
調信号生成部11が接続され、絶縁型巻線トランス10
の1次側のもう一端には第2のパルス幅変調信号生成部
12が接続されている。絶縁型巻線トランス10の2次
側の両端には、圧電素子4と、コンデンサ13とコンデ
ンサ14の直列接続体が接続され、コンデンサ13とコ
ンデンサ14の直列接続体の中点はグランドに接続され
る構成としている。
【0034】なお、第1のパルス幅変調信号生成部11
と第2のパルス幅変調信号生成部12は各々完全に独立
させる必要はなく、パルス幅変調前の任意の波形を共有
することや位相制御関係から破線で示すように1つのブ
ロックとしてもよい。
【0035】また、絶縁型巻線トランス10の2次側両
端に接続されたコンデンサ13およびコンデンサ14の
直列接続体は、圧電素子4が無いときの無負荷時電圧を
安定させるためのものであり、1つのコンデンサにして
中点のグランドを無くしてもかまわないし、場合によっ
てはコンデンサ13、14を完全に除くことも可能であ
る。
【0036】さらに、第1のパルス幅変調信号生成部1
1と第2のパルス幅変調信号生成部12の電源電圧Vc
cは、5Vである必要性はなく、生成されるパルスはパ
ルス幅変調信号のピークトゥピークの電圧値に応じ、圧
電素子4への印加に要する電圧を絶縁型巻線トランス1
0の昇圧比で調整すればよい。
【0037】次に図4で示した構成の圧電素子駆動回路
の動作について図5で示す各部の電圧波形のタイミング
図を用いて説明する。
【0038】図5のaの波形は第1のパルス幅変調信号
生成部11の出力信号、bの波形は第2のパルス幅変調
信号生成部12の出力信号、cの波形は圧電素子4に加
わる電圧を示している。
【0039】ではまず、図4と図5により、変調前波形
の位相差が180degの場合の動作を説明する。
【0040】第1のパルス幅変調信号生成部11では、
200Hzの正弦波データをパルス幅変調する。このと
き後段回路で再生する正弦波波形の歪みを抑えるため
に、変調前正弦波1周期を64分割以上とすることが望
ましく、200Hz×64=12.8KHzがパルス幅
変調周波数となるパルス幅変調信号を生成する。この波
形が図5に示すaの波形であり、同様の手段を用いて第
2のパルス幅変調信号生成部12でパルス幅変調信号
(bの波形)を生成する。このとき、aとbのパルス幅
変調前正弦波の位相差を180degとしておくと、絶
縁型巻線トランス10の1次側には、aとbの電位差分
が入力されるので、aおよびbのパルス幅変調信号にお
ける“L”レベルが0V(=グランドレベル)、“H”
レベルが+5V(=Vccレベル)である場合には、ピ
ークトゥピーク電圧を10Vとするパルス幅変調信号
(周波数=12.8KHz)が入力されることになる。
この信号は絶縁型巻線トランス10の1次側インダクタ
ンスが90mH、2次側のインダクタンスが22Hのと
き、(数3)より絶縁型巻線トランス10の昇圧比は約
15.6倍であり、10V×15.6=156Vピーク
トゥピーク電圧のパルス幅変調信号を2次側に出力しよ
うとする。
【0041】
【数3】
【0042】ところが、絶縁型トランス10の2次側の
直流抵抗成分と圧電素子4のリアクタンス成分により、
低周波域通過フィルタが構成され、かつ絶縁型巻線トラ
ンス10のインダクタにより電流を保持しようとする作
用から、圧電素子4に流れる電流はパルス幅変調信号の
“H”レベルと“L”レベルに応じて充放電が繰り返さ
れ、パルス幅変調の時比率の増減に応じて平均電流も増
減することになる。圧電素子4の両端の電圧波形は、平
均電流の増減に応じるために、パルス幅変調の時比率で
表すことができ、図5のcで示す200Hzの正弦波形
が再生され、そのピークトゥピーク電圧は、理論上は1
56Vになる。
【0043】以上の構成により、第1および第2のパル
ス幅変調信号生成部11、12は、デジタル回路で構成
でき、絶縁型巻線トランス10の通過周波数は12.8
KHzであることから、コア材料に磁性効率のよいフェ
ライト等の材料選択範囲が可能となり、さらに従来例の
構成では必須の高電圧生成部7を省略することができ
る。
【0044】また、実施の形態2によれば実施の形態1
と比較して、同一の昇圧比を有するトランスを使用する
場合、2倍の電圧を圧電素子4に印加することができ
る。
【0045】さらに図6は、2つのパルス幅変調信号の
位相差に応じた電圧波形のタイミング図であり、第1の
パルス幅変調信号生成部11と第2のパルス幅変調信号
生成部12で変調する以前の正弦波波形の位相差を変え
ることで圧電素子に加える電圧を可変できる様子を示し
ている。
【0046】基本的な動作は図4および図5を用いて説
明した内容と重複するので省略するが、圧電素子4の端
子の電圧波形はパルス幅変調の時比率で表すことができ
るので、圧電素子4の各端子部における位相差を持つ正
弦波の差となる。
【0047】したがって、図6のcで示す200Hzの
正弦波が再生され、波形Vは、理論上、(数4)が導か
れ、したがってピークトゥピーク電圧Vppは、(数
5)で表すことができる。
【0048】
【数4】
【0049】
【数5】
【0050】以上の構成とすることで、パルス幅変調時
の時間軸方向に対する分解能を減ずることなく、圧電素
子4の機械的変位量を自由に設定できるようになり、当
該アプリケーションにおける制御量の検出手段を別途設
けることで、その制御量を一定にするフィードバック制
御系を容易に構成し、かつ滑らかに制御することが可能
となる。
【0051】なお、位相差制御を用いて圧電素子4に加
える電圧を可変制御する必要がない場合は、第2のパル
ス幅変調信号生成部12の代わりに、第1のパルス幅変
調信号生成部11で生成した信号の電位を反転させるイ
ンバータ等で反転パルス幅変調信号生成部を構成すれ
ば、簡素な構成でピークトゥピーク電圧の高い圧電素子
4の駆動電圧が得られ、第1のパルス幅変調信号生成部
11と第2のパルス幅変調信号生成部12を用いた場合
で説明したパルス幅変調前の位相差が180degと同
様の結果を得る。
【0052】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、任意波形
の電気信号をパルス幅変調信号に変換し、巻線トランス
での昇圧と低周波域通過フィルタ作用を利用すること
で、従来例に示すような高電圧オペアンプや高電圧生成
部が不要であり、効率の向上と費用負担の軽減という効
果が得られる。
【0053】また、巻線トランスのコア材料にフェライ
ト等が選定できるために、小形で高効率な巻線トランス
を使用することが可能になる。
【0054】さらに、絶縁型巻線トランスの1次側両端
に逆位相のパルス幅変調信号を与えることで、より高電
圧な出力を容易に得ることができる。
【0055】また、複数の圧電素子を位相制御駆動する
場合(例えばダイヤフラム式ポンプのポンプだけではな
く、そのポンプを構成する吸込弁と吐出弁の3者をすべ
て圧電素子で駆動しようとするような場合)、パルス幅
変調信号生成処理に伴うデジタル化の際に、位相制御精
度を上げることが極めて容易であり、アクチュエータ用
途の圧電素子駆動回路としては複数素子の連携動作が簡
単に構成できるという効果が得られる。
【0056】また、パルス幅変調度を制御しフィードバ
ック系を構築することで、安定性に優れたシステムを容
易に実現することが可能になり、さらに位相差制御を行
うことで、より安定性に優れたシステムを実現できると
いう有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による圧電素子駆動回路
の構成図
【図2】同各部の電圧波形のタイミング図
【図3】同変調度に応じた電圧波形のタイミング図
【図4】本発明の第2の実施の形態による圧電素子駆動
回路の構成図
【図5】同各部の電圧波形のタイミング図
【図6】同位相差に応じた電圧波形のタイミング図
【図7】従来の圧電素子駆動回路の構成図
【図8】同各部の電圧波形のタイミング図
【符号の説明】
4 圧電素子 8 巻線トランス 9 パルス幅変調信号生成部 10 絶縁型巻線トランス 11 第1のパルス幅変調信号生成部 12 第2のパルス幅変調信号生成部 13 コンデンサ 14 コンデンサ
フロントページの続き (72)発明者 酒井 康司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 貝崎 啓二 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5H730 AA14 BB21 BB57 BB61 BB86 BB88 DD32 EE48 EE79 FG05 FG07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 任意波形の電気信号をパルス幅変調する
    パルス幅変調信号生成部と、所定の昇圧比を有する巻線
    トランスと、圧電素子からなり、前記巻線トランスの1
    次側が前記パルス幅変調信号生成部の出力端に接続さ
    れ、前記巻線トランスの2次側が前記圧電素子に接続さ
    れたことを特徴とする圧電素子駆動回路。
  2. 【請求項2】 任意波形の電気信号をパルス幅変調する
    第1のパルス幅変調信号生成部と、任意波形の電気信号
    をパルス幅変調する第2のパルス幅変調信号生成部と、
    絶縁型巻線トランスと、圧電素子からなり、前記絶縁型
    巻線トランスの1次側の一端が前記第1のパルス幅変調
    信号生成部の出力端に、他端が前記第2のパルス幅変調
    信号生成部の出力端に接続され、前記絶縁型巻線トラン
    スの2次側が前記圧電素子の両端に接続されたことを特
    徴とする圧電素子駆動回路。
  3. 【請求項3】 任意波形の電気信号をパルス幅変調する
    パルス幅変調信号生成部と、前記パルス幅変調信号生成
    部で生成する信号の電位を反転した反転パルス幅変調信
    号生成部と、絶縁型巻線トランスと、圧電素子からな
    り、前記絶縁型巻線トランスの1次側の一端が前記パル
    ス幅変調信号生成部の出力端に、他端が反転パルス幅変
    調信号生成部の出力端に接続され、前記絶縁型巻線トラ
    ンスの2次側が前記圧電素子の両端に接続されたことを
    特徴とする圧電素子駆動回路。
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