JP2001307665A - 窒化物半導体素子およびその製造方法 - Google Patents

窒化物半導体素子およびその製造方法

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JP2001307665A
JP2001307665A JP2000124873A JP2000124873A JP2001307665A JP 2001307665 A JP2001307665 A JP 2001307665A JP 2000124873 A JP2000124873 A JP 2000124873A JP 2000124873 A JP2000124873 A JP 2000124873A JP 2001307665 A JP2001307665 A JP 2001307665A
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semiconductor layer
electrode
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insulating spacer
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Makoto Kakazu
誠 嘉数
Naoki Kobayashi
小林  直樹
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子の放出効率の高い素子およびその製造方
法を提供する。 【解決手段】 AlxyGa1-x-yN(0<x≦1、0
<y≦1)の窒化物半導体層上に絶縁性スペーサーを設
け、該絶縁性スペーサー上に蛍光体を層を有するITO
膜を形成した発光素子であって、前記窒化物半導体層が
ITO膜方向に突起を有し、この突起が錐体形状を有す
ることを特徴とする発光素子に関する。また本発明は、
該発光素子の製造方法に関する。さらに、本発明は、窒
化物半導体層、第一の絶縁性スペーサー、第一の電極、
第二の絶縁性スペーサー、第二の電極を具備する電子素
子であって、前記窒化物半導体層が、第一の電極に向け
て錐体状の突起を有し、前記第一の電極が孔を有し、か
つ前記錐体の頂部が前記第一の電極の孔に配置されるこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発光素子および電
子素子に関する。より詳細には、例えば低電圧、低消費
電力で動作する厚さが数ミリメーターのフラットパネル
ディスプレイとしての用途を有する発光素子および三極
管などとして用いることができる電子素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の発光素子として、基板上に絶縁性
のスペーサーを介して発光体を塗布したITO膜を設
け、前記基板上にAlxyGa1-x-yN半導体の突起を
設けた発光素子がある。図4(d)は、このような発光
素子の概略断面図である。この図に示されるのように、
従来の発光素子は、基板21上に絶縁性スペーサー24
を設け、該スペーサーを介して、蛍光体25を塗布した
ITO膜26が設けられている。さらに、この発光素子
は、基板21上にAlxyGa1-x-yN半導体の突起を
設けた構造を有している。この発光素子は、例えば、図
4の(a)から(d)に示す工程を経て製造される。工
程(a)では、基板21上にレジスト膜またはSiO2
膜22を形成し、パターン化する。次に、工程(b)に
おいて、AlxyGa1-x-yN(0<x≦1、0<y≦
1)層23を成長させる。AlxyGa 1-x-yN層は、
レジスト膜またはSiO2膜の存在する領域では成長が
起こらず、レジスト膜またはSiO2膜のない領域に成
長する。次に、工程(c)で、レジスト膜またはSiO
2膜を除去し、工程(d)で絶縁性スペーサー24およ
び蛍光体を塗布したITO膜26を設置する。図4
(d)に示されるように、基板21に負側の電圧を、I
TO膜26に正側の電圧を印加することにより、Alx
yGa1-x-yN層の先端から電子が放出され、この電子
が蛍光体25に衝突して蛍光体を発光させる。蛍光体か
ら発した光は、ITO膜26を通して外部に取り出され
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
発光素子は、工程(b)において、AlxyGa1-x-y
N層を成長させ、基板状にAlxyGa1-x-yN(0<
x≦1、0<y≦1)の突起を形成させるが、この突起
は、完全な錐状にはならず、図4(b)に示されるよう
に、台形状の断面を有する。これは、突起の頂上付近で
原料が供給されにくいためである。このように、従来の
発光素子では、AlxyGa1-x-yN(0<x≦1、0
<y≦1)層の先端が鈍っているため、工程(d)で得
られた発光素子は、電気力線が集中しないため、電圧の
印加により放出される電子密度はきわめて低く、発光素
子として実用には到っていない。また、図4(b)に示
される台形状の断面を有するAlxyGa1-x-yN層を
含む素子も同様の問題点を有する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる問題を解
決するためになされたものであり、電子の放出効率を従
来より著しく向上させた発光素子および電子素子を提供
することを目的とする。
【0005】従って、本発明の第一は、AlxyGa
1-x-yN(0<x≦1、0<y≦1)の窒化物半導体層
上に絶縁性スペーサーを設け、該絶縁性スペーサー上に
蛍光体層を有するITO膜を形成した発光素子であっ
て、前記窒化物半導体層がITO膜方向に突起を有し、
この突起が錐体形状を有することを特徴とする発光素子
に関する。
【0006】本発明の第二は、AlxyGa1-x-y
(0<x≦1、0<y≦1)窒化物半導体層上に第一の
絶縁性スペーサーを設け、該第一の絶縁性スペーサー上
に第一の電極を設置し、該第一の電極上に第二の絶縁性
スペーサーを設け、該第二の絶縁性スペーサー上に第二
の電極を設けた電子素子であって、前記窒化物半導体層
が第一の電極に向けて錐体状の突起を有し、前記第一の
電極が孔を有し、かつ前記錐体の頂部が前記第一の電極
の孔に配置されることを特徴とする電子素子に関する。
【0007】上記第一の発明および第二の発明におい
て、前記窒化物半導体層は、AlxyGa1-x-yN(0
≦x≦1、0≦y≦1)半導体層であってもよい。
【0008】本発明の第三は、上記第一の発明の発光体
素子の製造方法に関する。この方法は、(a)基板上に
保護層を設け、パターン化を行う工程、(b)前記基板
にエッチング処理を行い、前記保護層のない領域に錐状
の凹部を設ける工程、(c)前記保護層を除去する工
程、(d)前記基板の凹部を設けた側に、凹部を埋め込
むようにAlxyGa1- x-yN窒化物半導体層を成長さ
せる工程、(e)基板を除去し、錐状の突起を有する窒
化物半導体層を得る工程、(f)前記突起を有する窒化
物半導体の突起のある側に絶縁性スペーサー、および蛍
光体を有するITO膜を設ける工程を具備する。
【0009】第三の発明において、前記基板にケイ素を
用いることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の素子は、窒化物半導体層
に錐状の突起を設けることを特徴とする。この錐状の突
起は、基板に錐状の凹部を設け、この凹部を埋めるよう
に窒化物半導体層を成長させることにより得られる。
【0011】本明細書において、錐状の突起とは、円錐
状、角錐状等のような頂部の鋭い突起を意味する。従っ
て、本発明の素子の窒化物半導体層に設けられた突起
は、従来の素子の窒化物半導体層で見られる断面が台形
状の突起とは異なる。また、錐状の凹部とは、例えば基
板のような基材に対して、円錐状、角錐状のような鋭い
頂部を該基材の内部に向けて形成させた錐体状の凹部を
いう。
【0012】本発明の素子の製造方法では、素子に設置
する窒化物半導体層に、頂部の鋭い錐状の突起を設ける
ことができる。この突起は、従来の素子の窒化物半導体
層で見られる断面が台形状の突起とは異なる。さらに、
本発明の製造方法で製造される突起は、窒化物半導体層
から電界放出される電子の放出効率を従来より著しく向
上させる。従って、本発明の素子の製造方法は、従来の
素子より高効率の素子を提供できる。
【0013】本発明の素子は、窒化物半導体層に先端が
鋭い錐状の突起を設けたことにより、窒化物半導体層か
ら電界放出される電子の放出効率を従来より著しく向上
させることができる。このような窒化物半導体層を含む
素子は、室温で動作する冷陰極として、また低消費電力
のフィラメントとして使用することができ、微細高周波
増幅用真空管素子、ブラウン管ディスプレイに代わる低
電力、薄型の自発光型ディスプレイ等を実現することが
できる。
【0014】
【実施例】以下に、本発明を実施例に従い、図面を参照
して詳細に説明する。なお、以下の実施例は例示であ
り、本発明を制限するものではない。
【0015】(実施例1)この実施例は、窒化物半導体
層に錐状の突起を設けた発光素子に関する。図1は、こ
の実施例の発光素子の概略断面図である。図1に示され
るように、本発明の発光体素子は、窒化物半導体層1
3、絶縁性スペーサー14、および蛍光体層15を有す
るITO膜(酸化スズなど)を備えた発光素子であり、
窒化物半導体層が、頂部の錐状の突起を有することを特
徴とする。
【0016】絶縁性スペーサー14、蛍光体層15およ
びITO膜16は、それぞれ従来のものをそのまま使用
することができる。絶縁性スペーサー14の厚さは、1
0μm〜1mmであり、蛍光体層15およびITO膜1
6の厚さは、それぞれ10〜100μmである。
【0017】窒化物半導体層13は、錐状の突起を有す
る。錐状の突起は、頂部が鋭ければいずれの錐体形状で
あってもよいが、後述する製造方法で説明するように、
六角錐形状が好ましい。錐状の突起は、図1に示すよう
に、窒化物半導体層13の発光体層15側の面に設け
る。突起の数は、103〜106個/mm2である。窒化
物半導体層13の発光体層15側の面における突起の配
置は、電子の放出効率に影響を与えない限りいかなる配
置であってもよいが、等間隔が望ましい。窒化物半導体
層の厚さは、突起部を含めて0.1〜10μmである。
【0018】窒化物半導体層13は、AlxyGa
1-x-yNの組成を有する窒化物半導体よりなる。組成比
は、0<x≦1、0<y≦1であることが好ましい。し
かし、本発明においては、組成比は0≦x≦1、0≦y
≦1であってもよい。さらに、本発明では、窒化物半導
体層13は、ドナーとなる添加物、例えばSi、Ge、
Sn、S、Se、Teなどを含んでいてもよい。さら
に。窒化物半導体層13は、組成の異なる複数の層を多
層化した構成であってもよい。
【0019】図1に示したように、窒化物半導体層13
に負側の電圧を印加し、ITO膜に正側の電圧を印加す
ると、窒化物半導体層13の錐状の突起から電子が放出
される。なお、電圧の印加は、窒化物半導体層13に電
極を設けて行ってもよい。この電圧に印加により、図1
に示されるように、窒化物半導体層13の錐状の突起か
ら、窒化物半導体層13、絶縁性スペーサー14および
発光体層15で形成される空間内に電子が放出される。
発生された電子は、蛍光体層15に衝突し、蛍光体を発
光させる。蛍光体からの光は、ITO膜を介して取り出
すことができる。
【0020】本発明の素子は、窒化物半導体層13に頂
部の鋭い錐状の突起を設けたことにより、窒化物半導体
層13から電界放出される電子の放出効率を従来より著
しく向上させることができる。
【0021】図1に示される本実施例の発光素子(蛍光
体:ZnS:Ag)と、図4(d)に示される従来の発
光素子(蛍光体:ZnS:Ag)との発光強度を比較し
た。その結果、従来の発光素子は、0.85Cd/m2
の発光強度であったが、本実施例の発光素子は、200
0Cd/m2であり、2000から2300倍以上の強
度であった。
【0022】(実施例2)この実施例は、窒化物半導体
層に錐状の突起を設けた電子素子に関する。図2は、こ
の実施例の電子素子の概略断面図である。図2に示され
るように、この実施例の発明は、窒化物半導体層13、
第一の絶縁性スペーサー14、第一の電極17、第二の
絶縁性スペーサー18、第二の電極19を具備する電子
素子である。そして、本実施例の素子は、前記窒化物半
導体層13が、第一の電極17に向けて錐体状の突起を
有し、前記第一の電極17が孔を有し、かつ前記錐体の
頂部が前記第一の電極17の孔に配置されることを特徴
とする。従って、第一の電極17は、窒化物半導体層1
3上の錐状の突起の配置と同じ配置を有する。
【0023】絶縁性スペーサー14、18、電極17、
19は、それぞれ従来のものをそのまま使用することが
できる。それぞれの層の厚さは、絶縁性スペーサー14
の厚さが、10μm〜1mmであり、絶縁性スペーサー
18厚さは100μmから5cmであり、電極17の厚
さは10μmから1mmである。なお、電極19の厚さ
は、素子に合わせいずれの厚さとすることもできる。
【0024】窒化物半導体層13は、錐状の突起を有す
る。錐状の突起は、頂部が鋭ければいずれの錐体形状で
あってもよいが、後述する製造方法で説明するように、
六角錐形状が好ましい。錐状の突起は、図2に示すよう
に、窒化物半導体層13の電極17側の面に設ける。突
起の数は、103〜106個/mm2である。窒化物半導
体層13の電極17側の面における突起の配置は、電子
の放出効率に影響を与えず、かつ、電極17の孔の製造
など、本実施例の素子の製造が過度に複雑にならない限
りいかなる配置であってもよいが、等間隔が望ましい。
窒化物半導体層の厚さは、突起部を含めて0.1〜10
μmである。
【0025】窒化物半導体層13は、AlxyGa
1-x-yNの組成を有する窒化物半導体よりなる。組成比
は、0<x≦1、0<y≦1であることが好ましい。し
かし、本発明においては、組成比は0≦x≦1、0≦y
≦1であってもよい。さらに、本発明では、窒化物半導
体層13が、ドナーとなる添加物、例えばSi、Ge、
Sn、S、Se、Teなどを含んでいてもよい。さら
に。窒化物半導体層13は、組成の異なる複数の層を多
層化した構成であってもよい。
【0026】図2に示したように、本実施例の電子素子
では、窒化物半導体層13を接地し、電極17に正側の
電圧を印加する。これにより窒化物半導体層13の錐状
の突起から電子を放出させる。電極19にも正側の電圧
を印加し、電極17を通過した電子を収集する。このよ
うに、本発明の電子素子は、窒化物半導体層13、絶縁
性スペーサー14と18、および電極19により形成さ
れる素子内の空間に電子を放出させることができる。こ
のように構成した本発明の素子により、三極管特性を得
ることができる。本発明の素子は、窒化物半導体層13
に頂部の鋭い錐状の突起を設けたことにより、窒化物半
導体層から電界放出される電子の放出効率を従来より著
しく向上させることができ、高効率に電子を放出させる
ことができる。従って、従来の電子素子より高効率の素
子となる。
【0027】(実施例3)この実施例は、実施例1で説
明した、窒化物半導体層に錐状の突起を設けた発光素子
の製造方法である。
【0028】本発明の方法は、(a)基板上に保護層を
設け、パターン化を行う工程、(b)前記基板にエッチ
ング処理を行い、前記保護層のない領域に錐状の凹部を
設ける工程、(c)前記保護層を除去する工程、(d)
前記基板の凹部を設けた側に、凹部を埋め込むようにA
xyGa1- x-yN窒化物半導体層を成長させる工程、
(e)基板を除去し、錐状の突起を有する窒化物半導体
層を得る工程、(f)前記突起を有する窒化物半導体の
突起のある側に絶縁性スペーサー、および蛍光体を有す
るITO膜を順次形成する工程を具備する。
【0029】本発明において、基板は、ケイ素(Si
(111)など)、6H−SiC(0001)、サファ
イア(0001)があるが、ケイ素、特にSi(11
1)であることが好ましい。窒化物半導体層は、Alx
yGa1-x-yNの組成を有する窒化物半導体である。組
成比は、0<x≦1、0<y≦1であることが好まし
い。しかし、本発明においては、組成比は0≦x≦1、
0≦y≦1であってもよい。さらに、本発明では、窒化
物半導体層が、ドナーとなる添加物、例えばSi、G
e、Sn、S、Se、Teなどを含んでいてもよい。さ
らに、窒化物半導体層は、組成の異なる複数の層を多層
化した構成であってもよい。
【0030】本発明において、保護層とは、基板をパタ
ーン化するために用いるレジスト膜またはSiO2膜の
ようなパターン化の手段のための層をいう。
【0031】図3(a)から(f)を参照して、本実施
例の製造工程の概略を説明する。以下の説明では、パタ
ーン化のための保護層としてレジスト膜を使用し、基板
にSi(111)を使用した例を示すが、本発明はこれ
に限定されない。
【0032】工程(a)は、基板11上にレジスト膜1
2を形成し、パターン化を行う工程である(図3
(a))。この工程では、Si(111)基板11上
に、スピンコート法などによりレジスト膜12を形成す
る。レジスト膜12は、例えば紫外線感光性樹脂など
の、半導体製造工程で用いることができるレジスト組成
物を使用することができる。続いてレジスト膜12を光
照射等を経て現像することによりパターン化を行う。レ
ジスト膜12の形成、光照射、現像等の手段は、当業者
に周知の方法に従い実施することができる。なお、本実
施例では、レジスト膜以外にもSiO2膜のような保護
層を使用することが可能である。このような保護層を使
用する場合であっても、当業者に周知の方法に従いパタ
ーン化を実施することができる。パターン化は、後述す
る工程(d)で所望の突起の数、配列を有するように行
う。
【0033】工程(b)は、上記工程(a)で得られた
パターン化した基板をエッチングする工程である(図3
(b))。エッチングは、例えばHFなどにより行う。
エッチングにより、レジスト膜の塗布されていない領域
に錐状の凹部を設ける。この工程で形成される錐状の凹
部は、断面形状が、図3(b)に示されるように鋭い頂
部を有し、この頂部が基板11の内部に向けて形成され
る。この凹部は、(110)ファセットが露出して、極
めて対称的な六角錐となる。本発明において、Si(1
11)基板を用いることが好ましいのは、この六角錐の
対称性がよいためである。
【0034】工程(c)は、レジスト膜12を除去する
工程である。レジスト膜12は、当業者に周知の方法で
除去することができる。また、SiO2膜をパターン化
に使用する場合であっても、従来の当業者に周知の方法
によりSiO2膜を除去することができる。
【0035】工程(d)は、基板11上に窒化物半導体
層(AlxyGa1-x-yN(0<x≦1、0<y≦
1))13を成長させる工程である(図3(d))。該
窒化物半導体層13は例えばエピタキシャル成長させる
ことにより得ることができる。窒化物半導体層は、工程
(c)で形成した凹部を埋めるように形成させる。窒化
物半導体層の厚さは形成される突起部分を含め、0.1
から10μmであることが好ましい。この窒化物半導体
層13は、上述のように、AlxyGa1-x-yNの組成
を有する窒化物半導体である。組成比は、0<x≦1、
0<y≦1であることが好ましいが、組成比は0≦x≦
1、0≦y≦1であってもよい。さらに、窒化物半導体
層が、ドナーとなる添加物、例えばSi、Ge、Sn、
S、Se、Teなどを含んでいてもよく、さらに窒化物
半導体層は、組成の異なる複数の層を多層化した構成で
あってもよい。その場合、この工程(d)において、組
成の異なる複数の層を、適切な成長方法により成長させ
ればよい。
【0036】工程(e)は、基板を除去し、錐状の突起
を有する窒化物半導体層13を得る工程である(図3
(e))。この工程では、Si基板をHFのようなエッ
チング剤で完全に除去する。これにより六角錐状の突起
を有する窒化物半導体層13を得ることができる。エッ
チングは、当業者に公知の手法を用いて行えばよい。
【0037】工程(f)は、工程(e)で得た窒化物半
導体層13に、発光素子の他の部材を設置する工程であ
る(図3(f))。窒化物半導体層13上に、絶縁性ス
ペーサー14を、接着剤のような固定手段で固定し、こ
の絶縁性スペーサー14上にさらに接着剤のような固定
手段で、発光体層15を有するITO膜16を固定す
る。
【0038】上記の工程を経て、本発明の発光素子を製
造することができる。
【0039】図3(f)に示したように、窒化物半導体
層13に負側の電圧を印加し、ITO膜に正側の電圧を
印加すると、窒化物半導体層13の錐状の突起から電子
が放出される。この電圧に印加により、図3(f)に示
すように、窒化物半導体層13の錐状の突起から、窒化
物半導体層13、絶縁性スペーサー14および発光体層
15で形成される空間内に電子が放出される。なお、電
圧の印加は、窒化物半導体層13に電極を設けて行って
もよい。このような電極は、従来から公知の金属などの
電極を使用することができる。電極は、上記工程(f)
において、窒化物半導体層13の突起の設けられていな
い側に、蒸着のような方法により設置することができ
る。発生された電子は、蛍光体層15に衝突し、蛍光体
を発光させる。蛍光体からの光は、ITO膜16を介し
て取り出すことができる。
【0040】本発明の製造方法は、窒化物半導体層13
に頂部の鋭い錐状の突起を設けることができ、この方法
で製造された素子は、窒化物半導体層から電界放出され
る電子の放出効率を従来より著しく向上させることがで
きる。
【0041】(実施例4)この実施例は、実施例2で説
明した、窒化物半導体層に錐状の突起を設けた電子素子
の製造方法である。
【0042】本実施例の方法は、(A)基板上に保護層
を設け、パターン化を行う工程、(B)前記基板にエッ
チング処理を行い、前記保護層のない領域に錐状の凹部
を設ける工程、(C)前記保護層を除去する工程、
(D)前記基板の凹部を設けた側に、凹部を埋め込むよ
うにAlxyGa1- x-yN窒化物半導体層を成長させる
工程、(E)基板を除去し、錐状の突起を有する窒化物
半導体層を得る工程、(F)前記突起を有する窒化物半
導体の突起のある側に第一の絶縁性スペーサー、第一の
電極、第二の絶縁性スペーサーおよび第二の電極を順次
形成する工程を具備する。
【0043】これらの工程のうち、(A)から(E)の
工程は、上記実施例3で説明した工程(a)から(e)
と同様である。従って、本実施例においても、基板は、
ケイ素(Si(111))、6H−SiC(000
1)、サファイア(0001)があるが、ケイ素、特に
Si(111)であることが好ましい。また、窒化物半
導体層は、AlxyGa1-x-yNの組成を有する窒化物
半導体である。組成比は、0<x≦1、0<y≦1であ
ることが好ましい。しかし、本発明においては、組成比
は0≦x≦1、0≦y≦1であってもよい。さらに、本
発明では、窒化物半導体層が、ドナーとなる添加物、例
えばSi、Ge、Sn、S、Se、Teなどを含んでい
てもよい。さらに、窒化物半導体層は、組成の異なる複
数の層を多層化した構成であってもよい。この場合、工
程(D)において、組成の異なる複数の層を、適切な成
長方法により成長させればよい。さらに、窒化物半導体
層は、突起を含め0.1〜10μmの厚さである。
【0044】工程(F)は、工程(E)で得た窒化物半
導体層13に、発光素子の他の部材を設置する工程であ
る(図3(g))。窒化物半導体層13上に、第一の絶
縁性スペーサー14を、接着剤のような固定手段で固定
し、この第一の絶縁性スペーサー14上に、第一の電極
17を接着剤のような固定手段で固定し、次いで、第二
のスペーサー18を同様に接着剤のような固定手段で固
定し、最後に、第二の電極19を接着剤のような固定手
段で固定する。本発明において、上記第一の電極17に
は、孔が設けられており、窒化物半導体層13の錐体の
突起の頂部が孔の部分に配置される。従って、第一の電
極17の孔は、窒化物半導体層13上の錐状の突起の配
置と同じ配置を有するように形成される。
【0045】上記の工程を経て、本発明の電子素子を製
造することができる。
【0046】図3(g)に示したように、本実施例の電
子素子では、窒化物半導体層13を接地し、電極17に
正側の電圧を印加する。これにより窒化物半導体層13
の錐状の突起から電子を放出させる。電極19にも正側
の電圧を印加し、電極17を通過した電子を収集する。
このように、本発明の電子素子は、窒化物半導体層1
3、絶縁性スペーサー14と18、および電極19によ
り形成される素子内の空間に電子を放出させることがで
きる。このように構成した本発明の素子により、三極管
特性を得ることができる。本発明の製造方法は、窒化物
半導体層13に頂部の鋭い錐状の突起を設けることがで
き、この方法で製造された電子素子は、窒化物半導体層
から電界放出される電子の放出効率を従来より著しく向
上させることができる。従って、従来の電子素子より高
効率の電子素子となる。
【0047】
【発明の効果】本発明の素子は、窒化物半導体層に錐状
の突起を設けることを特徴とする。この錐状の突起は、
基板に錐状の凹部を設け、この凹部を埋めるように窒化
物半導体層を成長させることにより得られる。
【0048】本発明の素子は、窒化物半導体層に先端が
鋭い錐状の突起を設けたことにより、窒化物半導体層か
ら電界放出される電子の放出効率を従来より著しく向上
させることができ、電子放出効率が大幅に向上する。
【0049】このような窒化物半導体層を含む素子は、
室温で動作する冷陰極として、また低消費電力のフィラ
メントとして使用することができ、微細高周波増幅用真
空管素子、ブラウン管ディスプレイに代わる低電力、薄
型の自発光型ディスプレイ等を実現することができる。
【0050】本発明の素子の製造方法は、窒化物半導体
層に頂部の鋭い錐状の突起を設けることができ、この方
法で製造された素子は、窒化物半導体層から電界放出さ
れる電子の放出効率を従来より著しく向上させることが
できる。従って、本発明の素子の製造方法は、従来の素
子より高効率の素子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一態様の発光素子の概略断面図を表
す。
【図2】本発明の他の態様である電子素子の概略断面図
を表す。
【図3】本発明の素子の製造工程を表す概略図である。
【図4】従来の発光素子の製造工程を表す概略図であ
る。
【符号の説明】
11 基板 12 レジストまたはSiO2膜(保護層) 13 AlxyGa1-x-yN半導体層 14 絶縁性スペーサー 15 発光体 16 ITO膜 17 電極 18 絶縁性スペーサー 19 電極 21 基板 22 レジストまたはSiO2膜(保護層) 23 AlxyGa1-x-yN半導体層 24 絶縁性スペーサー 25 蛍光体 26 ITO膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01J 21/10 H01L 33/00 C 29/04 H01J 1/30 C // H01L 33/00 F Fターム(参考) 5C031 DD17 DD20 5C035 BB01 BB07 5C036 EE01 EF01 EF06 EF08 EG02 EG12 EH11 5F041 AA03 CA10 CA12 CA33 CA34 CA40 CA74 CA91 CA93 CA98 FF01 FF16

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 AlxyGa1-x-yN(0<x≦1、0
    <y≦1)の窒化物半導体層上に絶縁性スペーサーを設
    け、該絶縁性スペーサー上に蛍光体層を有するITO膜
    を形成した発光素子であって、前記窒化物半導体層がI
    TO膜方向に突起を有し、この突起が錐体形状を有する
    ことを特徴とする発光素子。
  2. 【請求項2】 AlxyGa1-x-yN(0<x≦1、0
    <y≦1)窒化物半導体層上に第一の絶縁性スペーサー
    を設け、該第一の絶縁性スペーサー上に第一の電極を設
    置し、該第一の電極上に第二の絶縁性スペーサーを設
    け、該第二の絶縁性スペーサー上に第二の電極を設けた
    電子素子であって、前記窒化物半導体層が第一の電極に
    向けて錐体状の突起を有し、前記第一の電極が孔を有
    し、かつ前記錐体の頂部が前記第一の電極の孔に配置さ
    れることを特徴とする電子素子。
  3. 【請求項3】 前記窒化物半導体層が、AlxyGa
    1-x-yN(0≦x≦1、0≦y≦1)半導体層であるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の素子。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の発光素子の製造方法で
    あって、 基板上に保護層を設け、パターン化を行う工程、 前記基板にエッチング処理を行い、前記保護層のない領
    域に錐状の凹部を設ける工程、 前記保護層を除去する工程、 前記基板の凹部を設けた側に、凹部を埋め込むようにA
    xyGa1-x-yN窒化物半導体層を成長させる工程、 基板を除去し、錐状の突起を有する窒化物半導体層を得
    る工程、 前記突起を有する窒化物半導体の突起のある側に絶縁性
    スペーサー、および蛍光体を有するITO膜を設ける工
    程とを具備することを特徴とする発光素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記基板にケイ素を用いることを特徴と
    する請求項4に記載の製造方法。
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