JP2001305117A - ダイヤフラム検査装置 - Google Patents

ダイヤフラム検査装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超音波探触子が水室胴の半径方向へ確実に移
動し得るダイヤフラム検査装置を提供する。 【解決手段】 支持軸8と水室胴1の外縁部分に嵌合さ
せた台座9との相対位置を調整したうえ、台座9を止め
ねじ18により支持軸8に固定して、回転軸10の軸線
とダイヤフラム3の中心との一致を図り、また、移動体
13を案内軸12に沿って往復動させることにより、超
音波探触子6を水室胴1の半径方向へ移動させる。更
に、案内軸12をダイヤフラム3の周方向へ回動させる
ことにより、超音波探触子6を隣接する探傷対象箇所へ
移動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱交換器の水室胴の
ダイヤフラムの超音波探傷検査に用いるダイヤフラム検
査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図3は熱交換器の水室構造の一例を示す
もので、この水室は、一端部が開口し且つ他端部に管板
(図示せず)を有する短円筒状の水室胴1と、外縁部分
が水室胴1の一端周辺部分に隅肉溶接部2により水密を
保持するように固着された薄板状のダイヤフラム3と、
反水室胴側からダイヤフラム3に接し且つボルト4によ
り水室胴1に締結される水室蓋5とで構成され、当該水
室蓋5が、ダイヤフラム3を支持するようになってい
る。
【0003】上述したような構造を有する熱交換器で
は、定期検査時に水室蓋5を取り外したうえ、隅肉溶接
部2に応力腐蝕割れなどの損傷が生じているか否かを判
定するための超音波探傷検査を実施している。
【0004】超音波探傷検査を実施する際には、図4及
び図5に示すように、ダイヤフラム3の反水室胴側の面
に超音波探触子6を当接させ、その発振部からダイヤフ
ラム3に対して超音波を出射する。
【0005】ダイヤフラム3内を伝播する超音波は、図
5の矢印Aで示すように、水室胴1の端面で回折して隅
肉溶接部2に入射し、当該隅肉溶接部2の界面で反射す
る。
【0006】また、隅肉溶接部2の界面で反射した超音
波は、入射時と同様に、水室胴1の端面で回折し、超音
波探触子6の受信部に入射する。
【0007】このとき、ダイヤフラム3に当接している
超音波探触子6を、図4の矢印Bで示すように、水室胴
1の半径方向へ移動させ、隅肉溶接部2の周方向所定箇
所に対して、水室胴1の半径方向全般にわたる探傷を行
なう。
【0008】隅肉溶接部2の周方向所定箇所の探傷が完
了したならば、当該箇所に隣接する他の箇所に対する探
傷を上述したような手順で行ない、これを繰り返して、
隅肉溶接部2の全周を検査する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来
は、ダイヤフラム3に当接した超音波探触子6の移動
を、手動操作により行なっているので、超音波探触子6
の移動軌跡が水室胴1の半径方向から外れ、隅肉溶接部
2の探傷検査の評価を適正にできないことがある。
【0010】本発明は上述した実情に鑑みてなしたもの
で、ダイヤフラムに当接した超音波探触子が水室胴の半
径方向へ確実に移動し得るダイヤフラム検査装置を提供
することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のダイヤフラム検査装置では、外縁部分が短
円筒状の水室胴の開口端周縁部分に隅肉溶接部により固
着された円盤状のダイヤフラムの略中心部に対峙し得る
固定体と、該固定体を中心として放射状に延びる複数の
支持軸と、各支持軸にその長手方向へ移動し得るように
取り付けられ且つ固定体をダイヤフラムの略中心部に対
峙させた際に水室胴外縁部分に嵌合し得る台座と、該台
座を支持軸に対して固定し得る拘束手段と、固定体から
ダイヤフラムへ向かって突出し且つ第1の駆動手段によ
り周方向へ回動し得る回転軸と、該回転軸に取り付けた
旋回体と、該旋回体から水室胴外縁部分へ向かって延び
る案内軸と、該案内軸にその長手方向へ移動し得るよう
に取り付けられ且つ第2の駆動手段により往復動し得る
移動体と、該移動体に取り付けられ且つダイヤフラムに
当接し得る超音波探触子とを備えている。
【0012】本発明のダイヤフラム検査装置において
は、支持軸と水室胴の外縁部分に嵌合させた台座との相
対位置を調整したうえ、当該台座を拘束手段により支持
軸に固定して、回転軸の軸線とダイヤフラムの中心との
一致を図り、また、移動体を案内軸に沿って往復動させ
ることにより、超音波探触子が水室胴の半径方向へ確実
に移動できるようにする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
示例とともに説明する。
【0014】図1及び図2は本発明のダイヤフラム検査
装置の実施の形態の一例を示すもので、図中、図3及び
図4と同一の符号を付したものは同一物を表している。
【0015】このダイヤフラム検査装置は、円盤状のダ
イヤフラム3の略中心部に対峙可能な固定体7と、該固
定体7を中心として放射状に延びる3本の支持軸8と、
該支持軸8に取り付けた台座9と、前記の固定体7から
ダイヤフラム3へ向かって突出し且つ周方向へ回動し得
る回転軸10と、該回転軸10に取り付けた旋回体11
と、該旋回体11から水室胴1外縁部分へ向かって延び
る案内軸12と、該案内軸12にその長手方向へ移動し
得るように取り付けられた移動体13と、該移動体13
に取り付けられ且つダイヤフラム3に当接し得る超音波
探触子6とを備えている。
【0016】固定体7には、回転軸10を周方向へ回動
させる旋回駆動装置14が設けられている。
【0017】台座9の下部には、水室胴1の外縁部分に
嵌合し得る切り欠き15が削設されている。
【0018】また、台座9の上端寄りの部分には、支持
軸8が挿通される透孔16がダイヤフラム3径方向に穿
設されている。
【0019】更に、台座9の上端部には、先端が前記の
透孔16に貫通するねじ孔17が螺設されており、該ね
じ孔17には、支持軸8の長手方向任意の位置に台座9
を固定し得る止めねじ18が螺合されている。
【0020】すなわち台座9の切り欠き15を水室胴1
の外縁部分に嵌合させたうえ、台座9に対する支持軸8
の長手方向位置を適宜に調整し且つ止めねじ18を締め
込むと、固定体7をダイヤフラム3の略中心部に対峙す
る位置に設定できる。
【0021】また、台座9の切り欠き15には、水室胴
1に接し得るゴム板21が設けられており、当該ゴム板
21によって、水室胴1の外周面を保護し且つ水室胴1
外周面に対する台座9の嵌合をより密接にする。
【0022】旋回体11には、案内軸12に対して略平
行に延びるボールねじ19の基部が回転自在に支持さ
れ、また、該ボールねじ19を周方向へ回動させ得る移
動体駆動装置20が設けられている。
【0023】移動体13は、案内軸12にその長手方向
へ移動可能に係合し且つボールねじ19に螺合してお
り、移動体駆動装置20を作動させると、当該移動体1
3がボールねじ19の回動方向に応じて案内軸12の長
手方向へ移動する。
【0024】図1及び図2に示すダイヤフラム検査装置
によってダイヤフラム3の超音波探傷検査を実施する際
には、水室胴1の外縁部分に各台座9を嵌合させ且つ各
台座9と各支持軸8との相対位置を調整して、回転軸1
0の軸線とダイヤフラム3の中心との一致を図り、更
に、止めねじ18を締め込むことにより、各台座9を支
持軸8に固定する。
【0025】次いで、旋回駆動装置14を作動させ、旋
回体11を介して案内軸12を所定位置に旋回・停止さ
せたうえ、移動体駆動装置20を作動させ、ボールねじ
19を回動させることによって、移動体13を案内軸1
2に沿って移動させ、超音波探触子6の発振部からダイ
ヤフラム3に超音波を出射させて、隅肉溶接部2の水室
胴1半径方向への探傷を行なう。
【0026】隅肉溶接部2の周方向所定箇所に対する探
傷が完了したならば、旋回駆動装置14を作動させ、当
該箇所に隣接する他の箇所へ超音波探触子6を移動させ
て探傷を行ない、これを繰り返して、隅肉溶接部2の全
周を検査する。
【0027】このように、図1及び図2に示すダイヤフ
ラム検査装置では、旋回駆動装置14によってダイヤフ
ラム3の周方向へ回動し得る案内軸12に、ダイヤフラ
ム3の半径方向へ往復移動し得るように移動体13を設
け、該移動体13に、超音波探触子6を取り付けている
ので、超音波探触子6を水室胴1の半径方向へ確実に移
動させることができる。
【0028】なお、本発明のダイヤフラム検査装置は上
述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発
明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得
ることは勿論である。
【0029】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のダイヤフラ
ム検査装置によれば、支持軸と水室胴の外縁部分に嵌合
させた台座との相対位置を調整したうえ、当該台座を拘
束手段により支持軸に固定して、該支持軸によって支持
された固定体の回転軸の軸線とダイヤフラムの中心との
一致を図り、また案内軸に沿って移動体を往復動させる
ことにより、水室胴の半径方向へ超音波探触子を確実に
移動させるので、超音波探傷検査の評価を適正化し、そ
の向上を図り得るという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のダイヤフラム検査装置の実施の形態の
一例を示す部分切断側面図である。
【図2】本発明のダイヤフラム検査装置の実施の形態の
一例を示す平面図である。
【図3】検査対象となる熱交換器の水室胴の端部の一例
を示す縦断面図である。
【図4】従来のダイヤフラムの検査の一例を示す図3の
IV−IV矢視図である。
【図5】図4に関連する超音波探触子から発振される超
音波の回折状態を示す概念図である。
【符号の説明】
1 水室胴 2 隅肉溶接部 3 ダイヤフラム 6 超音波探触子 7 固定体 8 支持軸 9 台座 10 回転軸 11 旋回体 12 案内軸 13 移動体 14 旋回駆動装置(第1の駆動装置) 18 止めねじ(拘束手段) 20 移動体駆動装置(第2の駆動装置)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外縁部分が短円筒状の水室胴の開口端周
    縁部分に隅肉溶接部により固着された円盤状のダイヤフ
    ラムの略中心部に対峙し得る固定体と、該固定体を中心
    として放射状に延びる複数の支持軸と、各支持軸にその
    長手方向へ移動し得るように取り付けられ且つ固定体を
    ダイヤフラムの略中心部に対峙させた際に水室胴外縁部
    分に嵌合し得る台座と、該台座を支持軸に対して固定し
    得る拘束手段と、固定体からダイヤフラムへ向かって突
    出し且つ第1の駆動手段により周方向へ回動し得る回転
    軸と、該回転軸に取り付けた旋回体と、該旋回体から水
    室胴外縁部分へ向かって延びる案内軸と、該案内軸にそ
    の長手方向へ移動し得るように取り付けられ且つ第2の
    駆動手段により往復動し得る移動体と、該移動体に取り
    付けられ且つダイヤフラムに当接し得る超音波探触子と
    を備えてなることを特徴とするダイヤフラム検査装置。
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