JP2001304983A - パワーステアリングシステムの中点電位調整方法 - Google Patents

パワーステアリングシステムの中点電位調整方法

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JP2001304983A
JP2001304983A JP2000122008A JP2000122008A JP2001304983A JP 2001304983 A JP2001304983 A JP 2001304983A JP 2000122008 A JP2000122008 A JP 2000122008A JP 2000122008 A JP2000122008 A JP 2000122008A JP 2001304983 A JP2001304983 A JP 2001304983A
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midpoint potential
steering
power steering
torque
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Hiroshi Urabe
洋 浦部
Kenichi Azuma
賢一 東
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Suzuki Motor Corp
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    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D6/00Arrangements for automatically controlling steering depending on driving conditions sensed and responded to, e.g. control circuits
    • B62D6/08Arrangements for automatically controlling steering depending on driving conditions sensed and responded to, e.g. control circuits responsive only to driver input torque
    • B62D6/10Arrangements for automatically controlling steering depending on driving conditions sensed and responded to, e.g. control circuits responsive only to driver input torque characterised by means for sensing or determining torque

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 操舵力検出用トルクセンサから出力される中
点電位とパワーステアリングコントローラが認識する中
点電位の値とを厳密に一致させることのできる中点電位
調整方法を提供すること。 【解決手段】 操舵力検出用トルクセンサ1を自動車の
操舵力伝達経路上に組み付けてパワーステアリングコン
トローラ28と接続し、ステアリング・ハンドル18に
作用する外力を取り除いた状態で中点電位調整回路13
から出力されるトルク検出信号Tsがパワーステアリン
グコントローラ28によって中点電位として認識される
電位Cとなるように中点電位調整回路13を調整する。
操舵力検出用トルクセンサ1の組み付けやパワーステア
リングコントローラ28との接続を終えた状態で中点電
位を調整するようにしたので、組み付けに伴う外力の作
用に起因する中点電位のズレや電気的な接続経路で生じ
る電圧降下等の外乱を確実に吸収して、実際に自動車が
使用される状況と略同等の条件で操舵力検出用トルクセ
ンサ1の中点電位を精密に調整することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パワーステアリン
グシステムの中点電位調整方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】ステアリング・ハンドルに作用する操舵
力を検出してトルク検出信号として出力する操舵力検出
用トルクセンサと該操舵力検出用トルクセンサからのト
ルク検出信号に基づいて補助操舵装置の駆動トルクをフ
ィードバック制御するパワーステアリングコントローラ
とによって構成されるパワーステアリングシステムが既
に公知である。
【0003】この種のパワーステアリングシステム、つ
まり、操舵力検出用トルクセンサとパワーステアリング
コントローラは、ステアリングコラムの周囲に密集して
取り付けられるのが一般的であり、特に、操舵力検出用
トルクセンサに関しては、ステアリングシャフトに一体
的に取りつける必要上、その小型化が要求される。
【0004】このため、操舵力検出用トルクセンサの基
板に独立した電源回路を設けることは困難であり、多く
の場合、パワーステアリングコントローラに設けられた
電源回路から操舵力検出用トルクセンサに電力を供給す
るようになっている。
【0005】一方、パワーステアリングコントローラの
側には、大半の場合、補助操舵装置の駆動トルクをフィ
ードバック制御するためのマイクロプロセッサ等が設け
られ、この種の電気部品に見合った駆動電源として例え
ば5(V)の電源が配備されている。そして、この電源
からの電力が操舵力検出用トルクセンサに供給されるよ
うになっている。
【0006】操舵力検出用トルクセンサは、ステアリン
グ・ハンドルに操舵力が全く作用しない状態で中点電位
に相当する電圧、例えば、2.5(V)の電圧を出力
し、更に、ステアリング・ハンドルの操舵方向と操舵力
とに応じ、その出力を例えば2.5(V)の中点電位を
基準として大小に変化させることでトルク検出信号とし
て出力し、このトルク検出信号を受けたパワーステアリ
ングコントローラが、2.5(V)の中点電位を基準と
するトルク検出信号の値の大小に応じた方向と力で補助
操舵装置を駆動制御して、運転者によるステアリング・
ハンドルの操舵をパワー・アシストする。
【0007】このような制御を的確に行うためには、ま
ず、ステアリング・ハンドルに操舵力が全く作用しない
状態で操舵力検出用トルクセンサから出力される中点電
位の値とパワーステアリングコントローラが中点電位と
して認識するトルク検出信号の電圧の値とを完全に一致
させる必要がある。このような校正作業が確実に行われ
ていないと、運転者がステアリング・ハンドルを操舵し
ていないにも関わらずパワーアシストが作動する等の問
題が生じる可能性があるからである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、このような問
題を解消するため、トルク検出信号の中点電位を調整す
るための中点電位調整回路が操舵力検出用トルクセンサ
の側に配備されており、従来は、操舵力検出用トルクセ
ンサの組み立てが完了した段階で、操舵力検出用トルク
センサに対し、パワーステアリングコントローラの電源
と同じ例えば5(V)の規定電圧を印加し、このとき操
舵力検出用トルクセンサから出力されるトルク検出信号
の電位が、中点電位である例えば2.5(V)と一致す
るように、操舵力検出用トルクセンサの中点電位調整回
路を調整するようにしていた。
【0009】しかし、このような校正作業を行ったとし
ても、操舵力検出用トルクセンサをステアリングコラム
に組み込んだ段階で、機構各部の構成要素の個体差、例
えば、公差範囲内の部品の寸法誤差や形状誤差等によっ
て操舵力検出用トルクセンサの検出部に外力が作用する
ことがあり、操舵力検出用トルクセンサの中点電位にズ
レを生じる場合があった。
【0010】また、実際に車両にパワーステアリングコ
ントローラを実装してその電源から操舵力検出用トルク
センサに電力を供給すると、接触抵抗や回路抵抗等によ
る影響で電圧降下が生じ、操舵力検出用トルクセンサに
供給される電圧が、例えば当初予定されていた5(V)
を下回ることがある。このような場合、操舵力検出用ト
ルクセンサから出力される中点電位の値も例えば2.5
(V)を下回ることになるが、パワーステアリングコン
トローラの側では依然として2.5(V)を中点電位と
して操舵力検出用トルクセンサからのトルク検出信号を
処理するので、運転者がステアリング・ハンドルを操舵
していないにも関わらずパワーアシストが作動したり、
または、運転者が望む方向とは逆向きにパワーアシスト
が作動する等の問題が生じる可能性がある。
【0011】一方、パワーステアリングコントローラに
左右方向の動作基準値を設定し、ステアリング・ハンド
ルの右操舵方向の検出出力が左操舵方向の動作基準値を
越えた場合に左操舵方向のパワーアシストを禁止し、ま
た、ステアリング・ハンドルの左操舵方向の検出出力が
右操舵方向の動作基準値を越えた場合に右操舵方向のパ
ワーアシストを禁止することによってステアリング・ハ
ンドルの操舵方向とパワーアシスト方向とを一致させる
ようにしたものが特開平10−258752号として提
案されている。
【0012】しかし、この発明は、操舵力検出用トルク
センサから出力される中点電位とパワーステアリングコ
ントローラが認識する中点電位の値とを厳密に一致させ
るものではない。また、左右方向の動作基準値に満たな
い僅かな力でステアリング・ハンドルを操舵した場合に
はパワーアシストの方向に誤動作が生じる可能性が残っ
ており、ステアリング・ハンドルの操作に違和感を生じ
る場合がある。
【0013】
【発明の目的】そこで、本発明の目的は、前記従来技術
の欠点を解消し、操舵力検出用トルクセンサから出力さ
れる中点電位とパワーステアリングコントローラが認識
する中点電位の値とを厳密に一致させることのできるパ
ワーステアリングシステムの中点電位調整方法を提供す
ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、ステアリング
・ハンドルに作用する操舵力を検出するトルク検出回路
からの電気信号の中点電位を調整してトルク検出信号と
して出力する中点電位調整回路を備えた操舵力検出用ト
ルクセンサと、操舵力検出用トルクセンサからのトルク
検出信号に基づいて補助操舵装置の駆動トルクをフィー
ドバック制御すると共に操舵力検出用トルクセンサに駆
動電力を供給するパワーステアリングコントローラとに
よって構成されるパワーステアリングシステムの中点電
位調整方法であり、操舵力検出用トルクセンサを自動車
の操舵力伝達経路上に組み付けてパワーステアリングコ
ントローラと接続した後、ステアリング・ハンドルに作
用する外力を取り除いた状態で、中点電位調整回路から
出力されるトルク検出信号がパワーステアリングコント
ローラが中点電位として認識する電位となるように中点
電位調整回路を調整することによって前記目的を達成し
た。
【0015】つまり、操舵力検出用トルクセンサの組み
付けに伴う外力の作用に起因する中点電位のズレとパワ
ーステアリングコントローラから操舵力検出用トルクセ
ンサに至る電気的な接続経路で生じる電圧降下に起因す
る中点電位のズレとを含んだ状態で中点電位調整回路を
調整して操舵力検出用トルクセンサから出力されるトル
ク検出信号の電位をパワーステアリングコントローラが
中点電位として認識する電位と一致させることにより、
操舵力検出用トルクセンサの組み付けで生じる中点電位
のズレや電気的な接続経路で生じる電圧降下の外乱を吸
収して、実際に自動車が使用される状況と略同等の条件
で操舵力検出用トルクセンサの中点電位を精密に調整し
ようとするものである。
【0016】また、操舵力検出用トルクセンサやパワー
ステアリングコントローラが中点電位調整回路を制御す
るためのマイクロプロセッサや補助操舵装置の駆動トル
クをフィードバック制御するためのマイクロプロセッサ
を備える場合には、パワーステアリングコントローラ側
のマイクロプロセッサと操舵力検出用トルクセンサ側の
マイクロプロセッサとの間で通信処理を行うことで、中
点電位調整回路から出力されるトルク検出信号の電位を
パワーステアリングコントローラが中点電位として認識
する電位と一致させることが可能である。この場合、調
整完了時の制御データ、つまり、操舵力検出用トルクセ
ンサ側のマイクロプロセッサが中点電位調整回路を制御
してその出力をパワーステアリングコントローラが中点
電位として認識する電位と一致させたときの制御データ
を、補正値として操舵力検出用トルクセンサ側の不揮発
性メモリに記憶させるようにする。
【0017】この構成によれば、中点電位の調整に必要
とされる補正値が操舵力検出用トルクセンサと一体的に
保持されるので、故障等の原因でパワーステアリングコ
ントローラを換装した場合であっても、新たに換装され
たパワーステアリングコントローラと操舵力検出用トル
クセンサとの間で改めて中点電位の再調整を行う手間を
省くことができる。パワーステアリングコントローラ自
体は飽くまで電気部品の集合体であって、外力の影響を
受けるような機械的な検出手段を備えていないため、組
み付けによる外乱の影響はなく、また、性能的な個体差
もないので、操舵力検出用トルクセンサの補正に必要と
されるデータさえ確保されていれば適切なフィードバッ
ク制御が実施できるからである。
【0018】操舵力検出用トルクセンサは必ずしもマイ
クロプロセッサは必要とせず、例えば、完全なアナログ
回路によって構成することも可能である。その場合は、
操舵力検出用トルクセンサの中点電位調整回路の出力部
に電圧計を接続する一方、パワーステアリングコントロ
ーラには外部装置によって構成される検出器を接続して
パワーステアリングコントローラが中点電位として認識
する電位を検出し、中点電位調整回路から出力されるト
ルク検出信号の電位がパワーステアリングコントローラ
が中点電位として認識する電位と一致するように中点電
位調整回路を調整するようにする。
【0019】この場合、中点電位は、操舵力検出用トル
クセンサの中点電位調整回路に設けられたボリュームや
可変抵抗等によって手動で調整され、これらの電気部品
によって中点電位の調整状態が保持されることになる。
従って、前記と同様、故障等の原因でパワーステアリン
グコントローラを換装した場合であっても、新たに換装
されたパワーステアリングコントローラと操舵力検出用
トルクセンサとの間での中点電位の再調整は不要であ
る。
【0020】また、操舵力検出用トルクセンサの中点電
位調整回路を調整する代わりに、トルク検出回路を自動
車の操舵力伝達経路上に組み付けた後、ステアリング・
ハンドルに作用する外力を取り除いた状態で、操舵力検
出用トルクセンサから出力されるトルク検出信号が中点
電位として認識されるようにパワーステアリングコント
ローラを調整することも可能である。
【0021】この場合は、操舵力検出用トルクセンサの
組み付けに伴う外力の作用に起因する中点電位のズレと
パワーステアリングコントローラから操舵力検出用トル
クセンサに至る電気的な接続経路で生じる電圧降下に起
因する中点電位のズレとを含んだ状態で操舵力検出用ト
ルクセンサからトルク検出信号が出力され、このときの
トルク検出信号の電位を中点電位として認識するよう
に、パワーステアリングコントローラの側が調整される
ことになる。
【0022】更に、ステアリング・ハンドルを所定の刻
み幅で回転させ、該ステアリング・ハンドルの各回転位
置において操舵力検出用トルクセンサから出力されるト
ルク検出信号の電位を測定し、パワーステアリングコン
トローラが本来中点電位として認識する範囲の電位幅か
ら最も外れたトルク検出信号の電位と、パワーステアリ
ングコントローラが本来中点電位として認識する範囲の
電位幅から外れたトルク検出信号の電位の極大値とパワ
ーステアリングコントローラが本来中点電位として認識
する範囲の電位幅の上限値との間の偏差と、パワーステ
アリングコントローラが本来中点電位として認識する範
囲の電位幅から外れたトルク検出信号の電位の極小値と
パワーステアリングコントローラが本来中点電位として
認識する範囲の電位幅の下限値との間の偏差を求め、前
記偏差の差を2で除した値をトルク検出信号の変動量の
1/2に相当する値に加算した分だけ前記最も外れたト
ルク検出信号の電位からパワーステアリングコントロー
ラが本来中点電位として認識する範囲の電位幅の方向に
向けてオフセットした電位を中点電位として認識するよ
うにパワーステアリングコントローラを調整することに
よって一層的確な中点電位の調整が可能である。
【0023】このような手順によって精密な中点電位調
整が可能となるのは、操舵力検出用トルクセンサを組み
付けるステアリングコラムの構成部品の個体差等のため
にステアリング・ハンドルの回転位置によって操舵力検
出用トルクセンサの中点電位に差が生じる場合があるこ
とと、また、その差が比較的小さな値であるため、この
変動幅をパワーステアリングコントローラが中点電位と
して認識する範囲の電位幅に収めることが可能であると
いった2つの理由による。まず、ステアリング・ハンド
ルを所定の刻み幅で回転させ、ステアリング・ハンドル
の各回転位置において前記操舵力検出用トルクセンサか
ら出力されるトルク検出信号の電位を測定することによ
って、パワーステアリングコントローラが中点電位とし
て認識する範囲の電位幅から最も外れたトルク検出信号
の電位と該電位に対応するステアリング・ハンドルの回
転位置が求められる。次に、トルク検出信号の電位の極
大値とパワーステアリングコントローラが中点電位とし
て認識する範囲の電位幅の上限値との間の偏差、およ
び、トルク検出信号の電位の極小値とパワーステアリン
グコントローラが中点電位として認識する範囲の電位幅
の下限値との間の偏差を求め、これら2つの偏差の差を
とって2で除すことにより、ステアリング・ハンドルの
回転によって生じるトルク検出信号の変動波形が、パワ
ーステアリングコントローラが中点電位として認識する
範囲の電位幅に対して全体的にどの程度ずれているかを
求めることができる。そこで、このズレ量にトルク検出
信号の変動量の1/2に相当する値を加算してオフセッ
ト量を求め、パワーステアリングコントローラが中点電
位として認識する範囲の電位幅から最も外れたトルク検
出信号の電位を基準として、前記パワーステアリングコ
ントローラが中点電位として認識する範囲の電位幅の方
向に向けて前記オフセット量の分だけオフセットされた
電位を中点電位として認識するようにパワーステアリン
グコントローラを調整する。特に、マイクロプロセッサ
を備えたパワーステアリングコントローラの場合、電圧
調整に使用するビット数によって電圧の分解能に限界が
あり、パワーステアリングコントローラが中点電位とし
て認識する範囲が一種の不感帯として作用するので、こ
の不感帯にステアリング・ハンドルの回転によって生じ
るトルク検出信号の中点電位の変動波形の振幅を収める
ことにより、的確な中点電位の調整が可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】図1はパワーステアリングシステ
ムの一部を構成する操舵力検出用トルクセンサ1の要部
を示した機能ブロック図、また、図2は操舵力検出用ト
ルクセンサ1を組み込んだステアリングシャフト19の
周辺構造について簡略化して示した断面図である。
【0025】操舵力検出用トルクセンサ1のトルク検出
回路2は、ステアリングシャフト19と接続するセンサ
軸22の外周にその軸心に対して約45度の角度で斜交
して取りつけられた一対の磁気異方性部材(図示せず)
と、この磁気異方性部材の各々に取りつけられた一対の
検出コイル3a,3b、および、検出コイル3a,3b
の各々に対応して設けられた一対の励磁コイル4a,4
bからなる磁歪式トルクセンサによって構成される(図
1参照)。
【0026】図1に示されるように、励磁コイル4a,
4bには、交流電源となる発振回路5および電流増幅回
路となるバッファ6を介して励磁電流が供給されるよう
になっている。検出コイル3a,3bの各々は、図2に
示されるステアリング・ハンドル18の操作に伴ってセ
ンサ軸22に生じる微小な捩れを磁気異方性部材の透磁
率の変化として検出し、これを電圧信号として出力す
る。検出コイル3a,3bから出力された電圧信号は、
図1の整流回路7a,7bで整流されて比較回路8に入
力され、比較回路8は2つの電圧信号の偏差、つまり、
ステアリング・ハンドル18に作用する操舵力の大きさ
と操舵方向とを求め、更に、ローパス・フィルタ等で構
成される平滑回路9で電圧偏差からノイズの影響を除去
し、ゲイン調整回路10に渡す。
【0027】ゲイン調整回路10は、環境温度の変化等
に起因するトルク検出回路2の感度の特性変化を吸収し
て適切なトルク検出信号Tsが得られるように出力ゲイ
ンを調整するもので、操舵力検出用トルクセンサ1の制
御回路11に配備されたマイクロプロセッサ(以下、単
にトルクセンサ用CPUという)12によって出力ゲイ
ンの値を制御される。
【0028】また、中点電位調整回路13は、環境温度
の変化等によってトルク検出回路2に生じる電圧ドリフ
トや、トルク検出回路2の磁気異方性部材をセンサ軸2
2に取りつけたり、または、ステアリングコラムのケー
シング20に組み込んだりする際の応力によって生じる
電圧ドリフト等を吸収し、ステアリング・ハンドル18
に作用する操舵力が実質的に「0」であるときに操舵力検
出用トルクセンサ1から出力されるトルク検出信号Ts
の値が予め決められた設定値と一致するようにトルク検
出信号Tsの中点電位を調整する。この中点電位調整回
路13も、前記と同様、トルクセンサ用CPU12によ
って中点電位の値を制御される。
【0029】図2に示されるように、ステアリング・ハ
ンドル18とステアリングシャフト19およびセンサ軸
22とスパーギァ21は軸方向に一体的に接続され、複
数のベアリング23,24を介してハンドルコラムのケ
ーシング20内に回転自在に取り付けられており、運転
者によるハンドル操作に応じて先端部のステアリング出
力軸25を回転させることにより、公知のラック&ピニ
オン構造等を介して自動車の操舵輪の舵角を操作するよ
うになっている。そして、この過程で、ステアリングシ
ャフト19の延長部分であるセンサ軸22に生じる微小
な捩れが、ステアリング・ハンドル18に作用する操舵
力として操舵力検出用トルクセンサ1によって検出され
る。
【0030】また、スパーギァ21は補助操舵装置29
の一部を構成する機械要素であり、補助操舵装置29の
主要部を構成する電動機26に固着されたピニオンギァ
27によって回転駆動されるようになっている。符号2
8は電動機26を駆動制御するためのパワーステアリン
グコントローラであり、操舵力検出用トルクセンサ1の
作動電源は、このパワーステアリングコントローラ28
の電源回路から供給される。パワーステアリングコント
ローラ28の制御部には、電動機26の駆動制御に必要
とされるパワーステアリングコントローラ用CPUやR
OMやRAMおよび不揮発性メモリ等が設けられてい
る。
【0031】そして、操舵力検出用トルクセンサ1の中
点電位調整回路13から出力されたトルク検出信号Ts
は、パワーステアリングコントローラ28に入力され、
これを受けたパワーステアリングコントローラ28は、
トルク検出信号Tsを目標値として補助操舵装置の電動
機26の駆動トルクをフィードバック制御し、運転者に
よるステアリング・ハンドル18の操舵力および操舵量
に応じたパワーアシスト力で自動車の操舵輪の舵角を調
整する。
【0032】本実施形態では、常温状態においてステア
リング・ハンドル18に作用する操舵力が「0」であると
きに操舵力検出用トルクセンサ1の中点電位調整回路1
3から出力されるトルク検出信号Tsの値が設計上の中
点電位の値2.5(V)と一致するように設計されてお
り、この2.5(V)のトルク検出信号が実質的なトル
ク検出信号「0」に相当する。
【0033】設計上の中点電位2.5(V)は、パワー
ステアリングコントローラ28の電源回路から操舵力検
出用トルクセンサ1に供給される作動電圧5(V)の1
/2に匹敵する値であるが、パワーステアリングコント
ローラ28から操舵力検出用トルクセンサ1に至る電力
供給路の接触抵抗やパワーステアリングコントローラ2
8の電源出力部および操舵力検出用トルクセンサ1の電
源入力部における回路抵抗等の影響を受ける。従って、
操舵力検出用トルクセンサ1の組み立てが完了した状態
で単体の操舵力検出用トルクセンサ1に5(V)の規定
電圧を印加し、2.5(V)のトルク検出信号Tsが出
力されるように中点電位調整回路13を調整したとして
も、操舵力検出用トルクセンサ1やパワーステアリング
コントローラ28を自動車に実装した状態で中点電位調
整回路13から出力されるトルク検出信号Tsの値が
2.5(V)となる保証はなく、一般には、それよりも
低い値の電圧が出力されるのが普通である。
【0034】また、トルク検出回路2の磁気異方性部材
をセンサ軸22に取り付けたり、または、ステアリング
コラムのケーシング20に組み込んだりする際に寸法公
差や形状公差の範囲内での部品の個体差によって磁気異
方性部材に歪が生じる場合があり、これも、操舵力検出
用トルクセンサ1を自動車に実装した状態で無負荷時の
トルク検出信号Tsの値が2.5(V)と一致しなくな
る原因の一つである。
【0035】更に、パワーステアリングコントローラ2
8が操舵力検出用トルクセンサ1に電力を供給する際に
CPUを利用したデジタル処理を行う場合には、電圧出
力の演算に用いるビット数によって認識可能な電圧の分
解能が制限され、例えば、8ビットCPUで5(V)の
作動電圧を管理する場合、その分解能は5(V)/25
6、つまり、19.6(mV)程度の分解能となり、パ
ワーステアリングコントローラ28からの作動電圧の出
力自体に、この分解能の幅を最大値とする誤差が含まれ
ることになる。
【0036】パワーステアリングコントローラ28は、
操舵力検出用トルクセンサ1の中点電位調整回路13か
らのトルク検出信号Tsが中点電位の規定値である2.
5(V)であるときにステアリング・ハンドル18に対
する運転者の操舵力が実質的に「0」となっているものと
して認識するので、前述したような様々な理由によりス
テアリング・ハンドル18に作用している負荷が皆無で
あるときに中点電位調整回路13からのトルク検出信号
Tsとして2.5(V)以外の電圧が出力されると、従
来の技術の項でも述べた通り、運転者がステアリング・
ハンドル18を操舵していないにも関わらずパワーアシ
ストが作動する等の不都合が生じる可能性がある。
【0037】操舵力検出用トルクセンサ1のアナログ電
圧発生回路14は、操舵力検出用トルクセンサ1に異常
が生じた場合にトルク検出信号Tsに代えてHi(例え
ば5(V))またはLo(例えば0(V))の電圧を異
常検出信号として出力することでパワーステアリングコ
ントローラ28側に異常の発生を知らせるためのもの
で、操舵力検出用トルクセンサ1用の制御回路11に配
備された電圧監視回路15が平滑回路9や中点電位調整
回路13またはパワーステアリングコントローラ28か
らの電源電圧V等の出力異常を検出した段階でトルクセ
ンサ用CPU12によって自動的に駆動され、Hiまた
はLoのフェール信号を出力する。
【0038】また、電圧監視回路15は、トルク検出回
路2の周辺の環境温度Tnを検出する温度センサ16か
らの温度検出信号等を読み込めるようになっている。
【0039】メモリ17はEPROM等の不揮発性メ
モリによって構成され、このメモリ17には、ゲイン調
整回路10のゲインを調整するための補正値および中点
電位調整回路13の中点電位を調整するための補正値が
予め記憶されている。そして、温度センサ16および電
圧監視回路15を介して検出される環境温度Tnの値に
応じ、トルクセンサ用CPU12が適切な補正値をメモ
リ17から選択して、ゲイン調整回路10や中点電位調
整回路13に設定するようになっている。
【0040】以下、前記構成に基いて本実施形態におい
て適用した中点電位調整方法の具体例について説明す
る。
【0041】まず、操舵力検出用トルクセンサ1または
パワーステアリングコントローラ28の少なくとも一方
にマイクロプロセッサと不揮発性メモリとを備えたパワ
ーステアリングシステムにおいて、これらのマイクロプ
ロセッサの何れかを利用して本発明の中点電位調整方法
を実施する場合の処理について、図3のフローチャート
を参照して説明する。
【0042】図3は中点電位調整処理の概略を示すフロ
ーチャートであり、図1および図2に示した構成例にお
いては、操舵力検出用トルクセンサ1のトルクセンサ用
CPU12、または、パワーステアリングコントローラ
28のパワーステアリングコントローラ用CPUの何れ
かによってこの処理を実施することが可能であり、更
に、パワーステアリングコントローラ用CPUをホスト
としてパワーステアリングコントローラ用CPUとトル
クセンサ用CPU12との間の通信処理を利用してこの
中点電位調整処理を実施することも可能である。
【0043】何れの場合においても基本的な処理の流れ
については同様であるので、ここでは、一例として、ト
ルクセンサ用CPU12を用いてこの処理を実施した場
合の例について説明する。この中点電位調整処理は、電
源投入時の初期化処理の一部として組み込むことが可能
であり、また、必要とあれば、外部からの指令によって
この処理を開始させることも可能である。この処理の最
も望ましい実施タイミングは操舵力検出用トルクセンサ
1の組み込み完了後工場出荷前の段階であり、また、ど
のような状況下で実施するにせよ、ステアリング・ハン
ドル18からは手を離して不用意な外乱を取り除くこと
が必須の要件となる。
【0044】中点電位調整処理を開始したトルクセンサ
用CPU12は、まず、不揮発性のメモリ17に中点電
位調整完了フラグFがセットされているか否かを判別す
る(ステップa1)。中点電位調整完了フラグFがセッ
トされている場合には、操舵力検出用トルクセンサ1の
中点電位調整が既に完了していることを意味するので、
トルクセンサ用CPU12は、このまま中点電位調整処
理を終了し、従来と同様の初期化処理や異常検出処理を
行った後、操舵力検出用トルクセンサ1のゲイン調整や
電圧監視等の通常処理のルーチンを開始する。
【0045】一方、ステップa1の判別結果が真となっ
た場合、つまり、中点電位調整完了フラグFがセットさ
れていないと判別された場合には、この段階では未だ中
点電位の調整に関する処理が行われていないことを意味
するので、トルクセンサ用CPU12は、改めて実質的
な中点電位調整処理を開始することになる。
【0046】トルクセンサ用CPU12は、まず、電圧
監視回路15を介して、中点電位調整回路13から出力
されているトルク検出信号Tsの現在値を読み込み、こ
の現在値Tsと中点電位の理論値C、つまり、パワース
テアリングコントローラ28が実際に中点電位として認
識する電位、例えば、2.5(V)との間の偏差を求
め、この偏差が許容値Wの範囲内にあるか否かを判別す
る(ステップa3)。
【0047】ここで、トルク検出信号の現在値Tsと中
点電位の理論値Cとの間の偏差が許容値Wの範囲内にあ
れば、トルクセンサ用CPU12は、中点電位調整回路
13から無負荷状態に対応した適切なトルク検出信号が
出力されているものと見做し、中点電位調整完了フラグ
Fをセットして(ステップa4)、中点電位調整処理を
終了する。中点電位調整処理終了後のトルクセンサ用C
PU12の処理動作については前記と同様である。
【0048】このようにして中点電位調整完了フラグF
がセットされる結果、次回以降、電源投入時の中点電位
調整処理終は実施されなくなるが、必要に応じて外部か
らの指令を入力することによってステップa2以降の処
理、つまり、実質的な中点電位調整処理を強制的に起動
することが可能であり、点検整備等の際に役立つ。
【0049】一方、ステップa3の判別結果が真となっ
た場合、つまり、無負荷状態で出力されるトルク検出信
号の現在値Tsと中点電位の理論値Cとの間の偏差が許
容値Wの範囲を越えていると判定された場合には、この
ままでは補助操舵装置29による適切なパワーアシスト
作業を行うことは困難であると判断し、トルクセンサ用
CPU12は、無負荷状態でのトルク検出信号の出力を
パワーステアリングコントローラ28が実際に中点電位
として認識する電位と略一致させるための処理を開始す
ることになる。
【0050】そこで、トルクセンサ用CPU12は、ま
ず、ステップa2の処理で読み込んだトルク検出信号の
現在値Tsの値が中点電位の理論値Cを上回っているの
か下回っているのかを判別し(ステップa5)、トルク
検出信号の現在値Tsの値が中点電位の理論値Cを上回
っている場合には、不揮発性のメモリ17に記憶された
中点電位調整回路13の補正値をΔαだけマイナス側に
シフトし(ステップa7)、また、トルク検出信号の現
在値Tsの値が中点電位の理論値Cを下回っている場合
には、不揮発性のメモリ17に記憶された中点電位調整
回路13の補正値をΔαだけプラス側にシフトして(ス
テップa6)、無負荷状態で出力されるトルク検出信号
Tsの値を中点電位の理論値Cに接近させる。なお、環
境温度Tnに対応して複数の補正値がメモリ17に記憶
されている場合には、その各々に対して同様の補正処理
が施される。
【0051】そして、トルクセンサ用CPU12は、再
びステップa2の処理に移行して前記と同様の処理を繰
り返し実行し、修正された補正値に基いて出力されるト
ルク検出信号の値Tsと中点電位の理論値Cとの間の偏
差を求め、この偏差が許容値Wの範囲内にあるか否か、
つまり、無負荷状態で出力されるトルク検出信号Tsの
値が中点電位の理論値Cと略一致しているか否かを判別
することになる。
【0052】無負荷状態で出力されるトルク検出信号T
sの値が中点電位の理論値Cに十分接近していなけれ
ば、前記と同様にしてステップa2,ステップa3およ
びステップa5〜ステップa7の処理が繰り返し実行さ
れる。なお、許容値Wと補正量Δαとの大小関係はΔα
<<Wであり、前記処理を繰り返し実行することによ
り、必ず、無負荷状態で出力されるトルク検出信号Ts
の値を中点電位の理論値Cに略一致させることが可能で
ある。
【0053】そして、最終的に、ステップa3の判別結
果が偽となった段階で、トルクセンサ用CPU12は、
中点電位の調整が完了したものと見做し、この時点の補
正値の値をそのままメモリ17に記憶して中点電位調整
完了フラグFをセットして(ステップa4)、中点電位
調整処理を終了する。中点電位調整処理終了後のトルク
センサ用CPU12の処理動作については前記と同様で
ある。
【0054】以上、一実施形態として、操舵力検出用ト
ルクセンサ1のトルクセンサ用CPU12のみを利用し
て、無負荷状態で操舵力検出用トルクセンサ1から出力
されるトルク検出信号の電位つまり中点電位をパワース
テアリングコントローラ28が認識する中点電位に一致
させる例について述べた。
【0055】また、自動車によっては、操舵力検出用ト
ルクセンサを利用したパワーアシストの信頼性を高める
ために複数の操舵力検出用トルクセンサを並列的に配備
し、何れか一方に故障が生じた場合には他方の操舵力検
出用トルクセンサを利用して適切なパワーアシストを実
施するようにしたものもある。そのような構成を適用し
た場合には、各々の操舵力検出用トルクセンサからの出
力に対して前記と同様の処理を実施し、各々の操舵力検
出用トルクセンサの中点電位調整回路を個別に調整する
ものとする。
【0056】図6(a)は簡単な変形例について示した
概念図である。図6(a)においては操舵力検出用トル
クセンサ1およびパワーステアリングコントローラ28
とも構成を大幅に省略して記載しているが、その内容は
図1および図2で示したものと同様である。パワーステ
アリングコントローラ28と操舵力検出用トルクセンサ
1との間は着脱可能な通信線31で接続されており、パ
ワーステアリングコントローラ用CPUとトルクセンサ
用CPU12との間で通信処理を行うことで、パワース
テアリングコントローラ28が認識する中点電位の値C
が操舵力検出用トルクセンサ1のトルクセンサ用CPU
12によって検出される。中点電位調整処理に関しては
図3のものがそのまま適用される。符号30はパワース
テアリングコントローラ28に中点電位調整指令を入力
するための外部装置、例えば、所定の専用ブログラムを
記憶したノート型パソコン等であり、この外部装置から
パワーステアリングコントローラ28および通信線31
を介して操舵力検出用トルクセンサ1のトルクセンサ用
CPU12に指令を送ることにより、第2回目以降の中
点電位調整処理、つまり、図3に示されるステップa2
以降の処理が実施される。この場合も、最終的な補正値
の値は不揮発性のメモリ17に保持されることになる。
【0057】また、図6(b)はアナログ回路によって
操舵力検出用トルクセンサ1の中点電位調整回路13を
構成した場合の中点電圧調整について簡単に示した概念
図である。この場合の中点電位調整回路13は、例え
ば、図6(c)に示されるような回路構成となってお
り、ボリューム32の操作によって中点電位を調整でき
る。所定の専用ブログラムを記憶したノート型パソコン
等の外部装置によって構成される検出器30’をパワー
ステアリングコントローラ28に接続してパワーステア
リングコントローラ28が認識する中点電位の値Cを検
出し、また、トルク検出信号の現在値Tsを電圧計33
等で確認しながらボリューム32を調整して無負荷状態
のトルク検出信号の値Tsを中点電位Cと一致させるこ
とで、手動操作による中点電位調整が可能である。
【0058】何れの場合も、ステアリング・ハンドル1
8からは手を離し、ステアリング・ハンドル18に不用
意な外乱が作用しない状態を確保して中点電位調整を実
施する必要がある。
【0059】次に、パワーステアリングコントローラ2
8の側を調整することによって無負荷状態で出力される
トルク検出信号Tsの値とパワーステアリングコントロ
ーラ28が認識する中点電位の値とを一致させるように
した実施形態について説明する。
【0060】図4はパワーステアリングコントローラ2
8の側を調整することによって無負荷状態で出力される
トルク検出信号Tsの値とパワーステアリングコントロ
ーラ28が認識する中点電位の値とを一致させるように
した中点電位調整処理の概略を示すフローチャートであ
り、図1および図2に示した構成例においては、パワー
ステアリングコントローラ28のパワーステアリングコ
ントローラ用CPUによってこの処理が実施される。
【0061】この中点電位調整処理は、電源投入時の初
期化処理の一部として組み込むことが可能であり、ま
た、必要とあれば、外部からの指令によってこの処理を
開始させることも可能である。この処理の最も望ましい
実施タイミングは操舵力検出用トルクセンサ1の組み込
み完了後工場出荷前の段階であり、また、どのような状
況下で実施するにせよ、ステアリング・ハンドル18か
らは手を離して不用意な外乱を取り除くことが必須の要
件となる。
【0062】中点電位調整処理を開始したパワーステア
リングコントローラ用CPUは、まず、パワーステアリ
ングコントローラ28の不揮発性メモリに中点電位調整
完了フラグFがセットされているか否かを判別する(ス
テップb1)。中点電位調整完了フラグFがセットされ
ている場合には、無負荷状態で出力されるトルク検出信
号Tsの値とパワーステアリングコントローラ28が認
識する中点電位の値とを一致させるための処理が既に完
了していることを意味するので、パワーステアリングコ
ントローラ用CPUは、このまま中点電位調整処理を終
了し、従来と同様の初期化処理や異常検出処理を行った
後、補助操舵装置29の駆動制御等に関わる通常処理の
ルーチンを開始する。
【0063】一方、ステップb1の判別結果が真となっ
た場合、つまり、中点電位調整完了フラグFがセットさ
れていないと判別された場合には、この段階では未だ中
点電位の調整に関する処理が行われていないことを意味
するので、パワーステアリングコントローラ用CPU
は、改めて実質的な中点電位調整処理を開始することに
なる。
【0064】パワーステアリングコントローラ用CPU
は、まず、タイマTに所定の検証時間を設定して経過時
間の計測を開始し(ステップb2)、操舵力検出用トル
クセンサ1から出力されているトルク検出信号Tsの現
在値を読み込み(ステップb3)、この現在値Tsと中
点電位の理論値C、例えば、2.5(V)との間の偏差
を求め、この偏差が調整許容限界値W’の範囲内にある
か否かを判別する(ステップb4)。
【0065】ここで、万一、トルク検出信号の現在値T
sと中点電位の理論値Cとの間の偏差が調整許容限界値
W’の範囲を越えている場合には、パワーステアリング
コントローラ用CPUは、操舵力検出用トルクセンサ1
の組み付けやステアリングコラムの関連部品との間に生
じる累積公差等に問題があって磁気異方性部材に歪が生
じているものと見做し、電気的な補正では中点電位の適
正な補正が困難であるものと判断して、異常検出信号を
出力し(ステップb8)、実質的な中点電位調整処理を
中止する。なお、パワーステアリングコントローラ28
に発光ダイオード等からなる警告灯やビープ音出力用の
ブザー等を取り付けておくことにより、調整不良の発生
を作業車に直接的に知らせることができる。
【0066】一方、ステップb4の判別結果が真となっ
た場合には、パワーステアリングコントローラ用CPU
は、更に、タイマTによって計測される経過時間が所定
の検証時間に達しているか否かを判別する(ステップb
5)。そして、経過時間が検証時間に達していなけれ
ば、前記と同様にしてステップb3〜ステップb5の処
理を繰り返し実行し、トルク検出信号の現在値Tsと中
点電位の理論値Cとの間の偏差が調整許容限界値W’の
範囲内に収まっているか否かを繰り返し判定する。
【0067】ここで、タイマTによって計測される経過
時間が所定の検証時間に達するまでの間、ステップb4
の判別結果が連続的に真となり続けた場合には、パワー
ステアリングコントローラ用CPUは、磁気異方性部材
の歪等の重大な問題はなく、中点電位の電気的な補正が
十分に可能であると判断し、トルク検出信号の現在値T
sから中点電位の理論値Cを減じた値を、この操舵力検
出用トルクセンサ1に対応する補正値としてパワーステ
アリングコントローラ28内の不揮発性メモリに記憶し
(ステップb6)、中点電位調整完了フラグFをセット
して(ステップb7)、中点電位調整処理を終了する。
【0068】このようにして中点電位調整完了フラグF
がセットされる結果、次回以降、電源投入時の中点電位
調整処理終は実施されなくなるが、必要に応じて外部か
らの指令を入力することによってステップb2以降の処
理、つまり、実質的な中点電位調整処理を強制的に起動
することが可能であり、点検整備等の際に役立つ。
【0069】前記と同様、操舵力検出用トルクセンサを
複数備えた自動車の場合には、各々の操舵力検出用トル
クセンサからの出力に対して同様の処理を実施し、各々
の操舵力検出用トルクセンサに対応した補正値をパワー
ステアリングコントローラ28内の不揮発性メモリに個
別に記憶するものとする。
【0070】図5は、このようにして得られた補正値を
利用してパワーステアリングコントローラ28を調整
し、無負荷状態で出力されるトルク検出信号Tsの値と
パワーステアリングコントローラ28が認識する中点電
位の値とを一致させるための処理の概略を示すフローチ
ャートである。
【0071】この検出データ補正処理は、パワーステア
リングコントローラ用CPUがトルク検出信号Tsの値
に基いて補助操舵装置29の電動機26をフィードバッ
ク制御する際のデータ読み込み処理の一環として組み込
まれ、パワーステアリングコントローラ用CPUが操舵
力検出用トルクセンサ1からのトルク検出信号Tsの値
を読み込む度に繰り返し実行されるようになっている。
【0072】トルク検出信号Tsの値に基く補助操舵装
置29のフィードバック制御自体は既に公知であるの
で、ここでは、検出データ補正処理の部分に関してだけ
説明する。
【0073】従来と同様に電動機26のフィードバック
制御のためのデータ読み込み処理でトルク検出信号Ts
の現在値を読み込んだパワーステアリングコントローラ
用CPUは(ステップc1)、この現在値Tsから前述
した図4の中点電位調整処理で不揮発性メモリに保存さ
れた補正値の値を減じ、磁気異方性部材に生じた初期歪
や供給電源の電圧降下等によるオフセットの影響を除去
した真のトルク検出信号Tsの値を求め(ステップc
2)、この真の値Tsをフィードバック制御の処理に渡
すことによって、検出データ補正処理からフィードバッ
ク制御の処理に出力されるトルク検出信号Tsの値を真
の操舵力に適応した値に一致させる(ステップc3)。
【0074】例えば、磁気異方性部材の初期歪や供給電
源の電圧降下等によって、補助操舵装置29のフィード
バック制御を実施するパワーステアリングコントローラ
28が中点電位として認識する理論値Cと無負荷状態の
操舵力検出用トルクセンサ1が出力する電位との間にオ
フセットβが発生していたとすれば、前述した図4の中
点電位調整処理によってこのβの値が補正値としてパワ
ーステアリングコントローラ28の不揮発性メモリに保
存されることになる。そして、最終的に、検出データ補
正処理におけるステップc1〜ステップc3の処理によ
ってTsからβを減算して生成された真のトルク検出信
号Tsの値が補助操舵装置29のフィードバック制御の
処理に渡されるので、補助操舵装置29のフィードバッ
ク制御を実施するパワーステアリングコントローラ28
は、操舵力検出用トルクセンサ1に生じているオフセッ
トに関わりなく、常に、適切なトルク検出信号に基いて
補助操舵装置29のフィードバック制御を実施すること
が可能となるのである。
【0075】なお、操舵力検出用トルクセンサを複数備
えた自動車の場合には、各々の操舵力検出用トルクセン
サ毎の補正値が不揮発性メモリに記憶されているので、
ステップc1およびステップc2の処理では、その時点
で実際に使用されている操舵力検出用トルクセンサに対
応して補正値の値を読み込むものとする。
【0076】図6(d)は簡単な変形例について示した
概念図である。図6(d)においては操舵力検出用トル
クセンサ1およびパワーステアリングコントローラ28
とも構成を大幅に省略して記載しているが、その内容は
図1および図2で示したものと概ね同様であり、パワー
ステアリングコントローラ28がデータ保存用の不揮発
性メモリを備えていない点のみが相違する。このような
構造の場合、パワーステアリングコントローラ28と操
舵力検出用トルクセンサ1との間を通信線31で接続し
ておき、図4の中点電位調整処理によって求めた補正値
の値を操舵力検出用トルクセンサ1の不揮発性のメモリ
17に保存しておく。図5の検出データ補正処理の実施
に際しては、通信線31を介してメモリ17から補正値
の値を読み込むことにより、前記と同様の作用効果を達
成することができる。この場合、検出データ補正処理で
必要とされる補正値が操舵力検出用トルクセンサ1と一
体的に保持されるようになるので、故障等の原因でパワ
ーステアリングコントローラ28を環装した場合であっ
ても改めて中点電位調整処理を実施する必要はない。パ
ワーステアリングコントローラ28自体は飽くまで電気
部品の集合体であって、外力の影響を受けるような機械
的な検出手段を備えていないため、組み付けによる外乱
の影響はなく、また、性能的な個体差もないので、操舵
力検出用トルクセンサ1側の補正に必要とされるデータ
さえ確保されていれば適切なフィードバック制御が実施
できるからである。なお、符号30はパワーステアリン
グコントローラ28に中点電位調整指令を入力するため
の外部装置、例えば、所定の専用ブログラムを記憶した
ノート型パソコン等であり、この外部装置からパワース
テアリングコントローラ28に指令を送ることにより、
第2回目以降の中点電位調整処理、つまり、図4に示さ
れるステップb2以降の処理が実施される。
【0077】次に、より厳密に中点電位を調整するため
の操作について説明する。一般に、無負荷状態でステア
リング・ハンドル18を回転させた場合、ステアリング
シャフト19の回転角度に応じて、操舵力検出用トルク
センサ1からは、図7に示されるようなトルク検出信号
Tsが出力される。これは、トルク検出回路2の磁気異
方性部材をセンサ軸22に取り付けたり、または、ステ
アリングシャフト19をステアリングコラムのケーシン
グ20に組み込んだりする際に、部品の個体差によって
寸法公差や形状公差の範囲内で磁気異方性部材に微小な
歪が生じ、この歪の発生状態がケーシング20に対する
ステアリングシャフト19の回転角度の変化、つまり、
部品同士の片当たり等の状態変化に応じて変動するため
と考えられる。
【0078】ここで問題となるのが、ステアリングシャ
フト19がどのような回転位置にある状態でパワーステ
アリングコントローラ28の中点電位を調整するかとい
うことである。
【0079】もし、図7のAのような回転位置にあると
きにトルク検出信号Tsの値を理論上の中点電位Cに合
わせたとすると、ステアリングシャフト19をBの回転
位置に回したときに出力されるトルク検出信号Tsの値
が理論上の中点電位Cに比べて著しく低くなってしまう
し、また、ステアリングシャフト19が図7のBのよう
な回転位置にあるときにトルク検出信号Tsの値を理論
上の中点電位Cに合わせたとすると、ステアリングシャ
フト19をAの回転位置に回したときに出力されるトル
ク検出信号Tsの値が理論上の中点電位Cに比べて著し
く高くなってしまうといった弊害が生じる。従って、図
7に示されるようなトルク検出信号Tsの振幅Vp-pの
中間値(1/2)Vp-pが理論上の中点電位Cと一致するよう
に調整するのが理想である。
【0080】特に、パワーステアリングコントローラ2
8が操舵力検出用トルクセンサ1に電力を供給する際に
CPUを利用したデジタル処理を行うものにおいては、
電圧出力の演算に用いるビット数に応じてCPUが認識
可能な電圧の分解能に制限が生じ、例えば、8ビットC
PUで5(V)の作動電圧を管理する場合においては、
その分解能は5(V)/256、つまり、19.6(m
V)程度の分解能となるので、CPUによって検出され
る電位の変化には、実質的に、19.6(mV)相当の
不感帯が発生することになる。
【0081】そこで、この不感帯の範囲内にトルク検出
信号Tsの中点電位の振幅Vp-pを収め、トルク検出信
号Tsの中点電位の極大値と極小値がこの不感帯から食
み出ないように設定することができれば、ステアリング
シャフト19がどのような回転位置にあろうとも、パワ
ーステアリングコントローラ用CPUは、ステアリング
シャフト19の回転位置に応じて変動するトルク検出信
号Tsの中点電位の変動を実質的に検出することはなく
なり、ステアリング・ハンドル18を積極的に操作しな
い状態でパワーアシストが作動するといった問題を根本
的に解消することが可能となる。
【0082】そこで、本実施形態の中点電位調整方法で
は、以下に示す操作を適用することで、トルク検出信号
Tsの中点電位の振幅Vp-pを可能な限り前述の不感帯
の範囲内に収めるようにした。
【0083】まず、ステアリング・ハンドル18を所定
の刻み幅Dで回転させ、ステアリング・ハンドル18の
各回転位置において操舵力検出用トルクセンサ1から出
力されるトルク検出信号Tsの電位を測定し、理論上の
中点電位Cから最も外れたトルク検出信号Tsの電位と
トルク検出信号Tsの極大値および極小値を検出する。
必然的に、極大値または極小値の何れか一方が、理論上
の中点電位Cから最も外れたトルク検出信号Tsの電位
となる。この操作は通常のアナログ式の電圧計を利用し
て実施することができるので、CPUの分解能による影
響はない。
【0084】次に、前述のようにして検出した極大値お
よび極小値のデータに基き、パワーステアリングコント
ローラ28が中点電位Cとして認識する範囲の電位幅の
上限値と極大値との間の偏差、および、パワーステアリ
ングコントローラ28が中点電位Cとして認識する範囲
の電位幅の下限値と極小値との間の偏差を求める。パワ
ーステアリングコントローラ28は、理論上の中点電位
Cを不感帯の中央値として検出するように調整されてい
るので、例えば、19.6(mV)がCPUの分解能で
ある場合には、パワーステアリングコントローラ28が
中点電位Cとして認識する範囲の電位幅の上限値はC+
9.8(mV)、また、パワーステアリングコントロー
ラ28が中点電位Cとして認識する範囲の電位幅の下限
値はC−9.8(mV)となり、上限値および下限値の
何れも自明な値である。よって、これら二つの偏差の
値、つまり、|極大値−〔C+9.8(mV)〕|と|
極小値−〔C−9.8(mV)〕|の値は容易に求める
ことができる。
【0085】そこで、前記二つの偏差の差を2で除した
値を求め、この値を図7に示されるようなトルク検出信
号の振幅Vp-pの1/2に相当する値(1/2)Vp-pに加算
して、理論上の中点電位Cから最も外れたトルク検出信
号Tsの電位を基準としたオフセット量を算出し、この
基準値からオフセット量の分だけ理論上の中点電位Cの
方向に向けてオフセットした電位C’を、ステアリング
シャフト19の回転位置の相違によって生じる検出出力
の変動を踏まえた真の中点電位C’としてパワーステア
リングコントローラ28に設定する。
【0086】このような操作により、パワーステアリン
グコントローラ用CPUの分解能に起因する電圧検出の
不感帯の範囲内にトルク検出信号Tsの中点電位の振幅
Vp-pを収めることが可能である。
【0087】次に、幾つかの具体例について説明する。
まず、図8(a)は、トルク検出信号Tsの中点電位の
振幅Vp-pが比較的大きく、振幅の中心が理論上の中点
電位Cに近い場合の中点電位調整について簡略化して示
した概念図である。
【0088】この場合、理論上の中点電位Cから最も外
れたトルク検出信号Tsの電位は極大値と共通の
HP、また、これに対応するステアリング・ハンドル
18の回転角度はDであって、トルク検出信号Tsの
極小値はVLPである。
【0089】従って、パワーステアリングコントローラ
28が中点電位Cとして認識する範囲の電位幅の上限値
と極大値VHPとの間の偏差はV、また、パワーステ
アリングコントローラ28が中点電位Cとして認識する
範囲の電位幅の下限値と極小値VLPとの間の偏差はV
となる。
【0090】そこで、前記二つの偏差の差|V−V
|を2で除した値(1/2)|V−V |、要するに、振
幅の中心ズレの1/2に相当する値を求め、この値をト
ルク検出信号の中点電位の振幅Vp-pの1/2に相当す
る値(1/2)Vp-pに加算して、理論上の中点電位Cから最
も外れたトルク検出信号Tsの電位VHPを基準とした
オフセット量(1/2)Vp-p+(1/2)|V−V|を算出
し、オフセット量(1/2)Vp-p+(1/2)|V−V|の
分だけ理論上の中点電位Cの方向に向けてオフセットし
た電位C’=VHP−〔(1/2)Vp-p+(1/2)|V−V
|〕を真の中点電位C’としてパワーステアリングコ
ントローラ28に設定する。
【0091】なお、図8(a)の例では振幅の中心が理
論上の中点電位Cに近く偏差Vと偏差Vの大きさが
同等であるため、結果的に、(1/2)|V−V|の項
は略0の値となり、中点電位Cの値と真の中点電位C’
の値が概ね同等となる。
【0092】図8(a)の例では、トルク検出信号Ts
の中点電位の振幅Vp-pが大きいため、パワーステアリ
ングコントローラ用CPUが中点電位として認識する不
感帯の範囲に振幅の全てを収めることはできないが、そ
の大半の部分は不感帯の範囲に収めることができる。ま
た、振幅の大きさはゲイン調整回路10で調整可能であ
るため、最終的に、問題となることはない。
【0093】図8(b)は、トルク検出信号Tsの中点
電位の振幅Vp-pが比較的小さく、振幅の中心が理論上
の中点電位Cに近い場合の中点電位調整について簡略化
して示した概念図である。
【0094】この場合、振幅以外の条件は図8(a)の
例と略同一であり、結果として、真の中点電位C’=C
がパワーステアリングコントローラ28に設定されるこ
とになる。図8(b)の例では、トルク検出信号Tsの
振幅Vp-pが小さいため、パワーステアリングコントロ
ーラ用CPUが中点電位として認識する不感帯の範囲
C’−9.8(mV)からC’+9.8(mV)に振幅
の全ての部分を収めることができる。
【0095】図9(a)は、トルク検出信号Tsの振幅
Vp-pが比較的小さく、振幅の中心が理論上の中点電位
Cよりもオーバー側にずれている場合の中点電位調整に
ついて簡略化して示した概念図である。
【0096】この場合、理論上の中点電位Cから最も外
れたトルク検出信号Tsの電位は極大値と共通の
HP、また、これに対応するステアリング・ハンドル
18の回転角度はDであって、トルク検出信号Tsの
極小値はVLPである。
【0097】従って、パワーステアリングコントローラ
28が中点電位Cとして認識する範囲の電位幅の上限値
と極大値VHPとの間の偏差はVとなる。また、極小
値V LPはCPUが中点電位として認識する範囲から外
れてはいないので、パワーステアリングコントローラ2
8が中点電位Cとして認識する範囲の電位幅の下限値と
極小値VLPとの間の偏差は無視する。
【0098】よって、偏差の差|V−0|を2で除し
た値(1/2)|V|、要するに、問題となる振幅の中心
ズレの1/2に相当する値を求め、この値をトルク検出
信号の振幅Vp-pの1/2に相当する値(1/2)Vp-pに加
算して、理論上の中点電位Cから最も外れたトルク検出
信号Tsの電位VHPを基準としたオフセット量(1/2)
Vp-p+(1/2)|V|を算出し、オフセット量(1/2)Vp
-p+(1/2)|V|の分だけ理論上の中点電位Cの方
向、つまり、マイナス側に向けてオフセットした電位
C’=VHP−〔(1/2)Vp-p+(1/2)|V|〕を真の
中点電位C’としてパワーステアリングコントローラ2
8に設定することになる。
【0099】この場合も、トルク検出信号Tsの振幅V
p-pが小さいため、パワーステアリングコントローラ用
CPUが中点電位として認識する不感帯の範囲C’−
9.8(mV)からC’+9.8(mV)に振幅の全て
の部分を収めることができる。
【0100】図9(b)は、トルク検出信号Tsの振幅
Vp-pが比較的小さく、振幅の中心が理論上の中点電位
Cよりもアンダー側にずれている場合の中点電位調整に
ついて簡略化して示した概念図である。
【0101】この場合、理論上の中点電位Cから最も外
れたトルク検出信号Tsの電位は極小値と共通の
LP、また、これに対応するステアリング・ハンドル
18の回転角度はDであって、トルク検出信号Tsの
極大値はVHPである。
【0102】従って、パワーステアリングコントローラ
28が中点電位Cとして認識する範囲の電位幅の下限値
と極小値VLPとの間の偏差はVとなる。また、極大
値V HPはCPUが中点電位として認識する範囲から外
れてはいないので、パワーステアリングコントローラ2
8が中点電位Cとして認識する範囲の電位幅の上限値と
極大値VHPとの間の偏差は無視する。
【0103】よって、偏差の差|V−0|を2で除し
た値(1/2)|V|、要するに、問題となる振幅の中心
ズレの1/2に相当する値を求め、この値をトルク検出
信号の振幅Vp-pの1/2に相当する値(1/2)Vp-pに加
算して、理論上の中点電位Cから最も外れたトルク検出
信号Tsの電位VLPを基準としたオフセット量(1/2)
Vp-p+(1/2)|V|を算出し、オフセット量(1/2)Vp
-p+(1/2)|V|の分だけ理論上の中点電位Cの方
向、つまり、プラス側に向けてオフセットした電位C’
=VLP+〔(1/2)Vp-p+(1/2)|V|〕を真の中点
電位C’としてパワーステアリングコントローラ28に
設定することになる。
【0104】この場合も、トルク検出信号Tsの振幅V
p-pが小さいため、パワーステアリングコントローラ用
CPUが中点電位として認識する不感帯の範囲C’−
9.8(mV)からC’+9.8(mV)に振幅の全て
の部分を収めることができる。
【0105】以上、パワーステアリングコントローラ2
8側の感度を調整する場合の方法について述べたが、ス
テアリングシャフト19の回転位置とトルク検出信号T
sとの対応関係を考慮して操舵力検出用トルクセンサ1
の出力を調整することによっても、前記と同等の作用効
果を達成することができる。
【0106】操舵力検出用トルクセンサ1の出力を調整
する際には、前記と同様にしてステアリング・ハンドル
18を所定の刻み幅Dで回転させ、ステアリング・ハン
ドル18の各回転位置において操舵力検出用トルクセン
サ1から出力されるトルク検出信号Tsの電位を測定
し、理論上の中点電位Cから最も外れたトルク検出信号
Tsの電位とトルク検出信号Tsの極大値および極小値
を検出し、このとき同時にステアリング・ハンドル18
の回転角度を記録しておく。
【0107】そして、前記と同様にして真の中点電位
C’を求めて、理論上の中点電位Cとの偏差|C−C’
|を算出し、最終的に、理論上の中点電位Cから最も外
れたトルク検出信号Tsの電位が検出されたときの回転
角度にステアリング・ハンドル18を戻し、この回転位
置で、理論上の中点電位Cから最も外れたトルク検出信
号Tsを基準に|C−C’|だけオフセットした電位が
検出されるように中点電位調整回路13を調整する。
【0108】従って、例えば、図9(a)の例では、ス
テアリング・ハンドル18を回転角度Dの位置に戻し
た状態でVHP−|C−C’|の電位が検出されるよう
に中点電位調整回路13を調整すればよく、また、図9
(b)の例では、ステアリング・ハンドル18を回転角
度Dの位置に戻した状態でVLP+|C−C’|の電
位が検出されるように中点電位調整回路13を調整し
て、図中のC’のラインをCのラインに一致させればよ
い。
【0109】これにより、前記と同様、パワーステアリ
ングコントローラ28の不感帯の範囲内にトルク検出信
号Tsの振幅Vp-pを収めることが可能となり、ステア
リングシャフト19がどのような回転位置にあろうと
も、パワーステアリングコントローラ用CPUは、ステ
アリングシャフト19の回転位置に応じて変動するトル
ク検出信号Tsの中点電位の変動を実質的に検出するこ
とはなくなり、ステアリング・ハンドル18を積極的に
操作しない状態でパワーアシストが作動するといった問
題を根本的に解消することが可能となる。
【0110】
【発明の効果】本発明によるパワーステアリングシステ
ムの中点電位調整方法は、操舵力検出用トルクセンサを
自動車の操舵力伝達経路上に組み付けてパワーステアリ
ングコントローラと接続し、ステアリング・ハンドルに
作用する外力を取り除いた状態で中点電位調整回路から
出力されるトルク検出信号がパワーステアリングコント
ローラによって中点電位として認識される電位となるよ
うに中点電位調整回路あるいはパワーステアリングコン
トローラを調整するようにしたので、操舵力検出用トル
クセンサの組み付けに伴う外力の作用に起因する中点電
位のズレやパワーステアリングコントローラから操舵力
検出用トルクセンサに至る電気的な接続経路で生じる電
圧降下に起因する中点電位のズレ等の外乱を確実に吸収
して、実際に自動車が使用される状況と略同等の条件で
操舵力検出用トルクセンサの中点電位を精密に調整する
ことができる。
【0111】また、中点電位の調整に用いた制御データ
を補正値として操舵力検出用トルクセンサ側の不揮発性
メモリに記憶させるようにしたので、故障等の原因でパ
ワーステアリングコントローラを換装した場合であって
も、新たに換装されたパワーステアリングコントローラ
と操舵力検出用トルクセンサとの間で改めて中点電位の
再調整を行う必要がなく、パワーステアリングコントロ
ーラの換装作業を簡単に行うことができるようになる。
【0112】更に、ステアリング・ハンドルの各回転位
置において操舵力検出用トルクセンサから出力されるト
ルク検出信号の電位を測定し、パワーステアリングコン
トローラが中点電位として認識する範囲の電位幅にトル
ク検出信号のバラツキを収めるように、パワーステアリ
ングコントローラが認識する中点電位を調整するように
したので、ステアリング・ハンドルの回転位置によって
中点電位に多少の変動が生じるような場合でも、この中
点電位の変動による不用意なパワーアシストの作動を防
止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パワーステアリングシステムの一部を構成する
操舵力検出用トルクセンサの要部を示した機能ブロック
図である。
【図2】操舵力検出用トルクセンサを組み込んだステア
リングシャフトの周辺とパワーステアリングコントロー
ラの取り付け状態について簡略化して示した断面図であ
る。
【図3】操舵力検出用トルクセンサを調整してトルク検
出信号の電位をパワーステアリングコントローラが認識
する中点電位に一致させる場合の中点電位調整処理の概
略を示したフローチャートである。
【図4】パワーステアリングコントローラの側の補正値
を調整することによって無負荷状態で出力されるトルク
検出信号の値とパワーステアリングコントローラが認識
する中点電位の値とを一致させるようにした中点電位調
整処理の概略を示したフローチャートである。
【図5】図4の中点電位調整処理で求められた補正値を
利用して無負荷状態で出力されるトルク検出信号の値と
パワーステアリングコントローラが認識する中点電位の
値とを一致させる検出データ補正処理の概略を示したフ
ローチャートである。
【図6】図6(a)は操舵力検出用トルクセンサを調整
してトルク検出信号の電位をパワーステアリングコント
ローラが認識する中点電位に一致させるようにした中点
電位調整の変形例について示した概念図、図6(b)は
操舵力検出用トルクセンサを調整してトルク検出信号の
電位をパワーステアリングコントローラが認識する中点
電位に一致させるようにした中点電位調整の別の変形例
について示した概念図、図6(c)はアナログ式の中点
電位調整回路について示した概念図、図6(d)はパワ
ーステアリングコントローラの側を調整することによっ
て無負荷状態で出力されるトルク検出信号の値とパワー
ステアリングコントローラが認識する中点電位の値とを
一致させるようにした中点電位調整の変形例について示
した概念図である。
【図7】ステアリングシャフトの回転角度とトルク検出
信号との対応関係の一般例を示した線図である。
【図8】図8(a)はトルク検出信号の振幅が比較的大
きく振幅の中心が理論上の中点電位に近い場合の中点電
位調整について簡略化して示した概念図、図8(b)は
トルク検出信号の振幅が比較的小さく振幅の中心が理論
上の中点電位に近い場合の中点電位調整について簡略化
して示した概念図である。
【図9】図9(a)はトルク検出信号の振幅が比較的小
さく振幅の中心が理論上の中点電位よりもオーバー側に
ずれている場合の中点電位調整について簡略化して示し
た概念図、図9(b)はトルク検出信号の振幅が比較的
小さく振幅の中心が理論上の中点電位よりもアンダー側
にずれている場合の中点電位調整について簡略化して示
した概念図である。
【符号の説明】
1 操舵力検出用トルクセンサ 2 トルク検出回路 3a,3b 検出コイル 4a,4b 励磁コイル 5 発振回路 6 バッファ 7a,7b 整流回路 8 比較回路 9 平滑回路 10 ゲイン調整回路 11 制御回路 12 トルクセンサ用CPU 13 中点電位調整回路 14 アナログ電圧発生回路 15 電圧監視回路 16 温度センサ 17 メモリ(不揮発性メモリ) 18 ステアリング・ハンドル 19 ステアリングシャフト 20 ケーシング 21 スパーギァ(補助操舵装置の一部) 22 センサ軸 23 ベアリング 24 ベアリング 25 ステアリング出力軸 26 電動機(補助操舵装置の一部) 27 ピニオンギァ(補助操舵装置の一部) 28 パワーステアリングコントローラ 29 補助操舵装置 30 外部装置 30’ 検出器 31 通信線 32 ボリューム 33 電圧計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F051 AA01 AB05 BA03 3D032 DA15 DA19 DA73 EA01 EB08 EC28 GG01 3D033 CA02 CA04 CA24 CA28

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリング・ハンドルに作用する操舵
    力を検出するトルク検出回路からの電気信号の中点電位
    を調整してトルク検出信号として出力する中点電位調整
    回路を備えた操舵力検出用トルクセンサと、前記操舵力
    検出用トルクセンサからのトルク検出信号に基づいて補
    助操舵装置の駆動トルクをフィードバック制御すると共
    に前記操舵力検出用トルクセンサに駆動電力を供給する
    パワーステアリングコントローラとによって構成される
    パワーステアリングシステムの中点電位調整方法であっ
    て、 前記操舵力検出用トルクセンサを自動車の操舵力伝達経
    路上に組み付けて前記パワーステアリングコントローラ
    と接続した後、前記ステアリング・ハンドルに作用する
    外力を取り除いた状態で、前記中点電位調整回路から出
    力されるトルク検出信号が前記パワーステアリングコン
    トローラが中点電位として認識する電位となるように前
    記中点電位調整回路を調整することを特徴としたパワー
    ステアリングシステムの中点電位調整方法。
  2. 【請求項2】 前記操舵力検出用トルクセンサに前記中
    点電位調整回路を制御するためのマイクロプロセッサを
    設ける一方、前記パワーステアリングコントローラには
    前記補助操舵装置の駆動トルクをフィードバック制御す
    るためのマイクロプロセッサを設け、前記パワーステア
    リングコントローラ側のマイクロプロセッサと前記操舵
    力検出用トルクセンサ側のマイクロプロセッサとの間で
    通信処理を行って前記中点電位調整回路を調整すると共
    に、調整完了時の制御データを補正値として前記操舵力
    検出用トルクセンサ側の不揮発性メモリに記憶させるこ
    とを特徴とした請求項1記載のパワーステアリングシス
    テムの中点電位調整方法。
  3. 【請求項3】 前記中点電位調整回路の出力部に電圧計
    を接続する一方、前記パワーステアリングコントローラ
    には外部装置によって構成される検出器を接続してパワ
    ーステアリングコントローラが中点電位として認識する
    電位を検出し、前記中点電位調整回路から出力されるト
    ルク検出信号の電位が前記パワーステアリングコントロ
    ーラが中点電位として認識する電位と一致するように前
    記中点電位調整回路を調整することを特徴とした請求項
    1記載のパワーステアリングシステムの中点電位調整方
    法。
  4. 【請求項4】 ステアリング・ハンドルに作用する操舵
    力を検出するトルク検出回路からの電気信号をトルク検
    出信号として出力する操舵力検出用トルクセンサと、前
    記操舵力検出用トルクセンサからのトルク検出信号に基
    づいて補助操舵装置の駆動トルクをフィードバック制御
    するパワーステアリングコントローラとによって構成さ
    れるパワーステアリングシステムの中点電位調整方法で
    あって、 前記トルク検出回路を自動車の操舵力伝達経路上に組み
    付けた後、前記ステアリング・ハンドルに作用する外力
    を取り除いた状態で、前記操舵力検出用トルクセンサか
    ら出力されるトルク検出信号が中点電位として認識され
    るように前記パワーステアリングコントローラを調整す
    ることを特徴としたパワーステアリングシステムの中点
    電位調整方法。
  5. 【請求項5】 前記ステアリング・ハンドルを所定の刻
    み幅で回転させ、該ステアリング・ハンドルの各回転位
    置において前記操舵力検出用トルクセンサから出力され
    るトルク検出信号の電位を測定し、前記パワーステアリ
    ングコントローラが本来中点電位として認識する範囲の
    電位幅から最も外れたトルク検出信号の電位と、前記パ
    ワーステアリングコントローラが本来中点電位として認
    識する範囲の電位幅から外れたトルク検出信号の電位の
    極大値と前記パワーステアリングコントローラが本来中
    点電位として認識する範囲の電位幅の上限値との間の偏
    差と、前記パワーステアリングコントローラが本来中点
    電位として認識する範囲の電位幅から外れたトルク検出
    信号の電位の極小値と前記パワーステアリングコントロ
    ーラが本来中点電位として認識する範囲の電位幅の下限
    値との間の偏差を求め、前記偏差の差を2で除した値を
    トルク検出信号の変動量の1/2に相当する値に加算し
    た分だけ前記最も外れたトルク検出信号の電位から前記
    パワーステアリングコントローラが本来中点電位として
    認識する範囲の電位幅の方向に向けてオフセットした電
    位を中点電位として認識するように前記パワーステアリ
    ングコントローラを調整することを特徴とした請求項4
    記載のパワーステアリングシステムの中点電位調整方
    法。
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