JP2001304494A - 低温液化ガス気化器および熱交換器 - Google Patents

低温液化ガス気化器および熱交換器

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JP2001304494A
JP2001304494A JP2000125191A JP2000125191A JP2001304494A JP 2001304494 A JP2001304494 A JP 2001304494A JP 2000125191 A JP2000125191 A JP 2000125191A JP 2000125191 A JP2000125191 A JP 2000125191A JP 2001304494 A JP2001304494 A JP 2001304494A
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Japan
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heat transfer
heat exchanger
gas
flow path
heat
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Application number
JP2000125191A
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English (en)
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Yoshinori Hisakado
喜徳 久角
Koichiro Ikeda
耕一郎 池田
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Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
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Publication date
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  • Filling Or Discharging Of Gas Storage Vessels (AREA)
  • Heat-Exchange Devices With Radiators And Conduit Assemblies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 空気などの気体を熱源として、効率よく低温
液化ガスを気化昇温させる。 【解決手段】 保冷ダクト2で覆われる内部に、ファン
3により強制吸引した空気と熱交換する過熱器用熱交換
器7および蒸発用熱交換器6を配置する。LNG側およ
び空気側の伝熱性能を上げるため、パーポレートフィン
を空気の流れに直交させ、空気流速を高め、またフィン
効果で伝熱面積を大幅に増加させる。LNGの気化を2
段階に分け、蒸発用熱交換器6は小口径伝熱管を、過熱
用熱交換器7は伝熱促進チューブを挿入した大口径伝熱
管を採用する。LNGはヘッダから各伝熱管に下向きに
供給されるため、起動時のカロリー変動が発生しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気などの気体を
熱源として、液化天然ガス(以下、「LNG」と略称す
る)などの低温液化ガスを気化させる低温液化ガス気化
器および熱交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、多量の気体を取扱う必要があ
る場合に、一旦低温で液化させた状態にしている。たと
えば、都市ガスの原料や火力発電用の燃料などに多量に
利用されている天然ガスは、輸送の便宜のために、生産
地側で冷却液化し、LNG化されている。天然ガスの需
要地側では、LNGを気化させ、常温付近まで昇温させ
なければならない。LNGの気化および昇温の過程で、
多量の冷熱をうることができるけれども、LNGの温度
が−150℃と常温に比べて非常に低い極低温であり、
有効な利用が困難である。なお、従来のLNG気化器で
は、空気を熱源とする場合、LNGが下部ヘッダから入
り、アルミニウム製スターフィンを上昇して気化する構
成が一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述の空気を熱源とす
る一般的なLNG気化器では、次のような問題が生じ
る。 1)都市ガスの原料は、時間帯によって需要が変動する
ので、LNGの流量変動でヘッダ部に分溜現象が生じや
すい。LNGはメタンを主成分とするけれども、他の成
分も含まれているので、分溜現象が生じると発生するガ
スの成分が変化し、起動時のカロリー変動が激しくな
る。 2)極低温のLNGで水分を含む空気を冷却するので、
フィン表面に着霜し、負荷の変動で着氷に変わり、フィ
ン効果が低減してしまうので、温水散布等により着氷を
除去する必要がある。 3)空気側は自然対流の下降流であり、露点以下となっ
た場合、周囲に白煙がたなびく。 4)伝熱管をフィン付管とするためU字管を採用する場
合、先端フィンの研削とU曲げ部との溶接・検査が必要
となる。 5)設置場所が大きくなり、大容量のLNG気化には適
さない。
【0004】本発明の目的は、空気などの気体を熱源と
して、効率よく低温液化ガスを気化昇温することができ
る低温液化ガス気化器および熱交換器を提供することで
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、気体を熱源と
して低温液化ガスを気化させる低温液化ガス気化器であ
って、大略的に水平な該気体の流路に配置され、該気体
との熱交換によって該低温液化ガスを蒸発させる蒸発用
熱交換器と、該気体の流路で該蒸発用熱交換器の上流側
に配置され、該蒸発用熱交換器で蒸発したガスを過熱す
る過熱用熱交換器とを含み、該蒸発用熱交換器および該
過熱用熱交換器は、水平面に対して大略的に垂直で相互
に平行な複数の仮想平面を形成し、該気体の流路に垂直
となるように、三次元的に配置される複数の伝熱管と、
一定の密度で貫通孔を有する多孔金属帯を、該仮想平面
の間隔に相当する長さの長辺と、該長辺より短い短辺と
に、交互にかつ垂直に折曲げてつづら折り状に形成さ
れ、該仮想平面間に挿入される複数のパーポレートフィ
ンとを有ることを特徴とする低温液化ガス気化器であ
る。
【0006】本発明に従えば、大略的に水平に流れる気
体を熱源として低温液化ガスを気化させる低温液化ガス
気化器には、気体との熱交換によって低温液化ガスを蒸
発させる蒸発用熱交換器と、蒸発用熱交換器の上流側に
配置され、蒸発用熱交換器で蒸発したガスを過熱する過
熱用熱交換器とが含まれる。蒸発用熱交換器および過熱
用熱交換器は、水平面に対して大略的に垂直で相互に平
行な複数の仮想平面を形成し、気体の流路に垂直となる
ように、三次元的に配置される複数の伝熱管を有する。
伝熱管で形成する仮想平面管には、一定の密度で貫通孔
を有する多孔金属帯を、仮想平面の間隔に相当する長さ
の長辺と、該長辺より短い短辺とに、交互にかつ垂直に
折曲げてつづら折り状に形成される複数のパーポレート
フィンが挿入される。パーポレートフィンでは、短辺側
で形成する面が伝熱管が形成する仮想平面と平行にな
り、気体の流路に垂直となる。気体がパーポレートフィ
ンの短辺側で形成する面に当っても、面積が小さく、貫
通孔の数も少ないので、短辺側の面から垂直に折曲げて
形成されている長辺側の面に沿うように回り込む。長辺
側の面は、短辺側の面よりも面積が大きく、貫通孔の数
が多いので、気体の大部分は長辺側の面の貫通孔を通過
する。気体の流れが乱流となり、伝熱係数を大きくする
ことができる。
【0007】パーポレートフィンは、短辺側の一部で伝
熱管と接触し、接触部分での伝熱は充分ではないけれど
も、伝熱管の長さ方向に接触部分が形成されるので、全
体的には分散して冷却される。このため、気体に水分が
含まれていても、短辺側の面に付着して着霜や着氷が生
じる程度で、流路を大きく塞ぐまで成長しないようにす
ることができる。伝熱管から離れた位置では、水分は溶
融し、パーポレートフィンの面に沿って下方に流れ落ち
る。
【0008】熱源の気体として空気を使用する場合は、
冷却された低温の空気を、新たな冷熱源として利用する
ことができる。蒸気タービンなどの排蒸気を使用する場
合は、効率的に水分として凝縮させる復水器として利用
することができる。
【0009】また本発明は、前記蒸発用熱交換器で、前
記仮想平面は、前記気体の流路に垂直に配置され、前記
複数の伝熱管は、該仮想平面に垂直で該気体の流路に平
行な複数の仮想的な平面内で、隣接する伝熱管の端部が
交互にU字状に連結されて、該気体の流路の上流側と下
流側との間で連通するようにそれぞれ連なり、前記低温
液化ガスは、該気体の流路の下流側に配置される入口ヘ
ッダから各伝熱管に分岐して流入し、伝熱管内で蒸発し
たガスは、該気体の流路の上流側に配置される出口ヘッ
ダに集められることを特徴とする。
【0010】本発明に従えば、蒸発用熱交換器では、複
数の伝熱管が配列される仮想平面とは垂直で気体の流路
に平行な複数の仮想的な平面内で、隣接する伝熱管の端
部が交互にU字状に連結されて、気体の流路の上流側と
下流側との間で連通するようにそれぞれ連なる。低温液
化ガスは、気体の流路の下流側に配置される入口ヘッダ
から各伝熱管に分岐して流入し、各伝熱管内で蒸発す
る。蒸発したガスは、気体の流路の上流側に配置される
出口ヘッダに集められる。伝熱管は端部が交互にU字に
連結され、延長距離が増大した状態で、気体と熱交換し
て、伝熱管内部を流れる低温液化ガスを蒸発させること
ができる。
【0011】また、本発明は、前記過熱用熱交換器で、
前記仮想平面は、前記気体の流路に垂直に配置され、前
記複数の伝熱管は、該仮想平面内で、隣接する一対の伝
熱管の端部がU字状に連結され、前記蒸発したガスは、
該気体の流路に平行に配置される入口ヘッダから、各仮
想平面でU字状に連結されている一対の伝熱管のうちの
上側の伝熱管に分岐して流入し、各伝熱管内で蒸発した
ガスは、該一対の伝熱管のうちの下側の伝熱管から、該
気体の流路に平行に配置される出口ヘッダに集められる
ことを特徴とする。
【0012】本発明に従えば、過熱用熱交換器では、複
数の伝熱管が配列される仮想平面が気体の流路に平行で
あり、上下に隣接する一対の伝熱管の端部がU字状に連
結される。蒸発したガスは、気体の流路に平行に配置さ
れる入口ヘッダから各仮想平面の上側の伝熱管に分岐し
て流入し、上下の伝熱管内で気体と熱交換して過熱され
る。過熱されたガスは、下側の伝熱管から気体の流路に
平行に配置される出口ヘッダに集められる。
【0013】また本発明で、前記過熱用熱交換器の伝熱
管は、前記蒸発用熱交換器の伝熱管より大口径で、内部
に伝熱促進材が装填されることを特徴とする。
【0014】本発明に従えば、過熱用熱交換器の伝熱管
は、蒸発用熱交換器の伝熱管より大口径であるので、圧
力損失を避けることができる。過熱用伝熱管内部には、
伝熱促進材が装填されるので、伝熱特性を向上させるこ
とができる。
【0015】さらに本発明は、大略的に水平に流れる気
体の流路に配置され、該気体との熱交換を行う熱交換器
であって、水平面に対して大略的に垂直で相互に平行な
複数の仮想平面を形成し、該気体の流路に垂直となるよ
うに、三次元的に配置される複数の伝熱管と、一定の密
度で貫通孔を有する多孔金属帯を、該仮想平面の間隔に
相当する長さの長辺と、該長辺より短い短辺とに、交互
にかつ垂直に折曲げてつづら折り状に形成され、該仮想
平面間に挿入される複数のパーポレートフィンとを有す
ることを特徴とする熱交換器である。
【0016】本発明に従えば、気体と熱交換して気体を
低温に冷却しても、気体に含まれる水分による着霜や着
氷が成長しにくく、溶融した水分を下方に除去しやすい
熱交換器をうることができる。外界の空気やガスタービ
ンなどの排ガスを熱源として用いるLNG気化器など
で、LNGを導入する入口ヘッダから分岐した多数のU
字曲げ管で構成される複数本の伝熱管に、多孔を有する
金属帯を繰返して折曲げたパーポレートフィン取付けた
蒸発用熱交換器などとして好適に用いることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態と
して、外界空気を熱源として、LNGを気化して昇温す
るパーポレートフィン式LNG気化器の概略的な側面構
成を示す。本実施形態のパーポレートフィン式LNG気
化器は、熱源として、外界空気ばかりではなく、ガスタ
ービンの排ガスあるいは蒸気タービンの排スチームを熱
源とすることもできる。パーポレートフィン式LNG気
化器は、角筒状の保冷ダクト2内に形成され、ファン3
で空気の流れを発生させる。断熱性を良好にした保冷ダ
クト2に対し、空気入口4側から空気が流入し、空気出
口5側から流出する。以下、本明細書では、空気入口4
から空気出口5への全体的な空気の流れの通路を、「流
路」と称することにする。
【0018】保冷ダクト2の空気出口5側には、LNG
が供給され、蒸発部である蒸発用熱交換器6が配置され
る。保冷ダクト2内で、空気の流路に関して蒸発用熱交
換器6の上流側には、蒸発した天然ガス(以下、「N
G」と略称することもある)の過熱部である過熱用熱交
換器7が配置される。保冷ダクト2内の空気の流路に関
し、過熱用熱交換器7とファン3との間には、空気中の
水分を除くエリミネータ8が配置され、ファン3と蒸発
側熱交換器6との間には、空気中の湿り気を除く除湿器
9が配置されている。蒸発用熱交換器6および過熱用熱
交換器7は、それぞれ、複数の伝熱管と複数のパーポレ
ートフィンとを有する。空気に含まれていた水分は、ド
レンとして排出され、空気出口5側からは乾燥した低温
空気が得られる。
【0019】図2は、本実施形態のパーポレートフィン
式熱交換器である蒸発用熱交換器6および過熱用熱交換
器7に用いられるパーポレートフィン10の概略的な構
成を示す。図2(a)は折曲げ前の形状を示し、図2
(b)は折曲げられてパーポレートフィン10が形成さ
れている状態を示し、図2(c)はパーポレートフィン
10近傍での気体の流れを示す。図2(a)に示すよう
に、銅、ステンレス鋼、あるいはアルミニウムなどの金
属帯11の表面に多数の貫通孔12を一定の密度で形成
する。金属帯11を、破線で示す折目に沿って、短辺1
3と長辺14とが交互に現れ、かつ垂直となるように折
曲げてつづら折り状にすると、図2(b)に示す状態と
なる。図2(c)に示すように、パーポレートフィン1
0の短辺13側が形成する面を気体の流れに垂直に設置
すると、気体の大部分は長辺14側の面の貫通孔12を
通過するように回り込み、気体の流れは乱流化する。
【0020】図3は、図1に示す蒸発用熱交換器6の外
観を示す。蒸発用熱交換器6には、パーポレートフィン
10が図に示すような方向で、空気入口4から空気出口
5の方向に並ぶように、挿入されている。LNGは、空
気出口5側のLNG入口ヘッダ15に供給される。蒸発
したNGは、空気入口4側のNG出口ヘッダ16に集め
られる。
【0021】図4および図5は、図3の蒸発用熱交換器
6で、LNG入口ヘッダ15とNG出口ヘッダ16との
間を接続する複数の伝熱管17とパーポレートフィン1
0との組合せ状態を側面断面で示す。図4は全体的な構
成を示し、図5は図4の一部を拡大して示す。伝熱管1
7は、それぞれ空気の流れに垂直な部分が平行に配置さ
れ、空気の流れに平行な平面内で、U曲げ部18で交互
に端部が連結され、全体としてLNG入口ヘッダ15で
下向きに分岐したLNGが流れ込み、途中で蒸発したN
GがNG出口ヘッダ16で合流する。LNGを下向きに
各伝熱管17に供給することによって、起動時の熱量変
動が発生しないようにすることができる。
【0022】各伝熱管17は、上下方向でも位置が揃え
られ、平行な仮想平面を形成する。この仮想平面間にパ
ーポレートフィン10が挿入される。この仮想平面間の
間隔は、図5に示すように、たとえば54mmとするパ
ーポレートフィン10の長辺14の長さも、54mmと
なる。伝熱管17の外径を16mmとれば、図4に示す
ように、空気の流路に平行な方向での伝熱管17のピッ
チは70mmとなる。伝熱管17の上下のピッチ、すな
わち空気の流路に垂直な仮想平面に沿ったピッチは30
mmとする。
【0023】図6および図7は、図3の蒸発用熱交換器
6の部分的な平面構成および正面構成をそれぞれ示す。
図6に示すように、伝熱管17は、直線部の長さが22
00mmで、端部が交互にU曲げ部18で連結され、全
体として、LNG入口ヘッダ15からNG出口ヘッダ1
6まで連通している。パーポレートフィン10の短辺1
3の長さは、たとえば5mmとなる。図7に示すよう
に、空気の流路に垂直な正面側から見ると、パーポレー
トフィン10の短辺13側が見える。
【0024】図3の蒸発用熱交換器6は、前述のよう
に、伝熱管17のピッチが70mm、パーポレートフィ
ン10の折曲げピッチが5mm、伝熱管17の上下のピ
ッチが30mmである。伝熱管17は、1.8mm厚の
銅管で、直線部の長さ2200mmで5回曲げたものを
80本使用する。パーポレートフィン10は、1mm厚
の銅板で、孔径4mmの貫通孔12を10mmのピッチ
で有する。このような仕様で、−150〜−155℃、
4MPaのLNGを20ton/hの最大処理能力を得
ることができる。
【0025】図8は、図1に示す過熱用熱交換器7の外
観を示す。過熱用熱交換器7には、パーポレートフィン
20が図に示すような方向で、空気入口4から空気出口
5の方向に並ぶように、挿入されている。NGは、NG
入口ヘッダ21に供給される。過熱されたNGは、NG
出口ヘッダ22に集められる。NG入口ヘッダ21とN
G出口ヘッダ22とは、上下に並び、NG入口ヘッダ2
1がNG出口ヘッダ22よりも上方となる。パーポレー
トフィン20は、図3の蒸発器用熱交換器6のパーポレ
ートフィン10と、基本的に同等である。
【0026】図9は、NG入口ヘッダ21とNG出口ヘ
ッダ22との間を接続する複数の伝熱管23とパーポレ
ートフィン20との組合せ状態を正面断面で示す。図1
0は、図8の過熱用熱交換器6の正面構成を示す。伝熱
管23は、上下の一対の一端側でNG入口ヘッダ21と
NG出口ヘッダ22とにそれぞれ接続され、他端側はU
曲げ部24で連結されている。上下方向で、NG入口ヘ
ッダ21およびNG出口ヘッダ22と、U曲げ部24と
は交互に配置されている。伝熱管23の上下のピッチ
は、80〜100mmであり、前後のピッチは80mm
である。伝熱管23は、空気の流路に垂直、すなわち紙
面に平行な仮想平面に沿って配列され、この仮想平面間
にパーポレートフィン20が挿入される。伝熱管23の
直線部の長さは、2800mmである。
【0027】図8の過熱用熱交換器7は、前述のよう
に、伝熱管23のピッチが80〜100mm、パーポレ
ートフィン20の折曲げピッチが5mm、伝熱管23の
前後のピッチが80mmである。伝熱管23は、外径が
25.4mm、2.0mm厚の銅管で、直線部の長さ3
000mmで1回曲げたものを44本使用する。パーポ
レートフィン20は、パーポレートフィン10と同様の
仕様にする。このような仕様で、−40℃前後の4MP
aのLNGを20ton/hの最大処理能力を得ること
ができる。なお、伝熱管23が蒸発用熱交換器6の伝熱
管17よりも大口径になっているので、内部に伝熱促進
材を装填する。
【0028】以上のように、本実施形態では、LNGは
多数のU字曲げ部を持つ銅管(アルミニウムもしくはス
テンレス管でもよい)から構成される入口ヘッダに導入
される。ヘッダから分岐される蒸発器の伝熱管全長は、
20m以上とすることができるため、伝熱管の本数を減
らすことができる。また、伝熱管1本当たりの管内圧力
損失が大きくなるため、偏流の発生も防止することがで
きる。入口ヘッダは、規模に応じて複数本が水平に設置
され、分岐の伝熱管は、ヘッダ下部に溶接されている。
これにより導入されたLNGは、液の状態で伝熱管に強
制的に流れ込み、LNGの流動変動が生じても、分溜に
よる送出ガスの発熱量の変化は生じない。LNGの管内
沸騰熱伝達係数は、管外に比べ一桁大きい値であるた
め、伝熱管をフィン付にする必要がある。しかし、従来
のフィン付き空温式LNG気化器では、U字曲げ部があ
るため、フィン付直管に180度エルボーを溶接で接続
することになり、製作や検査に多額の費用が必要とな
る。
【0029】本実施形態では、LNGを導入する入口ヘ
ッダから分岐した多数のU字曲げ管で構成される複数本
の伝熱管に多孔を有する溝付き薄板を取り付けたことを
特徴とする熱交換器であるため、管外側伝熱係数を大幅
に向上させることができ、LNG気化器本体をコンパク
ト・安価にすることができる。
【0030】伝熱管の外径は、15から25mm前後の
曲げ加工が容易な径が好ましい。伝熱管の曲げ半径は、
最低直径の1.5倍以上を必要とするため、伝熱管のピ
ッチは70から100mm程度となる。薄板の多孔は、
伝熱管と直交するフィン薄板に設けられ、この孔から吹
き出した空気(もしくはタービン排気蒸気)噴流は、乱
流効果を生じさせ、管外側伝熱特性を大幅に向上させる
ことができる。溝付き薄板は、伝熱管との熱伝導性を高
めるため、溶着材を装着し、電気抵抗による発熱を利用
して溶着することもできる。この効果により薄板と伝熱
管は、広い接触面積を得ることができ、伝熱性能を高め
ることができる。さらに、このLNG気化器は、多数の
U字曲げ部を持つため、その箇所において流れが乱さ
れ、管内の伝熱特性も高めることができる。気化したL
NGは、出口ヘッダに集合される。また過熱部の伝熱管
内にはツイストテープなどと呼ばれる伝熱促進材を装填
することもできる。
【0031】本実施形態によるパーポレートフィン式L
NG気化器1では、本体を保冷ダクト2で覆い、ファン
3により強制吸引した空気を気化器内に流す方式であ
り、LNG側および空気側の伝熱性能を上げるため、以
下の配慮がなされている。 1)パーポレートフィン10を空気の流れに直交させ、
空気流速を高め、またフィン効果で伝熱面積を大幅に増
加させている。 2)LNGの気化を2段階に分け、蒸発部である蒸発用
熱交換器6では小口の径伝熱管17を、過熱部である過
熱用熱交換器7では伝熱促進チューブを挿入した大口径
の伝熱管23を採用している。
【0032】またLNGはLNG入口ヘッダ15から各
伝熱管17に下向きに供給されるため、起動時のカロリ
ー変動が発生しない。
【0033】本発明のパーポレートフィン式LNG気化
器1は、LNGと異なる低温液化ガスの蒸発器として用
いることができ、その際発生する低温空気を冷蔵倉庫や
冷凍食品などにも有効に活用することができる。
【0034】さらに従来のフィン付熱交換器では、フィ
ンピッチが3〜8mmで冷媒にフロン等を用いるため、
フィンの隙間に霜が付き、空気の流動が妨げられ、能力
が低下する問題がある。
【0035】本発明の蒸発用熱交換器6や過熱用熱交換
器7のように、パーポレートフィン10,20をU字伝
熱管17,23の隙間に垂直溝を有する装填方式の熱交
換器では、凝縮した液の排出が容易であり、また伝熱管
17,23から離れた位置では、霜や氷の付着しないゾ
ーンを設計上設けることができるため、連続運転による
着霜着氷の影響を受けにくい特性がある。このため、実
施形態として説明したような低温液化ガスの気化器とし
てばかりではなく、冷媒圧縮式の冷凍機用の蒸発器な
ど、空気などの気体と熱交換するための熱交換器とし
て、種々の分野で利用することができる。
【0036】特に−40℃程度の低温NG(天然ガス)
を冷媒とする空気予冷器では、空気流に対するチューブ
間隔が80〜100mmあり、霜が付着しても長期の連
続運転が可能となる。
【0037】本実施形態のパーポレートフィン式LNG
気化器1は、空気を熱源とする以外に、蒸気タービンか
らの低圧スチームも熱源とすることができる。この場
合、蒸気の凝縮温度を5〜15℃に下げても、着氷によ
る能力低下がわずかであるため、蒸気タービンの出口圧
力を従来の冷却水や海水に頼る方式に比べ、下げること
が可能である。したがって、蒸気タービンの出力を向上
させることができる。
【0038】また、ヘッダ15,16,21,22と伝
熱管17,23等との溶接部を、保冷ダクト2の外に設
けることができ、メンテナンスを極めて簡単に行うこと
ができる。特に、海水や循環水を使わないため、維持管
理が極めて楽となる。
【0039】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、大略的に
水平に流れる気体を熱源として、気体との熱交換によっ
て低温液化ガスを蒸発させる蒸発用熱交換器と、蒸発用
熱交換器の上流側に配置され、蒸発用熱交換器で蒸発し
たガスを過熱する過熱用熱交換器とを、複数の伝熱管の
間隙に複数のパーポレートフィンが挿入され、パーポレ
ートフィンで水分が上下に流れやすくなっている熱交換
器で形成するので、水分を含む気体であっても、熱源と
して有効に使用することができる。外界空気を熱源とし
て使用すれば、冷却された低温の空気を、新たな冷熱源
として利用することができる。蒸気タービンなどの排蒸
気を使用する場合は、効率的に水分として凝縮させる復
水器として利用することができる。
【0040】また本発明によれば、蒸発用熱交換器の複
数の伝熱管は、端部が交互にU字状に連結されて延長距
離が増大した状態で気体と熱交換して、伝熱管内部を流
れる低温液化ガスを効率よく蒸発させることができる。
【0041】また本発明によれば、過熱用熱交換器で
は、上下に隣接して端部がU字状に連結される一対の伝
熱管内で気体と熱交換して、効率よく過熱することがで
きる。
【0042】また本発明によれば、過熱用熱交換器の伝
熱管として、蒸発用熱交換器の伝熱管より大口径のもの
を使用し、蒸発したガスを流して熱交換する際の、圧力
損失を避けることができる。過熱用伝熱管内部には、伝
熱促進材が装填されるので、口径が大きくても伝熱特性
を向上させることができる。
【0043】さらに本発明によれば、気体と熱交換して
気体を低温に冷却しても、気体に含まれる水分による着
霜や着氷が成長しにくく、溶融した水分を下方に除去し
やすい熱交換器をうることができ、水分を含む気体と熱
交換する用途に広く用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態としてのパーポレートフ
ィン式LNG気化器1の概略的な構成を示す簡略化した
側面図である。
【図2】図1のパーポレートフィン式LNG気化器1に
用いるパーポレートフィン10についての展開図、斜視
図および気体の流れを示す平面図である。
【図3】図1の蒸発器用熱交換器6の外観を示す簡略化
した斜視図である。
【図4】図3の蒸発器用熱交換器6でのパーポレートフ
ィン10および伝熱管17の配置を示す簡略化した側面
断面図である。
【図5】図4の一部を拡大して示す側面断面図である。
【図6】図3の蒸発器用熱交換器6の一部を拡大して示
す平面図である。
【図7】図3の蒸発器用熱交換器6の一部を拡大して示
す正面図である。
【図8】図1の過熱器用熱交換器7の外観を示す簡略化
した斜視図である。
【図9】図8の過熱器用熱交換器7の簡略化した正面図
である。
【図10】図8の過熱器用熱交換器7の簡略化した平面
図である。
【符号の説明】
1 パーポレートフィン式LNG気化器 2 保冷ダクト 3 ファン 4 空気入口 5 空気出口 6 蒸発用熱交換器 7 過熱用熱交換器 10,20 パーポレートフィン 11 金属帯 12 貫通孔 13 短辺 14 長辺 15 LNG入口ヘッダ 16,22 NG 出口ヘッダ 17,23 伝熱管 18,24 U曲げ部 21 NG入口ヘッダ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気体を熱源として低温液化ガスを気化さ
    せる低温液化ガス気化器であって、 大略的に水平な該気体の流路に配置され、該気体との熱
    交換によって該低温液化ガスを蒸発させる蒸発用熱交換
    器と、 該気体の流路で該蒸発用熱交換器の上流側に配置され、
    該蒸発用熱交換器で蒸発したガスを過熱する過熱用熱交
    換器とを含み、 該蒸発用熱交換器および該過熱用熱交換器は、 水平面に対して大略的に垂直で相互に平行な複数の仮想
    平面を形成し、該気体の流路に垂直となるように、三次
    元的に配置される複数の伝熱管と、 一定の密度で貫通孔を有する多孔金属帯を、該仮想平面
    の間隔に相当する長さの長辺と、該長辺より短い短辺と
    に、交互にかつ垂直に折曲げてつづら折り状に形成さ
    れ、該仮想平面間に挿入される複数のパーポレートフィ
    ンとを有ることを特徴とする低温液化ガス気化器。
  2. 【請求項2】 前記蒸発用熱交換器で、 前記仮想平面は、前記気体の流路に垂直に配置され、 前記複数の伝熱管は、該仮想平面に垂直で該気体の流路
    に平行な複数の仮想的な平面内で、隣接する伝熱管の端
    部が交互にU字状に連結されて、該気体の流路の上流側
    と下流側との間で連通するようにそれぞれ連なり、 前記低温液化ガスは、該気体の流路の下流側に配置され
    る入口ヘッダから各伝熱管に分岐して流入し、 伝熱管内で蒸発したガスは、該気体の流路の上流側に配
    置される出口ヘッダに集められることを特徴とする請求
    項1記載の低温液化ガス気化器。
  3. 【請求項3】 前記過熱用熱交換器で、 前記仮想平面は、前記気体の流路に垂直に配置され、 前記複数の伝熱管は、該仮想平面内で、隣接する一対の
    伝熱管の端部がU字状に連結され、 前記蒸発したガスは、該気体の流路に平行に配置される
    入口ヘッダから、各仮想平面でU字状に連結されている
    一対の伝熱管のうちの上側の伝熱管に分岐して流入し、 各伝熱管内で蒸発したガスは、該一対の伝熱管のうちの
    下側の伝熱管から、該気体の流路に平行に配置される出
    口ヘッダに集められることを特徴とする請求項1または
    2記載の低温液化ガス気化器。
  4. 【請求項4】 前記過熱用熱交換器の伝熱管は、前記蒸
    発用熱交換器の伝熱管より大口径で、内部に伝熱促進材
    が装填されることを特徴とする請求項1〜3の何れかに
    記載の低温液化ガス気化器。
  5. 【請求項5】 大略的に水平に流れる気体の流路に配置
    され、該気体との熱交換を行う熱交換器であって、 水平面に対して大略的に垂直で相互に平行な複数の仮想
    平面を形成し、該気体の流路に垂直となるように、三次
    元的に配置される複数の伝熱管と、 一定の密度で貫通孔を有する多孔金属帯を、該仮想平面
    の間隔に相当する長さの長辺と、該長辺より短い短辺と
    に、交互にかつ垂直に折曲げてつづら折り状に形成さ
    れ、該仮想平面間に挿入される複数のパーポレートフィ
    ンとを有することを特徴とする熱交換器。
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