JP2001304302A - クラッチ装置 - Google Patents
クラッチ装置Info
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- JP2001304302A JP2001304302A JP2000119052A JP2000119052A JP2001304302A JP 2001304302 A JP2001304302 A JP 2001304302A JP 2000119052 A JP2000119052 A JP 2000119052A JP 2000119052 A JP2000119052 A JP 2000119052A JP 2001304302 A JP2001304302 A JP 2001304302A
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- friction member
- movable
- rotating body
- cam
- clutch device
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- One-Way And Automatic Clutches, And Combinations Of Different Clutches (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】両接触面間の径方向隙間とカム溝の傾斜角度と
の間の関係を利用して両接触面間の噛み込みの防止と動
力伝達効率の向上とを図る。 【解決手段】フランジ8とカムプレート4の両対向面に
おけるカム溝17,18の傾斜角度ηを、第1回転体2
の回転時におけるクラッチハウジング1の接触面1aと
カムプレート4の接触面4aとに所要の径方向隙間Sを
確保可能とする角度と、接触面1aから接触面4aを離
隔するために要する起動トルクを所要以下に抑制可能と
する角度との範囲に規定するにあたり、両接触面の径方
向隙間に対して関係式η=tan-1(S/K)に従って
規定している。ただし、Kは定数である。この関係によ
って両接触面の噛み込み防止と動力伝達効率の向上とを
達成した構造。
の間の関係を利用して両接触面間の噛み込みの防止と動
力伝達効率の向上とを図る。 【解決手段】フランジ8とカムプレート4の両対向面に
おけるカム溝17,18の傾斜角度ηを、第1回転体2
の回転時におけるクラッチハウジング1の接触面1aと
カムプレート4の接触面4aとに所要の径方向隙間Sを
確保可能とする角度と、接触面1aから接触面4aを離
隔するために要する起動トルクを所要以下に抑制可能と
する角度との範囲に規定するにあたり、両接触面の径方
向隙間に対して関係式η=tan-1(S/K)に従って
規定している。ただし、Kは定数である。この関係によ
って両接触面の噛み込み防止と動力伝達効率の向上とを
達成した構造。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クラッチ装置に関
する。このクラッチ装置は、同軸上に対向配設される二
つの回転体の動力伝達間に介装され、かつ第1回転体に
回転動力が入力されたときに両回転体を同期回転可能に
結合する一方、第2回転体に回転動力が入力されたとき
に第2回転体を非回転状態として、第1回転体と分離す
るものである。
する。このクラッチ装置は、同軸上に対向配設される二
つの回転体の動力伝達間に介装され、かつ第1回転体に
回転動力が入力されたときに両回転体を同期回転可能に
結合する一方、第2回転体に回転動力が入力されたとき
に第2回転体を非回転状態として、第1回転体と分離す
るものである。
【0002】
【従来の技術】本願出願人は、以下に述べるこの種のク
ラッチ装置を提案している。
ラッチ装置を提案している。
【0003】すなわち、このクラッチ装置は、第1回転
体に対して軸方向で軸方向変位可能に対向配設され、か
つ、外径面に軸方向一方に拡径する可動接触面を備えた
可動カムプレートと、軸方向一方に向けて拡径する固定
接触面を内径面に有し、この固定接触面が可動カムプレ
ートの軸方向変位によって前記可動接触面と接触または
離隔する位置に固定配置されたクラッチハウジングとを
有する。
体に対して軸方向で軸方向変位可能に対向配設され、か
つ、外径面に軸方向一方に拡径する可動接触面を備えた
可動カムプレートと、軸方向一方に向けて拡径する固定
接触面を内径面に有し、この固定接触面が可動カムプレ
ートの軸方向変位によって前記可動接触面と接触または
離隔する位置に固定配置されたクラッチハウジングとを
有する。
【0004】さらに、このクラッチ装置は、第1回転体
に回転動力が入力さたときに可動カムプレートをクラッ
チハウジングから離隔させて第1回転体と可動カムプレ
ートと第2回転体との三者を一体にして両回転体を同期
回転可能に結合する一方、第2回転体に回転動力が入力
されたときに可動カムプレートをクラッチハウジングに
圧接させて第2回転体と可動カムプレートとクラッチハ
ウジングとの三者を一体にして第2回転体を非回転状態
にするボールカム機構を備えている。
に回転動力が入力さたときに可動カムプレートをクラッ
チハウジングから離隔させて第1回転体と可動カムプレ
ートと第2回転体との三者を一体にして両回転体を同期
回転可能に結合する一方、第2回転体に回転動力が入力
されたときに可動カムプレートをクラッチハウジングに
圧接させて第2回転体と可動カムプレートとクラッチハ
ウジングとの三者を一体にして第2回転体を非回転状態
にするボールカム機構を備えている。
【0005】このようなクラッチ装置におけるボールカ
ム機構は、第1回転体と可動カムプレートとの対向面に
周方向に対し所定の傾斜角を有するカム溝を設け、両カ
ム溝内におけるボールの転動位置により、可動カムプレ
ートを軸方向に変位させてクラッチハウジングと可動カ
ムプレートの両接触面を接触または離隔させるようにな
っている。
ム機構は、第1回転体と可動カムプレートとの対向面に
周方向に対し所定の傾斜角を有するカム溝を設け、両カ
ム溝内におけるボールの転動位置により、可動カムプレ
ートを軸方向に変位させてクラッチハウジングと可動カ
ムプレートの両接触面を接触または離隔させるようにな
っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のクラッチ装置の
場合、カム溝の傾斜角度を大きくして可動カムプレート
の軸方向変位量を大きくとりすぎると、前記両接触面に
噛み込みが発生して可動接触面を固定接触面から離すの
に大きな起動トルクを要する。また、前記噛み込みを防
止するため両カム溝の傾斜角度を小さくして可動カムプ
レートの軸方向変位量をわずかしか確保できなくなる
と、動力伝達における両接触面の離隔が不十分となる結
果、第1回転体から第2回転体への動力伝達効率が低下
する傾向となる。
場合、カム溝の傾斜角度を大きくして可動カムプレート
の軸方向変位量を大きくとりすぎると、前記両接触面に
噛み込みが発生して可動接触面を固定接触面から離すの
に大きな起動トルクを要する。また、前記噛み込みを防
止するため両カム溝の傾斜角度を小さくして可動カムプ
レートの軸方向変位量をわずかしか確保できなくなる
と、動力伝達における両接触面の離隔が不十分となる結
果、第1回転体から第2回転体への動力伝達効率が低下
する傾向となる。
【0007】いずれの場合もカム溝の傾斜角度は、クラ
ッチ性能に影響する。
ッチ性能に影響する。
【0008】また、例えば、径方向隙間を大きくする
と、前記噛み込みの防止は可能となっても、前記第2回
転体の非回転状態を確保しにくくなる。
と、前記噛み込みの防止は可能となっても、前記第2回
転体の非回転状態を確保しにくくなる。
【0009】したがって、径方向隙間もクラッチ性能に
影響する。
影響する。
【0010】そこで本発明者らが鋭意研究を重ねたとこ
ろ、従来のクラッチ装置の場合、前記傾斜角度と径方向
隙間とを無関係に規定しており、そのため両者の要求を
満たしてクラッチ性能を向上させることは容易ではなか
った。
ろ、従来のクラッチ装置の場合、前記傾斜角度と径方向
隙間とを無関係に規定しており、そのため両者の要求を
満たしてクラッチ性能を向上させることは容易ではなか
った。
【0011】本発明者らは、その研究においてカム溝の
傾斜角度と径方向隙間との間に所定の関係があることを
見出し、その関係に従って両者の要求を満たしてクラッ
チ性能を向上させられた発明を完成できるに至った。
傾斜角度と径方向隙間との間に所定の関係があることを
見出し、その関係に従って両者の要求を満たしてクラッ
チ性能を向上させられた発明を完成できるに至った。
【0012】したがって、本発明は、クラッチ装置にお
いて、上記関係を利用して、前記噛み込みの防止、動力
伝達効率の向上、その他のクラッチ性能を効果的に発揮
できるようにすることを解決課題としている。
いて、上記関係を利用して、前記噛み込みの防止、動力
伝達効率の向上、その他のクラッチ性能を効果的に発揮
できるようにすることを解決課題としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のクラッチ装置
は、同軸上に対向配設される二つの回転体の動力伝達間
に介装され、かつ第1回転体に回転動力が入力されたと
きに両回転体を同期回転可能に結合する一方、第2回転
体に回転動力が入力されたときに第2回転体を非回転状
態として第1回転体と分離するクラッチ装置において、
第1回転体に対して軸方向で軸方向変位可能に対向配設
され、軸方向一方に拡径する可動接触面を有した可動摩
擦部材と、軸方向一方に向けて拡径する固定接触面を有
し、この固定接触面が前記可動接触面に対して可動摩擦
部材の軸方向変位によって軸方向に向けて接触または離
隔する位置に固定配置された固定摩擦部材と、第1回転
体に回転動力が入力されたときに可動摩擦部材を固定摩
擦部材から離隔させて第1回転体と可動摩擦部材と第2
回転体との三者を一体にして両回転体を同期回転可能に
結合する一方、第2回転体に回転動力が入力されたとき
に可動摩擦部材を固定摩擦部材に圧接させて第2回転体
と可動摩擦部材と固定摩擦部材との三者を一体にして第
2回転体を非回転状態にするボールカム機構とを含み、
前記ボールカム機構が、第1回転体と可動摩擦部材とに
設けられた一対のカム溝とこれに収納されて当該両カム
溝内を転動することで可動摩擦部材を軸方向に変位させ
るボールとを有しており、前記カム溝の傾斜角度を、第
1回転体の回転時における前記両接触面に所要の径方向
隙間を確保可能とする角度と、固定摩擦部材の接触面か
ら可動摩擦部材の接触面を離隔するために要する起動ト
ルクを所要以下に抑制可能とする角度との範囲に規定す
るにあたり、前記両接触面の径方向隙間に対して次の関
係式(1)に従って規定していることを特徴としてい
る。
は、同軸上に対向配設される二つの回転体の動力伝達間
に介装され、かつ第1回転体に回転動力が入力されたと
きに両回転体を同期回転可能に結合する一方、第2回転
体に回転動力が入力されたときに第2回転体を非回転状
態として第1回転体と分離するクラッチ装置において、
第1回転体に対して軸方向で軸方向変位可能に対向配設
され、軸方向一方に拡径する可動接触面を有した可動摩
擦部材と、軸方向一方に向けて拡径する固定接触面を有
し、この固定接触面が前記可動接触面に対して可動摩擦
部材の軸方向変位によって軸方向に向けて接触または離
隔する位置に固定配置された固定摩擦部材と、第1回転
体に回転動力が入力されたときに可動摩擦部材を固定摩
擦部材から離隔させて第1回転体と可動摩擦部材と第2
回転体との三者を一体にして両回転体を同期回転可能に
結合する一方、第2回転体に回転動力が入力されたとき
に可動摩擦部材を固定摩擦部材に圧接させて第2回転体
と可動摩擦部材と固定摩擦部材との三者を一体にして第
2回転体を非回転状態にするボールカム機構とを含み、
前記ボールカム機構が、第1回転体と可動摩擦部材とに
設けられた一対のカム溝とこれに収納されて当該両カム
溝内を転動することで可動摩擦部材を軸方向に変位させ
るボールとを有しており、前記カム溝の傾斜角度を、第
1回転体の回転時における前記両接触面に所要の径方向
隙間を確保可能とする角度と、固定摩擦部材の接触面か
ら可動摩擦部材の接触面を離隔するために要する起動ト
ルクを所要以下に抑制可能とする角度との範囲に規定す
るにあたり、前記両接触面の径方向隙間に対して次の関
係式(1)に従って規定していることを特徴としてい
る。
【0014】η=tan-1(S/K) …(1) ただし、η:カム溝の傾斜角度 S:前記両接触面の径方向隙間 K:定数 本発明のクラッチ装置によると、前記関係式(1)に従
って、カム溝の傾斜角度ηを適正に規定した場合、接触
面の径方向隙間Sも適正に規定することができ、その結
果、この規定により前記両接触面の噛み込みを抑制して
可動接触面を固定接触面から離すための起動トルクを小
さくできる一方、前記傾斜角度を動力伝達における両接
触面の離隔距離を確保でき、第1回転体から第2回転体
への動力伝達効率を向上させられる結果、所望のクラッ
チ性能を発揮できるものとなる。
って、カム溝の傾斜角度ηを適正に規定した場合、接触
面の径方向隙間Sも適正に規定することができ、その結
果、この規定により前記両接触面の噛み込みを抑制して
可動接触面を固定接触面から離すための起動トルクを小
さくできる一方、前記傾斜角度を動力伝達における両接
触面の離隔距離を確保でき、第1回転体から第2回転体
への動力伝達効率を向上させられる結果、所望のクラッ
チ性能を発揮できるものとなる。
【0015】また、径方向隙間Sが適正に規定されるか
ら、第2回転体を非回転に確実に確保することができ、
クラッチ性能の向上に好ましい。
ら、第2回転体を非回転に確実に確保することができ、
クラッチ性能の向上に好ましい。
【0016】なお、本発明においては、両接触面の接触
角度をθ、カム溝の周方向長さをDc、ボールの直径を
DB、カムストッパ角度をφとして、前記定数Kを、
(Dc−DB・sinφ)・tanθの式で導かれる定
数とすると、この定数に含まれる例えば接触角度θを適
正に規定して両接触面における噛み込みを防止可能とし
ても、よりカム溝の傾斜角度ηをより正確かつ容易に適
正な値に規定することができて好ましい。
角度をθ、カム溝の周方向長さをDc、ボールの直径を
DB、カムストッパ角度をφとして、前記定数Kを、
(Dc−DB・sinφ)・tanθの式で導かれる定
数とすると、この定数に含まれる例えば接触角度θを適
正に規定して両接触面における噛み込みを防止可能とし
ても、よりカム溝の傾斜角度ηをより正確かつ容易に適
正な値に規定することができて好ましい。
【0017】なお、本発明においては、前記傾斜角度を
6〜15度の範囲とすることが、好ましい。
6〜15度の範囲とすることが、好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細を図面に示す
実施形態に基づいて説明する。
実施形態に基づいて説明する。
【0019】図1ないし図6を参照して本発明の実施形
態に係るクラッチ装置について説明する。図1は、動力
遮断状態におけるクラッチ装置の側面断面図、図2は、
動力伝達状態におけるクラッチ装置の側面断面図、図3
は、クラッチ装置の分解斜視図、図4(a)は、図1の
要部拡大図、図4(b)は、図2の要部拡大図である。
また、図5は、図4(a)(b)を合わせて示す図であ
る。この図5では、図4(a)が実線で、図4(b)が
仮想線で示される。図6は、クラッチハウジングとカム
プレートとの要部の部分側面断面を示しカム溝の傾斜角
と両接触面の径方向隙間との関係式の説明に用いるもの
である。
態に係るクラッチ装置について説明する。図1は、動力
遮断状態におけるクラッチ装置の側面断面図、図2は、
動力伝達状態におけるクラッチ装置の側面断面図、図3
は、クラッチ装置の分解斜視図、図4(a)は、図1の
要部拡大図、図4(b)は、図2の要部拡大図である。
また、図5は、図4(a)(b)を合わせて示す図であ
る。この図5では、図4(a)が実線で、図4(b)が
仮想線で示される。図6は、クラッチハウジングとカム
プレートとの要部の部分側面断面を示しカム溝の傾斜角
と両接触面の径方向隙間との関係式の説明に用いるもの
である。
【0020】これらの図において、Aは、クラッチ装置
の全体を示しており、このクラッチ装置Aは、主とし
て、クラッチハウジング1と、第1回転軸2と、第2回
転軸3と、カムプレート4と、スプリングバネ5と、転
がり軸受6と、ボールカム機構7とを備えている。
の全体を示しており、このクラッチ装置Aは、主とし
て、クラッチハウジング1と、第1回転軸2と、第2回
転軸3と、カムプレート4と、スプリングバネ5と、転
がり軸受6と、ボールカム機構7とを備えている。
【0021】クラッチハウジング1は、固定摩擦部材と
して、図外のクラッチ装置取付壁に固定されるととも
に、その内周面の軸方向一方側に軸方向一方に向けて拡
径する固定接触面1aと、軸方向他方側に軸受取り付け
面1bとを備えた筒体構造となっている。
して、図外のクラッチ装置取付壁に固定されるととも
に、その内周面の軸方向一方側に軸方向一方に向けて拡
径する固定接触面1aと、軸方向他方側に軸受取り付け
面1bとを備えた筒体構造となっている。
【0022】第1回転軸2は、モータ等の動力源により
回転駆動されるものであって、外周面に環状のフランジ
8が一体に形成され、また、その軸方向端面に小径軸部
9が形成されている。フランジ8は第1回転軸2の本体
とは別体に構成してもよい。
回転駆動されるものであって、外周面に環状のフランジ
8が一体に形成され、また、その軸方向端面に小径軸部
9が形成されている。フランジ8は第1回転軸2の本体
とは別体に構成してもよい。
【0023】第2回転軸3は、軸方向一方側軸部10が
クラッチハウジング外に延び、軸方向他端側の軸部端面
に形成された軸方向有底穴11に第1回転体2の小径軸
部9が嵌入され、サークリップ12で第1回転軸2に連
結される。
クラッチハウジング外に延び、軸方向他端側の軸部端面
に形成された軸方向有底穴11に第1回転体2の小径軸
部9が嵌入され、サークリップ12で第1回転軸2に連
結される。
【0024】第2回転軸3はまた、外周面にスプライン
歯13が形成され、軸受6を介してクラッチハウジング
1の軸受取り付け面1bに回転可能に支持されている。
歯13が形成され、軸受6を介してクラッチハウジング
1の軸受取り付け面1bに回転可能に支持されている。
【0025】この場合、第2回転軸3の外周面の周溝1
4に止め輪15が固定され、これによって、第2回転軸
3等がクラッチハウジング1から抜け出すのが防止され
ている。
4に止め輪15が固定され、これによって、第2回転軸
3等がクラッチハウジング1から抜け出すのが防止され
ている。
【0026】カムプレート4は、可動摩擦部材として径
方向の外周面が軸方向一方に向けて拡径する可動接触面
4aを有し、クラッチハウジング1の固定接触面1aと
対向するようクラッチハウジング1と同心状に配設され
た環状板構造となっている。
方向の外周面が軸方向一方に向けて拡径する可動接触面
4aを有し、クラッチハウジング1の固定接触面1aと
対向するようクラッチハウジング1と同心状に配設され
た環状板構造となっている。
【0027】カムプレート4はまた、第2回転軸3の嵌
入穴を有し、その嵌入穴内周壁に第2回転軸3の前記ス
プライン歯13に嵌合するスプライン歯16を備え、そ
のスプライン歯13と16との嵌合で第2回転軸3と一
体回転し、かつ、軸方向に変位可能となっている。
入穴を有し、その嵌入穴内周壁に第2回転軸3の前記ス
プライン歯13に嵌合するスプライン歯16を備え、そ
のスプライン歯13と16との嵌合で第2回転軸3と一
体回転し、かつ、軸方向に変位可能となっている。
【0028】ボールカム機構7は、フランジ8と、カム
プレート4と、スプリングバネ5と、ボール19とを少
なくとも構成要素として備える。
プレート4と、スプリングバネ5と、ボール19とを少
なくとも構成要素として備える。
【0029】フランジ8は、ボールカム機構7において
軸方向不動の固定カムプレートとして機能する。
軸方向不動の固定カムプレートとして機能する。
【0030】カムプレート4は、ボールカム機構7にお
いて可動カムプレートとしてフランジ8に対して軸方向
変位可能な状態に同軸状に対向配設される。
いて可動カムプレートとしてフランジ8に対して軸方向
変位可能な状態に同軸状に対向配設される。
【0031】フランジ8とカムプレート4との互いの対
向面に一対のカム溝17,18が振り分けて設けられて
いる。
向面に一対のカム溝17,18が振り分けて設けられて
いる。
【0032】両カム溝17,18それぞれは、周方向中
心17a0,18a0から周方向両側へ向けて深さが浅
くなるすり鉢状斜面17a1,17a2;18a1,1
8a2に形成されている。
心17a0,18a0から周方向両側へ向けて深さが浅
くなるすり鉢状斜面17a1,17a2;18a1,1
8a2に形成されている。
【0033】スプリングバネ5は、カムプレート4をフ
ランジ8側に弾発付勢する付勢部材となる。
ランジ8側に弾発付勢する付勢部材となる。
【0034】ボール19は、両カム溝17,18間に転
動可能に収納される。
動可能に収納される。
【0035】このようなボールカム機構7において、両
カム溝17,18は、周方向中心17a0,18a0で
最深となり、そこでの深さは、ボール19の半径(DB
/2:DBはボール19の直径)より小さい寸法に設定
されている。
カム溝17,18は、周方向中心17a0,18a0で
最深となり、そこでの深さは、ボール19の半径(DB
/2:DBはボール19の直径)より小さい寸法に設定
されている。
【0036】そして、実施形態のボールカム機構7で
は、第1回転軸2の回転に伴うフランジ8とカムプレー
ト4との相対的な回転に伴い、両カム溝17,18の最
も深い位置である周方向中心17a0,18a0にボー
ル19が位置することによりカムプレート4をフランジ
8側に近接させる状態に、また、前記両カム溝17,1
8の最も浅い位置にボール19が位置することによりカ
ムプレート4をフランジ8側から最も離隔させる状態に
なる。
は、第1回転軸2の回転に伴うフランジ8とカムプレー
ト4との相対的な回転に伴い、両カム溝17,18の最
も深い位置である周方向中心17a0,18a0にボー
ル19が位置することによりカムプレート4をフランジ
8側に近接させる状態に、また、前記両カム溝17,1
8の最も浅い位置にボール19が位置することによりカ
ムプレート4をフランジ8側から最も離隔させる状態に
なる。
【0037】上記クラッチ装置Aの動作について説明す
る。
る。
【0038】カムプレート4は、スプリングバネ5で軸
方向他方に付勢され、その接触面4aが、クラッチハウ
ジング1の接触面1aに圧接されているときは、第2回
転軸3は、その回転をロックされて非回転状態となって
いる。この状態では図4(a)で示すように、ボール1
9は、カム溝17,18の軸方向最深の周方向中心17
a0,18a0間に位置しているので、第1回転軸2と
カムプレート4との軸方向離隔距離は最短S2となって
いる。
方向他方に付勢され、その接触面4aが、クラッチハウ
ジング1の接触面1aに圧接されているときは、第2回
転軸3は、その回転をロックされて非回転状態となって
いる。この状態では図4(a)で示すように、ボール1
9は、カム溝17,18の軸方向最深の周方向中心17
a0,18a0間に位置しているので、第1回転軸2と
カムプレート4との軸方向離隔距離は最短S2となって
いる。
【0039】この状態から、第1回転軸2が図外のモー
タ等の動力源で回転駆動される(図4で周方向一方へ移
動される)と、フランジ8とカムプレート4の両対向面
間のカム溝17,18の互いに逆方向のすり鉢状斜面1
7a2、18a2間を図4(a)から図4(b)で示す
ようにボール19が周方向に転動する。このすり鉢状斜
面17a2、18a2においては、図4(a)(b)で
示すように一方のすり鉢状斜面17a2は周方向他方へ
向けて、また他方のすり鉢状斜面18a2は周方向一方
へ向けてそれぞれ深さが浅くなっているので、カムプレ
ート4は、スプリングバネ5に抗して、フランジ8より
軸方向一方に向けて変位(最大軸方向移動量はS1)さ
せられ、これによって、カムプレート4の接触面4a
が、クラッチハウジング1の内周面の接触面1aから離
隔する。この場合、ボール19の中心の軸方向移動量
は、S1/2となる。
タ等の動力源で回転駆動される(図4で周方向一方へ移
動される)と、フランジ8とカムプレート4の両対向面
間のカム溝17,18の互いに逆方向のすり鉢状斜面1
7a2、18a2間を図4(a)から図4(b)で示す
ようにボール19が周方向に転動する。このすり鉢状斜
面17a2、18a2においては、図4(a)(b)で
示すように一方のすり鉢状斜面17a2は周方向他方へ
向けて、また他方のすり鉢状斜面18a2は周方向一方
へ向けてそれぞれ深さが浅くなっているので、カムプレ
ート4は、スプリングバネ5に抗して、フランジ8より
軸方向一方に向けて変位(最大軸方向移動量はS1)さ
せられ、これによって、カムプレート4の接触面4a
が、クラッチハウジング1の内周面の接触面1aから離
隔する。この場合、ボール19の中心の軸方向移動量
は、S1/2となる。
【0040】そして、ボール19が、図4(b)で示す
ようにすり鉢状斜面17a2、18a2の両側間で軸方
向に挟まれた状態になる。このときの第1回転軸2とカ
ムプレート4との軸方向最大離隔距離は、S1+S2と
なる。
ようにすり鉢状斜面17a2、18a2の両側間で軸方
向に挟まれた状態になる。このときの第1回転軸2とカ
ムプレート4との軸方向最大離隔距離は、S1+S2と
なる。
【0041】このようにボール19がすり鉢状斜面17
a2、18a2の両側間で軸方向に挟まれた状態になる
と、カムプレート4は、第1回転軸2の周方向一方の回
転動力Tで、それと同方向に回転し、これとともに、第
2回転軸3も同方向に回転させられて、第1回転軸2の
回転動力Tが伝達されることになる。
a2、18a2の両側間で軸方向に挟まれた状態になる
と、カムプレート4は、第1回転軸2の周方向一方の回
転動力Tで、それと同方向に回転し、これとともに、第
2回転軸3も同方向に回転させられて、第1回転軸2の
回転動力Tが伝達されることになる。
【0042】また、第1回転軸2が、上記と逆方向に回
転駆動された場合は、ボール19は、すり鉢状斜面17
a1、18a1間を転動し、そのすり鉢状斜面17a
1、18a1の両側間で軸方向に挟まれた状態になっ
て、カムプレート4は、第1回転軸2の周方向他方の回
転動力Tで、それと同方向に回転し、これとともに、第
2回転軸3も同方向に回転させられて、第1回転軸2の
回転動力Tが伝達されることになる。
転駆動された場合は、ボール19は、すり鉢状斜面17
a1、18a1間を転動し、そのすり鉢状斜面17a
1、18a1の両側間で軸方向に挟まれた状態になっ
て、カムプレート4は、第1回転軸2の周方向他方の回
転動力Tで、それと同方向に回転し、これとともに、第
2回転軸3も同方向に回転させられて、第1回転軸2の
回転動力Tが伝達されることになる。
【0043】このようにして回転動力Tはいずれの回転
方向にも伝達される。
方向にも伝達される。
【0044】次に、本実施の形態の特徴について説明す
る。すなわち、本実施の形態においては、カム溝17,
18のすり鉢状斜面の傾斜角度ηを、第1回転軸2の回
転時における両接触面1a,4aに所要の径方向隙間S
を確保可能とする角度を下限角度に、またクラッチハウ
ジング1の接触面1aからカムプレート4の接触面4a
を離隔するために要する起動トルクを所要以下に抑制可
能とする角度を上限角度とし、その両角度の範囲に規定
するに当たり、カム溝17,18の傾斜角度ηを前記両
接触面1a,4aの径方向隙間Sに対して次の関係式
(1)で適正に規定する。
る。すなわち、本実施の形態においては、カム溝17,
18のすり鉢状斜面の傾斜角度ηを、第1回転軸2の回
転時における両接触面1a,4aに所要の径方向隙間S
を確保可能とする角度を下限角度に、またクラッチハウ
ジング1の接触面1aからカムプレート4の接触面4a
を離隔するために要する起動トルクを所要以下に抑制可
能とする角度を上限角度とし、その両角度の範囲に規定
するに当たり、カム溝17,18の傾斜角度ηを前記両
接触面1a,4aの径方向隙間Sに対して次の関係式
(1)で適正に規定する。
【0045】η=tan-1(S/K) … (1) ただし、Kは定数である。
【0046】この定数Kは、両接触面の接触角度をθ、
カム溝の周方向外径をDc、ボールの直径をDB、カム
ストッパ角度をφとして、K=(Dc−DB・sin
φ)・tanθの式で導かれる定数である。
カム溝の周方向外径をDc、ボールの直径をDB、カム
ストッパ角度をφとして、K=(Dc−DB・sin
φ)・tanθの式で導かれる定数である。
【0047】ここで、カムストッパ角φとは、例えばボ
ール19がカム溝17,18のすり鉢状斜面17a2と
すり鉢状斜面18a2との間で挟まれた状態において、
すり鉢状斜面18a2の段部aとボール19の中心を通
る軸方向線とのなす角度である。
ール19がカム溝17,18のすり鉢状斜面17a2と
すり鉢状斜面18a2との間で挟まれた状態において、
すり鉢状斜面18a2の段部aとボール19の中心を通
る軸方向線とのなす角度である。
【0048】上記関係式(1)の導き方について説明す
る。
る。
【0049】第1回転軸2の軸方向最大移動量S1は、
図5より明らかであるようにS1=(Dc−DB・si
nφ)・tanηで得られる。
図5より明らかであるようにS1=(Dc−DB・si
nφ)・tanηで得られる。
【0050】また、両接触面1a,4aの径方向隙間S
は、図6で明らかであるようにカムプレート4の軸方向
移動量S1に対するものであるから、S=S1・tan
θで得られる。
は、図6で明らかであるようにカムプレート4の軸方向
移動量S1に対するものであるから、S=S1・tan
θで得られる。
【0051】前記両式から、S=(Dc−DB・sin
φ)・tanη・tanθ=K・tanηが得られ、こ
れを変形して上記式(1)を導くことができる。
φ)・tanη・tanθ=K・tanηが得られ、こ
れを変形して上記式(1)を導くことができる。
【0052】なお、式(1)よりカム溝17,18のす
り鉢状斜面の傾斜角度ηは、6〜15度の範囲が好まし
い。
り鉢状斜面の傾斜角度ηは、6〜15度の範囲が好まし
い。
【0053】この場合、両接触面1a,4aの径方向隙
間Sを、0.15以上に規定する。
間Sを、0.15以上に規定する。
【0054】このような径方向隙間Sとした場合、前記
定数Kにおいて、両接触面1a,4aの噛み込み防止に
は、両接触面1a,4aの接触角度θを3〜15度に規
定することが好ましい。同様に、カム溝17,18に対
するボール19の乗り上げ防止にはカムストッパ角φを
約70度に規定することが好ましい。
定数Kにおいて、両接触面1a,4aの噛み込み防止に
は、両接触面1a,4aの接触角度θを3〜15度に規
定することが好ましい。同様に、カム溝17,18に対
するボール19の乗り上げ防止にはカムストッパ角φを
約70度に規定することが好ましい。
【0055】なお、本発明は、上述の実施形態に限定さ
れるものではなく、種々の応用が変形が可能である。
れるものではなく、種々の応用が変形が可能である。
【0056】(1)なお、上述の実施形態では、第1回
転軸2がスプリングバネ5の反力で第2回転軸3との相
対位置がずれないようにするために、第1回転軸2と第
2回転軸3とはサークリップで一体に結合されていた
が、これを廃止しても構わず、その代わりに、第1回転
軸2をクラッチハウジング1に対して不図示の転がり軸
受を介して回転自在に支持させてもよい。
転軸2がスプリングバネ5の反力で第2回転軸3との相
対位置がずれないようにするために、第1回転軸2と第
2回転軸3とはサークリップで一体に結合されていた
が、これを廃止しても構わず、その代わりに、第1回転
軸2をクラッチハウジング1に対して不図示の転がり軸
受を介して回転自在に支持させてもよい。
【0057】(2)実施形態では、第1回転軸2とカム
プレート4それぞれのすり鉢状斜面は、周方向中心から
周方向両側に設けられているが、これに限定されるもの
ではなく、すり鉢状斜面をカム溝17の周方向一方とこ
れとは逆向きのカム溝18の周方向他方か、あるいはま
た、カム溝18の周方向他方とこれとは逆向きのカム溝
18の周方向一方とに形成するだけでもよい。
プレート4それぞれのすり鉢状斜面は、周方向中心から
周方向両側に設けられているが、これに限定されるもの
ではなく、すり鉢状斜面をカム溝17の周方向一方とこ
れとは逆向きのカム溝18の周方向他方か、あるいはま
た、カム溝18の周方向他方とこれとは逆向きのカム溝
18の周方向一方とに形成するだけでもよい。
【0058】(3)実施形態のクラッチ装置は、例え
ば、無断変速機や、電動パワーステアリング、その他の
機械装置類に応用することができる。
ば、無断変速機や、電動パワーステアリング、その他の
機械装置類に応用することができる。
【0059】
【発明の効果】以上のように本発明によると、カム溝の
傾斜角度を、第1回転体の回転時における前記両接触面
に所要の径方向隙間を確保可能とする角度と、固定摩擦
部材の接触面から可動摩擦部材の接触面を離隔するため
に要する起動トルクを所要以下に抑制可能とする角度と
の範囲に規定するにあたり、前記両接触面の径方向隙間
に対して次の関係式(1)に従って規定している。
傾斜角度を、第1回転体の回転時における前記両接触面
に所要の径方向隙間を確保可能とする角度と、固定摩擦
部材の接触面から可動摩擦部材の接触面を離隔するため
に要する起動トルクを所要以下に抑制可能とする角度と
の範囲に規定するにあたり、前記両接触面の径方向隙間
に対して次の関係式(1)に従って規定している。
【0060】η=tan-1(S/K) …(1)、ただ
し、η:カム溝の傾斜角度、S:前記両接触面の径方向
隙間、K:定数である。
し、η:カム溝の傾斜角度、S:前記両接触面の径方向
隙間、K:定数である。
【0061】そのため、本発明によると、前記関係式
(1)に従って、接触面の径方向隙間Sを適正な隙間に
規定することで、カム溝の傾斜角度ηを適正に規定する
ことができ、その結果、第1回転体と可動カムプレート
の両カム溝の傾斜角度を前記両接触面に噛み込みを抑制
して可動接触面を固定接触面から離すための起動トルク
を小さくできる一方、前記傾斜角度を動力伝達における
両接触面の離隔距離を確保でき、第1回転体から第2回
転体への動力伝達効率を向上させられるなど、所望のク
ラッチ性能を発揮できるものとなる。
(1)に従って、接触面の径方向隙間Sを適正な隙間に
規定することで、カム溝の傾斜角度ηを適正に規定する
ことができ、その結果、第1回転体と可動カムプレート
の両カム溝の傾斜角度を前記両接触面に噛み込みを抑制
して可動接触面を固定接触面から離すための起動トルク
を小さくできる一方、前記傾斜角度を動力伝達における
両接触面の離隔距離を確保でき、第1回転体から第2回
転体への動力伝達効率を向上させられるなど、所望のク
ラッチ性能を発揮できるものとなる。
【図1】動力非伝達状態にある本発明の実施形態1のク
ラッチ装置の側面断面図
ラッチ装置の側面断面図
【図2】動力伝達状態にある本発明の実施形態1のクラ
ッチ装置の側面断面図
ッチ装置の側面断面図
【図3】クラッチ装置の分解斜視図
【図4】(a)図1の要部拡大図、(b)図2の要部拡
大図
大図
【図5】図4(a)(b)を合わせて示す図
【図6】カム溝の傾斜角と両接触面の径方向隙間との関
係式の説明に用いるものでクラッチハウジングとカムプ
レートとの要部の部分側面断面図
係式の説明に用いるものでクラッチハウジングとカムプ
レートとの要部の部分側面断面図
1 クラッチハウジング 2 第1回転軸 3 第2回転軸 4 カムプレート(可動カムプレート) 5 スプリングバネ 7 ボールカム機構 8 フランジ(固定カムプレート) 17,18 カム溝
フロントページの続き (72)発明者 嶋 孝爾 大阪市中央区南船場三丁目5番8号 光洋 精工株式会社内 Fターム(参考) 3J056 AA33 AA38 AA43 AA53 BA04 BB15 BB21 GA12 3J068 AA07 BA02 CB03 EE05 GA07 GA11
Claims (3)
- 【請求項1】同軸上に対向配設される二つの回転体の動
力伝達間に介装され、かつ第1回転体に回転動力が入力
されたときに両回転体を同期回転可能に結合する一方、
第2回転体に回転動力が入力されたときに第2回転体を
非回転状態として第1回転体と分離するクラッチ装置に
おいて、 第1回転体に対して軸方向で軸方向変位可能に対向配設
され、軸方向一方に拡径する可動接触面を有した可動摩
擦部材と、 軸方向一方に向けて拡径する固定接触面を有し、この固
定接触面が前記可動接触面に対して可動摩擦部材の軸方
向変位によって軸方向に向けて接触または離隔する位置
に固定配置された固定摩擦部材と、 第1回転体に回転動力が入力されたときに可動摩擦部材
を固定摩擦部材から離隔させて第1回転体と可動摩擦部
材と第2回転体との三者を一体にして両回転体を同期回
転可能に結合する一方、第2回転体に回転動力が入力さ
れたときに可動摩擦部材を固定摩擦部材に圧接させて第
2回転体と可動摩擦部材と固定摩擦部材との三者を一体
にして第2回転体を非回転状態にするボールカム機構
と、 を含み、 前記ボールカム機構が、第1回転体と可動摩擦部材とに
設けられた一対のカム溝とこれに収納されて当該両カム
溝内を転動することで可動摩擦部材を軸方向に変位させ
るボールとを有しており、 前記カム溝の傾斜角度を、第1回転体の回転時における
前記両接触面に所要の径方向隙間を確保可能とする角度
と、固定摩擦部材の接触面から可動摩擦部材の接触面を
離隔するために要する起動トルクを所要以下に抑制可能
とする角度との範囲に規定するにあたり、前記両接触面
の径方向隙間に対して次の関係式(1)に従って規定し
ている、ことを特徴とするクラッチ装置。 η=tan-1(S/K) …(1) ただし、η:カム溝の傾斜角度 S:前記両接触面の径方向隙間 K:定数 - 【請求項2】請求項1のクラッチ装置において、 前記定数Kが、(Dc−DB・sinφ)・tanθの
式で導かれる定数である、ことを特徴とするクラッチ装
置。 ただし、Dc:カム溝の周方向長さ DB :ボールの直径 φ :カムストッパ角度 θ :前記両接触面の接触角度 - 【請求項3】請求項1のクラッチ装置において、 前記カム溝の傾斜角度を、6〜15度の範囲に規定して
いる、ことを特徴とするクラッチ装置。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000119052A JP2001304302A (ja) | 2000-04-20 | 2000-04-20 | クラッチ装置 |
US09/868,027 US6464061B1 (en) | 1999-10-14 | 2000-10-13 | Clutch device |
EP00966494A EP1143162B1 (en) | 1999-10-14 | 2000-10-13 | Clutch device |
PCT/JP2000/007144 WO2001027486A1 (fr) | 1999-10-14 | 2000-10-13 | Dispositif d'embrayage |
DE60038665T DE60038665T2 (de) | 1999-10-14 | 2000-10-13 | Kupplung |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000119052A JP2001304302A (ja) | 2000-04-20 | 2000-04-20 | クラッチ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001304302A true JP2001304302A (ja) | 2001-10-31 |
Family
ID=18630098
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000119052A Pending JP2001304302A (ja) | 1999-10-14 | 2000-04-20 | クラッチ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001304302A (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS394885Y1 (ja) * | 1961-08-01 | 1964-02-26 | ||
JPS4867186U (ja) * | 1971-12-06 | 1973-08-25 | ||
JPS54151776A (en) * | 1978-04-26 | 1979-11-29 | Sundstrand Corp | No back brake torque regulator |
JPH07279992A (ja) * | 1994-04-07 | 1995-10-27 | Toyota Motor Corp | 自動変速機のクラッチ装置 |
-
2000
- 2000-04-20 JP JP2000119052A patent/JP2001304302A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS394885Y1 (ja) * | 1961-08-01 | 1964-02-26 | ||
JPS4867186U (ja) * | 1971-12-06 | 1973-08-25 | ||
JPS54151776A (en) * | 1978-04-26 | 1979-11-29 | Sundstrand Corp | No back brake torque regulator |
JPH07279992A (ja) * | 1994-04-07 | 1995-10-27 | Toyota Motor Corp | 自動変速機のクラッチ装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060516 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060718 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20061107 |