JP2001303520A - セグメント吊装置 - Google Patents
セグメント吊装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 セグメント接続時におけるセグメントのバラ
ンス調整を比較的短時間で行うことができ、工期短縮化
を可能とするセグメント吊装置の提供を課題とする。 【解決手段】 セグメントｓを順次継ぎ足すことで橋を
架設していくプレキャストセグメント工法で、セグメン
トｓの吊り下げに用いるセグメント吊装置１であって、
セグメントｓを吊り下げた状態でその重心位置を調整す
るための重心位置調整機構４を備えた構成を採用した。
ンス調整を比較的短時間で行うことができ、工期短縮化
を可能とするセグメント吊装置の提供を課題とする。 【解決手段】 セグメントｓを順次継ぎ足すことで橋を
架設していくプレキャストセグメント工法で、セグメン
トｓの吊り下げに用いるセグメント吊装置１であって、
セグメントｓを吊り下げた状態でその重心位置を調整す
るための重心位置調整機構４を備えた構成を採用した。
Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、セグメントを順次
継ぎ足すことで橋を架設していくプレキャストセグメン
ト工法において、前記セグメントの吊り下げに用いて好
適なセグメント吊装置に関するものである。 【０００２】 【従来の技術】プレキャストセグメントを端から順次継
ぎ足していくことで橋を架設するプレキャストセグメン
ト工法においては、セグメント供給場所で受け取った前
記セグメントを吊り下げるとともに、これを継ぎ足し位
置まで搬送移動するセグメント吊装置が用いられてい
る。そして、このセグメント吊装置で搬送されたセグメ
ントは、その接合面を、前記継ぎ足し位置の接合面に対
して接合される。接合後のセグメントから切り離された
セグメント吊装置は、再びセグメント供給場所へと戻さ
れた後、次のセグメントの搬送作業を行う。このように
して多数のセグメントを搬送して継ぎ足す工程を繰り返
すことで、橋の架設が行われる。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来のセグメント吊装置においては、継ぎ足し位置に搬送
したセグメントをその接合面において接合する際に、先
に継ぎ足されたセグメントに対する微妙な位置合わせが
必要となるので、この微調整に際してセグメントのバラ
ンス調整に要する作業時間がかかりやすく、工期短縮化
におけるネックとなる問題を有していた。この問題は、
接続するセグメント数が多くなるほど顕著となってい
た。 【０００４】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であって、セグメント接続時におけるセグメントのバラ
ンス調整を比較的短時間で行うことができ、工期短縮化
を可能とするセグメント吊装置の提供を目的とする。 【０００５】 【課題を解決するための手段】本発明のセグメント吊装
置は、上記課題を解決するために以下の手段を採用し
た。すなわち、請求項１記載のセグメント吊装置は、セ
グメントを順次継ぎ足して橋を架設していくプレキャス
トセグメント工法で、前記セグメントの吊り下げに用い
る吊装置であって、前記セグメントを吊り下げた状態で
その重心位置を調整するための重心位置調整機構が備え
られていることを特徴とする。上記請求項１記載のセグ
メント吊装置によれば、セグメントを保持したまま、先
に接続されたセグメント位置（継ぎ足し位置）までこれ
を搬送した後、保持しているセグメントの重心位置を重
心位置調整機構によって微調整することで、これらの接
合面間の相対位置を正確かつ短時間に合わせることがで
きる。 【０００６】請求項２記載のセグメント吊装置は、請求
項１記載のセグメント吊装置において、前記セグメント
を保持する吊梁部と、該吊梁部を支持する支持部とを備
え、前記重心位置調整機構が、前記吊梁部に対する前記
支持部の水平相対位置を調整するスライドジャッキであ
ることを特徴とする。上記請求項２記載のセグメント吊
装置によれば、セグメントを保持した吊梁部に対する支
持部の水平位置を調整することで、セグメントを吊り下
げた吊梁部の重心位置を容易に調整することができる。 【０００７】 【発明の実施の形態】以下、本発明のセグメント吊装置
は、セグメントを順次継ぎ足すことで橋を架設していく
プレキャストセグメント工法において、セグメントの吊
り下げに用いる吊装置であり、その一実施形態について
の説明を、図面を参照しながら行うが、本発明がこれに
限定解釈されるものでないことは勿論である。なお、図
１は、本発明のセグメント吊装置の一実施形態を示す正
面図である。また、図２は、同実施形態のセグメント吊
装置を図１のＡ−Ａ線側から見た側面図である。また、
図３は、同実施形態のセグメント吊装置でセグメントを
吊り下げた状態を示す正面図である。また、図４は、同
実施形態のセグメント吊装置を用いたセグメント接続作
業を示す図である。 【０００８】図１及び図２に示すように、本実施形態の
セグメント吊装置１は、セグメントｓを保持する吊梁部
２と、該吊梁部２を支持する支持部３と、セグメントｓ
を吊り下げた状態でその重心位置を調整するための重心
位置調整機構４とを備えた概略構成となっている。そし
て、このセグメント吊装置１は、架設される橋の上方に
設置されたレールに沿って走行可能な移動台車（以上、
図示せず）より吊り下げられたワイヤー５の最下端に取
り付けられているフック６によって吊り下げられてい
る。前記移動台車には、ワイヤー５の巻き上げ・巻き下
げを行うための電動ウインチ（図示せず）が備えられて
おり、セグメント吊装置１の昇降動作が可能となってい
る。 【０００９】前記吊梁部２は、鉄骨構造体であり、正面
視して左右に長い概略への字形状を有してかつ前記支持
部３が長手方向中央位置に固定される吊梁部本体２ａ
と、該吊梁部本体２ａの長手方向両端上部に、平面視し
た場合に吊梁部本体２ａに対して交差した状態で支持さ
れた一対の荷受け梁２ｂと、これら荷受け梁２ｂそれぞ
れの両端上に固定されて、セグメントｓを貫通するシャ
フト２ｃを有するセンターホールジャッキ２ｄとを備え
ている。 【００１０】そして、各荷受け梁２ｂは、吊梁部本体２
ａの長手方向に沿ってスライド移動可能であり、それぞ
れの間のピッチ間隔寸法ｐ１が調整可能となっている。
すなわち、各シャフト２ｃは、吊梁部本体２ａの長手方
向において互いに接近離間可能であり、これらのピッチ
間隔寸法ｐ１が調整可能となっている。したがって、保
持するセグメントｓの大きさに応じて最適なピッチ間隔
寸法ｐ１が得られるようになっている。さらに、これら
荷受け梁２ｂの前記スライド移動は、それぞれ独立して
行うことも可能となっている。したがって、これらのシ
ャフト２ｃも、吊梁部本体２ａの長手方向中央位置ＣＬ
からの距離Ｌ１，Ｌ２がそれぞれ独立して調整可能とな
っている。したがって、例えば重心位置の偏ったセグメ
ントｓを保持する場合には、距離Ｌ１，Ｌ２をそれぞれ
調整することで、概ねのバランス調整が可能となってい
る。 【００１１】また、各荷受け梁２ｂは、それぞれの第１
スライドジャッキ２ｅによって吊梁部本体２ａの長手方
向に交差する方向にスライド移動することも可能となっ
ている。これにより、各シャフト２ｃも、荷受け梁２ｂ
のスライド移動とともに前記交差方向に水平移動可能と
なっている。したがって、セグメントｓを保持した状態
で、前記交差方向（図２の紙面左右方向）のバランス調
整を要する場合には、第１スライドジャッキ２ｅによっ
て各荷受け梁２ｂを吊梁部本体２ａに対してその交差方
向に移動させることで、吊梁部本体２ａの中心位置ＣＬ
から各シャフト２ｃまでの距離Ｌ３，Ｌ４が調整でき、
バランス調整を行うことが可能である。 【００１２】なお、このセグメント吊装置１によるセグ
メントｓの保持は、予めセグメントｓに形成しておいた
複数の貫通孔ｈ内に、各シャフト２ｃをそれぞれ挿通固
定した後、前記各センターホールジャッキ２ｄによって
各シャフト２ｃを上昇させることで、図３に示すように
保持するようになっている。このとき、図２に示すよう
に、各荷受け梁２ｂとセグメントｓの上面との間の空間
には、木材等のスペーサｓｐを挟み込んでおくことが好
ましい。 【００１３】前記支持部３は、吊梁部本体２ａの長手方
向中央部分に、図１に示す正面視して左右方向（吊梁部
本体２ａの長手方向）にスライド移動可能に設けられた
支持部本体３ａと、該支持部本体３ａの上端に一体に固
定され、前記フック６を引っかけるためのフック吊り具
３ｂと、支持部本体３ａを前記左右方向にスライド移動
させる第２スライドジャッキ３ｃとを備えた構成となっ
ている。なお、本実施形態で言う前記重心位置調整機構
４は、前記第１スライドジャッキ２ｅと第２スライドジ
ャッキ３ｃとを示すものであり、吊梁部２に対する支持
部３の水平相対位置を調整可能となっている。すなわ
ち、これら第１及び第２スライドジャッキ２ｅ，３ｃに
よって、セグメント吊装置１における支持部３ｂの位置
（フック吊り具３ｂの位置）を前記長手方向及び前記交
差方向に移動でき、セグメントｓを吊り下げた状態での
バランス調整（重心位置調整）が可能となっている。 【００１４】以上説明のセグメント吊装置１によるセグ
メントｓの継ぎ足し工程について、以下に説明を行う。
まず、セグメント吊装置１を、セグメントｓが供給され
るセグメント供給場所（図示せず）まで移動させる。す
なわち、前記レールに沿って前記移動台車を走行させる
ことで、この移動台車にワイヤー５下端のフック６に吊
り下げられているセグメント吊装置１を、前記セグメン
ト供給場所へと水平移動させる。続いて、前記電動ウイ
ンチを起動させてワイヤー５を巻き下げることで、セグ
メント吊装置１を、待機しているセグメントｓの上部に
載置する。このとき、吊り上げを行うセグメントｓに応
じて各シャフト２ｃの前記各距離Ｌ１〜Ｌ４を調整し、
全てのシャフト２ｃをそれぞれセグメントｓの各貫通孔
ｈ内に挿通させる。そして、各シャフト２ｃをセグメン
トｓに完全に固定した後、前記各センターホールジャッ
キ２ｄによって各シャフト２ｃを上昇させることで、図
３に示す保持状態とする。 【００１５】続いて、前記電動ウインチを起動させて少
しだけセグメントｓをセグメント吊装置１とともに巻き
上げ、地上から浮かせた状態とする。この状態で、セグ
メントｓの上面が水平をなすように前記重心調整機構４
によるバランス調整を行う。すなわち、各第１スライド
ジャッキ２ｅによって吊梁部本体２ａの中心位置ＣＬか
ら各シャフト２ｃまでの距離Ｌ３，Ｌ４を調整すること
で、前記交差方向のバランス調整を行うとともに、第２
スライドジャッキ３ｃによって支持部本体３ａから各シ
ャフト２ｃまでの距離Ｌ１，Ｌ２を調整することで、前
記長手方向のバランス調整を行う。このように重心調整
機構４によって、セグメント吊装置１における支持部３
ｂの位置（フック吊り具３ｂの位置）を前記長手方向及
び前記交差方向に移動させることで、セグメントｓを吊
り下げた状態での水平バランス調整（重心位置調整）が
行われる。 【００１６】続いて、図４に示すように、水平バランス
が取れた状態のセグメントｓを前記ウインチの巻き上げ
によって上昇させて高さ調整行った後、その接合面ｆ
を、前に接続されたセグメントｓ’の接合面ｆ’に向か
って少しづつ接近させる。そして、これら接合面ｆ，
ｆ’が接合する前に、各第１スライドジャッキ２ｅ及び
第２スライドジャッキ３ｃを動作させることで、セグメ
ントｓを吊り下げた状態での水平バランスの微調整を再
び行う。このようにしてセグメントｓ，ｓ’間での相対
的な水平バランスを合致させた後、これらの接合面ｆ，
ｆ’においてセグメントｓをセグメントｓ’に仮接合さ
せる。そして、両セグメントｓ，ｓ’間に主鋼棒（図示
せず）を通すなどの接続作業を行って接合を完了させた
後、セグメントｓからセグメント吊装置１を切り離し、
次のセグメントの接合作業へと移る。以上説明のように
全てのセグメントを端から順次継ぎ足していくことで、
橋の架設が行われる。 【００１７】本実施形態のセグメント吊装置１は、セグ
メントｓを吊り下げた状態でその重心位置を調整するた
めの重心位置調整機構４を備えた構成を採用した。この
構成によれば、セグメントｓを吊り下げた状態で、重心
位置を微調整することで、これが保持しているセグメン
トｓの、先に接続されたセグメントｓ’に対する相対的
な水平バランス調整を、直に作業者の人手で行う場合に
比較して容易かつ短時間で成し得るので、工期短縮化が
可能となる。 【００１８】また、本実施形態のセグメント吊装置１
は、セグメントｓを保持する吊梁部２と、該吊梁部２を
支持する支持部３とを備え、重心位置調整機構４が、吊
梁部２に対する支持部３の水平相対位置を調整するスラ
イドジャッキである構成を採用した。この構成によれ
ば、セグメントｓを保持した吊梁部２に対する支持部３
の水平位置を調整することで、容易にセグメントｓを吊
り下げた吊梁部２の重心位置を調整することが可能とな
る。 【００１９】なお、前記第１スライドジャッキ２ｅ及び
第２スライドジャッキ３ｃとしては、油圧駆動や電動の
ものなどが採用可能であり、これらを遠隔操作すること
によってセグメントｓの水平バランスを調整することが
好ましい。 【００２０】 【発明の効果】本発明の請求項１記載のセグメント吊装
置は、セグメントを吊り下げた状態でその重心位置を調
整するための重心位置調整機構を備えた構成を採用し
た。この構成によれば、セグメントを吊り下げた状態
で、重心位置調整機構により重心位置を微調整すること
で、これが保持しているセグメントの、先に接続された
セグメントに対する水平バランス調整を、作業者の人手
で行う場合に比較して容易かつ短時間で成し得るので、
工期短縮化が可能となる。 【００２１】また、請求項２記載のセグメント吊装置
は、セグメントを保持する吊梁部と、該吊梁部を支持す
る支持部とを備え、重心位置調整機構が、吊梁部に対す
る支持部の水平相対位置を調整するスライドジャッキで
ある構成を採用した。この構成によれば、セグメントを
保持した吊梁部に対する、支持部の水平位置を調整する
ことで、容易にセグメントを吊り下げた吊梁部の重心位
置を調整することが可能となる。
継ぎ足すことで橋を架設していくプレキャストセグメン
ト工法において、前記セグメントの吊り下げに用いて好
適なセグメント吊装置に関するものである。 【０００２】 【従来の技術】プレキャストセグメントを端から順次継
ぎ足していくことで橋を架設するプレキャストセグメン
ト工法においては、セグメント供給場所で受け取った前
記セグメントを吊り下げるとともに、これを継ぎ足し位
置まで搬送移動するセグメント吊装置が用いられてい
る。そして、このセグメント吊装置で搬送されたセグメ
ントは、その接合面を、前記継ぎ足し位置の接合面に対
して接合される。接合後のセグメントから切り離された
セグメント吊装置は、再びセグメント供給場所へと戻さ
れた後、次のセグメントの搬送作業を行う。このように
して多数のセグメントを搬送して継ぎ足す工程を繰り返
すことで、橋の架設が行われる。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来のセグメント吊装置においては、継ぎ足し位置に搬送
したセグメントをその接合面において接合する際に、先
に継ぎ足されたセグメントに対する微妙な位置合わせが
必要となるので、この微調整に際してセグメントのバラ
ンス調整に要する作業時間がかかりやすく、工期短縮化
におけるネックとなる問題を有していた。この問題は、
接続するセグメント数が多くなるほど顕著となってい
た。 【０００４】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であって、セグメント接続時におけるセグメントのバラ
ンス調整を比較的短時間で行うことができ、工期短縮化
を可能とするセグメント吊装置の提供を目的とする。 【０００５】 【課題を解決するための手段】本発明のセグメント吊装
置は、上記課題を解決するために以下の手段を採用し
た。すなわち、請求項１記載のセグメント吊装置は、セ
グメントを順次継ぎ足して橋を架設していくプレキャス
トセグメント工法で、前記セグメントの吊り下げに用い
る吊装置であって、前記セグメントを吊り下げた状態で
その重心位置を調整するための重心位置調整機構が備え
られていることを特徴とする。上記請求項１記載のセグ
メント吊装置によれば、セグメントを保持したまま、先
に接続されたセグメント位置（継ぎ足し位置）までこれ
を搬送した後、保持しているセグメントの重心位置を重
心位置調整機構によって微調整することで、これらの接
合面間の相対位置を正確かつ短時間に合わせることがで
きる。 【０００６】請求項２記載のセグメント吊装置は、請求
項１記載のセグメント吊装置において、前記セグメント
を保持する吊梁部と、該吊梁部を支持する支持部とを備
え、前記重心位置調整機構が、前記吊梁部に対する前記
支持部の水平相対位置を調整するスライドジャッキであ
ることを特徴とする。上記請求項２記載のセグメント吊
装置によれば、セグメントを保持した吊梁部に対する支
持部の水平位置を調整することで、セグメントを吊り下
げた吊梁部の重心位置を容易に調整することができる。 【０００７】 【発明の実施の形態】以下、本発明のセグメント吊装置
は、セグメントを順次継ぎ足すことで橋を架設していく
プレキャストセグメント工法において、セグメントの吊
り下げに用いる吊装置であり、その一実施形態について
の説明を、図面を参照しながら行うが、本発明がこれに
限定解釈されるものでないことは勿論である。なお、図
１は、本発明のセグメント吊装置の一実施形態を示す正
面図である。また、図２は、同実施形態のセグメント吊
装置を図１のＡ−Ａ線側から見た側面図である。また、
図３は、同実施形態のセグメント吊装置でセグメントを
吊り下げた状態を示す正面図である。また、図４は、同
実施形態のセグメント吊装置を用いたセグメント接続作
業を示す図である。 【０００８】図１及び図２に示すように、本実施形態の
セグメント吊装置１は、セグメントｓを保持する吊梁部
２と、該吊梁部２を支持する支持部３と、セグメントｓ
を吊り下げた状態でその重心位置を調整するための重心
位置調整機構４とを備えた概略構成となっている。そし
て、このセグメント吊装置１は、架設される橋の上方に
設置されたレールに沿って走行可能な移動台車（以上、
図示せず）より吊り下げられたワイヤー５の最下端に取
り付けられているフック６によって吊り下げられてい
る。前記移動台車には、ワイヤー５の巻き上げ・巻き下
げを行うための電動ウインチ（図示せず）が備えられて
おり、セグメント吊装置１の昇降動作が可能となってい
る。 【０００９】前記吊梁部２は、鉄骨構造体であり、正面
視して左右に長い概略への字形状を有してかつ前記支持
部３が長手方向中央位置に固定される吊梁部本体２ａ
と、該吊梁部本体２ａの長手方向両端上部に、平面視し
た場合に吊梁部本体２ａに対して交差した状態で支持さ
れた一対の荷受け梁２ｂと、これら荷受け梁２ｂそれぞ
れの両端上に固定されて、セグメントｓを貫通するシャ
フト２ｃを有するセンターホールジャッキ２ｄとを備え
ている。 【００１０】そして、各荷受け梁２ｂは、吊梁部本体２
ａの長手方向に沿ってスライド移動可能であり、それぞ
れの間のピッチ間隔寸法ｐ１が調整可能となっている。
すなわち、各シャフト２ｃは、吊梁部本体２ａの長手方
向において互いに接近離間可能であり、これらのピッチ
間隔寸法ｐ１が調整可能となっている。したがって、保
持するセグメントｓの大きさに応じて最適なピッチ間隔
寸法ｐ１が得られるようになっている。さらに、これら
荷受け梁２ｂの前記スライド移動は、それぞれ独立して
行うことも可能となっている。したがって、これらのシ
ャフト２ｃも、吊梁部本体２ａの長手方向中央位置ＣＬ
からの距離Ｌ１，Ｌ２がそれぞれ独立して調整可能とな
っている。したがって、例えば重心位置の偏ったセグメ
ントｓを保持する場合には、距離Ｌ１，Ｌ２をそれぞれ
調整することで、概ねのバランス調整が可能となってい
る。 【００１１】また、各荷受け梁２ｂは、それぞれの第１
スライドジャッキ２ｅによって吊梁部本体２ａの長手方
向に交差する方向にスライド移動することも可能となっ
ている。これにより、各シャフト２ｃも、荷受け梁２ｂ
のスライド移動とともに前記交差方向に水平移動可能と
なっている。したがって、セグメントｓを保持した状態
で、前記交差方向（図２の紙面左右方向）のバランス調
整を要する場合には、第１スライドジャッキ２ｅによっ
て各荷受け梁２ｂを吊梁部本体２ａに対してその交差方
向に移動させることで、吊梁部本体２ａの中心位置ＣＬ
から各シャフト２ｃまでの距離Ｌ３，Ｌ４が調整でき、
バランス調整を行うことが可能である。 【００１２】なお、このセグメント吊装置１によるセグ
メントｓの保持は、予めセグメントｓに形成しておいた
複数の貫通孔ｈ内に、各シャフト２ｃをそれぞれ挿通固
定した後、前記各センターホールジャッキ２ｄによって
各シャフト２ｃを上昇させることで、図３に示すように
保持するようになっている。このとき、図２に示すよう
に、各荷受け梁２ｂとセグメントｓの上面との間の空間
には、木材等のスペーサｓｐを挟み込んでおくことが好
ましい。 【００１３】前記支持部３は、吊梁部本体２ａの長手方
向中央部分に、図１に示す正面視して左右方向（吊梁部
本体２ａの長手方向）にスライド移動可能に設けられた
支持部本体３ａと、該支持部本体３ａの上端に一体に固
定され、前記フック６を引っかけるためのフック吊り具
３ｂと、支持部本体３ａを前記左右方向にスライド移動
させる第２スライドジャッキ３ｃとを備えた構成となっ
ている。なお、本実施形態で言う前記重心位置調整機構
４は、前記第１スライドジャッキ２ｅと第２スライドジ
ャッキ３ｃとを示すものであり、吊梁部２に対する支持
部３の水平相対位置を調整可能となっている。すなわ
ち、これら第１及び第２スライドジャッキ２ｅ，３ｃに
よって、セグメント吊装置１における支持部３ｂの位置
（フック吊り具３ｂの位置）を前記長手方向及び前記交
差方向に移動でき、セグメントｓを吊り下げた状態での
バランス調整（重心位置調整）が可能となっている。 【００１４】以上説明のセグメント吊装置１によるセグ
メントｓの継ぎ足し工程について、以下に説明を行う。
まず、セグメント吊装置１を、セグメントｓが供給され
るセグメント供給場所（図示せず）まで移動させる。す
なわち、前記レールに沿って前記移動台車を走行させる
ことで、この移動台車にワイヤー５下端のフック６に吊
り下げられているセグメント吊装置１を、前記セグメン
ト供給場所へと水平移動させる。続いて、前記電動ウイ
ンチを起動させてワイヤー５を巻き下げることで、セグ
メント吊装置１を、待機しているセグメントｓの上部に
載置する。このとき、吊り上げを行うセグメントｓに応
じて各シャフト２ｃの前記各距離Ｌ１〜Ｌ４を調整し、
全てのシャフト２ｃをそれぞれセグメントｓの各貫通孔
ｈ内に挿通させる。そして、各シャフト２ｃをセグメン
トｓに完全に固定した後、前記各センターホールジャッ
キ２ｄによって各シャフト２ｃを上昇させることで、図
３に示す保持状態とする。 【００１５】続いて、前記電動ウインチを起動させて少
しだけセグメントｓをセグメント吊装置１とともに巻き
上げ、地上から浮かせた状態とする。この状態で、セグ
メントｓの上面が水平をなすように前記重心調整機構４
によるバランス調整を行う。すなわち、各第１スライド
ジャッキ２ｅによって吊梁部本体２ａの中心位置ＣＬか
ら各シャフト２ｃまでの距離Ｌ３，Ｌ４を調整すること
で、前記交差方向のバランス調整を行うとともに、第２
スライドジャッキ３ｃによって支持部本体３ａから各シ
ャフト２ｃまでの距離Ｌ１，Ｌ２を調整することで、前
記長手方向のバランス調整を行う。このように重心調整
機構４によって、セグメント吊装置１における支持部３
ｂの位置（フック吊り具３ｂの位置）を前記長手方向及
び前記交差方向に移動させることで、セグメントｓを吊
り下げた状態での水平バランス調整（重心位置調整）が
行われる。 【００１６】続いて、図４に示すように、水平バランス
が取れた状態のセグメントｓを前記ウインチの巻き上げ
によって上昇させて高さ調整行った後、その接合面ｆ
を、前に接続されたセグメントｓ’の接合面ｆ’に向か
って少しづつ接近させる。そして、これら接合面ｆ，
ｆ’が接合する前に、各第１スライドジャッキ２ｅ及び
第２スライドジャッキ３ｃを動作させることで、セグメ
ントｓを吊り下げた状態での水平バランスの微調整を再
び行う。このようにしてセグメントｓ，ｓ’間での相対
的な水平バランスを合致させた後、これらの接合面ｆ，
ｆ’においてセグメントｓをセグメントｓ’に仮接合さ
せる。そして、両セグメントｓ，ｓ’間に主鋼棒（図示
せず）を通すなどの接続作業を行って接合を完了させた
後、セグメントｓからセグメント吊装置１を切り離し、
次のセグメントの接合作業へと移る。以上説明のように
全てのセグメントを端から順次継ぎ足していくことで、
橋の架設が行われる。 【００１７】本実施形態のセグメント吊装置１は、セグ
メントｓを吊り下げた状態でその重心位置を調整するた
めの重心位置調整機構４を備えた構成を採用した。この
構成によれば、セグメントｓを吊り下げた状態で、重心
位置を微調整することで、これが保持しているセグメン
トｓの、先に接続されたセグメントｓ’に対する相対的
な水平バランス調整を、直に作業者の人手で行う場合に
比較して容易かつ短時間で成し得るので、工期短縮化が
可能となる。 【００１８】また、本実施形態のセグメント吊装置１
は、セグメントｓを保持する吊梁部２と、該吊梁部２を
支持する支持部３とを備え、重心位置調整機構４が、吊
梁部２に対する支持部３の水平相対位置を調整するスラ
イドジャッキである構成を採用した。この構成によれ
ば、セグメントｓを保持した吊梁部２に対する支持部３
の水平位置を調整することで、容易にセグメントｓを吊
り下げた吊梁部２の重心位置を調整することが可能とな
る。 【００１９】なお、前記第１スライドジャッキ２ｅ及び
第２スライドジャッキ３ｃとしては、油圧駆動や電動の
ものなどが採用可能であり、これらを遠隔操作すること
によってセグメントｓの水平バランスを調整することが
好ましい。 【００２０】 【発明の効果】本発明の請求項１記載のセグメント吊装
置は、セグメントを吊り下げた状態でその重心位置を調
整するための重心位置調整機構を備えた構成を採用し
た。この構成によれば、セグメントを吊り下げた状態
で、重心位置調整機構により重心位置を微調整すること
で、これが保持しているセグメントの、先に接続された
セグメントに対する水平バランス調整を、作業者の人手
で行う場合に比較して容易かつ短時間で成し得るので、
工期短縮化が可能となる。 【００２１】また、請求項２記載のセグメント吊装置
は、セグメントを保持する吊梁部と、該吊梁部を支持す
る支持部とを備え、重心位置調整機構が、吊梁部に対す
る支持部の水平相対位置を調整するスライドジャッキで
ある構成を採用した。この構成によれば、セグメントを
保持した吊梁部に対する、支持部の水平位置を調整する
ことで、容易にセグメントを吊り下げた吊梁部の重心位
置を調整することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明のセグメント吊装置の一実施形態を
示す正面図である。 【図２】 同実施形態のセグメント吊装置を図１のＡ
−Ａ線側から見た側面図である。 【図３】 同実施形態のセグメント吊装置でセグメン
トを吊り下げた状態を示す正面図である。 【図４】 同実施形態のセグメント吊装置を用いたセ
グメント接続作業を示す側面図である。 【符号の説明】 １・・・セグメント吊装置 ２・・・吊梁部 ３・・・支持部 ４・・・重心位置調整機構，スライドジャッキ ｓ・・・セグメント
示す正面図である。 【図２】 同実施形態のセグメント吊装置を図１のＡ
−Ａ線側から見た側面図である。 【図３】 同実施形態のセグメント吊装置でセグメン
トを吊り下げた状態を示す正面図である。 【図４】 同実施形態のセグメント吊装置を用いたセ
グメント接続作業を示す側面図である。 【符号の説明】 １・・・セグメント吊装置 ２・・・吊梁部 ３・・・支持部 ４・・・重心位置調整機構，スライドジャッキ ｓ・・・セグメント
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項１ 】 セグメントを順次継ぎ足して橋を架設
していくプレキャストセグメント工法で、前記セグメン
トの吊り下げに用いる吊装置であって、 前記セグメントを吊り下げた状態でその重心位置を調整
するための重心位置調整機構が備えられていることを特
徴とするセグメント吊装置。 【請求項２ 】 請求項１記載のセグメント吊装置にお
いて、 前記セグメントを保持する吊梁部と、該吊梁部を支持す
る支持部とを備え、 前記重心位置調整機構が、前記吊梁部に対する前記支持
部の水平相対位置を調整するスライドジャッキであるこ
とを特徴とするセグメント吊装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000121315A JP2001303520A (ja) | 2000-04-21 | 2000-04-21 | セグメント吊装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000121315A JP2001303520A (ja) | 2000-04-21 | 2000-04-21 | セグメント吊装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2001303520A true JP2001303520A (ja) | 2001-10-31 |
Family
ID=18631987
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2000121315A Pending JP2001303520A (ja) | 2000-04-21 | 2000-04-21 | セグメント吊装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2001303520A (ja) |
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100981982B1 (ko) | 2010-06-11 | 2010-09-13 | (주)대우건설 | 프리캐스트 코핑용 인양 시스템 |
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| CN110467113A (zh) * | 2019-08-28 | 2019-11-19 | 四川路桥桥梁工程有限责任公司 | 大吨位隧道锚散索鞍吊装装置及方法 |
| CN110512532A (zh) * | 2019-09-25 | 2019-11-29 | 中铁十六局集团有限公司 | 一种用于预制节段梁逐跨施工架桥机的吊挂系统 |
| CN112573373A (zh) * | 2020-12-15 | 2021-03-30 | 西安飞机工业（集团）有限责任公司 | 一种偏置式空中调姿安装装置及使用方法 |
-
2000
- 2000-04-21 JP JP2000121315A patent/JP2001303520A/ja active Pending
Cited By (10)
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