JP2001303360A - アクリル系繊維の製造方法およびその装置 - Google Patents

アクリル系繊維の製造方法およびその装置

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JP2001303360A
JP2001303360A JP2000119519A JP2000119519A JP2001303360A JP 2001303360 A JP2001303360 A JP 2001303360A JP 2000119519 A JP2000119519 A JP 2000119519A JP 2000119519 A JP2000119519 A JP 2000119519A JP 2001303360 A JP2001303360 A JP 2001303360A
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Japan
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spinning
tension
coagulation bath
fiber
acrylic fiber
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English (en)
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Koji Ono
小野耕司
Akihiro Omoto
大本陽啓
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】複雑な操作あるいは装置を用いずに、糸切れを
解消し、かつ紡速を向上させて生産性向上を可能とする
方法及び装置を提供する。 【解決手段】アクリル系繊維を湿式紡糸するに際し、凝
固浴中での繊維束の張力を低減することを特徴とするア
クリル系繊維の製造方法および繊維束を凝固浴中で蛇行
して通過させる案内手段を設けてなる装置により達成さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、湿式紡糸法による
アクリル系繊維の製造方法に関し、さらに詳しくは、凝
固浴中の繊維束の張力を低減する方法、および装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、アクリル系繊維の製造時におい
て、湿式紡糸法で製造される繊維は、紡糸原液を紡糸ノ
ズルから凝固浴中に紡出することにより凝固させる。そ
の際、紡糸速度を増速していくと浴液の抵抗により糸の
張力が増加し、ノズル孔付近の未凝固部と凝固部の境界
付近で糸切れが生じてしまうため、紡糸速度を上げるに
は限界があった。このことから、アクリル系繊維の生産
性を向上するために、通常では、凝固浴の紡速を遅く設
定し、その後に凝固2浴や温水浴に代表される工程を設
けて、延伸操作にて糸速度を増速するという複雑な操作
方法を用いているのが実態であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような従来のアクリル系繊維の製造工程における問題
点に鑑み、複雑な操作あるいは装置を用いずに、糸切れ
を解消し、かつ紡速を向上させて生産性向上を可能とす
る方法及び装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、紡糸原液を紡
糸ノズルから凝固浴中に紡出した直後の未凝固部分の張
力を低減することにより、紡糸速度の増速が可能である
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち本発明は、アクリル系繊維を湿式
紡糸するに際し、凝固浴中での繊維束の張力を低減する
ことを特徴とするアクリル系繊維の製造方法である。前
記方法においては繊維束を凝固浴中で蛇行して通過させ
ることができる。
【0006】一方、本発明の装置は、アクリル系繊維を
湿式紡糸するに際し、凝固浴中での繊維束の張力を低減
する手段を設けてなることを特徴とするアクリル系繊維
の製造装置である。そして、繊維束の張力を低減する手
段が、繊維束を凝固浴中で蛇行して通過させる案内手段
であることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明におけるアクリル系繊維とは、アクリロニトリル
の単独重合体、またはアクリロニトリルと共重合可能な
1種以上のビニルまたはアリル化合物などとの共重合体
からなるものであり、これらの重合体をDMAc(ジメ
チルアセトアミド)、DMS(ジメチルスルホキシ
ド)、DMF(ジメチルホルムアミド)、アセトンなど
の有機溶媒、または硝酸、ロダンソーダ水溶液等の無機
溶媒に溶解した紡糸原液を用いて、湿式紡糸法により製
造されるものである。特に、本発明の効果は、DMF,
DMAcのような良溶媒の場合に効果を発揮するもので
ある。
【0008】そして、本発明においては、上記のような
アクリル系繊維の製造工程において、紡糸原液を紡糸ノ
ズルから凝固浴中に紡出した繊維束(紡出直後の未凝固
部分を含む繊維束)の張力を低減することで該アクリル
系繊維の紡糸速度の増速を可能とする。
【0009】次に本発明における凝固浴中の張力低減方
法であるが、特に限定されるものではなく、凝固浴での
繊維束にかかる張力を適宜低減できる方法を用いること
ができる。例えば、ニップロールや多連のフリーロール
等を用いる方法が挙げられるが、中でも凝固浴中で繊維
束をフリーロール等で上下に蛇行させる方法が、繊維の
形状、強度、単繊維同士の圧着等の繊維品質には影響を
与えない点で優れている。以下、本発明の張力低減装置
について、実施例図面を引用して詳細に説明する。
【0010】まず図1に示す張力低減装置Aについて説
明する。該装置Aは、凝固液2を張った凝固浴1内に紡
糸ノズル3から紡糸原液を吐出し、案内ロール5により
凝固浴から引き上げる前の凝固した繊維束部分4に、繊
維束を蛇行させて通過させる案内手段6を設置すること
により、未凝固部分7の張力を低減したものである。
【0011】該案内手段6はバー、ロール等を駆動、固
定、フリー、いずれの構造とすることもでき、特に制限
はなく、上下、左右どちらに蛇行させても良いが、好ま
しくは、蛇行する角度の変更が可能で、紡糸ノズル3と
該案内手段6の間の繊維束の張力を調整できるものが良
い。また該案内手段6は単連である必要はなく、張力の
低減効果が小さい場合は複数個の多連にしても良い。多
連の場合においても、案内手段はバー、ロール等を駆
動、固定、フリー、いずれの構造とすることもでき、等
速でも変速でも特に制限はない。該案内手段6の設置位
置はノズル面から0.1〜3.0mの間、好ましくは繊
維束の凝固が完了した部分が望ましい。
【0012】次に図2に示す張力低減装置Bについて説
明する。該装置Bは、図1の装置Aと同様に、凝固液2
を張った凝固浴1内に紡糸ノズル3から紡糸原液を吐出
し、案内ロール5により凝固浴から引き上げる前の凝固
した繊維束部分4に、繊維束を蛇行させて通過させる案
内手段8、9を設置することにより、未凝固部分7の張
力を低減したものである。該案内手段8、9はバー、ロ
ール等を駆動(等速、変速)、固定、フリー、いずれの
構造とすることもでき、特に制限はなく、上下、左右ど
ちらに蛇行させても良いが、好ましくは、スタートアッ
プ時、トラブル発生時を想定し、上下あるいは左右に案
内手段間の距離の変更が可能であり、かつ張力の調整が
可能である方がよい。また連数に制限はなく、張力によ
り案内手段の数、案内手段間の距離を調整することがで
きる。
【0013】本発明の方法及び装置により、紡速を上げ
ていくと、浴抵抗により繊維束の張力が増加し、糸の未
凝固部と凝固部の境界付近(ノズルより30〜500m
m)で糸が切れて、紡速が上がらない問題に対して、凝
固浴中の凝固の進んだ位置にフリーロールを設置し、糸
を蛇行して通過させることで、凝固浴の出側の引き取り
ロールによる張力を吸収し、糸切れの発生する未凝固部
と凝固部の境界付近の張力を低減することで、糸切れな
く紡糸速度を上げることを可能とするものである。
【0014】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0015】(実施例1)アクリロニトリル49.5重
量%と塩化ビニル50.0重量%、スチレンスルホン酸
ソーダ0.5重量%よりなる共重合体をDMAcに固形
分濃度32%で溶解した紡糸原液を用いて、ノズル径
0.08mm×0.60mm、100ホールのノズルか
ら濃度70%のDMAc水溶液に押し出し、湿式紡糸法
により凝固操作を行った。その凝固後のアクリル系繊維
を、図1に示した張力低減装置Aを用いて紡糸操作を行
った。なお、この場合の案内手段6は、紡糸ノズルから
2.0mの位置に、直径0.02mのフリーロールを、
中心間距離0.04mで、上下に設置したものである。
以上の装置により紡糸操作を行ったところ、紡糸速度2
0m/分まで安定走行が可能であった。
【0016】(実施例2)アクリロニトリル49.5重
量%と塩化ビニル50.0重量%、スチレンスルホン酸
ソーダ0.5重量%よりなる共重合体をDMAcに固形
分濃度32%で溶解した紡糸原液を用いて、ノズル径
0.08mm×0.56mm、1240ホールのノズル
から濃度70%のDMAc水溶液に押し出し、湿式紡糸
法により凝固操作を行った。その凝固後のアクリル系繊
維を、図2に示した張力低減装置Bを用いて紡糸操作を
行った。なお、この場合の案内手段7、8は、紡糸ノズ
ルから2.0mの位置に、直径0.08mのフリーロー
ルを、中心間距離0.24mで上部に3個、下部に3
個、上下間距離0.04mに設置したものである。以上
の装置により紡糸操作を行ったところ、紡糸速度20m
/分まで安定走行が可能であった。
【0017】(比較例1)実施例1と同じ条件で、張力
低減装置を設置せずに(従来の装置で)紡糸操作を行っ
たところ、凝固部と未凝固部の境界に張力が伝播し、紡
糸速度10m/分で糸切れが生じ、紡速を上げることが
困難であった。
【0018】実施例及び比較例で得られたDATAにつ
いて表1にまとめた。
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、アクリル系繊維の製造
工程において、従来の凝固浴内の凝固した繊維束部分を
蛇行して通過させ、紡糸原液を紡糸ノズルから凝固浴中
に紡出した直後の未凝固部分の張力を低減することによ
り、紡糸速度を増速することができ、アクリル系繊維の
生産性向上に貢献しうるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る張力低減装置Aの概略図である。
【図2】本発明に係る張力低減装置Bの概略図である。
【図3】従来の装置の概略図である。
【符号の説明】
1:凝固浴 2:凝固液 3:紡糸ノズル 4:凝固した繊維束部分 5:案内ロール 7:未凝固部分 6、8、9:案内手段

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクリル系繊維を湿式紡糸するに際し、凝
    固浴中での繊維束の張力を低減することを特徴とするア
    クリル系繊維の製造方法。
  2. 【請求項2】繊維束を凝固浴中で蛇行して通過させるこ
    とを特徴とする請求項1記載のアクリル系繊維の製造方
    法。
  3. 【請求項3】アクリル系繊維を湿式紡糸するに際し、凝
    固浴中での繊維束の張力を低減する手段を設けてなるこ
    とを特徴とするアクリル系繊維の製造装置。
  4. 【請求項4】繊維束の張力を低減する手段が、繊維束を
    凝固浴中で蛇行して通過させる案内手段である請求項3
    記載のアクリル系繊維の製造装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8567701B2 (en) 2009-05-18 2013-10-29 Mitsubishi Electric Corporation Fuel injection valve
CN106012086A (zh) * 2016-07-02 2016-10-12 苏州大学 石墨烯/聚苯胺复合纤维及其制备方法
CN106968021A (zh) * 2017-04-06 2017-07-21 超美斯新材料股份有限公司 一种高效纺丝装置

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