JP2001303076A - 軽油組成物 - Google Patents

軽油組成物

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JP2001303076A JP2000119592A JP2000119592A JP2001303076A JP 2001303076 A JP2001303076 A JP 2001303076A JP 2000119592 A JP2000119592 A JP 2000119592A JP 2000119592 A JP2000119592 A JP 2000119592A JP 2001303076 A JP2001303076 A JP 2001303076A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディーゼルエンジンからのパティキュレート
の排出をエンジンの全負荷範囲で大幅に低減させること
ができる軽油組成物を提供すること。 【解決手段】 セタン指数が45以上、90容量%留出
温度が330℃以下、硫黄分含有量が300質量ppm
以下、そして30℃における動粘度が1.7mm 2/s
以上であり、そして二環以上の芳香族化合物の含有量が
3容量%以下である軽油組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は硫黄分含有量の少な
い軽油組成物に関するものであり、より詳しくはディー
ゼル排出ガス中のパティキュレート量をエンジンの全負
荷範囲で大幅に低減させることが可能な軽油組成物に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】ディーゼル排出ガスに含まる成分として
は、主に窒素酸化物(以降NOxと表示)と粒子状物質
(以降PMと表示)が問題視されている。NOxは主に
空気中の窒素がエンジン内で酸素と反応し生成する物質
であり、これにはNOやNO2等が含まれる。PMは排
出ガス中の微粒子であり、燃焼によるすす(煤)や燃料ま
たは潤滑油に含まれる高沸点、高分子の未燃焼成分が排
出されたものである。これらの物質は大気汚染や酸性雨
の原因となっており、早急な低減対策が求められてい
る。また最近ではホルムアルデヒド、アセトアルデヒド
を含むアルデヒドも人体の健康への悪影響や臭気面から
注目されている。
【0003】平成9年10月以降、ディーゼルエンジン
の燃料として使用されている軽油は、自動車へのSOF
触媒(有機溶剤可溶分酸化触媒)およびNOx還元触媒
等の後処理装置搭載を前提として、その硫黄分含有量が
500質量ppm以下に下げられている。しかし、これ
らの後処理装置は、その効率が低いことや耐久性等の問
題があり、実用化されているものは非常に少ないのが現
状である。現在、市場には最新の排出ガス低減対策を施
した車両が投入されつつあるが、既販車との置き換わり
にも多くの時間を必要としているため、その根本的な解
決には至っていない。また、2003年以降は更に厳し
い排出ガス規制が導入される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、2003
年以降の厳しい排出ガス規制が実施されることから、ま
た市場に最新の排出ガス低減技術を施した車両が普及す
るまでには多大な時間を要することからも、排出ガスの
低減には、燃料の品質を向上させることが即効性が高
く、非常に有効であると考えられる。そして燃料として
は、既存のディーゼル車に有効なだけでなく、DPF装
着などの排出ガス対策が進んだ車両に対しても有効な燃
料が求められている。排出ガス低減のための燃料の改良
方法としては幾つか考えられるが、含酸素化合物を配合
した燃料はエンジン部材等への悪影響も懸念され、本格
的な使用には多くの問題を解決しなければならない。従
って、本発明の目的は、ディーゼル排出ガスに含まれる
パティキュレートの排出をエンジンの全負荷範囲で大幅
に低減させることが可能な軽油組成物を提供することに
ある。特にDPF装着車に対しても排出ガスの低減(中
でもPM濃度低減)に有効な軽油組成物を提供すること
でもある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、セタン指数が
45以上、90容量%留出温度が330℃以下、硫黄分
含有量が300質量ppm以下、そして30℃における
動粘度が1.7mm2/s以上であり、そして二環以上
の芳香族化合物の含有量が3容量%以下である軽油組成
物にある。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の軽油組成物のセタン指数
は45以上である。セタン指数が45に満たない場合に
は、排出ガス中のNOx、PM、アルデヒドの各濃度が
高くなる恐れがある。本発明では、そのセタン指数は、
47以上であることが好ましく、48以上であることが
より好ましく、50以上であることが最も好ましい。
【0007】ここで、セタン指数とは、JIS K 2
280「石油製品−燃料油−オクタン価及びセタン価試
験方法並びにセタン指数算出方法」の「8.4変数方程
式を用いたセタン指数の算出方法」によって算出した値
を意味する。なお、上記JIS規格におけるセタン指数
は、セタン価向上剤を添加したものに対しては適用され
ないが、本発明ではセタン価向上剤を添加したもののセ
タン指数も、上記「8.4変数方程式を用いたセタン指
数の算出方法」によって算出した値を意味する。
【0008】本発明の軽油組成物においては、そのセタ
ン価に関して特に制限はないが、その値は45以上に調
整されていることが好ましく、48以上であることがよ
り好ましく、50以上であることが最も好ましい。上記
のセタン価とすることで、排出ガス中のNOx、PM、
アルデヒドの各濃度をより低減させることができる。こ
こでセタン価とは、JIS K 2280「石油製品−
燃料油−オクタン価及びセタン価試験方法並びにセタン
指数算出方法」の「7.セタン価試験方法」に準拠して
測定されるセタン価を意味する。
【0009】本発明の軽油組成物は、90容量%留出温
度(T90)は330℃以下である。T90が330℃を超
える場合には、排出ガス中のPM濃度が高くなる恐れが
ある。本発明では、そのT90は325℃以下であること
が好ましく、320℃以下であることがより好ましく、
315℃以下であることが特に好ましい。T90の下限値
については特に制限はないが、燃費をより向上させ、エ
ンジンの出力をより高めるために、T90は280℃以上
であることが好ましく、285℃以上であることがより
好ましい。
【0010】本発明の軽油組成物は、T90以外の蒸留性
状について特に制限はないが、下記の性状を満たしてい
ることが望ましい。 初留点 :135〜180℃ 10容量%留出温度(T10):155〜210℃ 30容量%留出温度(T30):175〜250℃ 50容量%留出温度(T50):190〜270℃ 70容量%留出温度(T70):220〜300℃ 95容量%留出温度(T95):290〜360℃ 蒸留終点 :320〜360℃
【0011】本発明の軽油組成物の蒸留性状について更
に詳述する。軽油組成物の初留点が低すぎる場合には、
一部の軽質留分が気化して噴霧範囲が広がりすぎ、未燃
分として排出ガスに同伴される炭化水素量が増加する恐
れがあることから、初留点は135℃以上であることが
好ましく、更に好ましくは140℃以上、特に好ましく
は145℃以上である。一方、初留点が高すぎる場合
は、低温始動性および低温運転性に不具合を生じる可能
性があるため、初留点の上限は180℃であることが好
ましく、更に好ましくは170℃である。
【0012】軽油組成物のT10が低すぎる場合は、初留
点が低すぎる場合と同様な理由から、排出ガスに同伴さ
れる炭化水素量の増大が懸念されるため、T10は155
℃以上であることが好ましく、更に好ましくは160℃
以上、特に好ましくは165℃以上である。一方、これ
が高すぎると、低温始動性および低温運転性に不具合を
生じる心配があるため、T10は210℃以下であること
が好ましく、更に好ましくは205℃以下、特に好まし
くは200℃以下である。
【0013】軽油組成物のT30が低すぎる場合は、上に
述べたと同じ理由から、排出ガスに同伴される炭化水素
量の増大が懸念される。従って、T30は175℃以上で
あることが好ましく、更に好ましくは180℃以上、特
に好ましくは185℃以上である。一方、これが高すぎ
る場合は、低温始動性および低温運転性に不具合を生じ
る可能性があることから、T30は250℃以下であるこ
とが好ましく、更に好ましくは230℃以下、特に好ま
しくは210℃以下である。
【0014】軽油組成物のT50は、燃費およびエンジン
出力の面から、190℃以上であることが好ましく、更
に好ましくは195℃以上、特に好ましくは200℃以
上である。そして、排出ガス中のPM濃度を低減させる
上で、T50は270℃以下であることが好ましく、更に
260℃以下、250℃以下、240℃以下の順に好ま
しく、特に好ましくは230℃以下であり、最も好まし
くは225℃以下である。
【0015】軽油組成物のT70もT50と同様、燃費とエ
ンジン出力を左右する。燃費をより向上させ、エンジン
の出力をより高めるために、T70は220℃以上である
ことが好ましく、更に好ましくは225℃以上、特に好
ましくは230℃以上である。そして、排出ガス中のP
M濃度をより低減させる上で、T70は300℃以下であ
ることが好ましく、更に290℃以下、280℃以下、
そして270℃以下の順に好ましく、特に好ましくは2
65℃以下であり、最も好ましくは260℃以下であ
る。
【0016】軽油組成物のT95は290℃以上であるこ
とが望ましいが、排出ガス中のPM濃度をより低減させ
るためには、T95は360℃以下であることが好まし
く、更に355℃以下、350℃以下、そして345℃
以下の順で好ましく、特に好ましくは342℃以下であ
り、最も好ましくは340℃以下である。
【0017】軽油組成物の蒸留終点は320℃以上が望
ましい。しかし、排出ガス中のPM濃度をより低減させ
るためには、蒸留終点は360℃以下であることが好ま
しく、更に好ましくは355℃以下、特に好ましくは3
50℃以下である。本発明でいう蒸留性状(初留点、T
10、T30、T50、T70、T90、T95、蒸留終点)は、全
てJIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法」に
よって測定される値である。
【0018】本発明の軽油組成物の硫黄分含有量は30
0質量%以下である。この量が300質量ppmを超え
る場合は、排出ガスの後処理装置の耐久性を悪化させた
り、エンジン内部の腐食を招く恐れがある。硫黄分含有
量は200質量ppm以下であることが好ましく、更に
好ましくは150質量ppm以下、特に好ましくは10
0質量ppm以下であり、最も好ましくは50質量pp
m以下である。ここで硫黄分含有量とは、JIS K
2541「硫黄分試験方法」により測定される軽油組成
物全量基準の硫黄分含有量を意味する。
【0019】本発明の軽油組成物の30℃における動粘
度は1.7mm2/s以上である。該動粘度が1.7m
2/sに満たない場合は、燃料噴射時期の制御が困難
になる心配があり、またエンジンに付設された分配型燃
料噴射ポンプの潤滑性が損なわれる。この動粘度は1.
72mm2/s以上であることが好ましく、更に1.7
3mm2/s以上、1.75mm2/s以上の順に好まし
く、特に好ましくは1.78mm2/s以上であり、
1.80mm2/s以上であることが最も好ましい。
【0020】本発明の軽油組成物の30℃における動粘
度の上限値については特に制限は無いが、排出ガス中の
PM濃度をより一層低減させることができることから、
3.5mm2/s以下であることが好ましく、3.0m
2/s以下であることが更に好ましく、2.5mm2
s以下であることがさらにより好ましく、2.4mm2
/s以下であることが特に好ましく、2.2mm2/s
以下であることが最も好ましい。ここで動粘度とはJI
S K 2283「原油及び石油製品−動粘度試験方法
及び粘度指数算出方法」により測定される動粘度を意味
する。
【0021】本発明の軽油組成物の15℃における密度
については特に制限はない。しかし、燃料消費率および
加速性をより向上させることができることから、その値
は802kg/m3以上であることが好ましい。一方、
15℃における密度の上限値は、排出ガス中のPM濃度
をより低下させることができるから、840kg/m 3
以下であることが好ましく、835kg/m3以下であ
ることが更に好ましく、830kg/m3以下であるこ
とがさらにより好ましく、820kg/m3以下である
ことが特に好ましく、815kg/m3以下であること
が最も好ましい。ここで密度とは、JIS K 224
9「原油及び石油製品の密度試験方法並びに密度・質量
・容量換算表」により測定される密度を意味する。
【0022】本発明の軽油組成物において、飽和分、オ
レフィン分および芳香族分の各含有量は特に制限はない
が、下記の組成であることが望ましい。 飽和分含有量 :60〜95容量% オレフィン分含有量: 0〜 5容量% 芳香族分含有量 : 5〜40容量% 但し、上記芳香族分含有量のうち、二環以上の芳香族分
含有量は、3容量%以下である。
【0023】軽油組成物の飽和分含有量は、排出ガス中
のNOxおよびPMの各濃度を低下させるうえで、60
容量%以上であることが好ましく、更に好ましくは65
容量%以上、特に好ましくは70容量%以上、最も好ま
しくは75容量%以上である。一方、低温始動性および
低温運転性を良好に維持するうえで、飽和分含有量は、
95容量%以下であることが好ましく、更に好ましくは
90容量%以下、特に好ましくは85容量%以下であ
る。軽油組成物のオレフィン分含有量は、当該組成物の
安定性の観点から、0〜5容量%の範囲にあることが好
ましく、更に好ましくは0〜1容量%の範囲にある。
【0024】軽油組成物の芳香族分含有量は、燃料消費
率およびエンジン出力に関係するので、5容量%以上で
あることが好ましく、更に好ましくは8容量%以上、更
により好ましくは10容量%以上、特に好ましくは12
容量%以上、最も好ましくは15容量%以上である。一
方、この芳香族分含有量は、排出ガスに含まれるNOx
およびPMの各濃度に関係することから、この含有量は
40容量%以下であることが好ましく、更に好ましくは
35容量%以下、特に好ましくは30容量%以下、最も
好ましくは25%以下である。本発明でいう飽和分含有
量、オレフィン分含有量および芳香族分含有量は、JI
S K 2536に規定する「石油製品−成分試験方
法」の蛍光指示薬吸着法に準拠して測定される飽和分、
オレフィン分および芳香族分の容量百分率(容量%)を
意味する。
【0025】本発明の軽油組成物において、排出ガスに
含まれる炭化水素(HC)、NOxおよびPMの各濃度
をより低減させるために、上記芳香族分含有量のうち、
二環以上の芳香族分含有量は3容量%以下である。この
含有量は2容量%以下であることが好ましく、更に好ま
しくは1容量%以下、特に好ましくは0.5容量%以下
である。また同様の理由から三環以上の芳香族分含有量
は1容量%以下であることが好ましく、更に好ましくは
0.5容量%以下、特に好ましくは0.3容量%以下で
ある。ここで二環以上の芳香族分含有量は、石油学会規
格 JIS 5S 49−97に規定する「石油製品−
炭化水素タイプ試験方法―高速液体クロマトグラフ法」
により測定される二環以上の芳香族分の容量%を意味す
る。
【0026】本発明の軽油組成物は、その流動点につい
て特に限定条件はない。しかし、低温始動性ないしは低
温運転性の観点から、組成物の流動点は−5℃以下であ
ることが好ましく、−10℃以下であることがより好ま
しく、−20℃以下であることが特に好ましく、−30
℃以下であることが最も好ましい。ここで流動点とは、
JIS K 2269「原油及び石油製品の流動点並び
に石油製品曇り点試験方法」により測定される流動点を
意味する。
【0027】本発明の軽油組成物は、その目詰まり点に
ついては特に限定条件はない。しかし、組成物の目詰ま
り点は−1℃以下であることが好ましく、−5℃以下で
あることが更に好ましく、−12℃以下であることが特
に好ましく、−19℃以下であることが最も好ましい。
ここで目詰まり点とは、JIS K 2288「軽油−
目詰まり点試験方法」により測定される目詰まり点を意
味する。
【0028】本発明の軽油組成物には、セタン価向上
剤、潤滑性向上剤および/または清浄剤を配合すること
が好ましい。セタン価向上剤としては、当業界でセタン
価向上剤として知られる各種の化合物を任意に使用する
ことができる。例えば、硝酸エステルや有機過酸化物等
を挙げることができる。本発明ではセタン価向上剤とし
て、硝酸エステルを用いることが好ましい。硝酸エステ
ルには、例えば、2−クロロエチルナイトレート、2−
エトキシエチルナイトレート、イソプロピルナイトレー
ト、ブチルナイトレート、第一アミルナイトレート、第
二アミルナイトレート、イソアミルナイトレート、第一
ヘキシルナイトレート、第二ヘキシルナイトレート、n
−ヘプチルナイトレート、n−オクチルナイトレート、
2−エチルヘキシルナイトレート、シクロヘキシルナイ
トレート、及びエチレングリコールジナイトレートなど
の種々のナイトレート等が包含される。これらの中で
も、炭素数6〜8のアルキルナイトレートが好ましい。
セタン価向上剤としては1種類の化合物を単独で用いて
も良く、2種以上の化合物を組み合わせて用いても良
い。
【0029】セタン価向上剤の含有量は、ディーゼルエ
ンジン排出ガスのNOx濃度、PM濃度、アルデヒド濃
度等を満足できる程度に低下させるために、組成物全量
基準で500質量ppm以上であることが好ましい。セ
タン価向上剤の含有量は600質量ppm以上、700
質量ppm以上であることが順に好ましく、特に好まし
くは800質量ppm以上であり、900質量ppm以
上であることが最も好ましい。セタン価向上剤の含有量
の上限値は特には限定されないが、セタン価向上剤の含
有量は軽油組成物全量基準で1400質量ppm以下で
あることが好ましく、1250質量ppm以下であるこ
とがより好ましく、1100質量ppm以下であること
が特に好ましく、1000質量ppm以下であることが
最も好ましい。
【0030】なお、セタン価向上剤と称して市販されて
いる商品は、セタン価向上に寄与する有効成分、つま
り、セタン価向上剤を適当な溶剤で希釈した状態で入手
されるのが通例である。こうした市販品を使用して本発
明の軽油組成物を調製する場合には、軽油組成物中の前
記有効成分の含有量が、組成物全量基準で500質量p
pm以上となるように添加することが好ましい。
【0031】潤滑性向上剤としては、例えば、カルボン
酸系、エステル系、アルコール系およびフェノール系の
各潤滑性向上剤の1種又は2種以上が任意に使用可能で
ある。この中でも、カルボン酸系、エステル系の潤滑性
向上剤が好ましい。カルボン酸系の潤滑性向上剤として
は、例えば、リノール酸、オレイン酸、サリチル酸、パ
ルミチン酸、ミリスチン酸、ヘキサデセン酸及び上記カ
ルボン酸の2種以上の混合物を挙げることができる。エ
ステル系の潤滑性向上剤としては、例えば、グリセリン
のカルボン酸エステルが挙げられる。カルボン酸エステ
ルを構成するカルボン酸は、1種であっても2種以上で
あってもよく、その具体例としては、リノール酸、オレ
イン酸、サリチル酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、及
びヘキサデセン酸等を挙げることができる。
【0032】潤滑性向上剤の配合量には特別な制限はな
い。しかし、配合した潤滑性向上剤の効能を引き出すた
めには、具体的には、分配型噴射ポンプを搭載したディ
ーゼルエンジンにおいて、運転中のポンプの駆動トルク
増を抑制し、ポンプの摩耗を低減させるためには、潤滑
性向上剤の配合量は、組成物全量基準で35質量ppm
以上であることが好ましく、50質量ppm以上である
ことがより好ましい。そして、配合量の上限値はそれ以
上加えても添加量に見合う効果が得られないことから、
140質量ppm以下であることが好ましく、105質
量ppm以下であることがより好ましい。
【0033】清浄剤としては、例えば、イミド系化合
物;ポリブテニルコハク酸無水物とポリアミン類とから
合成されるポリブテニルコハク酸イミドなどのアルケニ
ルコハク酸誘導体;ペンタエリスリトールなどの多価ア
ルコールとポリブテニルコハク酸無水物から合成される
ポリブテニルコハク酸エステルなどのコハク酸エステ
ル;ジアルキルアミノエチルメタクリレート、ポリエチ
レングリコールメタクリレート、ビニルピロリドンなど
とアルキルメタクリレートとのコポリマーなどの共重合
系ポリマー、カルボン酸とアミンの反応生成物(塩な
ど)などを挙げることができる。これらの無灰清浄剤
は、任意に選ばれる1種または2種以上が使用可能であ
って、これらの中でも、アルケニルコハク酸誘導体及び
/又はカルボン酸のアミン塩を使用することが好まし
い。
【0034】アルケニルコハク酸誘導体は、下記の一般
式(1)〜(4)で表される化合物であることが好まし
い。
【0035】
【化1】
【0036】(式中、Aは、n−ブチル基、sec−ブ
チル基またはtert−ブチル基を表し、R1、R2、R
3、及びR4は、各々独立に水素原子、メチル基またはエ
チル基を表し、但し、R1〜R4の合計炭素数は2であ
り、R5は、炭素数1〜36のアルキレン基を表し、そ
してmは、1〜100の整数を表す。)
【0037】
【化2】
【0038】(式中、Aは、n−ブチル基、sec−ブ
チル基またはtert−ブチル基を表し、R1、R2、R
3、及びR4は、各々独立に水素原子、メチル基またはエ
チル基を表し、但し、R1〜R4の合計炭素数は2であ
り、R5は、炭素数1〜36のアルキレン基を表し、そ
してmは、1〜100の整数を表し、nは、1〜10の
整数を表す。)
【0039】
【化3】
【0040】(式中、Aは、n−ブチル基、sec−ブ
チル基またはtert−ブチル基を表し、R1、R2、R
3、及びR4は、各々独立に水素原子、メチル基またはエ
チル基を表し、但し、R1〜R4の合計炭素数は2であ
り、R5は、炭素数1〜36のアルキレン基を表し、m
は、1〜100の整数を表し、そしてnは、1〜10の
整数を表す。)
【0041】
【化4】
【0042】(式中、Aは、n−ブチル基、sec−ブ
チル基またはtert−ブチル基を表し、R1、R2、R
3、及びR4は、各々独立に水素原子、メチル基またはエ
チル基を表し、但し、R1〜R4の合計炭素数は2であ
り、R5は、炭素数1〜36のアルキレン基を表し、m
は、1〜100の整数を表し、そしてnは、1〜10整
数を表す。)
【0043】上記一般式(1)〜(4)で表されるアル
ケニルコハク酸誘導体について詳述する。Aは、n−ブ
チル基、sec−ブチル基またはtert−ブチル基を
示す。より優れた清浄性が得られることから、tert
−ブチル基であることが好ましい。R1〜R4は、それぞ
れ水素原子、メチル基またはエチル基を示す。そして、
このR1〜R4の合計炭素数は2である。本発明において
は、より優れた清浄性が得られることから、R1および
3が共に水素原子であり、かつR2およびR4が共にメ
チル基である場合、またはR1およびR3が共にメチル基
であり、かつR2およびR4が共に水素原子である場合が
好ましい。
【0044】R5は、炭素数1〜36のアルキレン基を
表す。R5は、好ましくは炭素数1〜18のアルキレン
基、より好ましくは炭素数1〜6のアルキレン基、特に
好ましくは炭素数1〜4のアルキレン基を表す。炭素数
1〜4のアルキレン基としては、具体的には例えば、メ
チレン基、エチレン基、プロピレン基(1−メチルエチ
レン基、2−メチルエチレン基)、トリメチレン基、ブ
チレン基(1−エチルエチレン基、2−エチルエチレン
基)、1,2−ジメチルエチレン基、2,2−ジメチル
エチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルト
リメチレン基、3−メチルトリメチレン基、テトラメチ
レン基などが挙げられる。これらの中でも、R5は、メ
チレン基、エチレン基、プロピレン基(1−メチルエチ
レン基、2−メチルエチレン基)またはトリメチレン基
である場合が最も好ましい。
【0045】一般式(1)〜(4)におけるmは1〜1
00の整数を示す。mは軽油組成物への分散性保持、清
浄性保持の点から、5以上が好ましく、10以上がより
好ましい。また、粘度上昇によるバルブスティックや熱
分解性悪化による燃焼室デポジットへの影響の点から、
50以下が好ましく、40以下がより好ましい。nは、
1〜10の整数を表す。nは、好ましくは1〜5、より
好ましくは1〜3の整数である。
【0046】なお、下記式(5)で表される基は、下記
式(6)で表される基を構成単位とする、一般式(1)
〜(4)で表されるアルケニルコハク酸誘導体の重合骨
格を示すものである。
【0047】
【化5】
【0048】(上記式(5)および(6)における
1、R2、R3、R4およびmは、一般式(1)〜(4)
におけるR1、R2、R3、R4およびmと同一の基、整数
を示す。)
【0049】上記式(1)〜(4)および(5)におい
て、上記式(6)で表されるm個の基は同一分子中で同
じでも異なっていてもよい。つまり、上記式(1)〜
(4)で表される化合物および上記式(5)で表される
基は、単独重合体であっても、共重合体であっても良
い。共重合体は、ランダム共重合体、交互重合体、ある
いはブロック共重合体のいずれであっても良い。
【0050】また、アルケニルコハク酸誘導体の数平均
分子量については何ら制限はないが、軽油組成物中への
分散性保持、清浄性保持の点から、その数平均分子量は
500以上であることが好ましく、1000以上である
ことがより好ましく、1500以上であることがさらに
より好ましく、2000以上であることが最も好まし
い。また、粘度上昇によるバルブスティックや熱分解性
悪化による燃焼室デポジットへの影響の点から、その数
平均分子量は6000以下であることが好ましく、50
00以下であることがより好ましい。
【0051】アルケニルコハク酸誘導体としては、一般
式(1)〜(4)で表される化合物から選ばれる1種の
みの化合物を単独で用いてもよく、2種以上の化合物を
混合して用いてもよい。2種以上を用いる場合には、一
般式(2)で表される化合物と一般式(3)で表される
化合物の混合物であることが好ましい。その際の混合比
(質量比)は、(2):(3)=1:99〜99:1で
あることが好ましく、10:90〜90:10であるこ
とがより好ましく、20:80〜80:20であること
がさらにより好ましく、30:70〜70:30である
ことが最も好ましい。
【0052】アルケニルコハク酸誘導体の好ましい具体
例を以下に挙げる。
【0053】
【化6】下記式で表される化合物1(数平均分子量:2
000〜3000) (A:tert−ブチル基、R1、R3:水素原子、
2、R4:メチル基、R5:トリメチレン基)
【0054】
【化7】下記式で表される化合物2(数平均分子量:2
000〜3000) (A:tert−ブチル基、R1、R3:水素原子、
2、R4:メチル基、R5:エチレン基、n:1〜3)
【0055】
【化8】下記式で表される化合物3(数平均分子量:4
000〜6000) (A:tert−ブチル基、R1、R3:水素原子、
2、R4:メチル基、R5:エチレン基、n:1〜3)
【0056】
【化9】下記式で表される化合物4(数平均分子量:2
000〜3000) (A:tert−ブチル基、R1、R3:水素原子、
2、R4:メチル基、R5:エチレン基、n:1〜3)
【0057】次に、カルボン酸のアミン塩について詳述
する。カルボン酸は、炭素数が5〜50のものであるこ
とが好ましく、更に好ましくは炭素数7〜30のもの、
特に好ましくは炭素数9〜20のものである。カルボン
酸は、モノカルボン酸、あるいは多価カルボン酸のいず
れであっても良いが、モノカルボン酸であることが好ま
しい。またカルボン酸は、脂肪酸、脂環族カルボン酸、
芳香族カルボン酸のいずれであっても良いが、脂肪酸で
あることが好ましい。脂肪酸としては、直鎖のものでも
分岐鎖のものでも良く、飽和でも不飽和でも良い。
【0058】炭素数9〜20の脂肪酸としては、具体的
には例えば、以下のものを挙げることができる。直鎖ま
たは分岐鎖のノナン酸、直鎖または分岐鎖のデカン酸、
直鎖または分岐鎖のウンデカン酸、直鎖または分岐鎖の
ドデカン酸、直鎖または分岐鎖のトリデカン酸、直鎖ま
たは分岐鎖のテトラデカン酸、直鎖または分岐鎖のペン
タデカン酸、直鎖または分岐鎖のヘキサデカン酸、直鎖
または分岐鎖のヘプタデカン酸、直鎖または分岐鎖のオ
クタデカン酸、直鎖または分岐鎖のノナデカン酸、直鎖
または分岐鎖のイコサン酸、直鎖または分岐鎖のノネン
酸、直鎖または分岐鎖のデセン酸、直鎖または分岐鎖の
ウンデセン酸、直鎖または分岐鎖のドデセン酸、直鎖ま
たは分岐鎖のトリデセン酸、直鎖または分岐鎖のテトラ
デセン酸、直鎖または分岐鎖のペンタデセン酸、直鎖ま
たは分岐鎖のヘキサデセン酸、直鎖または分岐鎖のヘプ
タデセン酸、直鎖または分岐鎖のオクタデセン酸(オレ
イン酸を含む)、直鎖または分岐鎖のノナデセン酸、直
鎖または分岐鎖のイコセン酸等。また、リノール酸等の
水酸基を含有する脂肪酸も含まれる。上記のカルボン酸
は、1種のカルボン酸を単独で用いても良く、2種以上
のカルボン酸を組み合わせて用いても良い。
【0059】アミンは炭素数1〜30のものであること
が好ましい。更に好ましくは炭素数5〜20ものであ
り、特に好ましくは炭素数8〜18のものである。アミ
ンとしては、例えば、モノアミン、ポリアミン、アルカ
ノールアミン等が挙げられるが、モノアミンであること
が好ましい。モノアミンとしては、一つの炭化水素基を
有するモノ置換アミン、二つの炭化水素基を有するジ置
換アミン、三つの炭化水素基を有するトリ置換アミン等
が挙げられるが、モノ置換アミンであることが好まし
い。
【0060】モノ置換アミンとしては、例えば、アルキ
ルアミン、アルケニルアミン、芳香族置換アルキルアミ
ン、シクロアルキルアミン、及びアルキルシクロアルキ
ルアミン等が挙げれられる。アルキルアミン及びアルケ
ニルアミンであることが好ましい。炭素数8〜18のア
ルキルアミンとしては、例えば、直鎖または分岐鎖のオ
クチルアミン、直鎖または分岐鎖のノニルアミン、直鎖
または分岐鎖のデシルアミン、直鎖または分岐鎖のウン
デシルアミン、直鎖または分岐鎖のドデシルアミン、直
鎖または分岐鎖のトリデシルアミン、直鎖または分岐鎖
のテトラデシルアミン、直鎖または分岐鎖のペンタデシ
ルアミン、直鎖または分岐鎖のヘキサデシルアミン、直
鎖または分岐鎖のヘプタデシルアミン、直鎖または分岐
鎖のオクタデシルアミン等が挙げられる。
【0061】炭素数8〜18のアルケニルアミンとして
は、例えば、直鎖または分岐鎖のオクテニルアミン、直
鎖または分岐鎖のノネニルアミン、直鎖または分岐鎖の
デセニルアミン、直鎖または分岐鎖のウンデセニルアミ
ン、直鎖または分岐鎖のドデセニルアミン、直鎖または
分岐鎖のトリデセニルアミン、直鎖または分岐鎖のテト
ラデセニルアミン、直鎖または分岐鎖のペンタデセニル
アミン、直鎖または分岐鎖のヘキサデセニルアミン、直
鎖または分岐鎖のヘプタデセニルアミン、直鎖または分
岐鎖のオクタデセニルアミン(オレイルアミンを含む)
等が挙げられる。上記アミンは、1種のアミンを単独で
用いても良く、2種以上のアミンの混合物を用いても良
い。
【0062】カルボン酸のアミン塩の好ましい具体例と
しては、オレイン酸を主成分とする炭素数13〜20の
混合脂肪酸と炭素数8〜16のアルキル基を有するモノ
置換アミン及び炭素数8〜16のアルケニル基を有する
モノ置換アミンの混合物との塩を挙げることができる。
【0063】清浄剤の配合量にも特別な制限はない。し
かし、清浄剤を配合した効果、具体的には、燃料噴射ノ
ズルの閉塞抑制効果を引き出すためには、清浄剤の配合
量を軽油組成物全量基準で20質量ppm以上とするこ
とが好ましく、60質量ppm以上とすることがより好
ましく、80質量ppm以上とすることが特に好まし
い。20質量ppmに満たない量を添加しても効果が現
れない可能性がある。一方、配合量が多すぎても、それ
に見合う効果が期待できず、逆にディーゼルエンジン排
出ガス中のNOx、PM、アルデヒド等の各濃度を増加
させる恐れがあることから、清浄剤の配合量は300質
量ppm以下であることが好ましく、更に好ましくは2
50質量ppm以下であり、特に好ましくは200質量
ppm以下であり、最も好ましくは、180質量ppm
以下である。
【0064】なお、先のセタン価向上剤の場合と同様、
潤滑性向上剤または清浄剤と称して市販されている商品
は、それぞれ潤滑性向上または清浄に寄与する有効成分
が適当な溶剤で希釈された状態で入手されるのが通例で
ある。こうした市販品を本発明の軽油組成物に配合した
場合にあっては、潤滑性向上剤および清浄剤に関して上
述した配合量は、有効成分としての配合量を意味する。
【0065】本発明の軽油組成物には、その性能をさら
に高める目的でその他の公知の燃料油添加剤を単独でま
たは数種類組み合わせて添加することもできる。これら
の添加剤としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、アルケニルコハク酸アミドなどの低温流動性向上
剤;フェノール系、アミン系などの酸化防止剤;サリチ
リデン誘導体などの金属不活性化剤;ポリグリコールエ
ーテルなどの氷結防止剤;脂肪族アミン、アルケニルコ
ハク酸エステルなどの腐食防止剤;アニオン系、カチオ
ン系、両性系界面活性剤などの帯電防止剤;アゾ染料な
どの着色剤;シリコン系などの消泡剤などを挙げること
ができる。これらの添加剤の添加量は任意に決めること
ができるが、添加剤個々の添加量は、軽油組成物全量基
準で通常0.5質量%以下であり、好ましくは0.2質
量%以下である。
【0066】本発明の軽油組成物は公知の方法を利用し
て製造することができる。典型的には、ベース軽油に、
必要に応じてセタン価向上剤、潤滑油向上剤、清浄剤、
その他の添加剤を所定量配合して製造される。ベース軽
油としては、例えば、原油の常圧蒸留装置から得られる
直留軽油;常圧蒸留装置から得られる直留重質油や残査
油を減圧蒸留装置にかけて得られる減圧軽油;減圧蒸留
装置から得られる減圧軽油を水素化精製して得られる水
素化精製軽油;直留軽油を通常の水素化精製より苛酷な
条件で一段階または多段階で水素化脱硫して得られる水
素化脱硫軽油;脱硫または未脱硫の減圧軽油、減圧重質
軽油あるいは脱硫重油を接触分解して得られる接触分解
軽油;原油の常圧蒸留により得られる直留灯油;直留灯
油を水素化精製して得られる水素化精製灯油;原油の常
圧蒸留によって得られる軽油留分を分解して得られる分
解灯油などの1種もしくは2種以上が使用可能である。
ベース軽油の硫黄分含有量が300質量ppmを越えて
いる場合には、セタン価向上剤などの配合に先立って、
水素化精製などの適当な手段で硫黄分含有量を所定の値
以下に低減させる脱硫処理がベース軽油には施される。
【0067】
【実施例】以下に実施例および比較例により本発明をさ
らに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何
ら限定されるものではない。
【0068】実施例、比較例で使用した軽油組成物の組
成・性状を表1に示す。また、実施例2〜5の軽油組成
物は、実施例1の軽油組成物に二環芳香族化合物及び三
環芳香族化合物を添加して調製した。なお、添加剤は以
下のものを使用した。 セタン価向上剤:2−エチルヘキシルナイトレート 潤滑性向上剤 :リノール酸を主成分とするカルボン酸
混合物 清浄剤 :オレイン酸を主成分とする炭素数13
〜20の混合脂肪酸と炭素数8〜16のアルキル基を有
するモノ置換アミン及び炭素数8〜16のアルケニル基
を有するモノ置換アミンの混合物との塩
【0069】表1に示す各軽油組成物を用いて、(1)
エンジン試験1、(2)エンジン試験2、(3)潤滑性
試験及び(4)ノズル清浄性試験を行った。試験結果を
表1に示す。 (1)エンジン試験1 下記エンジンを用いて、実走行を模擬した3つの条件に
より排出ガス中のPM、炭化水素(HC)及びNOxを
測定した。PMは、堀場製作所製のミニダイリュウショ
ントンネルを用いて、フィルター上に捕集し、PMの重
量を測定した。HC、NOxは排気管より直接サンプリ
ングして測定した。 (エンジン諸元) エンジン種類:自然吸気式直列6気筒ディーゼル 排気量 :7.1L 内径×行程 :110mm×125mm 圧縮比 :17.5 最高出力 :260ps/2700rpm 最高トルク :77kgf(754.6N)/2700rpm (条件) 条件1:TRIAS 24−5−1993 条件2:低速走行を模擬したモード 条件3:高速走行を模擬したモード
【0070】(2)エンジン試験2 下記エンジンの排気管をDPF装置に導き、DPF装置
から排出される排出ガス中のPM、炭化水素(HC)及
びNOxを、TRIAS 24−5−1993の条件に
より測定した。PMは、堀場製作所製のミニダイリュウ
ショントンネルを用いて、フィルター上に捕集し、PM
の重量を測定した。HC及びNOxはDPFの排気管よ
り直接サンプリングして測定した。 (エンジン諸元) エンジン種類:自然吸気式直列4気筒ディーゼル 排気量 :4.985L 内径×行程 :115mm×125mm 圧縮比 :19.5 最高出力 :150ps/3100rpm 最高トルク :37kgf(362.6N)/1600rpm
【0071】(3)潤滑性試験 以下の条件でHFRR試験を行い、試験後の試験球につ
いた円状の傷の振動方向の直径と振動方向に垂直な方向
の直径を測定し、その平均値を摩耗痕直径(WSD)と
した。 試験球 材質 :ANSI 52100 硬度 :645HV30 表面粗さ:0.1μmRa以下 直径 :6.25nm、 試験板 材質 :ANSI 52100 硬度 :180HV30 表面粗さ:0.1μmRa以下 荷重 :2N 試験温度 :60℃ ストローク:1.0mm 振動数 :50Hz 時間 :75分
【0072】(4)ノズル清浄性試験 排気量2Lの4気筒エンジンを使用し、回転1840r
pm、トルク36.4Nmの条件において48時間連続
運転を行い、試験後のノズルの残存流量割合を測定し
た。ノズルの残存流量割合とは試験前の新品ノズルの流
量に対して試験後のノズル流量の割合を示したものであ
る。なお、ノズル流量は針弁リフト0.1mm時で測定
した。本試験において、ノズル残存流量割合の値が大き
い程、清浄性に優れていることを表す。
【0073】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 裕朗 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地 日石三 菱株式会社中央技術研究所内 (72)発明者 貝瀬 知香子 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地 日石三 菱株式会社中央技術研究所内 Fターム(参考) 4H013 CB02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セタン指数が45以上、90容量%留出
    温度が330℃以下、硫黄分含有量が300質量ppm
    以下、そして30℃における動粘度が1.7mm2/s
    以上であり、そして二環以上の芳香族化合物の含有量が
    3容量%以下である軽油組成物。
  2. 【請求項2】 三環以上の芳香族化合物の含有量が1容
    量%以下である請求項1に記載の軽油組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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