JP2001302868A - 熱溶融性のポリビニルアルコール系重合体組成物 - Google Patents
熱溶融性のポリビニルアルコール系重合体組成物Info
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Abstract
糸性で高品質のPVA系重合体繊維を溶融紡糸すること
ができ、また良好な溶融成形性で耐衝撃性、強度等の力
学的特性に優れ、フィッシュアイやゲルの発生数が少な
く、平滑な外観を有し、可塑剤の移行がない各種成形品
を製造することのできる熱溶融性のPVA系重合体組成
物、及びそれを用いる溶融紡糸法の提供。 【解決手段】 粘度平均重合度200〜500のPVA
系重合体(a)、及び3価以上の多価アルコールのアル
キレンオキシド付加物であって該多価アルコール1モル
に対するアルキレンオキシドの平均付加モル数が1〜4
モルである多価アルコールアルキレンオキシド付加物
(b)を含有し、PVA系重合体(a)100重量部に
対し多価アルコールアルキレンオキシド付加物(b)を
3〜20重量部の割合で含有する熱溶融性のPVA系重
合体組成物、該組成物を用いて溶融紡糸を行ってPVA
系重合体繊維を製造する方法。
Description
ニルアルコール系重合体組成物、該組成物を用いて溶融
紡糸を行ってポリビニルアルコール系重合体繊維を製造
する方法、およびそれにより得られるポリビニルアルコ
ール系重合体繊維に関する。より詳細には、本発明は溶
融紡糸性に優れるポリビニルアルコール系重合体組成
物、該組成物を用いて溶融紡糸を行って繊維を製造する
方法およびそれにより得られるポリビニルアルコール系
重合体繊維に関するものであり、本発明のポリビニルア
ルコール系重合体組成物は溶融紡糸に適した溶融粘度を
有し、溶融紡糸時の熱安定性および紡糸口金からの紡出
性に優れていて、ゲルの発生による断糸などを生ずるこ
となく、強度等の物性に優れるポリビニルアルコール系
重合体繊維を連続運転により生産性良く製造することが
できる。また、本発明の熱溶融性のポリビニルアルコー
ル系重合体組成物は溶融成形によるフィルム、シート、
ボトルなどの各種成形品の製造にも有効であり、成形時
に可塑剤の揮散を生ずることなく、耐衝撃性、強度など
の力学的特性に優れ、フィッシュアイやゲルの発生数が
少なく、平滑で良好な外観を有し、可塑剤の移行がな
い、高品質の各種成形品を生産性よく製造することがで
きる。
度と熱分解温度とが非常に接近しているため、溶融紡糸
によって繊維を連続運転により製造することは従来困難
であった。そのため、ポリビニルアルコール繊維の製造
に当たっては、ポリビニルアルコールを熱水などに溶解
して紡糸原液を調製し、該原液を用いて湿式紡糸や乾式
紡糸によって繊維を製造する方法が従来から広く採用さ
れている。しかしながら、そのような湿式紡糸や乾式紡
糸法は、紡糸原液の調製、凝固浴による凝固処理、紡糸
した繊維から水分などを除去する工程などが必要であ
り、繁雑で手間がかかるものであった。
ル繊維やポリアミド繊維などと同様に、溶融紡糸によっ
て製造する方法の開発が求められており、ポリビニルア
ルコールの溶融紡糸を可能にするためには、その重合度
やケン化度を大幅に下げたり、ポリビニルアルコール中
に含まれている酢酸ナトリウムなどの金属塩を極力除去
する必要がある。しかしながら、そのようにしても、溶
融紡糸を続けているうちに増粘してトルクが上昇し、紡
糸口金からの紡出ができなくなったり、ゲルの発生によ
って断糸などを生じ易く、繊維を連続して製造すること
が困難であった。また、溶融紡糸によりポリビニルアル
コール繊維が得られたとしても、機械的強度、強靭性、
可撓性などに欠けており、実用価値の低いものであっ
た。
て、フィルム、シート、ボトルなどの成形品を製造する
に当たっても、増粘によるトルクの上昇に伴う成形性の
低下、ゲルやブツの発生による成形品の品質の低下など
の問題があった。
は、(1)ポリビニルアルコールに可塑剤を添加して溶
融粘度を下げる方法、(2)ポリビニルアルコール中に
ビニルアルコール単位以外の他の単量体単位を導入して
変性ポリビニルアルコールにする方法、(3)ポリビニ
ルアルコールに熱分解防止剤を添加する方法などが知ら
れている。
剤としては、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、ポリグリセリン、マンニトー
ル、ソルビトール、ペンタエリスリトールなどがあり、
これらのうちでもグリセリンが最も多く用いられてい
る。グリセリンは、ポリビニルアルコールの融点や溶融
粘度を下げる効果は大きいが、190℃以上の温度でポ
リビニルアルコールのペレット化、溶融紡糸、溶融成形
などを行うと、分解や蒸発を生じてポリビニルアルコー
ル中から失われるため、品質の一定なペレット、繊維、
成形品などが得られないという問題があった。また、得
られるポリビニルアルコール繊維や成形品中でのマイグ
レーションも大きく、繊維や成形品の表面に移行して、
ブロッキングを起こしたり、繊維や成形品が部分的に硬
く脆くなって強度や低温での強靭性が大きく低下するな
どの問題を生じていた。また、ポリエチレングリコール
やポリプロピレングリコールなどの可塑剤は、高温での
蒸散、繊維や成形品内でのマイグレーションの問題は比
較的少ないが、ポリビニルアルコールに対する可塑化性
能が十分ではなく、溶融紡糸や溶融成形時の溶融粘度を
適正なものにするには多量に添加する必要があるため、
得られる繊維や成形品の物性低下が生じ易いという欠点
があった。この傾向は、ポリグリセリン、マンニトー
ル、ソルビトール、ペンタエリスリトールなどにおいて
も同様である。しかも、ソルビトールのような常温で固
体の可塑剤は、繊維や成形品の表面に移行すると白い粉
末状で析出し、外観を低下させるという問題も生じてい
た。
リビニルアルコールは、高温でも溶融紡糸や溶融成形が
可能であるが、可塑剤無しでは増粘によるトルクの上昇
やゲルの発生が避けられず、長時間の溶融紡糸や溶融成
形は実質的には困難であった。さらに、上記(3)の従
来法で用いるポリビニルアルコールの熱分解防止剤とし
ては、リン酸、リン酸塩、ラジカル捕捉剤、ワックスな
どの疎水性化合物が提案されているが、これらもポリビ
ニルアルコールの溶融時の分解を完全には防止できず、
長時間安定して溶融紡糸や溶融成形を行うことは実際上
困難であった。
紡糸に適した低い溶融粘度を有し、しかも熱安定性に優
れていて、長時間紡糸を継続しても、増粘(トルクの上
昇)やゲルの発生がなく、断糸を生ずることなく、強度
や柔軟性などの物性に優れるポリビニルアルコール系重
合体繊維を、連続運転により生産性良く製造することの
できる熱溶融性のポリビニルアルコール系重合体組成物
を提供することである。そして、本発明の目的は、前記
したポリビニルアルコール系重合体組成物を用いて、溶
融紡糸によりポリビニルアルコール系重合体繊維を製造
する方法を提供することである。さらに、本発明の目的
は、溶融成形時に熱安定性に優れ、成形時に可塑剤の揮
散が生じず、フィッシュアイ(ブツ)やゲルの発生がな
くて平滑な表面を有し外観的に優れ、強靭性、耐衝撃性
などの物性に優れ、しかも可塑剤の移行がなくてブロッ
キングなどの問題を生じない高品質の成形品を、溶融成
形によって生産性良く製造することのできる熱溶融性の
ポリビニルアルコール系重合体組成物を提供することで
ある。
本発明者らは研究を行ってきた。そして、一連の研究の
なかで、特開平9−272719号公報に記載されてい
る熱溶融性のポリビニルアルコール系樹脂組成物が、溶
融成形性に優れているという知見を得た。すなわち、こ
の特開平9−272719号公報には、重合度が500
を越え5000以下のポリビニルアルコールに、多価ア
ルコールのアルキレンオキシド付加物を所定の量で配合
した熱溶融性ポリビニルアルコール系樹脂組成物が開示
されており、この熱溶融性のポリビニルアルコール系樹
脂組成物は溶融成形時の熱安定性に優れ、しかも可塑剤
として添加した多価アルコールのアルキレンオキシド付
加物の移行性が非常に少ないため、このポリビニルアル
コール系樹脂組成物を用いてフィルム、シート、ボトル
などの成形品を溶融成形により製造すると、強靭性に優
れ、しかもブツの発生や可塑剤の表面への移行のない高
品質の成形品を連続して生産性良く製造することができ
ることが記載されている。
2719号公報に記載されている熱溶融性のポリビニル
アルコール系樹脂組成物について更に検討を重ねた。そ
の結果、この熱溶融性のポリビニルアルコール系樹脂組
成物は、フィルム、シート、ボトルなどのいわゆる成形
品の製造には適しているが、溶融紡糸用には溶融時の粘
度が未だ高過ぎて紡糸口金から繊維を円滑に紡出するこ
とが困難であることが判明した。そこで、さらに検討し
たところ、ポリビニルアルコールとして、該特開平9−
272719号公報に記載されているものよりも重合度
の低いもの、すなわち粘度平均重合度が200〜500
のものを用い、それに多価アルコールのアルキレンオキ
シド付加物を可塑剤として添加すると、それにより得ら
れるポリビニルアルコール組成物は、溶融時の粘度が紡
糸に適したものとなり良好な溶融紡糸性を示し、紡糸口
金から繊維を連続して紡出できること、紡糸時に可塑剤
として添加した多価アルコールのアルキレンオキシド付
加物の揮散が生じないこと、ブツやゲルなどの発生がな
くて溶融紡糸時に断糸を生じないこと、しかもそれによ
り得られるポリビニルアルコール繊維は、強度、可撓性
などの点においても優れていることを見出した。
には、ポリビニルアルコールの重合度が500以下であ
ると、得られる成形品の強度および低温での衝撃強度が
小さく使用できないとの記載がなされている。そこで、
本発明者らはその点についても更に検討した。その結
果、ポリビニルアルコールとして、該公報に記載のもの
よりも重合度の低いもの、すなわち粘度平均重合度が2
00〜500のものを用いた場合であっても、該特開平
9−272719号公報に記載されている重合度が50
0を越え3000以下のポリビニルアルコール系重合体
を含有する樹脂組成物を用いて得られる成形品と、遜色
のない物性を有するか、または僅かしか物性低下のない
成形品が溶融成形によって生産性良く得られ、それによ
り得られる成形品は十分に実用価値があることを見出
し、それらの知見に基づいて本発明を完成した。
合度が200〜500のポリビニルアルコール系重合体
(a)、および3価以上の多価アルコールのアルキレン
オキシド付加物であって該多価アルコール1モルに対す
るアルキレンオキシドの平均付加モル数が1〜4モルで
ある多価アルコールアルキレンオキシド付加物(b)を
含有し、ポリビニルアルコール系重合体(a)100重
量部に対する多価アルコールアルキレンオキシド付加物
(b)の含有量が3〜20重量部であることを特徴とす
る熱溶融性ポリビニルアルコール系重合体組成物であ
る。
ルコール系重合体(a)が、ポリ酢酸ビニルのケン化
物、並びに酢酸ビニルとα−オレフィン、ω−ヒドロキ
シ−α−オレフィン、長鎖ビニルエーテル、ポリオキシ
アルキレン基含有不飽和単量体、飽和分岐脂肪酸ビニル
および不飽和スルホン酸塩から選ばれる1種以上の不飽
和単量体との共重合体のケン化物から選ばれる少なくと
も1種の重合体である前記(1)の熱溶融性ポリビニル
アルコール系重合体組成物である。
ある前記(1)または(2)の熱溶融性ポリビニルアル
コール系重合体組成物である。
(3)のいずれかの熱溶融性ポリビニルアルコール系重
合体組成物を用いて溶融紡糸を行ってポリビニルアルコ
ール系重合体繊維を製造する方法;および、(5) 前
記(4)の方法により得られるポリビニルアルコール系
重合体繊維;である。
ある前記(1)または(2)のポリビニルアルコール系
重合体組成物である。
する。本発明の熱溶融性のポリビニルアルコール系重合
体組成物では、ポリビニルアルコール系重合体(a)
(以下単に「PVA系重合体」ということがある)とし
て、粘度平均重合度が200〜500のPVA系重合体
を用いることが必要であり、250〜490のPVA系
重合体を用いることが好ましい。PVA系重合体の粘度
平均重合度が200未満であると、溶融紡糸して得られ
るPVA系重合体繊維の強度が小さくなり、一方500
よりも高いとPVA系重合体組成物の溶融粘度が高くな
り過ぎて、紡糸口金から円滑に紡出させることができな
くなる。なお、本明細書における「PVA系重合体の粘
度平均重合度」とは、JISK6726に従って測定し
た重合度をいう。
粘度平均重合度が200〜500の範囲である限り、従
来既知の種々のPVA系重合体が使用でき、ビニルエス
テルの単独重合体をケン化して得られる重合体、ビニル
エステルと他の共重合可能な不飽和単量体との共重合体
をケン化して得られる重合体、ビニルエステルの単独重
合体または共重合体を後変性した後にケン化して得られ
る重合体のいずれもが使用できる。本発明で用い得るP
VA系重合体の具体例としては、酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル、ギ酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ピバ
リン酸ビニルなどのビニルエステル、特に好ましくは酢
酸ビニルの単独重合体のケン化物、前記したビニルエス
テルとα−オレフィン、ω−ヒドロキシ−α−オレフィ
ン、長鎖ビニルエーテル、ポリオキシアルキレン基含有
不飽和単量体、飽和分岐脂肪酸ビニルおよび不飽和スル
ホン酸塩から選ばれる1種以上の不飽和単量体との共重
合体のケン化物などを挙げることができ、これらの1種
または2種以上を用いることができる。
るα−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、ブ
テン、ヘキセン、オクテン、デセンなどの炭素数2〜3
0のα−オレフィンが挙げられ、そのうちでも炭素数2
〜15のα−オレフィンが好ましく、炭素数2〜8のα
−オレフィンがより好ましく、炭素数2〜4のα−オレ
フィンがさらに好ましい。α−オレフィンがエチレンの
場合には、ビニルエステル/エチレン共重合体ケン化物
におけるエチレン単位の含有率は2〜20モル%である
ことが好ましく、4〜15モル%であることがより好ま
しい。エチレン単位の含有率が20モル%を超えると、
そのようなPVA系重合体(ビニルエステル/エチレン
共重合体ケン化物)と本発明の組成物で用いる多価アル
コールアルキレンオキシド付加物(b)との相溶性が低
下して、多価アルコールアルキレンオキシド付加物
(b)による可塑化作用が十分に発揮されなくなって、
PVA系重合体組成物の溶融粘度が紡糸に適した粘度に
まで低下せず、溶融紡糸が円滑に行われにくくなる。し
かも、本発明により得られる繊維、フィルムなどの成形
品に水溶性や水分散性という特性を付与したい場合は、
水に対する溶解性や分散性が低下する。一方、PVA系
重合体(ビニルエステル/エチレン共重合体ケン化物)
におけるエチレン単位の含有率が2モル%未満の場合
は、PVA系重合体中にエチレン単位を含有させたこと
による特性が発揮されにくくなる。また、α−オレフィ
ンが炭素数3〜30のα−オレフィンの場合は、ビニル
エステル/α−オレフィン共重合体ケン化物(PVA系
重合体)におけるα−オレフィン単位の含有率は0.5
〜10モル%であることが好ましい。α−オレフィン単
位の含有率が10モル%を超えると、そのようなPVA
系重合体と本発明の組成物で用いる多価アルコールアル
キレンオキシド付加物(b)との相溶性が低下して、多
価アルコールアルキレンオキシド付加物(b)による可
塑化作用が十分に発揮されなくなって、PVA系重合体
組成物の溶融粘度が紡糸に適した粘度にまで低下せず、
溶融紡糸が円滑に行われにくくなる。しかも、本発明に
より得られる繊維、フィルムなどの成形品に水溶性や水
分散性という特性を付与したい場合は、水に対する溶解
性や分散性が低下する。一方、PVA系重合体における
α−オレフィン単位の含有量が0.5モル%未満の場合
は、PVA系重合体中にα−オレフィン単位を含有させ
たことによる特性が発揮されにくくなる。
重合するω−ヒドロキシ−α−オレフィンは、分子の末
端に水酸基を有するα−オレフィンであり、具体例とし
ては、4−ヒドロキシ−1−ブテン、5−ヒドロキシ−
1−ペンテン、6−ヒドロキシ−1−ヘキセン、7−ヒ
ドロキシ−1−オクテンなどの炭素数4〜20のα−オ
レフィンの分子末端に水酸基を有する化合物を挙げるこ
とができる。そのうちでも、7−ヒドロキシ−1−オク
テンが好ましい。ビニルエステル/ω−ヒドロキシ−α
−オレフィン共重合体ケン化物におけるω−ヒドロキシ
−α−オレフィン単位の含有率は0.5〜10モル%で
あることが好ましい。ω−ヒドロキシ−α−オレフィン
単位の含有率が10モル%を超えるとPVA系重合体組
成物を溶融紡糸または溶融成形して得られる繊維または
成形品の強度や靭性が低下したものになり易く、一方
0.5モル%未満であるとPVA系重合体(ビニルエス
テル/ω−ヒドロキシ−α−オレフィン共重合体ケン化
物)中にω−ヒドロキシ−α−オレフィン単位を含有さ
せたことによる特性が発揮されにくくなる。ω−ヒドロ
キシ−α−オレフィン単位を有するPVA系重合体は、
熱安定性に優れ、しかも該単位による変性度が高い場合
でも、水溶性や水分散性に優れるPVA系重合体を提供
する。
重合する長鎖ビニルエーテルとしては、例えば、ブチル
ビニルエーテル、オクチルビニルエーテルなどのアルキ
ル基の炭素数が4〜12であるアルキルビニルエーテル
が好ましく用いられる。ビニルエステル/アルキルビニ
ルエーテル共重合体ケン化物(PVA系重合体)におけ
るアルキルビニルエーテル単位の含有率は0.5〜10
モル%であることが好ましい。アルキルビニルエーテル
単位の含有率が10モル%を超えるビニルエステル/ア
ルキルビニルエーテル共重合体は合成が実際上困難であ
り、使用できない。一方、アルキルビニルエーテル単位
の含有率が0.5モル%未満であるとPVA系重合体
(ビニルエステル/アルキルビニルエーテル共重合体ケ
ン化物)中にアルキルビニルエーテル単位を含有させた
ことによる特性が発揮されにくくなる。
るポリオキシアルキレン基含有不飽和単量体としては、
例えば、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、
ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテルなどのポ
リオキシアルキレン(メタ)アリルエーテルを挙げるこ
とができる。ポリオキシアルキレン部分の繰り返し単位
数(オキシアルキレン単位の結合数)は、3〜50、特
に5〜20であることが好ましい。ビニルエステル/ポ
リオキシアルキレン基含有不飽和単量体共重合体ケン化
物(PVA系重合体)におけるポリオキシアルキレン基
含有不飽和単量体単位の含有率は0.5〜10モル%、
特に0.5〜5モル%であることが好ましい。ポリオキ
シアルキレン基含有不飽和単量体単位の含有率が10モ
ル%を超えると、得られる繊維または成形品の強度が低
下し、水溶性も低下する。一方0.5モル%未満である
とPVA系重合体中にポリオキシアルキレン基含有不飽
和単量体単位を含有させたことによる特性が発揮されに
くくなる。ポリオキシアルキレン基を有するPVA系重
合体は、酢酸ビニルとポリオキシアルキレン基含有不飽
和単量体を共重合した後にケン化する方法や、酢酸ビニ
ルを重合してポリ酢酸ビニルを製造し、それをポリオキ
シアルキレン基含有不飽和単量体で変性した後にケン化
する方法などにより製造することができる。
重合する飽和分岐脂肪酸ビニルとしては、バーサチック
酸ビニルなどの炭素数6〜16の飽和分岐脂肪酸のビニ
ルエステルが挙げられる。その用いる飽和分岐脂肪酸ビ
ニルは、酢酸ビニルと共重合した後のケン化時にケン化
されないものであることが必要である。ビニルエステル
/飽和分岐脂肪酸ビニル共重合体ケン化物(PVA系重
合体)における飽和分岐脂肪酸ビニル単位の含有率は
0.5〜10モル%、特に0.5〜5モル%であること
が好ましい。飽和分岐脂肪酸ビニル単位の含有率が10
モル%を超えると、得られる繊維または成形品の強度が
低下し、水溶性も低下する。一方0.5モル%未満であ
るとPVA系重合体中に飽和分岐脂肪酸ビニル単位を含
有させたことによる特性が発揮されにくくなる。
る不飽和スルホン酸塩としては、例えば、アクリルアミ
ド−2−メチルプロパンスルホン酸のアルカリ金属塩、
アクリアミド−1−メチルプロパンスルホン酸のアルカ
リ金属塩、メタクリルアミド−2−メチルプロパンスル
ホン酸のアルカリ金属塩、エチレンスルホン酸、アリル
スルホン酸、メタアリルスルホン酸などのオレフィンス
ルホン酸の金属塩などを挙げることができる。そのうち
でも、ビニルエステルとの共重合反応性に優れ、ケン化
処理時の安定性に優れる点から、アクリルアミド−2−
メチルプロパンスルホン酸のアルカリ金属塩が好まし
い。ビニルエステル/不飽和スルホン酸塩共重合体ケン
化物(PVA系重合体)における不飽和スルホン酸塩単
位の含有率は0.2〜20モル%、特に0.5〜10モ
ル%であることが好ましい。不飽和スルホン酸塩単位の
含有量が20モル%を超えると、溶融成形時の熱安定性
が低下する。一方0.2モル%未満であるとPVA系重
合体中に不飽和スルホン塩単位を含有させたことによる
特性が発揮されにくくなる。
は、上記したPVA系重合体の1種または2種以上を含
有することができる。また、本発明の組成物で用いるP
VA系重合体のケン化度は特に制限されず、溶融紡糸が
可能であるか、または溶融成形が可能であるようなケン
化度であればいずれでもよい。そのうちでも、強度およ
び靭性に優れ、しかも腰のある繊維や成形品が得られる
点から、PVA系重合体のケン化度は通常40〜100
モル%であることが好ましく、60〜100モル%であ
ることがより好ましい。特に、酢酸ビニルと上記した不
飽和単量体との共重合体ケン化物では、酢酸ビニル部分
のケン化度が80〜100モル%、特に90〜100モ
ル%であることが好ましい。
用いる、多価アルコールアルキレンオキシド付加物
(b)は、3価以上の多価アルコール1モル当たり、ア
ルキレンオキシドが平均して1〜4モル付加した化合物
である。多価アルコールアルキレンオキシド付加物
(b)におけるアルキレンオキシドの平均付加モル数が
4モルを超えると、多価アルコールアルキレンオキシド
付加物(b)とPVA系重合体との相溶性が悪化してそ
の可塑化作用が低下するため、溶融紡糸や溶融成形に適
する溶融粘度が得られにくくなる。本発明では、多価ア
ルコールアルキレンオキシド付加物(b)として、3価
以上の多価アルコール1モルに対してアルキレンオキシ
ドが1モル、2モル、3モルまたは4モルの割合で付加
した付加化合物のそれぞれを単独で使用してもよいし、
または前記した付加化合物の2種以上の混合物を使用し
てもよい。さらに、場合によっては、多価アルコール1
モルにアルキレンオキシドが1〜4モルの割合で付加し
た付加化合物の少なくとも1種と、多価アルコール1モ
ルにアルキレンオキシドが5モルまたはそれ以上の割合
で付加した付加化合物との混合物であって、多価アルコ
ール1モルに対するアルキレンオキシドの付加モル数の
平均が1〜4モルの範囲内である混合物を用いてもよ
い。但し、アルキレンオキシドの付加モル数が5モル以
上である多価アルコールアルキレンオキシド付加物の割
合が50重量%以上になると、PVA系重合体に対する
可塑化作用が低下するので好ましくない。
は、PVA系重合体100重量部に対して、多価アルコ
ールアルキレンオキシド付加化合物(b)を3〜20重
量部の割合で含有しており、該付加化合物(b)を5〜
15重量部の割合で含有することが好ましい。PVA系
重合体100重量部に対して多価アルコールアルキレン
オキシド付加化合物(b)の含有割合が3重量部未満で
あると、組成物の溶融粘度が高くなり、また熱安定性が
低下するため、長時間安定して溶融紡糸や溶融成形を行
うことが困難になり、しかも得られるPVA系重合体繊
維や成形品の強度、靭性、低温での耐衝撃性などが低下
する。一方、PVA系重合体100重量部に対して多価
アルコールアルキレンオキシド付加化合物(b)の含有
割合が20重量部を超えると、得られる繊維や成形品の
強度や高度が低下し、腰や形態の安定性に欠け、またブ
ロッキング(粘着)などの問題も生じ、好ましくない。
は、粘度平均重合度が200〜500のPVA系重合体
および上記した多価アルコールアルキレンオキシド付加
化合物(b)と共に、必要に応じて、PVA系重合体の
可塑剤として従来から一般に用いられているものを、本
発明の特性を失わない範囲で含有することができる。そ
のような可塑剤の例としては、グリセリン、ジグリセリ
ン、ジエチレングリコールなどの多価アルコール類、ポ
リグリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリエ
ーテル類、ビスフェノールA、ビスフェノールSなどの
フェノール誘導体、N−メチルピロリドンなどのアミド
化合物、水などを挙げることができる。
必要に応じて、着色剤、充填剤、ガラス繊維や炭素繊維
などの繊維類、香料、増量剤、滑剤、剥離剤、紫外線吸
収剤などの添加剤などを含有していてもよい。充填剤と
して添加される無機粉体は、形態安定性、ブロッキング
防止性、硬度付与などの特性を繊維や成形品に付与す
る。その場合の無機粉体としては、例えば、タルク、炭
酸カルシウム、クレー、マイカ、酸化チタンなどを挙げ
ることができ、無機粉体の平均粒径は0.2〜10μm
であることが好ましい。また、添加量は、繊維または成
形品によって異なり得るが、通常、PVA系重合体10
0重量部に対して100重量部以下であることが好まし
い。
は特に制限されず、PVA系重合体、多価アルコールア
ルキレンオキシド付加化合物(b)および必要に応じて
他の成分を均一に混合し得るものであればいずれの方法
で調製してもよい。本発明の熱溶融性PVA系重合体組
成物は、例えば、PVA系重合体と多価アルコールアル
キレンオキシド付加化合物(b)をブレンドした後に溶
融混練してペレット化する方法、溶融混練機にPVA系
重合体と多価アルコールアルキレンオキシド付加化合物
(b)を別々に一定割合で仕込みながら混練、ペレット
化する方法などにより調製することができる。
用いて溶融紡糸または溶融成形しても、または例えばポ
リエチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂、ポリスチレ
ンなどの他の汎用樹脂とブレンドしたり、複合紡糸した
り、積層したりして用いることができる。そのようにし
て得られる繊維や成形品は、疎水性樹脂への親水性の付
与や水に対する濡れ性の改良ができ、また紡糸または成
形後にPVA系重合体を水で溶解除去することによっ
て、多孔質や中空の繊維や成形品を得ることもできる。
融紡糸を行うに当たっては、熱可塑性重合体を用いて溶
融紡糸を行う従来既知の方法に準じて行うことができ
る。一般的には、本発明の熱溶融性PVA系重合体組成
物を融点〜融点+80℃に加熱して、紡糸口金から紡出
することによりPVA系重合体繊維(フィラメント繊
維)を得ることができる。その際の紡糸速度も特に制限
されないが、一般的には500〜7000m/分の紡糸
速度が好ましく採用される。紡糸されたPVA系重合体
繊維は、巻き取る前に延伸処理するかまたは巻き取った
後に巻き戻しながら延伸処理することによって、強度に
一層優れるPVA系重合体繊維を得ることができる。延
伸処理条件としては、一般に破断伸度(HDmax)×
0.55〜破断伸度(HDmax)×0.9倍で延伸す
るのが好ましい。これにより得られるPVA系重合体繊
維は、そのままフィラメント繊維(フィラメント糸)と
して織編物などの製造に用いても良いし、または短繊維
状に切断して不織布、紡績糸、紡績織編物の製造などに
用いてもよい。本発明のPVA系重合体繊維は一般に水
溶性であり、そのため、それから得られた織編物、不織
布、糸などはその用が済んだ後は、水に溶かして処分す
ることができる。
融成形を行うに当たっては、その溶融成形法に特に制限
はなく、例えば、Tダイ押出成形法、インフレーション
押出成形法、ダイレクトブロー成形法、中空成形法、射
出成形法、圧縮成形法、カレンダー成形法をはじめとし
て任意の成形法を採用して、フィルム、シート、板状
体、中空成形品、その他の成形品を製造することができ
る。また、本発明のPVA系重合体組成物と他の熱可塑
性重合体を共押出成形したり、紙、フィルム、シート、
板、布帛などの他の素材の上に溶融押出してラミネート
加工を行ってもよい。溶融成形時の条件は特に制限され
ず、成形方法、目的とする成形品の種類などに応じて適
当な条件を採用することができる。一般に、本発明のP
VA系重合体組成物は、融点〜融点+80℃に加熱する
ことにより円滑に成形することができる。
詳細に説明するが、本発明は以下の例により何ら限定さ
れるものではない。以下の例において、特に断らない限
りは、%は重量%を、部は重量部を示す。以下におい
て、溶融紡糸時の紡糸性の評価、フィルム成形時の可塑
剤の揮発性の評価、フィルム成形時のトルク、成形によ
り得られたフィルムにおけるブツの発生数、可塑剤含
量、衝撃強度および含水率の測定並びに外観の評価は次
のようにして行った。
表1に示す評価基準にしたがって紡糸性の評価を行っ
た。
評価:フィルム成形時に、可塑剤の揮発による白煙の発
生がほとんどない場合を良好(○)、可塑剤の揮発によ
る白煙の発生が激しい場合を不良(×)として評価し
た。
ィルム成形の開始時および成形開始から24時間後の時
点でのトルク[押出機のモーターに流れる電流(A)]
を測定した。
定:フィルム成形の開始時および成形開始から24時間
後の時点において、押し出されたフィルムから10cm
×10cmの試験片を採取し、該試験片におけるブツの
数を目視により数えた。
開始から24時間後に得られたフィルムから10cm×
10cmの試験片を採取し、該試験片を採取した直後、
および該試験片を温度25℃、湿度40%RHの条件下
に2週間放置した時の可塑剤含量を測定した。可塑剤含
量は、試験片を50℃の減圧乾燥機で5時間乾燥して含
有水分を除いた後、メタノールでソックスレー抽出を行
い、重量変化から求めた。
始から24時間後に得られたフィルムから試験片を採取
し、該試験片を採取した直後、および該試験片を温度2
5℃、湿度40%RHの条件下に2週間放置した時の衝
撃強度をフィルムインパクトテスターを用いて5℃の温
度で測定した。
から24時間後に得られたフィルムから10cm×10
cmの試験片を採取し、該試験片を採取した直後、およ
び該試験片を温度25℃、湿度40%RHの条件下に2
週間放置した時の含水率を測定した。
得られたフィルムを目視により観察し、肌荒れがなく平
滑な表面を有している場合を良好(○)、肌荒れがやや
生じている場合をやや不良(△)、肌荒れが大きくざら
ついている場合を不良(×)として評価した。
得られたエチレン単位の含有率が8モル%である酢酸ビ
ニル/エチレン共重合体を常法によりケン化して、粘度
平均重合度480、酢酸ビニル単位におけるケン化度9
8%のエチレン単位含有変性PVAを製造した。 (2) 上記(1)で得られたエチレン単位含有変性P
VA100部と、ソルビトール1モルにエチレンオキシ
ド1モルを付加した化合物からなる可塑剤5部をプラネ
タリーミキサーを用いて混合した後、2軸押出機(東洋
精機株式会社製「ラボプラストミル」;20mmφ,L
/D=28、回転数100rpm、モーター200V)
を用いて220℃で溶融混練してストランド状に押し出
した後、切断して、エチレン単位含有変性PVAとソル
ビトール・エチレンオキシド(1/1)付加物を含有す
る組成物のペレットを製造した。 (3) 上記(2)で得られたペレットを溶融紡糸装置
に供給して、孔径0.25mmの紡糸孔を24個有する
紡糸口金から、紡糸温度220℃、紡糸速度800m/
分の条件下に溶融紡糸した後、ホットローラ(温度75
℃)およびホットプレート(温度170℃)を用いて2
倍に延伸してエチレン単位含有量変性PVA繊維(フィ
ラメント)を製造した。この溶融紡糸試験は6時間継続
して行った。 (4) 上記(3)の6時間の溶融紡糸試験中、以下の
表2に示すように、可塑剤の揮発による白煙の発生がな
く、断糸がなく、均一な円形断面を有する75d/24
f[(75mg/450m)/24f]の繊維(フィラ
メント)が良好な紡糸性で得られた。
モルにエチレンオキシド2モルを付加した化合物5部を
用いた外は実施例1と同様にしてPVA系重合体組成物
(ペレット)を製造し、それを用いて溶融紡糸および延
伸処理を行った。その結果、6時間の溶融紡糸試験中、
以下の表2に示すように、可塑剤の揮発による白煙の発
生がなく、断糸がなく、均一な円形断面を有する75d
/24f[(75mg/450m)/24f]の繊維が
良好な紡糸性で得られた。
り共重合して得られたエチルビニルエーテル単位の含有
率が2モル%である酢酸ビニル/エチルビニルエーテル
共重合体を常法によりケン化して、粘度平均重合度28
0、酢酸ビニル単位におけるケン化度94%のエチルビ
ニルエーテル単位含有変性PVAを製造した。 (2) 上記(1)で得られたエチルビニルエーテル単
位含有変性PVA100部と、ソルビトール1モルにエ
チレンオキシド2モルを付加した化合物からなる可塑剤
10部をプラネタリーミキサーを用いて混合した後、2
00℃で溶融混練し、ストランド状に押し出し切断し
て、エチルビニルエーテル単位含有変性PVAとソルビ
トール・エチレンオキシド(1/2)付加物を含有する
組成物のペレットを製造した。 (3) 上記(2)で得られたペレットを溶融紡糸装置
に供給して、孔径0.25mmの紡糸孔を24個有する
紡糸口金から、紡糸温度200℃、紡糸速度800m/
分の条件下に溶融紡糸した後、ホットローラ(温度75
℃)およびホットプレート(温度150℃)を用いて2
倍に延伸してエチルビニルエーテル単位含有変性PVA
繊維(フィラメント)を製造した。この溶融紡糸試験は
6時間継続して行った。 (4) 上記(3)の6時間の溶融紡糸試験中、以下の
表2に示すように、可塑剤の揮発による白煙の発生がな
く、断糸が生じず、均一な円形断面を有する75d/2
4f[(75mg/450m)/24f]の繊維が良好
な紡糸性で得られた。
グリコール(PEG#400;平均分子量400)5部
を用いた外は実施例1と同様にしてPVA系重合体組成
物(ペレット)を製造し、それを用いて溶融紡糸および
延伸処理を行って、75d/24f[(75mg/45
0m)/24f]の繊維を製造した。6時間の溶融紡糸
試験中、以下の表2に示すように、可塑剤の揮発による
白煙が常に発生し、紡糸性が十分に良好ではなかった。
じエチレン単位含有変性PVA(粘度平均重合度48
0、酢酸ビニル単位におけるケン化度98%)のみから
なるペレットを溶融紡糸装置に供給して、孔径0.25
mmの紡糸孔を24個有する紡糸口金から、紡糸温度2
40℃、紡糸速度800m/分の条件下に溶融紡糸した
後、ホットローラ(温度75℃)およびホットプレート
(温度180℃)を用いて2倍に延伸してエチレン単位
含有量変性PVA繊維(フィラメント)を製造した。こ
の溶融紡糸試験を6時間行った。 (2) 上記(1)の6時間の溶融紡糸試験中、以下の
表2に示すように、ブツの発生による断糸が多発し、溶
融紡糸を連続して円滑に行うことができなかった。
得られたエチレン単位の含有率が8モル%である酢酸ビ
ニル/エチレン共重合体を常法によりケン化して、粘度
平均重合度750、酢酸ビニル単位におけるケン化度9
7%のエチレン単位含有変性PVAを製造した。 (2) 上記(1)で得られたエチレン単位含有変性P
VA100部と、ソルビトール1モルにエチレンオキシ
ド2モルを付加した化合物からなる可塑剤10部をプラ
ネタリーミキサーを用いて混合した後、240℃で溶融
混練し、ストランド状に押し出し切断して、エチレン単
位含有変性PVAとソルビトール・エチレンオキシド
(1/2)付加物を含有する組成物のペレットを製造し
た。 (3) 上記(2)で得られたペレットを溶融紡糸装置
に供給して、孔径0.25mmの紡糸孔を24個有する
紡糸口金から、紡糸温度240℃の条件下に溶融紡糸し
たところ、下記の表2に示すように、溶融粘度が高すぎ
て紡糸口金からポリマーを十分に紡出させることができ
ず巻き取りが困難であり、繊維を円滑に製造することが
できなかった。
200〜500の範囲のPVA系重合体100部に対し
て、3価以上の多価アルコール1モルに対するアルキレ
ンオキシドの平均付加モル数が1〜4モルの範囲にある
多価アルコールアルキレンオキシド付加物(b)を3〜
20部の割合で含有するPVA系重合体組成物を用いて
溶融紡糸を行った実施例1〜3では、溶融紡糸時に可塑
剤の揮発がなく、しかも24時間後も溶融物の粘度が低
くて溶融紡糸が円滑に行われること、しかもブツによる
断糸の発生や紡糸口金からの紡出困難などがなく、PV
A系重合体繊維を長時間連続して円滑に製造できたこと
がわかる。一方、上記の表2の結果から、粘度平均重合
度が200〜500の範囲のPVA系重合体を用いた場
合であっても可塑剤を含有しないPVA系重合体を用い
た場合(比較例2)または3価以上の多価アルコールの
アルキレンオキシド付加物(b)以外の可塑剤を含有す
るPVA系重合体組成物を用いた場合(比較例1)、或
いは粘度平均重合度が500を超えるPVA系重合体の
組成物を用いた場合(比較例3)には、溶融紡糸時に可
塑剤の揮発が激しいか(比較例1)、ブツによる断糸が
多発するか(比較例2)、またはPVA系重合体組成物
の溶融粘度が高すぎて紡糸口金からの紡出が困難である
(比較例3)ことがわかる。
部分ケン化PVA粉末100部と、グリセリン1モルに
エチレンオキシド2モルを付加した化合物からなる可塑
剤5部をプラネタリーミキサーを用いて混合した後、実
施例1の(2)で用いたのと同じ2軸押出機を使用し
て、200℃で溶融混練後にストランド状に押し出した
後、切断して、部分ケン化PVAとグリセリン・エチレ
ンオキシド(1/2)付加物を含有する組成物のペレッ
トを製造した。 (2) 上記(1)で得られたペレットをTダイを備え
た単軸式押出成形機(25mmφ、L/D=28、回転
数20rpm、Tダイ有効幅=300mm、リップクリ
アランス=0.2mm)に供給して、押出温度200
℃、吐出量1.5kg/hで溶融押出成形し、フィルム
の引き取り速度を調整して厚さ40μmのフィルムを製
造した。フィルムの押出成形を24時間連続して行い、
フィルム成形時の可塑剤の揮発性の評価、フィルム成形
時のトルク、成形により得られたフィルムにおけるブツ
の数、可塑剤含量、衝撃強度および含水率並びに外観の
評価を上記した方法で測定または評価したところ、下記
の表3に示すとおりであった。
変性PVA(粘度平均重合度480、酢酸ビニル単位に
おけるケン化度98%)100部と、ソルビトール1モ
ルにエチレンオキシド1モルを付加した化合物からなる
可塑剤5部をプラネタリーミキサーを用いて混合した
後、実施例1の(2)で用いたのと同じ2軸押出機を使
用して、220℃で溶融混練後にストランド状に押し出
した後、切断して、エチレン単位含有変性PVAとソル
ビトール・エチレンオキシド(1/1)付加物を含有す
る組成物のペレットを製造した。 (2) 上記(1)で得られたペレットを、実施例4で
使用したのと同じTダイを備えた単軸式押出成形機に供
給して、押出温度220℃、吐出量1.5kg/hで溶
融押出成形し、フィルムの引き取り速度を調整して厚さ
40μmのフィルムを製造した。フィルムの押出成形を
24時間連続して行い、フィルム成形時の可塑剤の揮発
性の評価、フィルム成形時のトルク、成形により得られ
たフィルムにおけるブツの数、可塑剤含量、衝撃強度お
よび含水率並びに外観の評価を上記した方法で測定また
は評価したところ、下記の表3に示すとおりであった。
常法により共重合した後、常法によりケン化して、7−
ヒドロキシ−1−オクテン単位の含有率4.5モル%、
酢酸ビニル単位のケン化度98%、粘度平均重合度40
0の変性PVAを製造した。 (2) 上記(1)で得られた変性PVA100部と、
ソルビトール1モルにエチレンオキシド2モルを付加し
た化合物からなる可塑剤5部をプラネタリーミキサーを
用いて混合した後、実施例1の(2)で用いたのと同じ
2軸押出機を使用して、230℃で溶融混練後にストラ
ンド状に押し出した後、切断して、変性PVAとソルビ
トール・エチレンオキシド(1/2)付加物を含有する
組成物のペレットを製造した。 (3) 上記(2)で得られたペレットを、実施例4で
使用したのと同じTダイを備えた単軸式押出成形機に供
給して、押出温度230℃、吐出量1.5kg/hで溶
融押出成形し、フィルムの引き取り速度を調整して厚さ
40μmのフィルムを製造した。フィルムの押出成形を
24時間連続して行い、フィルム成形時の可塑剤の揮発
性の評価、フィルム成形時のトルク、成形により得られ
たフィルムにおけるブツの数、可塑剤含量、衝撃強度お
よび含水率並びに外観の評価を上記した方法で測定また
は評価したところ、下記の表3に示すとおりであった。
より共重合した後、常法によりケン化して、オクチルビ
ニルエーテル単位の含有率2モル%、酢酸ビニル単位の
ケン化度94%、粘度平均重合度430の変性PVAを
製造した。 (2) 上記(1)で得られた変性PVA100部と、
ペンタエリスリトール1モルにエチレンオキシド3モル
を付加した化合物からなる可塑剤5部をプラネタリーミ
キサーを用いて混合した後、実施例1の(2)で用いた
のと同じ2軸押出機を使用して、210℃で溶融混練後
にストランド状に押し出した後、切断して、変性PVA
とペンタエリスリトール・エチレンオキシド(1/3)
付加物を含有する組成物のペレットを製造した。 (3) 上記(2)で得られたペレットを、実施例4で
使用したのと同じTダイを備えた単軸式押出成形機に供
給して、押出温度210℃、吐出量1.5kg/hで溶
融押出成形し、フィルムの引き取り速度を調整して厚さ
40μmのフィルムを製造した。フィルムの押出成形を
24時間連続して行い、フィルム成形時の可塑剤の揮発
性の評価、フィルム成形時のトルク、成形により得られ
たフィルムにおけるブツの数、可塑剤含量、衝撃強度お
よび含水率並びに外観の評価を上記した方法で測定また
は評価したところ、下記の表3に示すとおりであった。
ル(エチレンオキシド単位数10)を常法により共重合
した後、常法によりケン化して、ポリオキシエチレンア
リルエーテル単位の含有率1.8モル%、酢酸ビニル単
位のケン化度95%、粘度平均重合度400の変性PV
Aを製造した。 (2) 上記(1)で得られた変性PVA100部と、
ソルビトール1モルにエチレンオキシド2モルを付加し
た化合物からなる可塑剤5部をプラネタリーミキサーを
用いて混合した後、実施例1の(2)で用いたのと同じ
2軸押出機を使用して、230℃で溶融混練後にストラ
ンド状に押し出した後、切断して、変性PVAとソルビ
トール・エチレンオキシド(1/2)付加物を含有する
組成物のペレットを製造した。 (3) 上記(2)で得られたペレットを、実施例4で
使用したのと同じTダイを備えた単軸式押出成形機に供
給して、押出温度230℃、吐出量1.5kg/hで溶
融押出成形し、フィルムの引き取り速度を調整して厚さ
40μmのフィルムを製造した。フィルムの押出成形を
24時間連続して行い、フィルム成形時の可塑剤の揮発
性の評価、フィルム成形時のトルク、成形により得られ
たフィルムにおけるブツの数、可塑剤含量、衝撃強度お
よび含水率並びに外観の評価を上記した方法で測定また
は評価したところ、下記の表3に示すとおりであった。
リルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム
を常法により共重合した後、常法によりケン化して、バ
ーサチック酸ビニル単位の含有率3モル%、アクリルア
ミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム単位の
含有率1モル%、酢酸ビニル単位のケン化度90%、粘
度平均重合度450の変性PVAを製造した。 (2) 上記(1)で得られた変性PVA100部と、
グリセリン1モルにエチレンオキシド2モルとプロピレ
ンオキシド1モルが付加した化合物からなる可塑剤10
部をプラネタリーミキサーを用いて混合した後、実施例
1の(2)で用いたのと同じ2軸押出機を使用して、2
10℃で溶融混練後にストランド状に押し出した後、切
断して、変性PVAとグリセリン・エチレンオキシド・
プロピレンオキシド(1/2/1)付加物を含有する組
成物のペレットを製造した。 (3) 上記(2)で得られたペレットを、実施例4で
使用したのと同じTダイを備えた単軸式押出成形機に供
給して、押出温度210℃、吐出量1.5kg/hで溶
融押出成形し、フィルムの引き取り速度を調整して厚さ
40μmのフィルムを製造した。フィルムの押出成形を
24時間連続して行い、フィルム成形時の可塑剤の揮発
性の評価、フィルム成形時のトルク、成形により得られ
たフィルムにおけるブツの数、可塑剤含量、衝撃強度お
よび含水率並びに外観の評価を上記した方法で測定また
は評価したところ、下記の表3に示すとおりであった。
キシド2モルを付加した化合物の代わりに、グリセリン
5部を用いた外は実施例4と同様にして200℃で溶融
押出してPVA系重合体組成物(ペレット)を製造し
た。 (2) 上記(1)で得られたペレットを、実施例4で
使用したのと同じTダイを備えた単軸式押出成形機に供
給して、押出温度200℃、吐出量1.5kg/hで溶
融押出成形し、フィルムの引き取り速度を調整して厚さ
40μmのフィルムを製造した。フィルムの押出成形を
24時間連続して行い、フィルム成形時の可塑剤の揮発
性の評価、フィルム成形時のトルク、成形により得られ
たフィルムにおけるブツの数、可塑剤含量、衝撃強度お
よび含水率並びに外観の評価を上記した方法で測定また
は評価したところ、下記の表4に示すとおりであった。
4で用いたのと同じPVA系重合体のみを用いて実施例
4と同様にして200℃で溶融押出してペレットを製造
し、そのペレットを実施例4で使用したのと同じTダイ
を備えた単軸式押出成形機に供給して、押出温度200
℃、吐出量1.5kg/hで溶融押出成形し、フィルム
の引き取り速度を調整して厚さ40μmのフィルムを製
造した。フィルムの押出成形を24時間連続して行い、
フィルム成形時の可塑剤の揮発性の評価、フィルム成形
時のトルク、成形により得られたフィルムにおけるブツ
の数、可塑剤含量、衝撃強度および含水率並びに外観の
評価を上記した方法で測定または評価したところ、下記
の表4に示すとおりであった。
オキシド2モルを付加した化合物の代わりに、ポリエチ
レングリコール(PEG#400;平均分子量400)
5部を用いた外は実施例6と同様にして230℃で溶融
押出してPVA系重合体組成物(ペレット)を製造し
た。 (2) 上記(1)で得られたペレットを、実施例4で
使用したのと同じTダイを備えた単軸式押出成形機に供
給して、押出温度230℃、吐出量1.5kg/hで溶
融押出成形し、フィルムの引き取り速度を調整して厚さ
40μmのフィルムを製造した。フィルムの押出成形を
24時間連続して行い、フィルム成形時の可塑剤の揮発
性の評価、フィルム成形時のトルク、成形により得られ
たフィルムにおけるブツの数、可塑剤含量、衝撃強度お
よび含水率並びに外観の評価を上記した方法で測定また
は評価したところ、下記の表4に示すとおりであった。
オキシド2モルを付加した化合物の代わりに、ソルビト
ール5部を用いた外は実施例6と同様にして230℃で
溶融押出してPVA系重合体組成物(ペレット)を製造
した。 (2) 上記(1)で得られたペレットを、実施例4で
使用したのと同じTダイを備えた単軸式押出成形機に供
給して、押出温度230℃、吐出量1.5kg/hで溶
融押出成形し、フィルムの引き取り速度を調整して厚さ
40μmのフィルムを製造した。フィルムの押出成形を
24時間連続して行い、フィルム成形時の可塑剤の揮発
性の評価、フィルム成形時のトルク、成形により得られ
たフィルムにおけるブツの数、可塑剤含量、衝撃強度お
よび含水率並びに外観の評価を上記した方法で測定また
は評価したところ、下記の表4に示すとおりであった。
度平均重合度が200〜500の範囲のPVA系重合体
100部に対して、3価以上の多価アルコール1モルに
対するアルキレンオキシドの平均付加モル数が1〜4モ
ルの範囲にある多価アルコールアルキレンオキシド付加
物(b)を3〜20部の範囲の量で含有する実施例4〜
9のPVA系重合体組成物を溶融押出成形した場合に
は、成形時に可塑剤の揮発がなく、しかも押出成形開始
後24時間経過した時点でも溶融物のトルクが低くて押
出成形が円滑に行われること、得られたフィルムではブ
ツの数が少なく、表面が平滑で外観に優れること、しか
もフィルムを2週間放置した後でも、可塑剤の残存率が
高く、フィルムが高い衝撃強度を保持している。これに
対して、上記の表4の結果から明らかなように、粘度平
均重合度が200〜500の範囲のPVA系重合体を用
いた場合であっても可塑剤を含有しないPVA系重合体
を用いた比較例5のPVA系重合体組成物または3価以
上の多価アルコールのアルキレンオキシド付加物(b)
以外の可塑剤を含有する比較例4および比較例6〜7の
PVA系重合体組成物を用いて溶融押出成形した場合
に、成形時に可塑剤の揮発が激しいか(比較例4)、溶
融成形開始から24時間経過した時点では溶融物のトル
クが高くなって押出成形性が低下(比較例6および比較
例7)すること、しかも得られたフィルムではブツの数
が多く、表面に肌荒れがあり外観に劣っていること(比
較例4〜7)、フィルムの放置前および/または2週間
放置した時点での可塑剤の残存率が低く、フィルムの衝
撃強度が低い(比較例4〜7)ことがわかる。
A系重合体と3価以上の多価アルコール1モルにアルキ
レンオキシドが平均で1〜4モルの割合で付加した多価
アルコールアルキレンオキシド付加物(b)を含有する
本発明のPVA系重合体組成物は、加熱により溶融紡糸
に適した溶融粘度を有し、しかも溶融物は熱安定性に優
れ且つ可塑剤として添加した多価アルコールアルキレン
オキシド付加物(b)の揮散がないため、長時間紡糸を
継続しても増粘(トルクの上昇)やゲルの発生および可
塑剤の揮発を生ずることなく、紡糸口金からの紡出不能
や断糸などのトラブルなどを生じずに、強度や柔軟性に
優れるPVA系重合体繊維を、連続運転により生産性よ
く製造することができる。しかも、それにより得られた
PVA系重合体繊維では多価アルコールアルキレンオキ
シド付加物(b)の移行がないために、粘着の発生がな
く、また多価アルコールアルキレンオキシド付加物
(b)の揮散による繊維の剛直化を生じない。本発明に
より得られるPVA系重合体繊維は、一般に水溶性また
は水分散性であるため、用が済んだ後に水に溶解したり
分散したりして処理または除去することができる。
用いて、溶融成形によってフィルム、シート、その他の
成形品を製造する場合は、成形時に溶融物の増粘(トル
クの増加)や可塑剤の揮散を生じずに、フィッシュアイ
(ブツ)やゲルの発生がなくて平滑な表面を有し外観的
に優れ、強靭性、耐衝撃性などの物性に優れ、しかも可
塑剤の移行がなくてブロックキングなどの問題を生じな
い高品質の成形品を生産性良く製造することができる。
また、本発明のPVA系重合体組成物を用いて得られる
成形品は、一般に水に溶解または分散可能であるため、
用が済んだ後に水に溶解したり分散したりして処理また
は除去することができ、さらには中空物を製造する際の
水溶性中子などとしても有用に用いることができる。
オキシド付加物(b)は、PVA系重合体に対して優れ
た可塑化性能を有し、粘度平均重合度が200〜500
のPVA系重合体の融点を低下させてその溶融粘度を溶
融紡糸に適した粘度にすることができ、特に従来溶融紡
糸が困難であった高ケン化度のPVA系重合体の溶融紡
糸をも可能にする。しかも、本発明で用いる多価アルコ
ールアルキレンオキシド付加物(b)は、常温において
液状を呈し、粘度平均重合度が200〜500のPVA
系重合体に対して優れた相溶性を有し、可塑剤の表面へ
の移行のない、均一なPVA系重合体組成物を形成す
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 粘度平均重合度が200〜500のポリ
ビニルアルコール系重合体(a)、および3価以上の多
価アルコールのアルキレンオキシド付加物であって該多
価アルコール1モルに対するアルキレンオキシドの平均
付加モル数が1〜4モルである多価アルコールアルキレ
ンオキシド付加物(b)を含有し、ポリビニルアルコー
ル系重合体(a)100重量部に対する多価アルコール
アルキレンオキシド付加物(b)の含有量が3〜20重
量部であることを特徴とする熱溶融性のポリビニルアル
コール系重合体組成物。 - 【請求項2】 ポリビニルアルコール系重合体(a)
が、ポリ酢酸ビニルのケン化物、並びに酢酸ビニルとα
−オレフィン、ω−ヒドロキシ−α−オレフィン、長鎖
ビニルエーテル、ポリオキシアルキレン基含有不飽和単
量体、飽和分岐脂肪酸ビニルおよび不飽和スルホン酸塩
から選ばれる1種以上の不飽和単量体との共重合体のケ
ン化物から選ばれる少なくとも1種の重合体である請求
項1に記載のポリビニルアルコール系重合体組成物。 - 【請求項3】 溶融紡糸用である請求項1または2に記
載のポリビニルアルコール系重合体組成物。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のポ
リビニルアルコール系重合体組成物を用いて溶融紡糸を
行ってポリビニルアルコール系重合体繊維を製造する方
法。 - 【請求項5】 請求項4の方法により得られるポリビニ
ルアルコール系重合体繊維。 - 【請求項6】 溶融成形用である請求項1または2に記
載のポリビニルアルコール系重合体組成物。
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