JP2001302342A - 誘電体磁器組成物、積層セラミックコンデンサとその製造方法 - Google Patents

誘電体磁器組成物、積層セラミックコンデンサとその製造方法

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JP2001302342A
JP2001302342A JP2000124057A JP2000124057A JP2001302342A JP 2001302342 A JP2001302342 A JP 2001302342A JP 2000124057 A JP2000124057 A JP 2000124057A JP 2000124057 A JP2000124057 A JP 2000124057A JP 2001302342 A JP2001302342 A JP 2001302342A
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mol
dielectric
composition
ceramic capacitor
multilayer ceramic
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Application number
JP2000124057A
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English (en)
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Tetsuhiro Takahashi
哲弘 高橋
Taisei Shoji
大成 東海林
Kiyoji Handa
喜代二 半田
Yohachi Yamashita
洋八 山下
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Toshiba Corp
Nippon Chemi Con Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Nippon Chemi Con Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水系のバインダを使用して良好にスラリー化
可能であり、急速焼成でもクラックを生じることなく良
好に焼結可能で、鉛レスハンダを用いた場合でも実装時
にクラックが生じにくい誘電体磁器組成物を提供する。 【解決手段】 組成式がBaTiO3からなる主組成物
に対して、SiO2−Al23−BaO−CaO−Ta2
5−WO3−CeO2−Nb25−MgO−Y 23から
なる添加物を2〜10wt%含有させてなる誘電体磁器
組成物であって、前記添加物を構成する各成分が、それ
ぞれSiO2=10〜50mol%、Al23=1〜2
0mol%、BaO=3〜40mol%、CaO=0〜
10mol%、Ta25=0〜10mol%、WO3
1〜10mol%、CeO2=1〜10mol%、Nb2
5=0〜10mol%、MgO=10〜40mol
%、Y 23=0〜20mol%であり、その平均粒径が
0.5μm以下になるように調製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層セラミックコ
ンデンサ用の誘電体磁器組成物、その組成物を用いた積
層セラミックコンデンサとその製造方法に関する。特
に、誘電体磁器組成物の組成を改善して、コンデンサ製
造時における熱効率及び量産性を向上するための技術に
関するものである。さらに、水系のバインダーシステム
を用いた時に、特に優れたスラリーの安定性、焼結特
性、電気的特性(特に、優れたエージング特性と高圧
(10V/μm)での高い絶縁抵抗値)を示す、環境対
応型の積層セラミックコンデンサ用の誘電体磁器組成物
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】小型・高性能化の要求に伴い、積層セラ
ミックコンデンサ(MLC)においては、近年、ますま
す小型化、多層化が進展しており、積層数についても4
00、500層を超えるものが現れている。このMLC
の製造方法としては、これまではスクリーン印刷機を用
いたウェットスタック法やグリーンシートを積層するド
ライスタック法が採用されてきた。これらの方法では、
誘電体粉末に有機バインダーや可塑剤、有機溶剤を混合
してペ―ストやスラリーを作製し、これらを乾燥して誘
電体シートを作製している。
【0003】しかしながら、これらの方法では、多量の
有機溶剤を使用するために、その蒸発管理が難しいのみ
ならず、人体や環境に与える影響も無視できず、環境面
で大きな社会問題となっていた。また、ドライスタック
法では、ベースフィルムとしてポリプロピレン(PP)
やポリエチレン(PET)フィルムを使用するために、
誘電体シートが5μm以下に薄層化するに従い、多量の
有機物フィルムの廃棄が問題となっていた。
【0004】これに対して、前述のスクリーン印刷機を
用いたウェットスタック法では、PETフィルムを使用
しないことからフィルム廃棄の問題は生じないが、5μ
m以下の厚みでピンホールのない均一な誘電体シートを
作製することは原理的に困難であった。
【0005】上述したような従来の製造方法の問題点を
解決するために、本発明者等は、すでに水系バインダー
を使用することができる新規な製造方法(特願平9−3
3759号)を提案している。また、近年の環境問題を
考えると、実装する際に通常用いているハンダには、鉛
が含まれており、環境問題を引き起こす原因となりうる
ため、鉛レスハンダの使用が要望されている。そのた
め、現在では鉛レスハンダの開発が盛んに行われ、Sn
−Ag−Cu−Sb系等に代表されるような鉛レスハン
ダに置き換わるのは時間の問題であると考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、MLC
製造の熱効率を改善するために、通常用いられる誘電体
材料(例えば、特開昭47−35751号、特願昭59
−220745号、特願昭60−8999号、特開平6
−342735号、特開平10−255549号等)を
用いて、600℃〜1500℃/時間の速度で昇温、降
温を行い、短時間で焼成した場合には、焼成後の素子に
クラックが生じやすいという欠点があった。
【0007】また、鉛レスハンダを用いて実装する際、
処理温度が通常の鉛入りハンダよりも20〜30℃程度
高くなるため、クラックが発生し易いという欠点もあっ
た。このクラック発生の問題は、特に、5.0×5.7
×2.0mmサイズで、5μm以下の誘電体層を有する
ような大型のMLCを製造する場合には特に顕著であっ
た。
【0008】また、MLC製造に当たり、水系バインダ
ーを用いて、従来のEIAのX7R特性(容量変化率が
±15%以下、−55〜+125℃)及びJISのB特
性(容量変化率が±10%以下、−25〜+85℃)を
満足するチタン酸バリウム系材料のスラリー化を行った
場合には、さらに次のような問題が生じていた。
【0009】まず、前述の誘電体材料では、通常用いら
れるアクリル樹脂を用いたバインダーの場合にはスラリ
ーの泡が立ちやすく、またピンホールが出やすいという
欠点があった。また、水溶液の粘度が時間と共に大きく
変化することがしばしば見られた。さらに、得られた素
子の端面研磨のために湿式バレル処理を行うと、チッピ
ングが生じ易いという欠点があった。これらの欠点は、
特に水系バインダーを用いた時に顕在化し、量産上の大
きな問題点であった。
【0010】これらの欠陥以外にも、特に、5.0×
5.7×2.0mmサイズで5μm以下の誘電体層を有
するような大型のMLCを製造する場合には、絶縁耐圧
が200V以下に低下するという問題点があった。さら
に得られた卑金属MLCでは、その初期の静電容量が時
間とともに減少していくエージング特性が悪く、はなは
だしい場合は静電容量が1年間で10%以上も変化する
という問題点があった。また、高圧(10V/μm)で
は絶縁抵抗値が急激に低下し、高圧では使用できないと
いう問題点もあった。
【0011】本発明は、以上のような従来技術の問題点
を解決するために提案されたものであり、その目的は、
水系のバインダーを使用して良好にスラリー化可能であ
り、急速焼成でもクラックを生じることなく良好に焼結
可能で、鉛レスハンダの使用時でもクラック等が発生せ
ず、積層セラミックコンデンサ用として好適な誘電体磁
器組成物を提供することにある。本発明の別の目的は、
そのような組成物を用いて、大型の場合でも耐圧に優
れ、EIAのX7R特性及びJISのB特性を満たすこ
とが可能な、高性能で信頼性の高い積層セラミックコン
デンサを提供することであり、さらに、そのような優れ
た積層セラミックコンデンサを製造可能な、熱効率、量
産性、及び環境性に優れた製造方法を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の目
的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、請求項1に記載
の通り、誘電体材料として、組成式がBaTiO3から
なる主組成物に対して、SiO2−Al23−BaO−
CaO−Ta25−WO3―CeO2―Nb25−MgO
−Y23からなる添加物を、2.0〜10wt%含有さ
せてなることを特徴とする誘電体磁器組成物を用いるこ
とにより、上記目的を達成し得ることを見出した。
【0013】なお、ベースとなるBaTiO3からなる
組成物に上記添加物を添加する場合、まず、添加物を1
100℃以上の高温度で仮焼きし、粉砕することにより
均一化し、これをベースとなるチタン酸バリウムに添加
することが好ましい。この方法により、添加物を水系溶
媒に添加しても、安定に水系スラリーを作製できるばか
りでなく、焼結した後に粒界に選択的にこれらの添加物
を均一に析出させることが可能となる。また、低温焼成
が実現でき、水系の溶媒を用いても粘度が安定する。ま
た、添加物の比重差が小さいために、より均一なグリー
ンシートを作製することができる。
【0014】また、請求項4に記載の通り、上記成分の
一部を、予め、例えばBaCeO3又はCaCeO3のよ
うなペロブスカイト構造や、MgAl24のようなスピ
ネル構造を有する複合酸化物として合成し、添加するこ
とにより、さらに信頼性を向上させることができること
が判明した。このように、添加物を構成する成分の一部
を、予め、ペロブスカイト構造又はスピネル構造を有す
る複合酸化物として合成し、添加することにより、良好
な結果が得られた理由は、組成の不均一が少なくなると
共に、BaTiO3との反応を抑制したためであると考
えられる。なお、スピネル構造を有する複合酸化物とし
ては、上記MgAl24の他に、Mg2TiO4、Mn2
TiO4、Co2TiO4が挙げられる。
【0015】また、請求項2に記載の通り、前記SiO
2−Al23−BaO−CaO−Ta25−WO3―Ce
2−Nb25−MgO−Y23からなる添加物を構成
する各成分は、それぞれSiO2=10〜50mol
%、Al23=1〜20mol%、BaO=3〜40m
ol%、CaO=0〜10mol%、Ta25=0〜1
0mol%、WO3=1〜10mol%、CeO2=1〜
10mol%、Nb25=0〜10mol%、MgO=
10〜40mol%、Y23=0〜20mol%であ
り、この添加物の平均粒径は、0.5μm以下であるこ
とが望ましい。
【0016】なお、さらに好ましくは、ベースとなるB
aTiO3の平均粒径が0.1〜0.5μmである原料
を用い、SiO2−Al23−BaO−CaO−Ta2
5−WO3―CeO2−Nb25−MgO−Y23の各成
分が、それぞれSiO2=15〜40mol%、Al2
3=1〜10mol%、BaO=5〜30mol%、C
aO=0〜5mol%、Ta25=0〜5mol%、W
3=2〜5mol%、CeO2=2〜5mol%、Nb
25=0〜5mol%、MgO=10〜30mol%、
23=5〜15mol%であり、その平均粒径が0.
3μm以下である添加物を、3〜6wt%添加すること
が望ましい。このような誘電体磁器組成物は、水系のバ
インダーを使用して良好にスラリー化可能であり、急速
焼成でもクラックを生じることなく良好に焼結可能であ
る。
【0017】ここで、添加物の添加量及び各成分の範囲
は、次の理由によって決定されている。まず、SiO2
−Al23−BaO−CaO−Ta25―WO3―Ce
2−Nb25−MgO−Y23からなる添加物を、ベ
ースとなるチタン酸バリウムに対して2〜10wt%添
加することとしたのは、次の理由による。すなわち、上
記添加物の添加量が2.0wt%以下では、1300℃
以下での焼成が困難となり、さらに、600℃/時間を
超える急速な昇温、降温の焼成プロファイルを用いた時
に、素子にクラックが生じやすくなるためである。ま
た、水系バインダーを用いた場合の泡の発生が多いばか
りでなく、誘電体シートにピンホールが出やすくなり、
鉛レスハンダをハンダ付けする際に、クラックが発生し
易くなるためである。また、高圧(10V/μm)にお
いて、絶縁抵抗を増加させたり、高温度においてエージ
ングレートを小さくする効果がほとんど見られないため
である。一方、上記添加物の添加量が10wt%以上で
は、誘電率が低下するばかりでなく、焼成体同士やジル
コニアセッター等との融着が激しくなり、素子の変形が
著しくなるためである。
【0018】また、添加物の平均粒径を0.5μm以下
としたのは、特に誘電体層を5μmレベルまで薄層化し
た場合に、耐圧が400V以上となる優れたMLCを得
ることができるためである。
【0019】さらに、SiO2−Al23−BaO−C
aO−Ta25−WO3―CeO2−Nb25−MgO−
23からなる添加物を構成する各成分を、それぞれS
iO 2=10〜50mol%、Al23=1〜20mo
l%、BaO=3〜40mol%、CaO=0〜10m
ol%、Ta25=0〜10mol%、WO3=1〜1
0mol%、CeO2=1〜10mol%、Nb25
0〜10mol%、MgO=10〜40mol%、Y2
3=0〜20mol%としたのは、以下の理由によ
る。
【0020】すなわち、SiO2及びAl23の量を上
記の範囲に限定したのは、この範囲外では、特に130
0℃以下の低温焼成が達成できないためであり、BaO
やCaOの量を上記の範囲に限定したのは、この範囲外
では、誘電体層が5μm以下での耐圧が低下し、さらに
絶縁抵抗が低下するためである。
【0021】WO3及びCeO2の量を上記の範囲に限定
したのは、1.0mol%より少ない場合は、バレル処
理時のチッピングが多くなり、また耐圧も十分な値が得
られないばかりでなく、急速焼成時のクラックが生じる
ためである。また、小さなエージングレートと高圧での
大きな絶縁抵抗が得られなくなるためである。一方、1
0mol%より多い場合には、容量温度特性がEIAの
X7R特性を満たさなくなるため、あるいは誘電率が大
幅に低下するためである。
【0022】Ta25、Nb25の量を上記の範囲に限
定したのは、10mol%より多い場合には、容量温度
特性がEIAのX7R特性を満たさなくなるため、ある
いは誘電損失が大きくなるためである。MgOの量を上
記の範囲に限定したのは、10mol%以下では、温度
特性がEIAのX7R特性及びJISのB特性の両方を
満たさなくなり、絶縁抵抗の向上の効果がないためであ
る。一方、40mol%以上では、誘電率及び絶縁抵抗
の低下が生じるためである。また、Y23の量を上記の
範囲に限定したのは、20mol%以上では、誘電率が
2500以下となり、温度特性がEIAのX7R特性及
びJISのB特性の両方を満たさなくなるためである。
【0023】また、請求項3に記載の通り、これらの誘
電体にCoO又はMnOの少なくともいずれか一方を、
それぞれ0〜10mol%添加した場合も同様の効果が
得られるが、CoO又はMnOの量を、それぞれ10m
ol%以下とした理由は、誘電損失を低下させるためで
あり、これ以上の添加量では、容量のエージングレート
が1%/decade以上と大きくなるためである。
【0024】さらに、着色等の目的でCr23やFe2
3等を少量添加することは差し支えない。これらの遷
移元素の添加量は、多くても0.1mol%以下、好ま
しくは0.05mol%以下である。
【0025】また、上記添加物としては、通常の酸化物
のみならず、炭酸塩またさらに蓚酸化物、硝酸化物、酢
酸化物等の水溶性の塩を用いても良い。これらの水溶性
の塩を用いることにより、ベースとなるチタン酸バリウ
ムに低温で均一にこれらの添加物を分散させることがで
きる。また、ベースとなるチタン酸バリウムに上記添加
物を添加する方法としては、最初に特定の成分(例え
ば、MgOやCoO、MnO)等をBaTiO3と高温
で反応させ、その後に残りの成分を加えるような2段階
プロセスを用いても良い。
【0026】誘電体磁器組成物を上記のような組成範囲
にすることにより、1120〜1300℃の還元雰囲気
焼成温度で、EIAのX7R特性やJISのB特性を持
つ誘電体材料を容易に得ることができる。すなわち、E
IAのX7R特性やJISのB特性の基本的な性能であ
る1012Ωcmより大きな絶縁抵抗、4%以下の小さな
誘電損失、優れた高温負荷寿命特性、及び2500以上
の大きな誘電率を満たしながら、X7R特性の容量温度
範囲(容量変化率が±15%以内、−55〜125℃)
及びJISのB特性(容量変化率が±10%以下、−2
5〜+85℃)の両方を満足する誘電体材料を得ること
ができる。
【0027】さらに、容量の時間変化であるエージング
レートが0.8%/decadeと小さく、高圧(10
V/μm)での容量抵抗積(25℃CR)が1500Ω
F以上と極めて高い誘電体材料、及びこれを用いたML
Cを作製することができる。なお、従来までは、卑金属
内部電極を用いてこれらの要求の全てを満たす材料は知
られていない。
【0028】請求項5に記載の製造方法は、内部電極と
誘電体を交互に積層して積層体を形成し、この積層体を
焼成して積層セラミックコンデンサを製造する方法にお
いて、請求項1から請求項4に記載された誘電体磁器組
成物の中から選択された組成物を誘電体として使用する
ことを特徴としている。この方法によれば、請求項1〜
4に記載された組成物が、水系のバインダーを使用して
良好にスラリー化可能であり、急速焼成でもクラックを
生じることなく良好に焼結可能であることから、これら
の組成物を用いて急速焼成を行うことができるため、熱
効率を改善でき、それによって環境性を向上することが
できる。また、この方法により得られる積層セラミック
コンデンサにおいては、ピンホールやチッピング及びハ
ンダ付けよるクラックを防止することができるので、そ
の電気的特性を向上させることができる。
【0029】請求項6に記載の製造方法は、請求項5に
記載の方法において、前記積層体を、1120〜130
0℃で、酸素分圧10-7atmから10-13atmの還
元雰囲気で焼成し、その後に、600〜1100℃で酸
素分圧2×10-1atmから1×10-7atmの雰囲気
で熱処理することを特徴としている。この方法によれ
ば、上記組成物を1300℃以下の還元雰囲気で焼成す
ることで、EIAのX7R特性やJISのB特性を持つ
誘電体層を効率よく生成することができるため、電気的
特性に優れたMLCを効率よく作製することができる。
したがって、熱効率及び環境性を向上できる。
【0030】請求項7に記載の製造方法は、請求項5に
記載の方法において、前記積層体を、前記誘電体磁器組
成物の焼結粒子が0.2〜2.0μmとなる条件で焼成
し、熱処理することを特徴としている。この方法によれ
ば、誘電体組成の焼結粒子を0.2〜2μmとすること
により、特に誘電体層を5μmレベルまで薄層化した場
合に、耐圧の優れたMLCを実現できる。
【0031】請求項8に記載の方法は、請求項5に記載
の方法において、上記誘電体磁器組成物をスラリー化す
る際に、分散媒体として水系溶剤を用いることを特徴と
している。この方法によれば、誘電体磁器組成物を水系
の溶剤を用いて良好にスラリー化可能であり、泡の発生
等を抑えてピンホールの発生を防止でき、量産性を向上
できる。また、有機溶剤を使用する場合に比べて、環境
性を格段に向上できる。
【0032】請求項9に記載の方法は、請求項5に記載
の方法において、上記積層体を、金属板セッター又は金
属網セッター上に置き、600〜1500℃/時間の昇
温速度で1120〜1300℃まで昇温させ、数時間保
持し、その後に、600〜1500℃/時間の降温速度
で室温まで降下させることを特徴としている。この方法
によれば、急速焼成を行うことにより、熱効率を向上で
き、それによって環境性を向上できる。なお、図1は、
本発明に係る積層セラミックコンデンサの焼成温度プロ
ファイルを示す図である。
【0033】請求項10に記載の積層セラミックコンデ
ンサは、請求項6から請求項9に記載の方法により製造
されたことを特徴としている。すなわち、請求項5〜8
の各製造方法は、前述した通り、熱効率、量産性、及び
環境性に優れた製造方法であり、そのような優れた製造
方法を用いることによって、優れた電気的特性を持つ、
小型・高性能で信頼性の高い積層セラミックコンデンサ
を得ることができる。特に、本発明は、誘電体層を4μ
mレベルまで薄層化した小型・多層の積層セラミックコ
ンデンサに好適である。
【0034】以上述べたように、本発明による積層セラ
ミックコンデンサの製造方法として、より望ましい範囲
は以下の通りである。すなわち、ベースとなるBaTi
3の平均粒径が0.1〜0.5μmである原料を用
い、添加物であるSiO2−Al23−BaO−CaO
−Ta25−WO3−CeO2−Nb25−MgO−Y2
3の各成分が、それぞれSiO2=15〜40mol
%、Al23=1〜10mol%、BaO=5〜30m
ol%、CaO=0〜5mol%、Ta25=0〜5m
ol%、WO3=2〜5mol%、CeO2=2〜5mo
l%、Nb25=0〜5mol%、MgO=10〜30
mol%、Y23=5〜15mol%であり、その平均
粒径が0.3μm以下である酸化物成分を、ベースとな
るBaTiO 3に3〜6wt%添加した誘電体を、11
80〜1260℃で焼成し、焼成後の平均粒径を1.0
μm以下にすることである。これらの焼成温度で焼成す
ることにより、内部電極であるNi又はNi系合金の厚
みを1.0μm以下と薄くすることができる。
【0035】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明
をさらに詳細に説明する。 [1.製造工程] [1−1.誘電体スラリーの調製]誘電体ベース材料と
して、平均粒径が0.4μmのBaTiO3を用いた。
なお、このBaTiO3は水熱育成で得られたものを使
用した。また、添加物である酸化物成分の作製に当たっ
ては、まず、MgO、Y23、SiO2、BaCO3、C
aCO3、Al23、Ta25、WO3、CeO2及びN
25を、それぞれ、表1に示した組成に従って所定の
量を秤量した。そして、これらをアルミるつぼに入れ、
1150℃で4時間の仮焼を行った。次に、得られた仮
焼粉を、ジェットミル、アトライタミル等の微粉砕機を
用いて粉砕することにより、平均粒径が0.2〜0.5
μmの酸化物粉末を得た。なお、この酸化物粉末は、作
製条件により一部又は全部がガラス化する場合がある
が、その組成が均一であれば得られる特性には大きな差
はない。
【0036】以上のようにして得られた誘電体ベース材
料と酸化物粉末から、表1に示したように、各材料の混
合比率の異なる複数の誘電体原料を作製した。すなわ
ち、各誘電体原料1000gに対して、水とエチルアル
コール及び分散剤を80:19:1で混合した溶剤を7
00g入れ、ホモジナイザーを用いて分散させた。この
混合物を、通常の良く知られている分散方法であるボー
ルミルやアトリッションミルを用いて20時間分散させ
た後、さらに水性エマルジョンとアクリル樹脂と可塑剤
を含む溶液を入れて、複数種類の誘電体スラリーを作製
した(実施例1〜16)。なお、これらのスラリーの粘
性は、いずれも約200cpsに調整した。
【表1】
【0037】[1−2.グリーンチップの作製]上記の
ようにして得られた誘電体スラリーを用いて、ドクター
ブレード装置により、PETフィルム上に5〜10μm
の厚さを持つグリーンシートを成形し、このグリーンシ
ート上に、内部電極用ペーストを2μmの厚みで印刷し
た。なお、内部電極用ペーストとしては、平均粒径0.
5μmのNi粒子100重量部と、有機ビヒクル(エチ
ルセルロース樹脂8重量部をブチルカルビトール92重
量部に溶解したもの)40重量部、及びブチルカルビト
ール10重量部とを、3本ロールにより混練し、ペース
ト化したものを使用した。
【0038】次いで、PETフィルムからシートを剥離
して積層し、80℃で1トン/cm 2の静水圧を用いて
加圧接着してグリーンチップを得た。積層数は100層
とした。次に、このグリーンチップを所定サイズに切断
し、金属板セッターに搭載し、脱バインダー処理、焼成
及びアニールを、下記の条件で連続的に行ない、コンデ
ンサチップ体を作製した。なお、脱バインダー処理、焼
成及びアニールの条件は、以下の通りである。また、そ
れぞれの雰囲気ガスの加湿にはウェッターを用いた。
【0039】(脱バインダー処理) 昇温速度:20℃/時間 保持温度:300℃ 温度保持時間:8時間 雰囲気ガス:空気中 (焼成) 昇温速度:1000℃/時間 保持温度:1200℃及び1250℃ 温度保持時間:2時間 冷却速度:1000℃/時間 雰囲気ガス:加湿したN2とH2との混合ガス 酸素分圧:1×10-9atm (アニール) 保持温度:750℃ 温度保持時間:4時間 昇温、降温速度:600℃/時間 雰囲気ガス:空気 酸素分圧:2×10-1atm
【0040】[1−3.バレル処理・外部電極の形成]
得られたコンデンサチップ体の端面をバレル処理により
研磨した後、平均粒径0.5μmのCu粒子100重量
部と、有機ビヒクル(エチルセルロース樹脂8重量部を
ブチルカルビトール92重量部に溶解したもの)35重
量部、及びブチルカルビトール7重量部とを混練し、ペ
ースト化した外部電極用ペーストを前記端面に転写し、
2雰囲気中で850℃にて5分間焼成して外部電極を
形成し、図2に示すような構成を有する積層セラミック
コンデンサを得た。なお、図において、1は誘電体層、
2は内部電極、3は外部電極である。
【0041】[2.試験結果] [2−1.誘電体組成の差異による特性比較]上記のよ
うにして製造した各サンプルのサイズは、3.2×1.
6×1.3mm及び5.0×5.7×2.5mmであ
り、有効誘電体層の厚さは5μm×100層、内部電極
層の厚さは約1.5μmであった。なお、各サンプルの
誘電体層の組成は、上記表1に示す通りであり、各サン
プルの特性は表2に示す通りである。
【0042】なお、表1において、実施例1〜16は、
本発明に係る組成であり、参考例1〜8は、本発明の範
囲外の組成である。すなわち、参考例1は、酸化物成分
をまったく添加していない誘電体組成からなるサンプル
であり、参考例2〜8は、それぞれ*を付した組成が、
本発明の範囲外となる誘電体組成からなるサンプルであ
る。
【0043】そして、この表1に示すような誘電体組成
を持つ複数のサンプルの各々について、グリーンシート
のピンホールの有無、焼成後のクラック数、鉛レスハン
ダを用いた時の実装後のクラック数といった外観検査を
行うと共に、誘電率、容量の温度特性、誘電損失、耐
圧、絶縁抵抗等を測定したところ、下記の表2に示すよ
うな結果が得られた。なお、この場合の検査及び測定の
詳細は、次の通りである。
【0044】(外観検査)グリーンシートのピンホール
は、シートを1cm2に切断して50倍の顕微鏡で観察
し、ピンホールの有無を調べた。なお、ピンホールがあ
る場合には、その数を記載した。焼成後のクラック数
は、各組成ごとに20個のサンプルを使用し、目視によ
りその不良率を求めた。ハンダクラック数は、各組成ご
とに20個のサンプルを使用し、250℃のハンダ槽に
浸し、その後に光学顕微鏡で素子に発生しているクラッ
クを観察し、その不良率を求めた。
【0045】(容量の温度特性)容量の温度特性は、E
IAのX7R特性を満足するか否かを調べた。具体的に
は、LCRメータにより、−55〜125℃について測
定電圧1Vで容量を測定し、容量変化率が±15%以内
(基準温度25℃)を満足するか否かを調べた。また、
−25〜85℃について測定電圧1Vで容量を測定し、
容量変化率が±10%以内(基準温度20℃)を満足す
るかどうかを調べた。両者を満足する場合を○、満足し
ない場合を×とした。
【0046】(比誘電率εs及び誘電損失)20℃にお
ける静電容量を測定し、電極面積と誘電体の厚みから比
誘電率を測定した。なお、誘電率と誘電損失は1vrm
s、1.0kHzでの値を用いた。
【0047】(耐圧)MLC素子に電圧を印可して電流
が10mA以上流れた電圧を耐圧とした。測定数は各組
成ごとに5個であり、その平均を求めた。
【0048】(エージングレート)素子を180℃で1
時間熱処理し、その後に25℃の恒温槽の中で、2時間
後及び20時間後に静電容量を測定し、エージングレー
ト%/decadeを求めた。
【0049】(高圧での容量抵抗積)素子を25℃の恒
温槽に放置し、10分後に容量と誘電体厚み1μm当り
10V印可した時の絶縁抵抗の1分値を測定し、その積
をCR(10V/μm)とした。
【表2】
【0050】表2から明らかなように、本発明に係る誘
電体組成を持つサンプル(実施例1〜16)の各特性
は、いずれも本発明の範囲外の誘電体組成を持つサンプ
ル(参考例1〜8)に比べて格段に優れている。すなわ
ち、実施例1〜16の各特性から明らかなように、本発
明に係る誘電体組成を用いた場合には、1000℃/時
間の昇温のような急速な焼成条件で焼成を行っても、素
子にクラックが生じることはなく、250℃のハンダ槽
に浸してもクラックは生じない。また、水系バインダー
を用いてシート成形を行っても、ピンホールの発生が極
めて少なく、結果として、大型サイズでも耐圧に優れた
MLCを製造することができる。また、得られたMLC
は高圧(10V/μm)でも極めて高い絶縁抵抗を示
し、さらに室温における小さな容量エージング特性を示
す。
【0051】[2−2.添加物の形態の違いによる特性
比較]続いて、添加物の形態の違いによって、特性に差
があるか否かについて検討した。すなわち、添加物を構
成する各成分を、前述した酸化物の形態で添加した場合
と、予め、上記成分の一部を、BaCeO3あるいはC
aCeO3のようなペロブスカイト構造、又は、MgA
24のようなスピネル構造を有する複合酸化物として
合成し、添加した場合とについて、その特性を比較し
た。
【0052】一例として、表1に示す実施例4と同じ誘
電体組成で、ペロブスカイト構造を有するBaCe
3、スピネル構造を有するMgAl24の形態で添加
したサンプルを実施例17として、表2と同様の特性を
調べたところ、下記の表3に示すような結果が得られ
た。
【0053】すなわち、表3は、本発明に係る同じ誘電
体組成を持つ同サイズの2種類のサンプルとして、添加
物の形態が単純酸化物である実施例4と、添加物の一部
の形態が、予め合成したペロブスカイト構造を有するB
aCeO3とスピネル構造を有するMgAl24である
実施例17の各特性をそれぞれ示したものである。
【表3】
【0054】表3から明らかなように、実施例17の耐
圧や絶縁抵抗は、実施例4に比べて大幅に向上してい
る。このことから、添加物の形態として、単純酸化物を
用いた場合よりも、添加物の一部の形態がペロブスカイ
ト構造及びスピネル構造を有する複合酸化物を用いるこ
とによって、耐圧をより向上させることができ、さらに
絶縁抵抗をより向上できることが判明した。さらに、2
00℃で10V/μmを印可する高温加速寿命試験を行
ったところ、絶縁抵抗が106Ω以下に低下するまでの
時間は、実施例4では平均15時間であったのに対し
て、実施例17では平均35時間まで向上していた。
【0055】これらの結果から、添加物の形態として、
添加物の成分の一部を、予めペロブスカイト構造及びス
ピネル構造を有する複合酸化物として合成したものを用
いることによって、各種の特性を向上できることが明ら
かとなった。
【0056】[2−3.バインダーの差異による特性比
較]以下には、前述した製造工程によって得られたサン
プルのように誘電体組成物をスラリー化する際のバイン
ダーとして水系バインダーを用いた場合と、有機溶剤を
用いた場合との比較について説明する。一例として、表
1に示す実施例4と同じ誘電体組成について、有機溶剤
を用いたサンプルを実施例18として、表2と同様の特
性を調べたところ、下記の表4に示すような結果が得ら
れた。
【0057】すなわち、表4は、バインダーが異なる以
外は全く同じ条件で作製された、本発明に係る同じ誘電
体組成を持つ同サイズの2種類のサンプルとして、水系
バインダーを用いた実施例4と、有機溶剤を用いた実施
例18の各特性をそれぞれ示したものである。
【表4】
【0058】表4から明らかなように、有機溶剤を用い
て作製した実施例18の特性は、水系バインダーを用い
て作製した実施例4とほぼ同等である。このことから、
本発明に係る組成物を用いることにより、バインダーの
種類に関わらず、良好な特性を安定して得られることが
判明した。
【0059】[3.他の実施例]なお、本発明は、前記
実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内で他
にも多種多様な変形例を実施可能である。例えば、誘電
体磁器組成物の具体的な組成は、本発明の範囲内で適宜
選択可能である。同様に、電極用金属の組成やバインダ
ーの組成等も、適宜選択可能である。さらに、具体的な
製造工程や各工程の条件も適宜選択可能である。例え
ば、脱バインダー処理や焼成、アニールにおける温度条
件や昇温・降温速度条件、雰囲気ガス条件等は、適宜選
択可能である。これに関連して、前記実施例において
は、還元雰囲気での焼成について説明したが、酸化雰囲
気でPd/Ag電極を内部電極に用いても同等な特性が
得られる。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
水系のバインダーを使用して良好にスラリー化可能であ
り、急速焼成でもクラックを生じることなく良好に焼結
可能で、鉛レスハンダをハンダ付けする際にクラックが
生じにくく、積層セラミックコンデンサ用として好適な
誘電体磁器組成物を提供することができる。また、その
ような組成物を用いて、大型の場合でも耐圧に優れ、E
IAのX7R特性及びJISのB特性を満たすことが可
能な、高性能で信頼性の高い積層セラミックコンデンサ
を提供することができる。さらに、そのような優れた積
層セラミックコンデンサを製造可能な、熱効率、量産
性、及び環境性に優れた製造方法を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層セラミックコンデンサの焼成
温度プロファイルを示す図
【図2】本発明に係る積層セラミックコンデンサの構成
を示す斜視図
【符号の説明】
1…誘電体層 2…内部電極 3…外部電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東海林 大成 東京都青梅市東青梅1丁目167番地の1 日本ケミコン株式会社内 (72)発明者 半田 喜代二 東京都青梅市東青梅1丁目167番地の1 日本ケミコン株式会社内 (72)発明者 山下 洋八 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 Fターム(参考) 4G031 AA03 AA04 AA06 AA07 AA08 AA11 AA14 AA15 AA18 AA19 AA22 AA29 AA30 BA09 CA01 5E001 AA00 AB03 AC01 AE02 AE03 AE04 AH01 AH09 AJ02 5E082 AA01 AB03 BC23 EE01 EE23 EE35 FF05 FG06 FG26 FG46 FG54 GG10 GG28 LL02 PP03 PP06 PP07 5G303 AA01 AB12 AB20 BA12 CA01 CB01 CB03 CB06 CB08 CB09 CB17 CB18 CB21 CB30 CB33 CB35 CB37 CB40 DA01 DA05 DA07

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組成式がBaTiO3からなる主組成物
    に対して、SiO2−Al23−BaO−CaO−Ta2
    5−WO3−CeO2−Nb25−MgO−Y 23から
    なる添加物を、2.0〜10wt%含有させてなること
    を特徴とする誘電体磁器組成物。
  2. 【請求項2】 前記SiO2−Al23−BaO−Ca
    O−Ta25−WO3―CeO2-Nb25−MgO−Y2
    3からなる添加物を構成する各成分が、それぞれSi
    2=10〜50mol%、Al23=1〜20mol
    %、BaO=3〜40mol%、CaO=0〜10mo
    l%、Ta25=0〜10mol%、WO3=1〜10
    mol%、CeO2=1〜10mol%、Nb25=0
    〜10mol%、MgO=10〜40mol%、Y23
    =0〜20mol%であり、前記添加物の平均粒径が
    0.5μm以下であることを特徴とする請求項1記載の
    誘電体磁器組成物。
  3. 【請求項3】 前記添加物に、CoO又はMnOの少な
    くともいずれか一方を、それぞれ0〜10mol%加え
    たことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の誘電体
    磁器組成物。
  4. 【請求項4】 前記添加物を構成する成分の一部を、予
    め、ペロブスカイト構造又はスピネル構造を有する複合
    酸化物として合成し、添加したことを特徴とする請求項
    1又は請求項2記載の誘電体磁器組成物。
  5. 【請求項5】 内部電極と誘電体を交互に積層して積層
    体を形成し、この積層体を焼成して積層セラミックコン
    デンサを製造する方法において、上記請求項1から請求
    項4に記載された誘電体磁器組成物の中から選択された
    組成物を誘電体として使用することを特徴とする積層セ
    ラミックコンデンサの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記積層体を、1120〜1300℃で
    酸素分圧10-7atmから10-13atmの還元雰囲気
    で焼成し、その後に、600〜1100℃で酸素分圧2
    ×10-1atmから1×10-7atmの雰囲気で熱処理
    することを特徴とする請求項5記載の積層セラミックコ
    ンデンサの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記積層体を、前記誘電体磁器組成物の
    焼結粒子が0.2〜2.0μmとなる条件で焼成し、熱
    処理することを特徴とする請求項5記載の積層セラミッ
    クコンデンサの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記誘電体磁器組成物をスラリー化する
    際に、分散媒体として水系溶剤を用いることを特徴とす
    る請求項5記載の積層セラミックコンデンサの製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記積層体を、金属板セッター又は金属
    網セッター上に置き、600〜1500℃/時間の昇温
    速度で1120〜1300℃まで昇温させ、数時間保持
    し、その後に、600〜1500℃/時間の降温速度で
    室温まで降下させることにより作製することを特徴とす
    る請求項5記載の積層セラミックコンデンサの製造方
    法。
  10. 【請求項10】 上記請求項6から請求項9に記載の方
    法により製造されたことを特徴とする積層セラミックコ
    ンデンサ。
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