JP2001300592A - し尿処理システム - Google Patents

し尿処理システム

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JP2001300592A
JP2001300592A JP2000126530A JP2000126530A JP2001300592A JP 2001300592 A JP2001300592 A JP 2001300592A JP 2000126530 A JP2000126530 A JP 2000126530A JP 2000126530 A JP2000126530 A JP 2000126530A JP 2001300592 A JP2001300592 A JP 2001300592A
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sludge
treatment
human waste
bacteria
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JP2000126530A
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Haruhisa Hirakawa
晴久 平川
Koji Machiguchi
浩二 町口
Susumu Kamata
進 鎌田
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JNC Corp
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Chisso Corp
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/20Sludge processing

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  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)
  • Treatment Of Sludge (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 悪臭の発生や処理水による富栄養化を抑制
し、多量のし尿または浄化槽汚泥もしくはこれらの混合
物を効率的に処理するのに好適な、汚泥発生量の少ない
経済的なし尿処理システムを提供する。 【解決手段】 し尿または浄化槽汚泥、もしくはこれら
の混合物を処理した後の排水の水質が、下水道への投入
基準を満足する前処理工程と、前記排水を更に処理した
後の排水の水質が下水処理水放流基準を満足する本処理
工程とからなるし尿処理システムにより、特に前処理工
程に特定の土壌性細菌群を用いて前記混合物の処理を行
なう二段方式のし尿処理システム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、し尿処理システム
に関する。詳しくは多量のし尿または浄化槽汚泥もしく
はこれらの混合物を含む汚水を効率的に処理するのに好
適なし尿処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】日本全国の下水道の普及率は既に50%
を超えているが、人口5万人未満の市町村ではまだ20
%程度の普及率に止まっている。一方、我が国のトイレ
の水洗化は全人口の70%を超えて普及し、浄化槽汚泥
の発生量は既設し尿処理場の処理能力を超えているのが
実状である。既設し尿処理場の多くは収集し尿の処理の
みを対象とした設備であり、その結果、処理できない浄
化槽汚泥は緊急対策として海洋投棄されてきた。しか
し、この海洋投棄処分も環境保全の観点から禁止される
方向である。
【0003】このし尿処理問題解決のためには、下水道
や下水終末処理場の整備またはし尿処理場の増設が必要
であるが、従来のこれら処理場には問題が多い。従来の
下水終末処理場やし尿処理場では各種の生物処理法が用
いられている。生物処理法は好気性生物処理法及び嫌気
性生物処理法に大別される。これらの方法は共に下水や
し尿等の含まれる有機物の低分子化及びガス化を目的と
しているが、設備や運転に多額の費用を要する上、悪臭
の発生の処理時間の長期化などの問題がある。
【0004】また、湖沼や内湾などの閉鎖水域において
は、排水による富栄養化の問題が顕著になった。その結
果、そのまま河川や海洋に放流される下水処理場やし尿
処理場から排出される処理水には、生物化学的酸素要求
量(BOD)、化学的酸素要求量(COD)及び浮遊物
質量(SS)の低減に止まらず、窒素やりんの除去など
が求められ、きびしい基準を満たすことが必要である。
これらの問題を改善するため、好気性生物処理法と嫌気
性生物処理法を併用した処理法である嫌気−好気活性汚
泥法や循環式硝化脱窒法が開発されたが、処理に要する
時間は長くなり、設備投資金額も増大する傾向である。
さらに、従来の生物処理法では、汚泥の発生量が多く、
汚泥が難沈降性で凝集・沈殿のためには大きな沈殿池を
設けアルミニウムや鉄の化合物である凝集剤を多量に使
用する必要があり、処理水を放流するためには塩素によ
る殺菌も必要である。加えて、放流時に濃度を調整する
ための希釈水の手当ても難しくなっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、悪臭の発生
や処理水による富栄養化を抑制し、多量のし尿または浄
化槽汚泥もしくはこれらの混合物を含む汚水を効率的に
処理するのに好適な、汚泥発生量の少ない経済的なし尿
処理システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、し尿または浄化槽汚泥、もしくはこれらの混合
物を含む汚水を処理した後の排水の水質が、下水道への
投入基準を満足する前処理工程と、前記排水を更に処理
した後の排水の水質が下水処理水放流基準を満足する本
処理工程とからなるし尿処理システムにより、特に前処
理工程に特定の土壌性細菌群を用いて前記混合物の処理
を行なう二段方式のし尿処理システムにより本目的が達
成されることを見出し本発明を完成した。
【0007】本発明は以下の構成を有する。 (1)し尿または浄化槽汚泥、もしくはこれらの混合物
を含む汚水を処理した後の排水の水質が、下水道への投
入基準を満足する前処理工程と、前記排水を更に処理し
た後の排水の水質が下水処理水放流基準を満足する本処
理工程とからなるし尿処理システム。
【0008】(2)前処理工程が、し渣処理後のし尿ま
たは浄化槽汚泥、もしくはこれらの混合物を含む汚水を
反応工程、濃縮工程へと順次送ると共に濃縮工程で分離
された汚泥状反応物質を含む混合溶液の一部を培養槽を
経由して再び反応工程へ返送させる循環系を有し、且
つ、前記培養槽を含む前記混合溶液の循環系に含まれる
細菌群が、土壌性偏性嫌気性細菌群と、フェノール及び
/またはフェノール露出基のある化合物を含む代謝産物
を産出するように馴養された土壌性通性嫌気性細菌群ま
たは前記馴養された土壌性通性嫌気性細菌と土壌性好気
性細菌とからなる細菌群とが共存する細菌群であること
を特徴とする前記(1)項記載のし尿処理システム。
【0009】(3)培養槽が、けい酸塩を含有する多孔
性物質を充填した容器である前記(2)項記載のし尿処
理システム。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を説
明する。本発明のし尿処理システムは、し尿または浄化
槽汚泥もしくはこれらの混合物を含む汚水(以下、し尿
等という)を処理し、処理後の排水が下水への投入基準
を満足する前処理工程と、前記排水を処理した後の排水
が公共下水道からの放流水の水質基準を満足する本処理
工程とからなる。
【0011】なお、一般的な下水への投入基準として
は、水素イオン濃度(pH)が5.8〜8.6、生物化
学的酸素要求量(BOD)が300mg/l以下、浮遊
物質量(SS)が300mg/l以下、窒素含有量(T
−N)が150mg/l以下、及び燐含有量(T−P)
が20mg/l以下、を示すことができる。また、公共
下水道からの放流水の水質基準としては、下水道法施行
令に定められた、pHが5.8〜8.6、BODが20
mg/l以下、SSが70mg/l以下、を示すことが
できる。
【0012】本発明のし尿処理システムの前処理工程に
用いられる処理方法は、処理後の排水が下水への投入基
準を満足するものであれば限定はないが、立地条件によ
る臭気の影響や本処理工程でのりんや窒素の除去能力を
勘案して選択する。前記処理方法としては、標準活性汚
泥法、嫌気−好気活性汚泥法、循環式硝化脱窒法、嫌気
−無酸素−好気法等の公知の方法が例示できる。特に、
本処理工程に既存のし尿処理施設や下水処理施設を用
い、前処理工程を新設して本発明を実施する場合には、
既存施設のりんや窒素の除去能力を補完する形で選択す
る必要がある。例えば、既存施設が標準活性汚泥法を用
いている場合には、前処理工程として嫌気−好気活性汚
泥法と循環式硝化脱窒法を組合せた嫌気−無酸素−好気
法を用いる等が例示できる。
【0013】本発明のし尿処理システムにおいて、前処
理工程に、し渣処理後のし尿等を反応工程、濃縮工程へ
と順次送ると共に濃縮工程で分離された汚泥状反応物質
を含む混合溶液の一部を培養槽を経由して再び反応工程
へ返送させる循環系を有し、且つ、前記培養槽を含む前
記混合溶液の循環系に含まれる細菌群が、土壌性偏性嫌
気性細菌群と、フェノール及び/またはフェノール露出
基のある化合物を含む代謝産物を産出するように馴養さ
れた土壌性通性嫌気性細菌群または前記馴養された土壌
性通性嫌気性細菌と土壌性好気性細菌とからなる細菌群
とが共存する細菌群である方法(以下、自然浄化法とい
う)を用いると、し尿等に含まれる有機物、窒素、りん
が除去され、悪臭も殆ど発生せず、処理水は希釈するこ
となく下水道への投入基準を満足する。また、自然浄化
法を用いると、高濃度のし尿等を処理でき、汚泥の沈降
も容易であるため施設が簡素で設備投資金額も少なくて
済む。更に、前記細菌群の代謝産物であるフェノール及
び/またはフェノール露出基のある化合物によって、余
剰汚泥が腐敗しにくく処理水の塩素殺菌も不要である。
【0014】本発明のし尿処理システムにおいて、し尿
等の反応工程とは、細菌の活動で生成されたフェノール
等を含む代謝産物をし尿等の中の有機物と反応させて、
化学的、生物学的反応工程を形成し、それと未反応有機
物とを共存させて、塊状産物を形成し同時に有害菌の働
きを抑制する工程である。この工程においては、細菌と
してフェノール又は/及びフェノール露出基のある化合
物を含む代謝産物(以下、フェノール系代謝産物)を産
出するように馴養された土壌性通性嫌気性細菌群又は前
記土壌性通性嫌気性細菌と土壌性好気性細菌とからなる
細菌群(以下、土壌中菌という)が用いられる。なお、
本発明のし尿処理システムにおいて濃縮工程とは、上記
反応工程で形成された汚泥や塊状産物を沈降させ上澄み
液と分離する工程である。
【0015】前記の自然浄化法を用いるし尿処理法にお
いては、し尿等に含まれる有機物は、多くは土壌性好気
性細菌により分解・消化されるが、ある部分は上記反応
工程を経て前記フェノール系代謝産物またはそれと類似
の物理化学機能を有する物質と物理化学的に反応して、
巨大分子化し化学的・生物学的な汚泥を形成する。この
化学的・生物学的な汚泥は未反応の有機物と共存するこ
とによって、急速に結合、粒子化、凝集、縮合、重合し
巨大分子化して、塊状産物を形成する。このため、汚泥
は濃縮工程で沈降しやすい。また、前記土壌中菌が産出
するフェノール系代謝産物は、更に前記土壌中菌を繁殖
させてし尿等に含まれる有機物の分解・消化を促進する
と共に、他の細菌の増殖を抑制しこれら他の細菌の働き
による悪臭物質の発生を抑制する。その結果、自然浄化
法を用いるし尿処理法では、従来の生物処理方法に比べ
て汚泥の発生量も少なく標準活性汚泥法に比べて20%
前後減量可能で、処理時間も短くて済み、発生汚泥も臭
気が少ないのが特徴である。
【0016】前記フェノール系代謝機能は、土壌中菌が
フェノール系代謝産物と共存する限りにおいて発現する
もので、フェノール系代謝機能を維持させるためには、
フェノール系代謝産物またはフェノール系代謝産物を含
有する物質(腐植物等)もしくは前記腐植物等の形成を
促す腐植前駆物質を添加・補充するか、フェノール系代
謝機能の活性の高い土壌中菌群を種菌に用いる必要があ
る。かかる種菌は、特公平5−66199号公報に記載
されているように、畜産廃水の排水路等において採取で
きる他に、(有)自然浄化法研究会において入手でき
る。
【0017】前記土壌中菌は、けい酸塩の存在下で誘導
・培養することにより、フェノール系代謝産物の産出に
優れた優勢種となるため、前記培養槽は、けい酸塩を含
有する多孔性物質を充填した容器であることが好まし
い。また、前記反応工程において、活性化されたけい酸
分を多量に含む物質が適量添加されると、し尿中の有機
物が腐植化するための重縮合反応が引き起こされる。け
い酸塩としては、安山岩質ないし流紋岩質で火山ガラス
等の活性度の高い不安定な物質が挙げられる。
【0018】前記の自然浄化法をし尿等の前処理工程と
して用いる場合の例を、図1のフローシートに従って述
べる。バキュームカー等によって搬送されたし尿等は、
受入槽に受け入れられた後、ドラムスクリーン等を設置
した夾雑物除去装置により夾雑物が取除かれる。夾雑物
は更にスクリュープレス等により圧搾された後、し渣と
して焼却等により処理される。夾雑物除去後のし尿等は
貯留槽に貯えられた後、脱窒槽に移送される。なお、貯
留槽に空気吹込み装置を設置すれば、攪拌により内容物
の均質化を行なうと共に、予備曝気を行なうことができ
る。
【0019】脱窒槽では、貯留槽から移送されたし尿等
と、培養槽で活性化された土壌中菌を含む循環液とが混
合され、土壌中菌に含まれる土壌性偏性嫌気性細菌群
は、し尿等に含まれる微量の遊離酸素との接触が起り得
るため不活性化し、土壌性通性嫌気性細菌群または前記
土壌性通性嫌気性細菌及び土壌性好気性細菌のみが活性
化してフェノール系代謝産物を生成し、し尿中の有機物
はフェノール系代謝産物と反応して化学的・生物学的な
汚泥を形成する。更に、この汚泥は未反応の有機物が共
存すると、急速に巨大分子化して塊状産物を形成する。
【0020】また、脱窒槽では、貯留槽で予備曝気され
たし尿等、および硝化槽で硝化された後、脱窒槽に返送
された土壌中菌を含む循環液の中の硝化された窒素分
が、土壌性好気性細菌により分子内酸素を失って窒素ガ
スが生成する。脱窒槽での攪拌は無酸素状態で行われる
必要があり、機械攪拌もしくは脱窒槽上部の窒素分の多
いガスを循環して脱窒槽底部に吹込んで行なうのが好ま
しい。
【0021】脱窒槽で処理されて生成した塊状産物や汚
泥を含有する混合液は、次に硝化槽に送られ、設置され
た空気吹込み装置により攪拌しつつ、混合液中の含窒素
有機物の硝化が行われる。同時に土壌性好気性細菌等に
より有機物は消化されて炭酸ガスや水となる。硝化され
た混合液は、多くが脱窒槽に送られ脱窒素される他に、
一定の割合で第1分離槽に送られ、処理状況により貯留
槽や受入槽に移送される場合がある。
【0022】硝化槽から第1分離槽に送られた混合液
は、汚泥と上澄み液に分離される。汚泥は前記塊状産物
を含んでおり容易に沈降分離する。沈降した汚泥の多く
の部分は汚泥貯留槽に送られ脱水設備で脱水後、脱水汚
泥として処理される。脱水汚泥は更に乾燥設備で乾燥さ
れて粉末状になり袋詰めされ、土壌改良材として出荷さ
れる。脱水設備としては、ベルトプレス型、ロールプレ
ス型、フィルタープレス型、遠心分離型等の脱水機を挙
げることができ、乾燥設備としてはサイクロンドライヤ
ー等を挙げることができる。
【0023】前記沈降した汚泥の一部は、混合液の状態
で培養槽に送られ、含まれる土壌中菌が増殖・活性化さ
れ、フェノール系代謝産物を産出する機能(フェノール
系代謝機能)を高めた後、循環液として、脱窒槽に送ら
れる。培養槽では、攪拌のため少量の空気吹込みは行わ
れるが、土壌性好気性細菌が消費できる範囲であり、実
質的に酸素との接触が遮断される状態のため、土壌中菌
に含まれる土壌性偏性嫌気性細菌群が活性化し、土壌性
通性嫌気性細菌及び土壌性好気性細菌と共棲してフェノ
ール系代謝産物を産出すると共にフェノール系代謝機能
が高められる。
【0024】本発明においては、前記培養槽が、多孔性
充填材を充填した容器であることが望ましい。多孔性充
填材は活性化した土壌性偏性嫌気性細菌群と土壌性通性
嫌気性細菌及び土壌性好気性細菌を効率的に接触させ
て、土壌中菌のフェノール系代謝機能を高めるのに好適
である。本発明においては、前記多孔性充填材として、
接触面積が広く、安価であり、且つけい酸分の補充にも
使用できるため、軽石が好適に使用される。
【0025】前記の多孔性充填材を充填する容器の形態
は特に限定はないが、混合液を上から均等に注入・分配
し、重力に沿って流下しつつ、所期の目的を達成できる
円筒状の充填塔形式が挙げられる。容器の内部は棚段状
にし金属製の網の上に充填材の層を形成し、これを数
段、間隔を置いて設置すると共に、容器内の下部に攪拌
用の空気を吹き込むための散気管を取付ける等が例示で
きる。なお、充填材の上にはフェノール系代謝産物の形
成を促すフミン酸やフルボ酸など腐植前駆物質を含む層
を形成してもよい。
【0026】第1分離槽で沈降分離した上澄み液は、再
曝気槽に送られ空気の吹込みによって攪拌され、上澄み
液中の有機物は遊離酸素と接触し好気性細菌により消化
される。再曝気後の上澄み液は、混和槽に送られ、凝集
剤が添加され、攪拌機で攪拌される。凝集剤としては、
ポリ硫酸鉄やポリ塩化アルミニウム(PAC)のような
無機凝集剤が用いられる。凝集剤が添加後の液は、第1
中和槽で凝集沈殿に適したpHに調整された後、次の第
2分離槽に送られ、上澄み液は更に第2中和槽で中和さ
れた後、放流槽を経て本処理工程に送られる。また、第
2分離槽で沈降した汚泥は、硝化槽もしくは再曝気槽に
還流される。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれに限定されるものではない。 実施例1 pHが7〜8、生物化学的酸素要求量(BOD)が8,
000mg/l、浮遊物質量(SS)が11,500m
g/l、化学的酸素要求量(COD)が5,100mg
/l、窒素含有量(T−N)が2,800mg/l、及
び燐含有量(T−P)が330mg/lの水質を有する
し尿原水を95m3/日、図1のフローシートに示す自
然浄化法の工程に従って処理した。
【0028】処理設備の主要部の仕様は下記の通りであ
る。、 脱窒槽:ガス循環方式による攪拌設備を備え、容積は2
42m3。 硝化槽:ガス循環方式による攪拌設備を備え、容積は6
64m3。 第1分離槽:越流ゼキを備え、容積は135m3。 培養槽:散気管を備え、容積は130m3。槽内には棚
段を設け軽石(粒径0.5〜5cm)200kgとフェ
ノール系代謝産物の形成を促す腐食前駆物質のペレット
200kgを層状に充填し、(有)自然浄化法研究会に
おいて入手したフェノール系代謝機能に優れた種菌を培
養してし尿等の処理に用いた。
【0029】その結果、第1分離槽上澄み液の水質は、
BODが96mg/l、CODが244.8mg/l、
SSが138mg/l、T−Nが156.8mg/l、
及び燐含有量(T−P)が34.6mg/lであった。
更に、前処理工程処理水の水質は、pHが6.5〜7.
7、BODが48mg/l、CODが146.9mg/
l、SSが27.6mg/l、T−Nが94.1mg/
l、及びT−Pが10.4mg/lであり、前処理工程
処理水量は、121m3/日(内、26m3/日はプロセ
ス水)であった。また、汚泥発生量は、975kg/日
(含水率20重量%)であった。処理設備周囲では臭気
もなく、発生した汚泥粉末にも臭気は殆ど感じられなか
った。
【0030】比較例1 実施例1に記載のし尿を、図1のフローシートに示す工
程の培養槽に何も充填せず、フェノール系代謝機能に優
れた種菌を用いず、通常の好気消化・活性汚泥処理法に
準じて処理した。その結果、前処理工程処理水の水質
は、pHが7.0〜8.0、生物化学的酸素要求量(B
OD)が800mg/l、浮遊物質量(SS)が120
0mg/l、窒素含有量(T−N)が900mg/l、
及び燐含有量(T−P)が100mg/lであり、前処
理工程処理水量は、190m3/日(内、95m3/日は
プロセス水)であった。また、汚泥発生量は、850k
g/日(含水率20重量%)であった。汚泥発生量は、
実施例の場合に比べ少ないように見えるが、分離槽での
固液分離が悪く常にキャリーオーバーの状況であり、処
理水と共に流出する分が多く、BOD除去率が低いた
め、結果的に微生物増殖量が少なくなったためと考えら
れる。処理設備周囲では悪臭が漂い、発生した汚泥粉末
にも悪臭が感じられた。
【0031】
【発明の効果】前処理工程にフェノール系代謝機能に優
れた土壌性細菌群を用いる二段方式のし尿処理システム
は、悪臭の発生や処理水による富栄養化を抑制しつつ、
多量のし尿または浄化槽汚泥もしくはこれらの混合物を
効率的に処理するのに好適な、汚泥発生量の少ない経済
的なし尿処理システムである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のし尿処理システムにおける前処理工程
のフローシート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/00 C12N 1/00 P 1/20 1/20 F D //(C12M 1/00 (C12M 1/00 H C12R 1:01) C12R 1:01) (C12M 1/02 (C12M 1/02 Z C12R 1:01) C12R 1:01) (C12N 1/00 (C12N 1/00 P C12R 1:01) C12R 1:01) (C12N 1/20 (C12N 1/20 F C12R 1:01) C12R 1:01) (C12N 1/20 (C12N 1/20 D C12R 1:01) C12R 1:01) Fターム(参考) 4B029 AA02 BB02 CC01 DF04 DG10 4B065 AA01X BA22 BB02 BC20 BC50 CA55 4D040 BB05 BB13 BB22 BB57 DD01 DD14 DD18 4D059 AA01 AA02 BA22 BA27 BA31 BA41 BD40 BE16 BE31 BE55 BF13 CA22 CA25 CA28 CC01 DA16 DA51 EA05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】し尿または浄化槽汚泥、もしくはこれらの
    混合物を含む汚水を処理した後の排水の水質が、下水道
    への投入基準を満足する前処理工程と、前記排水を更に
    処理した後の排水の水質が下水処理水放流基準を満足す
    る本処理工程とからなるし尿処理システム。
  2. 【請求項2】前処理工程が、し渣処理後のし尿または浄
    化槽汚泥、もしくはこれらの混合物を含む汚水を反応工
    程、濃縮工程へと順次送ると共に濃縮工程で分離された
    汚泥状反応物質を含む混合溶液の一部を培養槽を経由し
    て再び反応工程へ返送させる循環系を有し、且つ、前記
    培養槽を含む前記混合溶液の循環系に含まれる細菌群
    が、土壌性偏性嫌気性細菌群と、フェノール及び/また
    はフェノール露出基のある化合物を含む代謝産物を産出
    するように馴養された土壌性通性嫌気性細菌群または前
    記馴養された土壌性通性嫌気性細菌と土壌性好気性細菌
    とからなる細菌群とが共存する細菌群であることを特徴
    とする請求項1記載のし尿処理システム。
  3. 【請求項3】培養槽が、けい酸塩を含有する多孔性物質
    を充填した容器である請求項2記載のし尿処理システ
    ム。
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