JP2001299878A - 人工乳首 - Google Patents

人工乳首

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JP2001299878A JP2000132907A JP2000132907A JP2001299878A JP 2001299878 A JP2001299878 A JP 2001299878A JP 2000132907 A JP2000132907 A JP 2000132907A JP 2000132907 A JP2000132907 A JP 2000132907A JP 2001299878 A JP2001299878 A JP 2001299878A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 母親の乳首により近似している人工乳首を提
供すること。 【解決手段】 乳首胴部と、この乳首胴部から突出して
形成されている乳頭部とを有する人工乳首であって、前
記乳頭部120及び/又は前記乳首胴部110のうち、
この人工乳首を使用者がくわえた際に、使用者の舌と当
接する部分113には、他の部分より伸長し易い肉薄部
122が設けられ、この肉薄部は、人工乳首の長手方向
に沿って、この肉薄部より肉厚が厚い剛性部123を介
して、所定の間隔を空けて形成されていることで人工乳
首100を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば乳幼児等が
授乳等に際し、利用する人工乳首に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の人工乳首は、例えば哺乳瓶等に取
り付けられ、乳幼児等がこの哺乳瓶等に収容されたミル
ク等を飲むために用いられている。このような人工乳首
は、図9に示すように構成されている。図9は人工乳首
10の断面図である。すなわち、人工乳首10は、シリ
コンゴムで形成され、その内部にミルク等が哺乳瓶等か
ら流入する部分である中空部Aを有している。そして、
このシリコンゴムの部分は、乳首胴部11と、乳頭部1
2等から形成されている。この乳首胴部11は、上記哺
乳瓶等に取り付けられるためのベース部11aと母親の
乳房の一部に相当する乳首胴部本体11bとを有してい
る。この乳頭部12には、ミルク等が噴出する開口12
aが備えられている。このような人工乳首10が、図示
しない哺乳瓶等に取り付けられ、この哺乳瓶に収容され
たミルク等をこの人工乳首10を介して飲むことにな
る。
【0003】図10は、乳幼児20が上記人工乳首10
を使用して、図示しない哺乳瓶中のミルク等を飲んでい
る状態を示す図である。図示するように、乳幼児20
は、自己の舌23の蠕動運動によって、人工乳首10の
乳頭部12を、自己の上口蓋21にある哺乳窩22に対
して押しつけることになる。このとき、これら軟口蓋2
4、舌23及び乳頭部12によって形成される密閉空間
Bの圧力は、0(ゼロ)に近い状態となっている。その
後、舌23が蠕動運動によって、口腔の奥側(空間C
側)に密閉を保ちながら移動することで、密閉空間Bの
陰圧による吸引力が強まる。このとき、密閉空間Bを形
成していた舌23を上口蓋21から離すことで、空間C
と連通され、これによって、上記人工乳首10内のミル
ク等が乳頭部12の開口12aより噴出し、喉頭蓋26
方向に導かれることになる。このように口腔内に圧力を
発生させることにより、乳幼児20は人工乳首10に接
続されている哺乳瓶中のミルク等を飲むことになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、近年、乳幼
児20がミルク等を飲む際に、乳幼児20の口腔内でど
のような動作(哺乳運動)がなされているかについて、
研究が行われた結果、以下のような事実が初めて明らか
になった。すなわち、乳幼児20が、人工乳首10付き
哺乳瓶中のミルク又は母親の母乳を飲む際に、これら人
工乳首10又は母親の乳首が如何なる変形をするかにつ
いて、エコーで観察した。その結果、乳幼児20が、人
工乳首10をくわえた際、その舌23を蠕動運動させる
ことで、母親の乳首のうち、人工乳首20の乳頭部12
に相当する乳頭部及び乳輪部が伸長することがわかっ
た。この伸長は、人工乳首20のうち、特に舌23が当
接して蠕動運動を行う部分である図9の下側が伸長する
傾向が見られた。これは、乳幼児20に人工乳首10付
きのミルク入りの哺乳瓶と母親の母乳を与え、その哺乳
運動中の人工乳首10と母親の乳首の伸長状態を計測す
ることにより、判明したものである。ところで、人工乳
首10は、ミルク等入りの哺乳瓶等に取り付けて用いら
れ、母親の母乳の代わりに乳幼児に与えられるものであ
るため、人工乳首10は、母親の乳首に出来るだけ近似
していることが望ましいが、上記の研究結果からは、従
来の人工乳首10は、母親の乳首の乳頭部や乳輪部に相
当する部分、特に舌23が当接する部分が伸長せず、近
似していないという問題があった。
【0005】本発明は、以上の点に鑑み、母親の乳首に
より近似している人工乳首を提供することを目的として
いる。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的は、請求項1の
発明によれば、乳首胴部と、この乳首胴部から突出して
形成されている乳頭部とを有する人工乳首であって、前
記乳頭部及び/又は前記乳首胴部のうち、この人工乳首
を使用者がくわえた際に、使用者の舌と当接する部分に
は、他の部分より伸長し易い肉薄部が設けられ、この肉
薄部は、人工乳首の長手方向に沿って、この肉薄部より
肉厚が厚い剛性部を介して、所定の間隔を空けて形成さ
れている人工乳首により、達成される。前記構成によれ
ば、前記乳頭部及び/又は前記乳首胴部のうち、この人
工乳首を使用者がくわえた際に、使用者の舌と当接する
部分には、他の部分より伸長し易い肉薄部が設けられて
いるので、より伸長することが好ましい部分に形成され
ている肉薄部が舌により伸ばされることになる。また、
この肉薄部は、人工乳首の長手方向に沿って、この肉薄
部より肉厚が厚い剛性部を介して、所定の間隔を空けて
形成されているので、舌が人工乳首に対して圧力を加え
ても、この剛性部によって人工乳首が潰れることを未然
に防止することができる。
【0007】また、好ましくは、請求項2の発明によれ
ば、請求項1の構成において、前記肉薄部が溝によって
形成されている人工乳首である。
【0008】前記構成によれば、前記肉薄部が溝によっ
て形成されているので、この溝が設けられている部分が
より伸びることになる。
【0009】また、好ましくは、請求項3の発明によれ
ば、請求項1又は請求項2の構成において、前記肉薄部
と前記剛性部との境界部がなだらかに形成されている人
工乳首である。
【0010】前記構成によれば、前記肉薄部と前記剛性
部との境界部がなだらかに形成されているので、前記剛
性部から前記伸長部にかけて、段々と剛性が低くなる。
【0011】また、好ましくは、請求項4の発明によれ
ば、請求項1乃至請求項3のいずれかの構成において、
前記乳頭部及び/又は前記乳首胴部のうち、この人工乳
首を使用者がくわえた際に、使用者の哺乳窩に当接する
側の部分の壁面の肉厚が、前記使用者の舌と当接する部
分の壁面の肉厚より厚く形成されている人工乳首であ
る。
【0012】前記構成によれば、前記乳頭部及び/又は
前記乳首胴部のうち、この人工乳首を使用者がくわえた
際に、使用者の哺乳窩に当接する側の部分の壁面の肉厚
が、前記使用者の舌と当接する部分の壁面の肉厚より厚
く形成されているので、使用者の哺乳窩の形状にフィッ
トするように変形した後に、使用者の舌による蠕動運動
が行われても、この使用者の哺乳窩が当接する側の部分
の壁面はあまり変形せず、使用者の哺乳窩等にしっかり
と配置され、乳頭部が哺乳窩から外れることが未然に防
止される。
【0013】また、好ましくは、請求項5の発明によれ
ば、請求項4の構成において、人工乳首の長手方向に関
する前記肉薄部の幅が、前記使用者の哺乳窩に当接する
側の部分の壁面に向かうにつれて狭くなるように形成さ
れている人工乳首である。
【0014】前記構成によれば、人工乳首の長手方向に
関する前記肉薄部の幅が、前記使用者の哺乳窩に当接す
る側の部分の壁面に向かうにつれて狭くなるように形成
されているので、剛性の弱い肉薄部は、前記使用者の哺
乳窩に当接する側の部分の壁面に向かうにつれて、徐々
にその面積が小さくなるようになっている。したがっ
て、剛性の弱い部分から徐々に剛性の高い部分へと移行
するようになっている。
【0015】また、好ましくは、請求項6の発明によれ
ば、請求項4又は請求項5の構成において、前記使用者
の哺乳窩に当接する側の部分の壁面には、人工乳首が哺
乳窩に向かって屈曲するための屈曲部が設けられている
人工乳首である。
【0016】前記構成によれば、前記使用者の哺乳窩に
当接する側の部分の壁面には、人工乳首が哺乳窩に向か
って屈曲するための屈曲部が設けられているので、哺乳
窩に当接する側の部分の肉厚が厚くされて、変形しずら
くなっても、この屈曲部が屈曲されることにより、人工
乳首の乳頭部が哺乳窩の方向に向かい、より正確に哺乳
窩に当接されることになる。
【0017】また、好ましくは、請求項7の発明によれ
ば、請求項6の構成において、前記屈曲部が、前記使用
者の哺乳窩に当接する側の部分の壁面の内側に形成され
た溝部である人工乳首となる。
【0018】前記構成によれば、前記屈曲部が、前記使
用者の哺乳窩に当接する側の部分の壁面の内側に形成さ
れた溝部であるので、この溝部の部分が屈曲すること
で、人工乳首の乳頭部が哺乳窩の方向に向かい、より正
確に哺乳窩に当接されることになる。
【0019】また、好ましくは、請求項8の発明によれ
ば、請求項6の構成において、前記屈曲部が、前記使用
者の哺乳窩に当接する側の部分の壁面の外側に形成され
た溝部である人工乳首となる。
【0020】前記構成によれば、前記屈曲部が、前記使
用者の哺乳窩に当接する側の部分の壁面の外側に形成さ
れた溝部であるので、この溝部の部分が屈曲すること
で、人工乳首の乳頭部が哺乳窩の方向に向かい、より正
確に哺乳窩に当接されることになる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施形態
を図1乃至図10を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例で
あるから、技術的に好ましい種々の限定が付されている
が、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を
限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られる
ものではない。
【0022】図1は、本発明の実施の形態にかかる人工
乳首100を示す概略断面図である。図示するように、
人工乳首100は、母親の乳房に相当する略お碗状の乳
首胴部110と、それに連なって設けられている、母親
の乳首に相当する乳頭部120とを有している。また、
この乳首胴部110の図において下側には、図示しない
例えば哺乳瓶本体と接続するための鍔部であるベース部
112が設けられている。このベース部112には、哺
乳瓶の中身が減っても瓶内の圧力が外気と変わらないよ
うに通気孔112aが設けられている。また、前記乳頭
部120の先端には乳頭用開口部121が設けられてい
る。この乳頭用開口部121は、人工乳首100の乳首
胴部110と乳頭部120とで形成されている飲料用空
間Dと連通するようになっている。
【0023】この飲料用空間Dを形成している人工乳首
100の斜線部分である壁面は、例えばシリコーンで形
成されている。このシリコーンで形成されている乳頭部
120と乳首胴部110は、使用者の哺乳窩に当接する
側である上部111と、使用者の舌が当接する側である
下部113とを有する。この上部111は、図1の左半
分であり、下部113は図1に右半分である。この下部
113の内面には、溝である肉薄部122が例えば6箇
所、形成されている。そして、この肉薄部122の厚み
は最も薄い部分で例えば約1.2mm程度となってい
る。また、この肉薄部122の幅(図において縦方向)
は、上部111に向かうにつれて徐々に狭くなるように
形成されている。一方、6箇所、形成されている各肉薄
部122は、最も薄い部分から徐々に肉厚になるように
形成され、剛性部123に達するようになっている。こ
こで、剛性部123の肉厚は、例えば約1.9mm程度
と成っている。したがって、各肉薄部122と各剛性部
123との境界部がなだらかになるように構成されてお
り、全体が図1に示すように波形を形成するように配置
されている。
【0024】このように肉薄部122が波型に形成され
ることにより、肉薄部122と剛性部123との厚さが
なだらかに徐々に変化する。したがって、人工乳首10
0の下部113の壁面の剛性が徐々に変化するようにな
っている。このため、後述する乳幼児の哺乳運動の際、
人口乳首100の一部が、図1の横方向の圧力によって
容易に潰れてしまうのを防ぐことができる。以上のよう
に肉薄部122が形成されている人工乳首の下部113
に対して、上部111には、極めて異なる構成を有して
いる。すなわち、上部111の壁面の厚みは、下部11
3の壁面の厚みより厚く形成されている。その厚みは例
えば約2.2mmである。したがって、後述する乳幼児
の哺乳運動の際、下部111に設けられている剛性部1
23より、より高い剛性が確保されることになる。ま
た、上部111の壁面の内側で乳頭部120と乳首胴部
110の境界近傍には、屈曲部111aが1箇所設けら
れている。この屈曲部111aは、周囲の壁面より肉薄
となっており、その形状は下部113に設けられている
肉薄部122と略同様の構成となっている。この屈曲部
111aで、人工乳首100は、図において左方向に屈
曲し、後述するように、乳頭部120が使用者の哺乳窩
にしっかりと当接するようになる。
【0025】以上のように構成されている人工乳首10
0は、ベース部112を介して飲料である例えばミルク
を収容している哺乳瓶(図示せず)に装着され、哺乳瓶
内のミルクが哺乳瓶の瓶口を経て人工乳首100の飲料
用空間Dに導かれるように構成されている。そして、飲
料用空間Dに導かれたミルクは、乳頭部120の乳頭用
開口部121より人工乳首100の外部に吐出されるこ
とになる。このような人工乳首100は、母親が自己の
母乳の代わりに、哺乳瓶等を用いて人工乳を乳幼児等に
与える際に用いられるため、図1に示すように母親の乳
房及び乳首に近似した形状となっている。
【0026】本実施の形態にかかる人工乳首100は、
以上のように構成されているが、以下のように使用等さ
れる。先ず、人工乳首100は、例えばミルク等が収容
された例えば哺乳瓶に取り付けられる。この哺乳瓶を母
親が保持し、乳幼児の口腔内に人工乳首100を挿入す
ることで、乳幼児にミルクを与えることになる。図2
は、母親等がこのように人工乳首100を乳幼児200
の口腔内に挿入し、乳幼児200が人工乳首100をく
わえた状態を示す図である。図2において哺乳瓶等は省
略され、人工乳首100のみが表されている。このと
き、人工乳首100の下部113が乳幼児200の舌2
30側に配置されるように、母親等は人工乳首100を
乳幼児200の口腔内に挿入する。すなわち、人工乳首
100の下部113に配置されている肉薄部122の部
分に対して乳幼児200の舌230が後述する蠕動運動
をできる位置に置かれる。一方、人工乳首100の上部
111は、乳幼児200の哺乳窩220から上口蓋21
0及び歯槽堤280から口唇270までに相当する位置
に配置される。
【0027】このように、乳幼児200が人工乳首10
0をくわえた状態で、人工乳首100の上部111の乳
頭部120の先端部は、乳幼児200の哺乳窩220の
先端に当接される。このとき、乳幼児200の舌230
によって人工乳首100は図において上方へ押しつけら
れることになる。すなわち、人工乳首100の図2にお
いて上部111は、乳幼児200の哺乳窩220から上
口蓋210及び歯槽堤280から口唇270までの部分
に固定されることになる。このとき、人工乳首100の
上部111は、上述のようにその壁面の肉厚が厚く、剛
性がある程度、高くなるように形成されているため、哺
乳窩220の形状にフィットするよう変形し、その上
で、しっかりと哺乳窩220から口唇270までの間に
配置されることになる。ところで、乳幼児200が、人
工乳首100を介してミルク等を飲む際には、図3から
図4に示されているような舌230の蠕動運動により哺
乳運動を行うことになる。この図3及び図4は、乳幼児
200が哺乳運動を行っている口腔内の状態を超音波断
層撮影装置用いて撮影した連続画像を図示したものであ
る。図3(a)において、哺乳運動を行う乳幼児200
には、哺乳窩220という窪みが存在する。この哺乳窩
220は、乳幼児200が授乳のため哺乳運動をする期
間だけ持っており、その後、成長すると無くなるもので
ある。
【0028】母親の乳首は、乳幼児200の口腔内でこ
の哺乳窩220に入り込む。この状態で口腔内では乳幼
児200の舌230が下から乳首に当たり、さらに舌2
30の側面がせりあがって、乳首を包むように密着する
ことになる。そして、図3(b)(c)に示すように、
舌230の前方が盛り上がって、乳首を下から押し、こ
の動きは図4(a)乃至(c)に示すように、次第に舌
230の後方へ波うつように移動していくことになる。
この過程で、舌230は前方から後方にかけて波うつよ
うに蠕動運動を行い、乳首は根元から先端に向けて絞ら
れると共に、乳首が伸びて哺乳窩220の先端部分に突
き当たる。そして、乳首と舌230と上顎との間に閉空
間Eが形成されることになる。この図4(b)で示す、
閉空間Eは、乳首等が伸びることにより、小さくなり、
好ましくは、その閉空間Eが消滅するまで乳首等が伸び
ることになる。これにより、この閉空間Eは、圧力が0
(ゼロ)に近づき、その後、舌230の蠕動運動によ
り、この閉空間Eが密閉されたまま、舌230だけが奥
に移動することで、この閉空間Eの体積が大きくなり、
陰圧による吸引力が高まる。そして、高まった吸引力に
より、この閉空間Eが開放されると、母乳は、勢い良く
乳幼児200の喉頭蓋260(図2参照)の方向へ噴出
され、この噴出した母乳を飲み込むことで、哺乳運動が
終了することになる。
【0029】このように乳幼児200は、舌230の蠕
動運動を行い、母親の乳首を伸ばし、上記閉空間Eを密
閉し、体積を狭め、密閉させたまま蠕動運動で、さらに
舌230を奥に動かすことで、陰圧を効果的に発生させ
るようにしている。このように陰圧を効果的に発生させ
ることで、母乳の噴出をより促し、より効果的に母乳を
飲もうとするものである。
【0030】本実施の形態に係る人工乳首100におい
ても、図1に示すように、その乳頭部120及び乳首胴
部110の下部113に肉薄部122が7箇所設けら
れ、この肉薄部122に対して乳幼児200の舌230
が蠕動運動するため、これら6箇所の薄肉部122が伸
び、乳頭部120及び乳首胴部110の下部113が乳
幼児200の口腔内で伸びることになる。このとき、肉
薄部122が乳頭部120から乳首胴部110にかけて
複数個、所定の間隔で設けられているため、乳頭部12
0及び乳首胴部110にかけて、より均等に伸びること
になる。一方、人工乳首100の乳頭部120及び乳首
胴部110の上部111は、上述のようにその壁面の肉
厚が厚く、剛性がある程度、高くなるように形成されて
いるため、哺乳窩220にフィットするよう変形して、
その上で、しっかりと哺乳窩220から口唇270まで
の間に配置され、舌230の蠕動運動よっても、乳頭部
120が哺乳窩220から外れてしまうことがない。こ
の状態を示すのが図5である。図5は、哺乳運動を行っ
ている人工乳首100の状態を哺乳瓶側から見た図であ
る。図5に示すように、人工乳首100の上部111
は、哺乳窩220等にしっかりと当接している状態とな
っており、乳幼児200の舌230による蠕動運動によ
っても潰れることなく、且つ哺乳窩220から外れるこ
となく安定している。
【0031】一方、人口乳首100の下部113は、上
部111より肉薄の壁面で形成され、且つ肉薄部122
が、所定の間隔で6箇所設けられているため、図で示す
ように変形して、且つ口腔の奥の方に伸長することにな
る。また、人工乳首100の上部111には屈曲部11
1aが設けられているため、上述のような乳幼児200
の舌230による蠕動運動で、人工乳首部100が下か
ら押されたとき、この屈曲部111aで人工乳首100
は、図2の上方向に屈曲し、より乳頭部110が哺乳窩
220にしっかりと当接されることになる。この状態を
示したのが、図6である。図6に示すように、哺乳運動
開始前である破線部分の人工乳首100は、乳幼児10
0の舌230による蠕動運動で下から押され、屈曲部1
11aで屈曲することで上方に変形している(実線部
分)。ところで、上述のこの肉薄部122は、波型に形
成され、肉薄部122と剛性部123との厚みがなだら
かに徐々に変化しているので、図5に示すように、乳幼
児200の蠕動運動で、人口乳首100の一部が、図の
縦方向の圧力によって容易に潰れてしまうのを防いでい
る。
【0032】このように人工乳首100が潰れることな
く、且つより伸びることで、図7に示すように、人工乳
首100、舌230及び上口蓋210等により形成され
る閉空間Eは、図2と比べ小さくなることになる。これ
によって、より体積が小さくなった閉空間E(好ましく
は、閉空間Eが消滅した状態となる)は、図7に示すよ
うに舌230の蠕動運動によって、閉状態となる。この
後、舌230を更に奥に動かすことで、陰圧が生じ図8
の矢印方向に人工乳首100内のミルクが噴出すること
になる。そして、このミルクの噴出量は、図7の閉空間
Eの初期の体積が小さければ、その分、大きくなる。こ
のとき人工乳首100の上部111は、上述のように哺
乳窩220にフィットした上で、しっかりと当接されて
おり、乳頭部120の先端は、哺乳窩220の最深部に
しっかりと保持されている。したがって、乳幼児200
の舌230の蠕動運動で人工乳首100の下部113が
伸長し、上述の閉空間Eをより小さくすることができ
る。
【0033】したがって、本実施の形態の人工乳首10
0は、人工乳首100の下部113がより伸長し、上部
111は、哺乳窩220等に対してしっかりと保持され
ているため、より実際の母親の乳首に近い動作をするこ
とになる。このため、上述の閉空間Eをより小さくで
き、その開放により、より大量のミルクを人工乳首10
0から噴出させることができることになる。そして、こ
れにより、乳幼児200は、より円滑に、且つより適切
にミルクを飲むことができることになる。さらに、本実
施の形態においては、図1に示すように、肉薄部122
と人工乳首内面123の境界部がなだらかに、波形を形
成しているため、シリコンゴムにより形成されている人
工乳首100の製造に当たり金型から抜き易く、製造し
やすくなっている。なお、本実施の形態では、人工乳首
100をミルクを収容した哺乳瓶に適用した例を示した
が、本発明にかかる人工乳首100は、これに限らず乳
幼児200がジュース等の液状の飲料を哺乳瓶以外の容
器で飲む際にも適用できることは、明らかである。
【0034】また、本実施の形態では、人工乳首100
に肉薄部122を6ヵ所設けているが、これに限らず、
何箇所設けても構わないことは、明らかである。
【0035】なお、上述の各実施の形態では、伸長部と
して複数の肉薄部122等を形成したが、これに限らず
螺旋状に薄肉部を形成しても構わない。また、薄肉部と
してより柔らかい素材を用いても構わない。さらに、前
記各実施の形態の各構成は、その一部を省略したり、上
述していない他の任意の組み合わせに変更することがで
きる。
【0036】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、母親の
乳首により近似している人工乳首を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる人工乳首を示す概
略断面図である。
【図2】図1の人工乳首の乳幼児の口腔内における状態
を示す概略図である。
【図3】乳幼児が哺乳運動を行っている口腔内の状態を
超音波断層撮影装置用いて撮影した連続画像を図示した
ものである。
【図4】乳幼児が哺乳運動を行っている口腔内の状態を
超音波断層撮影装置用いて撮影した他の連続画像を図示
したものである。
【図5】哺乳運動を行っているときの人工乳首の状態を
哺乳瓶側から見た概略図である。
【図6】哺乳運動を行っているときの人工乳首の屈曲部
の状態を示す概略図である。
【図7】図1の人工乳首の乳幼児の口腔内において伸長
した状態を示す概略図である。
【図8】図1の人工乳首が乳幼児の口腔内でミルクを噴
出した状態を示す概略図である。
【図9】従来の人工乳首の断面図を表した図である。
【図10】乳幼児が従来の人工乳首を使用している状態
を示す図である。
【符号の説明】
100・・・人工乳首 110・・・乳首胴部 111・・・上部 111a・・・屈曲部 112・・・ベース部 112a・・・通気孔 113・・・下部 120・・・乳頭部 121・・・乳頭用開口部 122・・・肉薄部 200・・・乳幼児 210・・・上口蓋 220・・・哺乳窩 230・・・舌 260・・・喉頭蓋 270・・・口唇 280・・・歯槽堤 D・・・飲料用空間

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳首胴部と、この乳首胴部から突出して
    形成されている乳頭部とを有する人工乳首であって、 前記乳頭部及び/又は前記乳首胴部のうち、この人工乳
    首を使用者がくわえた際に、使用者の舌と当接する部分
    には、他の部分より伸長し易い肉薄部が設けられ、 この肉薄部は、人工乳首の長手方向に沿って、この肉薄
    部より肉厚が厚い剛性部を介して、所定の間隔を空けて
    形成されていることを特徴とする人工乳首。
  2. 【請求項2】 前記肉薄部が溝によって形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の人工乳首。
  3. 【請求項3】 前記肉薄部と前記剛性部との境界部がな
    だらかに形成されていることを特徴とする請求項1又は
    請求項2に記載の人工乳首。
  4. 【請求項4】 前記乳頭部及び/又は前記乳首胴部のう
    ち、この人工乳首を使用者がくわえた際に、使用者の哺
    乳窩に当接する側の部分の壁面の肉厚が、前記使用者の
    舌と当接する部分の壁面の肉厚より厚く形成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記
    載の人工乳首。
  5. 【請求項5】 人工乳首の長手方向に関する前記肉薄部
    の幅が、前記使用者の哺乳窩に当接する側の部分の壁面
    に向かうにつれて狭くなるように形成されていることを
    特徴とする請求項4に記載の人工乳首。
  6. 【請求項6】 前記使用者の哺乳窩に当接する側の部分
    の壁面には、人工乳首が哺乳窩に向かって屈曲するため
    の屈曲部が設けられていることを特徴とする請求項4又
    は請求項5に記載の人工乳首。
  7. 【請求項7】 前記屈曲部が、前記使用者の哺乳窩に当
    接する側の部分の壁面の内側に形成された溝部であるこ
    とを特徴とする請求項6に記載の人工乳首。
  8. 【請求項8】 前記屈曲部が、前記使用者の哺乳窩に当
    接する側の部分の壁面の外側に形成された溝部であるこ
    とを特徴とする請求項6に記載の人工乳首。
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