JP2001299861A - 折り畳み式介護浴槽 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 組み立てが容易で、組み立てたときの浴槽の
形が安定しており、入浴者にリラックスした入浴を楽し
むことのできる折り畳み介護浴槽を提供する。 【解決手段】 底板１１とこの底板１１に対して内側に
折り畳み可能に取り付けられた側板１３及び前後板１２
とからなる浴槽本体１０と、この浴槽本体１０の外側に
敷設される直方体状の防水シート２０と、この防水シー
ト２０を受ける底板３１及び側部フレーム３２を有し、
折り畳み式の脚３３を備えた架台３０とからなり、防水
シート２０及び浴槽本体１０の底板に排水口をそれぞれ
設け、防水シート２０の排水口に排水ホース２２を取り
付け、排水口の上部に、ジャバラ構造等の高さ調整可能
な排水管２３を設けた折り畳み式介護浴槽。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、身体の不自由な
人、寝たきり老人、病人等の被介護者を入浴させるため
の折り畳み式介護浴槽に関する。

【０００２】

【従来の技術】主に、自宅で療養している身体の不自由
な人、寝たきり老人、病人等の被介護者の入浴は、数人
の介護者が被介護者を浴槽に運び、介護者が抱えて浴槽
に入れている。ところが、ユニットバスなどの一般家庭
用の浴槽は、通常は一人分のスペースしかなく、介護者
が数人入るには狭すぎるうえ、浴槽の片側にしかスペー
スがないことが多く、介護者が被介護者を浴槽内に運ぶ
とき、無理な体勢を取らなければならないと言う問題が
あった。また、一般家庭用の浴槽には、横たわるタイプ
と座るタイプがあり、後者では、被介護者の脚などを洗
うことが困難となる。

【０００３】一般家庭用の浴槽に被介護者を入らせる介
護者の負担を軽減するため、車両内に浴槽を搭載した移
動入浴車（例えば特開平６−１５４２７８号公報）があ
るが、設備的には入浴に必要なものを揃えることができ
る反面、移動入浴車の駐車場所と被介護者が居る家との
間に距離が有る場合や、雨の日等では、被介護者を移動
入浴車まで運ぶことが大変である。そこで、介護専用の
折り畳み式浴槽を車両に積み、被介護者の居宅に運んで
組み立てて入浴させれば、介護者の負担が軽くなり、ま
た被介護者も安心して入浴ができる。

【０００４】そのような目的のために、特開平８−２１
５０９１号公報には、平面形状を長方形とした底板の上
面に、その４周を囲む周枠を形成し、その周枠に沿って
側板を立設して浴槽外部を形成し、その内部に、直方体
形状の防水性シートを装着して組み立てる組立式簡易浴
槽が開示されている。

【０００５】また、特開平１１−１１４００４号公報に
は、上部枠及び下部枠が共に長辺側の略中央で２分割さ
れ、蝶番により連結され、両者の間に中央支持棒及び両
端支持棒の３組６本の支持棒を設け、布製浴槽をファス
ナーによって上部枠に取り付け、組み立ての際は、上部
枠を持ち上げ、６本の支持棒で固定し、上部枠と同じ高
さにした上下の背板上に入浴者をベッドから移送し、ハ
ンドルを回転してワイヤーを巻き出し、下半身背板を沈
めるようにした昇降機付き折り畳み移動浴槽が開示され
ている。さらに、特開平７−２４６２２６号公報には、
折り畳み可能な枠体と、この枠体内に着脱可能に敷設さ
れる防水性の浴槽袋と、この浴槽袋の中に着脱可能に敷
設される膨張収縮可能な流体袋とからなり、この流体袋
内に湯を入れて入浴するようにしたものが開示されてい
る。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところが、特開平８−
２１５０９１号公報に開示された組立式簡易浴槽では、
底板と側板が分離しているため、移動時に部材を置き忘
れたりして現地で組み立てられないことがあり、また枠
の内部に防水性シートを装着するので、入浴者が滑りや
すく安全面でも問題があった。また、特開平１１−１１
４００４号公報に開示された組立式簡易浴槽では、組み
立ての作業が繁雑であり、慣れた人でないと組み立てが
困難であるという問題があった。さらに、特開平７−２
４６２２６号公報に開示された浴槽では、枠体がフレー
ム構造になっているので、浴槽袋をセットしたとき、浴
槽袋の形状が安定しにくいという問題があった。そこで
本発明が解決しようとする課題は、組み立てが容易で、
組み立てたときの浴槽の形が安定しており、入浴者にリ
ラックスした入浴を楽しむことのできる折り畳み介護浴
槽を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の折り畳み介護浴槽は、底板とこの底板に対
して内側に折り畳み可能に取り付けられた側板及び前後
板とからなる浴槽本体と、この浴槽本体の外側に敷設さ
れる直方体状の防水シートと、この防水シートを受ける
底板及び側部フレームを有し、折り畳み式の脚を備えた
架台とからなり、前記防水シート及び浴槽本体の底板に
排水口をそれぞれ設け、防水シートの排水口に排水ホー
スを取り付け、排水口の上部に、ジャバラ構造などの高
さ調整可能な排水管を設けたことを特徴とする。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に示す実施例を参照しながら説明する。図１は本発明
に係る浴槽本体を組み立てた状態を示す側面図、図２は
その一部切欠正面図である。浴槽本体１０は、底板１１
と、前後板１２と、側板１３とからなり、側板１３は布
製のベルト１４で底板１１に対して折り畳みができるよ
うになっている。前後板１２は底板１１及び側板１３と
別体に構成されている。底板１１，前後板１２及び側板
１３は木製の場合、一枚板で作ればもっとよいが、間伐
材などの幅の狭い板を用いるときは、側端縁に凹凸を設
けてボンド（登録商標）でつなぎ合わせる。１５Ａは入
浴者の頭を支える頭部ベルトであり、布のベルトの一点
を側板１３の前方に固定し、他端は高さを調整してねじ
１６で止める。また、腰部と脚部の部分にも、腰部ベル
ト１５Ｂと脚部ベルト１５Ｃが設けられており、浴槽本
体の底部から入浴者を浮かせることにより、入浴者を反
転させることなく、背中や臀部、脚の裏側を洗うことが
できる。浴槽本体の材質は、檜、杉、竹、よし、その他
の天然素材を用い、入浴者に香りと感触で入浴を楽しめ
るようにすることが好ましいが、合成樹脂の板を用いて
もよい。

【０００９】図３及び図４は本発明に係る防水シート２
０の構造を示すものであり、上が開口している直方体状
の強度の高い防水布で作られている。防水シート２０の
隅部には排水口が設けられていて、そこに口金２１が取
り付けられ、その口金２１にホース２２と高さ調整用ジ
ャバラ２３がねじで取り付けられるようになっている。
図中２４はロープ２５を通す穴である。この防水シート
２０は、浴槽本体１０に湯を入れたとき、継ぎ目から湯
が漏れるので、これを防水するためのものである。

【００１０】図５及び図６は本発明に係る架台３０の構
造を示すものであり、底板３１、側部フレーム３２、折
り畳みストッパ３４付きの脚３３からなり、脚３３には
キャスター３５が取り付けられている。また側部フレー
ム３２にはロープフック３６が取り付けられている。側
部フレーム３２は、ストッパ３７で開いた状態を固定で
きるようになっている。架台３０は、アルミ等の軽量部
材で作るとよい。図７及び図８は折り畳んだ状態の架台
を示している。

【００１１】図９は以上の構成の浴槽本体１０と防水シ
ート２０を架台３０に組み立てる状態を示すものであ
る。まず、架台３０の脚３３を立ててストッパ３４で固
定し、また側部フレーム３２を開いてストッパ３７で固
定する。次いで側部フレーム３２の中に防水シート２０
を入れる。このとき、ホース２２は、架台３０の底板３
１に設けた穴３８に通す。次いで、浴槽本体１０を防水
シート２０の中に入れる。高さ調整用ジャバラ２３は、
浴槽本体１０の底板１１に設けた穴１７に通す。

【００１２】図１０及び図１１は、浴槽組み立て後に、
ロープフック３６とロープ通し穴２４にロープ２５を掛
けて防水シートを固定した状態を示す側面図及び正面図
である。このとき、防水シート２０内の浴槽本体１０が
浮かないように、ロープ３８で固定する。さらに、最後
に、逆台形状の前後板１２を浴槽本体１０の頭側及び足
側に差し込んで、浴槽本体の形を作る。入浴時は、防水
カーテン４０を、水が飛び跳ねないように４面に取り付
ける。４１は本体を車両の壁に取り付けるための金具で
ある。

【００１３】図１２〜図１４は本発明の浴槽を折り畳ん
で車両の壁に取り付けた状態を示すものである。図１２
は正面図、図１３は壁掛け金具、図１４は壁掛け金具に
取り付けた状態の側面図である。図中、４２は車両が移
動するとき動かないようにするベルト、４３は壁掛け金
具である。

【００１４】本発明の折りたたみ介護浴槽は、折りたた
み収納が容易であり、場所を取らずに簡単に広げて使用
出来る。入浴の際は、浴槽本体１０が檜、杉、竹、よ
し、その他の天然木で作られているときは、その香りと
感触を楽しめ、また、薬草などを入れることもできる。
この風呂は、温もり浴の中で洗い、その後、ジャバラ２
３を低くして湯を抜き、シャワーをかけて被介護者を湯
から上げる。

【００１５】

【発明の効果】上述したように、本発明によれば、組み
立てが容易で、組み立てたときの浴槽の形が安定してお
り、入浴者にリラックスした入浴を楽しませることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係る浴槽の広げた状態を示す側面図
である。

【図２】 浴槽の一部切欠正面図である。

【図３】 浴槽が入る防水シートの側面図である。

【図４】 防水シートの正面図である。

【図５】 折り畳み式架台の側面図である。

【図６】 折り畳み式架台の正面図である。

【図７】 折り畳んだ状態の架台の側面図である。

【図８】 折り畳んだ状態の架台の正面図である。

【図９】 本発明の組み立て方法を示す斜視図である。

【図１０】 架台に防水シート及び浴槽を取り付けた状
態の側面図である。

【図１１】 図１０の正面図である。

【図１２】 架台を折り畳んだ状態の平面図である。

【図１３】 架台を壁に掛けるための金具の側面図であ
る。

【図１４】 金具に架台を取り付けた状態の側面図であ
る。

【符号の説明】

１０ 浴槽本体、１１ 底板、１２ 前後板、１３ 側
板、１４ ベルト、１５１５Ａ 頭部ベルト、１５Ｂ
腰部ベルト、１５Ｃ 脚部ベルト、１６ ねじ、１７
穴、２０ 防水シート、２１ 口金、２２ ホース、２
３ 高さ調整用ジャバラ、２４ 穴、３０ 架台、３１
底板、３２ 側部フレーム、３３ 脚、３４ 折り畳
みストッパ、３５ キャスター、３６ ロープフック、
３７ ストッパ、４０ 防水カーテン、４１ 金具、４
２ ベルト、４３ 壁掛け金具

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 底板とこの底板に対して内側に折り畳み
   可能に取り付けられた側板及び前後板とからなる浴槽本
   体と、 この浴槽本体の外側に敷設される直方体状の防水シート
   と、 この防水シートを受ける底板及び側部フレームを有し、
   折り畳み式の脚を備えた架台とからなり、 前記防水シート及び浴槽本体の底板に排水口をそれぞれ
   設け、防水シートの排水口に排水ホースを取り付け、排
   水口の上部に、高さ調整可能な排水管を設けたことを特
   徴とする折り畳み式介護浴槽。
2. 【請求項２】 高さ調整可能な配水管は、ジャバラ構造
   である請求項１記載の折り畳み介護浴槽。