JP2001299388A - メタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の薬剤感受性試験方法 - Google Patents

メタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の薬剤感受性試験方法

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JP2001299388A
JP2001299388A JP2000121982A JP2000121982A JP2001299388A JP 2001299388 A JP2001299388 A JP 2001299388A JP 2000121982 A JP2000121982 A JP 2000121982A JP 2000121982 A JP2000121982 A JP 2000121982A JP 2001299388 A JP2001299388 A JP 2001299388A
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JP2000121982A
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Yoshichika Arakawa
宜親 荒川
Kazuhiro Nakajima
一弘 中島
Norio Shibata
典緒 柴田
Toshiaki Abe
敏明 阿部
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Eiken Chemical Co Ltd
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Eiken Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は院内感染の原因菌として問題になって
いるメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の薬剤感受性試験
方法を提供する。 【解決手段】本発明の課題は、β−ラクタム薬含有液体
培地とβ−ラクタム薬/メタロ−β−ラクタマーゼ阻害
剤含有液体培地の組合せを用いた微量液体希釈法(MI
C測定)によるメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の薬剤
感受性試験方法により達成された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、β−ラクタム薬含
有液体培地とβ−ラクタム薬/メタロ−β−ラクタマー
ゼ阻害剤含有液体培地の組合せを用いた微量液体希釈法
によるメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の薬剤感受性試
験方法に関する。
【0002】なお、本発明では次の略語を使用すること
がある。
【略語表】MBL:メタロ−β−ラクタマーゼ (Metall
o-Beta-Lactamase) ESBL:基質拡張型β−ラクタマーゼ (Extended Spe
ctrum Beta-Lactamase) MAA:メルカプト酢酸 (Mercaptoacetic Acid) SMA:メルカプト酢酸ナトリウム (Mercaptoacetic A
cid Sodium salt) MPA:2−メルカプトプロピオン酸 (2-Mercaptoprop
ionic Acid) SMP:2−メルカプトプロピオン酸ナトリウム (2-Me
rcaptopropionic Acid Sodium salt) CAZ:セフタジジム IPM:イミペネム NCCLS:米国臨床検査標準委員会 (National Commi
tee for Clinical Laboratory Standards) MIC:最小発育阻止濃度 (Minimum Inhibitory Conce
ntration) MHA:ミューラー・ヒントン寒天培地 (Mueller Hint
on Agar) MHB:ミューラー・ヒントン液体培地 (Mueller Hint
on Broth) CAMHA:陽イオン調整ミューラー・ヒントン寒天培
地 (Cation Adjusted Mueller Hinton Agar) CAMHB:陽イオン調整ミューラー・ヒントン液体培
地 (Cation Adjusted Mueller Hinton Broth)
【0003】
【従来の技術および発明が解決すべき課題】β−ラクタ
ム薬(β−ラクタム系抗菌薬)はその分子構造母核中に
β−ラクタム環を持つ抗菌薬の総称でペニシリンの発見
以来、多くのβ−ラクタム薬が開発されている。このβ
−ラクタム薬の開発に伴い、その分子構造中のβ−ラク
タム環を加水分解して、その抗菌作用を無効化する酵素
β−ラクタマーゼを産生する耐性菌(β−ラクタマーゼ
産生菌)が出現した。β−ラクタマーゼはクラスA〜D
型に分類される。このうちクラスB型酵素はその活性中
心に亜鉛などの金属イオンを有しているので、メタロ−
β−ラクタマーゼ(MBL)と呼ばれる。MBLの阻害
剤としてはチオール化合物やEDTAなどが知られてい
る。[1][2][3][4][5][6]。
【0004】MBL産生菌はメタロ−β−ラクタマーゼ
を産生することにより、ペニシリン系からセフェム系、
セファマイシン系、カルバペネム系抗菌薬に至るまでの
幅広い範囲のβ−ラクタム薬に耐性を獲得した。近年に
なって、これらのβ−ラクタム薬に耐性を示す緑膿菌や
セラチア菌などのグラム陰性桿菌(MBL産生菌)が各
地の医療施設から分離され問題となっている。メタロ−
β−ラクタマーゼをプラスミド性に産生する菌は、これ
までわが国でのみ分離されてきたが、最近、外国におい
ても分離され、海外の専門家の間でも関心が高まりつつ
ある。[7]。
【0005】MBL産生菌は、セファロスポリナーゼ過
剰産生株などと類似の薬剤耐性パターンを示すが、後者
がカルバペネム薬に感受性を示すのに対し、MBL産生
菌は、当初カルバペネム薬に感受性を示している株も、
カルバペネム薬の存在下で酵素の産生が誘導され、やが
てカルバペネム薬に耐性を示すようになる。従って、有
効かつ適正な化学療法を実施する上で、両者を早期に識
別できる検査方法の確立が必要となっていた。
【0006】MBL産生菌は、第3世代セフェム系、セ
ファマイシン系に高度耐性を示し、カルバペネム系にも
低度〜高度耐性を示す。しかし、同様に第3世代セフェ
ム系に高度耐性を示すセファロスポリナーゼ過剰産生株
などとMBL産生菌とを病院の検査室において日常的に
実施されている薬剤感受性試験や酵素学的な検査方法に
より識別することはこれまでは不可能であった。PCR
法によるメタロ−β−ラクタマーゼ遺伝子を検出する方
法以外に確実にメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌を判別
する方法はなかった。[8]。
【0007】この現状に鑑み、本発明者はMBL産生菌
を容易に判別することが可能なディスク拡散法を開発
し、すでにJ.Clin.Microbiol.に文献
発表を行い、また特許出願も行っている。[9][10]。
【0008】この方法は合計3枚の濾紙ディスクを用い
る方法である。まず、直径6.35mmの濾紙ディスク
に、MBL阻害剤としてメルカプト酢酸(MAA)、メ
ルカプトプロピオン酸(MPA)、メルカプトエタノー
ル等のチオール化合物を含浸させたMBL阻害剤ディス
クを作成する。次いでCAZなどのβ−ラクタム薬を含
有する乾燥ディスク2枚を、被検菌を塗布した寒天平板
上に距離を置いて静置し、一方のCAZディスクに近接
してMBL阻害剤ディスクを静置し、阻害剤の影響下で
形成される阻止円の形状と、阻害剤の影響のない通常の
阻止円の形状の違いを観察し、MBL産生菌であるかど
うかを判定するものである。この方法では、得られる阻
止円の形状・大きさがMBL阻害剤ディスクの有無で全
く異なるため、容易にMBL産生菌であるかどうか判定
できる。しかしながら、上記判定方法では、MBL産生
菌であるかどうかは定性的に判定できるが、定量的な最
小発育阻止濃度(MIC)を求めることはできない。ま
た使用したチオール化合物(MBL阻害剤)は揮発性で
あるため、阻害剤ディスクは乾燥ができず、用時調製で
用いるしかなく、操作性にやや問題が残った。
【0009】また未発表であるが、本発明者はMAA、
MPA等のチオール化合物(MBL阻害剤)とCAZ等
のβ−ラクタム薬を用いた微量液体希釈法によるMIC
測定も試みた。この方法は、本発明の実施例と一部重複
するが、96穴マイクロプレートを用い、2倍希釈でC
AZを0.25−128μg/ml含有する液体培地の希釈
系列と、一定量のMBL阻害剤及びCAZ0.25−1
28μg/mlを含有する液体培地希釈系列との組合せを用
い、被検菌を培養し、MICを測定する方法である。こ
の方法でCAZ単独のMIC及びCAZ/MPA合剤の
MICが容易に測定でき、またその差もMBL産生菌で
は明確であった。しかしながら、使用したチオール化合
物(MBL阻害剤)は揮発性であり、悪臭を発する。そ
のため、特に試薬の調製時にその悪臭が、検査室全体に
広がり、このままルーチン検査として用いるには問題が
多いものであった。
【0010】従って、本発明の目的は、ルーチン検査に
有用でMIC測定が可能な微量液体希釈法によるMBL
産生菌の感受性試験方法及びそのための容器を提供する
こと、さらに乾燥したMBL阻害剤の濾紙ディスクを提
供すること、さらに進めて、βラクタム薬/MBL阻害
剤の2薬を合剤として含有する乾燥濾紙ディスクを提供
することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】かかる実状において本発
明者らは鋭意努力の結果、MBL阻害剤としてチオール
化有機酸を用い、それを適当なアルカリ塩とすることに
より、その不揮発化を計り、不揮発化したMBL阻害剤
が、揮発性のフリーのチオール化有機酸と同様のMBL
阻害作用があることを見いだし、本発明を完成した。
【0012】本発明は、(1)β−ラクタム薬含有液体
培地とβ−ラクタム薬/MBL阻害剤含有液体培地との
組合せを用いた微量液体希釈法によるMBL産生菌の薬
剤感受性試験方法である。 (2)MBL阻害剤としては不揮発性のチオール化有機
酸の塩、 (3)特に、メルカプト酢酸またはメルカプトプロピオ
ン酸の塩が好ましく、 (4)またその塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、カル
シウム塩、バリウム塩、第4級アンモニウム塩より選ば
れる。これらのチオール化有機酸の塩は市販品をそのま
ま用いても良いし、遊離のチオール化有機酸溶液に当量
のアルカリ溶液を加えて中和することによっても求めら
れる。たとえば、MPAのナトリウム塩であれば、MP
A溶液に当量の水酸化ナトリウム溶液を加えることによ
り調製され、MAAの第4級アンモニウム塩であれば、
MAA溶液に当量の水酸化テトラブチルアンモニウム(T
etra-butyl ammonium hydroxide)を加えることにより調
製される。要は、不揮発性でかつ水溶性のチオール化有
機酸塩をMBL阻害剤として用いることが本発明にとっ
て、重要なのである。 (5)さらに、本発明で用いるβ−ラクタム薬としては
セフタジジム、セフォタキシム、セフトリアキソン、セ
フポドキシム、セフピロム、セフェピム等の第三・第四
世代セフェム系抗菌薬、セフメタゾール、セフミノクス
等の第二・第三世代セファマイシン系抗菌薬、イミペネ
ム、パニペネム、メロペネム等のカルバペネム系抗菌薬
より選ばれる。その中でもセフタジジム(CAZ)、イ
ミペネム(IPM)が本発明には適している。 (6)本発明に用いる液体培地としてはミューラー・ヒ
ントン液体培地、陽イオン調整ミューラー・ヒントン液
体培地、ブレインハートインフュージョン液体培地、ト
リプトソイ液体培地、ABCM液体培地、溶血液加ミュ
ーラー・ヒントン液体培地、シェドラー液体培地等の微
量液体希釈法に用いられる一般的な液体培地が挙げられ
る。その中でもミューラー・ヒントン液体培地(MH
B)、陽イオン調整ミューラー・ヒントン液体培地(C
AMHB)が本発明には適している。 (7)より具体的に本発明は、β−ラクタム薬を0.2
5−128μg/ml含有する液体培地と、β−ラクタム薬
0.25−128μg/ml/MBL阻害剤100−160
0μg/mlを含有する液体培地との組合せを用いる(1)
−(6)記載の微量液体希釈法によるMBL産生菌の薬
剤感受性試験方法である。MBL阻害剤として用いるチ
オール化有機酸塩は、被検菌によっては3200μg/ml
以上のMICを示すので、その濃度は100−1600
μg/mlが適当である。50μg/ml以下ではMBL阻害作
用が弱くなりすぎ、不適当である。
【0013】また本発明は、(8)上記(1)−(7)
記載の薬剤感受性試験に用いる容器であって、多穴容器
の各穴にβ−ラクタム薬を含有する液体培地、及びβ−
ラクタム薬/MBL阻害剤を含有する液体培地を分注し
た、微量液体希釈法によるMBL産生菌の薬剤感受性試
験に用いる容器でもある。 (9)本発明の多穴容器は使用時まで凍結保存されるこ
とにより、保存性が向上する。つまり生培地を分注した
容器としてとして供給されても良いし、保存性を考えて
凍結状態で保存・供給されても良い。
【0014】(10)また本発明は、上記(1)−
(7)記載の薬剤感受性試験に用いる容器であって、多
穴容器の各穴にβ−ラクタム薬、及びβ−ラクタム薬/
MBL阻害剤を分注し、各穴の薬剤を乾燥固定化したこ
とを特徴とする、微量液体希釈法によるMBL産生菌の
薬剤感受性試験に用いる容器でもある。 (11)さらに本発明は上記(1)−(7)記載の薬剤
感受性試験に用いる容器であって、多穴容器の各穴にβ
−ラクタム薬を含有する液体培地、及びβ−ラクタム薬
/MBL阻害剤を含有する液体培地を分注し、各穴の薬
剤含有液体培地を乾燥固定化したことを特徴とする、微
量液体希釈法によるMBL産生菌の薬剤感受性試験に用
いる容器でもある。つまり、薬剤のみを乾燥固着化した
多穴容器として供給されても良いし、薬剤含有液体培地
を乾燥固着化した容器として供給されても良い。乾燥方
法も薬剤や培地成分が変質しない方法であれば、自然乾
燥、送風乾燥、凍結乾燥といった一般的な乾燥方法で良
い。
【0015】(12)また本発明は、MBL阻害剤とし
てチオール化有機酸の塩を含有するディスクでもある。 (13)チオール化有機酸の塩としてはメルカプト酢酸
またはメルカプトプロピオン酸の塩が挙げられ、 (14)特に、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム
塩、バリウム塩、第4級アンモニウム塩を含有させた乾
燥濾紙ディスクである。具体的には、KBディスクと同
様の直径6.35mmの濾紙ディスクに一定量のチオール
化有機酸塩を添加・乾燥したディスクである。その含浸
量は濾紙ディスク一枚当たり1−6mgが適当である。チ
オール化有機酸は塩となったことで不揮発化され、また
水溶性の塩であるので寒天平板上で容易に拡散し、MB
L阻害作用を示す。KBディスクCAZ等のβ−ラクタ
ム薬含有ディスクと共に用いられる。 (15)さらに本発明は、β−ラクタム薬含有ディスク
とβ−ラクタム薬/MBL阻害剤含有ディスクとの組合
せ、を用いるMBL産生菌の薬剤感受性試験方法でもあ
る。 (16)また本発明は、β−ラクタム薬及びメルカプト
酢酸またはメルカプトプロピオン酸のナトリウム塩、カ
リウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、第4級アンモニ
ウム塩より選ばれるチオール化有機酸の塩を含有するデ
ィスクでもある。その含浸量はSMAに換算して濾紙デ
ィスク一枚当たり1−6mgが適当である。β−ラクタム
薬含有ディスクと、β−ラクタム薬/MBL阻害剤含有
ディスクとを被検菌を接種した寒天平板上に静置し、培
養後の阻止円の直径の違いにより、MBL産生菌かどう
かの判定が容易にできる。
【0016】(17)さらに本発明は、β−ラクタム薬
含有ディスクとメタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤含有寒
天平板培地とを用いるメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌
の薬剤感受性試験方法でもある。 (18)また本発明は、メルカプト酢酸またはメルカプ
トプロピオン酸のナトリウム塩、カリウム塩、カルシウ
ム塩、バリウム塩、第4級アンモニウム塩より選ばれる
チオール化有機酸の塩を含有する寒天培地でもある。こ
の方法はMBL阻害剤含有寒天培地平板と、阻害剤を含
有しない寒天培地平板に被検菌を接種し、その上にβ−
ラクタム薬含有ディスク(CAZ等)を静置し、培養後
それぞれの培地上で形成された阻止円の直径の違いによ
り、MBL産生菌かどうかを判定する。寒天培地のMB
L阻害剤の濃度は100−1600μg/mlが適当であ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】従来から、MBL阻害剤としてM
PAやMAAが有効であることが知られていた。また、
それらをそのままディスクに含有させ、MBL阻害剤と
して用いたMBL産生菌判別方法をすでに本発明者は発
表した[9][10]。また未発表であるが、MPA等を用い
た微量液体希釈法によりMIC測定が可能であることも
見いだした。しかしながら、MPA等の遊離のチオール
化有機酸は低分子であるので揮発性が高く、その含浸デ
ィスクを乾燥すると、乾燥工程中にMPAが揮散してし
まい、乾燥ディスクとしての供給ができなかった。微量
液体希釈法に用いると、液体培地中の遊離のチオール化
有機酸が培養中に揮発し、微生物培養装置のみならず、
検査室までその強い悪臭で汚染されてしまう欠点があっ
た。本発明者は、チオール化有機酸を塩として用いると
その揮発性はなくなるが、MBL阻害作用には変化がな
いことを見いだし、本発明を完成した。チオール化有機
酸塩はまず、不揮発性であることが重要である。不揮発
性であることにより、悪臭の発生や、乾燥による揮散・
無効化が防止された。次いで、水溶性であることが重要
である。水溶性であることで、乾燥ディスクから寒天平
板内に容易にチオール化有機酸塩が拡散する。また微量
液体希釈法では、容易に溶解し、透明な液体培地とな
る。もし、MPAの銅塩といった不溶性の塩を用いる
と、ディスク法では拡散が起こらず、液体希釈法では沈
殿が生じ、MBL阻害剤としての作用を示さなくなる。
【0018】
【発明の効果】現在、MBL産生菌を確認する方法に、
PCR法がある。PCR法は最も確実な方法であるが、
特殊な手技や機器が必要であり、操作性・コストなどに
問題があり、一般病院の臨床微生物検査室ではまだ普及
していない。本発明者の開発したディスク確認法[9][1
0]が簡便かつ低コストで、どこの微生物検査室でも手軽
に検査することが可能と思われた。しかし遊離のMPA
等を用いるため、試薬が用時調製となり試薬調製に手間
がかかり、また、乾燥ディスクとして作製・保存できな
いので、一定品質のディスクの供給に問題があった。一
方、細菌の薬剤感受性検査は定性的なディスク法から定
量的な微量液体希釈法にシフトしつつある。そこで遊離
MPAを用いた微量液体希釈法(未発表)を開発した
が、機器や検査室の悪臭汚染が発生し、実用性に問題が
あった。本発明は、MPA等のチオール化有機酸をアル
カリ塩として用いると、そのMBL阻害作用には影響な
しにそれが不揮発化することを見いだし、その揮発性に
伴う問題を解決した。チオール化有機酸塩をMBL阻害
剤として用いた微量液体希釈法は、悪臭汚染なしにMI
C測定が可能であった。さらに96穴プレート等の多穴
容器に各薬剤を分注した形態でも、MBL阻害剤の喪失
が無いので、一定品質の製品の供給も可能となった。さ
らに薬剤を乾燥固着した乾燥状態の多穴容器も供給可能
となり、これは一般検査室でのMBL産生菌のMIC測
定に有用である。またこれは、一般病院や検査センター
の細菌検査の自動化・システム化にも対応可能である。
またディスク法においても、一定品質のMBL阻害剤含
有の乾燥ディスクの供給が可能となり、これは検査室で
のMBL産生菌の判定に有用である。さらに本発明によ
り、β−ラクタム薬/MBL阻害剤含有ディスクの製造
及び供給が可能となった。これにより、β−ラクタム薬
含有ディスクとβ−ラクタム薬/MBL阻害剤含有ディ
スクとの組合せを用いるMBL産生菌鑑別方法の開発が
容易となった。
【0019】現在、類似のβ−ラクタマーゼを産生する
基質拡張型β−ラクタマーゼ(ESBL)産生菌の鑑別
はディスク法及び希釈法による国際標準法が実施されて
いる(2000年1月発行、NCCLSドキュメント、
M100−S10(M2)及びM100−S10(M
7))。MBL産生菌は、ESBL産生菌よりも臨床上
の薬剤耐性の問題は大きいが、未だ標準的な国際試験法
が確立されていない。本発明により一般的な検査室で簡
易にMBL産生菌の鑑別・MIC測定が可能となったの
で、このような国際標準法の作製に拍車がかかるものと
思われる。
【0020】以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細
に説明する。なお、下記実施例は単に説明のためのもの
であり、本発明を何ら限定するものではない。
【実施例】
【0021】実施例1 薬剤感受性試験用マイクロプレ
ートの作成 NCCLS標準法の微量液体希釈法に準じてβ−ラクタ
ム薬としてCAZ、IPMを0.25−128μg/ml含
有するCAMHBの2倍希釈系列を作成し、96穴マイ
クロプレートに100μlずつ分注した。同様にその希
釈系列にMBL阻害剤50−3200μg/mlを添加した
CAMHB2倍希釈系列を96穴マイクロプレートに1
00μlずつ分注した。 (1)CAZ 0.25−128μg/ml (2)CAZ/MPA 0.25/200−128/200μg/ml (3)CAZ/SMP 0.25/200−128/200μg/ml (4)CAZ/SMA 0.25/25−128/25μg/ml (5)CAZ/SMA 0.25/50−128/50μg/ml (6)CAZ/SMA 0.25/100−128/100μg/ml (7)CAZ/SMA 0.25/200−128/200μg/ml (8)CAZ/SMA 0.25/400−128/400μg/ml (9)CAZ/SMA 0.25/800−128/800μg/ml (10)CAZ/SMA 0.25/1600−128/1600μg/ml (11)CAZ/SMA 0.25/3200−128/3200μg/ml (12)IPM 0.25−128μg/ml (13)IPM/MPA 0.25/200−128/200μg/ml (14)IPM/SMP 0.25/200−128/200μg/ml (15)IPM/SMA 0.25/25−128/25μg/ml (16)IPM/SMA 0.25/50−128/50μg/ml (17)IPM/SMA 0.25/100−128/100μg/ml (18)IPM/SMA 0.25/200−128/200μg/ml (19)IPM/SMA 0.25/400−128/400μg/ml (20)IPM/SMA 0.25/800−128/800μg/ml (21)IPM/SMA 0.25/1600−128/1600μg/ml (22)IPM/SMA 0.25/3200−128/3200μg/ml 上記(1)−(22)の希釈系列マイクロプレートにMBL産
生菌(K.pneumoniae 4134)及び非産生菌(K.pneumonia
e 4153)それぞれ1株を接種し、35℃で1晩培養した
ところ、遊離のMBL阻害剤を含む(2)(13)は、強い悪
臭がしたが、MBL産生菌、非産生菌で明らかな発育の
違いが見られた。MBL阻害剤25〜50μg/mlを含む
(4)(5)(15)(16)ではMBL産生菌、非産生菌とも発育
し、阻害剤を含まない(1)(9)と同様であり、産生菌非産
生菌の区別がつかなかった。MBL阻害剤3200μg/
mlを含む(11)(22)ではMBL産生菌、非産生菌とも発育
せず、その区別がつかなかった。MBL阻害剤を100
−1600μg/mlを含むその他の系列ではMBL産生
菌、非産生菌で明らかな発育の違いが見られた。なお、
本プレートを、−70℃で凍結保存したが、6ヶ月後で
も使用可能であった。
【0022】実施例2 微量液体希釈法(MIC法)に
よるMBL産生菌および非産生菌の確認 PCR法によりMBL産生菌であることが確認されてい
Klebsiella pneumoniae 2株、Pseudomonas aerugino
sa 13株、Serratia marcescens 34株、およびMB
L非産生菌としてESBL産生Klebsiella pneumoniae
2株、ペニシリナーゼ(PCN)産生Klebsiella pneum
oniae 2株、セファロスポリナーゼ(CPN)産生Kleb
siella pneumoniae 2株を試験菌として用い、実施例1
で作製したマイクロプレートのCAZ 0.25−12
8μg/mlを含有するCAMHB液体培地(希釈系列)と
CAZ/SMA 0.25/400−128/400μ
g/mlを含有するCAMHB液体培地(希釈系列)との組
合せ、及びIPM 0.25−128μg/mlを含有する
CAMHB液体培地(希釈系列)とIPM/SMA0.
25/400−128/400μg/mlを含有するCAM
HB液体培地(希釈系列)との組合せを用い、NCCL
Sガイドラインに従い、微量液体希釈法で試験菌を培養
し、MICを測定した。純培養した試験菌の集落を釣菌
し、トリプトソイブイヨンに懸濁させMcFarlan
d濁度が0.5になるまで培養したものを希釈し、培地
1mlあたりの菌数が約104個になるようにマイクロタ
イタープレートの各穴に接種し、35℃で18時間好気
培養したのち、それぞれの最小発育阻止濃度(MIC)
を測定した。β−ラクタム薬/MBL阻害剤合剤のMI
Cがβ−ラクタム薬単独のMICより3管(8倍)以上
離れているものをMBL産生菌と判定した。結果を表1
に示す。なお、本実施例の判定基準はNCCLSのES
BL産生菌判定基準に準拠し、それと同一にした。
【0023】
【表1】 ──────────────────────────────── 菌名 type 薬剤名 ──────────────────────────────── CAZ IPM ────────────────────────────────Klebsiella pneumoniae 4134 MBL MBL MBLKlebsiella pneumoniae 4137 MBL MBL MBLKlebsiella pneumoniae 4153 PCNKlebsiella pneumoniae 4154 PCNKlebsiella pneumoniae 4144 CPNKlebsiella pneumoniae 4145 CPNKlebsiella pneumoniae 4120 ESBLKlebsiella pneumoniae 4124 ESBLPseudomonas aeruginosa 5103 MBL MBL Pseudomonas aeruginosa 5106 MBL MBL Pseudomonas aeruginosa 5109 MBL MBL MBLPseudomonas aeruginosa 5110 MBL MBL Pseudomonas aeruginosa 5112 MBL MBL Pseudomonas aeruginosa 5101 MBL MBL MBLPseudomonas aeruginosa 5100 MBL MBL MBLPseudomonas aeruginosa 5107 MBL MBL Pseudomonas aeruginosa 5108 MBL MBL Pseudomonas aeruginosa 5111 MBL MBL Pseudomonas aeruginosa 5104 MBL MBL MBLPseudomonas aeruginosa 5105 MBL Pseudomonas aeruginosa 5102 MBL MBLSerratia marcescens 5118 MBL MBL MBLSerratia marcescens 5147 MBL MBL MBLSerratia marcescens 5113 MBL MBL MBLSerratia marcescens 5135 MBL MBL MBLSerratia marcescens 5131 MBL MBL MBLSerratia marcescens 5142 MBL MBL MBLSerratia marcescens 5146 MBL MBL MBLSerratia marcescens 5123 MBL MBL MBLSerratia marcescens 5143 MBL MBL MBLSerratia marcescens 5130 MBL MBL MBLSerratia marcescens 5141 MBL MBL MBLSerratia marcescens 5114 MBL MBL MBLSerratia marcescens 5116 MBL MBL MBLSerratia marcescens 5158 MBL MBL MBLSerratia marcescens 5134 MBL MBL MBLSerratia marcescens 5144 MBL MBL MBLSerratia marcescens 5145 MBL MBL MBLSerratia marcescens 5150 MBL MBL MBLSerratia marcescens 5138 MBL MBL MBLSerratia marcescens 5154 MBL MBL MBLSerratia marcescens 5161 MBL MBL MBLSerratia marcescens 5115 MBL MBL MBLSerratia marcescens 5125 MBL MBL MBLSerratia marcescens 5119 MBL MBL MBLSerratia marcescens 5140 MBL MBL MBLSerratia marcescens 5139 MBL MBL MBLSerratia marcescens 5132 MBL MBLSerratia marcescens 5159 MBL Serratia marcescens 5162 MBL Serratia marcescens 5133 MBL MBLSerratia marcescens 5122 MBL MBL MBLSerratia marcescens 5151 MBL MBLSerratia marcescens 5149 MBL MBLSerratia marcescens 5152 MBL MBL MBL ──────────────────────────────── 感度 90% 73% ──────────────────────────────── 特異性 100% 100% ──────────────────────────────── 一致率 91% 76% ────────────────────────────────
【0024】上表において、感度とは(MBL産生菌と
正しく判定された菌数)/(全MBL産生菌数)を表
し、特異性とは(非MBL産生菌と正しく判定された菌
数)/(全非MBL産生菌数)を表し、一致率とは(M
BL・非MBL産生菌と正しく判定された菌数)/(全
検体数)を表している。言い換えれば、感度はMBL産
生菌がMBL産生菌として正しく判定される確率をい
い、特異性はMBL産生菌でないものがMBL産生菌で
ないと判定される確率をいい、一致率はそれぞれが正し
く判定される確率を表す。つまりCAZで言えば、感度
は44/49=90%となり、特異性は6/6=100
%となり、一致率は50/55=91%となる。
【0025】表1の結果より、CAZでMBL産生菌と
判定された菌数は44株であるので、その感度は44/
49=90%であり、また特異性は100%であった。
MBLの一致率は91%と高く、本発明は一般の微生物
検査室でのMBL産生菌の簡易スクリーニング法として
有用性が高いと考えられる。さらにIPMと組み合わせ
れば、MBL産生菌は2株増えて46株と判定される。
つまり感度は46/49=94%、特異性は6/6=1
00%、一致率は52/55=95%とさらに高率とな
る。被検菌数をさらに増やして確認すれば、本方法はM
BL産生菌の確認試験として使用できる可能性がある。
【0026】実施例3 薬剤固定化乾燥プレートの作成
及びMIC測定 液体培地100μlを加えて溶解した時に下記の濃度と
なるCAZ及びCAZ/SMAの薬剤2倍希釈系列溶液
を調製し、96穴マイクロプレートに適量分注し、45
℃で送風乾燥し、薬剤固定化乾燥プレートを作成した。 (1)CAZ 0.25−128μg/ml (2)CAZ/SMA 0.25/400−128/400μg/ml 薬剤固定化乾燥プレートの各穴にCAMHB100μl
を分注し薬剤を溶解し、実施例2で使用したMBL産生
菌49株、非MBL産生菌6株を接種し、実施例2と同
様に操作し、MICを測定した。その結果、本薬剤固定
化乾燥プレートも、実施例2と同様の菌の発育を示し、
感度・特異性・一致率も同一成績であった。MBL阻害
剤は不揮発性のナトリウム塩であるので、乾燥プレート
として作製・保存してもそのMBL阻害作用は保持され
ていた。
【0027】実施例4 MBL阻害剤含有乾燥ディスク
の作製及び保存安定性 遊離のチオール化有機酸、及びチオール化有機酸の塩を
含む乾燥ディスクを作製し、ディスク拡散法を行い阻止
円直径を測定した。 (1)SMA(2.9mg/ディスク含有) (2)MPA(2.7mg/ディスク含有) (3)SMP(3.2mg/ディスク含有) 市販のSMA、MPAを精製水に溶解し、1.0モルの
水溶液を作製した。SMPは、MPA水溶液に当量の水
酸化ナトリウム溶液を加えて中和し、最終濃度1.0モ
ルのSMP水溶液を作製した。KBディスク用の直径
6.35mmの濾紙ディスクに上記の各調製溶液25μl
を滴下し、50℃で60分間乾燥し、SMAディスク、
MPAディスク、SMPディスクを作製した。PCR法
であらかじめMBL産生菌であることが確認されている
肺炎桿菌(K.pneumoniae)1株、および霊菌(S.marces
cens)1株、緑膿菌(P.aeruginosa)2株を用いて、
[9]J.Clin.Microbiol.、38(1)、40、2000と
同様に操作し、その阻止円の直径を測定した。NCCL
Sのディスク法(標準法)に準じて、純培養した試験菌
の集落を釣菌し、トリプトソイブイヨンに懸濁させ、M
cFarland濁度が0.5になるまで培養したもの
を綿棒を用いてミューラーヒントン寒天培地(MHA)
表面に均一に接種した。その上にKBディスクCAZ
(栄研化学製)と3cm以上離してもう一枚のKBディス
クCAZを置き、このKBディスクCAZより1.5cm
間隔に隣接してSMAディスク、MPAディスク、もし
くはSMPディスクを載せ、35℃で18時間好気培養
し、各CAZディスクの周囲に形成された阻止円直径を
シャーレの裏からmm単位で正確に測定した。また上記作
製の各MBL阻害剤含有ディスクを37℃に保存して1
週間毎に試験を行い、4週目まで測定を行った。結果を
表1〜表5に示す。
【0028】
【表2】 MBL産生菌 ディスク作製当日測定成績 ──────────────────────────────── 菌名 薬剤名 (阻止円直径 mm) ──────────────────────────────── CAZ CAZ/SMA CAZ/MPA CAZ/SMP ────────────────────────────────K.pneumoniae 4635 7 24 11 24S.marcescens 4636 7 24 11 24P.aeruginosa 4637 7 23 10 23P.aeruginosa 4638 7 23 10 23 ────────────────────────────────
【0029】
【表3】 MBL産生菌 ディスク作製後37℃1週間保存の測定成績 ──────────────────────────────── 菌名 薬剤名 (阻止円直径 mm) ──────────────────────────────── CAZ CAZ/SMA CAZ/MPA CAZ/SMP ────────────────────────────────K.pneumoniae 4635 7 24 0 24S.marcescens 4636 7 24 0 24P.aeruginosa 4637 7 23 0 23P.aeruginosa 4638 7 23 0 23 ────────────────────────────────
【0030】
【表4】 MBL産生菌 ディスク作製後37℃2週間保存の測定成績 ──────────────────────────────── 菌名 薬剤名 (阻止円直径 mm) ──────────────────────────────── CAZ CAZ/SMA CAZ/MPA CAZ/SMP ────────────────────────────────K.pneumoniae 4635 7 24 0 24S.marcescens 4636 7 24 0 24P.aeruginosa 4637 7 23 0 23P.aeruginosa 4638 7 23 0 23 ────────────────────────────────
【0031】
【表5】 MBL産生菌 ディスク作製後37℃3週間保存の測定成績 ──────────────────────────────── 菌名 薬剤名 (阻止円直径 mm) ──────────────────────────────── CAZ CAZ/SMA CAZ/MPA CAZ/SMP ────────────────────────────────K.pneumoniae 4635 7 24 0 24S.marcescens 4636 7 24 0 24P.aeruginosa 4637 7 23 0 23P.aeruginosa 4638 7 23 0 23 ────────────────────────────────
【0032】
【表6】 MBL産生菌 ディスク作製後37℃4週間保存の測定成績 ──────────────────────────────── 菌名 薬剤名 (阻止円直径 mm) ──────────────────────────────── CAZ CAZ/SMA CAZ/MPA CAZ/SMP ────────────────────────────────K.pneumoniae 4635 7 24 0 24S.marcescens 4636 7 24 0 24P.aeruginosa 4637 7 23 0 23P.aeruginosa 4638 7 23 0 23 ────────────────────────────────
【0033】各菌の阻止円直径は表2−表6に示すとお
りであった。本実施例の判定基準はNCCLS法のES
BL産生菌確認試験と同様に、本発明におけるCAZデ
ィスクとCAZ/SMA(SMP)ディスクの阻止円直
径の差が5mm以上の時、試験菌をMBL産生菌と判定す
ることにした。表2において、各菌(MBL産生菌)は
CAZディスクとCAZ/SMAディスクの組合せにお
いては、K.pneumoniae 4635株および S.marcescens 4
636株、P.aeruginosa 4637株、P.aeruginosa 4638株
の阻止円径の差が5mm以上であるので、MBLと判定さ
れた。またCAZディスクとCAZ/SMPディスクに
関しても同様に全ての菌においてその阻止円径の差が5
mm以上であるので、MBLと判定された。しかしCAZ
ディスクとCAZ/MPAディスクに関しては全ての菌
の阻止円径の差が5mm未満であるのでMBLとは判定さ
れなかった。これは、MPAディスク作製の乾燥時にM
PAが揮発し、ディスク中のMPA含有量が減少した影
響と考えられる。表3−表6においても同様な結果であ
り、CAZ/SMAディスクとCAZ/SMPのディス
クは37℃保存で少なくとも4週間安定してMBLを判
定することが可能であった。これは冷所保存であれば1
年間以上の保存安定性に相当する。
【0034】実施例5 同一ディスクにCAZ/SMA
を含有する乾燥ディスクの作成及び使用 栄研化学(株)製直径6.35mmのKBディスクCAZ
(30μg含有)に1.0モルSMA溶液25μlを滴下
し、50℃で60分間乾燥し、CAZ/SMAディスク
を作製した。また、同様にKBディスク用の直径6.3
5mmの濾紙ディスクにSMA溶液25μlを滴下し、5
0℃で60分間乾燥し、SMAディスクを作製し、実施
例4と同様に操作し、その阻止円直径を測定した。PC
R法であらかじめMBL産生菌であることが確認されて
いる肺炎桿菌1株、および霊菌1株、緑膿菌2株を用い
て、NCCLSのディスク法に準じて純培養した試験菌
の集落を釣菌し、トリプトソイブイヨンに懸濁させMc
Farland濁度が0.5になるまで培養したものを
綿棒を用いてMHA表面に均一に接種した。その上にK
BディスクCAZをおき、それより3cm以上離してCA
Z/SMAディスクを置き、さらに3cm以上離してSM
Aディスクを置き、35℃で18時間好気培養し、CA
ZディスクとCAZ/SMAディスク、SMAディスク
の阻止円直径を測定した。
【0035】
【表7】 MBL産生菌の測定成績 ──────────────────────────────── 菌名 薬剤名 (阻止円直径 mm) ──────────────────────────────── CAZ CAZ/SMA SMA ────────────────────────────────K.pneumoniae 4635 7 24 11 S.marcescens 4636 7 24 11 P.aeruginosa 4637 7 23 10 P.aeruginosa 4638 7 23 10 ────────────────────────────────
【0036】各菌の阻止円直径は表7に示すとおりであ
った。表7において、各菌(MBL産生菌)はCAZデ
ィスクとCAZ/SMAディスクの組合せにおいて、全
ての菌の阻止円直径の差が5mm以上であるので、MBL
と判定された。またSMAディスク単独での発育阻止は
CAZ/SMAディスクの発育阻止に比べて顕著に小さ
く、故にSMA自身の抗菌力は、ほとんど無視できると
考えられ、CAZディスクとCAZ/SMAディスクの
組み合わせでMBLの判定が可能であった。
【0037】実施例6 MBL阻害剤含有寒天培地平板
の作製とその使用 SMAを含有するCAMHAとSMAを含有しないCA
MHAを2分画シャーレに分注し、寒天平板を作成し
た。KBディスクCAZを静置し、その阻止円の形成を
観た。市販のSMAを精製水に溶解し、8000μg/ml
のSMA溶液を作製した。あらかじめ121℃15分間
の高圧滅菌したCAMHA培地を50℃に冷却し、CA
MHA19mlに対してSMA溶液1mlを加えて撹拌し均
一な寒天培地溶液にした。分画シャーレの一画にCAM
HAを10ml分注し、もう一画にSMAを含有したCA
MHAを10ml分注した。寒天培地が固化後、シャーレ
の蓋をずらして寒天表面の凝水を乾燥させ、CAMHA
平板を作製した。PCR法であらかじめMBL産生菌で
あることが確認されている肺炎桿菌1株、および霊菌1
株、緑膿菌2株を用いて、NCCLSのディスク法に準
じて純培養した試験菌の集落を釣菌し、トリプトソイブ
イヨンに懸濁させMcFarland濁度が0.5にな
るまで培養したものを綿棒を用いてCAMHA表面とS
MA含有のCAMHAに均一に接種した。2分画シャー
レの各培地上にKBディスクCAZを1枚ずつおき、培
養後各CAZディスクの阻止円直径を測定した。
【0038】
【表8】 MBL産生菌の測定成績 ──────────────────────────────── 菌名 培地(CAZディスクの阻止円直径 mm) ──────────────────────────────── CAMHA SMA含有CAMHA ────────────────────────────────K.pneumoniae 4635 7 24S.marcescens 4636 7 24P.aeruginosa 4637 7 23P.aeruginosa 4638 7 23 ────────────────────────────────
【0039】各菌の阻止円直径は表8に示すとおりであ
った。表8において、各菌(MBL産生菌)はCAMH
A上のCAZディスクとSMA含有のCAMHA上のC
AZディスクとの組合せにおいて、全ての菌の阻止円直
径の差が5mm以上であるので、MBLと判定された。
【0040】
【参考文献】
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Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】β−ラクタム薬含有液体培地とβ−ラクタ
    ム薬/メタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤含有液体培地と
    の組合せを用いた微量液体希釈法によるメタロ−β−ラ
    クタマーゼ産生菌の薬剤感受性試験方法
  2. 【請求項2】メタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤がチオー
    ル化有機酸の塩である請求項1記載のメタロ−β−ラク
    タマーゼ産生菌の薬剤感受性試験方法
  3. 【請求項3】チオール化有機酸の塩が、メルカプト酢酸
    またはメルカプトプロピオン酸の塩である請求項2記載
    のメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の薬剤感受性試験方
  4. 【請求項4】チオール化有機酸の塩が、ナトリウム塩、
    カリウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、第4級アンモ
    ニウム塩より選ばれる請求項2記載のメタロ−β−ラク
    タマーゼ産生菌の薬剤感受性試験方法
  5. 【請求項5】β−ラクタム薬がセフタジジム、セフォタ
    キシム、セフトリアキソン、セフポドキシム、セフピロ
    ム、セフェピム、セフメタゾール、セフミノクス、イミ
    ペネム、パニペネム、メロペネムより選ばれる請求項1
    −4記載のメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の薬剤感受
    性試験方法
  6. 【請求項6】液体培地がミューラー・ヒントン液体培
    地、陽イオン調整ミューラー・ヒントン液体培地、ブレ
    インハートインフュージョン液体培地、トリプトソイ液
    体培地、ABCM液体培地、溶血液加ミューラー・ヒン
    トン液体培地、シェドラー液体培地より選ばれる請求項
    1−5記載のメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の薬剤感
    受性試験方法
  7. 【請求項7】β−ラクタム薬を0.25−128μg/ml
    含有する液体培地と、β−ラクタム薬0.25−128
    μg/ml/メタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤100−16
    00μg/mlを含有する液体培地との組合せを用いる請求
    項1−6記載の微量液体希釈法によるメタロ−β−ラク
    タマーゼ産生菌の薬剤感受性試験方法
  8. 【請求項8】請求項1−7記載の薬剤感受性試験に用い
    る容器であって、多穴容器の各穴にβ−ラクタム薬を含
    有する液体培地、及びβ−ラクタム薬/メタロ−β−ラ
    クタマーゼ阻害剤を含有する液体培地を分注した、微量
    液体希釈法によるメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の薬
    剤感受性試験に用いる容器
  9. 【請求項9】使用時まで凍結保存されることを特徴とす
    る請求項8記載の多穴容器。
  10. 【請求項10】請求項1−7記載の薬剤感受性試験に用
    いる容器であって、多穴容器の各穴にβ−ラクタム薬、
    及びβ−ラクタム薬/メタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤
    を分注し、各穴の薬剤を乾燥固定化したことを特徴とす
    る、微量液体希釈法によるメタロ−β−ラクタマーゼ産
    生菌の薬剤感受性試験に用いる容器
  11. 【請求項11】請求項1−7記載の薬剤感受性試験に用
    いる容器であって、多穴容器の各穴にβ−ラクタム薬を
    含有する液体培地、及びβ−ラクタム薬/メタロ−β−
    ラクタマーゼ阻害剤を含有する液体培地を分注し、各穴
    の薬剤含有液体培地を乾燥固定化したことを特徴とす
    る、微量液体希釈法によるメタロ−β−ラクタマーゼ産
    生菌の薬剤感受性試験に用いる容器
  12. 【請求項12】メタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤として
    チオール化有機酸の塩を含有するディスク
  13. 【請求項13】チオール化有機酸の塩がメルカプト酢酸
    またはメルカプトプロピオン酸の塩である請求項12記
    載のディスク
  14. 【請求項14】チオール化有機酸の塩が、ナトリウム
    塩、カリウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、第4級ア
    ンモニウム塩より選ばれる請求項12記載のディスク
  15. 【請求項15】β−ラクタム薬含有ディスクとβ−ラク
    タム薬/メタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤含有ディスク
    との組合せ、を用いるメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌
    の薬剤感受性試験方法
  16. 【請求項16】β−ラクタム薬及びメルカプト酢酸また
    はメルカプトプロピオン酸のナトリウム塩、カリウム
    塩、カルシウム塩、バリウム塩、第4級アンモニウム塩
    より選ばれるチオール化有機酸の塩を含有するディスク
  17. 【請求項17】β−ラクタム薬含有ディスクとメタロ−
    β−ラクタマーゼ阻害剤含有寒天平板培地とを用いるメ
    タロ−β−ラクタマーゼ産生菌の薬剤感受性試験方法
  18. 【請求項18】メルカプト酢酸またはメルカプトプロピ
    オン酸のナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、バ
    リウム塩、第4級アンモニウム塩より選ばれるチオール
    化有機酸の塩を含有する寒天培地
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