JP5450596B2 - メタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の判定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、メタロ−β−ラクタマーゼ産生菌を判定する方法、とりわけ、メタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の型を判定する方法に関する。本発明は、また、メタロ−β−ラクタマーゼ産生菌を判定するためキット、および該キットを用いた判定方法に関する。
緑膿菌等の日和見感染菌による重症感染症に対しては、カルバペネムやニューキノロン、アミノ配糖体等の抗菌薬が使用されているが、近年、これらの薬剤にも耐性化している菌が報告されている。日本では、これら3薬剤に耐性化した緑膿菌を多剤耐性緑膿菌(MDRP;Multidrug resistance Pseudomonas aeruginosa)と呼び、臨床現場において特に問題視されている。MDRPは一旦臨床現場にて分離されると、同じ病床、病院内において同じ株が蔓延してしまう事が報告されている。これは緑膿菌が自然環境に強い菌である為であり、水道、トイレ等の水周りに生息し続ける事ができる事に起因する。したがって、本来MDRPを保菌していない患者、医療関係者であっても人間同士、もしくは、生活環境からMDRPを保菌してしまい、広く蔓延してしまう可能性が有る。これらの保菌者が日和見感染症となった場合、初めから有効性を示す抗菌薬が存在しない可能性があり、臨床現場ではこのMDRPの早期発見及び封じ込めが重要視されている。
MDRPにおけるカルバペネム耐性機構の一つとして、メタロ−β−ラクタマーゼ(MBL)が報告されている。カルバペネムは通常のβ−ラクタマーゼには安定であるが、亜鉛を活性中心に持つMBLに対しては不安定であることが報告されている。MBLはカルバペネムだけでなく、多くのβ−ラクタム薬を分解する事が可能であり、MBLを産生する菌に対しては多くのβ−ラクタム薬が無効である事が多い。とりわけMBLの中で現在問題となっている酵素はプラスミド介在性のMBLである。プラスミド介在性のMBLは日本において初めて報告されたが、現在では日本だけでなく、アジア、欧州においても多く報告されており、MBLによるβ−ラクタム薬耐性化は世界的な問題と言える。
プラスミドと呼ばれる環状遺伝子上にMBLが存在する場合、このプラスミドを獲得した菌はMBL産生菌となる。このようなプラスミドによる水平伝播は同種の菌だけでなく、様々な菌同士においても行なわれる。例えば、このプラスミドを保有する腸内細菌科が緑膿菌へプラスミドを伝播し、緑膿菌をβ−ラクタム薬耐性とする場合や、このプラスミドを保有するMDRPが腸内細菌科へプラスミドを伝播し、MBL産生の腸内細菌が新たに出現する可能性がある。したがって、MBL産生菌であれば、新たな多剤耐性菌を出現させる危険性を有しており、MBL産生菌の検出は医療現場において重要な問題であると考えられている。また、感染症の治療に際しては起炎菌の同定が不可欠であり、起炎菌が多剤耐性菌である場合には有効な薬剤および対処法の早期選択が必要となる。つまり、MBL産生菌による感染が疑われる場合、MBLを簡便に検出することで、適切な方法での治療が早期に可能となる。以上の理由により、医療現場ではMBLを簡便かつ高選択的に高感度で検出する方法が求められている。
また、これらプラスミド介在性のMBLは、IMP型とVIM型の二種類が主であり、酵素の種類によっては感受性を示す薬剤があるため、IMP型とVIM型を判別する事によって、治療に適した薬剤を迅速に選択することが可能となると考えられる。さらに、現在研究されているMBL阻害剤配合抗菌薬、もしくは、MBLに安定なβ−ラクタム薬は、IMP型MBL産生菌とVIM型MBL産生菌に対し、その阻害活性、および、有効性が異なることが考えられている。今後、開発されるこれらの薬剤の選択基準として、酵素の型の判別は大変有用である。また、MBLの亜型同士の遺伝子配列は全世界共通であるため、IMP型、VIM型を判別する方法は全世界で使用できる。
これまで、IMP型MBL産生菌とVIM型MBL産生菌等型の判別には、PCR等の特殊な機械を使用する必要があった。しかし、薬剤の選択時には、簡単で迅速に判別できることが好ましく、簡便な型の判別方法が切望されている。
さらに、PCR等の特殊な機械を使用せずに、IMP型とVIM型のMBL産生菌を判別することができれば、各種疫学研究や、アウトブレイクに備えた施設毎のアンチバイオグラムの作成にも有用と考えられている。
従来のMBL産生菌検出については、以下の文献が挙げられる。
特許3754993号公報(国立感染症研究所長)には、検出対象である菌が、MBL産生菌であるか否か判定する方法が記載されている。また、特開2001−299388号公報(栄研化学)、特許3964178号公報(栄研化学)には、β−ラクタム薬を含有する液体培地と、β−ラクタム薬/メタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤を含有する液体培地との組み合わせを用いた、微量液体希釈法によるMBL産生菌の薬剤感受性試験方法の開示がされている。さらに、特開2004−166694号公報(昭和薬品)には、β−ラクタマーゼを迅速に判別する検出方法およびキットが記載されている。しかし、いずれにもMBL産生菌の型の判別方法や、MBL産生菌の検出とMBL産生菌の型の判別を同時に行う方法については開示も示唆もない。
一方、本発明において使用される式(I)で表されるメタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤は、特許第4122049号公報に開示の化合物である。式(I)で表される化合物は、β−ラクタム系抗生物質と併用することにより、細菌感染の治療において、メタロ−β−ラクタマーゼ産生耐性菌に対する有効性を強化することが知られている。
本発明者らは、検出対象の菌が塗布された固体培地の表面に、式(I)で表されるメタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤と、該メタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤とは異なる3箇所に3タイプのβ−ラクタム薬とをそれぞれ点在させ、上記個体培地を培養後、各β−ラクタム薬の周囲に形成される阻止円の形状を判定することにより、メタロ−β−ラクタマーゼ産生菌を検出することができ、さらには、そのメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌がIMP型メタロ−β−ラクタマーゼ産生菌であるか、あるいはVIM型メタロ−β−ラクタマーゼ産生菌であるかを判定できることを見出した。本発明は、これらの知見に基づくものである。
本発明は、メタロ−β−ラクタマーゼ産生菌を判定する方法、とりわけ、メタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の型を簡便に判定する方法を提供することを目的とする。本発明は、また、メタロ−β−ラクタマーゼ産生菌判定用キットおよび該キットを用いた判定方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、検出対象である菌が塗布された固体培地の表面に、下記式(I)で表されるメタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤を点在させ、さらに該メタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤とは異なる位置に、メタロ−β−ラクタマーゼに対する感受性がそれぞれ異なる少なくとも3種以上のβ−ラクタム薬を点在させ、上記固体培地を培養後、各β−ラクタム薬の周囲に形成される阻止円の形状に基づいて、メタロ−β−ラクタマーゼ産生菌を判定する方法が提供される:
(式中、
はC2−6アルキル基、C3−7環状アルキル基、ヒドロキシメチル基、−C1−3アルキレン−フェニル基、−C0−1アルキレン−複素環、−O−C1−6アルキル基、または−S−C1−6アルキル基を表し、これらはいずれも置換基を有していてもよく、
はC1−6アルキル基、C3−7環状アルキル基、ヒドロキシメチル基、−C1−3アルキレン−フェニル基、−C0−1アルキレン−複素環、−O−C1−6アルキル基、または−S−C1−6アルキル基を表し、これらはいずれも置換基を有していてもよく、
二つのMは、同一または異なっていてもよく、水素原子、医薬的に許容されるカチオン、または医薬的に許容される生体内で加水分解されうる基を表す。)。
本発明によれば、検出対象である菌が塗布された固体培地の表面に、下記式(I)で表されるメタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤を点在させ、さらに該メタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤とは異なる位置に、メタロ−β−ラクタマーゼに対する感受性がそれぞれ異なる少なくとも3種以上のβ−ラクタム薬を点在させ、上記固体培地を培養後、各β−ラクタム薬の周囲に形成される阻止円の形状に基づいて、検出対象である菌のメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の型を判定する方法が提供される:
(式中、
はC2−6アルキル基、C3−7環状アルキル基、ヒドロキシメチル基、−C1−3アルキレン−フェニル基、−C0−1アルキレン−複素環、−O−C1−6アルキル基、または−S−C1−6アルキル基を表し、これらはいずれも置換基を有していてもよく、
はC1−6アルキル基、C3−7環状アルキル基、ヒドロキシメチル基、−C1−3アルキレン−フェニル基、−C0−1アルキレン−複素環、−O−C1−6アルキル基、または−S−C1−6アルキル基を表し、これらはいずれも置換基を有していてもよく、
二つのMは、同一または異なっていてもよく、水素原子、医薬的に許容されるカチオン、または医薬的に許容される生体内で加水分解されうる基を表す。)。
本発明によれば、下記式(I)で表されるメタロ-β-ラクタマーゼ阻害剤を含有させたディスクが、3方向にのばしたストリップの基体の中心に設置され、(A)IMP型メタロ−β−ラクタマーゼに影響されやすく、VIM型メタロ−β−ラクタマーゼに影響されにくいβ−ラクタム薬、(B)IMP型メタロ−β−ラクタマーゼ、VIM型メタロ−β−ラクタマーゼともに影響されやすいβ−ラクタム薬、(C)IMP型メタロ−β−ラクタマーゼに影響されやすく、VIM型メタロ−β−ラクタマーゼに影響されにくいセフェム系β−ラクタム薬をそれぞれ含有させた3つのディスクが、3方向にのばした各ストリップの基体上であって、該メタロ-β-ラクタマーゼ阻害剤から等しい距離に設置された、メタロ−β−ラクタマーゼ産生菌判定用キットが提供される:
(式中、
はC2−6アルキル基、C3−7環状アルキル基、ヒドロキシメチル基、−C1−3アルキレン−フェニル基、−C0−1アルキレン−複素環、−O−C1−6アルキル基、または−S−C1−6アルキル基を表し、これらはいずれも置換基を有していてもよく、
はC1−6アルキル基、C3−7環状アルキル基、ヒドロキシメチル基、−C1−3アルキレン−フェニル基、−C0−1アルキレン−複素環、−O−C1−6アルキル基、または−S−C1−6アルキル基を表し、これらはいずれも置換基を有していてもよく、
二つのMは、同一または異なっていてもよく、水素原子、医薬的に許容されるカチオン、または医薬的に許容される生体内で加水分解されうる基を表す。)。
本発明によれば、本発明によるメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌判定用キットを検出対象である菌が塗布された固体培地の表面に置き、培養を行い、培養後、各β-ラクタム薬のディスクの周囲に形成される阻止円の形状に基づいて、メタロ-β-ラクタマーゼ産生菌を判定する方法が提供される。
本願発明は、また、以下の(1)から(9)に関するものである。
(1)検出対象である菌が塗布された固体培地の表面に、下記化合物(I)で表されるメタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤を点在させ、さらに下記化合物(I)から異なる3箇所に(A)IMP型メタロ−β−ラクタマーゼに影響されやすく、VIM型メタロ−β−ラクタマーゼに影響されにくいβ−ラクタム薬、(B)IMP型メタロ−β−ラクタマーゼ、VIM型メタロ−β−ラクタマーゼともに影響されやすいβ−ラクタム薬、(C)IMP型メタロ−β−ラクタマーゼに影響されやすく、VIM型メタロ−β−ラクタマーゼに影響されにくいセフェム系β−ラクタム薬を点在させ、上記固体培地を培養後、(A)、(B)、(C)のβ−ラクタム薬の周囲に形成される阻止円による、メタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の検出方法:
(式中、RはC2−6アルキル基、C3−7環状アルキル基、ヒドロキシメチル基、−C1−3アルキレン−フェニル基、−C0−1アルキレン−複素環、−O−C1−6アルキル基、または−S−C1−6アルキル基を表し、これらはいずれも置換基を有していてもよく、
はC1−6アルキル基、C3−7環状アルキル基、ヒドロキシメチル基、−C1−3アルキレン−フェニル基、−C0−1アルキレン−複素環、−O−C1−6アルキル基、または−S−C1−6アルキル基を表し、これらはいずれも置換基を有していてもよく、二つのMは、同一または異なっていてもよく、水素原子、医薬的に許容されるカチオン、または医薬的に許容される生体内で加水分解されうる基を表す。)。
(2)検出対象である菌が塗布された固体培地の表面に、下記化合物(I)で表されるメタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤を点在させ、さらに下記化合物(I)から異なる3箇所に(A)IMP型メタロ−β−ラクタマーゼに影響されやすく、VIM型メタロ−β−ラクタマーゼに影響されにくいβ−ラクタム薬、(B)IMP型メタロ−β−ラクタマーゼ、VIM型メタロ−β−ラクタマーゼともに影響されやすいβ−ラクタム薬、(C)IMP型メタロ−β−ラクタマーゼに影響されやすく、VIM型メタロ−β−ラクタマーゼに影響されにくいセフェム系β−ラクタム薬を点在させ、上記固体培地を培養後、(A)、(B)、(C)のβ−ラクタム薬の周囲に形成される阻止円により、検出対象である菌が、IMP型メタロ−β−ラクタマーゼ産生菌かVIM型メタロ−β−ラクタマーゼ産生菌かを判別する方法:
(式中、RはC2−6アルキル基、C3−7環状アルキル基、ヒドロキシメチル基、−C1−3アルキレン−フェニル基、−C0−1アルキレン−複素環、−O−C1−6アルキル基、または−S−C1−6アルキル基を表し、これらはいずれも置換基を有していてもよく、
はC1−6アルキル基、C3−7環状アルキル基、ヒドロキシメチル基、−C1−3アルキレン−フェニル基、−C0−1アルキレン−複素環、−O−C1−6アルキル基、または−S−C1−6アルキル基を表し、これらはいずれも置換基を有していてもよく、二つのMは、同一または異なっていてもよく、水素原子、医薬的に許容されるカチオン、または医薬的に許容される生体内で加水分解されうる基を表す。)。
(3)(A)のβ−ラクタム薬がビアペネム、または、ドリペネム、(B)のβ−ラクタム薬がイミペネム、または、メロペネム、(C)のβ−ラクタム薬がセフタジジム、または、セフェピムである、(1)または(2)に記載の方法。
(4)化合物(I)から(A)、(B)、(C)のβ−ラクタム薬を点在させる距離を均一に固定した、(1)または(2)に記載の方法。
(5)培養後形成される(A)、(B)、(C)の阻止円の最小値と最大値および、両値から求める半径変化率により判別する、(1)または(2)に記載の方法。
(6)化合物(I)においてRおよびRがC2−4アルキル基を表す、(1)または(2)に記載の方法。
(7)化合物(I)においてRおよびRがエチル基を表し、Mがナトリウムカチオンまたはカリウムカチオンである(6)に記載の方法。
(8)化合物(I)で表されるメタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤を含有させたディスクを、3方向にのばしたストリップの基体の中心に設置し、(A)IMP型メタロ−β−ラクタマーゼに影響されやすく、VIM型メタロ−β−ラクタマーゼに影響されにくいβ−ラクタム薬、(B)IMP型メタロ−β−ラクタマーゼ、VIM型メタロ−β−ラクタマーゼともに影響されやすいβ−ラクタム薬、(C)IMP型メタロ−β−ラクタマーゼに影響されやすく、VIM型メタロ−β−ラクタマーゼに影響されにくいセフェム系β−ラクタム薬のそれぞれを含有する3つのディスクを3方向にのばした各ストリップの基体上に、化合物(I)から均一な距離に設置することを特徴とするメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌検出用キット。
(9)(8)に記載のキットを検出対象である菌が塗布された固体培地の表面に置き、培養を行い、培養後、(A)から(C)のβ−ラクタム薬のディスクの周囲に形成される阻止円の最小値と最大値、および、両値から求める半径変化率により、メタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の検出方法。
前記の通り、現在MBLの中でも問題となっている、プラスミド介在性酵素のMBLには、主にIMP型とVIM型という二種類が存在する。これら酵素の種類によっては感受性を示す薬剤があるため、検出するMBL産生菌が、IMP型か、VIM型かを判別し、迅速に治療に適した薬剤を選択することが求められている。
本発明の判定方法によれば、PCR等の特殊な機械を使用せず、簡便な方法でMBL産生菌を検出し、さらに、検出されたMBL産生菌が、IMP型、VIM型のいずれであるかを判定することができ、迅速に治療に適した薬剤を選択することが可能となる。ひいては、無効な薬剤の投与を防止することが可能となり、患者の身体的、精神的負担、および、医療費の軽減にもつながると考える。
また、現在研究されているMBL阻害剤配合抗菌薬や、MBLに安定なβ−ラクタム薬においても、IMP型およびVIM型のMBL生産菌に対する阻害活性、有効性が異なるケースがあり、今後開発されるこれらの薬剤の選択基準としても大変有用である。
さらに、各種疫学研究や、アウトブレイクに備えた施設毎のアンチバイオグラムの作成においても大変有用である。
阻止円の計測箇所の図。 MBL型判定のフローチャート。 本発明のキットの説明図。 実施例2で得られた固体培地上の阻止円の写真。 実施例3で得られた固体培地上の阻止円の写真。
本発明による方法は、固体培地において形成された阻止円の形状に基づいて、検出対象である菌がMBL産生菌であるか否か、さらには、MBL産生菌であった場合に、IMP型MBL生産菌、VIM型MBL生産菌またはそれ以外のMBL生産菌のいずれかであることを判定することができる。
具体的には、固体培地の表面に検出対象である菌を塗布し、その後、式(I)で表されるメタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤を点在させ、さらに該メタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤とは異なる位置に、メタロ−β−ラクタマーゼに対する感受性がそれぞれ異なる少なくとも3種以上のβ−ラクタム薬をそれぞれ点在させ、上記固体培地を培養することにより実施することができる。
本発明において用いられる固体培地としては、日本化学療法学会標準法またはCLSIで定められたディスク拡散法に準拠したものを使用することができる。例えば、Muller−Hinton寒天培地(Difco社)等が挙げられる。固体培地の形態は、本発明による方法が実施できる限り特に限定されないが、例えば、約4mmの厚さの固体培地を使用することができる。
固体培地の表面に検出対象の菌を塗布する方法は、日本化学療法学会標準法またはCLSIで定められたディスク拡散法に準拠したものを使用することができる。例えば、McFarland標準濁度0.5に調整した菌液を滅菌綿棒等で固体培地全面に均一に塗抹することで菌を塗布することができる。
検出対象である菌が塗布された固体培地の表面に、式(I)で表されるメタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤と、メタロ−β−ラクタマーゼに対する感受性がそれぞれ異なる少なくとも3種以上のβ−ラクタム薬とをそれぞれ点在させることができる。
本発明において使用されるメタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤としては、下記式(I):
で表される化合物であって、
式中、RはC2−6アルキル基、C3−7環状アルキル基、ヒドロキシメチル基、−C1−3アルキレン−フェニル基、−C0−1アルキレン−複素環、−O−C1−6アルキル基、または−S−C1−6アルキル基を表し、これらはいずれも置換基を有していてもよく、
はC1−6アルキル基、C3−7環状アルキル基、ヒドロキシメチル基、−C1−3アルキレン−フェニル基、−C0−1アルキレン−複素環、−O−C1−6アルキル基、または−S−C1−6アルキル基を表し、これらはいずれも置換基を有していてもよく、
二つのMは、同一または異なっていてもよく、水素原子、医薬的に許容されるカチオン、または医薬的に許容される生体内で加水分解されうる基を表す化合物が挙げられる。
本願明細書において、「C1−6」「C2−6」「C3−7」「C1−3」「C0−1」は、炭素数を表し、例えば「C1−6アルキル基」は、炭素数1−6のアルキル基を表す。またCは結合を表す。低級とは好ましくはC1−6を表す。
本願明細書において、「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を表す。
本願明細書において、「ヘテロ原子」とは、窒素原子、酸素原子、または硫黄原子を表す。
本願明細書において、基または基の一部としての「アルキル基」または「アルコキシ基」とは直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルコキシ基を意味する。また、低級アルキル基とは好ましくはC1−6アルキル基を表し、前記と同義である。
本願明細書において、基または基の一部としての「環状アルキル基」という語は、単環のアルキル基を意味する。また、低級シクロアルキル基とは、好ましくはC3−7環状アルキル基を表し、前記と同義である。
本願明細書において、「複素環」とは好ましくは窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む5〜14員の単環式ないし三環性複素環等が挙げられ、より好ましくは窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選択されるヘテロ原子を1〜4個含む、5〜10員の単環または二環性複素環が挙げられる。好ましい具体例としては、テトラヒドロフラン、フラン、ピロリジン、ピペリジン、ピラゾリジン、イミダゾリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、ピロール、チオフェン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアゾール、テトラゾール、チアジアゾール、アゼチジン、チアゾリン、キヌクリジン、トリアジン、イソベンゾフラン、インドール、インドリジン、クロメン、キノリン、イソキノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキサリン、フタラジン、プリン、プテリジンを表す。
本願明細書において、「アリール」とは、好ましくはフェニル、置換フェニル等の芳香環、ならびにナフチル、フェナントレニル、フルオレニル、アンスリル等の縮合環を表す。好ましいアリール基は、フェニル基、ナフチル基およびフルオレニル基である。
本願明細書において「置換基を有していてもよく」とは、好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜3個の置換基を有していてもよいことを意味し、ここで「置換基」とは、水酸基、チオール基、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、S−C1−6アルキル基、アミノ基、モノ置換アミノ基、ジ置換アミノ基、アミド基、グアニジル基、N−置換アミド基、N,N−ジ置換アミド基、ハロゲン原子、カルボキシル基、フェニル基、置換フェニル基、C1−6アルキルカルボニル基、複素環、複素環カルボニル基等であり、フェニル基は縮環していてもよい。好ましい置換基としては、水酸基、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、アミノ基、モノ置換アミノ基、ジ置換アミノ基、アミド基、グアニジル基、N−置換アミド基、N,N−ジ置換アミド基、ハロゲン原子、カルボキシル基、フェニル基(フェニル基は縮環していてもよい)、置換フェニル基、C1−6アルキルカルボニル基、複素環、複素環カルボニル基が挙げられる。
上記「置換基」のC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、S−C1−6アルキル基、C1−6アルキルカルボニル基など、基の一部としてのアルキル基、アルコキシ基とは前述と同義である。またハロゲン原子も同義である。これらC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、S−C1−6アルキル基およびC1−6アルキルカルボニル基は、さらに前記「置換基」によって置換されていてもよい。とりわけC1−6アルキル基およびC1−6アルコキシ基は、水酸基、アミノ基、モノ置換アミノ基、ジ置換アミノ基、アミド基、グアニジル基、N−置換アミド基、N,N−ジ置換アミド基、カルボキシル基、複素環、フェニル基、置換フェニル基などで置換されていてもよい。
上記「置換基」がカルボキシル基、または基の一部としてのカルボキシル基を有する場合、当該カルボキシル基は医薬的に許容されるカチオンまたは医薬的に許容される生体内で加水分解されうる基とされていてもよく、例えばナトリウム塩、カリウム塩などが好ましい。
上記「置換基」のモノ置換アミノ基、ジ置換アミノ基、アミド基、N−置換アミド基、N,N−ジ置換アミド基、置換フェニル基などにおける「置換」とは、好ましくは前記「置換基」を有することを意味する。
上記「置換基」の複素環および複素環カルボニル基中の複素環とは、前記「複素環」と同義である。
複素環カルボニルの好ましい例としては、モルホリルカルボニル、ピペラジルカルボニル、ピペリジルカルボニルなどが挙げられ、好ましくはモルホリル−4−イル−カルボニル、ピペラジン−4−イルカルボニル、(4−ヒドロキシピペラジン)−1−イルカルボニルなどが挙げられる。
が表す「C2−6アルキル基」は、直鎖または分岐鎖のいずれであってもよく、例えばエチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、i−ペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、i−ヘキシル基等が挙げられる。好ましくはC2−4アルキル基であり、さらに好ましくはエチル基である。このアルキル基は置換されてもよく、その置換基としては上述した「置換基」が挙げられ、さらに好ましい置換基としては、水酸基、チオール基、アミノ基、ハロゲン原子が挙げられる。
が表す「C1−6アルキル基」は、直鎖または分岐鎖のいずれであってもよく、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、i−ペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、i−ヘキシル基等が挙げられる。好ましくはC2−4アルキル基であり、さらに好ましくはエチル基である。このアルキル基は置換されてもよく、その置換基としては上述した「置換基」が挙げられ、さらに好ましい置換基としては、チオール基、アミノ基、ハロゲン原子が挙げられる。
またはRが表す「C3−7環状アルキル基」とは、好ましくはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が挙げられ、さらに好ましくはシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基が挙げられる。このC3−7環状アルキル基は置換されてもよく、その置換基としては上述した「置換基」が挙げられ、さらに好ましい置換基としては、水酸基、チオール基、C1−6アルキル基、アミノ基、ハロゲン原子が挙げられる。また、このC3−7環状アルキル基は他の環、例えばアリール、好ましくはフェニルと縮合してもよい。
またはRが表す、「−C1−3アルキレン−フェニル基」とは、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基等が挙げられる。−C1−3アルキレン−フェニル基のフェニル基は置換されてもよく、その置換基としては上述した「置換基」が挙げられ、さらに好ましい置換基としては、水酸基、C1−6アルキル基、−COOM(Mは水素原子または医薬的に許容されるカチオンを表す)、−CO−NR2223(ここで、R22およびR23は、同一または異なっていてもよく、水素原子またはC1−6アルキル基(好ましくはC1−4アルキル基、より好ましくはC1−2アルキル基)(このアルキル基はさらにアミノカルボニル基で置換されていてもよい)を表すか、またはR22およびR23は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、酸素原子または窒素原子を1〜2個含んでなる5または6員の飽和ヘテロ環(好ましくは、モルホニル基、ピペラジル基、またはピペリジル基を表す)を表してもよい(このヘテロ環、とりわけピペリジル基は、水酸基またはC1−6アルカノイルオキシ基で置換されてもよい))、−O−R24(ここで、R24は、C1−6アルキル基(好ましくはC1−4アルキル基)(このアルキル基は置換されていてもよく、置換基としては、−COOM(Mは水素原子、C1−6アルキル基または医薬的に許容されるカチオンを表す)、アミノカルボニル基、アミノ基、グアニジノ基、または窒素原子を1〜2個含んでなる5または6員の不飽和へテロ環(好ましくは、イミダゾール)を表す)、窒素原子を1〜2個含んでなる5または6員の飽和ヘテロ環(好ましくはピロリジン)を表す)、ヒドロキシメチル基が挙げられる。
またはRが表す「−C0−1アルキレン−複素環」とは、−結合−複素環、または−メチレン−複素環を表し、「複素環」とは前記と同義であり、好ましい例としては、窒素原子、酸素原子、または硫黄原子から選択されるヘテロ原子を1〜4個含む、5〜10員の単環または二環性複素環が挙げられ、さらに好ましくは窒素原子または酸素原子を一個含んでなる5〜6員の飽和または不飽和ヘテロ環が挙げられる。「複素環」の具体例としては、テトラヒドロフラン、フラン、ピロリジン、ピペリジン、ピラゾリジン、イミダゾリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、ピロール、チオフェン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアゾール、テトラゾール、チアジアゾール、アゼチジン、チアゾリン、キヌクリジン、トリアジン、イソベンゾフラン、インドール、インドリジン、クロメン、キノリン、イソキノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキサリン、フタラジン、プリン、プテリジン等を表す。結合もしくはメチレン基は複素環上のいずれに結合してもよい。この−C0−1アルキレン−複素環の複素環上の一以上の水素原子は置換されていてもよく、その置換基としては上述した「置換基」が挙げられ、さらに好ましい置換基としては、水酸基、チオール基、C1−6アルキル基、アミノ基、ハロゲン原子が挙げられる。
またはRが表す「−O−C1−6アルキル基」とは、直鎖、分岐または環状のいずれでもよいC1−6アルコキシ基であり、好ましくは−O−C1−4アルキル基であり、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ等が挙げられ、さらに好ましくはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ等である。このアルキル基部分は置換されてもよく、その置換基としては上述した「置換基」が挙げられ、さらに好ましい置換基としては、水酸基、チオール基、C1−6アルキル基、アミノ基、ハロゲン原子、フェニル基が挙げられる。
またはRが表す「−S−C1−6アルキル基」とは、直鎖、分岐、または環状のいずれでもよいC1−6アルキルチオ基であり、好ましくは−S−C1−4アルキル基であり、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、s−ブチルチオ、t−ブチルチオ等が挙げられ、さらに好ましくはメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、t−ブチルチオ等である。このアルキル基部分は置換されてもよく、その置換基としては上述した「置換基」が挙げられ、さらに好ましい置換基としては、水酸基、チオール基、C1−6アルキル基、アミノ基、ハロゲン原子、フェニル基が挙げられる。
が表す「医薬的に許容されるカチオン」とは、式(I)の一方、または両方のカルボキシル基と塩を形成しうるカチオンであり、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、有機塩基等が挙げられ、好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アンモニウム、エタノールアミン、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン等が挙げられる。
が表す「医薬的に許容される生体内で加水分解されうる基」とは、式(I)の一方または両方のカルボキシル基に結合した脱離可能な基を表し、それらは生体内で代謝を受け、加水分解、脱離しカルボキシル基となる基を表す。「医薬的に許容される生体内で加水分解されうる基」は、好ましくは、エステル残基であり、その例としては低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキルカルボニルオキシ低級アルキル基、低級シクロアルキルカルボニルオキシ低級アルキル基、低級シクロアルキルメチルカルボニルオキシ低級アルキル基、低級アルケニルカルボニルオキシ低級アルキル基、アリールカルボニルオキシ低級アルキル基、テトラヒドロフラニルカルボニルオキシメチル基、低級アルコキシ低級アルキル基、低級アルコキシ低級アルコキシ低級アルキル基、アリールメチルオキシ低級アルキル基、アリールメチルオキシ低級アルコキシ低級アルキル基、低級アルコキシカルボニルオキシ低級アルキル基、低級アルコキシカルボニルオキシ低級アルコキシ基、低級シクロアルコキシカルボニルオキシ低級アルキル基、低級シクロアルキルメトキシカルボニルオキシ低級アルキル基、アリールオキシカルボニルオキシ低級アルキル基、芳香環上に置換基を有してもよい3−フタリジル基、芳香環上に置換基を有してもよい2−(3−フタリジリデン)エチル基、2−オキソテトラヒドロフラン−5−イル基、モノ低級アルキルアミノカルボニルオキシメチル基、ジ低級アルキルアミノカルボニルオキシメチル基、2−オキソ−5−低級アルキル−1,3−ジオキソレン−4−イルメチル基、置換基を有してもよいピペリジニルカルボニルオキシ低級アルキル基、低級アルキル低級シクロアルキルアミノカルボニルオキシ低級アルキル基等の常用のものが挙げられる。
「医薬的に許容される生体内で加水分解されうる基」として好ましくはメチル基、エチル基、1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル基、アセトキシメチル基、1−(イソプロピルオキシカルボニルオキシ)エチル基、1−(エトキシカルボニルオキシ)エチル基、ピバロイルオキシメチル基、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチル基、1−(イソブチルオキシカルボニルオキシ)エチル基、1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)−2−メチルプロパン−1−イル基、イソブチルオキシカルボニルオキシメチル基、イソプロピルオキシカルボニルオキシメチル基、イソブチリルオキシメチル基、(ペンタン−1−イル)オキシカルボニルオキシメチル基、(ブタン−1−イル)オキシカルボニルオキシメチル基、(1−エチルプロパン−1−イル)オキシカルボニルオキシメチル基、イソペンチルオキシカルボニルオキシメチル基、(プロパン−1−イル)オキシメチル基、エトキシカルボニルオキシメチル基、ネオペンチルオキシカルボニルオキシメチル基、メトキシカルボニルオキシメチル基、シクロペンチルオキシカルボニルオキシメチル基、t−ブトキシカルボニルオキシメチル基、フタリジル基、1−(メトキシカルボニルオキシ)エチル基、1−(シクロペンチルオキシカルボニルオキシ)エチル基、(テトラヒドロピラン−4−イル)オキシカルボニルオキシメチル基、1−(ネオペンチルオキシカルボニルオキシ)エチル基、(ピペリジン−1−イル)カルボニルオキシメチル基、アリル基、1−(t−ブトキシカルボニルオキシ)エチル基、(N,N−ジ−n−プロピルアミノ)カルボニルオキシメチル基、フェニルオキシカルボニルオキシメチル基、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル基、(cis−2,6−ジメチルピペリジン−1−イル)カルボニルオキシメチル基、N,N−ジ−(ブタン−1−イル)アミノカルボニルオキシメチル基、ヘキサン−1−イル基、N−(ヘキサン−1−イル)−N−メチルアミノカルボニルオキシメチル基、N,N−ジイソブチルアミノカルボニルオキシメチル基、N,N−ジイソプロピルアミノカルボニルオキシメチル基、N−シクロヘキシル−N−メチルアミノカルボニルオキシメチル基、N−ペンタン−1−イルアミノカルボニルオキシメチル基、N−シクロヘキシル−N−エチルアミノカルボニルオキシメチル基、N−イソブチル−N−イソプロピルアミノカルボニルオキシメチル基、N−t−ブチル−N−エチルアミノカルボニルオキシメチル基、1−[(cis−2,6−ジメチルピペリジン−1−イル)カルボニルオキシ]エチル基、1−(N,N−ジイソプロピルアミノカルボニルオキシ)エチル基、N−エチル−N−イソアミルアミノカルボニルオキシメチル基等である。
式(I)において、R1は、好ましくは、C2−6アルキル基またはC3−7環状アルキル基であり、より好ましくは、C2−4アルキル基であり、さらにより好ましくは、エチル基である。
式(I)において、Rは、好ましくは、C1−6アルキル基またはC3−7環状アルキル基であり、より好ましくは、C2−4アルキル基であり、さらにより好ましくは、エチル基である。
式(I)において、二つのMは、好ましくは、同一または異なっていてもよく、水素原子または医薬的に許容されるカチオンであり、より好ましくは、ナトリウムカチオンまたはカリウムカチオンである。
本発明において使用されるメタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤の好ましい態様としては、R1が、C2−6アルキル基またはC3−7環状アルキル基であり、RがC1−6アルキル基またはC3−7環状アルキル基であり、二つのMが、同一または異なっていてもよく、水素原子または医薬的に許容されるカチオンである式(I)の化合物である。
本発明において使用されるメタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤のより好ましい態様としては、R1がC2−4アルキル基であり、RがC2−4アルキル基であり、二つのMがナトリウムカチオンまたはカリウムカチオンである式(I)の化合物である。
本発明において使用されるメタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤のさらにより好ましい態様としては、R1がエチル基であり、Rがエチル基であり、二つのMがナトリウムカチオンまたはカリウムカチオンである式(I)の化合物である。
式(I)の化合物は、特許第41222049号公報の記載に従って製造することができる。
本発明において使用される「メタロ−β−ラクタマーゼに対する感受性がそれぞれ異なる少なくとも3種以上のβ−ラクタム薬」は、例えば、IMP型メタロ−β−ラクタマーゼに影響されやすく、VIM型メタロ−β−ラクタマーゼに影響されにくいβ−ラクタム薬;IMP型メタロ−β−ラクタマーゼ、VIM型メタロ−β−ラクタマーゼともに影響されやすいβ−ラクタム薬;IMP型メタロ−β−ラクタマーゼに影響されやすく、VIM型メタロ−β−ラクタマーゼに影響されにくいセフェム系β−ラクタム薬;VIM型メタロ−β−ラクタマーゼに影響されやすく、IMP型メタロ−β−ラクタマーゼに影響されにくいβ−ラクタム薬等が挙げられる。
メタロ−β−ラクタマーゼに対する感受性がそれぞれ異なる少なくとも3種以上のβ−ラクタム薬は、好ましくは、IMP型メタロ−β−ラクタマーゼに影響されやすく、VIM型メタロ−β−ラクタマーゼに影響されにくいセフェム系β−ラクタム薬を少なくとも含んでなり、より好ましくは、IMP型メタロ−β−ラクタマーゼに影響されやすく、VIM型メタロ−β−ラクタマーゼに影響されにくいβ−ラクタム薬;IMP型メタロ−β−ラクタマーゼ、VIM型メタロ−β−ラクタマーゼともに影響されやすいβ−ラクタム薬;IMP型メタロ−β−ラクタマーゼに影響されやすく、VIM型メタロ−β−ラクタマーゼに影響されにくいセフェム系β−ラクタム薬、を少なくとも含んでなる。
メタロ−β−ラクタマーゼが産生されることでβ−ラクタム薬の抗菌力は減少するが、メタロ−β−ラクタマーゼの型やβ−ラクタム薬の種類によって、その減少度合いは様々である。その結果、各β−ラクタム薬の阻止円の形成度合い(すなわち、阻止円の形状)もメタロ−β−ラクタマーゼの型によって異なる。
本願明細書において、「メタロ−β−ラクタマーゼに影響されやすいβ−ラクタム薬」とは、各メタロ−β−ラクタマーゼが存在する場合にβ−ラクタム薬の形成する阻止円がメタロ−β−ラクタマーゼが存在しない場合よりも小さくなるβ−ラクタム薬を意味する。
本願明細書において、「メタロ−β−ラクタマーゼに影響されにくいβ−ラクタム薬」とは、各メタロ−β−ラクタマーゼが存在する場合であっても、β−ラクタム薬の形成する阻止円の大きさが影響を受けない、または影響が少ないβ−ラクタム薬を意味する。
この影響されやすさは、メタロ−β−ラクタマーゼとβ−ラクタム薬の組合せによって異なり、目的によってβ−ラクタム薬を分類する事ができる。これらメタロ−β−ラクタマーゼ型による影響されやすさを選択基準として、以下のようにβ−ラクタム薬を分類、選択することができる。
IMP型メタロ−β−ラクタマーゼに影響されやすく、VIM型メタロ−β−ラクタマーゼに影響されにくいβ−ラクタム薬(以下、「(A)のβ−ラクタム薬」ということがある)としては、例えば、カルバペネム系β−ラクタム薬(例えば、ビアペネム、ドリペネム等)が挙げられる。好ましくは、ビアペネムである。
IMP型メタロ−β−ラクタマーゼ、VIM型メタロ−β−ラクタマーゼともに影響されやすいβ−ラクタム薬(以下、「(B)のβ−ラクタム薬」ということがある)としては、例えば、カルバペネム系β−ラクタム薬(例えば、イミペネム、メロペネム等)が挙げられる。好ましくはイミペネムである。
IMP型メタロ−β−ラクタマーゼに影響されやすく、VIM型メタロ−β−ラクタマーゼに影響されにくいセフェム系β−ラクタム薬(以下、「(C)のβ−ラクタム薬」ということがある)としては、例えば、セフタジジム、セフェピム等が挙げられ、好ましくは、セフタジジムである。
他に、VIM型メタロ−β−ラクタマーゼに影響されやすく、IMP型メタロ−β−ラクタマーゼに影響されにくいβ−ラクタム薬が挙げられる。
これらに分類されるβ−ラクタム薬であれば利用可能であり、ここに挙げたβ−ラクタム薬に限定されない。
本願明細書において「点在させる」とは、目的の薬剤を所定の位置に配置することを意味する。
点在させる順序は特に限定されないが、例えば、まずメタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤を点在させ、次に、メタロ−β−ラクタマーゼに対する感受性がそれぞれ異なる少なくとも3種以上のβ−ラクタム薬を点在させることができる。
メタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤および各β−ラクタム薬は、例えば、ディスクの形態で点在させることができる。
メタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤含有のディスクは、適当な寸法および形状のろ紙を用いて作成することができる。例えば、1/4インチの円形のろ紙にメタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤を必要により溶媒を用いて含浸させることで作成することができる。
各β−ラクタム薬含有のディスクは、各薬剤を含有する市販品の薬剤ディスクがあり、これらを用いることができる。市販品が無い場合であっても、適当な寸法および形状のろ紙(例えば、1/4インチの円形のろ紙)に上記β−ラクタム薬を必要により溶媒を用いて含浸させたものを用いることができる。
メタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤および各β−ラクタム薬の点在量は、各β−ラクタム薬の固体培地表面での拡散性や培養時間(拡散時間)、さらにはメタロ−β−ラクタマーゼに対するメタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤の阻害効果の強度等を考慮して適宜決定できる。例えば、式(I)で表されるメタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤を300μgとした場合、(A)のβ−ラクタム薬は100μg、(B)のβ−ラクタム薬は100μg、(C)のβ−ラクタム薬は300μgとすることで、判定に適当な阻止円が形成させることができる。ただし、これらはあくまでも目安であり、検査対象とする菌の種類に応じて、β−ラクタム薬の周囲に形成される阻止円の形状や大きさ等を考慮して適宜変化させることができる。
メタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤および各β−ラクタム薬の点在位置は、メタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤含有ディスクと各β−ラクタム薬含有ディスクとの距離が、同一固体培地表面においてそれぞれ等しくなるように配置することができる。ここで「距離」とは、メタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤含有ディスクの中心と各β−ラクタム薬含有ディスクの中心との距離を意味する。好ましくは、各β−ラクタム薬含有ディスク同士も中心から均一距離の円周上を均等に分割して配置することができる。
メタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤および各β−ラクタム薬の点在位置は、また、メタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤を含有したディスクを固体培地表面の中心に配置し、各β−ラクタム薬を含有したディスクを、メタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤含有ディスクから均一の距離に配置することが好ましい。
例えば、メタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤含有ディスクを中心に配置した場合、各β−ラクタム薬含有ディスクの中心をメタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤含有ディスクの中心からそれぞれ、例えば、20mm等の均一の距離に配置し、β−ラクタム薬含有ディスク同士も中心から均一距離の円周上を均等に分割して配置することができる。
また、各β−ラクタム薬は、同一固体培地を利用せず、それぞれ別の固体培地において、メタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤含有ディスクと均一な距離に配置すること判定により行うこともできる。
検出対象の菌を固体培地に塗布し、各β−ラクタム薬、および、メタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤含有ディスクを表面に置いた後に、固体培地を培養することができる。
培養条件は、日本化学療法学会標準法またはCLSIで定められたディスク拡散法に準拠したものが使用できる。培養条件は、β−ラクタム薬の拡散範囲等を考慮して適宜決定することができるが、例えば、35〜37℃、12〜36時間の範囲とすることができる。
上記培養により、固体培地表面に置かれた各β−ラクタム薬およびメタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤は、固体培地表面および内部を拡散し、各β−ラクタム薬の周囲に阻止円が形成される。各β−ラクタム薬の阻止円の形成度合い(すなわち、阻止円の形状)は、メタロ−β−ラクタマーゼ産生菌であるか否か、また、メタロ−β−ラクタマーゼ産生菌であった場合には産生されるメタロ−β−ラクタマーゼの型によってそれぞれ異なる。従って、このように形成された阻止円の形状に基づいて、検出対象である菌がMBL産生菌であるか否か、さらには、IMP型MBL生産菌、VIM型MBL生産菌またはそれ以外のMBL生産菌のいずれかであることを判定することができる。
以下、阻止円の形状について具体的に説明する。
検出対象の菌がMBL産生菌であった場合、β−ラクタム薬の周囲に形成される阻止円の形状は、メタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤(化合物(I))の効果により変化する。この時、β−ラクタム薬の周囲に形成される阻止円は、β−ラクタム薬および化合物(I)含有ディスクの中心線に沿って測定することで2種類(すなわち、化合物(I)含有ディスクと反対側に形成された阻止円と、化合物(I)含有ディスク側に形成された阻止円)に分けることができる(図1)。
化合物(I)含有ディスクと反対側に形成された阻止円は、メタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤の作用を受けないため、その半径は阻止円全体の中で最小値とすることができる(例えば、ここで測定された数値を各(A)〜(C)のβ−ラクタム薬ごとにA1、B1、C1とすることができる(表1))。阻止円が形成されない場合はディスクの半径を用いることができる。
化合物(I)含有ディスク側に形成された阻止円は、メタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤の作用を受けるため、その半径は阻止円全体の中で最大値とすることができる(例えば、ここで測定された数値を各(A)〜(C)のβ−ラクタム薬ごとにA2、B2、C2とすることができる(表1))。阻止円が形成されない場合はディスクの半径を用いることができる。また、形成された阻止円がディスク間よりも広くなる場合は、薬剤含有ディスクの中心から化合物(I)含有ディスクまでの距離を用いることができる(例えば、図2のフロー8中のA2は(A)のβ−ラクタム薬含有ディスクの中心から化合物(I)含有ディスクまでの距離を示す)。
メタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤の作用による阻止円の形状の変化の程度については、阻止円の半径の最大値と最小値との比、すなわち半径変化率として測定することができる。例えば、阻止円半径の最大値を阻止円半径の最小値で割ることで算出することができる(例えば、それぞれA3、B3、C3とすることができる(表1))。
本発明による方法において「阻止円の形状」は、阻止円の半径の最小値、阻止円の半径の最大値、および阻止円の半径の最小値と最大値の比(半径変化率)から選択される少なくとも1つの値を指標として判定することができる。
検出対象である菌がメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌であるか否かについては、メタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤の存在が阻止円の大きさに影響を与えるか否か、すなわち、半径変化率に基づいて判定することができる。メタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤の存在により阻止円の大きさに影響を与えた場合、すなわち、半径変化率が一定以上の大きさとなった場合、検出対象である菌がメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌であると判定することができる。
検出対象である菌がIMP型メタロ−β−ラクタマーゼ産生菌であるかVIM型メタロ−β−ラクタマーゼ産生菌であるか否かについては、メタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤の存在による各β−ラクタム薬の阻止円の半径変化率の程度に基づいて判定することができる。メタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤の存在により、IMP型メタロ−β−ラクタマーゼに影響されやすいβ−ラクタム薬の阻止円の半径変化率が一定以上の大きさとなった場合、検出対象である菌がIMP型メタロ−β−ラクタマーゼ産生菌であると判定することができる。メタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤の存在により、VIM型メタロ−β−ラクタマーゼに影響されやすいβ−ラクタム薬の阻止円の半径変化率が一定以上の大きさとなった場合、検出対象である菌がVIM型メタロ−β−ラクタマーゼ産生菌であると判定することができる。検出対象である菌がIMP型メタロ−β−ラクタマーゼ産生菌であるかVIM型メタロ−β−ラクタマーゼ産生菌であるか否かについては、また、所定の最小値または最大値の数値の範囲に基づいて判定することができる。
本発明による方法の実施に当たっては、半径変化率、半径の最小値、半径の最大値等の数値(例えば、表1のA1〜A3、B1〜B3、C1〜C3)を用いて、メタロ−β−ラクタマーゼ産生菌であるか否か、さらにはIMP型、VIM型のいずれであるかを判定するための判断フローを設計することができる。
判定に使用される具体的な数値は、使用される個体培地、メタロ−β−ラクタマーゼ、β−ラクタム薬の種類、ディスクの半径やディスク同士の距離によって異なる。従って、判断フローは、本発明による方法の実施のためのプロトコールに応じて個別に設計することができる。判断フローの設計に当たっては、メタロ−β−ラクタマーゼの型が確認されているメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌を利用することができる。
例えば、本願明細書の実施例のプロトコールに従って本発明による方法を実施する場合は、図2に示された判断フローを使用することができる。図2の判断フローでは、フロー2に該当する菌はMBL産生菌と判断され、さらに、フロー3〜5に該当する菌はIMP型MBL産生菌、フロー3〜5に該当せずにフロー6〜8に該当する菌はVIM型MBL産生菌であると判定できる。フロー1に該当する菌は塗布液を適宜希釈し、再び同一試験を行うことで判定できる可能性がある。図2の判断フローでは判定できない菌はIMP型、VIM型以外のMBL産生菌、もしくはMBLではなく、セリン−β−ラクタマーゼ産生菌を含むMBL非産生菌と判断することができる(フロー9)。
本発明によれば、また、本発明による方法を実施するためのメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌判定用キットが提供される。本発明によるキットによれば、本発明による方法を簡便に実施することができる。
本発明によるメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌判定用キットは、化合物(I)を含有するディスクを中心として、(A)〜(C)のβ−ラクタム薬が均一の距離に配置(好ましくは、固定)された板状(ストリップ状)の基体を少なくとも含んでなる。
本発明によるキットに使用する基体は、化合物(I)を含有するディスクを中心として、(A)〜(C)のβ−ラクタム薬を均一の距離に配置できる細く板状(ストリップ状)の基体とすることができる。基体の素材は、好ましくは、プラスチック等の水分を吸収しないものである。基体には、計測線(例えば、0.5mm間隔等)を設けることができる。本発明のキットに使用するディスクは上記本発明方法で説明したものと同様のディスクを使用できる。
本発明によるキットの一例を図3に示す。基体には化合物(I)を含有するディスクを中心としてそれぞれ均一の距離にディスクを配置するために3方向にのばしたストリップ(3本の枝分かれ構造)がある。ストリップ(枝分かれ構造)の角度および寸法には特に制限は無く、使用する固体培地の大きさ等を考慮して適宜決定できる。各ディスク中の薬剤濃度は、上記本発明の方法において説明したものと同様の点を考慮して適宜決定できる。なお、図中に記載してある薬剤名や寸法は例示として記載したものであり、本発明のキットはこれに限定されるものではない。
上記キットを用いて検出対象の菌を判定する方法としては、このキットのディスク面を、検出対象の菌が塗布された固体培地の表面に置き、前記方法と同様に培養することで阻止円を形成させ、基体の計測線を用いて目視で阻止円半径を測定し、判断フローを用いることで、検出対象の菌をIMP型、VIM型MBL産生菌またはそれ以外の菌に判定することからなる。上記キットを用いること以外は、前記本発明の方法をそのまま用いることができる。
以下、本発明の試験方法を実施例によりさらに説明する。
実施例1
検査対象となる菌として、IMP型(IMP−1産生菌10株、IMP−7産生菌18株、IMP−10産生菌4株、IMP−13産生菌2株)およびVIM型(VIM−1産生菌3株、VIM−2産生菌4株)の計41株の緑膿菌(Pseudomonas putidaを含む)を用い、以下の試験を行った。これら41株は、すでにPCR法等によりMBLの型を判定した株を用い、本実施例を行った。
CLSIで定められたディスク拡散法に準拠し、Muller−Hinton寒天培地にMcFarland標準濁度0.5に調整した菌液を塗布した。培地表面に菌液が水滴となっていないことを確認し、化合物(I)を300μg、薬剤(A)としてビアペネムを100μg、薬剤(B)としてイミペネムを100μg、薬剤(C)としてセフタジジムを300μgそれぞれ含んだ円形のろ紙(直径が約6mm)を薬剤含有ディスクとして置いた。なお、化合物(I)にはR、Rがともにエチル基、Mがナトリウムカチオンの化合物(2,3−ジエチルマレイン酸ジナトリウム)を用いた。寒天培地中心に化合物(I)を置き、ディスク中心が20mmとなるように薬剤(A)〜(C)を置いた。35℃で一夜培養し、ディスク周囲の発育阻止円の最大値および最小値となる半径を測定し、表1に従って半径が変化した比を計算し、図2の判断フローを用いてIMP型、VIM型のMBL産生菌を判定した。結果を表2に示す。
まず、41株全てがフロー2に該当し、MBL産生菌と判断された。
次に、41株中16株は判断フロー3に該当し、これらはいずれもIMP型MBL産生菌であった。残り25株中14株は判断フロー4に該当し、これらはいずれもIMP型MBL産生菌であった。残り11株中4株は判断フロー5に該当し、これらはいずれもIMP型MBL産生菌であった。
また、残り7株中3株は判断フロー6に該当し、これらはいずれもVIM型MBL産生菌であった。残り4株中2株は判断フロー7に該当し、これらはいずれもVIM型MBL産生菌であった。残り2株中2株が判断フロー8に該当し、これらはいずれもVIM型MBL産生菌であった。
このように、判断フローの結果と実際の型とが一致することが確認された。
実施例2
実施例および図2の判断フローの例を図4にて写真を用いてさらに説明する。
実施例2において、検出対象となる菌はIMP−1産生の緑膿菌である。CLSIで定められたディスク拡散法に準拠し、Muller−Hinton寒天培地に上記緑膿菌を塗布後、ディスクを置き、35℃で一夜培養した後の状態を図4に示す。
図4において上のディスクがビアペネム(BIPM)(A)、右下がイミペネム(IPM)(B)、左下がセフタジジム(CAZ)(C)含有ディスクであり、中心のディスクが化合物(I)含有ディスクである。なお、化合物(I)にはR、Rがともにエチル基、Mがナトリウムカチオンの化合物(2,3−ジエチルマレイン酸ジナトリウム)を用いた。ディスク周囲の黒色の箇所が阻止円である。化合物(I)含有ディスクの存在により各β−ラクタム薬の阻止円が変化していることが観察される。各β−ラクタム薬含有ディスクでは中心から見て外側の阻止円半径が阻止円の最小値を示し、中心側の阻止円半径が最大値を示す。この時、A1は5.5mm、B1は6.5mm、C1は3.5mmとなる。一方、A2は16.0mm、B2は14.0mm、C2は14.5mmとなる。これらの数値からA3は2.9、B3は2.2、C3は4.1と計算される。これらの数値を図2の判断フローを用いると、A3、B3、C3は1.2未満ではないため判断フロー1に該当しないが、A3、B3、C3すべてが1.2以上である為、判断フロー2に該当し、MBL産生菌となる。さらには、C1が3mm以上であり、C3が3以上であることから判断フロー3に該当する。従って、検出対象菌はIMP型MBL産生菌であると判定した。
実施例3
検査対象となる菌として、IMP型(IMP−1産生菌3株、IMP−7産生菌2株、IMP−13産生菌1株)およびVIM型(VIM−1産生菌1株、VIM−2産生菌2株)の計9株の緑膿菌(Pseudomonas putidaを含む)を用い判別試験を行った。化合物(I)にはR、Rがともにエチル基、Mがナトリウムカチオンの化合物(2,3−ジエチルマレイン酸ジナトリウム)を300μg、薬剤(A)としてドリペネム(DRPM)を100μg、薬剤(B)としてイミペネム(IPM)を100μg、薬剤(C)としてセフタジジム(CAZ)を300μg用い、実施例1と同様に培養、阻止円の測定を行った。図2の判断フローを用い判断したところ、9株中、フロー3に2株、フロー4に4株、フロー6に1株、フロー8に2株それぞれ該当した。フロー3および4に該当した株はいずれもIMP型MBL産生菌であった。フロー6および8に該当した株はいずれもVIM型MBL産生菌であった。IMP型産生菌を使用したディスクを図5に示す。

Claims (8)

  1. 検出対象である菌が塗布された固体培地の表面に、下記式(I)で表されるメタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤を点在させ、さらに該メタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤とは異なる位置に、メタロ−β−ラクタマーゼに対する感受性がそれぞれ異なる少なくとも3種以上のβ−ラクタム薬を、メタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤から各β−ラクタム薬までの距離がそれぞれ等しくなるように点在させ、上記固体培地を培養後、各β−ラクタム薬の周囲に形成される阻止円の形状に基づいて、検出対象である菌のメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の型を判定する方法:
    (式中、
    はC2−6アルキル基、C3−7環状アルキル基、ヒドロキシメチル基、−C1−3アルキレン−フェニル基、−C0−1アルキレン−複素環、−O−C1−6アルキル基、または−S−C1−6アルキル基を表し、これらはいずれも置換基を有していてもよく、
    はC1−6アルキル基、C3−7環状アルキル基、ヒドロキシメチル基、−C1−3アルキレン−フェニル基、−C0−1アルキレン−複素環、−O−C1−6アルキル基、または−S−C1−6アルキル基を表し、これらはいずれも置換基を有していてもよく、
    二つのMは、同一または異なっていてもよく、水素原子、医薬的に許容されるカチオン、または医薬的に許容される生体内で加水分解されうる基を表す。)。
  2. メタロ−β−ラクタマーゼに対する感受性がそれぞれ異なる少なくとも3種以上のβ−ラクタム薬が、IMP型メタロ−β−ラクタマーゼに影響されやすく、VIM型メタロ−β−ラクタマーゼに影響されにくいβ−ラクタム薬;IMP型メタロ−β−ラクタマーゼ、VIM型メタロ−β−ラクタマーゼともに影響されやすいβ−ラクタム薬;IMP型メタロ−β−ラクタマーゼに影響されやすく、VIM型メタロ−β−ラクタマーゼに影響されにくいセフェム系β−ラクタム薬、を含んでなる、請求項に記載の判定方法。
  3. IMP型メタロ−β−ラクタマーゼに影響されやすく、VIM型メタロ−β−ラクタマーゼに影響されにくいβ−ラクタム薬が、ビアペネムまたはドリペネムであり、IMP型メタロ−β−ラクタマーゼ、VIM型メタロ−β−ラクタマーゼともに影響されやすいβ−ラクタム薬が、イミペネムまたはメロペネムであり、IMP型メタロ−β−ラクタマーゼに影響されやすく、VIM型メタロ−β−ラクタマーゼに影響されにくいセフェム系β−ラクタム薬が、セフタジジムまたはセフェピムである、請求項に記載の方法。
  4. 阻止円の形状が、阻止円の半径の最小値、阻止円の半径の最大値、および阻止円の半径の最小値と最大値の比から選択される少なくとも1つの値を指標として判定される、請求項に記載の方法。
  5. 式(I)においてRおよびRが、それぞれ、C2−4アルキル基である、請求項に記載の方法。
  6. 式(I)においてRおよびRが、それぞれ、エチル基であり、Mがナトリウムカチオンまたはカリウムカチオンである、請求項に記載の方法。
  7. 下記式(I)で表されるメタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤を含有させたディスクが、3方向にのばしたストリップの基体の中心に設置され、(A)IMP型メタロ−β−ラクタマーゼに影響されやすく、VIM型メタロ−β−ラクタマーゼに影響されにくいβ−ラクタム薬、(B)IMP型メタロ−β−ラクタマーゼ、VIM型メタロ−β−ラクタマーゼともに影響されやすいβ−ラクタム薬、(C)IMP型メタロ−β−ラクタマーゼに影響されやすく、VIM型メタロ−β−ラクタマーゼに影響されにくいセフェム系β−ラクタム薬をそれぞれ含有させた3つのディスクが、3方向にのばした各ストリップの基体上であって、該メタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤から等しい距離に設置された、メタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の型の判定用キット:
    (式中、
    はC2−6アルキル基、C3−7環状アルキル基、ヒドロキシメチル基、−C1−3アルキレン−フェニル基、−C0−1アルキレン−複素環、−O−C1−6アルキル基、または−S−C1−6アルキル基を表し、これらはいずれも置換基を有していてもよく、
    はC1−6アルキル基、C3−7環状アルキル基、ヒドロキシメチル基、−C1−3アルキレン−フェニル基、−C0−1アルキレン−複素環、−O−C1−6アルキル基、または−S−C1−6アルキル基を表し、これらはいずれも置換基を有していてもよく、
    二つのMは、同一または異なっていてもよく、水素原子、医薬的に許容されるカチオン、または医薬的に許容される生体内で加水分解されうる基を表す。)。
  8. 請求項に記載のキットを検出対象である菌が塗布された固体培地の表面に置き、培養を行い、培養後、各β−ラクタム薬のディスクの周囲に形成される阻止円の形状に基づいて、メタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の型を判定する方法。
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