JP2001298049A - 接続用複合金属粒子およびペースト、接続基板 - Google Patents

接続用複合金属粒子およびペースト、接続基板

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JP2001298049A
JP2001298049A JP2000112020A JP2000112020A JP2001298049A JP 2001298049 A JP2001298049 A JP 2001298049A JP 2000112020 A JP2000112020 A JP 2000112020A JP 2000112020 A JP2000112020 A JP 2000112020A JP 2001298049 A JP2001298049 A JP 2001298049A
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electrode
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Shuichi Nakada
秀一 中田
Yasuki Shimamura
泰樹 島村
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 構成金属中に鉛を含まず、錫合金からな
る低融点合金層を有し、平均粒子径3〜40μm、平均
粒子径±2μmの粒子の存在率が75体積%以上、含有
酸素量3000ppm以下である複合金属粒子、または
該組成の複合金属粒子を用いたペーストをLSIチップ
電極の基板電極への接続に用いる。 【効果】 LSIチップを基板上に実装するとき、低温
接続性、導電性、耐酸化性、耐マイグレーション性、分
散性に優れ、かつ鉛を含まないために人体や環境にも優
しい、変形しやすく、ファインピッチでも電流密度が充
分に得られる優れた複合金属粒子及び複合金属粒子を用
いたペーストを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明の複合金属粒子および
該組成の複合金属粒子を用いたペーストは、LSIチッ
プ等の電子部品を直接基板電極へ接続するために用いら
れ、プリント回路基板上回路、ハイブリッドIC基板上
回路、液晶パネル(COG:チップオンガラス)、IC
カード、太陽電池への電気的接続用導電性金属粒子とし
て利用される。
【0002】
【従来の技術】最近、プリント配線板、液晶パネル、ハ
イブリッドICなどの高密度化、微細配線化が必要にな
ってきた。そのため、従来のICパッケージを基板に実
装するのではなく、LSIチップを直接実装することが
行われてきている。LSIチップを基板表面に実装する
場合、公知方法としては、ICあるいはLSIチップ電
極と基板電極間にインジウム成分からなる半田づけによ
り接続する方法や、金バンプが形成されたLSIチップ
電極部を銀あるいは銀―パラジウム導電性金属粒子を含
む導電性ペーストで基板電極に加熱硬化あるいはUV硬
化する接続法、金バンプが形成されたLSIチップ電極
部をUV硬化性樹脂で基板電極に機械的に接続する方法
などがある。
【0003】また、導電性粒子、例えば、数μm程度の
金めっき樹脂粒子、金めっきニッケル粒子をLSIチッ
プ電極と基板電極間に介在させ、電極間方向にだけ電気
的接合を確保する方法がある。この場合、LSIチップ
の電極上に光熱硬化性樹脂をコーティングしておき、電
極部以外を光硬化したのち、粘着性を利用して電極部だ
けに導電性粒子を付着させ、LSIチップの接合面を下
に向けて基板電極上に接合する。
【0004】この時、事前に電極以外の基板上に接着剤
を塗布しておき、LSIチップと基板との接着を保護
し、さらに、加熱硬化してLSIチップ電極と基板電極
間に存在する導電性粒子を固定するものである。この
時、必要に応じて、数十ニュートン/電極の圧力で電極
間の導電性粒子を多少変形させての導電性を安定にする
方法である。LSIチップ電極部に金あるいははんだバ
ンプを用いる場合もある。また、別に導電性粒子を電極
間に介在させる方法としては、導電性粒子を光硬化性樹
脂あるいは熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂有機バインダー
に分散させ、基板電極上あるいはLSIチップ上にコー
ティングして、電極位置合わせして張り合わせた後、加
熱あるいは光硬化し、同時に加圧して電極間に存在する
導電性粒子の両接点を確保する方法である。この場合に
は、有機バインダー中に分散されている粒子同士には導
電性を示さず、電極間方向にしか導電性を有さない特徴
を持つ。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記記載の公知な実装
方法には以下の欠点が存在する。半田付けによるICチ
ップ実装では、ヒートサイクルにより基板との間にクラ
ックが入りやすく、好ましくない。金バンプが形成され
ているLSIチップを直接基板上に光硬化性樹脂を用い
て接合する場合には、樹脂の硬化収縮性だけにより接合
するため、十分な安定した導電性を有し得ない。導電性
ペーストをLSIチップ電極部だけに塗布して、基板電
極に接合して導電性を確保する場合には、ペーストのだ
れ等で隣の電極間でのショート起こり易い。
【0006】また、はんだ中の鉛はα線を出す性質があ
るため、LSIチップの電極近傍に存在するとLSIチ
ップを誤動作させる要因になる事もあるので、その実装
場所に工夫がいる等の制限もある。さらに、鉛には毒性
が強いために、その使用を制限される傾向にある。本発
明者らは、導電性粒子をLSIチップ電極と基板電極間
に介在させる方法に付いて着目した。LSIチップ接続
に前記の公知導電性粒子を電極間に介在するには、LS
Iチップ電極と基板電極との間に導電性粒子を存在させ
加圧、加熱して電気的接合をとるが、導電性粒子には金
めっき樹脂粒子、金めっきニッケル粒子、銀粒子などが
用いられてきた。
【0007】しかし、金めっきのコストがかかるばかり
か、接合時、金めっきが樹脂から剥がれ易く、接触不良
を起こしたりする。また、ニッケルボール上に金めっき
した導電性粒子を用いた場合でも充分な導電性を確保す
るために、厚くめっきしなければならず、ニッケルを介
しているために高温、高湿度中でニッケル、金めっき界
面でのニッケルが酸化するなどの問題がある。銀粒子の
場合には、基板電極間での銀マイグレーションによるリ
ークの問題がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、LSIチップ
等の電子部品の電極と基板電極間に複合金属粒子を介在
させ、電極間方向にだけ導電性を確保する電子部品電極
と基板電極との接続用複合金属粒子として、金属濃度が
粒子の表層から中心部へと連続的に変化し、融点が表層
から中心部にいくに従って傾斜的に変化する事を特徴と
する複合金属粒子を用いることによって、低温接続も可
能となり、可能接続部分の融点差ができるだけ少ない信
頼性の高い電気的接続が得られることを見出した。
【0009】また、この複合金属粒子を有機バインダー
に分散させたペーストを、ICベアチップ実装してなる
液晶パネル基板、ハイブリドIC基板、プリント回路基
板に適用出来ることを見出した。つまり、請求項1に係
る接続用複合金属粒子は、電子部品電極と基板電極との
接続用複合金属粒子であって、該複合金属粒子は、融点
の高い金属合金を中心核[m]と、該中心核の外側の層
を中心核から外側に向かって順番に[m+1]層、[m
+2]層・・・[m+n]層とより成り中心核及びそれ
ぞれの層の融点を(m)mp、(m+1)mp、(m+
2)mp・・・(m+n)mpと表すとき、中心核と各
層の融点が(m)mp>(m+1)mp>(m+2)m
p・・・>(m+n)mpで、平均粒子径3〜40μm
で平均粒子径±2μmの存在割合が75体積%以上、含
有酸素量3000ppm以下であることを特徴とする。
【0010】また、請求項2に係る接続用複合金属粒子
は、請求項1記載の接続用複合金属粒子において、前記
複合金属粒子は、3層以上で構成金属が3種類以上で、
かつ最外層以外の層は前記中心核[m]との合金層であ
って、最外層[m+n]は錫或いは錫合金層であり有機
バインダーの硬化温度近傍で層表面が溶融することを特
徴とする。また、請求項3に係る接続用複合金属粒子
は、請求項1または2記載の接続用複合金属粒子におい
て、前記接続用複合金属粒子の構成金属が、金、銀、
銅、錫、ビスマス、亜鉛、ニッケル、パラジウム、クロ
ム、インジウム、アンチモン、アルミニウム、ゲルマニ
ウム、シリコン、ベリリウム、タングステン、モリブデ
ン、マンガン、タンタル、チタン、ネオジウム、マグネ
シウムのうち、いずれか3種類以上含み、平均粒子径3
〜40μm、含有酸素量が3000ppm以下であるこ
とを特徴とする。
【0011】また、請求項4に係る接続用複合金属粒子
は、請求項1乃至3記載の接続用複合金属粒子におい
て、前記中心核[m]が、一般式AgxCuy[0.0
01≦x≦0.4、0.6≦y≦0.999、x+y=
1(原子比)]で表され、平均粒子径は0.05〜30
μm、中心核金属粒子の含有酸素量が1〜2500pp
m、かつ中心核粒子表面のAg濃度が粒子の平均Ag濃
度より高い領域を有し、中心核粒子表面が微細な凸凹形
状(凸部と凹部の高さの差が1μm以下)をしているこ
とを特徴とする。
【0012】また、請求項5に係る電子部品電極と基板
電極との接続用ペーストは、請求項1乃至4に記載の接
続用複合金属粒子1重量部に対して、光硬化性樹脂、熱
硬化性樹脂、熱可塑性樹脂から選ばれた1種以上の有機
バインダーを0.1〜30重量部含有していることを特
徴とする。また、請求項6に係る接続用ペーストは、請
求項5記載の接続用ペーストにおいて、前記基板電極が
銅、錫めっき銅、金、はんだめっき銅、アルミニウム、
銀、ニッケル、パラジウム、白金、ITOガラス、IO
ガラス電極から選ばれた一種以上であることを特徴とす
る。また、請求項7に係る接続基板は、請求項5または
6記載の接続用ペーストを用いて接続される接続基板
が、液晶パネル基板、プリント回路基板、ハイブリッド
IC基板のいづれかであることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に述べる。本
発明の複合金属粒子の平均粒子径および粒子径分布につ
いては、レーザー回折型粒度分布測定装置(HELOS
&RODOS:日本レーザー)或いは走査型電子顕微鏡
(SEM:日立製作所製S−2700)を用いて測定し
た。測定値は体積基準の粒径分布を用い、平均粒子径は
体積積算基準で50体積%の値を用いた。
【0014】本発明における複合金属粒子の含有酸素量
は粒子の表面、内部すべてのトータルの酸素量で、不活
性ガスインパルス加熱融解法による酸素・窒素同時分析
装置(堀場製作所製EMGA650)で測定することが
できる。含有酸素量が3000ppmを越えると、酸化
膜による導電性不良が生じる可能性がある。好ましい含
有酸素量は2000ppm以下であるが、さらに好まし
くは1500ppm以下である。
【0015】本発明者らが開発した複合金属粒子の構成
金属は半導体素子の誤動作を引き起こす可能性があるα
線の放出、人体に対して毒性があり、環境問題として削
減が訴えられている鉛を含まない金属粒子であるという
事を特長とし、常温、常圧において金属状態となる元素
の中で、金、銀、銅、錫、ビスマス、亜鉛、ニッケル、
パラジウム、クロム、インジウム、アンチモン、アルミ
ニウム、ゲルマニウム、シリコン、ベリリウム、タング
ステン、モリブデン、マンガン、タンタル、チタン、ネ
オジウム、マグネシウムのうち、いずれか3種類以上で
平均粒子径3〜40μm、含有酸素量が3000ppm
以下である事を特長としている。
【0016】好ましい構成元素は金、銀、銅、錫、ビス
マス、亜鉛、ニッケル、パラジウム、クロム、インジウ
ム、アンチモン、アルミニウム、ゲルマニウム、シリコ
ン、ベリリウムであり、さらに好ましくは金、銀、銅、
錫、ビスマス、亜鉛、インジウム、ゲルマニウムであ
る。なお、複合金属粒子の表面及び表面近傍の錫、銅、
ビスマス、銀等の濃度は、英国VG社製X線光電子分光
分析装置ESCALB200―X型を用いて、表面から
の深さ30A程度の表面濃度として求めたものである。
この際の錫濃度はSn3d(MgのKα線)、銅濃度は
Cu3p(MgのKα線)、ビスマスはBi4f(Mg
のKα線)、銀濃度はAg3d(AlのKα線)のピー
クを利用し、エネルギーカウント値を重量%に換算して
求めたものである。一方、金属粒子の各粒子の各元素の
平均濃度は、試料を濃硝酸中で溶解したものを、高周波
誘導結合型プラズマ発光分析計(セイコー電子工業
(株)製JY38P―P2型)を使用して測定したもの
である。
【0017】複合金属粒子の中心核金属粒子[m]は、
一般式AgxCuy[0.001≦x≦0.4、0.6
≦y≦0.999、x+y=1(原子比)]で表され、
平均粒子径は0.05〜30μm、中心核金属粒子の含
有酸素量が1〜2500ppm、かつ中心核粒子表面の
Ag濃度が粒子の平均Ag濃度より高い領域を有し、中
心核粒子表面が微細な凸凹形状(凸部と凹部の高さの差
が1μm以下)をしている事を特長とする複合金属粒子
であり、接続時に複合金属粒子が熱や荷重等の影響でひ
しゃげて、不具合を引き起こすことを防止する事を発明
した。
【0018】この際の複合金属粒子の核となる金属粒子
のAg量xは、0.001未満では充分な耐酸化性が得
られず、0.4を越える場合には金属粒子の製造コスト
が高くなる。好ましいAg量xの範囲としては0.00
5≦x≦0.3であり、さらに好ましくは0.02≦x
0.25である。また、複合金属粒子の中心核となる金
属粒子は、粒子表面のAg濃度が平均のAg濃度より高
く、表面のAg濃度が平均のAg濃度の1.4倍以上で
あり、さらには2.1倍以上であることが望ましい。複
合金属粒子の中心核となる金属粒子の表面及び表面近傍
のAg濃度としては、英国VG社製X線光電子分光分析
装置ESCALAB200−X型を用いて、表面からの
深さ30Å程度の表面Ag濃度として求めたものであ
る。なお、この際のAg濃度は、Ag3d5/2(Al
のKα線)とCu3p(MgのKα線)のピークを比較
して求めたものである。一方、平均Ag濃度は、試料を
濃硝酸中で溶解したものを、高周波誘導結合型プラズマ
発光分析計(セイコー電子工業(株)製JY38P−P
2型)を使用して測定したものである。
【0019】中心核粒子表面のAg濃度が粒子の平均A
g濃度より高い領域を有する事を特長としているため
に、金属粒子中心核の耐酸化性が向上し、ニッケル下地
処理(一般的に言われている拡散防止層の形成)を必要
とせず、中心核のAg−Cu合金層とその外側の層で合
金層ができる特長を示している。平均粒子径は0.05
〜30μmであることを特徴とするが、複合化した後の
平均粒子径が40μmを超える場合には、存在粒子が大
きすぎて、つぶれた場合に隣の電極と接点を有し、リー
ク電流を発生させてしまい好ましくないので、中心核と
なる金属粒子の平均粒子径は30μm以下が好ましい。
【0020】平均粒子径0.05μm未満の場合には、
電極間での粒子が電極の厚さより小さくなって接点が不
十分になり、さらに、粒子間の凝集が大きくなり分散が
非常に困難となる。また、金属粒子間の凝集力が強くな
り、複合化も困難となる。好ましい平均粒径は、2〜2
0μmで、さらに好ましくは3〜10μmである。本発
明の中心核金属粒子[m]の平均粒子径および粒子径分
布については、レーザー回折型粒度分布測定装置(HE
LOS&RODOS:日本レーザー)或いは走査型電子
顕微鏡(SEM:日立製作所製S−2700)を用いて
測定した。測定値は体積基準の粒径分布を用い、平均粒
子径は体積積算基準で50体積%の値を用いた。
【0021】本発明における中心核金属粒子の含有酸素
量は粒子の表面、内部すべてのトータルの酸素量で、不
活性ガスインパルス加熱融解法による酸素・窒素同時分
析装置(堀場製作所製EMGA650)で測定すること
ができる。含有酸素量が2500ppmを越えると、酸
化膜による導電性不良が生じる可能性がある。好ましい
含有酸素量は2000ppm以下であるが、さらに好ま
しくは1500ppm以下である。また、中心核金属粒
子表面が非常に微細な凸凹形状(凸部と凹部の高さの差
が1μm以下)をしているために、外側の層との接合で
は強度アップに適しているアンカー効果のようになって
いて、金属粒子中心核とその外側の層との剥離が起こら
ない構造になっている事も見いだした。
【0022】本発明の複合金属粒子の中心核となる金属
粒子の製法は、かかる組成の金属融液を高圧の不活性ガ
スによりアトマイズして得られるものであるが、特に、
窒素ガス、ヘリウムガスを用いるのがよい。粒子形状は
球状が好ましいが、球状よりはるかにはずれたものであ
ると基板電極とLSIチップ電極間に存在する粒子の
中、両接点を有することのない組み合わせが生じてしま
いやすい。
【0023】本発明の複合金属粒子をLSIチップ電極
等の電子部品の電極と基板電極との接合に使う場合、公
知の方法で構わない。例えば、基板上の電極部上に光硬
化性の樹脂を塗布し、さらに、マスクを用いて接続電極
部以外を硬化し、さらに、粘着性を用いて導電性粒子を
電極部にくっつけた後、接着剤を電極部以外に塗布して
加圧、加熱あるいは光硬化して用いる。また、公知方法
である導電性粒子に適当な有機バインダーを用いて導電
性粒子を分散させたものをLSIチップ電極あるいは基
板電極上に塗布して、加熱あるいは光硬化、必要に応じ
て加圧してLSIチップ電極と基板電極との接合を行う
ことができる。この場合のLSIチップ電極の大きさと
しては、40μmから150μm程度の通常のLSIチ
ップ電極を有するものが使用できる。また、LSIチッ
プ電極に金バンプまたははんだバンプを形成したもので
も使用できる。
【0024】本発明は、前記組成の複合金属粒子に対し
て、さらに、有機バインダーを含有してなるペーストも
提供するものである。本発明のペーストは、導電性粒子
1重量部に対して、有機バインダー0.1〜30重量部
含有してなるが、熱硬化型樹脂、熱可塑性樹脂として
は、熱可塑性アクリル樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニ
ル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂、スチレン系樹脂などがあげられる。
【0025】有機バインダーが0.1重量部未満の場合
には、ペースト化しにくいのと前記導電性粒子の使用方
法のように、基板とICチップ接合用の接着剤が必要に
なる。30重量部を越える場合には、電極間に存在する
導電性粒子の確率が低くなり、好ましくない。好ましく
は、0.3〜20重量部、さらに、好ましくは、0.3
〜10重量部である。熱硬化型樹脂としては、エポキシ
樹脂、レゾール型フェノール樹脂、アミノ樹脂、ポリウ
レタン樹脂、ポリイミド樹脂、熱硬化性アクリル樹脂か
ら選ばれた1種類以上があげられる。
【0026】エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA
型、ビスフェノールF型、ブロム化ビスフェノールA
型、脂環式エポキシ、鎖状エポキシ、エポキシアクリレ
ート、脂肪酸変性エポキシ、ポリアルキレンエーテル
型、ジグリシジルエステル型などがあげられる。液状エ
ポキシ樹脂、また、必要に応じて、公知の反応性希釈剤
を用いることもできる。例えば、ジグリシジルエーテ
ル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,3
ブタンジオールジグリシジルエーテル、ジエチレングリ
コールジグリシジルエーテルなどがあげられる。
【0027】レゾール型フェノール樹脂としては、フェ
ノール・ホルムアルデヒド型レゾール型樹脂、アルキル
フェノールレゾール型樹脂、キシレン樹脂変性レゾール
型樹脂、ロジン変性フェノール樹脂などがあげられる。
ポリイミド樹脂としては、縮合型ポリイミドやビスマレ
イド系樹脂、付加型ポリイミド樹脂があげられる。ポリ
ウレタン樹脂としては、ウレタンを形成するウレタンプ
レポリマーが使用できるが、好ましくは、末端活性イソ
シアート基を活性水素化合物でブロックしたブロックイ
ソシアヌレートプレポリマーを主体にするものが好まし
い。これらの熱硬化型樹脂の中では、エポキシ樹脂を用
いるものが好ましい。中でも、ビスフェノールA型、F
型のエポキシ樹脂が好ましい。中でも、無溶剤型のエポ
キシ樹脂を用いるのが好ましい。必要に応じて硬化剤を
用いることができ、イミダゾール系硬化剤、有機ポリア
ミン、酸無水物、ジシアンジアミド、ベンゾグアナミン
などの公知のものを使用するのが好ましい。
【0028】紫外線硬化型樹脂を用いる場合には、光重
合性オリゴマー、光重合性モノマーを光開始助剤ととも
に用いられる。光重合性オリゴマーとしては、低分子量
反応性分子(数百から数千)で、ポリエステル、エポキ
シ、ウレタンなどの骨格に官能基としてアクリル基、メ
タアクリル基が2つ以上付加したものであり、例えばエ
ポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエス
テルアクリレート、ポリエーテルアクリレートが挙げら
れる。
【0029】光重合性モノマーとしては、アクリロイル
基(CH2=CHCO―)または、タクリロイル基(C
2C(CH3)CO―)を1分子当たり1個または2個
以上持つものであり、1個以上持つ単官能アクリレート
(メタ)、2個以上持つ多官能アクリレート、その他、
ビニル基(CH2=CH―)を持つものが好ましい。例
えば、アルリアクレート、アリルメタアクリレート、ベ
ンジルアクリレート(メタ)、N、N―ジメチルアミノ
エチルアクリレート、ク゛リンシジルメアタクリレート、
ポリエチレナクレート90メタアクリレート、トリフロロ
アクリレートなどが挙げられる。
【0030】多官能アクリレートとしては、例えば、
1,4ブタンジオールアクリレート、ジエチレングリコ
ールアクリレート、ネオペンチルグリコールアクリレー
ト、ポリエチレングリコール400ジアクリレート、トリ
プロピレングリコールジアクリレート、ビスフェノール
Aジエトキシジアクリレート、テトラエチレングリコー
ルジアクリレート、トリメチロールプロパンアクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリアクリレート等が挙げら
れる。ビニル基を有する反応性モノマーとしては、例え
ば、スヒレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、N―ビニ
ルピロリドン等の単官能モノマーが使用できる。
【0031】前記光重合性オリゴマー、モノマーととも
に用いられる光開始剤は、紫外線を吸収してラジカルを
発生しやすい物性が好ましく、アセトフェノン系、チオ
キサントン系、ベンゾイン系、パーオキサイド系の公知
の物質を用いることができる。光開始助剤としては、そ
れ自身は紫外線照射により活性化はしないが、光開始剤
とともに用いると光開始剤単独よりも開始反応が促進さ
れ、硬化反応を効率的にするものであり、脂肪族、芳香
族のアミノなどの公知の光開始助剤を使用できる。例え
ば、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールア
ミン、ミヒラーケトン、4、4−ジエチルアミノフェノ
ンなどが挙げられる。紫外線硬化型樹脂を用いる場合に
は、加熱硬化型樹脂と同様にして溶剤のガス発生防止の
点から無溶剤が好ましい。
【0032】紫外線硬化型樹脂を用いる場合には、加熱
硬化型樹脂と同様に、溶剤の揮発によるガス発生を防止
するため無溶剤で用いるのが好ましい。ただし、特性を
損なわない程度であれば多少の公知の無溶剤を用いるこ
ともできる。溶剤を用いる場合には、メチルカルビトー
ル、エチルカルビトール、ブチルカルビトール及びそれ
らのアセテート、メチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ、ブチルセロソルブ及びそれらのアセテート、2、
2、4―トリメチルー1、3ペンタンジオールモノイソ
ブチレート、テルペノール、キシレン、酢酸ブチル、ト
ルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトンなどが挙げられるがこれらに限ったもので
はない。
【0033】ペーストとして用いる場合には、公知のカ
ップリング剤、沈降防止剤、酸化防止剤などを用いるこ
とができる。例えば、シランカップリング剤、チタンカ
ップリング剤、アルミカップリング剤等、コロイダルシ
リカ、酸化ポリエチレン、等、高級脂肪酸、ハイドロキ
ノン系化合物、フェノール系化合物、アルカノールアミ
ン等が挙げられるがこれらに限るものではない。これら
添加剤量としては導電性粒子1重量部に対して、0.0
01〜0.1重量部が良い。
【0034】ペーストとして用いる場合の基板電極も、
導電性粒子として使用する場合と同様に、ガラスエポキ
シ樹脂基板、紙フェノール樹脂基板、アルミナ基板、窒
化アルミニウム基板、ポリイミド樹脂基板、ポリイミド
樹脂基板、ポリフェニレンサルファイド樹脂基板、ガラ
ス基板などのリジッドのものやフレキシブルな基板、低
温焼成セラミックス基板などの回路基板上に形成された
導体回路、電極や、液晶パネル上に形成されたITO
(インジウムー錫酸化物)IO(インジウム酸化物)電
極などを意味するものである。
【0035】かかる組成のペーストを基板電極上にコー
ティングする場合、公知のコーティング方法で構わな
く、例えば、スピンコーティング、スクリーン印刷、マ
イクロディスペンサー法などがあげられるがとくに指定
されるものではない。コーティング厚さは、導電性粒子
の粒子径、電極の厚さにもよるが、5〜1000μm程
度の厚さでコートされるのがよい。さらに、10〜20
0μmが好ましく、10〜50μmが最も好ましい。コ
ーティングされた後、必要に応じて100℃以下で乾燥
する。さらに、LSIチップの電極(場合によっては金
バンプ、はんだバンプが形成された電極)を基板電極接
合位置にセットする。
【0036】次に、接合して、加熱乾燥、加熱硬化ある
いは光硬化を加圧して行う。この時、加熱硬化するとき
は、前記にある有機バインダーの硬化条件に合わせて行
うのが好ましい。ただし、基板が液晶パネルのように高
い硬化温度が使用できない場合には、低温度で硬化する
のが好ましい。液晶パネル基板の場合には、200℃以
下が好ましく、さらに130℃以下が好ましく、100
℃以下が最も好ましい。硬化時間もLSIチップの安定
性、基板の安定性から短時間で行うのが好ましく、例え
ば液晶パネルにLSIチップ実装する場合では、数秒か
ら数分程度で行うのがよい。加熱方法は特に指定は無
く、例えば、遠赤外線炉、熱風乾燥機、近赤外線炉、V
PS炉等が挙げられる。加圧する場合には、電極当た
り、0.2〜100ニュートン/電極の程度の加圧が必
要である。
【0037】有機バインダーが光硬化性樹脂例えばUV
硬化性樹脂を用いる場合、基板によって照射するのが好
ましい。基板に透光性が十分ない場合には、横から照射
するのが良い。この場合にも同時に加圧して接合を安定
にするのが好ましい。前記に示されるように、LSIチ
ップを導電性粒子を用いて直接接合する場合、あるいは
導電性粒子を有機バインダーに必要量分散させ加熱硬化
あるいは光硬化して接合する場合について示したが、接
合された状態においては、LSIチップ電極(金バンプ
あるいははんだバンプが形成された場合も含む)と基板
電極間に導電性粒子が両方に接点を有して存在している
ことになるが、存在状態は、導電性粒子が多少つぶれた
状態すなわち粒子が面で両電極に接触していることにな
る。
【0038】LSIチップ電極は種類にもよるが、電極
の一片の大きさが40μmから150μm程度と小さ
く、電極間(電極ピッチ)も40μmから200μmと
狭いことから、面接触状態のほうが、単に粒子が点接触
している場合よりも十分な導通が得られることになる。
LSIチップ電極と基板電極間の導電性は、電極の大き
さにもよるが、0.1mΩ〜4mΩ/cm程度の抵抗
値が電極間で得れるのが良い。電極間の抵抗値(あるい
は導電性の耐環境性試験は、60℃/90%湿度中 1
000時間、―55℃/30分 125℃/30分 1
000サイクルでの両電極間での抵抗値変化を測定し
た。変化率が初期抵抗値の2倍未満である場合を良好と
した。
【0039】マイグレーション試験は基板上の隣り合う
電極間に10V印可したまま、60℃/90%湿度中に
1000時間放置後の絶縁性を測定し、10オーム以
上である場合を正常値とした。また、10オーム以下
をマイグレーション(絶縁破壊)が生じたとした。電極
間の導電粉末の形状、状態の観察は、断面をダイヤモン
ドカッターで切断した後、研磨し、電子顕微鏡で観察し
た。
【0040】
【実施例1】次に、実施例及び比較例に基づいて本発明
を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限
定されるものではない。以下実施例と比較例によって本
発明を具体的に説明する。 (1)複合金属粒子の製造 Cu粒子(純度99重量%以上)16kgとAg粒子
(純度99重量%以上)4kgを黒鉛るつぼに入れ、高
周波誘導加熱装置により1400℃に融解、加熱した。
雰囲気は99体積%以上の窒素中で行った。次に、この
融解金属をるつぼの先端より、ヘリウムガス雰囲気の噴
霧槽内に導入した後、るつぼ先端付近に設けられたガス
ノズルから、ヘリウムガス(純度99体積%以上、酸素
濃度0.1体積%、圧力3.2MPaG)を噴出してア
トマイズ(真壁技研製)を行い、金属粒子を作製した。
得られた金属粒子を走査型電子顕微鏡(日立製作所製S
−2700)で観察したところ球状(体積平均粒子径1
2μm)であった。この金属粒子表面のAg濃度をX線
光電子分光分析法(英国VG社製X線光電子分光分析装
置ESCALAB200−X型)により測定し、金属粒
子の平均Ag濃度は濃硝酸中で溶解しプラズマ発光分析
法(セイコー電子工業(株)製JY38P−P2型)に
より測定した。得られた金属粒子の表面と平均のAg濃
度比は2.2であった。
【0041】また、エポキシ樹脂にて包埋し、金属粒子
断面の電子顕微鏡観察を実施したが、金属粒子内部にボ
イドはなく、凸部と凹部の高さの差は0.5μmであっ
た。得られた複合金属粒子を気流式分級機(日清エンジ
ニアリング製)で分級した。得られた分級粉は平均粒径
5.0μmであり、酸素含有量は1200ppmであっ
た。また、5.0±2μmに含まれる分級粉の存在割合
は99%以上であった。
【0042】前述した方法により得られた複合金属粒子
を核として、回転めっき装置(上村工業製フロースルー
プレーターRP−1)にて、めっき前処理は水洗のみで
Snめっきを行った。Snめっき液はSn/Pb共晶は
んだめっき用の液組成からPb成分を除去した組成であ
り、めっき温度は25度、電流密度は0.15A/dm
、めっき時間1時間で行った。得られた複合金属粒子
を走査型電子顕微鏡にて100個観察した結果、体積平
均粒径が8μmであった。断面観察によるめっき厚みは
2μmであった。
【0043】さらに、粒子表面及び中心の元素分析(堀
場製作所製EMAX−5770)を実施したところ、次
のような結果が得られた。なお、分析に使用した線種は
Ag;Lα線、Cu;Kα線、Sn;Lα線であり、エ
ネルギーカウント値を重量%に換算した。 次に最表面の元素分析(表面からの深さ30Å程度)を
X線光電子分光分析法にて実施した。分析に使用したピ
ークは、Ag3d3/2 (MgのKα線)とCu3p
(MgのKα線)、Sn3d5/2(MgのKα線)であ
る。その結果、最表面にはSnしか存在していない事を
確認した。
【0044】最後にこの複合金属粒子を島津製作所製D
SCー50により窒素雰囲気下で吸熱ピーク温度(融点
を示す)を測定した。その結果、217度、353度、
490度、610度に吸熱ピークが存在した。測定装置
の操作温度の上限は720度であり、核として使用して
いる合金粒子の融点は不明だったので、真空理工製の高
温顕微鏡にて窒素雰囲気下にて核の金属粒子のみ別途測
定したところ、780度付近で金属粒子が球状を維持で
きなくなり、990度で完全に溶解する事を観察でき、
DSC測定により得られた吸熱ピークはめっき層由来で
ある事を確認した。
【0045】(2)複合金属粒子の評価1 LSIチップ上の電極(50×50μm)上に、UV硬
化性樹脂を1μm厚みで塗布した。さらに、マスクを用
いて電極部以外を光硬化した。上記(1)で得られた複
合金属粒子をチップの電極部上に重ならないように分散
付着させた。LSIチップを真空吸着して、すでにIT
O電極(80〜100μm)が形成されている液晶パネ
ル上に電極部が対抗するようにセットした。この時、I
TO電極間にICチップ接続用の光熱硬化併用型接着剤
を塗布しておき、ICチップを接合した後、UV照射硬
化した。さらに、2ニュートン/電極の加圧して、10
0℃/20秒で硬化した。硬化後の接合状態は、ICチ
ップ電極とITO電極間に複合金属粒子が存在してお
り、抵抗値は0.2mΩ/cmで良好であった。環境
試験後では、変化率が40%以内で良好であった。
【0046】(3)複合金属粒子の評価2 上記(1)で得られた複合金属粒子1重量部に対して、
エポキシアクリレート5重量部、アリルメタアクリレー
ト2重量部、チオキサントン系開始剤0.2重量部、及
び少量の溶剤を混合してペーストとした。作製したペー
ストをITO電極(厚さ1000オングストローム、幅
50μm×80μm)がすでに形成されている液晶パネ
ル上に均一に20μm厚みでコーティングした。電極パ
ッド(アルミニウム50×80μm)を227パッド有
するLSIチップ(6×13mm)を接続電極どうしが
対向するように接合して、液晶パネル側からUV照射し
て硬化した。さらに、100℃/10秒間加熱しなが
ら、各電極パッド当たり0.7ニュートンの圧力で加圧
して電極間の接合をはかった。この時、各電極間では導
電性粒子が存在しており、硬化、加圧により各電極間の
複合金属粒子は変形しており、粒子は面で電極に接触し
ていた。電極間以外のところでは、粒子は相互に接触し
ておらず、絶縁であった。
【0047】
【実施例2】(1)複合金属粒子の製造 実施例1と同様に不活性ガスアトマイズを行い分級後、
この金属粒子を核として、回転めっき装置にて、めっき
前処理は水洗のみでSn/Biめっきを行った。Sn/
Biめっき液はSnめっき液にBiを5重量%添加した
組成であり、めっき温度は25度、電流密度は0.15
A/dm、めっき時間1時間で行った。得られた複合
金属粒子を走査型電子顕微鏡にて100個観察した結
果、体積平均粒径が7.5μmであった。また、複合金
属粒子をエポキシ樹脂にて包埋し、研磨後に走査型電子
顕微鏡にて断面観察を行った。断面観察によるめっき厚
みは1.5μmであった。さらに、粒子表面及び中心の
元素分析を実施したところ、次のような結果が得られ
た。なお、分析に使用した線種はAg;Lα線、Cu;
Kα線、Sn;Lα線、Bi;Mα線であり、エネルギ
ーカウント値を重量%に換算した。
【0048】次に最表面の元素分析(表面からの深さ3
0Å程度)をX線光電子分光分析法にて実施した。分析
に使用したピークは、Ag3d3/2(MgのKα線)と
Cu3p(MgのKα線)、Sn3d5/2(MgのKα
線)、Bi4f(MgのKα線)である。その結果、最
表面にはSnとBiが存在している事を確認した。存在
比はSnが46重量%でBiが54重量%であった。さ
らに、この複合金属粒子をDSCにより窒素雰囲気下で
吸熱ピーク温度(融点を示す)を測定した。その結果、
138度、217度、353度、490度、610度に
吸熱ピークが存在した。核として使用している金属粒子
の融点を高温顕微鏡にて窒素雰囲気下にて別途測定した
ところ、780度付近で金属粒子が球状を維持できなく
なり、990度で完全に溶解する事を観察でき、DSC
測定により得られた吸熱ピークはめっき層由来である事
を確認した。
【0049】(2)複合金属粒子の評価1 LSIチップ上の電極(50×50μm)上に、UV硬
化性樹脂を1μm厚みで塗布した。さらに、マスクを用
いて電極部以外を光硬化した。上記実施例2−(1)で
得られた複合金属粒子をチップの電極部上に重ならない
ように分散付着させた。LSIチップを真空吸着して、
すでにITO電極(80〜100μm)が形成されてい
る液晶パネル上に電極部が対抗するようにセットした。
この時、ITO電極間にICチップ接続用の光熱硬化併
用型接着剤を塗布しておき、ICチップを接合した後、
UV照射硬化した。さらに、2ニュートン/電極の加圧
して、100℃/20秒で硬化した。硬化後の接合状態
は、ICチップ電極とITO電極間に複合金属粒子が存
在しており、抵抗値は0.2mΩ/cmで良好であっ
た。環境試験後では、変化率が40%以内で良好であっ
た。
【0050】(3)複合金属導電性粒子の評価2 実施例2―(1)で得られた複合金属粒子1重量部に対
して、ポリエステルアクリレート6重量部、酢酸ビニル
1重量部、アセトフェノン系開始剤0.02重量部、及
び少量の溶剤で作製したペーストを、銅箔をすでにエッ
チング処理して回路が形成されている厚さ70μmポリ
イミドのフレキシブルプリント基板上に均一に20μm
コーティングした。さらに、電極パッド(金めっき 5
0×80μm)を2260電極有するLSIチップ(6
×6mm)を50×80μm銅パッド上に接続電極どう
しが対向するようにセットし、接続の横方向からUV照射
した。さらに、100℃/20秒加熱硬化した。この
時、同時に1ニュートン/電極の圧力で硬化させた。各
電極間に導電性粒子が存在していることが確認できた。
また、電極間導電性は0.2mΩ/cmで良好であっ
た。電極間の複合金属粒子は、変形していることが確認
され両電極接点では、面で変形していた。耐環境試験後
の結果、変化率は40%と低かった。電極間以外の箇所
では、絶縁であった。
【0051】
【実施例3】(1)導電性粒子の評価1 LSIチップ上の電極(50×50μm)上に、UV硬
化性樹脂を1μm厚みで塗布した。さらに、マスクを用
いて電極部以外を光硬化した。上記実施例2−(1)で
得られた複合金属粒子をチップの電極部上に重ならない
ように分散付着させた。LSIチップを真空吸着して、
すでにITO電極(80〜100μm)が形成されてい
る液晶パネル上に電極部が対抗するようにセットした。
この時、ITO電極間にICチップ接続用の光熱硬化併
用型接着剤を塗布しておき、ICチップを接合した後、
UV照射硬化した。さらに、2ニュートン/電極の加圧
して、100℃/20秒で硬化した。硬化後の接合状態
は、ICチップ電極とITO電極間に複合金属粒子が存
在しており、抵抗値は0.2mΩ/cmで良好であっ
た。環境試験後では、変化率が40%以内で良好であっ
た。
【0052】(2)導電性粒子の評価2 実施例2―(1)で作製した複合金属粒子1重量部に対
して、液状エポキシ樹脂5重量部、イミダゾール系硬化
剤0.1重量部、トリエタノールアミン0.1重量部を
混合して、ペーストとした。作製したペーストを低温焼
成セラミックス基板にすでに銅厚膜導体が作製されてい
る回路上にコーティングした。さらに、LSIチップ
(6×6mm)(電極パッド 金バンプ75μm径)を
銅厚膜電極上に位置合わせして接合した。さらに、15
0℃/30秒で加熱硬化した。この時、同時に50ニュ
ートン/電極の圧力をかけて接合した。電極間の抵抗値
は0.3mΩ/cmと良好であった。
【0053】
【比較例1】(1)導電性粒子の製造 錫粒子(純99.9%以上)5.0kg、黒鉛るつぼ中
で500℃まで高周波誘導加熱を用いて溶解した。金属
融液をるつぼ先端より噴出し、噴出と同時に2.5MP
aGのヘリウムガス(純度99体積%以上、酸素濃度
0.1体積%)を金属融液に対して噴出しアトマイズし
た。得られた粒子は、球状で平均粒子径10μmであっ
た。この粒子を気流式分級機(日清エンジニアリング
製)で分級した。得られた分級粉は平均粒径8.5μm
であった。8.5±2μmに含まれる分級粉の存在割合
は99%以上であった。また、分級後の導電性粒子の酸
素含有量は1500ppmであった。
【0054】また、この分級後の導電性粒子を島津製作
所製DSC−50により窒素雰囲気下で吸熱ピーク温度
(融点を示す)を測定した。その結果232℃に吸熱ピ
ークが存在し、錫である事を確認した。 (2)導電性粒子の評価1 実施例1−(2)と同じ方法で、比較例1−(1)で製
造した導電性粒子を用いてLSIチップ実装した。電極
間の抵抗値は、0.2mΩ/cm2と良好であったが、
一部導電性粒子間が接触しているものが見られた。環境
試験(マイグレーション試験)の結果では、LSIチッ
プの電極間でのマイグレーションは観測されていない。
【0055】(3)導電性粒子の評価2 実施例1−(3)と同じ方法で、比較例1−(1)で製
造した導電性粒子を用いてLSIチップに実装した。電
極間の抵抗値は100mΩ/cm2と高く、かつ環境試験後
の電極間の抵抗変化率は500%と大きかった。導電性粒
子は粒子間で一部溶解し、接続されている状態が見られ
た。
【0056】
【発明の効果】本発明は、LSIチップ実装するとき
の、導電接点として用いる導電性粒子に関するが、従来
の高価な金めっき粉末を使わない、低温接合を可能に
し、適度の柔軟性をもった安定した低抵抗接合と優れた
耐環境性を提供する複合金属粒子及びその複合金属粒子
を用いたペーストである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子部品電極と基板電極との接続用複合
    金属粒子であって、該複合金属粒子は、融点の高い金属
    合金を中心核[m]と、該中心核の外側の層を中心核か
    ら外側に向かって順番に[m+1]層、[m+2]層・
    ・・[m+n]層とより成り中心核及びそれぞれの層の
    融点を(m)mp、(m+1)mp、(m+2)mp・
    ・・(m+n)mpと表すとき、中心核と各層の融点が
    (m)mp>(m+1)mp>(m+2)mp・・・>
    (m+n)mpで、平均粒子径3〜40μmで平均粒子
    径±2μmの存在割合が75体積%以上、含有酸素量3
    000ppm以下であることを特徴とする接続用複合金
    属粒子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の接続用複合金属粒子にお
    いて、前記複合金属粒子は、3層以上で構成金属が3種
    類以上で、かつ最外層以外の層は前記中心核[m]との
    合金層であって、最外層[m+n]は錫或いは錫合金層
    であり有機バインダーの硬化温度近傍で層表面が溶融す
    ることを特徴とする接続用複合金属粒子。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の接続用複合金属
    粒子において、前記接続用複合金属粒子の構成金属が、
    金、銀、銅、錫、ビスマス、亜鉛、ニッケル、パラジウ
    ム、クロム、インジウム、アンチモン、アルミニウム、
    ゲルマニウム、シリコン、ベリリウム、タングステン、
    モリブデン、マンガン、タンタル、チタン、ネオジウ
    ム、マグネシウムのうち、いずれか3種類以上含み、平
    均粒子径3〜40μm、含有酸素量が3000ppm以
    下であることを特徴とする接続用複合金属粒子。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3記載の接続用複合金属粒
    子において、前記中心核[m]が、一般式AgxCuy
    [0.001≦x≦0.4、0.6≦y≦0.999、
    x+y=1(原子比)]で表され、平均粒子径は0.0
    5〜30μm、中心核金属粒子の含有酸素量が1〜25
    00ppm、かつ中心核粒子表面のAg濃度が粒子の平
    均Ag濃度より高い領域を有し、中心核粒子表面が微細
    な凸凹形状(凸部と凹部の高さの差が1μm以下)をし
    ていることを特徴とする接続用複合金属粒子。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4に記載の接続用複合金属
    粒子1重量部に対して、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、
    熱可塑性樹脂から選ばれた1種以上の有機バインダーを
    0.1〜30重量部含有していることを特徴とする電子
    部品電極と基板電極との接続用ペースト。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の接続用ペーストにおい
    て、前記基板電極が銅、錫めっき銅、金、はんだめっき
    銅、アルミニウム、銀、ニッケル、パラジウム、白金、
    ITOガラス、IOガラス電極から選ばれた一種以上で
    あることを特徴とする接続用ペースト。
  7. 【請求項7】 請求項5または6記載の接続用ペースト
    を用いて接続される接続基板が、液晶パネル基板、プリ
    ント回路基板、ハイブリッドIC基板のいづれかである
    ことを特徴とする接続基板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100520655B1 (ko) * 2001-11-10 2005-10-13 삼성전자주식회사 직교 주파수 분할 다중 이동 통신 시스템에서 주파수다이버시티를 이용하는 재전송 장치 및 방법
JP2008012576A (ja) * 2006-07-07 2008-01-24 Fuji Electric Holdings Co Ltd ソルダーペースト組成物及びそれを用いたプリント配線基板への電子部品実装方法
US7357883B2 (en) * 2005-10-03 2008-04-15 Denso Corporation Conductive adhesive, method of producing the same, and bonding method

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