JP2001297631A - 異方導電性フィルム - Google Patents

異方導電性フィルム

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JP2001297631A
JP2001297631A JP2000112018A JP2000112018A JP2001297631A JP 2001297631 A JP2001297631 A JP 2001297631A JP 2000112018 A JP2000112018 A JP 2000112018A JP 2000112018 A JP2000112018 A JP 2000112018A JP 2001297631 A JP2001297631 A JP 2001297631A
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anisotropic conductive
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conductive film
electrode
particles
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Shuichi Nakada
秀一 中田
Yasuki Shimamura
泰樹 島村
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Asahi Kasei Corp
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 構成金属中に鉛を含まず、低融点合金層
を有し、有機バインダーの硬化温度近傍で粒子表面が溶
融する事を特長とする導電性粒子に有機バインダーを混
合してなる異方導電性フィルム。 【効果】 低温接続性、導電性、耐酸化性、耐マイグレ
ーション性、分散性に優れ、かつ鉛を含まないために人
体や環境にも優しい、変形しやすく、ファインピッチで
も電流密度が充分に得られる異方導電性フィルムを提供
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性粒子を用い
てなる異方導電性フィルム及びそのフィルムを用いてな
る異方導電体に関するものであり、駆動IC回路を有す
るフレキシブルフィルムを取り付け端子電極に直接ボン
デイング(例えばTAB(Tape Automated Bondin
g))してなる液晶パネル、液晶テレビ、液晶ビデオカ
メラ、サーマルヘッド、太陽電池、電卓、ファミリーコ
ンピューター、ハイブリッドIC導体回路基板、プリン
ト回路基板、低温焼成用多層基板の外層チップ実装、フ
レキシブルプリント基板の導体回路基板との接続などに
応用できる。
【0002】
【従来の技術】最近、液晶パネル等の高密度化、カラー
化が進む中で、駆動用IC回路のパネルへの接続が重要
な因子になってきている。従来から、プリント配線板や
液晶パネル電極に、絶縁フィルム上にICあるいはLS
I実装され形成された導体回路(例えばTAB(Tape
Automated Bonding))を接続する場合、絶縁フィ
ルム上の接続電極(TABフィルム外部接続リード)を
はんだ付けにより直接接続する方法とか、導電性粒子を
有機バインダーに分散させたもので接続する方法があ
る。
【0003】これらに用いられる導電性粒子は、数μm
から数十μmのポリエチレン、ポリプロピレン、ポリス
チレン等の樹脂粒子の表面に金あるいはニッケルをめっ
きした粒子等(例えば、特開平4―242010号公
報)や、はんだ粉末、ニッケルが用いられてきた。有機
バインダーとしては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ス
チレンブタジエン樹脂、ブチラール樹脂など公知の熱硬
化型あるいは熱可塑性樹脂が用いられてきた。
【0004】異方導電性フィルム状の場合には、厚さが
10〜40μmで、幅2〜6mm、有機バインダー中に
導電性粒子を分散させた長さ数mから数十mのものが一
般的に公知である。異方導電性フィルムによる接続は、
例えば液晶パネルの場合には、液晶パネル側の取り出し
電極(数本〜数十本ライン/mm:<ピッチ数百μm>
上に異方導電接続用フィルムを貼り合わせ、50〜12
0℃程度の温度、0.1〜7MPa程度の圧力で軽く接
着させる。この時、異方導電性フィルムに取り扱い易い
ためにガイドとしてテトラフルオロエチレン、ポリエチ
レン、ポリプロプレン、ポリエチレンテレフタレート等
のガイドテープを異方導電性フィルムに貼り併せあるい
は硬化しておき、液晶パネル側あるいはフレキシブル絶
縁フィルム側に接着後ガイドテープをはぎ取ることも行
われている。
【0005】異方導電性フィルムを接続後、駆動用IC
回路の乗った絶縁フィルム(例えばポリイミドフィル
ム)の接続電極を対向のパネル電極(基板電極)に向か
うように位置合わせして押さえつけ、50〜230℃程
度の温度で0.1〜18MPa程度の圧力で接続する。
この場合、絶縁フィルムの接続電極と液晶パネル電極
(基板電極)間に存在する異方導電性フィルム中の導電
性粒子が絶縁フィルムの接続電極とパネル電極と両方に
接点を有し(変形するものもある)、絶縁フィルム上回
路と液晶パネル間に電気的接続を確保するものである。
この時、隣り合う基板電極あるいは接続電極同士での電
気的接続は無いように異方導電性フィルム中の導電性粒
子量、粒子径などをコントロールして作製されている。
かりに、隣り合う電極同士での電気的接続があると液晶
素子(液晶マトリックス)が作動しなくなったり、誤表
示をしたりするからである。
【0006】液晶パネル側の基板電極としては、一般に
は、ITO電極(インジウムーすず酸化物)などがあ
り、ガラス基板上に塗布あるいはスパッタ、蒸着により
作製されたものが公知である。また、絶縁フィルムの接
続電極としては、アルミニウム、すずめっき銅などが主
に用いられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記異方導電性フィル
ムに用いられてきた導電性粒子は以下の問題点を含んで
いる。金めっき樹脂粒子、ニッケルめっき樹脂粒子など
のめっき粒子を用いた場合には、基板電極と絶縁フィル
ム接続電極間で加圧されたときに、めっきされた金属成
分の金、ニッケルが樹脂粒子表面から剥がれ落ちること
が生じる。圧力がかかった時に粒子のうち変形するもの
が多くあるが、特に、金めっき層、ニッケルめっき層の
剥がれ落ちがひどくなり電極間での導通の確保が困難に
なる。また、めっきの場合には、完全に樹脂粒子表面を
覆うことが不良な場合が発生したり、異方導電性フィル
ムの作製に際し、有機バインダー中に分散させる時に粒
子の表面からめっきが剥がれてしまう問題も抱えてい
る。
【0008】特に、本質的な欠点として、高密度化、電
極間のファインピッチ化の流れの中で、接続電極と基板
電極間に存在する導電性粒子の数が少なくなり、導電性
が樹脂粒子表面のめっき金属成分しかなく充分な導電性
が確保できないことにある。また、公知金属あるいは合
金粒子を用いる場合には、ニッケル、はんだ粉末などが
公知であるが、ニッケルの場合には、ニッケル表面に酸
化ニッケルの絶縁膜を作り易く接点の抵抗値が高い。ま
た、加圧した場合にも金属或いは合金粒子が変形しにく
く電極との接点の面積がとりにくい。はんだ粉を用いた
場合には、変形はしやすく接点も取れやすいが、スズの
酸化物が表面にできやすく接点抵抗が増加する。
【0009】さらに、鉛のα線発生による人体への影響
や、LSIチップ等の誤動作も重要な欠点の1つであ
る。銅粉を用いた場合には、接点での耐環境性が悪く、
電極間の抵抗値が増加する。銀粉を用いた場合には、隣
り合う電極間が数十μmと狭くなると銀のマイグレーシ
ョンの問題が生じ、隣り合う電極間での短絡が起こりや
すく、また銀は柔らかく、加熱加圧した場合には変形が
かえって起こりやすく接続抵抗が上昇する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は以下のとおりで
ある。つまり、請求項1に係る異方導電性フィルムは、
有機バインダーと導電性粒子とを有する異方導電性フィ
ルムであって、前記導電性粒子1重量部に対して前記有
機バインダーが0.05〜300重量部含有し、前記導
電性粒子は構成する構成金属に鉛を含まず、構成金属の
濃度が粒子表面と粒子内部で連続的に変化し、粒子表面
に低融点層と内部に高融点層とを有し、前記有機バイン
ダーの硬化温度近傍で前記低融点層が溶融することを特
徴とする。
【0011】また、請求項2に係る異方導電性フィルム
は、請求項1記載の異方導電性フィルムにおいて、前記
導電性粒子は構成金属の必須構成金属としての錫、銅、
ビスマスと、残余構成金属としての金、銀、亜鉛、ニッ
ケル、パラジウム、クロム、インジウム、アンチモン、
アルミニウム、ゲルマニウム、リン、シリコン、ベリリ
ウム、カドミウム、タングステン、モリブデン、マンガ
ンの中でいずれか1種類以上の金属より構成され、かつ
平均粒子径3〜40μm平均粒子径±2μmの粒子の含
有率が80体積%以上で、含有酸素量が5000ppm
以下であることを特徴とする。
【0012】また、請求項3に係る異方導電性フィルム
は、請求項1または2記載の異方導電性フィルムにおい
て、前記必須構成金属としての錫を20から80重量
%、銅を10から50重量%、ビスマスを1から10重
量%と、残余構成金属としての金、銀、亜鉛、ニッケ
ル、パラジウム、クロム、インジウム、アンチモン、ア
ルミニウム、ゲルマニウム、リン、シリコン、ベリリウ
ム、カドミウム、タングステン、モリブデン、マンガン
の中でいずれか1種類以上の金属により構成されている
ことを特徴とする。
【0013】また、請求項4に係る異方導電性フィルム
は、請求項1乃至3記載の異方導電性フィルムにおい
て、前記有機バインダーが熱硬化性樹脂、熱可塑性樹
脂、光硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂及び光熱硬化性樹
脂から選ばれる1種類以上の樹脂を含有していることを
特徴とする。また、請求項5に係る電気接続体は、請求
項1乃至4に記載の異方導電性フィルムと電気的接続し
ている電気接続体において、フレキシブル絶縁フィルム
上の接続電極と、接続している接続基板の基板電極と、
の間で電極接続していることを特徴とする。
【0014】また、請求項6に係る電気接続体は、請求
項5記載の電気接続体において、前記基板電極が銅、錫
めっき銅、金、はんだめっき銅、アルミニウム、銀、ニ
ッケル、パラジウム、白金、ITOガラス、IOガラス
電極から選ばれた一種以上であることを特徴とする。ま
た、請求項7に係る電気接続体は、請求項5または6記
載の電気接続体において、前記接続基板が、液晶パネル
基板、プリント回路基板、ハイブリッドIC基板のいず
れかであることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を更に詳細に
説明する。本発明の導電性粒子の製法は、かかる組成の
金属融液を高圧の不活性ガスによりアトマイズして得ら
れるものであるが、特に、窒素ガス、ヘリウムガスを用
いるのがよい。導電性粒子の表面及び表面近傍の錫、
銅、ビスマス、銀等の濃度は、英国VG社製X線光電子
分光分析装置ESCALB200―X型を用いて、表面
からの深さ30A程度の表面濃度として求めたものであ
る。
【0016】なお、この際の錫濃度はSn3d(Mgの
Kα線)、銅濃度はCu3p(MgのKα線)、ビスマ
スはBi4f(MgのKα線)、銀濃度はAg3d(A
lのKα線)のピークを利用し、エネルギーカウント値
を重量%に換算して求めたものである。一方、金属粒子
の各粒子の各元素の平均濃度は、試料を濃硝酸中で溶解
したものを、高周波誘導結合型プラズマ発光分析計(セ
イコー電子工業(株)製JY38P―P2型)を使用し
て測定したものである。
【0017】平均粒子径は3〜40μmでかつ平均粒子
径±2μmの存在割合が80体積%以上であることを特
徴とするが、平均粒子径が40μmを超える場合には、
存在粒子が大きすぎて、つぶれた場合に隣の電極と接点
を有し、リーク電流を発生させてしまい好ましくない。
平均粒子径1μm未満の場合には、電極間での粒子が電
極の厚さより小さくなって接点が不十分になり、さら
に、粒子間の凝集が大きくなり分散が非常に困難とな
る。好ましい平均粒径は、2〜20μmで、さらに好ま
しくは3〜10μmである。
【0018】また、平均粒子径±2μmの粒子割合が8
0体積%以上であるが、80体積%未満の場合には、粒
度分布が広すぎて電極間に粒子が存在しない組み合わせ
が生じてしまう。好ましくは、85体積%以上である。
本発明の導電性粒子の平均粒子径および粒子径分布につ
いては、レーザー回折型粒度分布測定装置(HELOS
&RODOS:日本レーザー)を用いて測定した。測定
値は体積基準の粒径分布を用い、平均粒子径は体積積算
基準で50体積%の値を用いた。
【0019】本発明における導電性粒子の含有酸素量は
粒子の表面、内部すべてのトータルの酸素量で、不活性
ガスインパルス加熱融解法による酸素・窒素同時分析装
置(堀場製作所製EMGA650)で測定することがで
きる。含有酸素量が5000ppmを越えると、酸化膜
による導電性不良が生じる可能性がある。好ましい含有
酸素量は3000ppm以下であるが、さらに好ましく
は2000ppm以下である。
【0020】導電性粒子組成は、半導体素子の誤動作を
引き起こす可能性があるα線の放出、人体に対して毒性
があり、環境問題として削減が訴えられている鉛を含ま
ない金属粒子であるという事を特徴としている。本願発
明の導電性粒子は、必須構成金属として錫を20から8
0重量%、銅を10から50重量%、ビスマスを1から
10重量%、及び残余構成金属として金、銀、亜鉛、ニ
ッケル、パラジウム、クロム、インジウム、アンチモ
ン、アルミニウム、ゲルマニウム、リン、シリコン、ベ
リリウム、カドミウム、タングステン、モリブデン、マ
ンガン等常温、常圧において金属状態となる元素の中で
いずれか1種類以上の金属より構成されることを特徴と
する。
【0021】錫成分が20重量%以下であると、金属粒
子表面に存在する錫成分が少なくなり銅及びビスマスと
の合金層ができにくくなり、金属粒子表面の低融点層が
形成されにくい。また80重量%以上でも同様に合金層
ができにくくなり、錫単独層の生成により融点が若干高
くなる。仕込み錫濃度は、好ましくは40重量%から8
0重量%、されに好ましくは50〜80重量%である。
また、銅成分が10重量%以下、或いは50重量%以上
でも同様に、錫合金層との形成状態より好ましくない。
仕込み銅濃度は、好ましくは10〜30重量%、さらに
好ましくは10〜20重量%である。ビスマス濃度も好
ましくは1〜8重量%が良い。
【0022】さらに、導電性粒子は必須構成金属とし
て、錫、銅、ビスマス、及び残余構成金属として金、
銀、亜鉛、ニッケル、パラジウム、クロム、インジウ
ム、アンチモン、アルミニウム、ゲルマニウム、リン、
シリコン、ベリリウム、カドミウム、タングステン、モ
リブデン、マンガン等常温、常圧において金属状態とな
る元素の中でいずれか1種類以上含む事を特徴とする
が、好ましくは金、銀、亜鉛、ニッケル、パラジウム、
アルミニウムであり、さらに好ましくは金、銀、亜鉛、
ニッケル、パラジウムである。
【0023】本発明の導電性粒子は、低温接続性、耐酸
化性、耐銀マイグレーション性が良いのみならず、分散
性、電極との接合性(変形しやすい)が良く、高い電流
密度、導電性が高く、液晶パネルなどのカラー化、高密
度化に対応できるファインピッチ電極での導通が充分確
保できるこれまでにはないものである。つまり、錫、
銅、ビスマス及び銀等のかかる組成物からなる導電性粒
子であるため、接点での接点抵抗が小さいこと、柔らか
くて、加圧接続した場合にも、電極を不規則に変形せず
に、導電性粒子が変形し、充分な接触面積を確保できる
こと等、分散性が必要な高密度ピッチに充分優れた特性
を有している。
【0024】粒子形状は球状が好ましいが、球状よりは
るかにはずれたものであると基板電極とチップ電極間に
存在する粒子中、両接点を有することのない組み合わせ
が生じてしまいやすい。本発明は、かかる組成の導電粉
末1重量部に対して、有機バインダー0.05〜300
重量部含有してなる異方導電性フィルムを提供するもの
であるが、本発明で用いることができる有機バインダー
は、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、電子線硬化型樹脂、
熱可塑性樹脂、光熱硬化型から選ばれた1種類以上を用
いることができる。
【0025】熱硬化型樹脂としては、エポキシ樹脂、レ
ゾール型フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン
樹脂、ノボラック型フェノール樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリイミド樹脂、熱硬化型アクリル樹脂などが挙げ
られる。エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、
脂環式エポキシ、鎖状式エポキシ、エポキシアクリレー
ト、エポキシノボラック型、ビスフェノールF型、ブロ
ム化ビスフェノールA型、脂肪酸変性エポキシ、ポリア
ルキシレンエーテル型、ジグリシジルエステル型、異節
環型エポキシなどが挙げられる。また、必要に応じて、
公知の反応性希釈剤を用いることもできる。
【0026】例えば、ジグリシジルエーテル、エチレン
グリコールジグリシジルエーテル、1,3―ブタンジオ
ールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグ
リシジルエーテルなどを混合して用いることもできる。
必要に応じて、公知の硬化剤を用いることができ、例え
ば、脂肪族ジアミン(エポキシと脂肪族ポリアミン付加
重合物)、ポリアミン及び芳香族ジアミン(メタフェニ
レンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジ
フェニルサルフォン)、酸無水物(メチルナジック酸無
水物、ヘキサヒドロ酸無水物、ピロメリット酸無水物、
ルイス酸錯化合物)、コリア、フェノール、メラミン、
フェノール系化合物、メルカプタン系化合物が挙げられ
る。
【0027】また、反応性促進剤としては、三級アミ
ン、アミン塩、イミダゾール系硬化剤(2―エチルー4
(5)―メチルイミダゾール、1−シアノエチルー2−
4(5)―メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミ
ダゾール、2−メチルイミダゾールアジン、2−ウンデ
シルイミダゾール、液状高活性イミダゾール)がある。
アミン系硬化剤にはカルボン酸化合物が好ましい。ジシ
アンジアミド、ベンゾグアナミンなどもある。
【0028】シリコーン樹脂としては、―(R2Si
O)n―の構造式で表される樹脂である。(式中、Rは
メチルあるいはフェニル基を示す。)。フェノール樹脂
としては、レゾール型フェノール樹脂、ノボラック型フ
ェノール樹脂を用いることができるが、レゾール型フェ
ノール樹脂としては、フェノールホルムアルデヒド型レ
ゾール樹脂、アルキルフェノールレゾール型、キシレン
樹脂変性レゾール型、ロジン変性フェノール樹脂などが
挙げられる。
【0029】ポリイミド樹脂としては、縮合型ポリイミ
ドやビスマレイド系樹脂、付加型ポリイミド樹脂が挙げ
られる。ポリウレタン樹脂としては、ウレタンを形成す
るウレタンプレポリマーを用いるのが好ましい。好まし
くは、末端活性イソシアネート基を活性水素化合物でブ
ロックしたブロックイソシアヌレートを主体に用いたも
のが好ましい。熱可塑性樹脂としては、熱可塑性アクリ
ル樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹
脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレン樹
脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、不飽和ポ
リエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フッソ樹
脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルイ
ミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエー
テルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルサルフォン樹
脂、ポリアリレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート
樹脂、ポリエチレンテレフタレト樹脂、ポリアミドイミ
ド樹脂、変性ポリフェニレンオキシド樹脂、AAS樹
脂、AES樹脂、ACS樹脂、AS樹脂などが挙げられ
る。
【0030】光硬化型樹脂としては、光重合性オリゴマ
ー、光重合性モノマーを用い、必要に応じて、光開始
剤、光開始助剤を用いて硬化されるものである。光重合
性オリゴマーとしては、低分子量反応性分子(数百から
数千)で、ポリエステル、エポキシ、ウレタンなどの骨
格に官能基としてアクリル基、メタアクリル基が2つ以
上付加したものであり、例えば、エポキシアクリレー
ト、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレー
ト、ポリエーテルアクリレートが挙げられる。
【0031】光重合性モノマーとしては、アクリロイル
基(CH2=CHCO―)またはメタアクリロ基(CH2
=C(CH3)CO―)を1分子当たり1個または2個
以上持つものであり、1個持つ単官能(メタ)アクリレ
ート、2個以上持つ多官能(メタ)アクリレート、その
他ビニル基(CH2=CH―)を持つものが好ましい。
単官能アクリレートとしては、例えば、アリルアクリレ
ート、アリルメタアクリレート、ベンジルアクリレート
(メタ)、イソボニルアクリレート、シクロヘキシルア
クリレート(メタ)、N,N―ジメチルアミノエチルア
クリレート、グリシジルメタアクリレート、ラウリルア
クリレート、ポリエチレンアクリレート90メタアクリ
レート、トリフロロエチルメタアクリレートなどがああ
る。
【0032】多官能アクリレートとしては、例えば、
1,4ブタンジオールジオールジアクリレート、1,6
ヘキサンジオールジアクリレート、ジエチレングリコー
ルジアクリレート、ネオペンチルグリコールアクリレー
ト、ポリエチレングリコール400ジアクリレート、ト
リプロピレングリコールジアクリレート、ビスフェノー
ルAジエトキシジアクリレート、テトラエチレングリコ
ールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアク
リレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートなど
が挙げられる。
【0033】ビニル基を有する反応性モノマーとして
は、例えば、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、
N−ビニルピロリドンなどが挙げられる。上記光重合性
オリゴマー、光重合性モノマーとともに光開始剤を用い
るが、紫外線を吸収してラジカルを発生しやすい物質が
好ましく、アセトフェノン系、チオキサントン系、ベン
ゾイン系、パーオキサイド系の公知の物質を用いること
ができる。例えば、ジエトキシアセトフェノン、4―フ
ェノキシジクロロアセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾ
インエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテ
ル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、4―
フェニルベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、
チオキサントン、2―エチルアンスラキノンなどが挙げ
られる。
【0034】また、光開始助剤としては、光開始助剤と
用いると光開始剤単独よりも開始反応が促進され、硬化
反応を効率的にするものであり、脂肪族、芳香族のアミ
ンなどの公知の光開始助剤を使用できる。例えば、トリ
エタノールアミンなどの公知の光開始助剤を使用でき
る。例えば、トリエタノールアミン、N―メチルジエタ
ノールアミン、ミヒラーケトン、4,4−ジエチルアミ
ノフェノンなどがある。また、必要に応じて、酸化防止
剤(例えば、高級脂肪族、リノレン酸、バルミチン酸、
オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸及びこれらの銅
塩、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール等のトリ
アゾール化合物、重合燐酸塩、アルカノールアミン)、
チキソ剤分散剤(シランカップリング、アルミカップリ
ング、ジルコニウムカップリング剤)などを添加するこ
ともできる。また、公知の可塑剤を用いることもでき
る。この場合、導電粉末100重量部に対して、0.0
001〜15重量部添加して用いると効果がある。
【0035】異方導電性フィルムの場合、導電性粒子が
前記有機バインダー中に高分散状態で作製されるのが好
ましく、この異方導電性フィルムは完全に乾燥あるいは
硬化状態のものでも良いが、むしろ半硬化状態のものが
より好ましい。異方導電性フィルムは、それ自身では導
電性を有する必要は無くむしろ絶縁性であるものが好ま
しい。即ち、フレキシブル絶縁フィルムと基板との間に
はさみ込み加圧、加熱することで電極と対向電極方向に
のみ導電性を発現させれば良く、フィルム自身は導電性
を有している必要はない。導電性を有していると隣り合
う電極同士での短絡が生じてしまう。
【0036】異方導電性フィルムの形態は、接続電極の
大きさ、数にもよるが、0.1〜2000mmの幅が一
般に用いられるが特に指定されるものではない。好まし
くは、0.2〜200mm、さらに好ましくは、0.3
〜50mmである。異方導電性フィルムの厚さが必要で
あり、3〜200μm程度のものが好ましい。異方導電
性フィルムの長さは、特に指定はなく、例えば数十mの
長さのフィルムを必要に応じて切断して用いるのが好ま
しい。
【0037】本発明は、フレキシブル絶縁フィルム上の
接続電極と接続される基板電極とが接続電極と対向基板
電極方向にのみ電気的導通を得る異方導電性フィルムを
提供するが、フレキシブル絶縁フィルムとしては、公知
のフレキシブル絶縁フィルムを用いることができる。例
えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリアミド
イミド、ポリアミド、ポリエチレン、アルミナ、ポリプ
ロピレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルフォ
ン、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルケトン、ポ
リエーテルエーテルケトン、ポリアリレート、テトラフ
ルオロエチレン、エポキシ、チッ化アルミニウムから選
ばれた1種類以上からなるものを用いることが好まし
い。
【0038】フレキシブル絶縁フィルムの形状は、幅は
特に用塗に応じて適応されるが、厚さとしては、5〜5
000μmのものが好ましく、さらに5〜500μmが
好ましく、5〜200μmのものが特に好ましい。ま
た、フレキシブル絶縁フィルム上の接続電極とは、フレ
キシブル絶縁フィルム上に直接あるいは接着剤を介して
導体回路、IC回路、LSIチップ実装など公知の回路
が形成されあるいは表面実装されているものの外部接続
用導体部分あるいは被接続基板に電気的接続する導体部
分を意味するものである。フレキシブル絶縁フィルム上
には必要に応じて、コンデンサー、抵抗、LSI、I
C、MCMなどのチップ部品を実装したものでも良い。
【0039】フレキシブル絶縁フィルム上の接続電極
は、銅、アルミニウム、金、銀、白金、パラジウム、銀
―パラジウム、すずー鉛、すずー鉛―ビスマス、金―白
金、ニッケル、金めっきニッケル、銅―銀合金、銀―白
金、すずー鉛はんだめっき銅、すずー鉛はんだめっきア
ルミニウムから選ばれた1種以上であることを特徴とす
る。接続電極の形状は、対向の基板電極との大きさにも
よるが、6〜5000μm、好ましくは10〜1000
μm程度の幅あるいは径のもので良い。接続電極の厚さ
は、特に指定はないが、0.5〜200μm程度が好ま
しい。フレキシブル絶縁フィルム上接続電極が異方導電
性フィルムを介して電気的に接続される基板上の接続用
導体電極(基板電極)が、ITO(インジウムーすずー
酸化物)、酸化スズ、酸化インジウム、フッソドープ酸
化すず、すずめっきアルミニウム、すずー鉛はんだめっ
きアルミニウム、パラジウムから選ばれた1種類以上か
らなることを特徴とするが、基板電極の形状は、酸化物
薄膜、金属あるいは合金箔の状態が良い。
【0040】液晶パネル用の基板電極としては、ITO
(インジウムーすずー酸化物)、酸化すず、酸化インジ
ウムなどが好ましく、例えば、スパッタリング、蒸着な
どの公知の方法で作製されたもので良い。また、プリン
ト回路基板の場合の基板電極は、基板上に導体のエッチ
ング、導電性ペースト印刷等で回路形成する公知の方法
で作製された基板電極で構わない。基板電極の厚さは
0.02〜1000μmの程度が好ましく、0.09〜
200μmがさらに好ましく、0.1〜100μmが最
も好ましい。形状は特に指定しないが、大きさとして
は、幅6〜1000μm程度の電極が好ましい。電極間
(ピッチ)は、6μm以上のものが良く、さらに10μ
m以上のものがより好ましい。
【0041】又、基板電極が形成されている基板は、公
知の基板で構わないが、ガラス、紙フェノール樹脂、ガ
ラスエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アルミナ、チッ化
アルミ、コージェライト、ムライト、アモルファスシリ
コン、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アルミニウ
ム、ニッケル、カドミウム化合物、ほうろう、ポリアミ
ド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレン
スルフィド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、テトラフル
オロエチレン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリ
アリレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポ
リエーテルエーテルケトン樹脂から選ばれた1種類以上
の硬質あるいはフレキシブルな基板が好ましい。
【0042】液晶パネルの場合には、ガラス基板が好ま
しい。ガラスとしては、公知のガラス材料が使用できる
が、アルカリ亜鉛ホウケイ酸、ナトリウムホウケイ酸、
ソーダライム、低アルカリホウケイ酸、バリウムホウケ
イ酸、ホウケイ酸、アルミノホウケイ酸、アルミノケイ
酸、96%ケイ酸、溶融石英ガラス、合成石英ガラスな
どから選ばれたガラスが好ましい。プリント回路基板の
場合には、紙フェノール樹脂、ガラスエポキシ樹脂、ポ
リイミド樹脂等が好ましい。
【0043】基板の厚さは、0.01〜40mmのもの
が好ましい。基板は多層で有っても良く、2〜20層ま
での基板で良い。本発明の異方導電接続用組成物のペー
スト状のものを塗布して用いる場合には、前記の通り、
スクリーン印刷やデスペンサーの技術を用いて、基板電
極上に印刷塗布(電極部以外の部分も含む)しておく。
この時印刷あるいは塗布厚さは7〜50μm程度が良
い。溶剤あるいは揮発成分を含む場合には、充分に乾燥
させた後、フレキシブル絶縁フィルム上の接続電極を位
置合わせして50〜250℃程度の温度で0.1〜12
MPa程度の圧力で加圧して接続する。
【0044】本発明の異方導電性フィルムを用いてフレ
キシブル絶縁フィルム上の接続電極を接続される基板電
極に接続する方法としては、公知の方法で構わない。例
えば、前記の通り、基板の接続用電極上に異方導電性フ
ィルムを張り合わせる。必要に応じて、50〜120℃
程度の低温度で0.1〜7MPa程度の圧力で仮押さえ
する。その後、必要に応じて異方導電接続用フィルムの
ガイドフィルム(例えば、テトラフルオロエチレン)を
引き剥がす。さらに、フレキシブル絶縁フィルムの接続
電極を位置合わせし、さらに、フレキシブル絶縁フィル
ムの接続電極を位置合わせし、さらに、ヒートツールを
用いて60〜250℃程度の温度で、0.2〜15MP
a程度で加圧、圧着する。圧力は、0.2〜10MPa
程度が好ましく、さらに、0.6〜5MPaが好まし
い。
【0045】こうして得られた異方導電体は、フレキシ
ブル絶縁フィルム上接続電極と対向する基板電極の間に
存在する粒子の中、少なくとも両接点を有する粒子が存
在するが、加圧、加熱処理した場合に異方性導電体のか
かる組成の導電粒子が加圧時に多少変形するものがあっ
ても良く、例えば、球状粒子が変形することによって接
点での接触面積が大きく取れることにある。変形ささせ
る場合には、接続電極と対向基板電極の距離にもよる
が、接続電極の距離が一番近いところで0.3μmまで
に押しつぶすことができる。この時、押しつぶれた粒子
が横に広がり隣の電極に接点を有することのないように
する必要があり、隣の電極あるいは端子同士のピッチ間
によってコントロールされるのが良い。接続電極と対向
基板電極との距離は0.3μm以上30μm以下好まし
く、さらに好ましくは1μm以上30μm以下、特に好
ましくは1μm以上25μ以下である。
【0046】粒子の変形率は、例えば球状粒子の場合に
は、フレキシブル絶縁フィルム上の接続電極と対向基板
電極間の長さとフレキシブル絶縁フィルムあるいは基板
と水平な方向)の粒子の最も長いところの長さの比(絶
縁フィルムあるいは基板と水平な方向/電極電極間)が
0.1〜30であることが好ましいが特に指定されるも
のではない。こうして得られた異方導電体の電極電極間
の接続抵抗は、100Ω以下の値が得られるものであ
り、抵抗値は低い方が好ましい。本発明は、さらに、前
記異方導電体を用いてなる液晶デスプレイ、プリント回
路基板、プラズマデスプレイ、サーマルヘッド、メンブ
レンスイッチも提供するものであるが、液晶デスプレイ
の場合には、液晶の駆動方式としては、単純マトリック
ス駆動方式、アクテイーブマトリックス駆動方式のもの
に利用できる。
【0047】また、表示方式としては、ツイストネマチ
ック方式、強誘電正液晶表示方式FLCあるいはSSF
LC方式、高分子分散液晶方式、相転移方式、ダイナミ
ックスキャタリング方式、TN方式と組合わせたTFT
方式、アクテイーブマトリックス方式におけるスイッチ
チング素子としてダイオードを用いるMIM(META
L―INSULATOR―METAL)でコントラスト
を挙げる方式も当然使用できる。当然、白黒、カラーに
は充分対応できるデスプレイに用いられる。また、液晶
デスプレイの電極接続ピッチは5〜1000μm程度の
ものに利用できる。
【0048】また、本発明の異方導電性フィルムは、プ
リント回路基板へのフレキシブル絶縁フィルムの接続に
用いることができる。フレキシブル絶縁フィルムは、前
記に示される通り、絶縁フィルム上に導体回路、チップ
部品(コンデンサー、抵抗、LSI等)が形成、実装さ
れているもので良いことはもちろんである。被接続のプ
リント回路基板としては、ハイブリッドIC、銅箔エッ
チング処理を施したもの、導電性ペーストをスクリーン
印刷法により回路形成したもの、及び多層樹脂基板(例
えば2〜20層)を意味するものである。特に指定はな
く、公知のプリント基板でよい。この場合には、例え
ば、基板上の導体電極としては、エッチングで形成され
た銅箔(例えば、5〜50μm厚)が好ましい。プリン
ト基板上の電極へのフレキシブル絶縁フィルム(例えば
フレキシブルプリント回路基板)の接続に本発明の異方
導電接続用組成物を用いて行うことにより、プリント回
路基板上のファインなプリント配線(例えば、30〜4
00μm幅)にも充分な導通を確保することができる。
この場合にも、プリント回路基板上のいかなる接続電極
にも導電粒子柔らかくフィットし、基板上の電極を傷つ
けたりすることが少ない特徴を有する。接続法は、前記
に示される接続方法で構わない。
【0049】
【実施例1】以下に実施例と比較例によって本発明を具
体的に説明するが、本発明はこの実施例の範囲に限定さ
れるものではない。錫粒子(純99.9%以上)3.6
kg、銅粒子(純度99.9%以上)5.4kg、ビス
マス粒子(純度99.9%以上)0.5kg、銀粒子
(純度99.9%以上)0.5kgを混合して、黒鉛る
つぼ中で1200℃まで高周波誘導加熱を用いて溶解し
た。
【0050】金属融液をるつぼ先端より噴出し、噴出と
同時に2.5MPaGのヘリウムガス(純度99体積%
以上、酸素濃度0.1体積%)を金属融液に対して噴出
しアトマイズした。得られた粒子は、球状で平均粒子径
8μmであった。このうち、7〜10μmの粒子を気流
式分級機(日清エンジニアリング製)で分級した。得ら
れた分級粉は平均粒径8.5μmであった。8.5±2
μmに含まれる分級粉の存在割合は99%以上であっ
た。金属粒子の表面と平均の濃度比は錫が1.5、銅が
0.26、ビスマスが5.8、銀が0.4であり、全て
の金属濃度が粒子内部と表面で変化していることを確認
した。
【0051】また、分級後の導電性粒子の酸素含有量は
800ppmであった。また、この分級後の導電性粒子
を島津製作所製DSC−50により窒素雰囲気下で吸熱
ピーク温度(融点を示す)を測定した。その結果、13
6℃、188℃、217℃、260℃、361℃、49
0℃、585℃、649℃、666℃に吸熱ピークが存
在した。測定装置の操作温度上限は720℃であるが、
この測定範囲内でも融点が傾斜的に変化する事を確認し
た。
【0052】
【実施例2】錫粒子(純99.9%以上)5.5kg、
銅粒子(純度99.9%以上)4.1kg、ビスマス粒
子(純度99.9%以上)0.2kg、銀粒子(純度9
9.9%以上)0.2kgを混合して、黒鉛るつぼ中で
1200℃まで高周波誘導加熱を用いて溶解した。金属
融液をるつぼ先端より噴出し、噴出と同時に2.5MP
aGのヘリウムガス(純度99体積%以上、酸素濃度
0.1体積%)を金属融液に対して噴出しアトマイズし
た。得られた粒子は、球状で平均粒子径8μmであっ
た。このうち、7〜10μmの粒子を気流式分級機(日
清エンジニアリング製)で分級した。
【0053】得られた分級粉は平均粒径8.5μmであ
った。8.5±2μmに含まれる分級粉の存在割合は9
9%以上であった。金属粒子の表面と平均の濃度比は錫
が1.3、銅が0.34、ビスマスが7.0、銀が0.
5であり、全ての金属濃度が粒子内部と表面で変化して
いることを確認した。また、分級後の導電性粒子の酸素
含有量は800ppmであった。また、この分級後の導
電性粒子を島津製作所製DSC−50により窒素雰囲気
下で吸熱ピーク温度(融点を示す)を測定した。その結
果、136℃、177℃、317℃、358℃、591
℃、649℃、675℃に吸熱ピークが存在した。測定
装置の操作温度上限は720℃であるが、この測定範囲
内でも融点が傾斜的に変化する事を確認した。
【0054】
【実施例3】上記実施例1、2で得られた導電性粒子を
用いて、厚さは5〜5000μmの範囲でコーターでガ
イドテープを貼り合わせながら異方導電性フィルムを作
製した。幅については、0.1〜2000mmの範囲で
作製した。さらに、作製した異方導電性フィルムを用い
て、被接続基板上に少なくとも100本(あるいは10
0個)以上の電極が並ぶ箇所に位置合わせして、基板上
に仮圧着した(フレキシブル絶縁フィルムでも良い)。
温度は50〜120℃/1〜10秒間の範囲で行った。
圧力は、0.05〜5MPa範囲でヒートツールを用い
て加圧した。その後、ガイドテープ(なくても構わな
い)を剥がし、さらに、フレキシブル絶縁フィルム(基
板でも良い)の接続電極を対抗基板電極に位置合わせし
て温度60〜200℃/1〜60秒の範囲で圧力0.1
〜12MPaで本接続した。電極ピッチ間(導体と導体
の距離)は40〜200μmで行った。
【0055】作製した異方導電性フィルムの組成を表
1、得られた異方導電体の形態を表2、環境試験後の特
性を表3に示す。評価判断基準は、フレキシブル絶縁フ
ィルム上の接続電極と対抗基板電極との間の抵抗値(2
0Ω以下を良とする)、分散性と耐マイグレーション性
を測定するために隣り合う電極間の絶縁性(85℃ 9
0%1000時間放置後)の良否(100本(個)以上
が108Ω以上を良◎、50〜99本(個)△、49以
下を×とする。)、環境試験後の抵抗値の変化率の良否
(85℃/30分―55℃/30分―1000サイクル
後で20%以内の変化率は良◎とする)とした。併せて
用途も示す。
【0056】
【比較例】市販の水アトマイズ銅粉を気流式分級機にて
分級し、平均粒径を合わせた。分級後の含有酸素量は1
800ppmであった。その銅粉を用いて、表1に示さ
れた組成割合と全く同じ組成で実施例と同様にして異方
導電性フィルムを作製し(表4)、同様に評価した。そ
の評価結果は表5、6に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】
【表4】
【0061】
【表5】
【0062】
【表6】
【0063】
【発明の効果】本発明の導電性粒子は、低温接続性、導
電性、耐酸化性、分散性が良く、鉛を含まないために人
体や環境にも優しく、さらに錫、銅、ビスマス及び少量
の銀等で構成されるために電極、導体間接合時に適度に
変形することで接点面積を大きくとれる。この環境問題
を配慮した導電性粒子を用いた異方導電性フィルムによ
り、高接続信頼性、ファインピッチでの接続性や高電流
密度が得られるなどの特長を持った、異方導電体も提供
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 3/32 H05K 3/32 B Fターム(参考) 4F071 AA41 AA42 AA53 AA60 AA67 AB06 AB07 AB08 AE15 AF37 AH12 BC01 4J002 AA011 AA021 CC031 CD001 DA066 DA076 DA086 DA116 FD126 GQ02 5E319 BB12 BB13 BB16 CC12 CC61 CD26 CD29 GG01 5G307 HA02 HB03 HC01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機バインダーと導電性粒子とを有する
    異方導電性フィルムであって、前記導電性粒子1重量部
    に対して前記有機バインダーが0.05〜300重量部
    含有し、前記導電性粒子は構成する構成金属に鉛を含ま
    ず、構成金属の濃度が粒子表面と粒子内部で連続的に変
    化し、粒子表面に低融点層と内部に高融点層とを有し、
    前記有機バインダーの硬化温度近傍で前記低融点層が溶
    融することを特徴とする異方導電性フィルム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の異方導電性フィルムにお
    いて、前記導電性粒子は構成金属の必須構成金属として
    の錫、銅、ビスマスと、残余構成金属としての金、銀、
    亜鉛、ニッケル、パラジウム、クロム、インジウム、ア
    ンチモン、アルミニウム、ゲルマニウム、リン、シリコ
    ン、ベリリウム、カドミウム、タングステン、モリブデ
    ン、マンガンの中でいずれか1種類以上の金属より構成
    され、かつ平均粒子径3〜40μm平均粒子径±2μm
    の粒子の含有率が80体積%以上で、含有酸素量が50
    00ppm以下であることを特徴とする異方導電性フィ
    ルム。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の異方導電性フィ
    ルムにおいて、前記必須構成金属としての錫を20から
    80重量%、銅を10から50重量%、ビスマスを1か
    ら10重量%と、残余構成金属としての金、銀、亜鉛、
    ニッケル、パラジウム、クロム、インジウム、アンチモ
    ン、アルミニウム、ゲルマニウム、リン、シリコン、ベ
    リリウム、カドミウム、タングステン、モリブデン、マ
    ンガンの中でいずれか1種類以上の金属により構成され
    ていることを特徴とする異方導電性フィルム。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3記載の異方導電性フィル
    ムにおいて、前記有機バインダーが熱硬化性樹脂、熱可
    塑性樹脂、光硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂及び光熱硬
    化性樹脂から選ばれる1種類以上の樹脂を含有している
    ことを特徴とする異方導電性フィルム。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4に記載の異方導電性フィ
    ルムと電気的接続している電気接続体において、フレキ
    シブル絶縁フィルム上の接続電極と、接続している接続
    基板の基板電極との間で電極接続しているを特徴とする
    電気接続体。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の電気接続体において、前
    記基板電極が銅、錫めっき銅、金、はんだめっき銅、ア
    ルミニウム、銀、ニッケル、パラジウム、白金、ITO
    ガラス、IOガラス電極から選ばれた一種以上であるこ
    とを特徴とする電気接続体。
  7. 【請求項7】 請求項5または6記載の電気接続体にお
    いて、前記接続基板が、液晶パネル基板、プリント回路
    基板、ハイブリッドIC基板のいずれかであることを特
    徴とする電気接続体。
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