JP2001296296A - 抗原抗体反応による被検物質の測定法及び試薬 - Google Patents

抗原抗体反応による被検物質の測定法及び試薬

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗原抗体反応による凝集に影響を及ぼすこと
なく非特異反応による凝集を減少させることができる新
規な非特異反応抑制剤を提供する。 【解決手段】 抗原抗体反応による凝集によってCRP
等の被検物質を測定する方法において、抗原抗体反応を
ギ酸アンモニウム等のギ酸塩の存在下で行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明の被検物質の測定法及
び試薬は免疫学的試験の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】生体試料中に含まれる免疫活性物質を測
定する方法としては、抗原抗体反応を利用した免疫凝集
法が知られている。この免疫凝集法は、免疫活性物質が
特定の抗体又は抗原に対して特異的に反応することを利
用するもので、生体試料中に特定の抗体又は抗原を添加
し、抗原抗体反応による凝集物を生成させ、生体試料中
の免疫活性物質を同定しようとする方法である。また、
免疫活性物質は、凝集反応を光学的に検出(例えば生体
試料の透過率測定等)する免疫比濁法よって定量できる
ことが知られている。
【0003】前述した抗原抗体反応は、速やかに進行す
る特異的な反応であるものの、凝集物の生成は速やかに
行われない場合がある。このため、免疫凝集法では、凝
集促進剤としてポリエチレングリコール(PEG)等の
添加物を添加すると、凝集物の生成を促進する上で好ま
しいことが知られている。
【0004】しかし、免疫凝集法において前述したPE
G等の添加物を添加した場合では、添加物自身が生体試
料中の夾雑タンパクなどと反応し、生体試料中において
非特異反応による濁りを生じることがある。このような
事態に対応するための免疫凝集法としては、非特異反応
による濁りを抑制するための添加物の存在下で行う免疫
凝集法が知られている。
【0005】前述した免疫凝集法としては、例えば、非
イオン性界面活性剤の存在下で行う免疫凝集法(特公昭
60−4938号公報)が知られている。この免疫凝集
法は、非イオン性界面活性剤の存在下で凝集反応を行う
ことによって、非特異反応を抑制しようとするものであ
る。
【0006】しかし、非特異反応抑制剤として非イオン
性界面活性剤を単独で使用する場合では、非特異反応を
十分に抑制できないのが現状である。このため、非特異
反応を抑制することができる新たな手段の検討が望まれ
ており、例えば特開平6−82450号公報では、多価
カルボン酸あるいはその塩、又は多価スルホン酸あるい
はその塩、の使用が、凝集反応に影響を及ぼすことなく
非特異反応を抑制する上で有用であることが開示されて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、抗原抗体反
応による凝集に影響を及ぼすことなく非特異反応による
凝集を減少させることができる新規な非特異反応抑制剤
を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために検討した結果、抗原抗体反応による凝集を
ギ酸塩存在下で行うことによって非特異反応による凝集
がより減少することを見出し、本発明に至った。すなわ
ち、本発明は、抗原抗体反応による凝集によって被検物
質を測定する方法において、前記抗原抗体反応をギ酸塩
存在下で行うことを特徴とする被検物質の測定法であ
る。
【0009】また、本発明は、抗原抗体反応による凝集
によって被検物質を測定する際に、抗原抗体反応以外の
非特異的な反応による凝集を減少させるための試薬であ
って、ギ酸塩が含まれることを特徴とする試薬を提供す
る。
【0010】本発明では、前記抗原抗体反応が凝集促進
剤存在下で行われることが好ましい。また、本発明で
は、前記ギ酸塩がギ酸アンモニウムであることが好まし
く、このギ酸アンモニウムが最終濃度で1〜4mol/Lと
なることがより好ましい。さらに、本発明では、前記ギ
酸塩に加えて非イオン性界面活性剤が使用されることが
好ましく、この非イオン性界面活性剤が最終濃度で0.
05〜1重量%となることがより好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明についてより詳細に
説明する。本発明は、抗原抗体反応をギ酸塩存在下で行
う以外は、通常の抗原抗体反応による凝集によって被検
物質を測定する方法と同様にして行うことができる。通
常、抗原抗体反応による凝集によって被検物質を測定す
る方法は、凝集を促進させるために、ポリエチレングリ
コール等の凝集促進剤存在下で行われるが、ギ酸塩を反
応系に存在させることによって、凝集促進剤の悪影響を
低減させることができる。
【0012】本発明によって測定される被検物質は、抗
原抗体反応による凝集によって測定され得る物質であれ
ば特に限定されず、抗原、抗体、ハプテン、又はこれら
の物質に対して免疫学的な結合性を有する物質等が挙げ
られる。以下、抗原及び抗体を例として本発明を説明す
る。
【0013】前記抗原抗体反応では、抗原又は抗体とそ
れに対する抗体又は抗原とを混合するにあたり、抗原に
抗体を添加しても良いし、抗体に抗原を添加しても良
い。また、前記抗原抗体反応では、混合時に抗原又は抗
体のいずれかにギ酸塩が予め混合されていることが好ま
しく、非特異反応による凝集を減少させるのに十分なギ
酸塩の存在下で抗原抗体反応が行われるように抗原及び
抗体の少なくともいずれか一方に予め混合されているこ
とがより好ましい。
【0014】また、前記抗原抗体反応をギ酸塩及び非イ
オン性界面活性剤の存在下で行う場合では、非イオン性
界面活性剤は、前述したギ酸塩と同様に、混合時に抗原
又は抗体のいずれかに予め混合されていることが好まし
く、非特異反応による凝集を減少させるのに十分なギ酸
塩及び非イオン性界面活性剤の存在下で抗原抗体反応が
行われるように抗原及び抗体の少なくともいずれか一方
に予め混合されていることがより好ましい。
【0015】前記抗原抗体反応による凝集は、抗原と抗
体との混合によってそのまま凝集物が生成する直接凝集
でも良く、又は、抗原あるいは抗体に適当な担体粒子等
(例えばポリスチレン微粒子、炭素粉末、ベントナイ
ト、ゼラチン粒子、タンパク質等)を結合させて抗原と
抗体とを混合し抗原抗体反応による凝集物を生成させる
間接凝集であっても良い。
【0016】本発明による被検物質の測定方法は、抗原
抗体反応による凝集によって測定される測定方法であれ
ば特に限定されない。このような被検物質の測定方法と
しては、例えば、抗原抗体反応による凝集の有無によっ
て被検物質を同定する免疫凝集法や、凝集反応を光学的
に検出することによって被検物質を定量する免疫比濁法
等を例示することができる。
【0017】本発明に使用されるギ酸塩は、抗原抗体反
応の反応条件下で透明な水溶液として水に溶解するもの
が好ましい。また、前記ギ酸塩は、中性付近のpHで安
定な水溶液となるものであることが、抗原や抗体の変性
を防止する上で好ましい。このようなギ酸塩としては、
例えば、ギ酸アンモニウム、ギ酸カリウム、ギ酸カルシ
ウム、ギ酸セシウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸バリウム、
ギ酸ヒドラジニウム、ギ酸マグネシウム、ギ酸リチウ
ム、ギ酸ルビジウム等を例示することができる。これら
のギ酸塩を使用するにあたっては、市販の試薬を使用し
ても良いし、またはギ酸と水酸化物とによる中和反応
等、常法に従って生成して使用しても良い。
【0018】ギ酸塩の濃度は、使用される抗原及び抗体
の種類や使用量、及び使用するギ酸塩の種類等によって
適宜決定すれば良いが、例えばギ酸アンモニウムを使用
する場合では、抗原抗体反応の最終濃度において1〜4
mol/L程度であることが、非特異反応による凝集を減少
させつつも抗原抗体反応による凝集物を生成させる上で
好ましい。ギ酸アンモニウムの濃度が1mol/Lよりも小
さすぎると非特異反応による凝集が十分に減少されない
おそれがあり、4mol/Lよりも大きすぎると使用される
抗原や抗体又は他の添加物(例えば非イオン性界面活性
剤等)等に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0019】また、本発明に使用される非イオン性界面
活性剤は、抗原抗体反応の反応条件下で透明な水溶液と
して水に溶解するものが好ましく、例えば、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテルであることが好ましい。この
ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、曇点の低いも
の、すなわちオキシエチレン鎖長の短いものであること
が、強電解質の存在下におけるポリオキシエチレンアル
キルエーテルの曇点の低下を抑制する上でより好まし
い。このようなポリオキシエチレンアルキルエーテルと
しては、例えば、ポリオキシエチレン(10)トリデシ
ルエーテルや、ポリオキシエチレン(23)ラウリルエ
ーテル等を例示することができる。これらの非イオン性
界面活性剤は、高純度の固形状態や、所定濃度の水溶液
状態として入手することが可能である。
【0020】非イオン性界面活性剤の濃度は、使用され
る抗原及び抗体の種類や使用量、及び使用する非イオン
性界面活性剤の種類等によって適宜決定すれば良いが、
例えばポリオキシエチレンアルキルエーテルを使用する
場合では、抗原抗体反応の最終濃度において0.05〜
1重量%程度であることが、非特異反応による凝集を減
少させつつも抗原抗体反応による凝集物を生成させる上
で好ましい。非イオン性界面活性剤の濃度が0.05重
量%よりも小さすぎると非特異反応による凝集が十分に
減少されないおそれがあり、1重量%よりも大きすぎる
と使用される抗原や抗体又は他の添加物等に悪影響を及
ぼすおそれがある。
【0021】本発明による試薬には、非特異的な反応に
よる凝集を減少させるべく前記ギ酸塩、好ましくはさら
に前記非イオン性界面活性剤、が含まれていればその形
態は特に限定されない。このような試薬の形態として
は、例えば、ギ酸塩、又はギ酸塩及び非イオン性界面活
性剤のみが含まれる形態や、抗原抗体反応による凝集物
を生成させるための凝集促進剤がさらに含まれる形態
や、その他の好適な添加物がさらに含まれる形態等を例
示することができる。
【0022】前述したその他の好適な添加物としては、
本発明の技術分野において従来より知られている添加物
が挙げられる。このような添加物としては、前述したP
EG等の凝集促進剤以外に、例えば、リン酸緩衝液等の
緩衝剤、エデト酸塩等の安定化剤、アジ化ナトリウムや
パラベン等の防腐剤、等を例示することができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施について具体例を示して
説明する。なお、以下の実施例では、被検物質としてC
RP(C反応性タンパク質)を、抗体として抗CRP抗
体を例として説明するが、本発明はこれらに限定されな
い。
【0024】<実施例1>本実施例の試薬は、ギ酸塩で
あるギ酸アンモニウムと、リン酸緩衝液やPEG等の他
の添加物とが含まれている。本実施例の試薬に含まれる
物質及びその濃度を試薬1として以下に示す。なお、試
薬1には、抗原抗体反応のために他の試薬等と混合され
たときに、この混合液(以下、「試料溶液」という)に
おいて、最終濃度が下記の濃度となるように各物質が含
まれている。また、試薬1は、pHが7.4となるよう
に調製されている。 試薬1:0.05mol/L リン酸緩衝液、0.01mol/L EDT
A、0.1mol/LNaCl、0.05重量%NaN3、4.5重量%
PEG、1mol/L ギ酸アンモニウム
【0025】前述したように調製された試薬1による非
特異反応の抑制については、ヒト血清と試薬1、及び下
記の試薬2を混合し、このときの試料溶液の吸光度変化
を測定することによって検証する。ヒト血清には、4名
の被採取者から採取されたヒト血清のそれぞれ(検体A
〜D)を使用した。また、試料溶液の吸光度変化は、コ
バス・ミラ(ロッシュ・ダイアグノスティクス社製)に
よって測定した。より詳しくは、ヒト血清10μLに試
薬1を178μL添加して37℃で5分間温置し、0.9重
量% NaCl水溶液(以下、「試薬2」という)を1
2.5μL添加して37℃で10分間温置し、340nmに
おける試料溶液の吸光度を温置時間中測定した。また、
ギ酸アンモニウムが添加されていない試薬1(以下、こ
の試薬1を「コントロール」という)、及びギ酸アンモ
ニウムの代わりに非イオン性界面活性剤であるポリオキ
シエチレン(10)トリデシルエーテル(C13E1
0)を用いた試薬1を調製するとともに、前述した手順
に則ってコントロールが使用された試料溶液の吸光度変
化を測定した。検体Aにおいて、試薬1が使用された試
料溶液の吸光度変化と、コントロール等が使用された試
料溶液の吸光度変化とを図1に示す。
【0026】図1からわかるように、試薬1が使用され
た試料溶液は、コントロールが使用された試料溶液に比
べて吸光度の上昇が小さく、試料溶液中の濁りがより少
ないことがわかる。従って、本実施例の試薬1は、非特
異反応による凝集を減少させることがわかる。また試薬
1が使用された試料溶液は、従来の試薬1(C13E1
0を含む試薬1)が使用された試料溶液に比べても吸光
度の上昇が小さく、本実施例の試薬1は従来の試薬1と
比べたときに、非特異反応による凝集を同等またはそれ
以上に減少させることがわかる。
【0027】<実施例2>本実施例の試薬(試薬1)
は、非イオン性界面活性剤であるポリオキシエチレン
(10)トリデシルエーテルがさらに最終濃度で0.5
重量%含まれている他は、前述した実施例1の試薬1と
同様に調製されている。また、非特異反応の抑制を検証
するための試料溶液の吸光度変化も、前記ヒト血清、本
実施例の試薬1、及び前記試薬2を用いて、前述した実
施例1と同様に測定した。検体Aにおいて、本実施例の
試薬1が使用された試料溶液の吸光度変化を図1に示
す。
【0028】図1からわかるように、本実施例の試薬1
が使用された試料溶液には、吸光度変化がほとんど見ら
れず、試料溶液中に濁りがほとんど生じていないことが
わかる。従って、本実施例の試薬1は、前記実施例1の
試薬1よりも非特異反応による凝集をより減少させるこ
とがわかる。すなわち図1から明らかなように、界面活
性剤(C13E10)のみよりもギ酸アンモニウムのみ
の方が非特異反応による凝集をより減少させ、さらに、
これらのどちらか一方よりも両者を含む方が非特異反応
による凝集をより一層減少させることがわかる。
【0029】<実施例3>本実施例の試薬(試薬1)
は、非イオン性界面活性剤であるポリオキシエチレン
(23)ラウリルエーテル(製品名:Brij 35、製造
元:ナカライ)がさらに最終濃度で0.5重量%含まれ
ている他は、前述した実施例1の試薬1と同様に調製さ
れている。また、非特異反応の抑制を検証するための試
料溶液の吸光度変化も、前記ヒト血清、本実施例の試薬
1、及び前記試薬2を用いて、前述した実施例1と同様
に測定した。
【0030】本実施例の試薬1が使用された試料溶液に
は、前記実施例2の試薬1と同様に、吸光度変化がほと
んど見られず、試料溶液中に濁りがほとんど生じていな
いことがわかった。従って、本実施例の試薬1は、非特
異反応による凝集をより減少させることがわかる。
【0031】<実施例4>本実施例では、前記ヒト血清
の代わりにCRP抗原溶液を使用し、試薬1には前記実
施例2の試薬1又は前記実施例3の試薬1を使用し、試
薬2には0.9重量%NaCl水溶液の代わりに抗CRP
抗体(ダコ社製)又は和光抗体液(製品名:CRP−H
Aワコー、和光純薬工業株式会社製)を使用し、抗原抗
体反応によって凝集物を生成させるとともに、試料溶液
を光学的に測定した。CRP抗原溶液は、CRP抗原
(International Enzyme社製)と、Tris Buffer(0.1mo
l/L Tris-HCl,0.9% NaCl,0.1% BSA,0.1% NaN3,pH 7.4)
とを用いて、CRP抗原濃度が0.2、0.4、1、5、
10、20、40mg/dLとなるように調製したものを使
用した。
【0032】本実施例の測定法をより詳しく説明する
と、各濃度のCRP抗原溶液10μLに本実施例の試薬
1(前記実施例2の試薬1、又は前記実施例3の試薬
1)を178μL添加して37℃で5分間温置し、本実
施例の試薬2(前記抗CRP抗体)を12.5μL添加し
て37℃で5分間温置し、本実施例の試料溶液の吸光度
変化を340nmにおいて温置時間中測定した。また、比
較のため、前記実施例1のコントロールを使用し、前述
した手順に則って試料溶液中に凝集物を生成させるとと
もにこの凝集物を測定した。実施例2の試薬1を使用し
た試料溶液、実施例3の試薬1を使用した試料溶液、及
び実施例1のコントロールを使用した試料溶液につい
て、CRP抗原溶液の濃度と吸光度の関係を図2に示
す。
【0033】図2からわかるように、本実施例の試薬1
が使用された試料溶液と、前記コントロールが使用され
た試料溶液とでは、CRP抗原溶液濃度の増加に伴って
吸光度の値がともに増加している。また、図2からわか
るように、本実施例の試薬1が使用された試料溶液は、
コントロールが使用された試料溶液に比べて吸光度の値
が小さい。また、本実施例の試薬1は、試薬1に含まれ
る各物質のCRPに対する非特異反応を抑制することが
前述した実施例2及び実施例3より明らかである。以上
のことから、本実施例の試薬1は、CRP抗原と抗CR
P抗体との抗原抗体反応に影響を及ぼすことなく非特異
反応による凝集を減少させることがわかる。
【0034】<比較例>本比較例では、1mol/L ギ酸ア
ンモニウムの代わりにポリオキシエチレン(10)トリ
デシルエーテルを0.5重量%添加した他は、前述した
実施例1の試薬1と同様に試薬1を調製するとともに試
料溶液の吸光度変化を測定した。ここで、 (1)コントロールが使用された試料溶液 (2)実施例1の試薬1が使用された試料溶液 (3)実施例2の試薬1が使用された試料溶液 (4)実施例3の試薬1が使用された試料溶液 (5)比較例の試薬1が使用された試料溶液 のそれぞれについて、検体Aを使用した場合において測
定開始から300秒後の吸光度を図3に、検体Aを使用
した場合において測定開始から900秒後の吸光度を図
4に示す。
【0035】実施例1の試薬1が使用された試料溶液
(2)の吸光度は、図3及び図4に示されるように、コ
ントロールが使用された試料溶液(1)の吸光度よりも
小さく、かつ比較例の試薬1が使用された試料溶液
(5)の吸光度とほぼ同等又はそれ以下の数値となって
いる。また、実施例2及び実施例3の試薬1が使用され
た試料溶液(3)、(4)の吸光度は、コントロールが
使用された試料溶液(1)及び比較例の試薬1が使用さ
れた試料溶液(5)の吸光度よりも小さく、かつ実施例
1の試薬1が使用された試料溶液(2)の吸光度よりも
小さい。これらのことからわかるように、ギ酸アンモニ
ウムを使用することは、非イオン性界面活性剤を単独使
用する場合に比べて、少なくともほぼ同等程度に非特異
反応による凝集を減少させることができる。特に、ギ酸
アンモニウム及び非イオン性界面活性剤を併用すること
は、非イオン性界面活性剤を単独使用する場合に比べ
て、非特異反応による凝集をより一層減少させることが
できる。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、少なくともギ酸塩の存
在下で抗原抗体反応による凝集を行うことによって、抗
原抗体反応による凝集に影響を及ぼすことなく非特異反
応による凝集を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】検体Aについて、実施例1の試薬1、実施例2
の試薬1、及びコントロールが使用された試料溶液の吸
光度変化を示す図である。
【図2】本発明の実施例4においてCRP抗原溶液濃度
と吸光度との関係を示す図である。
【図3】検体Aについて、各試薬1が使用された試料溶
液の測定開始から300秒後における吸光度を示す図で
ある。
【図4】検体Aについて、各試薬1が使用された試料溶
液の測定開始から900秒後における吸光度を示す図で
ある。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗原抗体反応による凝集によって被検物
    質を測定する方法において、前記抗原抗体反応をギ酸塩
    存在下で行うことを特徴とする被検物質の測定法。
  2. 【請求項2】 前記抗原抗体反応が凝集促進剤存在下で
    行われることを特徴とする請求項1記載の被検物質の測
    定法。
  3. 【請求項3】 前記抗原抗体反応が非イオン性界面活性
    剤存在下で行われることを特徴とする請求項1又は2に
    記載の被検物質の測定法。
  4. 【請求項4】 前記ギ酸塩がギ酸アンモニウムであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の被検物質の測定法。
  5. 【請求項5】 抗原抗体反応による凝集によって被検物
    質を測定する際に、抗原抗体反応以外の非特異的な反応
    による凝集を減少させるための試薬であって、ギ酸塩が
    含まれることを特徴とする試薬。
  6. 【請求項6】 非イオン性界面活性剤がさらに含まれる
    ことを特徴とする請求項5記載の試薬。
  7. 【請求項7】 前記ギ酸塩がギ酸アンモニウムであるこ
    とを特徴とする請求項5記載の試薬。
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