JP2001295317A - 自走式土質改良機 - Google Patents

自走式土質改良機

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JP2001295317A
JP2001295317A JP2000108866A JP2000108866A JP2001295317A JP 2001295317 A JP2001295317 A JP 2001295317A JP 2000108866 A JP2000108866 A JP 2000108866A JP 2000108866 A JP2000108866 A JP 2000108866A JP 2001295317 A JP2001295317 A JP 2001295317A
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sand
soil improvement
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measuring
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JP2000108866A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Hoshino
吉弘 星野
Hisanori Hashimoto
久儀 橋本
Fujio Sato
藤男 佐藤
Satoshi Sekino
聡 関野
Yasuharu Yamamoto
康晴 山本
Tetsushirou Miura
哲志郎 三浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】架橋現象発生の際にすみやかな土砂の除去作業
を可能とし、作業効率及び稼働率の向上を図れる自走式
土質改良機を提供する。 【解決手段】土砂ホッパ1に投入された土砂を混合装置
3に導入して土質改良材と混合し、その混合物をコンベ
ア8で搬出する自走式土質改良機において、土砂ホッパ
1内の架橋現象を検出する超音波センサ96,97と、
この超音波センサ96,97で架橋現象が検出されたこ
とを表示するパトライト98とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土砂ホッパに投入
された土砂を土質改良材と混合して改良する自走式土質
改良機に関し、さらに詳しくは、架橋現象発生の際にす
みやかな土砂の除去作業を可能とし、作業効率及び稼働
率の向上を図れる自走式土質改良機に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、ガス管等の埋設工事、上下水道
工事、及びその他の道路工事・基礎工事等においては、
掘削による発生土をそのまま埋め戻すのが望ましい。し
かし、発生土が埋め戻しに適さない場合(例えば、岩石
・煉瓦片・コンクリート片・金属その他の異物が多量に
含まれている場合や、粒径が極めて小さく粘性の高い粘
土質の土や風化が進行し過ぎて困難な土等の土質そのも
のが軟弱でそのまま埋め戻すと地盤沈下等が発生するお
それのある場合)には、発生土に例えば石灰やセメント
等を主成分とする土質改良材を混合して固化させ、再利
用可能な良質の土に改良した後に掘削箇所を埋めること
が行われている。
【0003】このような土質改良を行う機械において、
土質改良プラントの用地確保の困難化あるいは用地の分
散化等の背景に基づき、例えば特開2000−4532
7号公報に記載のように、土質改良機械を自力走行可能
として機動性を持たせた自走式土質改良機が既に提唱さ
れている。この自走式土質改良機は、例えば油圧ショベ
ル等によって土砂ホッパに投入された土砂を混合装置に
導入して土質改良材と混合し、その混合物をコンベアで
搬出するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】通常、この種の自走式
土質改良機械においては、前記の土砂ホッパは、土砂投
入時の便宜や、車幅方向の寸法制限や、土砂ホッパから
混合装置までの搬送のため土砂ホッパ下方に別途設ける
搬送用コンベアのベルト幅による寸法制限等のため、上
方へ向かって拡径となる無底の箱型形状(言い換えれば
略角筒形状)となっており、上方開口部から投入された
土砂を搬送用コンベア上に落下させ、この搬送用コンベ
アで略水平方向(若干上り勾配とする場合もある)に搬
送して前記混合装置へと導入するようになっている。
【0005】このとき、混合装置への土砂の定量供給を
可能とするために、土砂ホッパの前記搬送用コンベア搬
送方向側の側壁に所定の大きさの供給用開口部が設けら
れ、搬送用コンベアのベルト上を略水平方向に搬送され
ていく投入土砂のうち前記供給用開口部を通り抜けたも
のだけが土砂ホッパ外へ搬送され、混合装置へ導入され
るようになっている。そのため、前記供給用開口部を通
り抜けられなかった土砂は、搬送用コンベアの動作に伴
って前記土砂ホッパ搬送方向側側壁面に沿って上方へせ
り上がるような向きの力を受けることとなる。
【0006】一方、土砂ホッパの前記上方開口部からは
通常連続的に土砂が投入され、その重量は下方の土砂へ
と順次重畳して加わることとなるが、上記したように土
砂ホッパは下方ほど縮径する形状であるため、下方の土
砂ほど上方の土砂の重みで土砂ホッパ径方向内向き及び
下向きに力を受ける傾向となる。以上のように、土砂ホ
ッパ内下部の土砂は、上方の土砂からの下向き・内向き
の力と、搬送方向側側壁面に沿う上向きの力との相互作
用によって圧縮される。その結果、土砂ホッパ内壁面に
次々と重畳して付着し、搬送用コンベアとの間に空隙が
できた状態で締め固まった土砂塊となる(=架橋現象、
又はブリッジ現象ともいう)場合がある。
【0007】このように架橋現象が生じた場合、混合装
置への円滑な土砂供給が困難となるため、大量の土砂を
効率よく改良するのが困難となる。そのため、土砂ホッ
パへの土砂の投入は、土砂の性状等に応じて上記架橋現
象がなるべく発生しないように調整しつつ行われる。最
も簡単な方法は、土砂ホッパ内の土砂量を土砂投入作業
従事者(例えば前記油圧ショベルの操作者)が目視で確
認しながら投入量を調整することであるが、油圧ショベ
ルの運転席の高さと土砂ホッパの位置との関係や、自走
式土質改良機まわりに配置された各種装置・機器(油圧
ショベルを含む)の配置状況等によっては、投入作業中
投入作業従事者が常に土砂ホッパ内部を目視できるとは
限らない。特に、土砂ホッパの上部に、岩石等の固形異
物が土砂ホッパへ投入されるのを防止するための篩手段
が設けられている場合、土砂投入作業従事者は土砂ホッ
パの内部を目視することはほとんどできない。したがっ
て、実際の作業環境上は、上記架橋現象の発生を完全に
未然に防止するのは困難である。
【0008】ひとたび架橋現象が発生したときは、土質
改良作業を中断して締め固まった土砂を除去しなければ
ならない。そのため、自走式土質改良機の作業効率や稼
働率の向上のためには、架橋現象が発生したらすみやか
に土砂の除去作業を行い、土質改良作業に復帰する必要
がある。また、土質によっては、架橋現象発生後時間が
たつほど土砂の締め固まりの度合いが強くなり、その除
去作業に要する労力や作業時間が増大する場合がある。
したがって、この場合は特に、架橋現象が発生したらす
みやかに土砂の除去作業を行う必要がある。
【0009】以上説明したように、実際の作業環境上、
架橋現象の発生を完全に未然に防止するのは困難である
ため、現実的な最良の方策としては、架橋現象発生の際
に一刻も早く土砂の除去作業を行って土質改良作業に復
帰可能とすることである。
【0010】しかしながら、上記の従来技術において
は、このような点について何ら配慮されていないため、
架橋現象が発生しても土砂投入作業従事者はそのことに
なかなか気づくことができず、すみやかに土砂の除去作
業を行うことができない。そのため、自走式土質改良機
の作業効率や稼働率の向上を図るのが困難であった。
【0011】本発明の目的は、架橋現象発生の際にすみ
やかな土砂の除去作業を可能とし、作業効率及び稼働率
の向上を図れる自走式土質改良機を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成す
るために、本発明は、土砂ホッパに投入された土砂を混
合装置に導入して土質改良材と混合し、その混合物をコ
ンベアで搬出する自走式土質改良機において、前記土砂
ホッパ内の架橋現象を検出する架橋検出手段と、この架
橋検出手段で前記架橋現象が検出されたことを表示する
表示手段とを有する。
【0013】本発明においては、土質改良作業中に上述
した上方の土砂からの下向き・内向きの力と搬送方向側
側壁面に沿う上向きの力との相互作用によって架橋現象
が発生すると、そのことが架橋検出手段(例えば、土砂
ホッパ内の土砂の状態量を計測する第1計測手段、又は
これと土砂ホッパを出て混合装置までの搬送経路におけ
る土砂の状態量を計測する第2計測手段、若しくはコン
ベアにて搬出中の土砂の状態量を計測する第3計測手段
及び混合装置の作動状態に係わる状態量を計測する第4
計測手段)によって検出され、表示手段によって表示さ
れる。これにより、土砂投入作業従事者は、直ちに土砂
投入作業を中断し、締め固まった土砂の除去作業にすみ
やかに着手することができる。
【0014】(2)上記(1)において、好ましくは、
前記架橋検出手段は、前記土砂ホッパ内の土砂の状態量
を計測する第1計測手段を備える。
【0015】例えば、土砂表面の位置を計測する位置セ
ンサを設ける場合、土砂ホッパ内上部にある土砂位置を
計測可能な第1センサと土砂ホッパ内下部にある土砂位
置を計測可能な第2センサとの2つを設けるようにすれ
ば、第1センサで土砂の存在を計測しているのに第2セ
ンサで土砂の存在が計測されないときには、土砂が土砂
ホッパ内にて下方に間隙を持ちつつ締め固まっており、
架橋現象が発生していることになる。また、土砂の重量
を計測する重量センサを設ければ、土砂ホッパ内に土砂
を投入しているのに重量が計測されないときには、上記
同様に架橋現象が発生していることになる。これらのよ
うにして、架橋現象を検出する構成を実現できる。
【0016】(3)上記(1)において、また好ましく
は、前記架橋検出手段は、前記土砂ホッパ内の土砂の状
態量を計測する第1計測手段と、前記土砂ホッパを出て
前記混合装置までの搬送経路における土砂の状態量を計
測する第2計測手段とを備える。
【0017】例えば、第1計測手段として土砂表面の位
置を計測する1つの位置センサを設けた場合、その計測
結果だけでは架橋現象の発生の有無は不明であるが、そ
の位置センサで土砂の存在が計測されている状態で第2
計測手段で土砂の存在が計測されていなければ、土砂が
土砂ホッパ内にて下方に間隙を持ちつつ締め固まって土
砂ホッパ外へ出てこないこととなり、架橋現象が発生し
ていることになる。したがって、架橋現象を検出する構
成を実現できる。
【0018】(4)上記(1)において、また好ましく
は、前記架橋検出手段は、前記土砂ホッパ内の土砂の状
態量を計測する第1計測手段と、前記コンベアにて搬出
中の土砂の状態量を計測する第3計測手段と、前記混合
装置の作動状態に係わる状態量を計測する第4計測手段
とを備える。
【0019】例えば、第1計測手段として土砂表面の位
置を計測する1つの位置センサを設けた場合、その計測
結果だけでは架橋現象の発生の有無は不明であるが、そ
の位置センサで土砂の存在が計測されている状態で第3
計測手段での計測量が大きく低下すれば、土砂が土砂ホ
ッパ内にて下方に間隙を持ちつつ締め固まって土砂ホッ
パ外へ出てこず、土質改良材のみがコンベア上を搬出さ
れていることとなる。このとき第4計測手段は、混合装
置が詰まってコンベア上に混合物が少なくなっている可
能性を確認するための役割を果たし、第4計測手段にて
混合装置は正常に動作していることが計測されれば、土
砂が土砂ホッパ外へ出てこない架橋現象が確かに発生し
ていることとなる。このようにして、架橋現象を検出す
る構成を実現できる。
【0020】(5)上記(4)において、さらに好まし
くは、前記第4計測手段は、前記混合装置を駆動する駆
動手段の負荷を計測する負荷計測手段である。
【0021】(6)上記(2)〜(4)のいずれか1つ
において、好ましくは、前記第1計測手段、又は前記第
2計測手段、若しくは前記第3計測手段は、土砂表面の
位置を計測する位置センサを含む。
【0022】(7)上記(2)〜(4)のいずれか1つ
において、また好ましくは、前記第1計測手段、又は前
記第2計測手段、若しくは前記第3計測手段は、土砂の
重量を計測する重量センサを含む。
【0023】(8)上記(1)〜(4)のいずれか1つ
において、好ましくは、前記表示手段を、所望の箇所に
着脱可能に設ける。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の自走式土質改良機
の一実施の形態を図面を用いて説明する。
【0025】図1は、本実施の形態の自走式土質改良機
の全体構造を表す上面図であり、図2はその側面図であ
る。
【0026】これら図1及び図2において、この自走式
土質改良機は、例えば油圧ショベルのバケット等の作業
具により改良対象となる土砂が投入され、その投入土砂
を所定の粒度に選別する(詳細は後述)篩ユニット1、
この篩ユニット1で選別された土砂を受け入れる土砂ホ
ッパ2、この土砂ホッパ2から導入された土砂を所定の
土質改良材と混合して下方へ排出する混合装置(処理
槽)3、土砂ホッパ2に受け入れた土砂を前記混合装置
3へと搬送して導入する搬入コンベア4、及び前記土質
改良材を供給するための土質改良材供給装置5を搭載し
た土質改良機本体6と、この土質改良機本体6の下方に
設けられた走行体7と、混合装置3で混合され下方へ排
出された混合物を受け入れて自走式土質改良機の後方側
(後述するトラックフレーム土質改良機取付け部9Aの
長手方向の他方側、図1中右側)に運搬し搬出する搬出
コンベア8とを有する。
【0027】前記の走行体7は、トラックフレーム9
と、走行手段としての左・右無限軌道履帯10とを備え
ている。トラックフレーム9は、例えば略長方形の枠体
によって形成され前記篩ユニット1、前記土砂ホッパ
2、前記混合装置3、前記土質改良材供給装置5、及び
後述のパワーユニット(機械室)84等を載置する車台
を構成する土質改良機取付け部9Aと、この土質改良機
取付け部9Aと前記の左・右無限軌道履帯10とを接続
する脚部9Bとから構成される。また無限軌道履帯10
は、前記脚部9Bに回転自在に支持された駆動輪11及
び従動輪(アイドラ)12の間に掛け渡されており、駆
動輪11側に設けられた左・右走行用油圧モータ13
(図示せず)によって駆動力が与えられることにより自
走式土質改良機を走行させるようになっている。
【0028】前記の篩ユニット1は、前記土砂ホッパ2
とともに、前記トラックフレーム土質改良機取付け部9
Aの長手方向(図2中左右方向)一方側(自走式土質改
良機前方側、すなわち図2中左側)端部の上方に搭載さ
れている。
【0029】図3は、前記の篩ユニット1の全体構造を
示す上面図であり、図4はその側面図である。これら図
3及び図4において、篩ユニット1は、上下方向に振動
可能ないわゆる振動篩であり、前記トラックフレーム土
質改良機取付け部9Aに立設した支持ポスト14の上に
設けた支持部材15に、ばね16を介して弾性的に支持
された支持枠体17と、この支持枠体17に装着された
格子部材18と、この格子部材18の振動軸19を内部
に挿通した回転ドラム20と、この回転ドラム20を回
転駆動させるための駆動力を発生する加振用油圧モータ
21とを有している。そして、加振用油圧モータ21の
駆動力をベルト22を介して回転ドラム20に伝達し回
転させることにより、回転ドラム20の内部に挿通され
た格子部材18の振動軸19が振動し、これによって格
子部材18及び支持枠体17が上下方向に振動するよう
になっている このとき、図2に示すように、支持枠体17は自走式土
質改良機の前方側(図2中左側)の方が自走式土質改良
機の後方側(図2中右側)よりも低くなるように傾斜し
て配置されているため、上記の振動により、篩ユニット
1に投入された土砂に含まれる種々の大きさの成分のう
ち、格子部材18の格子サイズより大きなものを格子部
材18より自走式土質改良機前方側(図2中左側)へと
流下させて排出し、格子部材18の格子サイズ以下のも
ののみを選別して下方の土砂ホッパ2へと導入するよう
になっている。これにより、土砂中に含まれる岩石、コ
ンクリート、金属塊等の固形異物を排除すると共に、土
砂の嵩密度を低下させて土砂の内部に十分な空気が含ま
れるようにする機能をも果たす。
【0030】前記の搬入コンベア4は、図2に示すよう
に、トラックフレーム土質改良機取付け部9Aの長手方
向一方側(図2中左側)端部に搭載されており、その略
直上に前記土砂ホッパ2及び前記篩ユニット1が位置し
ている。この搬入コンベア4は、上流側(図2中左側)
が低く下流側(図2中右側)が高くなっており、詳細に
は、前記トラックフレーム土質改良機取付け部9Aの長
手方向一方側から他方側へ向かって(自走式土質改良機
の後方へ向かって)所定角度だけ斜めに立ち上がるよう
に傾斜して設けられている。そしてこの搬入コンベア4
は、フレーム23と、このフレーム23に支持され搬入
コンベア用油圧モータ24(後の図14参照)で駆動さ
れる駆動輪25と従動輪(アイドラ)26との間に巻回
して設けられた搬送ベルト27と、この搬送ベルト27
における搬送面を支持するためのガイドローラ28と、
搬送ベルト27の搬送面の下流側端部において幅方向左
右両側に設けられた規制板29とを備えている。
【0031】前記の搬送ベルト27は、従動輪26側に
周知の調整機構を備えており、前記のガイドローラ28
は、前記フレーム23により支持され、搬送ベルト27
の搬送面の裏面と当接してその送りにより転動する固定
ローラであり、所定のピッチ間隔をもって複数個が配置
されている。
【0032】図5は、前記の土砂ホッパ2の詳細構造を
表す側断面図であり、図6は図5中VI−VI断面による横
断面図である。これら図5及び図6において、土砂ホッ
パ2は、上端部が前記支持部材15(図2参照)に固定
して設けられており、その下端部は搬入コンベア4の傾
斜角に応じた角度傾斜している。またこの土砂ホッパ2
は、篩ユニット1からの円滑な土砂投入時の便宜のた
め、上方へ向かって拡径となる無底の箱型形状(言い換
えれば略角筒形状あるいは枠体形状)となっており、そ
の上下は開口している。
【0033】このとき、この土砂ホッパ2の前記枠体を
構成する四周の側壁2a〜dのうち、自走式土質改良機
後方側の側壁2dには、高さが前記規制板29(図2参
照)の高さとほぼ同じでありかつ幅方向寸法が前記搬入
コンベア4の前記搬送ベルト27の幅より若干小さい土
砂供給用開口部(流出口)30が形成されている。
【0034】また、土砂ホッパ2における側壁2dの外
面側には外周面に抑圧爪31を多数設けた均しローラ3
2が設けられており、この均しローラ32により、搬送
土砂の高さはほぼ一定となるように調整される。
【0035】以上のような構造により、土砂ホッパ2
は、前記篩ユニット1より上方開口部33を介して投入
された土砂を搬入コンベア4の搬送ベルト27上に落下
させて下流側へと搬送し、このときその搬送ベルト27
上を搬送されていく投入土砂のうち前記供給用開口部3
0を通り抜けたものだけを土砂ホッパ2外へ導出し、混
合装置3へと導く。これにより、搬入コンベア4におけ
る搬送ベルト27の搬送速度と、土砂供給用開口部30
の開口面積と、均しローラ32により定まる所定量の土
砂が、土砂ホッパ2から混合装置3へ供給されるように
なっている。
【0036】図7は前記の土質改良材供給装置5の全体
構造を表す側断面図であり、図8はその上面図であり、
図9は図7中IX−IX断面による水平断面図であり、図1
0は図9中X−X断面による拡大断面図である。これら
図7〜図10において、土質改良材供給装置5は、前記
篩ユニット1よりも自走式土質改良機後方側(図2中右
側)に位置しており、図2に示すように、前記トラック
フレーム土質改良機取付け部9Aの長手方向ほぼ中間部
上に搭載されている。詳細には、トラックフレーム土質
改良機取付け部9A上に立設した4本(または3本)の
支柱34上に設けた略長方形の台板35に支持されてい
る。このとき、前記の搬入コンベア4は、その下流側端
部が、前記支柱34,34間にまで延在されており、こ
のような位置関係において、その搬入コンベア4下流側
端部の直上にある土質改良材供給装置5によって、土砂
ホッパ2から供給された土砂に対し搬入コンベア4上で
所定量の土質改良材が添加されるようになっている。
【0037】土質改良材供給装置5は、所定量の土質改
良材を貯留する貯留タンク36と、この貯留タンク36
の下部に連設され、所定量ずつ土質改良材を供給するフ
ィーダ37とを備えている。
【0038】前記の貯留タンク36は、全体が概略円筒
形状で内部に土質改良材を貯留する空間を有するもので
あり、その高さ寸法が可変(詳細は後述)な構成となっ
ている。すなわち、貯留タンク36は、下部側が前記台
板35上に設置され、有底筒形の下部タンク部38と、
略円形の天板部39と、下部タンク部38と天板部39
との間に設けた上部側の容積が可変な上部タンク部とし
ての蛇腹部40とから構成される。
【0039】前記天板部39は、外周側が下方に曲成さ
れた板体からなり、その中央部には概略円形の開口41
が形成されており、この開口41の上部には両開き可能
な開閉蓋42が設けられている。そして、天板部39の
開閉蓋42を設けた部位の下方位置には、カッタ43が
装着されており、このカッタ43は、開閉蓋42の下面
に連結した支持アーム44に取り付けられている。
【0040】貯留タンク36に土質改良材を充填すると
きには、トラックフレーム土質改良機取付け部9Aの片
側に設けたクレーン45(図1参照)を用いる。このク
レーン45は、特に詳細な図示を省略するが、トラック
フレーム土質改良機取付け部9Aに基端部が枢支接続さ
れテレスコープ状に伸縮するアームと、アームを俯仰動
作させるシリンダとを備えており、アームの先端におい
てワイヤを巻き上げたり引き下ろしたりすることによ
り、ワイヤに連結したフックを昇降可能となっている。
【0041】すなわち、天板部39に設けた開閉蓋42
を開き、フレキシブルコンテナを前記クレーン45で吊
り下げた状態でこの開閉蓋42から貯留タンク36の内
部に挿入し、自重によりフレキシブルコンテナをカッタ
43に押し付けてその下端部を切り裂き、フレキシブル
コンテナ内部の土質改良材を貯留タンク36内へ供給す
る。なおこのとき、カッタ43で切り裂かれたフレキシ
ブルコンテナから土質改良材が確実に貯留タンク36内
に流入し、周囲に溢出したり飛散したりしないようにす
るために、カッタ43が取り付けられた支持アーム46
は天板部39から所定深さだけ入り込んだ位置に設けら
れている。
【0042】なお、土質改良材は、土質を改良したり改
質したりするために土砂に混合されるものであり、土質
改良及び改質の目的に応じたものが適宜使用される。通
常、地盤を強化するための地盤改良や、配管の埋設等を
行うにあたって、掘削土をもって配管敷設部の周囲を埋
め戻すための埋め戻し土として用いる場合には、石灰や
セメント等の固化材、特に石灰が好適に用いられ、この
石灰には、必要に応じて固化を促進するための様々な添
加剤等が混合される。
【0043】一方、前記の下部タンク部38は、図7及
び図9に示すように、底板47と周胴部48とから構成
されている。このとき、下部タンク部底板47には、所
定の開口径を有する土質改良材供給開口49が設けら
れ、この開口49から土質改良材をフィーダ37へ供給
するようになっている。そして円滑かつ確実なフィーダ
37への供給を実現するために、下部タンク部38内の
下部にはホッパ内撹拌手段50が設けられている。
【0044】このホッパ内撹拌手段50は、下部タンク
部38の底板47の中央部を貫通して伸びる回転軸51
に複数本(この実施の形態では4本)の主攪拌翼52を
取り付けたものからなり、主攪拌翼52は下部タンク部
38内の底板47に近接した位置に配置される。一方、
回転軸51の下部タンク部38外の位置には、その底板
47の裏面側に固定して設けた撹拌用油圧モータ53に
連結されている。ここで、撹拌用油圧モータ53は、電
動モータ等で構成してもよい。
【0045】前記の主攪拌翼52の径方向外周側の先端
は下部タンク部38の周胴部48の内面近傍にまで延在
されており、各主攪拌翼52の先端部間を周方向に連結
するように、リング状の保持部材54が固着して設けら
れている。そして、この保持部材54において、前後に
位置する主攪拌翼52への連結部分の間にそれぞれ1ま
たは複数の補助攪拌翼55が取り付けられている。これ
ら各補助攪拌翼55は保持部材54の径方向内周側の面
から下部タンク部38の底板47に沿って回転軸51側
に向けて所定の長さだけ突出している。
【0046】なお、土質改良材供給用開口49は底板4
7における外周側、つまり周胴部48への連設側に近接
した位置に設けられており、補助攪拌翼55の回転軌跡
はこの土質改良供給用開口49が開口する位置の上部を
含むようになっている(図9参照)。そしてホッパ内撹
拌手段50の回転方向は、図9中矢印で示す方向であ
り、主攪拌翼52は、図10に示すように、その回転方
向の前方側の側面は上方に立ち上がる傾斜面56となっ
ている。また、補助攪拌翼55における回転方向前方側
の側面57は、その平面上において、保持部材54への
連設側から、つまり下部タンク部38の外周側から回転
中心側に向けて回転方向後方に向くように傾斜してい
る。
【0047】図11は、前記のフィーダ37の詳細構造
を表す側断面図である。この図11において、フィーダ
37は、貯留タンク36における前記土質改良材供給用
開口49の下面に固着したケーシング58を有してい
る。
【0048】このケーシング58には土質改良材供給用
開口49に通じる流入口59と下方に開口した供給口6
0とを有し、その中間部の壁面は円弧状の定量供給部6
1となっている。この定量供給部61の内部には、ロー
タ62が回転軸63に嵌合するようにして設けられ、こ
のロータ62は回転軸63を図示しないフィーダ用モー
タによって回転駆動されるようになっている。ロータ6
2には定量供給部61の内壁面に対してほぼ摺接する複
数の隔壁64が放射状に設けられており、ロータ62が
所定角度回転する毎に相隣接する隔壁64,64間の空
間に相当する分の土質改良材が分離され、その空間の容
積分の土質改良材が定量ずつ供給されるようになってい
る。
【0049】そこで、ロータ62の回転速度を制御する
ことにより、土質改良材の供給量を制御することがで
き、つまりロータ62の回転速度を速くすればするほど
土質改良材の供給量を多くできる。このようにしてフィ
ーダ37は土質改良材を調整された供給量で供給できる
ようになっている。また、搬入コンベア4による土砂の
搬送量を図示しない検出手段で検出し、その検出量に応
じてフィーダ37の図示しないフィーダ用モータを駆動
制御し土質改良材供給装置5からの土質改良材の供給量
を調整するようにすれば、供給土砂と土質改良材との混
合比の制御を行うこともできる。このとき、ロータ62
の回転による土質改良材の供給を厳格に制御するには、
フィーダ用モータとしては可変速電動モータを用いるの
が望ましいが、流量調整弁等により回転速度を可変にす
る構成とすれば、油圧モータで構成しても良い。
【0050】なお、前記した貯留タンク36を上下に分
けて、上部側に蛇腹部40を設けたのは、貯留タンク3
6による土質改良材の収容量を多くし、かつ自走式土質
改良機全体をトレーラ等で輸送する際にその高さ寸法を
低くするためである。以下、この点について説明する。
【0051】すなわち、前記下部タンク部38及び前記
天板部39は鋼板等の硬質部材で形成されるとともに、
前記蛇腹部40は上下方向に向けて伸縮可能となってい
る。これによって、蛇腹部40を伸長させる(作動状
態)と内部に大量の土質改良材を貯留できるようになる
一方、蛇腹部40を収縮させる(格納状態)と自走式土
質改良機の高さ寸法が短縮される。つまり、蛇腹部40
は土質改良材供給装置5の高さ調整手段として機能する
ようになっている。
【0052】ここで、蛇腹部40が伸長した作動状態
と、縮小した格納状態とは、それぞれ選択的に固定され
る必要がある。このために、天板部39には、図2に示
すよううに取付板65が側方に延在するように設けられ
ており、これら各取付板65には支持杆66が垂設され
ている。また、台板35にはこれら各支持杆66の垂設
位置に対応する位置に、それぞれガイド筒67が立設さ
れており、支持杆66は各々ガイド筒67内に摺動可能
に挿入されている、これによって、ガイド筒67と支持
杆66とはテレスコープ状に嵌合された状態になってお
り、支持杆66はガイド筒67を貫通して下方にまで突
出可能となっている。
【0053】このとき、支持杆66には上下に2箇所に
ピン挿通孔68(図2に上方のもののみ図示)が設けら
れ、またガイド筒67には所定の位置に1箇所だけピン
挿通孔69が穿設されている。そして、このガイド筒ピ
ン挿通孔69に対して支持杆66の下方の挿通孔を一致
させた状態にしてストッパピン(図示せず)を挿通させ
ると、蛇腹部40は伸長した作動状態に保持される(図
2の状態)。これに対して、支持杆66の上方のピン挿
通孔68をガイド筒67のピン挿通孔69と一致させて
ストッパピンを挿通させると、蛇腹部40は格納状態に
保持されるようになっている。
【0054】以上説明した、土砂ホッパ2、搬入コンベ
ア4、及び土質改良材供給装置5が、土砂と土質改良材
とからなる土質改良を行うための素材を供給する素材供
給部としての機能を果たす。
【0055】図12は、前記の混合装置3の詳細構造を
表す上面図であり、図13は図12中XIII−XIII断面に
よる側断面図である。これら図12及び図13におい
て、混合装置3はトラックフレーム土質改良機取付け部
9Aの長手方向中間部に設けられており、長手方向(=
略水平方向)に配置した長方形状容器からなる混合装置
本体70と、この混合装置本体70の前方側(図1中左
側)及び後方側(図1中右側)において幅方向両側にそ
れぞれ張り出して設けられ、ボルト等を介しトラックフ
レーム土質改良機取付け部9Aの上面に取りつけられる
取付け部71と、前記混合装置本体70の前方側上部に
設けられ、前記搬入コンベア4からの土砂及び土質改良
材供給装置5からの土質改良材を導入する導入口72
と、前記混合装置本体70の後方側下部に設けられた排
出口73と、混合装置本体70内に互いに平行に設けら
れた偶数本(この実施の形態では2本)のパドルミキサ
74とを有している。
【0056】前記の混合装置本体70は、前記導入口7
2及び排出口73以外の部位は密閉構造となっている。
【0057】前記のパドルミキサ74は、回転軸75
と、この回転軸75に攪拌・移送部材として間欠的に多
数設けられた羽根(パドル)76と、前記回転軸75の
それぞれの両端を回転自在に支持する軸受77,77と
を備えている。
【0058】このとき、前記回転軸75の後端部は、混
合装置本体70の後端部に設けた駆動部78内に延在さ
れている。各回転軸75の後端には伝達ギア79が連結
されており、両伝達ギア79,79は相互に噛合してい
る。そして、一方の(図12中上方の)伝達ギア79に
は混合用油圧モータ80の出力軸に連結されており、こ
の混合用油圧モータ80を回転駆動することによって、
両回転軸75,75を同時にかつ相互に反対方向に回転
駆動するようになっている。
【0059】またこのとき、前記パドル76は、図12
及び図13に示すように所定の角度(例えば90°毎)
となるようにして多数設置されており、上記のように回
転軸75を回転させることによって、パドル76が回転
駆動されて混合装置本体70内に導かれた土砂及び土質
改具材が攪拌され均一に混合されながら、排出口73側
に向けて移送されるようになっている。なお、この移送
量は、パドル76の角度を変えることで適宜調整可能で
ある。
【0060】以上のようにして、混合装置本体70の導
入口72から導入された土砂と土質改良材とがパドルミ
キサ74の作用で均一に攪拌・混合されると共に、排出
口73に向けて移送され、その移送の間に改良土が製造
される。そして、このようにして製造された改良土は排
出口73から自重の作用で前記搬出コンベア8上に排出
されるようになっている。このとき、混合装置3はトラ
ックフレーム土質改良機取付け部9A上に他の機器等と
共に設置されることからその全体の寸法には制約がある
が、パドルミキサ74を用いることによってその制約さ
れた容器内においても効率的に撹絆及び混合を行えるよ
うになっている。
【0061】なお、前述したように、混合装置本体70
は導入口72及び排出口73を除いて密閉形状となって
いるが、この混合装置本体70内には、固形異物等が入
り込んで、パドルミキサ74の円滑な作動を阻害した
り、甚だしい場合にはパドルミキサ74の作動が停止し
たりする可能性がある。また、土質改良材として、石灰
やセメント等の固化材を用いる場合には、混合装置本体
70内に土質改良材が残存したまま放置されていると、
混合装置本体70の内面やパドル76等にこびりつく可
能性がある。さらに、パドル76は長期間の間には摩耗
すること等から、適宜修理や交換の必要もある。以上の
ことから、混合装置本体70の内部点検・修理用に、混
合装置本体70の側面又は上面に開閉扉81が設けられ
る。さらに下面にもこの開閉扉を設けてもよい。
【0062】また、特に詳細を図示しないが、混合装置
本体70の底部は、パドル76の回転軌跡と概略一致す
る曲面形状となっており、これによって土砂や土質改良
材が混合装置本体の下端部の角隅部等に滞留するのを防
止している。
【0063】以上説明した混合装置3が、土砂と土質改
良材との攪拌・混合を行う処理機構部としての機能を果
たすようになっている。
【0064】前記の搬出コンベア8は、搬出コンベア用
油圧モータ82によってベルト83を駆動し、これによ
って前記混合装置3からベルト83上に落下してきた混
合物(改良土)を運搬するようになっている。
【0065】図1及び図2に戻り、またこの搬出コンベ
ア8は、搬送側(言い換えれば自走式土質改良機後方
側、図2中右側)端部近傍の部分が図示しない支持部材
を介しパワーユニット84(詳細は後述)に吊り下げ支
持されている。また、反搬送側(自走式土質改良機前方
側、図2中左側)端部近傍の部分(図示せず)及び搬送
方向中間部85は、前記トラックフレーム土質改良機取
付け部9Aよりも下方に位置している。それらのうち、
前記搬送方向中間部85は図示しない中間部材を介して
トラックフレーム土質改良機取付け部9Aから吊り下げ
られるように支持されており、反搬送側端部近傍の部分
も、支持部材(図示せず)を介しトラックフレーム土質
改良機取付け部9Aから吊り下げられるように支持され
ている。
【0066】以上のような支持構造により、搬出コンベ
ア8は、図2に示すように、混合装置3の下方位置にお
いて搬送方向に小距離だけ水平に延在した後、パワーユ
ニット84の外縁部(後端部)86の下方空間で、搬出
方向(図2中右方)に斜め上方に立ち上がるように延在
配置されている。
【0067】以上説明した搬出コンベア8が、改良土排
出部としての機能を果たすようになっている。
【0068】ここで、上記篩ユニット1、搬入コンベア
4、ホッパ内撹拌手段50、混合装置3、搬出コンベア
8、及び無限軌道履帯10は、この自走式土質改良機に
備えられる油圧駆動装置により駆動される被駆動部材を
構成する。
【0069】図14はその概略構成を表す油圧回路図で
ある。図14において、この油圧駆動装置は、動力源、
すなわち原動機としてのエンジン87と、このエンジン
87によって駆動される油圧ポンプ88,89と、油圧
ポンプ88,89から吐出される圧油がそれぞれ供給さ
れる7つのモータ、即ち前述の左・右走行用油圧モータ
13L,13R、加振用油圧モータ21、搬入コンベア
用油圧モータ24、攪拌用油圧モータ53、混合用油圧
モータ80、搬出コンベア用油圧モータ82と、油圧ポ
ンプ88,89からそれら油圧モータ13L,13R,
21,24,53,80,82に供給される圧油の方向
及び流量を制御する4つの制御弁90,91,92,9
3とを有している。
【0070】制御弁90,91,92,93は、いずれ
も3位置切換弁であり、加振用油圧モータ21、搬入コ
ンベア用油圧モータ24、攪拌用油圧モータ53及び搬
出コンベア用油圧モータ82に接続された軽負荷機器用
制御弁90と、右走行用油圧モータ13Rに接続された
右走行用制御弁91と、左走行用油圧モータ13Lに接
続された左走行用制御弁92と、混合用油圧モータ80
に接続された混合用制御弁93とから構成されている。
【0071】油圧ポンプ88から吐出された圧油は、左
走行用制御弁92及び混合用制御弁93の切換ストロー
クに応じて、左走行用油圧モータ13L及び混合用油圧
モータ80に供給されるようになっている。また、油圧
ポンプ89から吐出された圧油は、軽負荷機器用制御弁
90及び右走行用制御弁91の切換ストロークに応じ
て、加振用油圧モータ21、搬入コンベア用油圧モータ
24、攪拌用油圧モータ53、搬出コンベア用油圧モー
タ82、右走行用油圧モータ13Rへ供給されるように
なっている。
【0072】なお、上記エンジン87、油圧ポンプ8
8,89、及び制御弁90,91,92,93を備えた
制御弁装置(図示せず)は、いずれも、前記トラックフ
レーム土質改良機取付け部9Aの長手方向他方側端部の
上部にパワーユニット積載部材94(図2参照)を介し
搭載されたパワーユニット84内に設けられている。こ
のパワーユニット84は、図2に示したように、前記混
合装置3よりさらに自走式土質改良機後方側(図2中で
は右側)に位置している。
【0073】このパワーユニット84の自走式土質改良
機前方側(図2中左側)の領域には、特に図示しない
が、操作者が搭乗する区画である運転席が設けられてい
る。この運転席には、前記制御弁装置に備えられた前記
左・右走行用コントロールバルブ92,93(図14参
照)を切り換え操作して前記左・右走行用油圧モータ1
3の駆動速度を制御するための操作手段(例えば左・右
操作レバー、図示せず)が設けられている。
【0074】なお、以上のパワーユニット84の各機器
は、パワーユニット84の基礎下部構造をなすパワーユ
ニットフレーム95(図2参照)上に配置されており、
このパワーユニットフレーム95が、前記パワーユニッ
ト積載部材94(図2参照)を介し、前記トラックフレ
ーム自走式土質改良機取付け部9Aの長手方向他方側
(後方側)端部の上部に搭載されている。
【0075】以上のような基本構成の自走式土質改良機
において、本実施の形態の最も大きな特徴は、土砂ホッ
パ2内の架橋現象を検出する架橋検出手段としての超音
波センサ96,97と、これら架橋検出手段で前記架橋
現象が検出されたことを表示する表示手段としてのパト
ライト98とを設けたことである。
【0076】即ち、図5及び図6において、前記超音波
センサ96は前記土砂ホッパ2における自走式土質改良
機後方側の側壁2dの内周側から見て右上方部に、前記
超音波センサ97は内周側から見て左下方部に設けら
れ、これら超音波センサ96,97はそれぞれカバー9
6A,97A及び側壁2dにより下方を除く周囲を覆わ
れており、土砂から保護されるようになっている。
【0077】また、これら超音波センサ96,97は、
土砂表面の位置を計測する公知の超音波式の位置センサ
であり、それぞれ超音波を送波、受波する図示しない送
波手段及び受波手段を有しており、送波手段から送波さ
れ位置検出対象物(この場合は搬送ベルト27上の土
砂)で反射した超音波を受波手段で受波するまでの時間
をカウントし、その長さによって土砂の存在を検出する
ようになっている。
【0078】例えば、土砂ホッパ2内の下方に設けた前
記超音波センサ97は、送波手段から送波し、搬送ベル
ト27上での反射波を受波手段で受波するまでの伝波時
間を設定しきい値として保存(記憶)している。そし
て、搬送ベルト27上に少しでも土砂等が存在すれば、
超音波はその表面で反射し、送波手段から送波された超
音波は前記の設定よりも早く受波手段に受波されるた
め、超音波センサ97は、これに応じてパトライト98
へON信号を出力する。
【0079】同様に、超音波センサ96も、土砂の上面
が土砂ホッパ2内の比較的高い位置(例えばカバー97
Aの上部付近)にあるときの伝波時間を設定しきい値と
して保存しており、土砂ホッパ2内の土砂上面位置がそ
れより高くなると、これに応じてパトライト98へON
信号を出力するようになっている。
【0080】パトライト98は、図1に拡大して示すよ
うに、前記の台板35上の自走式土質改良機前方側(図
1中左側)の左右方向一方側(図1中上側)に前記の下
部タンク部38と干渉しないように設けられており、下
部に備えた取付台99に開けられた4つ(穴数は充分に
安定性が確保できれば、これに限られない)の貫通穴を
介してボルト100で台板35に取付けられている(取
付方法も充分に安定性が確保できるものであればこれに
限られず、溶接等他の方法でもかまわない)。また、パ
トライト98は2つの表示部101,102を有し、赤
・緑等見易い色に分かれており、前記の超音波センサ9
6,97の検出結果に応じて表示部101,102の両
方を点灯・消灯、或いは1灯のみを点灯するなどして土
砂の状態を表示する(詳細は後述)ようになっている。
すなわち、上方の表示部102は、前記土砂ホッパ2内
上方に位置する超音波センサ96からの信号がONのと
きには点灯し、OFFのときには消灯する。同様に下方
の表示部101は、前記土砂ホッパ2内下方に位置する
超音波センサ97からの信号がONのときには点灯し、
OFFのときには消灯する。
【0081】上記において、超音波センサ96,97が
特許請求の範囲各項記載の土砂ホッパ内の土砂の状態量
を計測する第1計測手段を構成し、また、土砂ホッパ内
の架橋現象を検出する架橋検出手段をも構成する(後
述)。また、パトライト98が架橋検出手段で架橋現象
が検出されたことを表示する表示手段を構成する。
【0082】次に、本実施の形態の動作及び作用を以下
に説明する。
【0083】例えば油圧ショベルのバケット等により自
走式土質改良機の前記篩ユニット1に土砂を投入する
と、この篩ユニット1で選別されて前記格子部材8を通
過した土砂成分が下方の土砂ホッパ2へと導入される。
土砂ホッパ2で受け入れられた土砂は、その下方の搬入
コンベア4の搬送ベルト27上に載置され、自走式土質
改良機後方へ向かって搬送される。そして、搬入コンベ
ア4の搬送方向下流側端部近傍にて、その搬送土砂の表
面に貯留タンク36からフィーダ37を介して所定量の
土質改良材が加えられ、これらの混合物が混合装置3へ
と導入される。
【0084】混合装置3へ導入された土砂及び土質改良
材は、混合装置本体70内のパドルミキサ74,74で
均一に攪拌混合され、団粒状態となった改良土となって
搬出コンベア8のベルト83上に排出される。そして、
改良土は搬出コンベア8によってさらに自走式土質改良
機後方へと運搬され、最終的に自走式土質改良機後部か
ら搬出される。
【0085】上記のような土質改良動作において、土砂
ホッパ2においては、前述のように自走式土質改良機後
方側の側壁2dに所定の大きさの供給用開口部30が設
けられ、搬送用コンベア4の搬送ベルト27上を搬送さ
れていく投入土砂のうち前記供給用開口部30を通り抜
けたものだけが土砂ホッパ2外へ搬送され、混合装置3
へと導入されるようになっている。そのため、前記供給
用開口部30を通り抜けられなかった土砂は、搬送ベル
ト27の搬送方向への動作に伴って前記側壁2dに沿っ
て上方へせり上がるような向きの力(図5中矢印ア参
照)を受けることとなる。
【0086】一方、土砂ホッパ2の前記上方開口部33
からは連続的に土砂が投入され、その重量は下方の土砂
へと順次重畳して加わることとなるが、図5に示すよう
に土砂ホッパ2は下方ほど縮径する形状であるため、下
方の土砂ほど上方の土砂の重みで土砂ホッパ径方向内向
き及び下向きに力を受ける(図5中矢印イ参照)傾向と
なる。
【0087】以上のように、土砂ホッパ2内下部の土砂
は、上方の土砂からの下向き・内向きの力(矢印イ)
と、自走式土質改良機後方側側壁面に沿う上向きの力
(矢印ア)との相互作用によって圧縮される。その結
果、土砂ホッパ2の側壁2a〜dの内面に次々と重畳し
て付着し、搬送ベルト27との間に空隙ができた状態で
締め固まった土塊となる(=架橋現象、又はブリッジ現
象ともいう)場合がある。
【0088】図15は、この架橋現象を模式的に示した
図である。このように架橋現象が発生したときは、土質
改良作業を中断して締め固まった土砂(土塊)103を
除去しなければならない。そのため、自走式土質改良機
の作業効率や稼動率の向上のためには、架橋現象が発生
したらすみやかに土塊103の除去作業を行い、土質改
良作業に復帰する必要がある。また、土質によっては、
架橋現象発生後時間がたつほど土砂の締め固まりの度合
いが強くなり、その除去作業に要する労力や作業時間が
増大する場合がある。したがって、この場合は特に、架
橋現象が発生したらすみやかに土塊103の除去作業を
行う必要がある。
【0089】そこで、本実施の形態では、図5及び図6
を参照して説明したように、架橋現象を検出すべく前述
の超音波センサ96,97を設けている。ここで、本実
施形態における架橋現象の検出の動作を説明する。
【0090】i)土砂が未投入の場合 土砂ホッパ2内に土砂が存在しないので、超音波センサ
96からの信号はOFFとなり、超音波センサ97から
の信号もOFFとなる。この結果、パトライト98は表
示部101,102の両方とも消灯状態となる。
【0091】ii)土砂が正常に搬送されている場合 土砂ホッパ2内に土砂が正常に存在しているので、超音
波センサ96からの信号はONとなり、超音波センサ9
7からの信号もONとなる。この結果、パトライト98
の表示部101,102の両方が点灯する iii)架橋現象が発生した場合 この場合、図15に示すように、土砂が土砂ホッパ2内
にて下方に間隙を持ちつつ締め固まっており、搬送ベル
ト27上に空隙が生じるので、超音波センサ96からの
信号はONとなるが、超音波センサ97からの信号はO
FFとなる。この結果、パトライト98は表示部102
のみが点灯し、表示部101は消灯状態となる。すなわ
ち、このような上部1灯点灯状態が架橋現象の発生を表
示することになる。
【0092】これにより、土砂投入作業従事者(油圧シ
ョベルの操作者)は作業を中断し、締め固まった土砂
(土塊)103の除去作業にすみやかに着手することが
できるので、従来構造に比べて再び土質改良作業に復帰
するまでの時間を短縮して作業効率及び稼動効率を向上
できる。また特に、架橋現象発生後の経時に応じて土塊
除去作業の労力及び作業時間が増大する土質の場合、そ
の労力及び作業時間を低減できる効果も得られる。
【0093】なお、上記本発明の一実施の形態において
は、超音波センサ96,97の信号を用いて直接パトラ
イト98の表示部101,102を点灯・消灯させ、架
橋現象発生時にはパトライト98が表示部102のみの
上部1灯表示となることで架橋現象を表示したが、これ
に限られず、他の表示方法でもよい。以下、そのような
変形例を図16を用いて説明する。
【0094】すなわち、この変形例は超音波センサ9
6,97からの信号を図示しないコントローラへ入力し
て架橋現象の有無を判定し、その判定結果に応じて1灯
式(1色で足りる)のパトライト98’(図示せず)を
点灯させるものであり、図16は、前記コントローラに
よる制御手順を表すフローチャートである。
【0095】図16において、まずステップ10で超音
波センサ96の検出信号を入力し、ステップ20でその
入力した信号がONであるかどうかを判定する。OFF
であった場合は判定が満たされず、ステップ10に戻っ
て同様の手順を繰り返す。入力信号がONであった場
合、判定が満たされてステップ30へ移る。
【0096】ステップ30では、超音波センサ97の検
出信号を入力し、ステップ40でその入力した信号がO
FFであるかどうかを判定する。ONであった場合は判
定が満たされず、ステップ10に戻って同様の手順を繰
り返す。入力信号がOFFであった場合、判定が満たさ
れてステップ50へ移る。
【0097】ステップ50ではパトライト98’へ架橋
表示信号を出力し、このフローを終了する。
【0098】本変形例においては、土砂正常搬送時には
超音波センサ96,97の検出信号が共にON信号とな
ることから、図16におけるステップ10→ステップ2
0→ステップ30→ステップ40が繰り返されてパトラ
イト98’は点灯しないが、架橋現象が発生するとステ
ップ40の判定が満たされて、ステップ50でパトライ
ト98’に架橋表示信号が出力され、パトライト98’
が点灯する。これにより、上記本発明の一実施の形態と
同様、土砂投入作業従事者(油圧ショベルの操作者)は
作業を中断し、締め固まった土砂(土塊)103の除去
作業にすみやかに着手することができるという効果を得
る。
【0099】本発明の自走式土質改良機の他の実施の形
態を図17及び図18により説明する。
【0100】図17は、本実施の形態による自走式土質
改良機の要部である土砂ホッパ2の詳細構造を表す側断
面図であり、図18は図17中XVIII−XVIII断面による
横断面図である。図中、図5及び図6に示す部分と同様
の部分には同じ符号を付している。
【0101】図17及び図18に示すように、本実施の
形態は、土砂ホッパ2の自走式土質改良機後方側(図1
7中右側)の側壁2dの内周側の前記の超音波センサ9
6,97の略中間位置に、更にもう1つの超音波センサ
104及びカバー104Aを設けたものである。また、
特に図示しないが本実施の形態においても同様に各超音
波センサ96,97,104からの信号のON又はOF
Fを図示しないパトライトに出力し、パトライトはこの
信号に基づいて土砂ホッパ2内の土砂の状態量を表示す
る。ここでこの表示方法は、各超音波センサ96,9
7,104に対応した3個(3灯)の表示部を備えたパ
トライトを設け、各超音波センサ96,97,104の
出力する信号のON又はOFFに応じて対応する表示部
が点灯・消灯するようにしてもよいし、コントローラを
設け、各超音波センサ96,97,104から出力され
る信号に基づき、超音波センサ96からの信号のみがO
N、又は超音波センサ104からの信号のみがON、も
しくは超音波センサ96,104からの信号のみがON
の場合には、架橋現象が発生しているとみなして1灯の
表示部からなるパトライトを点灯するようにしてもよ
い。この場合も同様の効果を得る。
【0102】本発明の自走式土質改良機の更に他の実施
の形態を図19及び図20により説明する。
【0103】本実施の形態では、土砂ホッパ2内の土砂
高さがある程度高くなってきたら架橋現象が発生する可
能性が高いと予測することにより、架橋現象の発生を予
知的に検出する実施の形態である。
【0104】図19は、本実施の形態による自走式土質
改良機の要部である土砂ホッパ2の詳細構造を表す側断
面図であり、図20は図19中XX−XX断面による横断面
図である。図中、図5及び図6に示す部分と同様の部分
には同じ符号を付している。
【0105】図19及び図20に示すように、本実施の
形態は、土砂ホッパ2の自走式土質改良機後方側(図1
9中右側)の側壁2dの内周側の中央上方部に1つの超
音波センサ105及びカバー105Aを設けたものであ
る。この超音波センサ105は、土砂の上面が土砂ホッ
パ2内の比較的高い所定の高さ(例えば図19中P)に
あるときの前記伝波時間を設定しきい値として保存して
おり、土砂ホッパ2内の土砂上面位置がそれより高くな
ると、これに応じてパトライト(図示せず)へON信号
を出力するようになっている。
【0106】すなわち、投入された土砂が溜まって土砂
表面の高さが所定の高さを超えると、伝波時間が設定し
きい値よりも小さく(短く)なり、超音波センサ105
はパトライトに出力する信号をONに切換え、パトライ
トは土砂ホッパ2内の土砂の高さが所定の高さを超えた
ことを表示するようになっている。
【0107】また、パトライトは1灯の表示部(図示せ
ず)を備えており、この表示部の点灯・消灯により超音
波センサ105の出力する信号が切換わったことを表示
するようになっている。なお、前記パトライトは、前述
のものに限られず、例えば1灯の表示灯の表示色を変化
させることで信号の切換わりを表示するものでもよく、
要するに超音波センサ105の出力する信号が切換わっ
たことを明確に表示するものであればよい。
【0108】上記において、超音波センサ105が特許
請求の範囲記載の土砂ホッパ内の土砂の状態量を計測す
る第1計測手段を構成し、また、土砂ホッパ内の架橋現
象を検出する架橋検出手段をも構成する。
【0109】図5を用いて前述したように、架橋現象は
土砂ホッパ2内において、上方の土砂からの下向き・内
向きの力(矢印イ)と上向きの力(矢印ア)との相互作
用によって圧縮される結果、土砂ホッパ2の側壁2a〜
dの内面に次々と重畳して付着し締め固まることにより
発生する。したがって、架橋現象発生の直前には、土砂
ホッパ2内に土砂が滞留して土砂高さが比較的高くなっ
ている場合が多い。
【0110】そこで、本実施の形態によれば、1つの超
音波センサ105のみを用いて、土砂ホッパ2内の土砂
表面の高さが比較的高い所定の高さに達したことを検出
し、これをパトライトで表示する。これにより、土砂投
入作業従事者(油圧ショベル操作者)はこのまま投入作
業を続けると土砂ホッパ2内で架橋現象が発生するであ
ろうことを予測できる。
【0111】本発明の自走式土質改良機の更に他の実施
の形態を図21及び図22により説明する。
【0112】本実施の形態も、上記の実施の形態同様、
予知的検出を行う実施の形態である。図21は、本実施
の形態による自走式土質改良機の要部である土砂ホッパ
2の取付構造を表す側面図であり、図22は図21中XX
II−XXII断面による横断面図である。図中、図2に示す
部分と同様の部分には同じ符号を付している。これら図
21及び図22において、土砂ホッパ2の両側(図1中
上下側)の側壁2b及び2c(図6参照)は、それぞれ
その外周側に取付板106,106を有しており、この
取付板106,106が前記の支持部材15の内周側に
設けられた取付板107,107上に載置されることに
より、土砂ホッパ2が支持部材15上に支持されるよう
になっている。またこのとき、取付板106,106
は、図21に示すように水平に設けられた支持部材15
の取付板107,107に対し、土砂ホッパ2が自走式
土質改良機後方側(図21中右側)よりも自走式改良機
前方側(図21中左側)の方が低くなる向きに傾斜する
ように設けられている。
【0113】また、本実施の形態の最も大きな特徴とし
て、取付板106と取付板107の間に重量センサとし
てのロードセル108を介在させており、土砂ホッパ2
の全体重量を計測できるようになっている。
【0114】このロードセル108は、例えばひずみゲ
ージ等からなる公知のものであり、図示しないパトライ
トと電気的に接続しており、土砂ホッパ2の全体重量に
応じた電圧を別途設けたコントローラを介して表示信号
としてパトライトに出力する。パトライトはその表示信
号に応じて土砂ホッパ2内の土砂の重量を表示するよう
になっている。
【0115】ここで、その表示方法は、1灯の表示部か
らなるパトライトを設け、前記コントローラにロードセ
ル108の計測値に対する所定のしきい値を設定し、ロ
ードセル108の計測値が所定のしきい値を超えるとコ
ントローラがON信号を出力してパトライトが点灯する
ようにしてもよいし、複数の表示部を備えたパトライト
が計測された重量に応じて表示灯の点灯数を段階的に増
減させるようにするものでもよい。要するに重量の計測
結果(土砂の重量)が土砂投入作業従事者(油圧ショベ
ル操作者)に分かるものであればよい。
【0116】なお、ロードセル108と取付板106,
107との間にはロードセル108を衝撃から保護する
ための緩衝板109,109が介在して設けられてい
る。
【0117】上記において、ロードセル108は特許請
求の範囲記載の土砂ホッパ内の土砂の状態量を計測する
第1計測手段を構成し、また、土砂ホッパ内の架橋現象
を検出する架橋検出手段をも構成する。
【0118】すなわち、土砂投入作業従事者(油圧ショ
ベル操作者)は、土砂ホッパ2の全体重量が所定のしき
い値を超えたとき、このまま作業を続けると土砂ホッパ
2内に架橋現象が発生するであろうことを予測できる。
【0119】本発明の自走式土質改良機の更に他の実施
の形態を図23により説明する。
【0120】本実施の形態は、土砂ホッパ2内の重量を
計測することにより、架橋現象の発生を検出する実施の
形態である。
【0121】図23は、本実施の形態による自走式土質
改良機の要部である土砂ホッパ2及びその近傍の詳細構
造を表す側断面図である。図中、図5に示す部分と同様
の部分には同じ符号を付している。図23に示すよう
に、本実施の形態では、土砂ホッパ2内において、前記
搬送ベルト27の搬送面裏側に土砂ホッパ2内の重量を
計測するコンベアスケール110を設けている。土砂の
重量を測定する区間(以下、土砂重量測定区間という)
は、土砂ホッパ2の前後方向略中間位置の下方に位置す
る任意の前記ガイドローラ28,28の間である(但
し、繁雑防止のためガイドローラ28は図示省略)。前
記コンベアスケール110は、前記任意のガイドローラ
28,28の概略中間位置に搬送ベルト27の搬送面裏
側に当設するように設けられた重量測定ローラ111
と、前記フレーム23(図2参照)に固定された軸受部
材112と、この軸受部材112により揺動自在に支持
され一端に前記重量測定ローラ111を有する揺動板1
13と、揺動板113の他端に連結して設けられた荷重
センサ114とから構成されている。したがって、搬送
ベルト27上に所定量の土砂を堆積させた状態で搬送し
たときにおいて、搬送ベルト27の土砂を堆積させた部
位が前記土砂重量測定区間にまで搬送されると、搬送ベ
ルト27が沈むように撓み、重量測定ローラ111が図
23中矢印ウ方向に押動され、この重量測定ローラ11
1を連結した揺動板113の他端が同図中矢印エ方向に
揺動変位しようとするから、荷重センサ114に対する
荷重が増大することになり、この検出信号に基づいて搬
送ベルト27により土砂重量測定区間における土砂の重
量を計測することができるようになっている。
【0122】また、荷重センサ114は、前記ロードセ
ル108と同様、例えばひずみゲージ等からなる公知の
ものであり、図示しないパトライトと電気的に接続して
おり、また、搬送ベルト27上の土砂の重量(搬送ベル
ト27の撓み量)に応じた検出信号(電圧)を別に設け
たコントローラを介し表示信号としてパトライトに出力
する。パトライトはその表示信号に応じて土砂ホッパ2
内の土砂の重量を表示するようになっている。
【0123】ここで、その表示方法は、1灯の表示部か
らなるパトライトを設け、前記コントローラに荷重セン
サ114の計測値に対する所定のしきい値を設定し、荷
重センサ114の計測値が所定のしきい値を超えるとコ
ントローラがON信号を出力してパトライトが点灯する
ようにしてもよいし、複数の表示部を備えたパトライト
が計測された重量に応じて表示灯の点灯数を段階的に増
減させるようにするものでもよい。要するに重量の計測
結果(土砂の重量)が土砂投入作業従事者(油圧ショベ
ル操作者)に分かるものであればよい。
【0124】上記において、コンベアスケール110が
特許請求の範囲記載の土砂ホッパ内の土砂の状態量を計
測する第1計測手段を構成し、また、土砂ホッパ内の架
橋現象を検出する架橋検出手段をも構成する。
【0125】すなわち、コンベアスケール110を設け
ることにより、土砂投入作業従事者が土砂ホッパ2内に
土砂を投入しているにもかかわらず、土砂の重量(搬送
ベルト27の撓み)がほとんど計測されないときには、
架橋現象により搬送ベルト27上に空隙が生じているこ
とになる。このようにして1つの計測手段のみで、架橋
現象を検出することができる。
【0126】なお、本実施の形態においては、土砂ホッ
パ2内の土砂の状態量をコンベアスケール110によっ
てのみ計測する構成としたが、言うまでもなく前記の超
音波センサ105と併せて用いてもよい。これにより、
さらに確実に架橋現象を検出する構成が実現できる。
【0127】本発明の自走式土質改良機の更に他の実施
の形態を図24により説明する。
【0128】本実施の形態は、土砂ホッパ2内の土砂高
さ及び土砂ホッパ2外の土砂の重量を計測することによ
り、架橋現象の発生を検出する実施の形態である。
【0129】図24は、本実施の形態による自走式土質
改良機の要部である土砂ホッパ2近傍の詳細構造を表す
側断面図である。図中、図5に示す部分と同様の部分に
は同じ符号を付している。図24に示すように、本実施
の形態では、土砂ホッパ2を出て前記混合装置3までの
搬送経路における搬送ベルト27の土砂搬送面の裏側
(図24中下側)に摺接するように前記のコンベアスケ
ール110と同様のコンベアスケール115を設けてい
る。このコンベアスケール115は、上記コンベアスケ
ール110と同様にして、土砂ホッパ2を出て混合装置
3までの搬送経路における搬送ベルト27の撓み量を検
出することにより、搬送ベルト27上の土砂の重量を計
測するようになっている。また、土砂ホッパ2の自走式
土質改良機後方側の側壁2dの内周側の中央上方部に前
記の超音波センサ105及びカバー105Aを設け、土
砂ホッパ2内の土砂の量(上面位置高さ)も計測できる
ようになっている。
【0130】これらの超音波センサ105及びコンベア
スケール115は図示しないパトライトと電気的に接続
しており、それぞれパトライトに信号を出力する。ただ
し、コンベアスケール115は図示しないコントローラ
を介している。超音波センサ105は、送波手段から送
波し、搬送ベルト27上での反射波を受波手段で受波す
るまでの伝波時間を設定しきい値として保存(記憶)し
ており、搬送ベルト27上に少しでも土砂等が存在すれ
ば、パトライトへON信号を出力するようになってい
る。コンベアスケール115は、コントローラに比較的
小さいしきい値を設定しており、搬送ベルト27上に土
砂が存在し、計測値がそのしきい値を超えると、コント
ローラがパトライトへON信号を出力するようになって
いる。
【0131】パトライトは、2つの表示部(図示せず)
を有し、前記の超音波センサ105及びコンベアスケー
ル115の検出結果に応じて両方の表示部を点灯・消
灯、或いは1灯のみを点灯するなどして土砂の状態量を
表示する(詳細は後述)ようになっている。
【0132】上記において、超音波センサ105が特許
請求の範囲記載の土砂ホッパ内の土砂の状態量を計測す
る第1計測手段を構成し、コンベアスケール115が土
砂ホッパ2を出て混合装置までの搬送経路における土砂
の状態量を計測する第2計測手段を構成し、これら2つ
が土砂ホッパ内の架橋現象を検出する架橋検出手段を構
成する。
【0133】ここで、本実施形態における架橋現象の検
出の動作を説明する。
【0134】i)土砂が未投入の場合 土砂ホッパ2内に土砂が存在しないので、超音波センサ
105からの信号はOFFとなり、コントローラを介し
コンベアスケール115からの信号もOFFとなる。こ
の結果、パトライトの2つの表示部が両方とも消灯状態
となる。
【0135】ii)土砂が正常に搬送されている場合 土砂ホッパ2内に土砂が正常に存在しているので、超音
波センサ105からの信号はONとなり、コントローラ
を介しコンベアスケール115からの信号もONとな
る。この結果、パトライトの2つの表示部の両方が点灯
する iii)架橋現象が発生した場合 この場合、土砂が土砂ホッパ2内にて下方に間隙を持ち
つつ締め固まっており、土砂ホッパ2外に土砂が出てこ
ないので、超音波センサ105からの信号はONとなる
が、コントローラを介しコンベアスケール115からの
信号はOFFとなる。この結果、パトライトの1つの表
示部のみが点灯し、もう1つの表示部は消灯状態とな
る。すなわち、このような1灯点灯状態が架橋現象の発
生を表示することになり、架橋現象を検出する構成を実
現できる。これにより、上記本発明の一実施の形態と同
様、土砂投入作業従事者(油圧ショベルの操作者)は作
業を中断し、締め固まった土砂(土塊)の除去作業にす
みやかに着手することができるという効果を得る。
【0136】なお、上記本発明の更に他の実施の形態に
おいては、超音波センサ105及びコンベアスケール1
15の信号のON又はOFFに対してパトライトの2つ
の表示部を点灯・消灯させ、架橋現象発生時にはパトラ
イトが1つの表示部のみの1灯表示となることで架橋現
象を表示したが、これに限られず、他の表示方法でもよ
い。以下、そのような変形例を図25を用いて説明す
る。
【0137】すなわち、この変形例は超音波センサ10
5及びコンベアスケール115からの両方の信号をコン
トローラへ入力して架橋現象の有無を判定し、その判定
結果に応じて1灯式(1色で足りる)のパトライト(図
示せず)を点灯させるものであり、図25は、前記コン
トローラによる制御手順を表すフローチャートである。
【0138】図25において、まずステップ110で超
音波センサ105の検出信号を入力し、ステップ120
でその入力した信号がONであるかどうかを判定する。
OFFであった場合は判定が満たされず、ステップ11
0に戻って同様の手順を繰り返す。入力信号がONであ
った場合、判定が満たされてステップ130へ移る。
【0139】ステップ130では、コンベアスケール1
15の検出信号を入力し、ステップ140でその入力し
た信号が比較的小さい所定のしきい値未満であるかどう
かを判定する。しきい値以上であった場合は判定が満た
されず、ステップ110に戻って同様の手順を繰り返
す。しきい値未満であった場合、判定が満たされてステ
ップ150へ移る。
【0140】ステップ150ではパトライトへ架橋表示
信号を出力し、このフローを終了する。
【0141】本変形例においては、土砂正常搬送時には
超音波センサ105の検出信号がONとなると共にコン
ベアスケール115からの検出信号もしきい値以上とな
ることから、図25におけるステップ110→ステップ
120→ステップ130→ステップ140が繰り返され
てパトライトは点灯しないが、架橋現象が発生するとコ
ンベアスケール115からの検出信号がしきい値未満と
なりステップ140の判定が満たされて、ステップ15
0でパトライトに架橋表示信号が出力され、パトライト
が点灯する。これにより、上記本発明の一実施の形態と
同様、土砂投入作業従事者(油圧ショベルの操作者)は
作業を中断し、締め固まった土砂(土塊)の除去作業に
すみやかに着手することができるという効果を得る。
【0142】さらに、図24を用いて説明した上記実施
の形態及び図25を用いて説明した上記変形例における
超音波センサ105の代わりに、先に述べたロードセル
108(図21及び図22参照)を用いてもよい。この
場合、ロードセル108の計測値が所定のしきい値を超
えているのにコンベアスケール115での計測値がしき
い値を下回れば、架橋現象が発生していることがわか
る。したがって、この場合も、上記図24の実施の形態
や図25の変形例と同様の効果を得る。
【0143】本発明の自走式土質改良機の更に他の実施
の形態を図26により説明する。
【0144】本実施の形態は、土砂ホッパ2内の土砂高
さ、前記搬出コンベア8のベルト83上の土砂の重量及
び前記混合用油圧モータ80の負荷を計測することによ
り、架橋現象の発生を検出する実施の形態である。
【0145】図26は、本実施の形態において土砂を搬
送する各機構を抽出して示す説明図である。図中、図
2、図13及び図19に示す部分と同様の部分には同じ
符号を付している。本実施の形態では、図26に示すよ
うに、土砂ホッパ2の自走式土質改良機後方側の側壁2
dの内周側の中央上方部に前記の超音波センサ105及
びカバー105Aを設け、土砂ホッパ2内の土砂の状態
量を計測できるようになっている。また、前記の搬出コ
ンベア8のベルト83の土砂搬送面(図5中上側面)の
裏側に摺接するように前記のコンベアスケール110と
同様のコンベアスケール116を設けており、ベルト8
3の撓み量を検出することにより、ベルト83上の土砂
の状態量を計測できるようになっている。これらの超音
波センサ105及びコンベアスケール116は共に図示
しないコントローラと電気的に接続しており、図25を
用いて前述した変形例と同様にして、コントローラに検
出信号を出力する。
【0146】また、本実施の形態においては、前記の混
合用油圧モータ80にその負荷圧力Pを検出する圧力セ
ンサ(圧力スイッチ)117(図14中2点鎖線参照)
を設けており、圧力センサ117も同様に前記コントロ
ーラに電気的に接続されている。また、圧力センサ11
7の検出する負荷圧力Pには、所定範囲のしきい値P
1,P2(>P1)が設定されている。ここで、しきい
値P1は、混合用油圧モータ80が作動しているかどう
かがわかる程度(ほぼゼロかゼロよりわずかに大きい程
度)に設定すればよく、しきい値P2は、混合装置3の
正常運転時の上限負荷として考えられる値を設定すれば
よいが、これは、特定の値でなくとも経験的に得た値と
してよい。したがって、土砂投入作業従事者(油圧ショ
ベル操作者)は、土砂の質や状態を見た上で経験を基に
しきい値P2を任意に設定できるようになっている。圧
力センサ117の計測する負荷圧力Pがこの所定範囲の
しきい値P1≦P≦P2内にある場合のみ、圧力センサ
117は前記コントローラにON信号を出力するように
なっている。
【0147】コントローラは、前記の超音波センサ10
5、コンベアスケール116及び圧力センサ117から
出力される信号を基に所定の演算処理を行い、これに応
じてパトライト(図示せず)又は詰まり警報手段(後
述)に信号を出力するようになっている。パトライト
は、架橋現象が発生しているかどうかを1灯の表示部
(図示せず)の点灯・消灯で表示するが、これに限られ
ず計測結果(土砂の状態)が土砂投入作業従事者(油圧
ショベル操作者)に分かるものであればよい。
【0148】上記において、超音波センサ105が特許
請求の範囲記載の土砂ホッパ内の土砂の状態量を計測す
る第1計測手段を構成し、コンベアスケール116がコ
ンベアにて搬出中の土砂の状態量を計測する第3計測手
段を構成し、圧力センサ117が混合装置の作動状態に
係わる状態量を計測する第4計測手段を構成する。そし
て、これら全部が土砂ホッパ内の架橋現象を検出する架
橋検出手段を構成する。
【0149】ここで、図27は、前記コントローラによ
る制御手順を表すフローチャートである。図27におい
て、まずステップ210で超音波センサ105の検出信
号を入力し、ステップ220でその入力した信号がON
であるかどうかを判定する。OFFであった場合は判定
が満たされず、ステップ210に戻って同様の手順を繰
り返す。入力信号がONであった場合、判定が満たされ
てステップ230へ移る。
【0150】ステップ230では、コンベアスケール1
16の検出信号を入力し、ステップ240でその入力し
た信号が比較的小さい所定のしきい値未満であるかどう
かを判定する。しきい値以上であった場合は判定が満た
されず、ステップ210に戻って同様の手順を繰り返
す。入力信号がしきい値未満であった場合、判定が満た
されてステップ250へ移る。
【0151】ステップ250では、圧力スイッチ117
の検出信号を入力し、ステップ260でその入力した信
号がONであるかどうかを判定する。OFFであった場
合は、判定が満たされずステップ270へ移る。
【0152】ステップ270では図示しない詰り警告装
置(警告表示を灯するものや警告音を発するもの等、適
宜のもので足りる)に詰り警告信号を出力して警告を発
しさせ、このフローを終了する。
【0153】一方、ステップ260で入力信号がONで
あった場合、判定が満たされてステップ280へ移る。
【0154】ステップ280ではパトライトへ架橋表示
信号を出力し、このフローを終了する。
【0155】次に、本実施形態における架橋現象の検出
の動作を図27を参照しつつ説明する。
【0156】まず、土砂が未投入の場合は、土砂ホッパ
2内に土砂が存在しないので、超音波センサ105の信
号はOFFとなり、図27においてステップ210→ス
テップ220を繰り返す。ここで、土砂が投入される
と、超音波センサ105からの信号はONになるので、
ステップ220→ステップ230へと進む。土砂が正常
に搬送されている場合は、コンベアスケール116から
の信号はしきい値以上であるから、ステップ240から
ステップ210へ戻り、ステップ210→ステップ22
0→ステップ230→ステップ240が繰り返される。
何らかの理由により土砂が正常に搬送されなくなり、コ
ンベアスケール116からの信号がしきい値未満になる
と、ステップ240→ステップ250→ステップ260
へと進む。このとき、架橋現象が発生し、土砂が土砂ホ
ッパ2内にて下方に間隙を持ちつつ締め固まって土砂ホ
ッパ2外に土砂が出てこなくなっているか、もしくは混
合装置3に土砂詰まりが発生しているかが考えられる。
架橋現象が発生している場合は、混合装置3自体は正常
運転(但し、土砂がないため負荷はほとんどない)であ
るため、圧力スイッチ117からの信号はONになる。
これにより、ステップ280に進んでパトライトに架橋
表示信号を出力し、パトライトは架橋現象発生を示す点
灯表示を行う。一方、混合装置3に詰まりが発生した場
合、混合装置3で搬送が滞り混合用油圧モータ80が過
負荷状態となってP>P2となるので、圧力スイッチ1
17からの信号はOFFになり、ステップ260→ステ
ップ270に進んで詰まり警報手段で詰まり警報信号が
発せられる。
【0157】このように、1つの超音波センサ105の
みを設けた場合その計測結果だけでは架橋現象の発生の
有無は不明(但し、図19のように予知的検出は可能)
であるが、超音波センサ105で土砂の存在が計測され
ている状態でコンベアスケール116での計測量が大き
く低下すれば、土砂搬送経路上で何らかの原因により搬
出コンベア8上の土砂(改良土)量が減少したことにな
る。このとき、前述したように、圧力スイッチ117
は、混合装置3が詰って(=過負荷状態となる)搬出コ
ンベア8上に土砂(改良土)が少なくなっている可能性
を確認するための役割を果たし、圧力スイッチ117に
て混合装置3が正常に作動している(=過負荷ではな
い)ことが計測されれば、土砂が土砂ホッパ2外へ出て
こない架橋現象が確かに発生していることとなる。この
ようにして、架橋現象を検出する構成を実現でき、上記
本発明の一実施の形態と同様、土砂投入作業従事者(油
圧ショベルの操作者)は作業を中断し、締め固まった土
砂(土塊)の除去作業にすみやかに着手することができ
るという効果を得る。
【0158】なお、以上においては、超音波センサ9
6,97,104,105としてしきい値との大小に応
じて信号を出力するセンサを用いたが、これらに限られ
るものではなく、例えば土砂ホッパ2内の土砂表面との
距離そのものを測定し出力するものでもよい。また、超
音波センサに代えて、例えば、発光(射光)手段と受光
手段を備え、受光手段に向かって発光手段から照射され
た光が遮られることにより障害物(土砂)の存在を認識
する光電センサを用いてもよい(例えば、発光手段から
発せられた光線が土砂などにより遮光され受光手段に光
が届かなくなると、ON信号を出力する)。また、言う
までもなく、これを土砂ホッパ2内以外の箇所の土砂の
状態量を計測する手段として用いてもよい。要するに土
砂の量(土砂表面位置高さ)が予め設定された所定の値
に達したことを検出可能な構成とできればよい。
【0159】また、土砂の状態量(例えば、土砂表面位
置高さ、重量等)を表示する手段はその状態量に応じた
表示を行う1つの表示灯を備えた表示手段でもよいし、
複数の表示灯を備え個々の表示の組合せにより土砂の状
態量を表示するものとしてもよいし、複数の計測手段を
用いるならばそれぞれに対応した表示手段を設けてもよ
い。要するに土砂の状態量が予め設定された所定の値に
達したことを表示可能な構成とできればよい。
【0160】また、図1及び図8に示したように、パト
ライト98を前記の台板35の自走式土質改良機前方側
(図1及び図8中左側)の幅方向一方側(図1及び図8
中上側)に設けたが、これに限られるものではなく、例
えば台板35の自走式土質改良機前方側(図1及び図8
中左側)の幅方向他方側(図1及び図8中下側)に設け
てもよい。また、取付台99をマグネット式にすること
によってパトライト98を着脱可能に構成し、所望の位
置に設けられるようにしてもよく、要するパトライトは
土砂投入作業従事者(油圧ショベル操作者)に見易い位
置に設けられていればよい。
【0161】更に、上記本発明の自走式土質改良機の一
実施の形態においては、混合装置3において、撹枠手段
を用いたミキシング方式で土砂と土質改良材との混合を
行ったが、これに限られるものではなく、特開平9−1
95265号公報のようにいわゆる解砕方式による混合
装置を用いてもよい。また、上記本発明の一実施の形態
においては、走行手段として無限軌道履帯10を備える
場合を例にとって説明したが、これにも限られず、ホイ
ール式等で走行手段を構成することもできる。さらに、
土砂ホッパ2上に設ける篩ユニット1を振動篩とした
が、これに限られず、固定篩としても良い。これらの場
合も、同様の効果を得る。
【0162】また、上記本発明の一実施の形態において
は、前記の篩ユニット1から前記土砂ホッパ2の開口部
33へ土砂を導入する際、土砂のこぼれ落ち・漏洩等を
防止する手段を特に設けなかったが、例えば前記篩ユニ
ット1の前記格子部材18の下面近傍からゴム板等で構
成した側方カバーを土砂ホッパ2内側に垂らし、上記の
土砂のこぼれ落ち・漏洩等を防止しても良い。
【0163】
【発明の効果】本発明によれば、架橋現象が発生する
と、そのことが架橋検出手段によって検出され、表示手
段によって表示される。これにより、土砂投入作業従事
者は、直ちに土砂投入作業を中断し、締め固まった土砂
の除去作業にすみやかに着手することができる。したが
って、再び土質改良作業に復帰するまでの時間を短縮し
て作業効率及び稼働効率を向上できる。また、架橋現象
発生後の経時に応じて土砂除去作業の労力及び作業時間
が増大する土質の場合、その労力及び作業時間を低減で
きる効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自走式土質改良機の一実施の形態の全
体構造を表す上面図である。
【図2】図1に示した自走式土質改良機の側面図であ
る。
【図3】図1に示した篩ユニットの全体構造を示す上面
図である。
【図4】図3に示した篩いユニットの側面図である。
【図5】図1に示した土砂ホッパの詳細構造を表す側断
面図である。
【図6】図5中VI−VI断面による横断面図である。
【図7】図1に示した土質改良材供給装置の全体構造を
表す側断面図である。
【図8】図7に示した土質改良材供給装置の上面図であ
る。
【図9】図7中IX−IX断面による水平断面図である。
【図10】図9中X−X断面による横断面図である。
【図11】図7に示したフィーダの詳細構造を表す側断
面図である。
【図12】図1に示した混合装置の詳細構造を表す上面
図である。
【図13】図12中XIII−XIII断面による側断面図であ
る。
【図14】本発明の自走式土質改良機の一実施の形態に
備えられる油圧駆動装置の概略構成を表す油圧回路図で
ある。
【図15】ホッパ内で生じうる架橋現象を模式的に示し
た図である。
【図16】架橋現象の表示に関する変形例におけるコン
トローラによる制御手順を表すフローチャートである。
【図17】本発明の自走式土質改良機の他の実施の形態
の要部である土砂ホッパの詳細構造を表す側断面図であ
る。
【図18】図17中XVIII−XVIII断面による横断面図で
ある。
【図19】本発明の自走式土質改良機のさらに他の実施
の形態の要部である土砂ホッパの詳細構造を表す側断面
図である。
【図20】図19中XX−XX断面による横断面図である。
【図21】本発明の自走式土質改良機のさらに他の実施
の形態の要部である土砂ホッパの取付構造を表す側面図
である。
【図22】図21中XXII−XXII断面による横断面図であ
る。
【図23】本発明の自走式土質改良機のさらに他の実施
の形態の要部である土砂ホッパ及びその近傍の詳細構造
を表す側断面図である。
【図24】本発明の自走式土質改良機のさらに他の実施
の形態の要部である土砂ホッパ近傍の詳細構造を表す側
断面図である。
【図25】架橋現象の表示に関する変形例におけるコン
トローラによる制御手順を表すフローチャートである。
【図26】本発明の自走式土質改良機のさらに他の実施
の形態において土砂を搬送する各機構を抽出して示す説
明図である。
【図27】図26に示した自走式土質改良機に備えられ
たコントローラによる制御手順を表すフローチャートで
ある。
【符号の説明】
1 土砂ホッパ 3 混合装置 8 コンベア(搬出コンベア) 96,97 超音波センサ(位置センサ、第1計測
手段、架橋検出手段) 98 パトライト(表示手段) 105 超音波センサ(位置センサ、第1計測
手段、架橋検出手段) 108 ロードセル(重量センサ、第1計測手
段、架橋検出手段) 110 コンベアスケール(重量センサ、第1
計測手段、架橋検出手段) 115 コンベアスケール(重量センサ、第2
計測手段、架橋検出手段) 116 コンベアスケール(重量センサ、第3
計測手段、架橋検出手段) 117 圧力センサ(第4計測手段、架橋検出
手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 藤男 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 関野 聡 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 山本 康晴 東京都千代田区大手町二丁目6番2号 日 立建機株式会社内 (72)発明者 三浦 哲志郎 東京都千代田区大手町二丁目6番2号 日 立建機株式会社内 Fターム(参考) 2D043 CA01 EA04 EA06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】土砂ホッパに投入された土砂を混合装置に
    導入して土質改良材と混合し、その混合物をコンベアで
    搬出する自走式土質改良機において、 前記土砂ホッパ内の架橋現象を検出する架橋検出手段
    と、 この架橋検出手段で前記架橋現象が検出されたことを表
    示する表示手段とを有することを特徴とする自走式土質
    改良機。
  2. 【請求項2】請求項1記載の自走式土質改良機におい
    て、前記架橋検出手段は、前記土砂ホッパ内の土砂の状
    態量を計測する第1計測手段を備えることを特徴とする
    自走式土質改良機。
  3. 【請求項3】請求項1記載の自走式土質改良機におい
    て、前記架橋検出手段は、前記土砂ホッパ内の土砂の状
    態量を計測する第1計測手段と、前記土砂ホッパを出て
    前記混合装置までの搬送経路における土砂の状態量を計
    測する第2計測手段とを備えることを特徴とする自走式
    土質改良機。
  4. 【請求項4】請求項1記載の自走式土質改良機におい
    て、前記架橋検出手段は、前記土砂ホッパ内の土砂の状
    態量を計測する第1計測手段と、前記コンベアにて搬出
    中の土砂の状態量を計測する第3計測手段と、前記混合
    装置の作動状態に係わる状態量を計測する第4計測手段
    とを備えることを特徴とする自走式土質改良機。
  5. 【請求項5】請求項4記載の自走式土質改良機におい
    て、前記第4計測手段は、前記混合装置を駆動する駆動
    手段の負荷を計測する負荷計測手段であることを特徴と
    する自走式土質改良機。
  6. 【請求項6】請求項2〜4のいずれか1項記載の自走式
    土質改良機において、前記第1計測手段、又は前記第2
    計測手段、若しくは前記第3計測手段は、土砂表面の位
    置を計測する位置センサを含むことを特徴とする自走式
    土質改良機。
  7. 【請求項7】請求項2〜4のいずれか1項記載の自走式
    土質改良機において、前記第1計測手段、又は前記第2
    計測手段、若しくは前記第3計測手段は、土砂の重量を
    計測する重量センサを含むことを特徴とする自走式土質
    改良機。
  8. 【請求項8】請求項1〜4のいずれか1項記載の自走式
    土質改良機において、前記表示手段を、所望の箇所に着
    脱可能に設けたことを特徴とする自走式土質改良機。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009024349A (ja) * 2007-07-18 2009-02-05 Komatsu Ltd 土質改良機、それに用いられるホッパ及び搬送装置

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