JP2001294443A - ディスプレイ用材料 - Google Patents
ディスプレイ用材料Info
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Abstract
イの輝度の低下を起こさないディスプレイ用材料を提供
する。 【解決手段】 無鉛ガラス粉末を含むディスプレイ用材
料であって、塩素含有量がCl-として100ppm以
下、かつ硫黄含有量がSO4 2-として10ppm以下で
あることを特徴とする。
Description
D)、電界放射型ディスプレイ(FED)、プラズマデ
ィスプレイパネル(PDP)等のディスプレイの封着等
に用いられるディスプレイ用材料に関するものである。
プラズマディスプレイパネル等の封着には、封着温度が
430〜500℃、熱膨張係数が70〜100×10-7
/℃程度の特性を有する封着材料が使用されている。ま
た蛍光表示管ではリアパネルのアノード上に形成される
絶縁クロス用途や、プラズマディスプレイパネルの前面
板の誘電体層用途には、焼成温度が550〜650℃、
熱膨張係数が70〜100-7/℃程度の特性を有する材
料が使用されている。
能なPbO−B2O3系ガラス粉末を主成分とする材料が
広く用いられている。また最近では環境問題の観点か
ら、鉛を含まない材料が求められており、P2O5−Sn
O系、P2O5−SnO−B2O3系、ZnO−B2O3−S
iO2系等の無鉛ガラス粉末を用いた材料が提案されて
いる。
たような従来の無鉛ガラス粉末を含む材料を用いてディ
スプレイを作製すると、PbO−B2O3系ガラス粉末を
含む材料で作製した場合に比べ、輝度が低下するといっ
た問題を生じることがある。
し、しかもディスプレイの輝度の低下を起こさないディ
スプレイ用材料を提供することである。
を行った結果、 不純物として含まれる塩素や硫黄が揮発するとディス
プレイの輝度に悪影響を及ぼすこと、 P2O5−SnO系、P2O5−SnO−B2O3系、Zn
O−B2O3−SiO2系等の無鉛ガラスは、PbO−B2
O3系ガラスに比べて不安定であるため、焼成時にリン
酸、ホウ酸等の成分が揮発し、これに伴って不純物であ
る塩素や硫黄が揮発しやすくなること、 材料中に含まれる塩素や硫黄の含有量を一定値以下に
制限することによって、焼成時の揮発による輝度の劣化
が問題とならないレベルに低減できること、 を見いだし本発明として提案するものである。
鉛ガラス粉末を含むディスプレイ用材料であって、塩素
含有量がCl-として100ppm以下、かつ硫黄含有
量がSO4 2-として10ppm以下であることを特徴と
する。
P2O5−SnO系、P2O5−SnO−B2O3系、ZnO
−B2O3−SiO2系等の無鉛ガラス粉末を主成分とし
て含む。また熱膨張係数の調整、機械的強度の向上、流
動性の改善等の目的で種々の耐火性フィラー粉末等を含
有させることができる。なおフィラー粉末を添加する場
合、その含有量は5〜50体積%程度が適当である。
料中に不純物として含まれる塩素の含有量を100pp
m以下、かつ硫黄の含有量を10ppm以下に制限して
いる。ここで塩素及び硫黄の含有量は、後に説明する方
法により陰イオン分析して求めたCl-及びSO4 2-の量
を示している。これらの成分は、ガラスパネルの封着
や、絶縁クロス又は誘電体層形成のための焼成時等に揮
発する。揮発した塩素や硫黄成分は、電子を放出する電
極であるカソード(陰極)や電子を授与するアノード
(陽極)を汚染し、電子の授受を阻害する。その結果、
作製されるディスプレイの輝度が低下する。しかし塩素
を100ppm以下、及び硫黄を10ppm以下に制限
することにより、焼成時の揮発による輝度の劣化が問題
とならないレベルに低減することができる。
含まれる水分量にも影響を受ける。即ち含有水分量が多
いと焼成時にガラス中のホウ酸成分やリン酸成分の揮発
量が増加するためである。本発明においては、水分含有
量が100ppm以下であることが好ましい。
の組成を有する無鉛ガラスが使用可能である。
ラズマディスプレイパネル等の封着用途の場合には、封
着温度が430〜500℃、熱膨張係数が70〜100
×10-7/℃程度の特性を有するガラス粉末を使用すれ
ば良く、例えばモル%でP2O5 25〜50%、SnO
30〜75%、ZnO 0〜20%、Li2O 0〜
10%、Al2O3 0〜10%、SiO2 0〜10%
の組成を有するP2O5−SnO系ガラスや、モル%でP
2O5 15〜35%、SnO 30〜65%、B2O3
15〜25%、ZnO 0〜15%、Li2O 0〜1
0%、Al2O30〜10%、SiO2 0〜5%の組成
を有するP2O5−SnO−B2O3系ガラスを使用するこ
とができる。
成される絶縁クロス用途や、プラズマディスプレイパネ
ルの前面板の誘電体層用途には、焼成温度が550〜6
50℃、熱膨張係数が70〜100-7/℃程度の特性を
有するガラス材料を使用すれば良く、例えばモル%でZ
nO 25〜50%、B2O3 25〜50%、SiO 2
5〜30%、Al2O3 0〜10%、BaO 0〜1
5%、MgO 0〜15%、CaO 0〜15%、Li
2O 0〜15%、Na2O 0〜15%、K2O 0〜
15%の組成を有するZnO−B2O3−SiO2系ガラ
スを使用することができる。
させる方法を述べる。
ラス粉末から持ち込まれる。このためこれらの不純物量
を減少させるには、ガラス原料を選択する際にこれら不
純物の絶対量が少ないものを選択すればよい。このよう
にすることで、得られるガラスには、理論量以上の不純
物が含まれないことになる。実際には、これら不純物の
含有量は理論量の半分以下となるのが普通である。さら
に不純物量を減少させるには、ガラス溶融時に、通常
より溶融温度を50℃以上高くしたり、溶融時間を長く
する、ガラス溶融時に酸素ガスや不活性ガス(窒素ガ
ス)でバブリングを行う、ガラス溶融を真空中で行う
等の方法があり、これらの方法を適宜選択して不純物の
含有量が非常に少ないガラスを得ることができる。
び硫黄含有量は、イオンクロマトグラフィー分析法を用
いて測定することができる。この分析法は、希薄な溶離
液を移動層に使用し、粒子径が微細で、かつ交換容量の
低いイオン交換体を固定相として、クロマト管内でイオ
ン種成分などを展開遊離させ目的成分(イオン種)を電
気伝導度検出器で検出する分析法である。また、分析に
使用する装置は、分離カラムの後に溶離液として用いる
酸または塩基性の電解質を除去するため除去システムの
ある方式、サプレッサー方式である。この方法は、pp
mオーダー、ppbオーダーの微量成分の分析に優れ、
特に今回の塩素や硫黄の分析に好適である。
や硫黄量を分析する場合、まず図1に示すような装置を
用い、材料から揮発する塩素成分(Cl2)や硫黄成分
(SO2)を捕集する。即ち、粉末状の試料1を加熱炉
2内で加熱し、発生したガスを捕集液3で捕集する。塩
素の場合、捕集液には超純水を、硫黄の場合は過酸化水
素水を用いる。試料の加熱条件は、900℃まで昇温
し、この温度で1時間保持する。捕集のための気体は窒
素ガスを用いる。次に各捕集液をイオンクロマトグラフ
に注入し分析を行う。分析では、イオン分離された塩素
や硫黄が検出され、電気伝導度(マイクロジーメンス)
によって示される。測定はクリーンルーム環境で行う。
は、前述の塩素、硫黄以外にもフッ素、臭素、ヨウ素が
あげられるが、これらの元素は通常の原料を使用した場
合でも、ガラス中に10ppm以上存在することは極め
てまれであり、本発明では特に考慮する必要はない。
イ用材料を詳細に説明する。
に使用されるP2O5−SnO系ガラス粉末やP2O5
−SnO−B2O3系ガラス粉末を用いた本発明の実施
例(試料No.1、2)及び従来例(試料No.3、
4)である。
の組成を有するように原料を調合した。ここで試料N
o.1、2には、塩素や硫黄の含有量が少ない原料を選
定した。また試料No.3、4には、従来から使用して
いる一般的な原料を用いた。調整した原料バッチは、ま
ず空気中で表1に示す温度で溶融した。ここで試料N
o.1、2については、溶融温度を試料No.3、4に
比べ50〜100℃高くするとともに、溶融時間を1時
間長くして溶融を行った。さらに試料No.1、2は、
溶融中に窒素によるバブリングを2時間行った。次いで
溶融ガラスを水冷ローラー間に通して薄板状に成形し、
ボールミルにて粉砕後、目開き105μmの篩を通過さ
せて、平均粒径約10μmのガラス粉末を得た。さらに
試料No.1、3はガラス粉末77体積%、酸化錫粉末
23体積%の割合で両者を混合して試料とした。また実
施例3、4はガラス粉末75体積%、コーディエライト
粉末25体積%の割合で両者を混合して試料とした。
膨張係数、流動性を評価した。またイオンクロマトグラ
フィーにより、塩素及び硫黄の含有量をCl-及びSO4
2-として測定した。その結果、各試料は、ガラス転移点
が334℃以下、30〜250℃における熱膨張係数が
71〜80×10-7/℃であり、流動径が23.9mm
以上であった。また本発明の実施例である試料No.
1、2は、塩素が6ppm以下、硫黄が4ppm以下で
あった。これに対して比較例である試料No.3は硫黄
が11ppm、試料No.4は塩素が114ppmであ
り、不純物を多量に含んでいることが確認された。
及ぼす影響を比較する為に、実際に蛍光表示管を作製し
て点灯し、その輝度を評価した。なお輝度は、試料N
o.1を使用して作製した蛍光表示管のそれを100と
したときの相対値(%)で表した。蛍光表示管の作製
は、内部に蛍光体、リード配線、絶縁クロス、グリッ
ド、フィラメント、アノード電極などを装着し、フロン
トパネルとリアパネルとを試料No.1〜4により封着
することにより行った。なお本評価をより明確なものと
する為、絶縁クロス用のペースト材料には、予め輝度に
影響のないことが確認された鉛含有ガラス粉末を含む材
料を使用した。
した蛍光表示管は、比較例の各試料を用いた蛍光表示管
に比べ、輝度が著しく優れていた。
により、また熱膨張係数は押棒式熱膨張測定装置により
求めた。流動性は次のようにして評価した。まず材料の
密度分に相当する重量の試料粉末を金型により外径20
mmのボタン状にプレスした。次にこのボタンを窓板ガ
ラスの上に乗せ、空気中、表の焼成温度まで10℃/分
の速度で昇温して10分間保持した後、ボタンの直径を
測定した値を示した。イオンクロマトグラフィーの測定
器は、DIONEX社(U.S.A)のものを使用し
た。
ロス用途等に使用されるZnO−SiO2−B2O 3系ガ
ラス粉末を用いた本発明の実施例(試料No.5、6)
及び比較例(試料No.7、8)を示している。
施例1と同様にして、原料を調合した後、溶融した。こ
こで試料No.5、6については、溶融温度を試料N
o.7、8に比べ100〜150℃高くするとともに、
溶融時間を2時間長くして溶融を行った。さらに試料N
o.5、6は、溶融中に酸素によるバブリングを2〜4
時間行った。次いで実施例1と同様にしてガラスを粉
砕、分級し、平均粒径約3〜4μmのガラス粉末試料を
得た。
て、ガラス転移点及び熱膨張係数を評価した。またイオ
ンクロマトグラフィーにより、塩素及び硫黄の含有量を
陰イオンとして測定した。その結果、各試料は、ガラス
転移点が475℃以下、30〜300℃における熱膨張
係数が70〜78×10-7/℃であった。また本発明の
実施例である試料No.5、6は、塩素が9ppm以
下、硫黄が7ppm以下であった。これに対して比較例
である試料No.7は硫黄が12ppm、試料No.8
は塩素が131ppmであり、不純物を多量に含んでい
た。
及ぼす影響を比較する為に、実際に蛍光表示管を作製し
て点灯し、その輝度を評価した。なお輝度は、試料N
o.5を使用して作製した蛍光表示管のそれを100と
したときの相対値(%)で表した。蛍光表示管の作製
は、内部に蛍光体、リード配線、絶縁クロス、グリッ
ド、フィラメント、アノード電極などを装着し、フロン
トガラスとリアパネルを封着することにより行った。こ
こで絶縁クロスの形成には、試料No.5〜8を用い
た。なお本評価をより明確なものとする為、封着材料に
は予め輝度に影響のないことが確認された鉛含有ガラス
粉末を含む材料を使用した。
クロスを形成した蛍光表示管は、比較例の各試料を用い
た蛍光表示管に比べ、輝度が著しく優れていた。
レイ用材料は、不純物として含まれる塩素や硫黄が焼成
時に殆ど揮発しないため、ディスプレイの電子放出部分
に悪影響を及ぼすことがない。それゆえ蛍光表示管、プ
ラズマディスプレイパネル、電界放射型ディスプレイ、
或いはオーロラビジョン等のディスプレイの封着材料、
絶縁クロス材料、誘電体材料等として好適である。
明図である。。
Claims (4)
- 【請求項1】 無鉛ガラス粉末を含むディスプレイ用材
料であって、塩素含有量がCl-として100ppm以
下、かつ硫黄含有量がSO4 2-として10ppm以下で
あることを特徴とするディスプレイ用材料。 - 【請求項2】 ガラス粉末が、B2O3及び/又はP2O5
を含有するガラスからなることを特徴とする請求項1の
ディスプレイ用材料。 - 【請求項3】 ガラス粉末が、P2O5−SnO系ガラ
ス、P2O5−SnO−B2O3系ガラス、又はZnO−B
2O3−SiO2系ガラスからなることを特徴とする請求
項1又は2のディスプレイ用材料。 - 【請求項4】 蛍光表示管、電界放射型ディスプレイ、
又はプラズマディスプレイパネルに用いられることを特
徴とする請求項1〜3のディスプレイ用材料。
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