JP2001294418A - シリカ多孔体の製造方法 - Google Patents

シリカ多孔体の製造方法

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JP2001294418A JP2000109377A JP2000109377A JP2001294418A JP 2001294418 A JP2001294418 A JP 2001294418A JP 2000109377 A JP2000109377 A JP 2000109377A JP 2000109377 A JP2000109377 A JP 2000109377A JP 2001294418 A JP2001294418 A JP 2001294418A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリル化剤にてシリカ多孔体の疎水化を実施
すると、疎水化のプロセスが複雑化すると共に、中和処
理や溶媒置換に要する設備負担が増大する等、量産化の
弊害となっていた。 【解決手段】 シリカ湿潤ゲルの分散媒を乾燥して形成
するシリカ多孔体の製造方法において、シリカ湿潤ゲル
を炭素数3以上の第1アルコールの液相中で加熱して疎
水化を施すことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、保冷保温機器であ
る冷蔵庫,冷凍庫,ジャー炊飯器,ジャーポット等の断
熱材として使用できるシリカ多孔体の製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、地球温暖化防止の観点から省エネ
ルギーが強く望まれており、家庭用電化製品についても
省エネルギー化は緊急の課題となっている。特に、保冷
保温機器である冷蔵庫,冷凍庫,ジャー炊飯器,ジャー
ポット等では熱を効率的に利用するという観点から、優
れた断熱性を有する断熱材が求められている。
【0003】従来、このような断熱材としては、その要
求特性に応じて繊維構造からなるグラスウール、発泡樹
脂組成物であるウレタンフォーム、或いはスチロフォー
ムなどが使用されている。しかし、これら断熱材の断熱
性能は、現状では理論的にほぼ限界の性能に達してお
り、断熱材の厚みを増大する以外に大幅な断熱性能の改
善は困難であった。
【0004】そこで、たとえば登録特許1836532
号に示されているように、無機ヒドロゲルを超臨界乾燥
して得られるシリカ多孔体の製造方法が開示されてい
る。このようなシリカ多孔体はエアロゲルと称され、グ
ラスウールやウレタンフォームなどの断熱材に比べて低
い熱伝導率を有しており、従来と同厚みでも優れた断熱
性能を有している。これは、ナノメートルサイズの孔径
を有する多孔体は、細孔内の空気の気体熱伝導率が無視
できるほど小さくなるという現象を利用したものであ
る。
【0005】しかし、超臨界二酸化炭素による超臨界乾
燥にて形成したシリカ多孔体は、経時的に雰囲気中の水
分を吸着して、しだいに断熱性能が低下し、最終的に
は、吸湿に起因する収縮によって寸法変化や割れ等が生
じる。これは、シリカ多孔体の表面に親水性の高いシラ
ノール基を有しているためである。また、超臨界乾燥時
の超臨界流体としてメタノールやエタノールを使用した
シリカ多孔体は、シリカ多孔体の表面にメタノールやエ
タノールに起因したアルコキシル基を有し、超臨界乾燥
直後には、一時的には疎水性を有しているものの、アル
コキシル基がしだいに加水分解され経時的には吸湿性を
示すようになる。
【0006】また、超臨界乾燥法の場合は、高圧の超臨
界流体を用いるため高圧対応の設備が必要となる。そこ
で、たとえば特開平7−257918号公報において
は、水ガラスからなるシリカ湿潤ゲルに疎水化剤として
モノー,ジー、またはトリメチルクロロシラン,トリメ
チルメトキシシラン、またはヘキサメチルクロロシラン
やヘキサメチルジシラザンのようなシリル化剤を使用し
て疎水性のシリカ多孔体を加熱乾燥により製造する方法
が開示されており、このようなシリカ多孔体は、経時的
にも優れた疎水性を有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、モノ
ー,ジー、またはトリメチルクロロシラン,トリメチル
メトキシシラン、またはヘキサメチルクロロシランやヘ
キサメチルジシラザンのようなシリル化剤は、その活性
が非常に高いため、室温に近い温度条件でも、水分を含
む、様々な活性水素化合物と容易に反応する。
【0008】よって、シリカ湿潤ゲルのシラノール基と
効率的にシリル化剤を反応させるには、シリカ湿潤ゲル
に含まれる溶媒を、予め、シリル化剤と不活性な溶媒で
完全に置換する必要がある。こうした溶媒置換を行わな
い場合は、高価なシリル化剤の使用量が増大し、疎水性
のシリカ多孔体の低コスト化が難しくなる。更に、不必
要なシリル化剤の消費により、シリル化剤がシラノール
基の当量以下になるとシリカ多孔体の疎水化が不完全な
ものになるため、工程管理や品質管理を厳重に行う必要
がある。
【0009】また、クロロシラン、或いはシラザンのよ
うなシリル化剤を使用すると、疎水化時の反応副産物と
して塩化水素、或いはアンモニアが生成される。よっ
て、このようなシリル化剤を使用する場合は、疎水化後
に、これら塩化水素やアンモニアをシリカ湿潤ゲルから
溶媒置換等の方法により除去することが望ましい。ま
た、疎水化、及び溶媒置換に使用した溶媒は中和処理が
必要であり、新たに、中和処理設備が必要になる。更に
は、クロロシランを使用した場合には、疎水化工程の関
連設備を耐酸性にする必要がある。
【0010】このように、疎水化工程において疎水化剤
としてシリル化剤を使用すると、必要な溶媒置換回数が
増加するため、溶媒置換に要する工数が増大すると共
に、大量の有機溶媒と大規模な有機溶媒の再生設備が必
要となり設備投資額が増大する。また、シリカ多孔体の
疎水化工程における製造プロセスが複雑化するため、工
程管理や製品の品質管理等、厳重な生産管理が必要とな
る。よって、断熱性能に優れた疎水性シリカ多孔体の低
コスト化、及び量産化をより困難なものにしていた。
【0011】上記の課題を鑑み、本発明は、優れた断熱
性能と優れた疎水性を有するシリカ多孔体を、単純なプ
ロセスで、かつ低コストで製造できる製造方法の提供を
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のシリカ多孔体の
製造方法は、シリカ湿潤ゲルの分散媒を乾燥して形成す
るシリカ多孔体の製造方法において、シリカ湿潤ゲルを
炭素数3以上の第1アルコールの液相中で加熱処理する
疎水化工程を含むことを特徴とするものである。よっ
て、疎水化剤が炭素数3以上の第1アルコールであるた
め、疎水性とその耐久性に優れたシリカ多孔体が容易
に、かつ低コストで製造できる。また、疎水化剤がアル
コールであるため、シリル化剤を適用した疎水化に見ら
れるような、塩化水素やアンモニアの生成がなく、湿潤
ゲルの溶媒置換、及び溶媒の中和処理等を行う必要はな
い。
【0013】また、本発明のシリカ多孔体の製造方法
は、シリカ湿潤ゲルの分散媒を乾燥して形成するシリカ
多孔体の製造方法において、シリカ湿潤ゲルを炭素数3
以上の第1アルコールの液相中で加熱処理する疎水化工
程と、加熱処理したシリカ湿潤ゲルを炭素数5以上の炭
化水素にて溶媒置換する溶媒置換工程と、炭素数5以上
の炭化水素にて溶媒置換したシリカ湿潤ゲルを加熱乾燥
する乾燥工程とを含むことを特徴とするものである。よ
って、疎水化剤が炭素数3以上の第1アルコールである
ため、疎水性とその耐久性に優れたシリカ多孔体が容易
に、かつ低コストで製造できる。また、二酸化炭素やエ
タノールの超臨界流体を用いた超臨界乾燥を実施するこ
となく、容易に低密度のシリカ多孔体が製造できる。
【0014】また、本発明のシリカ多孔体の製造方法
は、疎水化工程における第1アルコールが、1−オクタ
ノールであることを特徴とするものである。よって、1
−オクタノールは、有機溶媒との相溶性が高く、エタノ
ール等の有機溶媒を分散媒としたシリカ湿潤ゲルにおけ
る疎水化に優れている。また、1−オクタノールは、炭
素数3以上の第1アルコールのなかで、最も優れた疎水
性とその耐久性を付与することができる。その結果、疎
水性とその耐久性がより優れたシリカ多孔体が容易に、
かつ低コストで製造できる。
【0015】また、本発明のシリカ多孔体の製造方法
は、シリカ湿潤ゲルを炭素数3以上の第1アルコールの
液相中で加熱処理する疎水化工程において、炭素数3以
上の第1アルコール中に水と炭素数3以上の第1アルコ
ールとの相互に溶解する有機溶媒を溶解させることを特
徴とするものである。よって、炭素数3以上の第1アル
コールが疎水性のアルコールであり、かつ湿潤ゲルの分
散媒が水の場合にも、水と炭素数3以上の第1アルコー
ルとの相互に溶解する有機溶媒を含むため、これらが相
互に溶解可能となり、有機溶媒との溶媒置換なしに、直
接、加熱処理により疎水化が可能となる。
【0016】また、本発明のシリカ多孔体の製造方法
は、疎水化工程における第1アルコールが、1−プロパ
ノール、或いは1−ブタノールであることを特徴とする
ものである。よって、1−プロパノール、或いは1−ブ
タノールが親水性の溶媒であることから、シリカ湿潤ゲ
ルの分散媒が水の場合にも、水と1−プロパノール、或
いは水と1−ブタノールとの相互の溶解性が優れている
ため、有機溶媒との溶媒置換なしに、直接、加熱処理に
より疎水化が可能となる。そのため、疎水性とその耐久
性に優れたシリカ多孔体が容易に、かつ低コストで製造
できる。
【0017】また、湿潤ゲルの分散媒が完全に水である
ヒドロゲルであっても、同様の方法で有機溶媒との溶媒
置換なしに、疎水性とその耐久性に優れたシリカ多孔体
が容易に、かつ低コストで製造できる。
【0018】また、本発明のシリカ多孔体の製造方法
は、シリカ湿潤ゲルを炭素数3以上の第1アルコールと
加熱処理する疎水化工程において、加熱処理の温度が1
20℃以上200℃未満で行われることを特徴とするも
のである。よって、シリカ湿潤ゲルのシラノール基と第
1アルコールとの分子間脱水による縮合が容易に進行
し、シラノール基のアルコキシル基への置換率が大幅に
改善する。そのため、経時的にも疎水性とその耐久性に
優れたシリカ多孔体が容易に、かつ低コストで製造でき
る。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載のシリカ
多孔体の製造方法は、シリカ湿潤ゲルの分散媒を乾燥し
て形成するシリカ多孔体の製造方法において、シリカ湿
潤ゲルを炭素数3以上の第1アルコールの液相中で加熱
処理する疎水化工程を含むことを特徴とするものであ
る。よって、疎水化剤が炭素数3以上の第1アルコール
であるため、疎水性とその耐久性に優れたシリカ多孔体
が容易に、かつ低コストで製造できる。また、疎水化剤
がアルコールであるため、シリル化剤を適用した疎水化
に見られるような、塩化水素やアンモニアの生成がな
く、湿潤ゲルの溶媒置換、及び溶媒の中和処理等を行う
必要はない。
【0020】本発明の請求項2に記載のシリカ多孔体の
製造方法は、シリカ湿潤ゲルの分散媒を乾燥して形成す
るシリカ多孔体の製造方法において、シリカ湿潤ゲルを
炭素数3以上の第1アルコールの液相中で加熱処理する
疎水化工程と、加熱処理したシリカ湿潤ゲルを炭素数5
以上の炭化水素にて溶媒置換する溶媒置換工程と、炭素
数5以上の炭化水素にて溶媒置換したシリカ湿潤ゲルを
加熱乾燥する乾燥工程とを含むことを特徴とするもので
ある。よって、疎水化剤が炭素数3以上の第1アルコー
ルであるため、疎水性とその耐久性に優れたシリカ多孔
体が容易に、かつ低コストで製造できる。また、二酸化
炭素やエタノールの超臨界流体を用いた超臨界乾燥を行
う必要がなく、容易に低密度のシリカ多孔体が製造でき
る。
【0021】本発明の請求項3に記載のシリカ多孔体の
製造方法は、疎水化工程における第1アルコールが、1
−オクタノールであることを特徴とするものである。よ
って、1−オクタノールは、有機溶媒との相溶性が高
く、エタノール等の有機溶媒を分散媒としたシリカ湿潤
ゲルにおける疎水化に優れている。また、1−オクタノ
ールは、炭素数3以上の第1アルコールのなかで、シリ
カ多孔体に対して最も優れた疎水性とその耐久性を付与
することができる。その結果、疎水性とその耐久性に優
れたシリカ多孔体が容易に、かつ低コストで製造でき
る。
【0022】本発明の請求項4に記載のシリカ多孔体の
製造方法は、シリカ湿潤ゲルを炭素数3以上の第1アル
コールの液相中で加熱処理する疎水化工程において、炭
素数3以上の第1アルコール中に水と炭素数3以上の第
1アルコールとの相互に溶解する有機溶媒を溶解させる
ことを特徴とするものである。よって、炭素数3以上の
第1アルコールが疎水性のアルコールであり、かつシリ
カ湿潤ゲルの分散媒が水の場合にも、水と炭素数3以上
の第1アルコールとの相互に溶解する有機溶媒を含むた
め、これらが相互に溶解可能となり、有機溶媒との溶媒
置換なしに、直接、加熱処理により疎水化が可能とな
る。
【0023】本発明の請求項5に記載のシリカ多孔体の
製造方法は、疎水化工程における第1アルコールが、1
−プロパノール、或いは1−ブタノールであることを特
徴とするものである。よって、1−プロパノール、或い
は1−ブタノールが親水性の溶媒であることから、シリ
カ湿潤ゲルの分散媒が水の場合にも、水と1−プロパノ
ール、或いは水と1−ブタノールとの相互の溶解性が優
れているため、有機溶媒との溶媒置換なしに、直接、加
熱処理により疎水化が可能となる。そのため、疎水性と
その耐久性に優れたシリカ多孔体が容易に、かつ低コス
トで製造できる。
【0024】本発明の請求項6に記載のシリカ多孔体の
製造方法は、湿潤ゲルの分散媒が完全に水であるヒドロ
ゲルであっても、同様の方法で有機溶媒との溶媒置換な
しに、疎水性とその耐久性に優れたシリカ多孔体が容易
に、かつ低コストで製造できる。
【0025】本発明の請求項7に記載のシリカ多孔体の
製造方法は、シリカ湿潤ゲルを炭素数3以上の第1アル
コールと加熱処理する疎水化工程において、加熱処理の
温度が120℃以上200℃未満で行われることを特徴
とするものである。よって、シリカ湿潤ゲルのシラノー
ル基と第1アルコールとの分子間脱水による縮合が容易
に進行し、シラノール基のアルコキシル基への置換率が
大幅に改善する。そのため、経時的にも疎水性とその耐
久性に優れたシリカ多孔体が容易に、かつ低コストで製
造できる。
【0026】以下、実施の形態について図1から2を用
いて説明する。 (実施の形態1)図1は本発明の一実施形態におけるシ
リカ多孔体の製造方法のフローであり、ケイ酸溶液から
合成したシリカ湿潤ゲルにおいて、前記湿潤ゲルを炭素
数3以上の第1アルコールの液相中で加熱処理する疎水
化工程と、加熱処理したシリカ湿潤ゲルを乾燥する乾燥
工程とを含むものである。よって、疎水性とその耐久性
に優れたシリカ多孔体が容易に、かつ低コストで製造で
きる。また、疎水化剤がアルコールであるため、シリル
化剤を適用した疎水化に見られるような、塩化水素やア
ンモニアの生成がなく、湿潤ゲルの溶媒置換、及び溶媒
の中和処理等を行う必要はない。 (実施の形態2)図2は本発明の一実施形態におけるシ
リカ多孔体の製造方法のフローであり、ケイ酸溶液から
合成したシリカ湿潤ゲルにおいて、前記湿潤ゲルを炭素
数3以上の第1アルコールの液相中で加熱処理する疎水
化工程と、加熱処理したシリカ湿潤ゲルを炭素数5以上
の炭化水素にて溶媒置換する溶媒置換工程と、炭素数5
以上の炭化水素にて溶媒置換したシリカ湿潤ゲルを加熱
乾燥する乾燥工程とを含むものである。よって、疎水性
とその耐久性に優れたシリカ多孔体が容易に、かつ低コ
ストで製造できる。また、二酸化炭素やエタノールの超
臨界流体を用いた超臨界乾燥を行うことなく、容易に、
疎水性の低密度シリカ多孔体が製造できる。
【0027】なお、本発明のシリカ湿潤ゲルの原料成分
は、特に限定するものではない。シリカ湿潤ゲルを形成
する原料成分の一例としては、ケイ酸ナトリウム(水ガ
ラス),コロイダルシリカ、及びアルコキシシラン等が
ある。アルコキシシランとしては、テトラメトキシシラ
ン,テトラエトキシシラン、及びそれらのオリゴマー等
があり、これら、いずれの原料から形成したシリカ湿潤
ゲルでも問題ない。
【0028】より望ましい製造方法としては、工業的に
利用されるケイ酸ナトリウムを用いてゾルゲル法により
シリカ湿潤ゲルを製造する方法である。
【0029】具体的な製造方法の一例としては、ケイ酸
ナトリウム水溶液を、陽イオン交換樹脂(スチレン/ジ
ビニルベンゼンコポリマー)を含むジャッケト付きカラ
ムによるイオン交換にてナトリウムを除去し、pH2.
0程度のケイ酸溶液として回収する。その後、前記回収
溶液を規定度1.0のアンモニア水溶液を用いてpH7
前後に調整し、ゲル化させる。その後、50℃で24時
間エージングを行い、シリカ湿潤ゲルを作製する。
【0030】なお、ゾルゲル法とは、分散媒中に超微粒
子(コロイド粒子)が粒子相互間に働く反発力と引力の
相対的な大きさにより安定に均一分散したゾルと呼ばれ
る懸濁溶液を形成後、分散媒中の超微粒子を凝縮させ、
ゾル全体の流動性を消失(ゲル化)させることにより構
造体を形成する合成方法である。この時、分散媒を含ん
だままコロイド成分が3次元の網目構造に形成された構
造体を湿潤ゲルと呼ぶ。更に、湿潤ゲルの分散媒の種類
に応じて、分散媒が水の場合はヒドロゲル、アルコール
の場合はアルコゲル、及び有機溶媒の場合はリオゲルと
呼ばれる。
【0031】また、シリカ湿潤ゲルは、包装用乾燥剤と
して一般的に利用されているシリカゲルの中間生成物で
ある。よって、シリカゲルの中間生成物であるシリカ湿
潤ゲルから形成しても何ら問題ない。
【0032】次に、上記シリカ湿潤ゲルの疎水化工程に
ついて説明する。
【0033】シリカ湿潤ゲルは、分散媒を含んだままS
iO2が3次元的に架橋したゲル状化合物であり、その
表面には、シラノール基と呼ばれる親水性の高い官能基
を有している。そのため、これを乾燥して形成したシリ
カ多孔体は吸湿性の高い材料となる。よって、シリカ多
孔体は、経時的な吸湿に起因した諸物性の劣化が容易に
生じるため、それを抑制すべくその表面特性を疎水性に
改質することが必要となる。
【0034】そこで、本発明では疎水化剤として炭素数
3以上の第1アルコールを適用し、アルコールの疎水基
でシリカ湿潤ゲルのシラノール基を置換し、疎水性を付
与するものである。この疎水化の方法は、炭素数3以上
の第1アルコールの液相中でシリカ湿潤ゲルを加熱処理
するという簡便なものである。この疎水化により、シリ
カ湿潤ゲルのシラノール基とアルコールの水酸基が脱水
縮合し、シラノール基はアルコキシル基となり疎水性を
有するようになる。
【0035】この時、疎水化剤であるアルコールに第1
アルコールを使用するため、シラノール基と容易に分子
間脱水し、シラノール基がアルコキシル基に置換され
る。また、望ましくは、加熱処理の温度が120℃以上
200℃未満の場合には、シラノール基と第1アルコー
ルとの反応率がより増大し、疎水性の耐久性がより優れ
たものとなる。更に、望ましくは、加熱処理の温度が1
60以上200℃未満の場合に、シラノール基と第1ア
ルコールとの反応率が一層改善され、経時耐水性能が一
層改善される。
【0036】更には、炭素数3以上の第1アルコールが
水溶性である1−プロパノール、或いは1−ブタノール
を適用することにより、シリカ湿潤ゲルの分散媒が水で
あるヒドロゲルの場合にも、シリカ湿潤ゲルの水分を予
め置換することなく、直接、加熱処理により疎水化が実
施できる。また疎水化と同時に、アルコールによる溶媒
置換が進行しているため、乾燥工程の前に溶媒置換が必
要な場合にも、容易に乾燥性の良好な有機溶媒と置換が
可能になる。
【0037】また、シリカ湿潤ゲルの分散媒がアルコー
ルや有機溶媒である場合にも、炭素数3以上の第1アル
コールとしては、同様に、1−プロパノール、或いは1
−ブタノールが適用できるが、その他、炭素数3以上の
第1アルコールを使用しても何ら問題ない。より望まし
くは、疎水性とその耐久性がより優れた1−オクタノー
ルが適用できる。
【0038】また、シリカ湿潤ゲルの分散媒が水である
ヒドロゲルの場合であっても、水と炭素数3以上の第1
アルコールとの相互に溶解する有機溶媒を適用すること
により、1−オクタノール等の高い疎水性を付与できる
アルコールが使用できる。なお、水と炭素数3以上の第
1アルコールの相互に溶解する有機溶媒としては、エタ
ノール,1−プロパノール,2−プロパノール,1−ブ
タノール等のアルコールや、アセトン等が適用できる。
【0039】このように、本発明の疎水化工程において
は、適切なアルコール種を選定することにより、シリカ
湿潤ゲルの分散媒が、水,有機溶媒に関わらず、溶媒置
換なしで、直接、疎水化ができるため、従来、使用され
ていたシリル化剤による疎水化に比べて処理プロセスが
大幅に簡略化できる。また、疎水化剤としてアルコール
を使用しているため、疎水化剤の材料費が安く、かつ従
来のように、塩化水素やアンモニアが生成しないため疎
水化工程後のシリカ湿潤ゲルの洗浄も必要ない。
【0040】なお、炭素数3以上の第1アルコールの液
相中でシリカ湿潤ゲルを加熱処理する時の処理時間は、
無触媒処理の場合には24時間以上であることが望まし
い。しかし、酸化銅や硫酸等の酸化剤を触媒として適用
する場合は、より短時間で疎水化が行える。
【0041】次に、本発明の乾燥工程について説明す
る。シリカ湿潤ゲルの乾燥方法は、特に限定するもので
はなく、凍結乾燥,加熱乾燥,及び超臨界乾燥等により
乾燥できる。しかし、より望ましくは、炭素数3以上の
第1アルコールの液相中でシリカ湿潤ゲルを加熱処理し
た場合は、溶媒置換工程として疎水化したシリカ湿潤ゲ
ルを炭素数5以上の炭化水素にて溶媒置換することによ
り、加熱乾燥法により低密度のシリカ多孔体が容易に製
造できる。また、溶媒置換工程の溶媒としては、炭素数
5以上の炭化水素が表面張力、及び取扱い性の点で優れ
ている。特に、ペンタン,ヘキサン,ヘプタン,オクタ
ン等が望ましい。
【0042】
【実施例】次に、実施例を用いて本発明を具体的に説明
する。なお、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0043】(実施例1)関東化学(株)社製のケイ酸
ナトリウム水溶液を所定のケイ酸濃度に調整し、前記溶
液をダウ・ケミカル社製の陽イオン交換樹脂(モノスフ
ィヤー 650C)を充填したジャッケト付きカラムに
流通させ、ケイ酸ナトリウム水溶液からナトリウムを除
去し、ケイ酸溶液として回収する。回収したケイ酸溶液
はpH値2.0であった。前記回収溶液は規定度1.0
のアンモニア水を用いて、pH7前後に調整し、ゲル化
させた。その後、50℃で24時間エージングを行い、
シリカ湿潤ゲルを得た。
【0044】前記シリカ湿潤ゲルは水を分散媒とするヒ
ドロゲルであるが、直接、1−プロパノールの溶液に浸
漬し、150℃にて24時間加熱処理を行った。次に、
加熱処理を行ったシリカ湿潤ゲルをヘキサンにて溶媒置
換し、90℃の熱風にて乾燥しシリカ多孔体とした。
【0045】(実施例2)実施例1と同様にしてシリカ
湿潤ゲルを得た後、直接、1−ブタノールの溶液に浸漬
し、150℃にて24時間加熱処理を行った。次に、加
熱処理を行ったシリカ湿潤ゲルをヘキサンにて溶媒置換
し、90℃の熱風にて乾燥しシリカ多孔体とした。
【0046】(実施例3)実施例1と同様にしてシリカ
湿潤ゲルを得た後、直接、1−オクタノールとエタノー
ルの混合溶液に浸漬し、150℃にて24時間加熱処理
を行った。なお、この時、1−オクタノールとエタノー
ルの混合比率は容積比で1:1とした。次に、加熱処理
を行ったシリカ湿潤ゲルをヘキサンにて溶媒置換し、9
0℃の熱風にて乾燥しシリカ多孔体とした。
【0047】(実施例4)実施例1と同様にしてシリカ
湿潤ゲルを得た後、直接、1−オクタノールと2−プロ
パノールの混合溶液に浸漬し、150℃にて24時間加
熱処理を行った。なお、この時、1−オクタノールと2
−プロパノールの混合比率は容積比で1:1とした。次
に、加熱処理を行ったシリカ湿潤ゲルをヘキサンにて溶
媒置換し、90℃の熱風にて乾燥しシリカ多孔体とし
た。
【0048】(実施例5)実施例1と同様にしてシリカ
湿潤ゲルを得た後、直接、1−オクタノールとアセトン
の混合溶液に浸漬し、150℃にて24時間加熱処理を
行った。なお、この時、1−オクタノールとアセトンの
混合比率は容積比で1:1とした。次に、加熱処理を行
ったシリカ湿潤ゲルをヘキサンにて溶媒置換し、90℃
の熱風にて乾燥しシリカ多孔体とした。
【0049】(実施例6)実施例1と同様にしてシリカ
湿潤ゲルを得た後、水を分散媒とする前記ヒドロゲルを
エタノールで溶媒置換しアルコゲルとした。その後、1
−プロパノールの溶液に浸漬し、150℃にて24時間
加熱処理を行った。次に、加熱処理を行ったシリカ湿潤
ゲルをヘキサンにて置換し、90℃の熱風にて乾燥しシ
リカ多孔体とした。
【0050】(実施例7)実施例1と同様にしてシリカ
湿潤ゲルを得た後、水を分散媒とする前記ヒドロゲルを
エタノールで溶媒置換しアルコゲルとした。その後、1
−ブタノールの溶液に浸漬し、150℃にて24時間加
熱処理を行った。次に、加熱処理を行ったシリカ湿潤ゲ
ルをヘキサンにて置換し、90℃の熱風にて乾燥しシリ
カ多孔体とした。
【0051】(実施例8)実施例1と同様にしてシリカ
湿潤ゲルを得た後、水を分散媒とする前記ヒドロゲルを
エタノールで溶媒置換しアルコゲルとした。その後、1
−オクタノールの溶液に浸漬し、150℃にて24時間
加熱処理を行った。次に、加熱処理を行ったシリカ湿潤
ゲルをヘキサンにて置換し、90℃の熱風にて乾燥しシ
リカ多孔体とした。
【0052】(実施例9)シリカ湿潤ゲルはコロイダル
シリカを主原料にして作製した。コロイダルシリカは日
産化学(株)社製のスノーテックスOXS、溶媒として
水、ゲル化剤(pH調整剤)は1.0規定のアンモニア
水を適用した。これらの原料を所定の比率で混合撹拌し
SiO2ゾルに調整した。なお、ゲル化剤は、pH値が
5.0となるようにSiO2ゾルの調整を行った。その
後、50℃で24時間エージングを行いシリカ湿潤ゲル
を得た。また、前記シリカ湿潤ゲルをエタノールで溶媒
置換しアルコゲルとした。
【0053】前記シリカ湿潤ゲルは、直接、1−オクタ
ノールの溶液に浸漬し、150℃にて24時間加熱処理
を行った。次に、加熱処理を行ったシリカ湿潤ゲルをヘ
キサンにて溶媒置換し、90℃の熱風にて乾燥しシリカ
多孔体とした。
【0054】(実施例10)シリカ湿潤ゲルは、テトラ
メトキシシラン(以下、TMOSと称す)を主原料とし
て形成した。テトラメトキシシランは関東化学(株)社
製の試薬を、溶媒としてエタノール、触媒及び加水分解
用の水として0.1規定のアンモニア水を用いた。これ
らの原料を1:5:4のモル比率で混合撹拌し、加水分
解及び縮重合によりSiO2ゾルを作製した。その後、
50℃24時間でエージングを行い、シリカ湿潤ゲルを
得た。また、前記シリカ湿潤ゲルをエタノールで溶媒置
換しアルコゲルとした。
【0055】前記シリカ湿潤ゲルは、直接、1−オクタ
ノールの溶液に浸漬し、150℃にて24時間加熱処理
を行った。次に、加熱処理を行ったシリカ湿潤ゲルをヘ
キサンにて溶媒置換し、90℃の熱風にて乾燥しシリカ
多孔体とした。
【0056】(比較例1)実施例1と同様にしてシリカ
湿潤ゲルを得た後、水を分散媒とする前記ヒドロゲルを
エタノールで溶媒置換しアルコゲルとした。その後、メ
タノールの溶液に浸漬し、150℃にて24時間加熱処
理を行った。次に、加熱処理を行ったシリカ湿潤ゲルを
ヘキサンにて置換し、90℃の熱風にて乾燥しシリカ多
孔体とした。
【0057】(比較例2)実施例1と同様にしてシリカ
湿潤ゲルを得た後、水を分散媒とする前記ヒドロゲルを
エタノールで溶媒置換しアルコゲルとした。その後、エ
タノールの溶液に浸漬し、150℃にて24時間加熱処
理を行った。次に、加熱処理を行ったシリカ湿潤ゲルを
ヘキサンにて置換し、90℃の熱風にて乾燥しシリカ多
孔体とした。
【0058】(比較例3)実施例1と同様にしてシリカ
湿潤ゲルを得た後、水を分散媒とする前記ヒドロゲルを
エタノールで溶媒置換しアルコゲルとした。その後、2
−プロパノールの溶液に浸漬し、150℃にて24時間
加熱処理を行った。次に、加熱処理を行ったシリカ湿潤
ゲルをヘキサンにて置換し、90℃の熱風にて乾燥しシ
リカ多孔体とした。
【0059】(比較例4)実施例1と同様にしてシリカ
湿潤ゲルを得た後、水を分散媒とする前記ヒドロゲルを
エタノールで溶媒置換しアルコゲルとした。その後、t
−ブタノールの溶液に浸漬し、150℃にて24時間加
熱処理を行った。次に、加熱処理を行ったシリカ湿潤ゲ
ルをヘキサンにて置換し、90℃の熱風にて乾燥しシリ
カ多孔体とした。
【0060】(比較例5)実施例1と同様にしてシリカ
湿潤ゲルを得た後、直接、1−オクタノールの溶液に浸
漬し、150℃にて24時間加熱処理を行った。次に、
加熱処理を行ったシリカ湿潤ゲルをヘキサンにて溶媒置
換し、90℃の熱風にて乾燥しシリカ多孔体とした。
【0061】(比較例6)実施例1と同様にしてシリカ
湿潤ゲルを得た後、水を分散媒とする前記ヒドロゲルを
エタノールで溶媒置換しアルコゲルとした。その後、1
−オクタノールの溶液に浸漬し、110℃にて24時間
加熱処理を行った。次に、加熱処理を行ったシリカ湿潤
ゲルをヘキサンにて置換し、90℃の熱風にて乾燥しシ
リカ多孔体とした。
【0062】(比較例7)実施例1と同様にしてシリカ
湿潤ゲルを得た後、水を分散媒とする前記ヒドロゲルを
エタノールで溶媒置換しアルコゲルとした。その後、1
−オクタノールの溶液に浸漬し210℃にて24時間加
熱処理を行った。次に、加熱処理を行ったシリカ湿潤ゲ
ルをヘキサンにて置換し、90℃の熱風にて乾燥しシリ
カ多孔体とした。
【0063】実施例1〜実施例10、及び比較例1〜比
較例7で得たシリカ多孔体は、それぞれ乾燥1日後に熱
伝導率を測定した。また、シリカ多孔体の吸湿による断
熱性能の劣化を確認するため、45℃90%RHにて7
日間の耐湿試験を実施した後、再度、熱伝導率を測定し
た。
【0064】なお、シリカ多孔体の熱伝導率は、Aut
o−λ(英弘精機(株))を使用し、平衡平板法にて平
均温度24℃で測定した。また、得られたシリカ多孔体
は粒体であるため、粒体状の乾燥ゲルを不織布製袋に充
填し、ヒートシールにて開口部を密閉し、粒体充填体の
熱伝導率を測定した。
【0065】
【表1】
【0066】表1に示すように、実施例1から5では分
散媒が水であるシリカ湿潤ゲルを溶媒置換なしで、直
接、炭素数3以上の第1アルコールにて疎水化を実施し
ている。実施例6から10では、分散媒がエタノールで
あるシリカ湿潤ゲルを、直接、炭素数3以上の第1アル
コールにて疎水化を実施している。これら実施例1から
10のいずれの場合にも、乾燥1日後の熱伝導率と耐湿
試験後の熱伝導率の変化は、ほとんど見られなかった。
結果、シリカ多孔体は疎水性に改質され、シリカ多孔体
の水分の吸着が抑制されていると判断できる。
【0067】更に、シリカ原料がケイ酸ナトリウム,コ
ロイダルシリカ,TMOSのいずれの場合にも同様に疎
水化が施されていると判断できる。
【0068】一方、比較例1から2では、疎水化剤とし
て炭素数1のメタノールと炭素数2のエタノールを適用
しているが、耐湿試験後の熱伝導率が大きく悪化した。
結果、炭素数1から2のメタノールとエタノールでは、
シリカ多孔体を疎水性に改質することはできない。
【0069】また、比較例3から4では、疎水化剤とし
て炭素数3以上で、かつ第2アルコールである2−プロ
パノール、及び第3アルコールであるt−ブタノールを
適用しているが、耐湿試験後の熱伝導率が大きく悪化し
た。結果、炭素数3以上であっても、第2アルコールと
第3アルコールでは、シリカ多孔体を疎水性に改質する
ことはできない。
【0070】また同様に、比較例5に示すように、シリ
カ湿潤ゲルの分散媒が水である場合に、水との溶解性の
低い1−オクタノールを適用した場合には、シリカ多孔
体を疎水性に改質することはできない。
【0071】更に、比較例5から6に示すように、疎水
化工程における加熱処理温度が、それぞれ、110℃,
210℃の場合には、耐湿試験後の熱伝導率は大きく悪
化した。これは、加熱処理温度が110℃の場合にはシ
リカ湿潤ゲルのシラノール基とアルコールの水酸基との
脱水縮合が起こりにくく、また、210℃の場合には脱
水縮合によって形成されるアルコキシル基の脱離が起こ
るため、シリカ多孔体を疎水性に改質することができな
いと考える。
【0072】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、優れた断
熱性能と優れた疎水性を有するシリカ多孔体を、単純な
プロセスで、かつ低コストで製造する製造方法を提供で
きるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるシリカ多孔体の製
造方法のフロー
【図2】本発明の一実施形態におけるシリカ多孔体の製
造方法のフロー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋田 卓 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4G072 AA25 BB15 GG03 HH19 JJ38 KK13 QQ07 UU30

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリカ湿潤ゲルの分散媒を乾燥して形成
    するシリカ多孔体の製造方法において、シリカ湿潤ゲル
    を炭素数3以上の第1アルコールの液相中で加熱処理す
    る疎水化工程を含むことを特徴とするシリカ多孔体の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 シリカ湿潤ゲルの分散媒を乾燥して形成
    するシリカ多孔体の製造方法において、シリカ湿潤ゲル
    を炭素数3以上の第1アルコールの液相中で加熱処理す
    る疎水化工程と、加熱処理したシリカ湿潤ゲルを炭素数
    5以上の炭化水素にて溶媒置換する溶媒置換工程と、炭
    素数5以上の炭化水素にて溶媒置換したシリカ湿潤ゲル
    を加熱乾燥する乾燥工程とを含むことを特徴とするシリ
    カ多孔体の製造方法。
  3. 【請求項3】 第1アルコールが1−オクタノールであ
    ることを特徴とする請求項1から2記載のシリカ多孔体
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 シリカ湿潤ゲルを炭素数3以上の第1ア
    ルコールの液相中で加熱処理する疎水化工程において、
    炭素数3以上の第1アルコール中に水と炭素数3以上の
    第1アルコールとの相互に溶解する有機溶媒を溶解させ
    ることを特徴とする請求項1から3記載のシリカ多孔体
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 第1アルコールが、1−プロパノール、
    或いは1−ブタノールであることを特徴とする請求項1
    から2記載のシリカ多孔体の製造方法。
  6. 【請求項6】 シリカ湿潤ゲルがヒドロゲルであること
    を特徴とする請求項4から5記載のシリカ多孔体の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 シリカ湿潤ゲルを炭素数3以上の第1ア
    ルコールと加熱処理する疎水化工程において、加熱処理
    の温度が120℃以上200℃未満で行われることを特
    徴とする請求項1から6記載のシリカ多孔体の製造方
    法。
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