JP2001294381A - ロープレスリニアモータエレベータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 省エネ効果の高いロープレスリニアモータエ
レベータを得ること。 【解決手段】 電気的に結合されたカウンターウェイト
を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ロープレスリニア
モータエレベータに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、エレベータかごを吊り下げるワイ
ヤーの存在しない、所謂ロープレスリニアモータエレベ
ータが提案されている。即ち、図２に示すように塔内１
には一次巻線２を備え、エレベータかご３には二次導体
４を有するリニアモータを利用したロープレスリニアモ
ータエレベータである。

【０００３】このようなロープレスリニアモータエレベ
ータでは、単一の昇降路に複数台のエレベータかごを配
置して、各々独立に運転させることができるため、限ら
れた建物の容積を有効に利用でき非常に有用である反
面、カウンターウェイトが存在しないため、消費電力が
極めて大きく時代の流れである省エネに逆行する欠点が
あった。

【０００４】このため、例えば図３及び図４に示す特開
平３-２３１７４１号公報のように、それぞれの塔内
１、１'を上昇するエレベータかご３ａと下降するエレ
ベータかご３ｂを一組とするような運転形態をとった
り、別に電力貯蔵装置５を設けて、エレベータかご３ｂ
の下降中に発生する電力を電力貯蔵装置５に一旦貯蔵
し、エレベータかご３ａが上昇する際にこの電力を利用
するように工夫するものである。

【０００５】

【発明が解決しょうとする課題】しかし、図３に示すよ
うなケースでは、エレベータかごの上昇運転と下降運転
を同期して行わなければならず、各エレベータの運転が
制約されて利用勝手が極端に悪くなる。又、図４に示す
ようなケースでは、かなり大掛かりな電力貯蔵装置５を
わざわざ設けなければならない欠点がある。

【０００６】本発明は、上記の点に鑑みなされたもの
で、省エネを達成するとともに利用者の要望に応じて極
めて自由にエレベータを運転させることのできるロープ
レスリニアモータエレベータを提供することを目的とす
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、リニアモータ
により塔内を移動するエレベータかごを設けたものにお
いて、第２の塔内にカウンターウェイトを配置し、リニ
アモータと電気的に接続された動力源によりカウンター
ウェイトを移動自在に構成するものである。

【０００８】

【発明の実施の形態】本発明は、エレベータかごとカウ
ンターウェイトとを電気的に結合してエレベータを運転
させるものである。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の一実施例について、図面を用
いて説明する。図１は本発明の一実施例を示す全体図で
あり、図中図２乃至図４と同一符号のものは同一のもの
を示すが、１０はエレベータかご３が昇降する昇降路、
２０は本発明の係るカウンターウェイト２１が昇降する
昇降路、２２は昇降路２０に設けられたリニアモータの
一次巻線、２３はカウンターウェイト２１に設けられた
リニアモータの二次導体で、エレベータかご３の昇降路
１０の一次巻線２とカウンターウェイト２１の昇降路２
０の一次巻線２２とは例えば図５に示すように、インバ
ータ３０にそれぞれの巻線Ｘｅ・Ｙｅ・Ｚｅ（一次巻線
２の三相巻線）及び巻線Ｘｃ・Ｙｃ・Ｚｃ（一次巻線２
２の三相巻線）を直列に接続（電気的に接続された場合
の一例）されており、エレベータかご３が上昇する時は
カウンターウェイト２１は下降し、逆にエレベータかご
３が下降する時はカウンターウェイト２１は上昇するよ
うになっている。

【００１０】したがって、一次巻線２と一次巻線２２と
には同一電流が流れることになり、電力の観点からはエ
レベータかご３側とカウンターウェイト２１側との間で
相殺された電力のみインバータ３０から供給すれば良
く、極めて省エネ電力の構成にできる。この同一電流以
外にカウンターウェイト２１の一次巻線２２に別の制御
電流を注入して、カウンターウェイト２１の振動・騒音
対策を講ずることも可能である。

【００１１】この昇降路１０と昇降路２０とは当然離れ
離れに配置してもよく、設計者が任意かつ自由に設計で
きる。特に、カウンターウェイト２１が昇降する昇降路
２０の長さは現場の状況に応じて、一次巻線２２の配列
ピッチを変化させることにより適宜自由に設計すること
ができる。

【００１２】又、インバータや電力設備などは通常のロ
ープ式エレベータと同様に、最大のアンバランス負荷に
合せて設計することになるが、エレベータかごとカウン
ターウェイトとは物理的な接続ではなく電気的な接続な
ので、据付運転時や保守運転時には巻線の端子を短絡す
るなどの手段により、それぞれを独立に低速で動かすこ
ともできる。

【００１３】リニアモータエレベータを停止位置で機械
的に保持する任意の装置が必要であるが、カウンターウ
ェイト側にも同様な装置を追加すれば、停電や運転休止
などの後に元の位置から自由に運転が再開できる。

【００１４】このような構成であれば、カウンターウェ
イト２１に貯えられている位置エネルギーを利用して、
たとえ停電の場合でも救出運転としてエレベータかご３
を上昇運転させることも可能である。

【００１５】尚、以上の説明では、エレベータかご及び
カウンターウェィトの移動方向が上下方向として述べて
いるが、例えば水平方向であってもよく実施例に限定さ
れない。又、本発明に係るリニアモータの二次導体とし
ては、永久磁石や超伝導コイルなどが最適と考えられ
る。

【００１６】

【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、エレ
ベータかごとカウンターウェイトとを電気的に接続させ
るだけなので、それぞれの配置に制約がほとんどなく、
自由度の高い設計ができ、最近の社会的な要請である省
エネにも十分に対応できるものである。特に、インバー
タ等の駆動用電力設備の定格容量は、カウンターウェイ
トが無い場合と比べて格段に小さく抑えることができ
る。又、エレベータの設置台数が複数組みになつても各
エレベータの運転に制約はほとんど生じない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す全体図である。

【図２】ロープレスリニアモータエレベータの斜視図で
ある。

【図３】複数台からなる従来のロープレスリニアモータ
エレベータの一例を示す全体図である。

【図４】複数台からなる従来のロープレスリニアモータ
エレベータのその他の例を示す全体図である。

【図５】一次巻線２と一次巻線２２との電気的接続の一
例を示す回路図である。

【符号の説明】

１、１' 塔内 ２ リニアモータの一次巻線 ３、３ａ，３ｂ エレベータかご ４ リニアモータの二次導体 １０、２０ 昇降路 ２１ カウンターウェイト ２２ 昇降路２０の一次巻線 １ カウンターウェイト２１の二次導体

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 リニアモータにより塔内を移動するエレ
   ベータかごを設けたものにおいて、第２の塔内にカウン
   ターウェイトを配置し、前記リニアモータと電気的に接
   続された動力源により前記カウンターウェイトを移動自
   在に構成したことを特徴とするロープレスリニアモータ
   エレベータ。
2. 【請求項２】前記カウンターウェイトを複数組み配置し
   たことを特徴とする請求項１に記載のロープレスリニア
   モータエレベータ。
3. 【請求項３】前記エレベータかごを複数組み配置したこ
   とを特徴とする請求項１に記載のロープレスリニアモー
   タエレベータ。
4. 【請求項４】前記カウンターウェイトを昇降自在に構成
   することを特徴とする請求項１又は請求項２に記載のロ
   ープレスリニアモータエレベータ。
5. 【請求項５】前記エレベータかごを昇降自在に構成する
   ことを特徴とする請求項１又は請求項３に記載のロープ
   レスリニアモータエレベータ。
6. 【請求項６】前記動力源は、リニアモータであることを
   特徴とする請求項１に記載のロープレスリニアモータエ
   レベータ。
7. 【請求項７】エレベータかご側のリニアモータの一次巻
   線と、カウンターウェイト側のリニアモータの一次巻線
   とを直列に動力源に接続することを特徴とする請求項６
   に記載のロープレスリニアモータエレベータ。
8. 【請求項８】前記動力源はインバータであることを特徴
   とする請求項７に記載のロープレスリニアモータエレベ
   ータ。