JPH05213544A - ロープレスエレベータの制御装置 - Google Patents

ロープレスエレベータの制御装置

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JPH05213544A
JPH05213544A JP4019143A JP1914392A JPH05213544A JP H05213544 A JPH05213544 A JP H05213544A JP 4019143 A JP4019143 A JP 4019143A JP 1914392 A JP1914392 A JP 1914392A JP H05213544 A JPH05213544 A JP H05213544A
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elevator
armature
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control
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Kimimoto Mizuno
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 リニア同期モータを応用したロープレスエレ
ベータの高性能制御、無騒音化が可能で、しかもリニア
同期モータの電機子コイルに電流を流す給電線の本数を
低減できるロープレスエレベータの制御装置を得る。 【構成】 交流電力を直流電力に変換する単一のコンバ
ータ32と、このコンバータ32からの直流電圧を3相
交流電圧に変換する複数のインバータ34、35と、コ
ンバータ32及びインバータ34、35の動作を制御す
る制御部40と、エレベータ昇降路に配置されてリニア
同期モータを構成する複数の電機子コイル12A1〜1
2A6、12B1〜12B6の近傍に設けられ、制御部
40からの制御情報に基ずいてインバータ34、35の
出力を選択的に電機子コイル12A1〜12A6、12
B1〜12B6に供給する電機子コイル切り替え装置4
3〜48とにより構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ロープレスエレベー
タの制御装置に関し、特にリニア同期モータを利用した
ロープレスエレベータの制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図8はロープを使用した一般的なエレベ
ータを示す構成図である。図において、1はエレベータ
昇降路の最上部にある機械室に設けられたエレベータの
かごの巻き上げ機、2は上記機械室内に設けられた反ら
せ車、3は巻き上げ機1及び反らせ車2に掛けられたロ
ープ、4はロープ3の一端に取り付けられたエレベータ
のかご、5はエレベータのかご4をガイドするかご用レ
ール、6はロープ3の他端に取り付けられた釣り合い重
り、7は釣り合い重り6をガイドする釣り合い重り用レ
ールである。
【0003】このようにロープを使用したエレベータで
は、ブレーキ装置(図示せず)、巻き上げ機1が建屋の
機械室の内部にあるため、エレベータの制御装置等が故
障した場合にも、手巻きハンドル(図示せず)によりエ
レベータのかご4を昇降させることができ、これにより
エレベータのかご4内に閉じ込められた乗客の救出が容
易に可能になっている。
【0004】ところが、このようなロープを使用したエ
レベータではエレベータのかご4と釣り合い重り6を吊
すロープ3があるため、例えば1000m以上もある超
高層ビルディングの昇降装置として使用することを考慮
すると、ロープ重量等が問題となり、実用的でない。そ
こで、このような問題点を解決するための手段として、
建屋側に配置された電機子コイルとかご側に配置された
永久磁石或は超伝導コイルにより構成されたリニア同期
モータにより、ロープを介せずにダイレクトに昇降する
ロープレスエレベータが考えられる。
【0005】図9は例えば特開平3ー23171号公報
に示された慣用のロープレスエレベータを示す斜視図で
ある。図において、10は建屋側に設けられたエレベー
タ昇降路、11A、11Bはエレベータ昇降路10の右
側と左側に対向するように設置されたリニア同期モータ
用ヨーク、12A、12Bはヨーク11A、11Bにそ
れぞれ対向するように取り付けられたリニア同期モータ
の電機子コイル、13はエレベータのガイドレール、1
4はエレベータのかご、15A、15B(図4参照)は
エレベータのかご14に右側と左側に対向するように取
り付けられたリニア同期モータの界磁用永久磁石、16
A、16Bはエレベータのかご14の上部の右側と左側
に取り付けられたバッファである。このように、ここで
は、エレベータは左右2組のリニア同期モータにより駆
動される。
【0006】図10はロープレスエレベータを駆動する
ための地上一次方式のリニア同期モータの永久磁石と電
機子コイルの位置関係を表した一例を示す図である。図
において、U相電機子コイル12AU、V相電機子コイ
ル12AV、W相電機子コイル12AWが、図示するよ
うに、エレベータの昇降路全長にわたって、所定の長さ
毎、分離されて敷設されている。又、界磁側の永久磁石
15Aは、各相の電機子コイル12AU、12AV、1
2AWと図10に示すような位置関係で、そのN極、S
極が対応づけされている。
【0007】図11は従来のロープレスエレベータの制
御装置と上述したようなリニア同期モータの接続関係の
一例を示す構成図である。図において、12A1〜12
A6はリニア同期モータを構成する左側の電機子コイル
であって、ここでは右側の電機子コイル12B1〜12
B6は省略されている。21、22はリニア同期モータ
の各電機子コイルを駆動するためのサイクロコンバー
タ、23、25、27はサイクロコンバータ21から3
相給電線29を介してそれぞれ電機子コイル12A1、
12A3、12A5への給電を切り換える真空スイッ
チ、24、26、28はサイクロコンバータ22から3
相給電線30を介してそれぞれ電機子コイル12A2、
12A4、12A6への給電を切り換える真空スイッチ
である。このように、リニア同期モータでは通常、建屋
側に固定子である電機子コイルが配列されるため、その
コイル長が昇降路長即ち建屋の高さ分必要となる。この
ため、通常電機子コイルは図11に示したように分割さ
れている。そのため、リニア同期モータの各電機子コイ
ルを駆動するサイクロコンバータ21、22の3相出力
は、エレベータのかごの動きに応じて真空スイッチ23
〜28により順次切り換えられて各電機子コイルへ給電
される。即ち、サイクロコンバータ21の3相給電線2
9、サイクロコンバータ22の3相給電線30は、それ
ぞれ電機子コイルの奇数、偶数に対応して給電するよう
になされているため、図12に示すように、エレベータ
のかご14に取り付けられている永久磁石15Aが電機
子コイル12A1に対応しているときには、真空スイッ
チ23を作動させ、サイクロコンバータ21により電機
子コイル12A1を励磁してエレベータを制御し、永久
磁石15Aが電機子コイル12A2に対応しているとき
には、真空スイッチ24を作動させ、サイクロコンバー
タ22により電機子コイル12A2を励磁してエレベー
タを制御し、又、永久磁石15Aが電機子コイル12A
3、12A4の両方にに対応しているときには、真空ス
イッチ25、26を作動させ、サイクロコンバータ21
により電機子コイル12A3を、サイクロコンバータ2
2により電機子コイル12A4を励磁してエレベータを
制御する。かくして、ここではエレベータのかごは左右
一対のリニア同期モータで駆動されるようになされてい
る。尚、スイッチ23〜28の切り換えは、この発明に
は直接関係しないため、その説明を省略するが、一般に
エレベータのかごの位置検出により行われる。又、リニ
ア同期モータ等の原理、非常停止用のブレーキ装置は直
接この発明には関係しないため、その説明を省略する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来のロープレスエレ
ベータの制御装置は以上のように構成されているので、
次のような問題点があった。即ち、サイクロコンバータ
を利用しているため、出力周波数に制限があり、リニア
同期モータのポールピッチの設計に制限があった。又、
2つの別々のサイクロコンバータにより制御をしている
ため、永久磁石が電機子コイル間を乗り移るときの制御
を精密に行うことが難しく、鉄道のように非常にイナー
シャの大きい場合は問題とならなかったが、エレベータ
のように建屋の内部で使用され、低振動でかつ低騒音を
要求されるような用途には問題があった。更に、真空ス
イッチには所定の機械的寿命があり、鉄道のように、移
動距離がないため、電機子コイルが長く設計されてお
り、かつ1日の稼働頻度が少なく、電機子コイルの切り
替え回数が少ないものには問題が少ないが、エレベータ
の用途では移動距離が短いため、電機子コイルが比較的
短く設計されており、1日の稼働頻度が多い用途には余
り適していなかった。
【0009】この発明はこのような問題点を解決するた
めになされたもので、ロープレスエレベータの高性能制
御、無騒音化が可能で、電機子コイルを切り替えるスイ
ッチの寿命を長くすることができ、しかも簡単な構成
で、安全性、信頼性の優れたロープレスエレベータの制
御装置を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明に係るロープレ
スエレベータの制御装置は、交流電力を直流電力に変換
する単一のコンバータと、このコンバータからの直流電
力を所定の交流電力に変換する複数個のインバータと、
上記コンバータ及びインバータの動作を制御する制御手
段と、建屋側のエレベータ昇降路に敷設された複数個の
電機子コイルの近傍に設けられ、上記制御手段からの制
御情報に基ずいて上記複数個のインバータの出力を上記
複数個の電機子コイルに選択的に供給する複数個の電機
子コイル切り替え手段とを備えたものである。
【0011】又、電機子コイル切り替え手段が、少なく
とも電機子コイルを切り替える半導体スイッチング素子
と、この半導体スイッチング素子の出力電流を検出して
異常時インバータの出力を遮断する異常検出手段と、上
記インバータの出力の遮断時上記電機子コイルを短絡す
る短絡手段とを備えたものである。
【0012】
【作用】この発明においては、リニア同期モータに供給
する電流を得るのに単一のコンバータと、複数個のイン
バータを用い、そして、複数個の電機子コイル切り替え
手段を建屋側のエレベータ昇降路に敷設された複数個の
電機子コイルの近傍に設け、コンバータ及びインバータ
の動作を制御する制御手段からの制御情報に基ずいて複
数個のインバータからの電流を複数個の電機子コイルに
選択的に供給する。これにより、リニア同期モータのポ
ールピッチの設計に制限がなくなり、又、高性能制御が
可能で、特に電機子コイルをリニア同期モータの界磁側
の永久磁石が乗り移るときの制御を精密に行うことが出
来、しかも電機子コイルの無騒音化が可能となり、更
に、コンバータ及びインバータ等の収納された機械室と
リニア同期モータ間の給電線を少なくして構成を簡略化
出来る。
【0013】又、電機子コイル切り替え手段に、少なく
とも電機子コイルを切り替える半導体スイッチング素子
と、この半導体スイッチング素子の出力電流を検出して
異常時インバータの出力を遮断する異常検出手段と、上
記インバータの出力の遮断時上記電機子コイルを短絡す
る短絡手段を設ける。電機子コイルの切り替えに半導体
スイッチング素子を用いることによりその寿命を長くす
ることが出来、異常検出手段を設けることによりロープ
レスエレベータの信頼性を向上出来、又、使用しない電
機子コイルを短絡する短絡手段を用いることにより万一
エレベータのかごが落下したときにこれにブレーキをか
けてロープレスエレベータの安全性を向上出来る。
【0014】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1及び図2はこの発明の一実施例を示す構成図
であり、図11と対応する部分には同一符号を付し、そ
の重複説明を省略する。図において、31はエレベータ
の機械室に設けられ、リニア同期モータを駆動するため
の駆動制御回路、32は駆動制御回路31内に設けら
れ、リアクトル36を介して外部の交流電源(図示せ
ず)に接続された電源回生機能、力率=1制御機能を有
するコンバータであって、このコンバータ32は、例え
ばトランジスタブリッジにより構成され、入力される3
相交流電力を直流電力に変換する。尚、このコンバータ
32はGTO、IGBT等の遮断機能を持った素子で構
成してもよい。33はコンバータ32の出力側に接続さ
れ、直流電圧を平滑するための平滑用コンデンサ、34
は駆動制御回路31内に設けられ、平滑用コンデンサ3
2の両端に接続されて直流電圧を3相交流PWM電圧に
変換し、奇数番の電機子コイル12A1、12A3、1
2A5を励磁するためのインバータ、35は駆動制御回
路31内に設けられ、インバータ34に並列接続され、
このインバータ34と同様に作用し、偶数番の電機子コ
イル12A2、12A4、12A6を励磁するためのイ
ンバータであって、これらのインバータ34、35も、
コンバータ32同様トランジスタブリッジの代わりにG
TO、IGBT等の遮断機能を持った素子で構成しても
よい。37はコンバータ32の入力側に設けられ、コン
バータ32を制御するためのコンバータ電流検出用DC
CT、38、39はそれぞれインバータ34、35の出
力側に設けられ、その出力電流を検出するためのDCC
T、40は駆動制御回路31内に設けられ、コンバータ
32、インバータ34、35の動作を制御するための制
御信号を発生する制御部である。尚、駆動制御回路31
において、リニア同期モータを制御する電流ループ、速
度ループ、位相ループ等のアルゴリズム、コンバータ3
2を制御する為のアルゴリズム等の詳細は本発明とは直
接関係無いので省略する。
【0015】又、41、42はそれぞれインバータ3
4、35の出力側に接続された給電線、43〜48はそ
れぞれエレベータの昇降路に敷設されている電機子コイ
ル12A1〜12A6に対応してその近傍に設けられた
電機子コイル切り替え装置であって、電機子コイル切り
替え装置43、45、47は給電線41に接続され、電
機子コイル切り替え装置44、46、48は給電線42
に接続されている。従って、インバータ34からの電流
は給電線41よりそれぞれ電機子コイル切り替え装置4
3、45、47を介して奇数番の電機子コイル12A
1、12A3、12A5に供給され、インバータ35か
らの電流は給電線42よりそれぞれ電機子コイル切り替
え装置44、46、48を介して偶数番の電機子コイル
12A2、12A4、12A6に供給されるようになさ
れている。
【0016】49A〜49Gは駆動制御回路31の制御
部40と電機子コイル切り替え装置43〜48の間の信
号伝送用の光ファイバケーブルであって、制御部40と
電機子コイル切り替え装置48の間は光ファイバケーブ
ル49Aにより接続され、電機子コイル切り替え装置4
8と電機子コイル切り替え装置47の間は光ファイバケ
ーブル49Bにより接続され、電機子コイル切り替え装
置47と電機子コイル切り替え装置46の間は光ファイ
バケーブル49Cにより接続され、電機子コイル切り替
え装置46と電機子コイル切り替え装置45の間は光フ
ァイバケーブル49Dにより接続され、電機子コイル切
り替え装置45と電機子コイル切り替え装置44の間は
光ファイバケーブル49Eにより接続され、電機子コイ
ル切り替え装置44と電機子コイル切り替え装置43の
間は光ファイバケーブル49Fにより接続され、電機子
コイル切り替え装置43と制御部40の間は光ファイバ
ケーブル49Gにより接続される。尚、ここでは左右一
対のリニア同期モータを設けた場合であるが、それ以上
の複数のリニア同期モータを設けても良い。
【0017】図3は図1及び図2に示した電機子コイル
切り替え装置43〜48の内、代表的に電機子コイル切
り替え装置43の具体的な回路構成の一例を示す構成図
であり、他の電機子コイル切り替え装置44〜48も同
様の回路構成を取るものとする。図3において、51は
給電線41上に各相毎に設けられた半導体スイッチング
素子、例えばトライアック、52はインバータ34より
電機子コイル12A1に供給される電流を検出するDC
CT、54は絶縁トランス53を介してトライアック5
1の点弧を制御するトライアック点弧回路、55は判断
機能を有し、制御部40との間で信号の授受を行い、ト
ライアック点弧回路54に点弧指令信号を発生する光イ
ンタフェース回路、56はDCCT52の検出電流を増
幅する電流アンプ、57は光インタフェース回路55又
は電流アンプ56の出力に基ずいて装置の異常を検出す
る異常検出回路、58は光インタフェース回路55の出
力に基ずいてダイナミック用コンタクタ59を励磁し、
電流アンプ56及び異常検出回路57の出力に基ずいて
ダイナミックブレーキ用コンタクタ59を消磁するダイ
ナミックブレーキ回路、60はコンタクタ59の励磁で
開、消磁で閉となるコンタクタの接点、61は接点60
と共に給電線41の各相間に接続された抵抗器である。
【0018】次に動作について説明する。まず、電機子
コイルの切り替え動作について、この発明のロープレス
エレベータの制御装置の主回路の接続例を示す図4をも
参照しながら説明する。エレベータのかご14に取り付
けられた永久磁石15A、15Bがそれぞれ電機子コイ
ル12A1、12B1の領域にあるときにはインバータ
34を動作させ、電機子コイル切り替え装置43内のト
ライアック51を点弧させて、インバータ34からの電
流を電機子コイル12A1、12B1に供給する。エレ
ベータのかご14が下降し、永久磁石15A、15Bが
それぞれ電機子コイル12A2、12B2にかかるよう
になったならば、位置検出器(図示せず)によりその位
置を検出し、インバータ35を動作させ、電機子コイル
切り替え装置44内のトライアック51を点弧させて、
インバータ35からの電流を電機子コイル12A2、1
2B2に供給する。つまり、永久磁石15A、15Bが
それぞれ電機子コイル12A1、12B1から12A
2、12B2に乗り移る時は、電機子コイル12A1、
12B1と12A2、12B2を永久磁石15A、15
Bと各電機子コイルの相対位置に従って、インバータ3
4、35から各の電機子コイルへ流れる電流を所定の比
率を持って、制御部40により制御する。
【0019】更に、エレベータのかご14が下降し、電
機子コイル12A1、12B1の領域をそれぞれ永久磁
石15A、15Bが通り過ぎたならば、その位置を位置
検出器により検出し、インバータ34の動作を停止さ
せ、その出力電流を遮断して電機子コイル切り替え装置
43内のトライアック51を消弧させる。そして、電機
子コイル12A2、12B2はインバータ44から電機
子コイル切り替え装置44を介して供給される電流によ
りその励磁を続行する。
【0020】そして、更に、エレベータのかご14が下
降し、永久磁石15A、15Bがそれぞれ電機子コイル
12A3、12B3にかかるようになったらならば、位
置検出器(図示せず)によりその位置を検出し、インバ
ータ34を動作させ、電機子コイル切り替え装置45内
のトライアック51を点弧させて、インバータ34から
の電流を電機子コイル12A3、12B3に供給する。
つまり、永久磁石15A、15Bがそれぞれ電機子コイ
ル12A2、12B2から12A3、12B3に乗り移
る時は、上述同様、電機子コイル12A2、12B2と
12A3、12B3を永久磁石15A、15Bと各電機
子コイルの相対位置に従って、インバータ34、35か
ら各の電機子コイルへ流れる電流を所定の比率を持っ
て、制御部40により制御する。以下、エレベータのか
ご14の下降に従って、電機子コイルを順次切り替えな
がら進行する。上昇時も電機子コイルに流れる電流の相
回転は逆になるが、同様に制御される。
【0021】ここで、所定の電機子コイル以外、一つの
インバータから電流を供給される電機子コイルは一つの
為、インバータ34、35に接続されている複数台の電
機子コイル切り替え装置内のトライアックが同時に点弧
した場合には制御装置の異常動作である。このため、電
機子コイル切り替え装置では、光インタフエース回路5
5よりトライアック点弧回路54に対して点弧指令信号
が出ていないにも拘わらず、DCCT52により検出さ
れた電流が0でなかった場合、或は、点弧指令信号は出
ているが、DCCT52により検出された電流が所定値
以上となった場合は、異常検出回路57を作動させて、
その出力により光インタフエース回路55及びトライア
ック点弧回路54を介してトライアック51を消弧させ
る。そして又、異常検出回路57は光インタフエース回
路55を介して制御装置が異常であることを駆動制御回
路31の制御部40に伝送する。この異常情報を受けた
制御部40は当該インバータ34又は35の動作を停止
させ、そこからの電流を遮断する。更に、電機子コイル
切り替え装置では、ダイナミックブレーキ回路58にお
いて、インバータ34又は35からの電流の遮断によ
り、トライアック51の出力電流が0になったことを、
電流アンプ56及び異常検出回路57の出力に基ずいて
確認後、コンタクタ59を無励磁として接点60を閉
じ、電機子コイルを抵抗器61で短絡する。
【0022】次に、電機子コイル近傍に敷設した電機子
コイル切り替え装置と駆動制御回路の間の信号伝送によ
る制御方法について、駆動制御回路と複数台の電機子コ
イル切り替え装置とを光ファイバケーブルにより接続し
た例を示す図5、駆動制御回路から複数台の電機子コイ
ル切り替え装置へ伝送するデータフォーマットの一例を
示す図6及び電機子コイル切り替え装置の動作に関する
フローチャートを示す図7をも参照しながら説明する。
【0023】駆動制御回路31内の制御部40は、図6
のデータフォーマットによる制御情報を光ファイバケー
ブルを介して各電機子コイル切り替え装置43〜48に
伝送する。即ち、制御部40は各電機子コイル切り替え
装置43〜48にそのトライアック51を点弧させたい
電機子コイル切り替え装置番号を伝送する。各電機子コ
イル切り替え装置43〜48ではその制御情報を光ファ
イバケーブルを介して光インタフエース回路55で受信
する。そして、光インタフエース回路55では、図7の
ステップS1において、制御情報中のトライアック点弧
番号が自分の電機子コイル切り替え装置番号と一致して
いるかどうかを判断し、一致していれば、ステップS2
において、ダイナミックブレーキ回路58にダイナミッ
クブレーキ解除指令を発生し、その出力によりダイナミ
ックブレーキ用コンタクタ59を励磁させ、その接点6
0を開として、抵抗器61による電機子コイルの短絡を
解除する。その後、光インタフエース回路55は、ステ
ップS3において、トライアック点弧回路54に対して
点弧指令信号を発生し、その出力によりトライアック5
1を点弧させ、インバータ34又は35により制御され
た電流を電機子コイルに流す。
【0024】又、光インタフエース回路55はステップ
S1でトライアック点弧番号が自分の電機子コイル切り
替え装置番号と一致してなければ、ステップS4に進
み、ここで、制御情報中のトライアック消弧番号が自分
の電機子コイル切り替え装置番号と一致しているかどう
かを判断し、一致していれば、ステップS5において、
トライアック点弧回路54に対する点弧指令信号の発生
を停止してトライアック51を消弧させ、インバータ3
4又は35から電機子コイルへの電流を遮断する。そし
て、ダイナミックブレーキ回路58は、ステップS6に
おいて、DCCT52で検出しているトライアック51
の出力電流が0であることを確認後、光インタフエース
回路55からのダイナミックブレーキ作動指令に応答し
てダイナミックブレーキ用コンタクタ59を無励磁と
し、その接点60を閉じて電機子コイルを抵抗器61で
短絡する。
【0025】その後、光インタフェース回路55は、ス
テップS7において、当該電機子コイル切り替え装置の
ステータス、例えば消弧中、点弧中、異常、抵抗器短絡
中等をデータフォーマットにセットし、ステップS8に
おいて、その情報を光ファイバケーブルを介して次の電
機子コイル切り替え装置に伝送し、以下同様にして各電
機子コイル切り替え装置の光インタフェース回路55は
当該電機子コイル切り替え装置のステータスをデータフ
ォーマットにセットした後光ファイバケーブルを介して
制御部40に伝送する。
【0026】尚、使用しない電機子コイルを抵抗器61
で短絡しておく理由は、エレベータのかご14が、ブレ
ーキが作動しなかったり、何らかの理由で落下し始めた
場合、エレベータのかご14に取り付けられた永久磁石
と電機子コイルの間に制動力を発生させ、エレベータに
対してダイナミックブレーキをかけるためである。又、
抵抗器61により電機子コイルを短絡する接点60は、
制御装置等が停電した場合は、閉となるようにバック接
点を通常利用するものとする。
【0027】このように、本実施例では、リニア同期モ
ータを応用したロープレスエレベータの高性能制御、特
に電機子コイルを乗り移るときの制御が精密にでき、ロ
ープレスエレベータにふさわしい低トルクリップルでの
制御が可能となり、しかも、インバータのPWM制御の
周波数を高くすることにより、電機子コイルの無騒音化
も可能となる。又、主回路の切り替えに半導体スイッチ
ング素子としてのトライアックを使用しているので、そ
の寿命を長くすることが出来る。又、利用しない電機子
コイルを短絡しておくことにより、万一エレベータのか
ごが落下した場合にダイナミックブレーキが働くように
なるため、その安全性を向上出来る。又、リニア同期モ
ータを利用したロープレスエレベータでは、昇降路全長
に渡って、電機子コイルが敷設されるため、電機子コイ
ル切り替え装置を駆動制御回路が設置されている機械室
に入れた場合、電機子コイルに電流を流す給電線の本
数、長さが(電機子コイルの数)×3と非常に多くなる
が、本実施例では、電機子コイルの敷設されている昇降
路内に電機子コイルと隣接して電機子コイル切り替え装
置を配置しているので、機械室から出る電機子コイルに
電流を流すための給電線の本数が6本となり、非常に少
なくなる。
【0028】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、交流電
力を直流電力に変換する単一のコンバータと、このコン
バータからの直流電力を所定の交流電力に変換する複数
個のインバータと、上記コンバータ及びインバータの動
作を制御する制御手段と、建屋側のエレベータ昇降路に
敷設された複数個の電機子コイルの近傍に設けられ、上
記制御手段からの制御情報に基ずいて上記複数個のイン
バータの出力を上記複数個の電機子コイルに選択的に供
給する複数個の電機子コイル切り替え手段とを備えたの
で、リニア同期モータのポールピッチの設計に制限がな
くなり、又、高性能制御が可能で、特に電機子コイルを
リニア同期モータの界磁側の永久磁石が乗り移るときの
制御を精密に行うことが出来、しかも電機子コイルの無
騒音化が可能となり、更に、コンバータ及びインバータ
等の収納された機械室とリニア同期モータ間の給電線を
少なくして構成を簡略化出来るという効果を奏する。
【0029】又、電機子コイル切り替え手段が、少なく
とも電機子コイルを切り替える半導体スイッチング素子
と、この半導体スイッチング素子の出力電流を検出して
異常時インバータの出力を遮断する異常検出手段と、上
記インバータの出力の遮断時上記電機子コイルを短絡す
る短絡手段とを備えたので、電機子コイルの切り替えに
半導体スイッチング素子を用いることによりその寿命を
長くすることが出来、異常検出手段によりロープレスエ
レベータの信頼性を向上出来、又、使用しない電機子コ
イルを短絡する短絡手段により万一エレベータのかごが
落下したときにこれにブレーキをかけてロープレスエレ
ベータの安全性を向上出来るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す構成図である。
【図2】この発明の一実施例を示す構成図である。
【図3】この発明の一実施例の要部の具体例を示す構成
図である。
【図4】この発明の一実施例の駆動制御回路と複数台の
電機子コイル切り替え装置の接続例をを示す構成図であ
る。
【図5】この発明の一実施例の駆動制御回路と複数台の
電機子コイル切り替え装置の光ファイバケーブルによる
接続例をを示す構成図である。
【図6】この発明の一実施例で用いられるデータフォー
マットの一例を示す図である。
【図7】この発明の一実施例の動作説明に供するための
フローチャートである。
【図8】ロープを使用した一般的なエレベータを示す構
成図である。
【図9】慣用のロープレスエレベータを示す斜視図であ
る。
【図10】慣用のロープレスエレベータで使用されてい
るリニア同期モータの永久磁石と電機子コイルの関係を
示す図である。
【図11】従来のロープレスエレベータの制御装置を示
す構成図である。
【図12】慣用のロープレスエレベータに取り付けられ
た永久磁石と電機子コイルの位置関係が3モードである
ことを示す図である。
【符号の説明】
12A1〜12A6 電機子コイル 12B1〜12B6 電機子コイル 14 エレベータのかご 15A、15B 永久磁石 31 駆動制御回路 32 コンバータ 34、35 インバータ 41、42 給電線 43〜48 電機子コイル切り替え装置 51 トライアック 54 トライアック点弧回路 55 光インタフェース回路 57 異常検出回路 58 ダイナミックブレーキ回路 59 ダイナミックブレーキ用コレクタ 60 コレクタの接点 61 抵抗器
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年5月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 ロープレスエレベータの制御装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ロープレスエレベー
タの制御装置に関し、特にリニア同期モータを利用した
ロープレスエレベータの制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図8はロープを使用した一般的なエレベ
ータを示す構成図である。図において、1はエレベータ
昇降路の最上部にある機械室に設けられたエレベータの
かごの巻き上げ機、2は上記機械室内に設けられた反ら
せ車、3は巻き上げ機1及び反らせ車2に掛けられたロ
ープ、4はロープ3の一端に取り付けられたエレベータ
のかご、5はエレベータのかご4をガイドするかご用レ
ール、6はロープ3の他端に取り付けられた釣り合い重
り、7は釣り合い重り6をガイドする釣り合い重り用レ
ールである。
【0003】このようにロープを使用したエレベータで
は、ブレーキ装置(図示せず)、巻き上げ機1が建屋の
機械室の内部にあるため、エレベータの制御装置等が故
障した場合にも、手巻きハンドル(図示せず)によりエ
レベータのかご4を昇降させることができ、これにより
エレベータのかご4内に閉じ込められた乗客の救出が容
易に可能になっている。
【0004】ところが、このようなロープを使用したエ
レベータではエレベータのかご4と釣り合い重り6を吊
すロープ3があるため、例えば1000m以上もある超
高層ビルディングの昇降装置として使用することを考慮
すると、ロープ重量等が問題となり、実用的でない。そ
こで、このような問題点を解決するための手段として、
建屋側に配置された電機子コイルとかご側に配置された
永久磁石或は超伝導コイルにより構成されたリニア同期
モータにより、ロープを介せずにダイレクトに昇降する
ロープレスエレベータが考えられる。
【0005】図9は例えば特開平3ー23171号公報
に示された慣用のロープレスエレベータを示す斜視図で
ある。図において、10は建屋側に設けられたエレベー
タ昇降路、11A、11Bはエレベータ昇降路10の右
側と左側に対向するように設置されたリニア同期モータ
用ヨーク、12A、12Bはヨーク11A、11Bにそ
れぞれ対向するように取り付けられたリニア同期モータ
の電機子コイル、13はエレベータのガイドレール、1
4はエレベータのかご、15A、15B(図4参照)は
エレベータのかご14に右側と左側に対向するように取
り付けられたリニア同期モータの界磁用永久磁石、16
A、16Bはエレベータのかご14の上部の右側と左側
に取り付けられたバッファである。このように、ここで
は、エレベータは左右2組のリニア同期モータにより駆
動される。
【0006】図10はロープレスエレベータを駆動する
ための地上一次方式のリニア同期モータの永久磁石と電
機子コイルの位置関係を表した一例を示す図である。図
において、U相電機子コイル12AU、V相電機子コイ
ル12AV、W相電機子コイル12AWが、図示するよ
うに、エレベータの昇降路全長にわたって、所定の長さ
毎、分離されて敷設されている。又、界磁側の永久磁石
15Aは、各相の電機子コイル12AU、12AV、1
2AWと図10に示すような位置関係で、そのN極、S
極が対応づけされている。
【0007】図11は従来のロープレスエレベータの制
御装置と上述したようなリニア同期モータの接続関係の
一例を示す構成図である。図において、12A1〜12
A6はリニア同期モータを構成する左側の電機子コイル
であって、ここでは右側の電機子コイル12B1〜12
B6は省略されている。21、22はリニア同期モータ
の各電機子コイルを駆動するためのサイクロコンバー
タ、23、25、27はサイクロコンバータ21から3
相給電線29を介してそれぞれ電機子コイル12A1、
12A3、12A5への給電を切り換える真空スイッ
チ、24、26、28はサイクロコンバータ22から3
相給電線30を介してそれぞれ電機子コイル12A2、
12A4、12A6への給電を切り換える真空スイッチ
である。このように、リニア同期モータでは通常、建屋
側に固定子である電機子コイルが配列されるため、その
コイル長が昇降路長即ち建屋の高さ分必要となる。この
ため、通常電機子コイルは図11に示したように分割さ
れている。そのため、リニア同期モータの各電機子コイ
ルを駆動するサイクロコンバータ21、22の3相出力
は、エレベータのかごの動きに応じて真空スイッチ23
〜28により順次切り換えられて各電機子コイルへ給電
される。即ち、サイクロコンバータ21の3相給電線2
9、サイクロコンバータ22の3相給電線30は、それ
ぞれ電機子コイルの奇数、偶数に対応して給電するよう
になされているため、図12に示すように、エレベータ
のかご14に取り付けられている永久磁石15Aが電機
子コイル12A1に対応しているときには、真空スイッ
チ23を作動させ、サイクロコンバータ21により電機
子コイル12A1を励磁してエレベータを制御し、永久
磁石15Aが電機子コイル12A2に対応しているとき
には、真空スイッチ24を作動させ、サイクロコンバー
タ22により電機子コイル12A2を励磁してエレベー
タを制御し、又、永久磁石15Aが電機子コイル12A
3、12A4の両方にに対応しているときには、真空ス
イッチ25、26を作動させ、サイクロコンバータ21
により電機子コイル12A3を、サイクロコンバータ2
2により電機子コイル12A4を励磁してエレベータを
制御する。かくして、ここではエレベータのかごは左右
一対のリニア同期モータで駆動されるようになされてい
る。尚、スイッチ23〜28の切り換えは、この発明に
は直接関係しないため、その説明を省略するが、一般に
エレベータのかごの位置検出により行われる。又、リニ
ア同期モータ等の原理、非常停止用のブレーキ装置は直
接この発明には関係しないため、その説明を省略する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来のロープレスエレ
ベータの制御装置は以上のように構成されているので、
次のような問題点があった。即ち、サイクロコンバータ
を利用しているため、出力周波数に制限があり、リニア
同期モータのポールピッチの設計に制限があった。又、
2つの別々のサイクロコンバータにより制御をしている
ため、永久磁石が電機子コイル間を乗り移るときの制御
を精密に行うことが難しく、鉄道のように非常にイナー
シャの大きい場合は問題とならなかったが、エレベータ
のように建屋の内部で使用され、低振動でかつ低騒音を
要求されるような用途には問題があった。更に、真空ス
イッチには所定の機械的寿命があり、鉄道のように、移
動距離がないため、電機子コイルが長く設計されてお
り、かつ1日の稼働頻度が少なく、電機子コイルの切り
替え回数が少ないものには問題が少ないが、エレベータ
の用途では移動距離が短いため、電機子コイルが比較的
短く設計されており、1日の稼働頻度が多い用途には余
り適していなかった。
【0009】この発明はこのような問題点を解決するた
めになされたもので、ロープレスエレベータの高性能制
御、無騒音化が可能で、電機子コイルを切り替えるスイ
ッチの寿命を長くすることができ、しかも簡単な構成
で、安全性、信頼性の優れたロープレスエレベータの制
御装置を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明に係るロープレ
スエレベータの制御装置は、交流電力を直流電力に変換
する単一のコンバータと、このコンバータからの直流電
圧を所定の交流電圧に変換する複数個のインバータと、
上記コンバータ及びインバータの動作を制御する制御手
段と、建屋側のエレベータ昇降路に敷設された複数個の
電機子コイルの近傍に設けられ、上記制御手段からの制
御情報に基ずいて上記複数個のインバータの出力を上記
複数個の電機子コイルに選択的に供給する複数個の電機
子コイル切り替え手段とを備えたものである。
【0011】又、建屋側のエレベータ昇降路に敷設され
た複数個の電機子コイルとエレベータのかご側に設置さ
れた界磁用永久磁石、或は超伝導コイルにより構成され
たリニア同期モータにより駆動されるロープレスエレベ
ータにおいて、 交流電力を直流電力に変換する単一の
コンバータと、該コンバータからの直流電圧を所定の交
流電圧に変換する複数個のインバータと、上記コンバー
タ及びインバータの動作を制御する第1の制御手段と、
上記複数個の電機子コイルの近傍に設けられ、上記第1
の制御手段からの制御情報に基ずいて上記複数個のイン
バータの出力を上記複数個の電機子コイルに選択的に供
給する複数個の電機子コイル切り替え手段と、上記建屋
側に設けられ、上記リニア同期モータを駆動制御する第
2の制御手段と、上記電機子コイル切り替え手段と上記
第2の制御手段との間を鎖状に接続する光伝送手段とを
備え、上記第2の制御手段は上記電機子コイル切り替え
手段に作動すべき電機子コイル切り替え手段番号を転送
し、上記電機子コイル切り替え手段は上記第2の制御手
段に各電機子コイル切り替え手段の状態を転送するよう
にしたものである。
【0012】又、電機子コイル切り替え手段が、少なく
とも電機子コイルを切り替える半導体スイッチング素子
と、この半導体スイッチング素子の出力電流を検出して
異常時インバータの出力を遮断する異常検出手段と、上
記インバータの出力の遮断時上記電機子コイルを短絡す
る短絡手段とを備えたものである。
【0013】又、使用していない電機子コイルは抵抗器
を介して短絡するようにしたものである。
【0014】
【作用】この発明においては、リニア同期モータに供給
する電流を得るのに単一のコンバータと、複数個のイン
バータを用い、そして、複数個の電機子コイル切り替え
手段を建屋側のエレベータ昇降路に敷設された複数個の
電機子コイルの近傍に設け、コンバータ及びインバータ
の動作を制御する制御手段からの制御情報に基ずいて複
数個のインバータからの電流を複数個の電機子コイルに
選択的に供給する。これにより、リニア同期モータのポ
ールピッチの設計に制限がなくなり、又、高性能制御が
可能で、特に電機子コイルをリニア同期モータの界磁側
の永久磁石が乗り移るときの制御を精密に行うことが出
来、しかも電機子コイルの無騒音化が可能となり、更
に、コンバータ及びインバータ等の収納された機械室と
リニア同期モータ間の給電線を少なくして構成を簡略化
出来る。
【0015】又、電機子コイル切り替え手段と第2の制
御手段とを光伝送手段により接続し、第2の制御手段よ
り電機子コイル切り替え手段に作動すべき電機子コイル
切り替え手段番号を転送し、電機子コイル切り替え手段
よりその動作状態を第2の制御手段に転送する。これに
より、リニア同期モータのポールピッチの設計に制限が
なくなり、又、高性能制御が可能で、特に電機子コイル
をリニア同期モータの界磁側の永久磁石が乗り移るとき
の制御を精密に行うことが出来、しかも電機子コイルの
無騒音化が可能となり、更に、コンバータ及びインバー
タ等の収納された機械室とリニア同期モータ間の給電線
及び第2の制御手段の配線も少なくして構成を簡略化出
来る。
【0016】又、電機子コイル切り替え手段に、少なく
とも電機子コイルを切り替える半導体スイッチング素子
と、この半導体スイッチング素子の出力電流を検出して
異常時インバータの出力を遮断する異常検出手段と、上
記インバータの出力の遮断時上記電機子コイルを短絡す
る短絡手段を設ける。電機子コイルの切り替えに半導体
スイッチング素子を用いることによりその寿命を長くす
ることが出来、異常検出手段を設けることによりロープ
レスエレベータの信頼性を向上出来、又、使用しない電
機子コイルを短絡する短絡手段を用いることにより万一
エレベータのかごが落下したときにこれにブレーキをか
けてロープレスエレベータの安全性を向上出来る。
【0017】又、使用していない電機子コイルは抵抗器
を介して短絡する。これにより、ロープレスエレベータ
のブレーキが作動しなかったり、何等かの理由によりエ
レベータのかごが落下しはじめた場合、エレベータのか
ご側に設置された永久磁石と電機子コイルとの間に制動
力を発生させることができる。
【0018】
【実施例】 実施例1.以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1及び図2はこの発明の一実施例を示す構成図
であり、図11と対応する部分には同一符号を付し、そ
の重複説明を省略する。図において、31はエレベータ
の機械室に設けられ、リニア同期モータを駆動するため
の駆動制御回路、32は駆動制御回路31内に設けら
れ、リアクトル36を介して外部の交流電源(図示せ
ず)に接続された電源回生機能、力率=1制御機能を有
するコンバータであって、このコンバータ32は、例え
ばトランジスタブリッジにより構成され、入力される3
相交流電力を直流電力に変換する。尚、このコンバータ
32はGTO、IGBT等の遮断機能を持った素子で構
成してもよい。33はコンバータ32の出力側に接続さ
れ、直流電圧を平滑するための平滑用コンデンサ、34
は駆動制御回路31内に設けられ、平滑用コンデンサ3
2の両端に接続されて直流電圧を3相交流PWM電圧に
変換し、奇数番の電機子コイル12A1、12A3、1
2A5を励磁するためのインバータ、35は駆動制御回
路31内に設けられ、インバータ34に並列接続され、
このインバータ34と同様に作用し、偶数番の電機子コ
イル12A2、12A4、12A6を励磁するためのイ
ンバータであって、これらのインバータ34、35も、
コンバータ32同様トランジスタブリッジの代わりにG
TO、IGBT等の遮断機能を持った素子で構成しても
よい。37はコンバータ32の入力側に設けられ、コン
バータ32を制御するためのコンバータ電流検出用DC
CT、38、39はそれぞれインバータ34、35の出
力側に設けられ、その出力電流を検出するためのDCC
T、40は駆動制御回路31内に設けられ、コンバータ
32、インバータ34、35の動作を制御するための制
御信号を発生する制御部である。尚、駆動制御回路31
において、リニア同期モータを制御する電流ループ、速
度ループ、位相ループ等のアルゴリズム、コンバータ3
2を制御する為のアルゴリズム等の詳細は本発明とは直
接関係無いので省略する。
【0019】又、41、42はそれぞれインバータ3
4、35の出力側に接続された給電線、43〜48はそ
れぞれエレベータの昇降路に敷設されている電機子コイ
ル12A1〜12A6に対応してその近傍に設けられた
電機子コイル切り替え装置であって、電機子コイル切り
替え装置43、45、47は給電線41に接続され、電
機子コイル切り替え装置44、46、48は給電線42
に接続されている。従って、インバータ34からの電流
は給電線41よりそれぞれ電機子コイル切り替え装置4
3、45、47を介して奇数番の電機子コイル12A
1、12A3、12A5に供給され、インバータ35か
らの電流は給電線42よりそれぞれ電機子コイル切り替
え装置44、46、48を介して偶数番の電機子コイル
12A2、12A4、12A6に供給されるようになさ
れている。
【0020】49A〜49Gは駆動制御回路31の制御
部40と電機子コイル切り替え装置43〜48の間の信
号伝送用の光ファイバケーブルであって、制御部40と
電機子コイル切り替え装置48の間は光ファイバケーブ
ル49Aにより接続され、電機子コイル切り替え装置4
8と電機子コイル切り替え装置47の間は光ファイバケ
ーブル49Bにより接続され、電機子コイル切り替え装
置47と電機子コイル切り替え装置46の間は光ファイ
バケーブル49Cにより接続され、電機子コイル切り替
え装置46と電機子コイル切り替え装置45の間は光フ
ァイバケーブル49Dにより接続され、電機子コイル切
り替え装置45と電機子コイル切り替え装置44の間は
光ファイバケーブル49Eにより接続され、電機子コイ
ル切り替え装置44と電機子コイル切り替え装置43の
間は光ファイバケーブル49Fにより接続され、電機子
コイル切り替え装置43と制御部40の間は光ファイバ
ケーブル49Gにより接続される。尚、ここでは左右一
対のリニア同期モータを設けた場合であるが、それ以上
の複数のリニア同期モータを設けても良い。
【0021】図3は図1及び図2に示した電機子コイル
切り替え装置43〜48の内、代表的に電機子コイル切
り替え装置43の具体的な回路構成の一例を示す構成図
であり、他の電機子コイル切り替え装置44〜48も同
様の回路構成を取るものとする。図3において、51は
給電線41上に各相毎に設けられた半導体スイッチング
素子、例えばトライアック、52はインバータ34より
電機子コイル12A1に供給される電流を検出するDC
CT、54は絶縁トランス53を介してトライアック5
1の点弧を制御するトライアック点弧回路、55は判断
機能を有し、制御部40との間で信号の授受を行い、ト
ライアック点弧回路54に点弧指令信号を発生する光イ
ンタフェース回路、56はDCCT52の検出電流を増
幅する電流アンプ、57は光インタフェース回路55又
は電流アンプ56の出力に基ずいて装置の異常を検出す
る異常検出回路、58は光インタフェース回路55の出
力に基ずいてダイナミック用コンタクタ59を励磁し、
電流アンプ56及び異常検出回路57の出力に基ずいて
ダイナミックブレーキ用コンタクタ59を消磁するダイ
ナミックブレーキ回路、60はコンタクタ59の励磁で
開、消磁で閉となるコンタクタの接点、61は接点60
と共に給電線41の各相間に接続された抵抗器である。
【0022】次に動作について説明する。まず、電機子
コイルの切り替え動作について、この発明のロープレス
エレベータの制御装置の主回路の接続例を示す図4をも
参照しながら説明する。エレベータのかご14に取り付
けられた永久磁石15A、15Bがそれぞれ電機子コイ
ル12A1、12B1の領域にあるときにはインバータ
34を動作させ、電機子コイル切り替え装置43内のト
ライアック51を点弧させて、インバータ34からの電
流を電機子コイル12A1、12B1に供給する。エレ
ベータのかご14が下降し、永久磁石15A、15Bが
それぞれ電機子コイル12A2、12B2にかかるよう
になったならば、位置検出器(図示せず)によりその位
置を検出し、インバータ35を動作させ、電機子コイル
切り替え装置44内のトライアック51を点弧させて、
インバータ35からの電流を電機子コイル12A2、1
2B2に供給する。つまり、永久磁石15A、15Bが
それぞれ電機子コイル12A1、12B1から12A
2、12B2に乗り移る時は、電機子コイル12A1、
12B1と12A2、12B2を永久磁石15A、15
Bと各電機子コイルの相対位置に従って、インバータ3
4、35から各の電機子コイルへ流れる電流を所定の比
率を持って、制御部40により制御する。
【0023】更に、エレベータのかご14が下降し、電
機子コイル12A1、12B1の領域をそれぞれ永久磁
石15A、15Bが通り過ぎたならば、その位置を位置
検出器により検出し、インバータ34の動作を停止さ
せ、その出力電流を遮断して電機子コイル切り替え装置
43内のトライアック51を消弧させる。そして、電機
子コイル12A2、12B2はインバータ44から電機
子コイル切り替え装置44を介して供給される電流によ
りその励磁を続行する。
【0024】そして、更に、エレベータのかご14が下
降し、永久磁石15A、15Bがそれぞれ電機子コイル
12A3、12B3にかかるようになったらならば、位
置検出器(図示せず)によりその位置を検出し、インバ
ータ34を動作させ、電機子コイル切り替え装置45内
のトライアック51を点弧させて、インバータ34から
の電流を電機子コイル12A3、12B3に供給する。
つまり、永久磁石15A、15Bがそれぞれ電機子コイ
ル12A2、12B2から12A3、12B3に乗り移
る時は、上述同様、電機子コイル12A2、12B2と
12A3、12B3を永久磁石15A、15Bと各電機
子コイルの相対位置に従って、インバータ34、35か
ら各の電機子コイルへ流れる電流を所定の比率を持っ
て、制御部40により制御する。以下、エレベータのか
ご14の下降に従って、電機子コイルを順次切り替えな
がら進行する。上昇時も電機子コイルに流れる電流の相
回転は逆になるが、同様に制御される。
【0025】ここで、所定の電機子コイル以外、一つの
インバータから電流を供給される電機子コイルは一つの
為、インバータ34、35に接続されている複数台の電
機子コイル切り替え装置内のトライアックが同時に点弧
した場合には制御装置の異常動作である。このため、電
機子コイル切り替え装置では、光インタフエース回路5
5よりトライアック点弧回路54に対して点弧指令信号
が出ていないにも拘わらず、DCCT52により検出さ
れた電流が0でなかった場合、或は、点弧指令信号は出
ているが、DCCT52により検出された電流が所定値
以上となった場合は、異常検出回路57を作動させて、
その出力により光インタフエース回路55及びトライア
ック点弧回路54を介してトライアック51を消弧させ
る。そして又、異常検出回路57は光インタフエース回
路55を介して制御装置が異常であることを駆動制御回
路31の制御部40に伝送する。この異常情報を受けた
制御部40は当該インバータ34又は35の動作を停止
させ、そこからの電流を遮断する。更に、電機子コイル
切り替え装置では、ダイナミックブレーキ回路58にお
いて、インバータ34又は35からの電流の遮断によ
り、トライアック51の出力電流が0になったことを、
電流アンプ56及び異常検出回路57の出力に基ずいて
確認後、コンタクタ59を無励磁として接点60を閉
じ、電機子コイルを抵抗器61で短絡する。
【0026】次に、電機子コイル近傍に敷設した電機子
コイル切り替え装置と駆動制御回路の間の信号伝送によ
る制御方法について、駆動制御回路と複数台の電機子コ
イル切り替え装置とを光ファイバケーブルにより接続し
た例を示す図5、駆動制御回路から複数台の電機子コイ
ル切り替え装置へ伝送するデータフォーマットの一例を
示す図6及び電機子コイル切り替え装置の動作に関する
フローチャートを示す図7をも参照しながら説明する。
【0027】駆動制御回路31内の制御部40は、図6
のデータフォーマットによる制御情報を光ファイバケー
ブルを介して各電機子コイル切り替え装置43〜48に
伝送する。即ち、制御部40は各電機子コイル切り替え
装置43〜48にそのトライアック51を点弧させたい
電機子コイル切り替え装置番号を伝送する。各電機子コ
イル切り替え装置43〜48ではその制御情報を光ファ
イバケーブルを介して光インタフエース回路55で受信
する。そして、光インタフエース回路55では、図7の
ステップS1において、制御情報中のトライアック点弧
番号が自分の電機子コイル切り替え装置番号と一致して
いるかどうかを判断し、一致していれば、ステップS2
において、ダイナミックブレーキ回路58にダイナミッ
クブレーキ解除指令を発生し、その出力によりダイナミ
ックブレーキ用コンタクタ59を励磁させ、その接点6
0を開として、抵抗器61による電機子コイルの短絡を
解除する。その後、光インタフエース回路55は、ステ
ップS3において、トライアック点弧回路54に対して
点弧指令信号を発生し、その出力によりトライアック5
1を点弧させ、インバータ34又は35により制御され
た電流を電機子コイルに流す。
【0028】又、光インタフエース回路55はステップ
S1でトライアック点弧番号が自分の電機子コイル切り
替え装置番号と一致してなければ、ステップS4に進
み、ここで、制御情報中のトライアック消弧番号が自分
の電機子コイル切り替え装置番号と一致しているかどう
かを判断し、一致していれば、ステップS5において、
トライアック点弧回路54に対する点弧指令信号の発生
を停止してトライアック51を消弧させ、インバータ3
4又は35から電機子コイルへの電流を遮断する。そし
て、ダイナミックブレーキ回路58は、ステップS6に
おいて、DCCT52で検出しているトライアック51
の出力電流が0であることを確認後、光インタフエース
回路55からのダイナミックブレーキ作動指令に応答し
てダイナミックブレーキ用コンタクタ59を無励磁と
し、その接点60を閉じて電機子コイルを抵抗器61で
短絡する。
【0029】その後、光インタフェース回路55は、ス
テップS7において、当該電機子コイル切り替え装置の
ステータス、例えば消弧中、点弧中、異常、抵抗器短絡
中等をデータフォーマットにセットし、ステップS8に
おいて、その情報を光ファイバケーブルを介して次の電
機子コイル切り替え装置に伝送し、以下同様にして各電
機子コイル切り替え装置の光インタフェース回路55は
当該電機子コイル切り替え装置のステータスをデータフ
ォーマットにセットした後光ファイバケーブルを介して
制御部40に伝送する。
【0030】尚、使用しない電機子コイルを抵抗器61
で短絡しておく理由は、エレベータのかご14が、ブレ
ーキが作動しなかったり、何らかの理由で落下し始めた
場合、エレベータのかご14に取り付けられた永久磁石
と電機子コイルの間に制動力を発生させ、エレベータに
対してダイナミックブレーキをかけるためである。又、
抵抗器61により電機子コイルを短絡する接点60は、
制御装置等が停電した場合は、閉となるようにバック接
点を通常利用するものとする。
【0031】このように、本実施例では、リニア同期モ
ータを応用したロープレスエレベータの高性能制御、特
に電機子コイルを乗り移るときの制御が精密にでき、ロ
ープレスエレベータにふさわしい低トルクリップルでの
制御が可能となり、しかも、インバータのPWM制御の
周波数を高くすることにより、電機子コイルの無騒音化
も可能となる。又、主回路の切り替えに半導体スイッチ
ング素子としてのトライアックを使用しているので、そ
の寿命を長くすることが出来る。又、利用しない電機子
コイルを短絡しておくことにより、万一エレベータのか
ごが落下した場合にダイナミックブレーキが働くように
なるため、その安全性を向上出来る。又、リニア同期モ
ータを利用したロープレスエレベータでは、昇降路全長
に渡って、電機子コイルが敷設されるため、電機子コイ
ル切り替え装置を駆動制御回路が設置されている機械室
に入れた場合、電機子コイルに電流を流す給電線の本
数、長さが(電機子コイルの数)×3と非常に多くなる
が、本実施例では、電機子コイルの敷設されている昇降
路内に電機子コイルと隣接して電機子コイル切り替え装
置を配置しているので、機械室から出る電機子コイルに
電流を流すための給電線の本数が6本となり、非常に少
なくなる。
【0032】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、交流電
力を直流電力に変換する単一のコンバータと、このコン
バータからの直流電を所定の交流電に変換する複数
個のインバータと、上記コンバータ及びインバータの動
作を制御する制御手段と、建屋側のエレベータ昇降路に
敷設された複数個の電機子コイルの近傍に設けられ、上
記制御手段からの制御情報に基ずいて上記複数個のイン
バータの出力を上記複数個の電機子コイルに選択的に供
給する複数個の電機子コイル切り替え手段とを備えたの
で、リニア同期モータのポールピッチの設計に制限がな
くなり、又、高性能制御が可能で、特に電機子コイルを
リニア同期モータの界磁側の永久磁石が乗り移るときの
制御を精密に行うことが出来、しかも電機子コイルの無
騒音化が可能となり、更に、コンバータ及びインバータ
等の収納された機械室とリニア同期モータ間の給電線を
少なくして構成を簡略化出来るという効果を奏する。
【0033】又、建屋側のエレベータ昇降路に敷設され
た複数個の電機子コイルとエレベータのかご側に設置さ
れた界磁用永久磁石、或は超伝導コイルにより構成され
たリニア同期モータにより駆動されるロープレスエレベ
ータにおいて、 交流電力を直流電力に変換する単一の
コンバータと、該コンバータからの直流電圧を所定の交
流電圧に変換する複数個のインバータと、上記コンバー
タ及びインバータの動作を制御する第1の制御手段と、
上記複数個の電機子コイルの近傍に設けられ、上記第1
の制御手段からの制御情報に基ずいて上記複数個のイン
バータの出力を上記複数個の電機子コイルに選択的に供
給する複数個の電機子コイル切り替え手段と、上記建屋
側に設けられ、上記リニア同期モータを駆動制御する第
2の制御手段と、上記電機子コイル切り替え手段と上記
第2の制御手段との間を鎖状に接続する光伝送手段とを
備え、上記第2の制御手段は上記電機子コイル切り替え
手段に作動すべき電機子コイル切り替え手段番号を転送
し、上記電機子コイル切り替え手段は上記第2の制御手
段に各電機子コイル切り替え手段の状態を転送するよう
にしたので、リニア同期モータのポールピッチの設計に
制限がなくなり、又、高性能制御が可能で、特に電機子
コイルをリニア同期モータの界磁側の永久磁石が乗り移
るときの制御を精密に行うことが出来、しかも電機子コ
イルの無騒音化が可能となり、更に、コンバータ及びイ
ンバータ等の収納された機械室とリニア同期モータ間の
給電線及び第2の制御手段の配線を少なくして構成を簡
略化出来るという効果を奏する。
【0034】又、電機子コイル切り替え手段が、少なく
とも電機子コイルを切り替える半導体スイッチング素子
と、この半導体スイッチング素子の出力電流を検出して
異常時インバータの出力を遮断する異常検出手段と、上
記インバータの出力の遮断時上記電機子コイルを短絡す
る短絡手段とを備えたので、電機子コイルの切り替えに
半導体スイッチング素子を用いることによりその寿命を
長くすることが出来、異常検出手段によりロープレスエ
レベータの信頼性を向上出来、又、使用しない電機子コ
イルを短絡する短絡手段により万一エレベータのかごが
落下したときにこれにブレーキをかけてロープレスエレ
ベータの安全性を向上出来るという効果を奏する。
【0035】又、使用していない電機子コイルは抵抗器
を介して短絡するようにしたので万一エレベータのかご
が落下したときにこれにブレーキをかけてロープレスエ
レベータの安全性をより向上出来るという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す構成図である。
【図2】この発明の一実施例を示す構成図である。
【図3】この発明の一実施例の要部の具体例を示す構成
図である。
【図4】この発明の一実施例の駆動制御回路と複数台の
電機子コイル切り替え装置の接続例をを示す構成図であ
る。
【図5】この発明の一実施例の駆動制御回路と複数台の
電機子コイル切り替え装置の光ファイバケーブルによる
接続例をを示す構成図である。
【図6】この発明の一実施例で用いられるデータフォー
マットの一例を示す図である。
【図7】この発明の一実施例の動作説明に供するための
フローチャートである。
【図8】ロープを使用した一般的なエレベータを示す構
成図である。
【図9】慣用のロープレスエレベータを示す斜視図であ
る。
【図10】慣用のロープレスエレベータで使用されてい
るリニア同期モータの永久磁石と電機子コイルの関係を
示す図である。
【図11】従来のロープレスエレベータの制御装置を示
す構成図である。
【図12】慣用のロープレスエレベータに取り付けられ
た永久磁石と電機子コイルの位置関係が3モードである
ことを示す図である。
【符号の説明】 12A1〜12A6 電機子コイル 12B1〜12B6 電機子コイル 14 エレベータのかご 15A、15B 永久磁石 31 駆動制御回路 32 コンバータ 34、35 インバータ 41、42 給電線 43〜48 電機子コイル切り替え装置 51 トライアック 54 トライアック点弧回路 55 光インタフェース回路 57 異常検出回路 58 ダイナミックブレーキ回路 59 ダイナミックブレーキ用コレクタ 60 コレクタの接点 61 抵抗器

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建屋側のエレベータ昇降路に敷設された
    複数個の電機子コイルとエレベータのかご側に設置され
    た界磁用永久磁石、或は超伝導コイルにより構成された
    リニア同期モータにより駆動されるロープレスエレベー
    タにおいて、 交流電力を直流電力に変換する単一のコンバータと、 該コンバータからの直流電力を所定の交流電力に変換す
    る複数個のインバータと、 上記コンバータ及びインバータの動作を制御する制御手
    段と、 上記複数個の電機子コイルの近傍に設けられ、上記制御
    手段からの制御情報に基ずいて上記複数個のインバータ
    の出力を上記複数個の電機子コイルに選択的に供給する
    複数個の電機子コイル切り替え手段とを備えたことを特
    徴とするロープレスエレベータの制御装置。
  2. 【請求項2】 電機子コイル切り替え手段が、少なくと
    も電機子コイルを切り替える半導体スイッチング素子
    と、この半導体スイッチング素子の出力電流を検出して
    異常時インバータの出力を遮断する異常検出手段と、上
    記インバータの出力の遮断時上記電機子コイルを短絡す
    る短絡手段とを備えた請求項1記載のロープレスエレベ
    ータの制御装置。
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