JP2001291509A - ニッケル−水素蓄電池とそれに用いる水素吸蔵合金負極の製造方法 - Google Patents
ニッケル−水素蓄電池とそれに用いる水素吸蔵合金負極の製造方法Info
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Abstract
せ、水素吸蔵合金の水素ガス吸収能力を向上させて、電
池内圧上昇を抑制したニッケル−水素蓄電池を提供す
る。 【解決手段】 水素吸蔵合金粉末を主成分とするペース
トを支持体に充填または塗着して水素吸蔵合金負極を作
製し、撥水剤であるフッ素樹脂粉末と有機溶媒とを混合
するとともに超音波振動を加えながら、有機溶媒にフッ
素樹脂を分散状態とした溶液を、水素吸蔵合金負極の表
面に塗布した水素吸蔵合金負極を用いてニッケル−水素
蓄電池を作製する。
Description
電池とそれに用いる水素吸蔵合金負極の製造法に関す
る。
ては、ニッケル−カドミウム蓄電池あるいは鉛蓄電池等
が挙げられる。ところで、近年、これらの電池よりも軽
量で且つ高容量で高エネルギー密度となる可能性がある
ということで、水素吸蔵合金を負極材料として用いた水
素吸蔵負極を備えたニッケル−水素蓄電池が注目されて
いる。
蔵合金負極は、一般に、特開昭61−66366号公報
に示されるように、ポリテトラフルオロエチレンやポリ
エチレンオキサイドなどの結着剤と水素吸蔵合金粉末と
を混練してペーストを作製し、パンチングメタル等の芯
体の両面に前記ペーストを塗着、乾燥して作製される。
こうして作製された水素吸蔵負極は、ニッケル−カドミ
ウム蓄電池に用いられている焼結式ニッケル正極との間
にセパレータを介在させて渦巻き状に捲回した状態で電
池外装缶に収容されニッケル−水素蓄電池が構成され
る。
過充電時に正極、負極で次式に示すようにガス発生反応
が起こり、電池内圧が上昇する。特に、急速充電におい
てはこの圧力上昇が顕著になる。
は、水素吸蔵合金負極表面に撥水性樹脂を設ける製造の
一例として、PVAにフッ素樹脂粉末を分散させた水溶
液に負極を塗布する方法が提案されている。
蔵合金負極の表面に、有機溶媒にフッ素樹脂粉末を分散
した溶液を塗布する際、溶液中のフッ素樹脂粉末の粒子
の大きさにバラツキが大きいため、塗布ノズルの詰まり
や負極への塗布むらが発生し、フッ素樹脂粉末の偏在し
ている水素吸蔵合金負極の表面は、電解液の液周りが悪
化するので、この負極を用いて例えばニッケル−水素蓄
電池を構成するとその電池内圧が上昇するという問題が
起こる。
に本発明は、水素吸蔵合金粉末を主成分とするペースト
を支持体に充填または塗着して水素吸蔵合金負極を作製
し、撥水剤であるフッ素樹脂粉末と有機溶媒とを混合す
るとともに超音波振動を加えながら有機溶媒にフッ素樹
脂を分散状態とした溶液を、水素吸蔵合金負極の表面に
塗布する水素吸蔵合金負極の製造方法とした。
たフッ素樹脂の比表面積の増加を図ることと、極板の撥
水性が増加し水素吸蔵合金の水素ガス吸収の向上を目的
としている。また、ノズルの詰まりや塗布むらを低減す
ることを目的としている。
は、水素吸蔵合金粉末を主成分とするペーストを支持体
に充填または塗着して水素吸蔵合金負極を作製し、撥水
剤であるフッ素樹脂粉末と有機溶媒とを混合するととも
に超音波振動を加えながら前記有機溶媒に前記フッ素樹
脂を分散状態とした溶液を、前記水素吸蔵合金負極の表
面に塗布する水素吸蔵合金負極の製造方法としたもので
ある。
詰まることを防ぐことができ、水素吸蔵合金負極の表面
に均一に塗布されるので、撥水性が増加し水素吸蔵合金
の水素ガス吸収の向上が図れる。
0kHz、振幅40〜100μmであるのが好ましい。
周波数が5kHz、振幅40μmでは充分な分散効果が
得られない。周波数が40kHz、振幅100μmを超
えると大きな超音波の発生装置が必要であり現実的でな
い。
脂粉末の量は、4〜15%であると撥水性の効果が得ら
れるとともに、均一に塗布することができるので好まし
い。
面に塗布するフッ素樹脂粉末の量は、0.10〜2.0
mg/cm2であるのが好ましく、このフッ素樹脂粉末
の量が、0.10mg/cm2より少ないと撥水性の効
果が十分ではなく、また2.0mg/cm2より多いと
電解液を吸収し難くなり水素吸蔵合金負極の抵抗が上昇
するので好ましくない。
ニッケルを充填して正極1を作製した。
.75(Mmは希土類の混合物)で表わされる水素吸蔵合金
を、湿式ボールミルにより水中で平均粒径30μmにな
るように機械的に粉砕した水素吸蔵合金粉末を作製し
た。この合金粉末と、同重量の80℃に加温した比重
1.30の水酸化カリウム水溶液に60分浸漬攪拌し、
水洗した水のpHが10以下になるまで水洗し、水素吸
蔵合金粉末スラリーを得た。
し、増粘剤としてカルボキシメチルセルロースを0.1
5重量%、導電剤としてカーボンブラックを0.3重量
%、結着剤としてのスチレン−ブタジエン共重合体を
0.8重量%及び分散媒として水とを混合しペーストを
作製した。
導電性支持体表面に塗着した後、乾燥及び加圧を行い負
極2を得た。
2の表面に、5.89重量%のテトラフルオロエチレン
−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(以下、FEPと
いう。)粉末を分散媒であるエタノールに加えた溶液を
作製し、この溶液を攪拌するとともに、超音波振動を振
幅80μm、周波数20kHzの条件で加えながら、溶
液中のFEP粉末を分散させた状態(このときのFEP
粉末の粒径は5〜72μmであった。)で、0.20m
g/cm2,0.41mg/cm2,0.61mg/cm
2の量で噴霧して本発明の負極2−1,2−2,2−3
の3種類を作製した。
3のそれぞれと焼結式ニッケル正極1とを、ポリプロピ
レン製の不織布からなるセパレータ3を介して捲回さ
せ、渦巻状の電極群4を作製し、これを電池ケース5に
収納し、この電池ケース5内に30重量%の水酸化カリ
ウム水溶液をアルカリ電解液として注液した後、電池ケ
ース5の上部を封口板6で密閉して、AAAサイズで公
称容量750mAhの本発明の実施例における円筒密閉
型ニッケル−水素蓄電池A1,A2,A3を作製した。
表面に、5.89重量%のFEP粉末を分散媒であるエ
タノールに加えて攪拌して溶液(このときのFEP粉末
の粒径は20〜150μmであった。)を作製し、これ
を0.20mg/cm2,0.41mg/cm2,0.6
1mg/cm2の量で噴霧して比較例の負極7−1,7
−2,7−3の3種類を作製した。
れぞれを用いた以外は、上記実施例と同じ構成とした比
較例のニッケル−水素蓄電池B1,B2,B3を作製し
た。
と比較例の電池B1,B2,B3のそれぞれの電池は、
予めケースの底部に孔をあけて、この孔部に内圧測定用
の圧力センサーを取り付けて、45℃の雰囲気下で2時
間放置後、750mAの電流で1.2時間充電を行いな
がら、電池内圧を測定した。この結果を(表1)に示
す。
較例は、FEP粉末の塗布量が多くなると電池内圧が下
がる。また、実施例と比較例を比較すると、FEP粉末
の塗布量が同じ場合は、実施例の電池内圧は、比較例の
それよりも低くなり、実施例の電池は、比較例の電池よ
りも良好である。
その負極2の表面に塗布されているFEP粉末が均一に
分散されており撥水性が良好であるので電池内圧が低く
良好であるのに対して、比較例ではその負極7の表面に
FEP粉末が凝集して不均一な状態となって撥水性が損
なわれるので電池内圧が高くなり良好ではないものとな
ったと考えられる。
の負極2の表面に分散しているFEP粉末の粒径を測定
すると、5〜90μmであり、同じく負極7の表面に位
置するFEP粉末の粒径を測定すると20〜200μm
であったことからもわかる。
としてFEP粉末を用いたが、PTFEなどのフッ素樹
脂粉末を用いても同様な効果が得られる。
撥水剤としてFEP粉末の量は、有機溶媒に対して5.
89重量%としたが、その量としては、4〜15重量%
の範囲であれば同様な効果が得られる。
散しているFEP粉末の粒径の範囲は5〜90μmであ
ったが、この粒径の好ましい範囲は5〜100μmであ
る。
塗布されているFEP粉末の量は0.20〜0.61m
g/cm2の範囲であったが、FEP粉末の量として
は、0.10〜2.0mg/cm2の範囲が好ましい。
蔵合金電極の表面に、有機溶媒に分散させたフッ素樹脂
を微粉化して塗布することで、フッ素樹脂の比表面積の
増加が図れることと、極板の撥水性が増加し水素吸蔵合
金の水素ガス吸収の向上が可能となり電池内圧上昇を抑
制でき、また、ノズルの詰まりや塗布むらを低減するこ
とができるという有利な効果が得られる。
表面状態を示す図
の半裁断面図
Claims (6)
- 【請求項1】水素吸蔵合金粉末を主成分とするペースト
を支持体に充填または塗着して水素吸蔵合金負極を作製
し、撥水剤であるフッ素樹脂粉末と有機溶媒とを混合す
るとともに超音波振動を加えながら前記有機溶媒に前記
フッ素樹脂を分散状態とした溶液を、前記水素吸蔵合金
負極の表面に塗布する水素吸蔵合金負極の製造方法。 - 【請求項2】超音波振動は、周波数5〜40kHz、振
幅40〜100μmである請求項1記載の水素吸蔵合金
負極の製造方法。 - 【請求項3】有機溶媒に対してフッ素樹脂粉末の量は、
4〜15%である請求項1記載の水素吸蔵合金負極の製
造方法。 - 【請求項4】水素吸蔵合金負極の表面に塗布するフッ素
樹脂粉末の量は、0.10〜2.0mg/cm2である
請求項1記載の水素吸蔵合金負極の製造方法。 - 【請求項5】水酸化ニッケルを主体とする正極と、水素
吸蔵合金負極と、セパレータと、および電解液とからな
るニッケル−水素蓄電池であって、前記水素吸蔵合金電
極の表面には、5〜100μmのフッ素樹脂粉末が分散
状態で塗布されているニッケル−水素蓄電池。 - 【請求項6】水素吸蔵合金負極の表面に塗布されている
フッ素樹脂粉末の量は、0.10〜2.0mg/cm2
である請求項5記載のニッケル−水素蓄電池。
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JP2000103048A JP3678109B2 (ja) | 2000-04-05 | 2000-04-05 | ニッケル−水素蓄電池とそれに用いる水素吸蔵合金負極の製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2004327387A (ja) * | 2003-04-28 | 2004-11-18 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | ニッケル−水素蓄電池およびその負極板の製造方法 |
US11038161B2 (en) * | 2018-03-27 | 2021-06-15 | Fdk Corporation | Negative electrode for nickel-hydrogen secondary battery, and nickel-hydrogen secondary battery |
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2000
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JP4524998B2 (ja) * | 2003-04-28 | 2010-08-18 | パナソニック株式会社 | ニッケル−水素蓄電池 |
US11038161B2 (en) * | 2018-03-27 | 2021-06-15 | Fdk Corporation | Negative electrode for nickel-hydrogen secondary battery, and nickel-hydrogen secondary battery |
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