JP2001290263A - 平版印刷版用原版 - Google Patents

平版印刷版用原版

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JP2001290263A
JP2001290263A JP2000108062A JP2000108062A JP2001290263A JP 2001290263 A JP2001290263 A JP 2001290263A JP 2000108062 A JP2000108062 A JP 2000108062A JP 2000108062 A JP2000108062 A JP 2000108062A JP 2001290263 A JP2001290263 A JP 2001290263A
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alkyl
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acid
lithographic printing
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JP2000108062A
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English (en)
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Sumiaki Yamazaki
純明 山崎
Koichi Kawamura
浩一 川村
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 赤外線レーザ等による短時間での走査露光、
即ち、低エネルギーのヒートモード露光による書き込み
ができ、コンピュータ等のデジタルデータから直接製版
することも可能であり、現像処理を必要とせず直接に印
刷機に装着して製版することができ、感度が高く、印刷
物の画像部の強度および密着性が優れた平版印刷版用原
版を製造することのできる技術を提供する。 【解決手段】 支持体上に、熱により親水性から疎水性
に変化する官能基を有するポリマーならびに光熱変換剤
を含有する感応層を設けた平版印刷版用原版であって、
該光熱変換剤が有機光熱変換化合物を内包する金属酸化
物粒子であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は平版印刷版用原版に
関するものであり、詳しくは支持体および感応層(画像
形成層ともいう)から成り、ディジタル信号に基づいた
走査露光により製版可能であり、付加的な湿式処理を必
要としない平版印刷版用原版に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、平版印刷版は、印刷過程でイン
クを受容する親油性の画像部と湿し水を受容する親水性
の非画像部とから成る。このような平版印刷版用原版を
製造するために用いられる平版印刷版用原版としては、
従来、親水性支持体上に、親油性の感光性樹脂層を設け
たPS版が広く用いられ、その製版方法として、通常
は、リスフィルムを介してマスク露光した後、非画像部
を現像液によって溶解除去することにより所望の印刷版
を得ていた。
【0003】近年、画像情報をコンピュータを用いて電
子的に処理、蓄積、出力する、ディジタル化技術が広く
普及してきている。そして、その様な、ディジタル化技
術に対応した、新しい画像出力方式が種々実用されるよ
うになってきた。その結果、レーザ光の様な指向性の高
い活性放射線をディジタル化された画像情報に応じて走
査し、リスフィルムを介することなく、直接印刷版を製
造するコンピュータトゥ プレート技術が切望されてお
り、これに適応した印刷版用原版を得ることは重要な技
術課題の一つとなっている。
【0004】他方、従来のPS版による印刷版の製造
は、露光の後、非画像部を溶解除去する行程が不可欠で
あり、さらに通常は、現像処理された印刷版を水洗水で
水洗したり、界面活性剤を含有するリンス液、アラビア
ガム、澱粉誘導体を含む不感脂化液で処理する後処理行
程も必要であった。この様な付加的な湿式の処理が不可
欠であるという点は、従来技術にたいし、改善の望まれ
てきたもう一つの課題である。特に近年は、地球環境へ
の配慮が産業界全体の大きな関心事となっている。処理
の簡素化、乾式化、無処理化は、この様な環境面と、先
述のディジタル化に伴った工程の合理化の両方の観点か
ら、従来にも増して、強く望まれるようになってきてい
る。
【0005】走査露光による印刷版の製造方法として
は、高感度な感光材料を利用する方法の他に、電子線
や、高出力レーザの様な、高エネルギー密度の活性放射
線を利用した方法が提案されている。最近では、半導体
レーザ、YAGレーザ等の固体レーザで高出力なものが
安価に入手できるようになっており、特に、これらのレ
ーザを用いたコンピュータ トゥ プレートシステムが
有望視されるようになってきた。高エネルギー密度露光
系の特徴は、低〜中エネルギー密度の露光を利用する感
光材料系に利用される光反応とは異なった、様々な現像
を利用できることにある。具体的には、化学変化の他、
相変化、形態変化等の構造変化を利用できる。通常、こ
のような高エネルギー密度露光による記録方式はヒート
モード記録と呼ばれる。高エネルギー密度露光系では、
多くの場合、感材に吸収された光エネルギーは、熱に変
換され、生じた熱によって、所望の現像が引き起こされ
ると信じられるためである。ヒートモード記録方式の大
きな長所は潜在的に処理の簡易化、乾式化、無処理化が
可能な点にある。これは、ヒートモード感材の画像記録
に利用される現象が、普通の強度の光に対する暴露や、
普通の環境温度下では実質的には生じないため、露光後
の画像の定着が必要ないことに基づく。
【0006】ヒートモード記録に基づく平版印刷版の好
ましい製造方法としては、親水性層と親油性層からなる
原版をヒートモード露光し、何れか一方の層のみを画像
状に除去する事により、画像状に親水性/疎水性の区別
を発現する方法が提案されている。この方法では、走査
露光可能性と、無処理/乾式処理法に加え、比較的良好
な印刷性能を示す印刷版用原版を提供する。
【0007】この様な平版印刷版用原版の例として、ポ
リオレフィン類をスルホン化したフィルムを版材として
用い、熱書き込みによって、表面の親水性を変化させる
ことにより、現像処理を必要としない版材を形成する事
が、特開平5−77574号公報、特開平4−1251
89号公報、米国特許第5,187,047号明細書及
び特開昭62−195646号公報等に開示されてい
る。これらのシステムでは、熱書き込みにより、感材表
面のスルホン基を脱スルホンさせ画像形成するものであ
る。また米国特許第4,081,572号明細書にはカ
ルボン酸を有するポリマーを熱もしくはレーザにより脱
水閉環して画像形成する方法が開示されている。これら
はいずれも露光前に親水性の膜を露光により疎水性に変
換する、いわゆる極性変換ネガ型刷版の例であり、特徴
として現像処理を必要としないことが挙げられる。しか
しながら、上記の先行技術においては、版材の熱反応性
が乏しいため、感度が低く画像形成に多くの時間を要す
る。また、親水性、疎水性のディスクリミネーションが
低いため親水性が不十分であるか、もしくは画像強度が
低い感材しか作ることができない。すなわち、これらの
従来技術では感度、汚れ性、耐刷性の観点で満足できる
感材は得られない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】その欠陥の解決に向け
て技術開発が進められたネガ型の極性変換型無処理刷版
の例として特願平11−228618号明細書に記載さ
れている、熱により親水性から疎水性に変化する官能基
を有するポリマーを用いたネガ型無処理刷版が挙げられ
る。この発明は上記の欠陥の改善がなされてはいるが、
画像部の強度および密着性はネガ型印刷版の印刷品質の
重要特性であるだけに一層の改善も求められている。
【0009】従って、本発明の目的は、赤外線レーザ等
による短時間での走査露光、即ち、低エネルギーのヒー
トモード露光による書き込みができ、コンピュータ等の
デジタルデータから直接製版することも可能であり、現
像処理を必要とせず直接に印刷機に装着して製版するこ
とができ、感度が高く、印刷物の画像部の強度および密
着性が優れた平版印刷版用原版を製造することのできる
技術を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記従来
の技術の問題点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、熱
反応性に優れ、熱により親水性から疎水性に変化する官
能基を有するポリマーに加えて、光熱変換剤として赤外
線吸収色素を直接添加するのではなく、例えばシリカゲ
ル粒子のような保護材料の構造の中に赤外線吸収色素を
内包することが顕著な効果を発揮することを見いだし、
有機光熱変換化合物を内包する金属酸化物粒子を含有す
る感応層(画像形成層ともいう)を用いることにより、
優れたヒートモード露光用の平版印刷版用原版が得られ
ることを見出し本発明を完成するに至った。
【0011】即ち本発明は、支持体上に、熱により親水
性から疎水性に変化する官能基を有するポリマーならび
に光熱変換剤を含有する記録層を設けた平版印刷版用原
版であって、該光熱変換剤が有機光熱変換化合物を内包
する金属酸化物粒子であることを特徴とする平版印刷版
用原版である。
【0012】本発明の輻射線感応性平版印刷用原版の感
応層は、光熱変換剤を含有しているが、その光熱変換剤
は有機光熱変換化合物を内包した金属酸化物であり、例
えば、シリカゲル粒子の内部に赤外線吸収色素を入れ込
み(含浸させる)、有機光熱変換化合物は内包されるこ
とによって、赤外線吸収色素のレーザー光の吸収により
発生した熱は一旦、シリカ担体を通して間接的に周囲の
極性変換ポリマーに伝わるため、ゆっくりと熱が伝わ
る。その結果、所望の極性変換反応が効率よく進行し、
且つポリマー主鎖の開裂等の副作用を抑制することがで
きることから、画像部の膜強度および密着性が改善され
る。
【0013】なお、本発明の特徴である有機光熱変換化
合物を内包した輻射線感応性金属酸化物粒子は、本発明
の第1目的である平版印刷原板の用途のほかに、赤〜赤
外線の波長領域の輻射線に感応する感熱記録手段、加熱
手段その他の上記波長領域の輻射線の熱エネルギーへの
変換手段としても利用できる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 本発明の光熱変換剤 〔光熱変換剤〕本発明の感応層に用いられる光熱変換剤
は、前記したように有機光熱変換化合物を内包する金属
酸化物粒子である。はじめに、有機光熱変換化合物を金
属酸化物粒子内に閉じ込める内包方法について説明す
る。
【0015】(有機光熱変換化合物の内包方法)有機光
熱変換化合物が赤外線吸収色素(IR色素)の場合に発
明の効果が顕著となるので、以下の記述はIR色素の内
包について述べるが、他の有機光熱変換化合物の内包も
以下に準じて行うことができる。IR色素含有金属酸化
物粒子は既存の方法を用いて作製することができる。金
属酸化物粒子は、合成的な観点から加水分解性アルコキ
シ金属化合物から金属酸化物粒子を作る方法が好まし
い。すなわちIR色素含有金属酸化物粒子の原料として
はIR色素と加水分解重合性アルコキシ金属化合物を使
用し、両者を水を含んだ溶液に溶解もしくは混合する。
次にその水溶液もしくは水分散液に酸もしくはアルカリ
触媒を添加し、加水分解縮合性アルコキシ金属化合物の
加水分解と縮合反応を起こさせる。この縮合反応の過程
で生成する金属酸化物のゲル構造の中にIR色素が取り
込まれ、目的とする光熱変換化合物が埋め込まれた金属
酸化物粒子を得ることが出来る。光熱変換化合物が埋め
込まれた金属酸化物粒子を生成させる具体的な方式とし
ては、C.J.Serna, Journal of Non-Cryst. Solids, vol
147 & 148, page 621 (1992) 記載のスプレー方式、柴
田修一著、工業材料、vol 46, no 8, page 37 (1988)、
およびS.Shibata, Journal of Sol-GelScience and Tec
hnology, vol 2, page 755 (1994) 記載の溶液重合方式
を有用に使用することが出来る。またD.Avnir, Journal
of Physical Chemistry, vol 88, page 5956 (1984)、
及び S.K.Lam, Chemical Physics Letters vol 281, pa
ge 35 (1997)に記載されているように、一旦有機光熱変
換化合物が埋め込まれた金属酸化物粒子を作成した後、
機械的な粉砕により微細な粒子を作成する方法を採用す
ることができる。
【0016】(有機光熱変換化合物の内包用の金属酸化
物)本発明に使用される光熱変換化合物内包用金属酸化
物について述べる。金属酸化物の金属としては、アルカ
リ土類金属、遷移金属、希土類金属、周期律表の35族
の金属を挙げることができる。本発明の金属酸化物はこ
れらの金属の加水分解縮合性有機金属化合物の縮合反応
により得ることが好ましい。
【0017】加水分解縮合性有機金属化合物中の金属元
素としては、アルカリ土類金属、遷移金属、希土類金
属、周期律表の3〜5族の金属元素を挙げることができ
る。これらの内好ましい金属は、周期律表の3b族、4
a 族および4b 族の金属元素、例えばアルミニウム、チ
タン、ジルコン、シリカなどである。特に好ましくはア
ルミニウム、シリカであり、さらに好ましくはシリカで
ある。これらの金属元素は、金属酸化物中に単独で含ま
れていても2種以上が併存してもよい。加水分解縮合性
有機金属化合物中の加水分解縮合性基としては、例え
ば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロ
ポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、ペンチルオキ
シ基、ヘキシルオキシ基など、炭素数1から10のアル
コキシ基を挙げることができる。これらの中でも、炭素
数1から4のアルコキシ基が好ましく、特にメトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基が好ましい。該有機金属
化合物は、これら加水分解縮合性基の1種のみを含んで
いても2種以上を含んでいてもよいが、有機金属化合物
中に少なくとも2つ以上含む必要がある。
【0018】上記の加水分解縮合性有機金属化合物中、
アルミニウムを含むものとしては、例えば、トリメトキ
シアルミネート、トリエトキシアルミネート、トリプロ
ポキシアルミネートなどを挙げることができる。チタン
を含む化合物としては、例えば、トリメトキシチタネー
ト、テトラメトキシチタネート、トリエトキシチタネー
ト、テトラエトキシチタネート、テトラプロポキシチタ
ネート、クロロトリメトキシチタネート、クロロトリエ
トキシチタネート、エチルトリメトキシチタネート、メ
チルトリエトキシチタネート、エチルトリエトキシチタ
ネート、ジエチルジエトキシチタネート、フェニルトリ
メトキシチタネート、フェニルトリエトキシチタネート
などを挙げることができる。ジルコンを含む化合物とし
ては、例えば、前記チタンを含む化合物に対応するジル
コネートを挙げることができる。
【0019】上記の加水分解縮合性有機金属化合物中、
ケイ素を含むものとしては、下式で表される化合物を挙
げることができる。 (R1 n Si(OR2 4-n 式中、R1 は、置換基を有してもよい炭素数1〜4のア
ルキル基またはアリール基、R2は、炭素数1〜4のア
ルキル基を表し、R1 およびR2 は同一でも異なってい
てもよい。nは、0〜2の整数を表す。上記のケイ素を
含む有機金属化合物の具体例としては、トリメトキシシ
ラン、トリエトキシシラン、トリプロポキシシラン、テ
トラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプ
ロポキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルト
リメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、メチ
ルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プ
ロピルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラ
ン、ジエチルジエトキシシラン、γ−クロロプロピルト
リエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキ
シシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシ
シラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプ
ロポキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェ
ニルジエトキシシラン、などを挙げることができる。こ
れらの内好ましいものとしては、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラ
ン、エチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシ
ラン、エチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシ
シラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエ
トキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニ
ルジエトキシシランなどを挙げることができる。
【0020】上記の加水分解縮合性有機金属化合物は、
1種のみを使用しても2種以上を併用してもよい。また
部分的に加水分解後、脱水縮合していてもよい。
【0021】(金属酸化物に内包される有機光熱変換化
合物)次に、金属酸化物に内包されて光熱変換剤を構成
する光熱変換物質について説明する。本発明において使
用される光熱変換物質としては、紫外線、可視光線、赤
外線、白色光線等の光を吸収して熱に変換し得る物質な
らば全て使用でき、例えば、カーボンブラック、黒鉛粉
末、酸化鉄粉、酸化鉛、酸化銀、酸化クロム、硫化鉄、
硫化クロム、金属粉体等が挙げられる。特に好ましいの
は、有機光熱変換化合物であり、その中でも波長760
nmから1200nmの赤外線を有効に吸収する染料及
び顔料、すなわちIR色素である。
【0022】本発明に使用される染料としては、市販の
染料および文献(例えば「染料便覧」有機合成化学協会
編集、昭和45年刊)に記載されている公知のものが利
用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、
ピラゾロンアゾ染料、アントラキノン染料、フタロシア
ニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチ
ン染料、シアニン染料、金属チオレート錯体などの染料
が挙げられる。好ましい染料としては例えば特開昭58
−125246号、特開昭59−84356号、特開昭
59−202829号、特開昭60−78787号等に
記載されているシアニン染料、特開昭58−17369
6号、特開昭58−181690号、特開昭58−19
4595号等に記載されているメチン染料、特開昭58
−112793号、特開昭58−224793号、特開
昭59−48187号、特開昭59−73996号、特
開昭60−52940号、特開昭60−63744号等
に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−11
2792号等に記載されているスクワリリウム色素、英
国特許第434,875号記載のシアニン染料等を挙げ
ることができる。
【0023】また、米国特許第5,156,938号記
載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特
許第3,881,924号記載の置換されたアリールベ
ンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645
号(米国特許第4,327,169号)記載のトリメチ
ンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同
58−220143号、同59−41363号、同59
−84248号、同59−84249号、同59−14
6063号、同59−146061号に記載されている
ピリリウム系化合物、特開昭59−216146号記載
のシアニン色素、米国特許第4,283,475号に記
載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13
514号、同5−19702号公報に開示されているピ
リリウム化合物も好ましく用いられる。また、染料とし
て好ましい別の例として米国特許第4,756,993
号明細書中に式(I)、(II)として記載されている近
赤外吸収染料を挙げることができる。これらの染料のう
ち特に好ましいものとしては、シアニン色素、スクワリ
リウム色素、ピリリウム塩、ニッケルチオレート錯体が
挙げられる。
【0024】本発明に使用される顔料としては、市販の
顔料およびカラーインデックス(C.I.)便覧、「最
新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、
「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、
「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載
されている顔料が利用できる。顔料の種類としては、黒
色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔
料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉
顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的
には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔
料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アント
ラキノン系顔料、ペリレンおよびペリノン系顔料、チオ
インジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系
顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、
染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ
顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラッ
ク等が使用できる。これらの顔料のうち好ましいものは
カーボンブラックである。
【0025】これら顔料は表面処理をせずに用いてもよ
く、表面処理をほどこして用いてもよい。表面処理の方
法には樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性
剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカッ
プリング剤やエポキシ化合物、ポリイソシアネート等)
を顔料表面に結合させる方法等が考えられる。上記の表
面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、
「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)およ
び「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)
に記載されている。
【0026】顔料の粒径は0.01μm〜10μmの範
囲にあることが好ましく、0.05μm〜1μmの範囲
にあることがさらに好ましく、特に0.1μm〜1μm
の範囲にあることが好ましい。顔料の粒径が0.01μ
m未満のときは分散物の感応性組成物の塗布液中での安
定性の点で好ましくなく、また、10μmを越えると塗
布後の画像記録層の均一性の点で好ましくない。顔料を
分散する方法としては、インク製造やトナー製造等に用
いられる公知の分散技術が使用できる。分散機として
は、超音波分散器、サンドミル、アトライター、パール
ミル、スーパーミル、ボールミル、インペラー、デスパ
ーザー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本
ロールミル、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は、
「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に
記載がある。
【0027】これらの染料及び顔料は、光熱変換化合物
内包金属酸化物の組成物全固形分に対し0.01〜50
重量%、好ましくは0.1〜10重量%、染料の場合特
に好ましくは0.5〜10重量%、顔料の場合特に好ま
しくは1.0〜10重量%の割合で添加することができ
る。顔料又は染料の添加量が0.01重量%未満である
と光熱変換効果が乏しくなり、また50重量%を越える
と金属酸化物に内包されなくなる。
【0028】金属酸化物に内包される有機光熱変換化合
物の中でも、とくに好ましい染料は、水に溶ける染料も
しくはアセトン、THF、メタノール、エタノール、イ
ソプロパノール、メチルエチルケトン、アセトニトリル
などの水に対する溶解性が高い溶媒に溶ける染料であ
る。具体例としては、以下に示す染料を挙げることがで
きるが、本発明に用いられる染料は、これらに限定され
ない。
【0029】
【化1】
【0030】
【化2】
【0031】
【化3】
【0032】
【化4】
【0033】
【化5】
【0034】
【化6】
【0035】本発明に用いられる光熱変換物質内包金属
化合物粒子のサイズは、0.001〜20μmであり、
好ましくは0.01〜5μm、より好ましくは0.05
〜2μmの範囲である。粒径が小さすぎると効果が発現
せず、また、大きすぎると解像度が悪くなる。
【0036】(金属酸化物粒子に添加できるその他の成
分)色素と金属酸化物との相溶性を高めるために両者の
相溶性を高めることのできる公知の相溶化剤ポリマーを
使用することが出来る。公知の相溶化剤ポリマーとして
は中條善樹著 化学と工業 46、p1567 、1993記載のご
とくポリオキサゾリン重合体、ポリビニルピロリドン、
ポリアクリルアミド誘導体ポリマーを挙げることができ
る。また特開平8-262700記載の極性基含有有機ポリマー
を使用することができる。添加できる相溶化剤ポリマー
の量は金属酸化物に対して0.5〜70wt%、好ましく
は1〜50wt%の範囲、さらに好ましくは5〜30wt%
の範囲、0.5wt%以下では効果が発現しない。また7
0wt%以上では金属酸化物を形成しない。
【0037】〔輻射線感応層の構成〕本発明による平版
印刷版用原版はネガ型の感熱性平版印刷版に使用するこ
とができる。本発明の輻射線感応性性材料(感熱性画像
形成材料)は、加熱により親水性から疎水性に変化する
官能基を有するポリマーを有意に使用する。次に、本発
明の平版印刷版に用いられる光熱変換剤粒子以外の輻射
線感応層成分について述べる。
【0038】(加熱により親水性から疎水性に変化する
官能基を有するポリマーについての説明)本発明の加熱
により親水性から疎水性に変化する官能基の具体例とし
ては、カルボン酸基、カルボン酸塩基、スルホン酸基、
ホスホン酸基から選ばれる少なくとも1つの官能基があ
げられる。カルボン酸基、カルボン酸塩基、スルホン酸
基、ホスホン酸基はそれぞれ下記一般式(1)、
(2)、(3)、(4)で表すことができる。好ましく
は一般式(1)、(2)、(3)で表されるカルボン酸
基、カルボン酸塩基、スルホン酸基であり、特に好まし
くは一般式(2)で表されるカルボン酸塩基である。
【0039】
【化7】
【0040】(式中、Xは、−CO−、−SO−、−S
2 −及び5族から6族の元素からなる群から選択さ
れ、−L−は2価の連結基を表し、R1 、R2 はそれぞ
れ同じであっても異なっていてもよい1価の基を表し、
Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属及びオニウムから
なる群から選択されるいずれかを表す。)
【0041】R1、R2としては、水素を含む一価の非金
属原子団が用いられ、好ましい例としては、ハロゲン原
子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、
アルキル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプ
ト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチ
オ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミ
ノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N
−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオ
キシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリ
ールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバ
モイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキ
シ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ
基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、ア
シルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミ
ノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N′
−アルキルウレイド基、N′、N′−ジアルキルウレイ
ド基、N′−アリールウレイド基、N′,N′−ジアリ
ールウレイド基、N′−アルキル−N′−アリールウレ
イド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイ
ド基、N′−アルキル−N−アルキルウレイド基、N′
−アルキル−N−アリールウレイド基、N′,N′−ジ
アルキル−N−アルキルウレイド基、N′、N′−ジア
ルキル−N−アリールウレイド基、N′−アリール−N
−アルキルウレイド基、N′−アリール−N−アリール
ウレイド基、N′,N′−ジアリール−N−アルキルウ
レイド基、N′,N′−ジアリール−N−アリールウレ
イド基、N′−アルキル−N′−アリール−N−アルキ
ルウレイド基、N′−アルキル−N′−アリール−N−
アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、
アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−
アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−ア
リーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−ア
ルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリ
ーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、
カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキ
シカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバ
モイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−ア
リールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイ
ル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、ア
ルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アル
キルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基
(−SO3H)及びその共役塩基基(以下、スルホナト
基と称す)、アルコキシスルホニル基、アリーロキシス
ルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフ
ィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル
基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリ
ールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリール
スルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキル
スルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル
基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリー
ルスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスル
ファモイル基、ホスフォノ基(−PO32)及びその共
役塩基基(以下、ホスフォナト基と称す)、ジアルキル
ホスフォノ基(−PO3(alkyl) 2)、ジアリールホスフ
ォノ基(−PO3(aryl)2)、アルキルアリールホスフォ
ノ基(−PO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォ
ノ基(−PO3H(alkyl))及びその共役塩基基(以後、
アルキルホスフォナト基と称す)、モノアリールホスフ
ォノ基(−PO3H(aryl))及びその共役塩基基(以
後、アリールホスフォナト基と称す)、ホスフォノオキ
シ基(−OPO32)及びその共役塩基基(以後、ホス
フォナトオキシ基と称す)、ジアルキルホスフォノオキ
シ基(−OPO3(alkyl)2)、ジアリールホスフォノオ
キシ基(−OPO3(aryl)2)、アルキルアリールホスフ
ォノオキシ基(−OPO3(alkyl)(aryl))、モノアルキ
ルホスフォノオキシ基(−OPO3H(alkyl))及びその
共役塩基基(以後、アルキルホスフォナトオキシ基と称
す)、モノアリールホスフォノオキシ基(−OPO3
(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールフォスホ
ナトオキシ基と称す)、シアノ基、ニトロ基、アリール
基、アルケニル基、アルキニル基が挙げられる。
【0042】好ましいアルキル基の具体例としては、炭
素原子数が1から20までの直鎖状、分枝状または環状
の置換基を有していてもよいアルキル基を挙げることが
でき、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル
基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、
ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデ
シル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル
基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネ
オペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、
2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロ
ヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボニル基等を
挙げることができる。これらの中では、炭素原子数1か
ら12までの直鎖状、炭素数3から12までの分岐状、
ならびに炭素原子数5から10までの環状のアルキル基
がより好ましい。
【0043】置換アルキル基が有する置換基の例として
は、水素を除く一価の非金属原子団が用いられ、好まし
い例としては、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、
−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ
基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、
アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−
アルキルアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−
アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カ
ルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ
基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジア
ルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカル
バモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバ
モイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスル
ホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキ
ルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレ
イド基、N′−アルキルウレイド基、N′,N′−ジア
ルキルウレイド基、N′−アリールウレイド基、N′,
N′−ジアリールウレイド基、N′−アルキル−N′−
アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−ア
リールウレイド基、N′−アルキル−N−アルキルウレ
イド基、N′−アルキル−N−アリールウレイド基、
N′,N′−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、
N′,N′−ジアルキル−N−アリールウレイド基、
N′−アリール−N−アルキルウレイド基、N′−アリ
ール−N−アリールウレイド基、N′,N′−ジアリー
ル−N−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアリール
−N−アリールウレイド基、N′−アルキル−N′−ア
リール−N−アルキルウレイド基、N′−アルキル−
N′−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシ
カルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ
基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ
基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ
基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ
基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ
基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキ
シカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモ
イル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアル
キルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、
N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N
−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、
アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリ
ールスルホニル基、スルホ基(−SO3H)及びその共
役塩基基(以下、スルホナト基と称す)、アルコキシス
ルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモ
イル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジ
アルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナ
モイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N
−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルフ
ァモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−
ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモ
イル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−ア
ルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスフォノ基
(−PO32)及びその共役塩基基(以下、ホスフォナ
ト基と称す)、ジアルキルホスフォノ基(−PO3(alky
l)2)、ジアリールホスフォノ基(−PO3(aryl)2)、
アルキルアリールホスフォノ基(−PO3(alkyl)(ary
l))、モノアルキルホスフォノ基(−PO3H(alkyl))
及びその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナト基と
称す)、モノアリールホスフォノ基(−PO3H(ary
l))及びその共役塩基基(以後、アリールホスフォナト
基と称す)、ホスフォノオキシ基(−OPO32)及び
その共役塩基基(以後、ホスフォナトオキシ基と称
す)、ジアルキルホスフォノオキシ基(−OPO3(alky
l)2)、ジアリールホスフォノオキシ基(−OPO3(ary
l) 2)、アルキルアリールホスフォノオキシ基(−OP
3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノオキシ基
(−OPO3H(alkyl))及びその共役塩基基(以後、ア
ルキルホスフォナトオキシ基と称す)、モノアリールホ
スフォノオキシ基(−OPO3H(aryl))及びその共役
塩基基(以後、アリールフォスホナトオキシ基と称
す)、シアノ基、ニトロ基、アリール基、アルケニル
基、アルキニル基が挙げられる。
【0044】これらの置換基における、アルキル基の具
体例としては、前述のアルキル基が挙げられ、アリール
基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフ
チル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル
基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロメチ
ルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニ
ル基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、ア
セトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、メチ
ルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、メチルア
ミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、アセチル
アミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカ
ルボニルフェニル基、エトキシフェニルカルボニル基、
フェノキシカルボニルフェニル基、N−フェニルカルバ
モイルフェニル基、フェニル基、シアノフェニル基、ス
ルホフェニル基、スルホナトフェニル基、ホスフォノフ
ェニル基、ホスフォナトフェニル基等を挙げることがで
きる。また、アルケニル基の例としては、ビニル基、1
−プロペニル基、1−ブテニル基、シンナミル基、2−
クロロ−1−エテニル基等が挙げられ、アルキニル基の
例としては、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチ
ニル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。
アシル基(G1CO−)におけるG1としては、水素、な
らびに上記のアルキル基、アリール基を挙げることがで
きる。これら置換基の内、更により好ましいものとして
はハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、アル
コキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリール
チオ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルア
ミノ基、アシルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオ
キシ基、N−アリールカバモイルオキシ基、アシルアミ
ノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコ
キシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバ
モイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジア
ルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、
N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、スルホ
基、スルホナト基、スルファモイル基、N−アルキルス
ルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル
基、N−アリールスルファモイル基、N−アルキル−N
−アリールスルファモイル基、ホスフォノ基、ホスフォ
ナト基、ジアルキルホスフォノ基、ジアリールホスフォ
ノ基、モノアルキルホスフォノ基、アルキルホスフォナ
ト基、モノアリールホスフォノ基、アリールホスフォナ
ト基、ホスフォノオキシ基、ホスフォナトオキシ基、ア
リール基、アルケニル基が挙げられる。
【0045】一方、置換アルキル基におけるアルキレン
基としては前述の炭素数1から20までのアルキル基上
の水素原子のいずれか1つを除し、2価の有機残基とし
たものを挙げることができ、好ましくは炭素原子数1か
ら12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐
状ならびに炭素原子数5から10までの環状のアルキレ
ン基を挙げることができる。該置換基とアルキレン基を
組み合わせる事により得られる置換アルキル基の、好ま
しい具体例としては、クロロメチル基、ブロモメチル
基、2−クロロエチル基、トリフルオロメチル基、メト
キシメチル基、メトキシエトキシエチル基、アリルオキ
シメチル基、フェノキシメチル基、メチルチオメチル
基、トリルチオメチル基、エチルアミノエチル基、ジエ
チルアミノプロピル基、モルホリノプロピル基、アセチ
ルオキシメチル基、ベンゾイルオキシメチル基、N−シ
クロヘキシルカルバモイルオキシエチル基、N−フェニ
ルカルバモイルオキシエチル基、アセチルアミノエチル
基、N−メチルベンゾイルアミノプロピル基、2−オキ
ソエチル基、2−オキソプロピル基、カルボキシプロピ
ル基、メトキシカルボニルエチル基、アリルオキシカル
ボニルブチル基、クロロフェノキシカルボニルメチル
基、カルバモイルメチル基、N−メチルカルバモイルエ
チル基、N,N−ジプロピルカルバモイルメチル基、N
−(メトキシフェニル)カルバモイルエチル基、N−メ
チル−N−(スルホフェニル)カルバモイルメチル基、
スルホブチル基、スルホナトブチル基、スルファモイル
ブチル基、N−エチルスルファモイルメチル基、N,N
−ジプロピルスルファモイルプロピル基、N−トリルス
ルファモイルプロピル基、N−メチル−N−(ホスフォ
ノフェニル)スルファモイルオクチル基、ホスフォノブ
チル基、ホスフォナトヘキシル基、ジエチルホスフォノ
ブチル基、ジフェニルホスフォノプロピル基、メチルホ
スフォノブチル基、メチルホスフォナトブチル基、トリ
ルホスフォノヘキシル基、トリルホスフォナトヘキシル
基、ホスフォノオキシプロピル基、ホスフォナトオキシ
ブチル基、ベンジル基、フェネチル基、α−メチルベン
ジル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、p−メチ
ルベンジル基、シンナミル基、アリル基、1−プロペニ
ルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基、2
−メチルプロペニルメチル基、2−プロピニル基、2−
ブチニル基、3−ブチニル基等を挙げることができる。
【0046】アリール基としては、1個から3個のベン
ゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽
和環が縮合環を形成したものを挙げることができ、具体
例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、
フェナントリル基、インデニル基、アセナフテニル基、
フルオレニル基等を挙げることができ、これらのなかで
は、フェニル基、ナフチル基がより好ましい。また、ア
リール基には上記炭素環式アリール基の他、複素環式
(ヘテロ)アリール基が含まれる。複素環式アリール基
としては、ピリジル基、フリル基、その他ベンゼン環が
縮環したキノリル基、ベンゾフリル基、チオキサントン
基、カルバゾール基等の炭素数3〜20、ヘテロ原子数
1〜5を含むものが用いられる。
【0047】置換アリール基としては、前述のアリール
基の環形成炭素原子上に置換基として、水素を除く一価
の非金属原子団を有するものが用いられる。好ましい置
換基の例としては前述のアルキル基、置換アルキル基、
ならびに、先に置換アルキル基における置換基として示
したものを挙げることができる。この様な、置換アリー
ル基の好ましい具体例としては、ビフェニル基、トリル
基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェ
ニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、クロ
ロメチルフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、
ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、メトキシ
エトキシフェニル基、アリルオキシフェニル基、フェノ
キシフェニル基、メチルチオフェニル基、トリルチオフ
ェニル基、エチルアミノフェニル基、ジエチルアミノフ
ェニル基、モルホリノフェニル基、アセチルオキシフェ
ニル基、ベンゾイルオキシフェニル基、N−シクロヘキ
シルカルバモイルオキシフェニル基、N−フェニルカル
バモイルオキシフェニル基、アセチルアミノフェニル
基、N−メチルベンゾイルアミノフェニル基、カルボキ
シフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、アリル
オキシカルボニルフェニル基、クロロフェノキシカルボ
ニルフェニル基、カルバモイルフェニル基、N−メチル
カルバモイルフェニル基、N,N−ジプロピルカルバモ
イルフェニル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイ
ルフェニル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カ
ルバモイルフェニル基、スルホフェニル基、スルホナト
フェニル基、スルファモイルフェニル基、N−エチルス
ルファモイルフェニル基、N,N−ジプロピルスルファ
モイルフェニル基、N−トリルスルファモイルフェニル
基、N−メチル−N−(ホスフォノフェニル)スルファ
モイルフェニル基、ホスフォノフェニル基、ホスフォナ
トフェニル基、ジエチルホスフォノフェニル基、ジフェ
ニルホスフォノフェニル基、メチルホスフォノフェニル
基、メチルホスフォナトフェニル基、トリルホスフォノ
フェニル基、トリルホスフォナトフェニル基、アリル
基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メ
チルアリルフェニル基、2−メチルプロペニルフェニル
基、2−プロピニルフェニル基、2−ブチニルフェニル
基、3−ブチニルフェニル基等を挙げることができる。
【0048】好ましい−X−の具体例は、−O−、−S
−、−Se−、−CO−、−SO−、−SO2 −−を表
す。その中でも、熱反応性の観点から−CO−、−SO
−、−SO2 −が特に好ましい。Lで表される非金属原
子からなる多価の連結基とは、1個から60個までの炭
素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50
個までの酸素原子、1個から100個までの水素原子、
及び0個から20個までの硫黄原子から成り立つもので
ある。より具体的な連結基としては下記の構造単位で組
合わさって構成されるものを挙げることができる。
【0049】
【化8】
【0050】Mはカチオンであれば特に限定されない
が、1〜4価の金属カチオンまたは下記一般式(5)で
示されるアンモニウム塩が好ましい。
【0051】
【化9】
【0052】(R7、R8、R9およびR10はそれぞれ同
じでも異なっていてもよい1価の基を表す。)
【0053】Mで表される1〜4の金属カチオンとして
は、Li+、Na+、K+、Rb+、Cs+、Fr+、B
2+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Ra2+、Cu
+、Cu2 +、Ag+、Zn2+、Al3+、Fe2+、Fe3+
Co2+、Ni2+、Ti4+、Zr4+を挙げることができ
る。より好ましくはLi+、Na+、K+、Rb+、C
+、Fr+、Cu+、Ag+を挙げることができる。
【0054】また、上記一般式(5)で示されるアンモ
ニウムイオンにおいて、R7〜R10で表される基の具体
例としては、前記R1〜R2に示したものと同様の基が挙
げられる。上記一般式(5)で示されるアンモニウムイ
オンの具体例としては以下のものを挙げることができ
る。
【0055】
【化10】
【0056】Pで表されるポリマー主鎖は下記一般式に
より表される部分構造群の少なくとも一種により選ばれ
る。
【0057】
【化11】
【0058】本発明における一般式(1)〜(4)で表
される官能基を有するポリマーは1種のみの単独重合体
であっても、2種以上の共重合体でもよい。本発明にお
ける一般式(1)〜(4)で表される官能基を有するポ
リマーの合成に用いられるモノマーとしては、以下の具
体例に挙げるものが好ましい。
【0059】
【化12】
【0060】また、本発明における熱により親水性から
疎水性に変化する官能基を有するポリマーは、上記モノ
マーと他のモノマーとの共重合体でもよい。用いられる
他のモノマーとしては、例えば、アクリル酸エステル
類、メタクリルエステル類、アクリルアミド類、メタク
リルアミド類、ビニルエステル類、スチレン類、アクリ
ル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、無水マレイン
酸、マレイン酸イミド等の公知のモノマーも挙げられ
る。このようなモノマー類を共重合させることで、製膜
性、膜強度、親水性、疎水性、溶解性、反応性、安定性
等の諸物性を改善することができる。
【0061】アクリル酸エステル類の具体例としては、
メチルアクリレート、エチルアクリレート、(n−又は
i−)プロピルアクリレート、(n−、i−、sec−
又はt−)ブチルアクリレート、アミルアクリレート、
2−エチルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレー
ト、クロロエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル
アクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、
2−ヒドロキシペンチルアクリレート、シクロヘキシル
アクリレート、アリルアクリレート、トリメチロールプ
ロパンモノアクリレート、ペンタエリスリトールモノア
クリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジル
アクリレート、クロロベンジルアクリレート、ヒドロキ
シベンジルアクリレート、ヒドロキシフェネチルアクリ
レート、ジヒドロキシフェネチルアクリレート、フルフ
リルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレー
ト、フェニルアクリレート、ヒドロキシフェニルアクリ
レート、クロロフェニルアクリレート、スルファモイル
フェニルアクリレート、2−(ヒドロキシフェニルカル
ボニルオキシ)エチルアクリレート等が挙げられる。
【0062】メタクリル酸エステル類の具体例として
は、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、
(n−又はi−)プロピルメタクリレート、(n−、i
−、sec−又はt−)ブチルメタクリレート、アミル
メタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、
ドデシルメタクリレート、クロロエチルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシペンチル
メタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、アリ
ルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタク
リレート、ペンタエリスリトールモノメタクリレート、
ベンジルメタクリレート、メトキシベンジルメタクリレ
ート、クロロベンジルメタクリレート、ヒドロキシベン
ジルメタクリレート、ヒドロキシフェネチルメタクリレ
ート、ジヒドロキシフェネチルメタクリレート、フルフ
リルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリ
レート、フェニルメタクリレート、ヒドロキシフェニル
メタクリレート、クロロフェニルメタクリレート、スル
ファモイルフェニルメタクリレート、2−(ヒドロキシ
フェニルカルボニルオキシ)エチルメタクリレート等が
挙げられる。
【0063】アクリルアミド類の具体例としては、アク
リルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルア
クリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N−ブチ
ルアクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−
ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリ
ルアミド、N−トリルアクリルアミド、N−(ヒドロキ
シフェニル)アクリルアミド、N−(スルファモイルフ
ェニル)アクリルアミド、N−(フェニルスルホニル)
アクリルアミド、N−(トリルスルホニル)アクリルア
ミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチル−
N−フェニルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−
N−メチルアクリルアミド等が挙げられる。
【0064】メタクリルアミド類の具体例としては、メ
タクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エ
チルメタクリルアミド、N−プロピルメタクリルアミ
ド、N−ブチルメタクリルアミド、N−ベンジルメタク
リルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、
N−フェニルメタクリルアミド、N−トリルメタクリル
アミド、N−(ヒドロキシフェニル)メタクリルアミ
ド、N−(スルファモイルフェニル)メタクリルアミ
ド、N−(フェニルスルホニル)メタクリルアミド、N
−(トリルスルホニル)メタクリルアミド、N,N−ジ
メチルメタクリルアミド、N−メチル−N−フェニルメ
タクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメ
タクリルアミド等が挙げられる。
【0065】ビニルエステル類の具体例としては、ビニ
ルアセテート、ビニルブチレート、ビニルベンゾエート
等が挙げられる。スチレン類の具体例としては、スチレ
ン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルス
チレン、エチルスチレン、プロピルスチレン、シクロヘ
キシルスチレン、クロロメチルスチレン、トリフルオロ
メチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシ
メチルスチレン、メトキシスチレン、ジメトキシスチレ
ン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレ
ン、ヨードスチレン、フルオロスチレン、カルボキシス
チレン等が挙げられる。
【0066】共重合体の合成に使用されるこれらの他の
モノマーの割合は、諸物性の改良に充分な量である必要
があるが、割合が大きすぎる場合には、親水性から疎水
性に変化する官能基を有するモノマーの機能が不十分と
なる。従って、好ましい他のモノマー総割合は80重量
%以下であることが好ましく、さらに好ましくは50重
量%以下である。
【0067】以下、本発明における、熱により親水性か
ら疎水性に変化する官能基を有するポリマーの具体例を
以下に示すが、本発明は、これらに限定されるものでは
ない。
【0068】
【化13】
【0069】
【化14】
【0070】
【化15】
【0071】本発明において、これらの熱もしくは酸の
作用により親水性から疎水性へと変化するポリマーを用
いる場合には、感応層の全固形分中のポリマーの含有量
は、3〜98重量%程度であり、好ましくは5〜95重
量%、特に好ましくは10〜90重量%の範囲で用いら
れる。3重量%未満であると、画像形成性の点で、ま
た、98重量%を越えると、極性変換の敏感性の点で好
ましくない。
【0072】(酸発生剤)本発明において、酸発生剤は
特に用いる必要はないが、感度つまり極性変換の敏感性
をさらに上げたい場合に用いることが好ましい。酸発生
剤とは、熱若しくは光により酸を発生する化合物であ
り、一般的には、光カチオン重合の光重合開始剤、光ラ
ジカル重合の光重合開始剤、色素類の光消色剤、光変色
剤、マイクロレジスト等に使用されている公知の光によ
り酸を発生する化合物及びそれらの混合物等を挙げるこ
とができ、これらを適宜選択して使用することができ
る。
【0073】例えば、S.I.Schlesinger, Photogr. Sci.
Eng., 18,387(1974) 、T.S.Bal etal., Polymer, 21,4
23(1980) 等に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,06
9,055 号、同4,069,056 号、特開平3-140,140 号等に記
載のアンモニウム塩、D.C.Necker et al., Macromolecu
les, 17,2468(1984)、C.S.Wen et al., Teh, Proc. Con
f. Rad. Curing ASIA, p478, Tokyo, Oct(1988) 、米国
特許第4,069,055 号、同4,069,056 号等に記載のホスホ
ニウム塩、J.V.Crivello et al., Macromolecules, 10
(6),1307(1977) 、Chem. & Eng. News, Nov. 28, p31(1
988) 、欧州特許第104,143 号、米国特許第339,049
号、同第410,201 号、特開平2-150,848 号、特開平2-29
6,514 号等に記載のヨードニウム塩、J.V.Crivello et
al., PolymerJ. 17, 73(1985)、J.V.Crivello et al.,
J.Org. Chem., 43,3055(1978)、W.R.Watt et al., J.Po
lymer Sci., Polymer Chem. Ed., 22, 1789(1984)、J.
V.Crivello et al., Polymer Bull., 14,279(1985)、J.
V.Crivello et al., Macromolecules, 14(5), 1141(198
1)、J.V.Crivello et al., J.Polymer Sci., Polymer C
hem. Ed., 17,2877(1979) 、欧州特許第370,693 号、米
国特許第3,902,114 号、欧州特許第233,567 号、同297,
443 号、同297,442 号、米国特許第4,933,377 号、同41
0,201 号、同339,049 号、同4,760,013 号、同4,734,44
4 号、同2,833,827 号、独国特許第2,904,626 号、同3,
604,580 号、同3,604,581 号等に記載のスルホニウム
塩、J.V.Crivello et al., Macromolecules, 10(6), 13
07(1977)、J.V.Crivello et al., J.Polymer Sci., Pol
ymer Chem. Ed., 17,1047(1979) 等に記載のセレノニウ
ム塩、C.S.Wen et al., Teh, Proc. Conf. Rad. Curing
ASIA, p478, Tokyo, Oct(1988) 等に記載のアルソニウ
ム塩等のオニウム塩、
【0074】米国特許第3,905,815 号、特公昭46-4605
号、特開昭48-36281号、特開昭55-32070号、特開昭60-2
39736 号、特開昭61-169835 号、特開昭61-169837 号、
特開昭62-58241号、特開昭62-212401 号、特開昭63-702
43号、特開昭63-298339 号等に記載の有機ハロゲン化合
物、K.Meier et al., J.Rad. Curing, 13(4),26(198
6)、T.P.Gill et al., Inorg. Chem., 19,3007(1980)、
D.Astruc, Acc. Chem. Res., 19(12), 377(1896)、特開
平2-161445号等に記載の有機金属/有機ハロゲン化物、
S.Hayase et al., J.Polymer Sci., 25,753(1987) 、E.
Reichman et al., J.Polymer Sci., Poliymer Chem. E
d., 23,1(1985) 、Q.Q.Zhu et al., J.Photochem., 36,
85, 39, 317(1987) 、B.Amit et al., Tetrahedron Le
tt., (24)2205(1973)、D.H.R.Barton et al., J.Chem.
Soc., 3571(1965) 、P.M.Collins etal., J.Chem. So
c., Perkin I,1695(1975) 、M. Rudinstein et al., Te
trahedron Lett.,(17), 1445(1975)、J.W.Walker et a
l., J. Am. Chem. Soc., 110,7170 (1988)、S.C.Busman
et al., J. Imaging Technol., 11(4), (1985) 、H.M.
Houlihan et al., Macromolecules, 21,2001(1988)、P.
M.Collins et al., J.Chem. Soc., Chem. Commun., 532
(1972)、S.Hayase et al., Macromolecules, 18,1799
(1985), E.Reichmanis et al., J.Electrochem. Soc.,
Solid State Sci. Technol., 130(6) 、F.M.Houlihan e
t al., Macromolecules, 21,2001(1988)、欧州特許第02
90,750号、同046,083 号、同156,535 号、同271,851
号、同0,388,343 号、米国特許第3,901,710 号、同4,18
1,531 号、特開昭60-198538 号、特開昭53-133022 号等
に記載の0-ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生
剤、TUNOOKA et al., Polymer Preprints Japan, 35
(8)、G.Berner et al., J.Rad. Curing, 13(4) 、W.J.M
ijs et al., Coating Technol., 55(697), 45(1983), A
kzo、H.Adachi et al., Polymer Preprints, Japan, 37
(3)、欧州特許第0199,672号、同84515 号、同199,672
号、同044,115 号、同0101,122号、米国特許第4,618,55
4号、同4,371,605 号、同4,431,774 号、特開昭64-1814
3号、特開平2-245756号、特開平3-140109号等に記載の
イミノスルホネート等に代表される光分解してスルホン
酸を発生する化合物、特開昭61-166544 号等に記載のジ
スルホン化合物を挙げることができる。
【0075】また、酸発生剤をポリマーの主鎖又は側鎖
に導入した化合物、例えば、M.E.Woodhouse et al., J.
Am. Chem. Soc., 104, 5586(1982)、S.P.Pappas et a
l., J.Imaging Sci., 30(5), 218(1986) 、S. Kondo et
al., Makromol. Chem. RapidCommun., 9,625(1988) 、
Y.Yamada et al., Makromol, Chem. 152, 153,163(197
2) 、J.V.Crivello et al., J.Polymer Sci., Polymer
Chem. Ed., 17,3845(1979) 、米国特許第3,849,137
号、独国特許第3914407 、特開昭63-26653号、特開昭55
-164824 号、特開昭62-69263号、特開昭63-14603号、特
開昭63-163452 号、特開昭62-153853 号、特開昭63-146
029 号等に記載の化合物を用いることができる。さら
に、V.N.R.Pillai, Synthesis, (1),1(1980)、A. Abad
et al., Tetrahedron Lett., (47)4555(1971) 、D.H.R.
Barton et al., J.Chem. Soc., (C), 329(1970) 、米国
特許第3,779,778 号、欧州特許第126,712 号等に記載の
光により酸を発生する化合物も使用することができる。
【0076】本発明において、これらの酸発生剤を用い
る場合の含有量は、感応層の全固形分中、通常40重量
%以下程度であり、好ましくは20重量%以下、さらに
好ましくは5重量%以下の範囲で用いられる。酸発生剤
の含有量が40重量%を越えると、印刷汚れを生じ易く
なり、好ましくない。
【0077】(その他の構成成分)本発明の感光性平版
印刷版の感応層には、種々の平版印刷版の特性を得るた
め、必要に応じて上記以外に種々の化合物を添加しても
よい。例えば、可視光域に大きな吸収を持つ染料を画像
の着色剤として使用することができる。具体的にはオイ
ルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイル
ピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーB
OS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オ
イルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オ
リエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブル
ー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチ
ルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレッ
ト、ローダミンB(CI145170B)、マラカイト
グリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI5
2015)など、あるいは特開昭62−293247号
公報に記載されている染料を挙げることができる。これ
らの染料は、画像形成後、画像部と非画像部の区別がつ
きやすいので、添加する方が好ましい。尚、添加量は、
感応層の全固形分に対し、0.01〜10重量%の割合
である。
【0078】また、本発明の感光性平版印刷版の感応層
を形成する塗布液中にシランカップリング剤等の添加剤
を加えて、水またはアルカリ可溶となる高分子を硬化さ
せておくのもよい。
【0079】また、本発明の感光性平版印刷版の感応層
には、現像条件に対する処理の安定性を広げるため、特
開昭62−251740号公報や特開平3−20851
4号公報に記載されているような非イオン界面活性剤、
特開昭59−121044号公報、特開平4−1314
9号公報に記載されているような両性界面活性剤を添加
することができる。非イオン界面活性剤の具体例として
は、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパル
ミテート、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノ
グリセリド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル等が挙げられる。両性界面活性剤の具体例としては、
アルキルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポリア
ミノエチルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カルボ
キシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベ
タインやN−テトラデシル−N,N−ベタイン型(例え
ば、商品名アモーゲンK、第一工業(株)製)等が挙げ
られる。上記非イオン界面活性剤および両性界面活性剤
の輻射線感応性平版用印刷原板の感応層に占める割合
は、0.05〜15重量%が好ましく、より好ましくは
0.1〜5重量%である。
【0080】更に本発明の輻射線感応性平版印刷用原版
の感応層には必要に応じ、塗膜の柔軟性等を付与するた
めに可塑剤が加えられる。例えば、ブチルフタリル、ポ
リエチレングリコール、クエン酸トリブチル、フタル酸
ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジへキシル、フ
タル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブ
チル、リン酸トリオクチル、オレイン酸テトラヒドロフ
ルフリル、アクリル酸またはメタアクリル酸のオリゴマ
ーおよびポリマー等が用いられる。
【0081】これら以外にも、前述のオニウム塩やハロ
アルキル置換されたs−トリアジン、及びエポキシ化合
物、ビニルエーテル類、さらにはヒドロキシメチル基を
持つフェノール化合物、アルコキシメチル基を有するフ
ェノール化合物、フェノールノボラック樹脂、クレゾー
ルノボラック樹脂等を添加してもよい。
【0082】本発明の輻射線感応性平版印刷用原版は、
通常上記各成分を溶媒に溶かして、感応層として適当な
支持体上に塗布することにより製造することができる。
ここで使用する溶媒としては、エチレンジクロライド、
シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、
エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメ
チルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−
メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピ
ルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エ
チル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロ
リドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチ
ルラクトン、トルエン、水等をあげることができるがこ
れに限定されるものではない。これらの溶媒は単独ある
いは混合して使用される。溶媒中の上記成分(添加剤を
含む全固形分)の濃度は、好ましくは1〜50重量%で
ある。また塗布、乾燥後に得られる支持体上の塗布量
(固形分)は、用途によって異なるが、平版印刷用版に
ついていえば一般的に0.5〜5.0g/m2 が好まし
い。塗布する方法としては、種々の方法を用いることが
できるが、例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプ
レー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ
塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げることができ
る。塗布量が少なくなるにつれて、見かけの感度は大に
なるが、画像記録膜の皮膜特性は低下する。
【0083】本発明における感光性平版印刷用原版の感
応層には、塗布性を良化するための界面活性剤、例えば
特開昭62−170950号公報に記載されているよう
なフッ素系界面活性剤を添加することができる。好まし
い添加量は、感応層の全固形分中、0.01〜1重量%
さらに好ましくは0.05〜0.5重量%である。
【0084】〔支持体〕本発明に使用される支持体とし
ては、寸度的に安定な板状物であり、例えば、紙、プラ
スチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例え
ば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィル
ム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プ
ロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セル
ロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポ
リカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上記のご
とき金属がラミネートもしくは蒸着された、紙もしくは
プラスチックフィルム等が含まれる。
【0085】本発明の支持体としては、ポリエステルフ
ィルム又はアルミニウム板が好ましく、その中でも寸法
安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板は特に
好ましい。好適なアルミニウム板は、純アルミニウム板
およびアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む
合金板であり、更にアルミニウムがラミネートもしくは
蒸着されたプラスチックフィルムでもよい。アルミニウ
ム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、
銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケ
ル、チタンなどがある。合金中の異元素の含有量は高々
10重量%以下である。本発明において特に好適なアル
ミニウムは、純アルミニウムであるが、完全に純粋なア
ルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、僅かに
異元素を含有するものでもよい。このように本発明に適
用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるもの
ではなく、従来より公知公用の素材のアルミニウム板を
適宜に利用することができる。本発明で用いられるアル
ミニウム板の厚みはおよそ0.1mm〜0.6mm程
度、好ましくは0.15mm〜0.4mm、特に好まし
くは0.2mm〜0.8mmである。
【0086】アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所
望により、表面の圧延油を除去するための例えば界面活
性剤、有機溶剤またはアルカリ性水溶液などによる脱脂
処理が行われる。アルミニウム板の表面の粗面化処理
は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗
面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法
および化学的に表面を選択溶解させる方法により行われ
る。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨
法、ブラスト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を用
いることができる。また、電気化学的な粗面化法として
は塩酸または硝酸電解液中で交流または直流により行う
方法がある。また、特開昭54−63902号に開示さ
れているように両者を組み合わせた方法も利用すること
ができる。この様に粗面化されたアルミニウム板は、必
要に応じてアルカリエッチング処理および中和処理され
た後、所望により表面の保水性や耐摩耗性を高めるため
に陽極酸化処理が施される。アルミニウム板の陽極酸化
処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形
成する種々の電解質の使用が可能で、一般的には硫酸、
リン酸、蓚酸、クロム酸あるいはそれらの混酸が用いら
れる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適
宜決められる。
【0087】陽極酸化の処理条件は用いる電解質により
種々変わるので一概に特定し得ないが一般的には電解質
の濃度が1〜80重量%溶液、液温は5〜70℃、電流
密度5〜60A/dm2 、電圧1〜100V、電解時間
10秒〜5分の範囲であれば適当である。陽極酸化皮膜
の量は1.0g/m2 より少ないと耐刷性が不十分であ
ったり、平版印刷版の非画像部に傷が付き易くなって、
印刷時に傷の部分にインキが付着するいわゆる「傷汚
れ」が生じ易くなる。陽極酸化処理を施された後、アル
ミニウム表面は必要により親水化処理が施される。本発
明に使用される親水化処理としては、米国特許第2,7
14,066号、同第3,181,461号、第3,2
80,734号および第3,902,734号に開示さ
れているようなアルカリ金属シリケート(例えばケイ酸
ナトリウム水溶液)法がある。この方法においては、支
持体がケイ酸ナトリウム水溶液で浸漬処理されるかまた
は電解処理される。他に特公昭36−22063号公報
に開示されているフッ化ジルコン酸カリウムおよび米国
特許第3,276,868号、同第4,158,461
号、同第4,689,272号に開示されているような
ポリビニルホスホン酸で処理する方法などが用いられ
る。
【0088】本発明の輻射線感応性平版印刷用原版は、
必要に応じて支持体上に下塗層を設けることができる。
下塗層成分としては種々の有機化合物が用いられ、例え
ば、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、アラ
ビアガム、2−アミノエチルホスホン酸などのアミノ基
を有するホスホン酸類、置換基を有してもよいフェニル
ホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アルキルホスホン
酸、グリセロホスホン酸、メチレンジホスホン酸および
エチレンジホスホン酸などの有機ホスホン酸、置換基を
有してもよいフェニルリン酸、ナフチルリン酸、アルキ
ルリン酸およびグリセロリン酸などの有機リン酸、置換
基を有してもよいフェニルホスフィン酸、ナフチルホス
フィン酸、アルキルホスフィン酸およびグリセロホスフ
ィン酸などの有機ホスフィン酸、グリシンやβ−アラニ
ンなどのアミノ酸類、およびトリエタノールアミンの塩
酸塩などのヒドロキシ基を有するアミンの塩酸塩等から
選ばれるが、2種以上混合して用いてもよい。有機下塗
層の被覆量は、2〜200mg/m2 が適当である。
【0089】以上のようにして、本発明の平版印刷用原
版を作製することができる。この平版印刷用原版は、波
長760nmから1200nmの赤外線を放射する固体
レーザ及び半導体レーザにより画像露光される。本発明
の平版印刷用原版においては、レーザ照射後すぐにオフ
セット印刷機等に原板を装着し、多数枚の印刷を行うこ
とができる。
【0090】[製版方法]次に、この平版印刷版用原版
の製版方法について説明する。この平版印刷版用原版へ
の像様露光は、活性光を放射する光源であれば使用でき
る。好ましい光源は、赤領域から赤外線領域の光を発す
る光源がよく、レーザー光源としては半導体レーザー及
びYAGレーザーが好ましい。また、エキシマレーザー
(XeF),He−Cdレーザー,N2 レーザー、LD
励起Nd;YAGレーザー内部共振器型SHGによって
得られた第2高調波をBBO結晶を用いた外部共振器型
Fourth-HG、Qスィッチ動作LD励起固体レーザーも
用いることができる。またレーザー光以外の好ましい光
源としては、キセノン放電灯、水銀灯、タングステンラ
ンプ、タングステン・ハロゲンランプ、キセノンアーク
灯、蛍光灯などを用いることができ、とくに赤外線を含
む光源が好ましい。
【0091】画像の書き込みは、面露光方式、走査方式
のいずれでもよい。面露光光源を使用する場合には、そ
の照度によっても好ましい露光量は変化するが、通常
は、印刷用画像で変調する前の面露光強度が0.1〜1
0J/cm2 の範囲であることが好ましく、0.1〜1J/cm
2 の範囲であることがより好ましい。支持体が透明であ
る場合は、支持体の裏側から支持体を通して露光するこ
ともできる。その露光時間は、必要な露光量が与えられ
るかぎり広い範囲で選択ができる。通常0.01mse
c〜10分、好ましくは0.01msec〜1分の照射
で上記の露光強度が得られるように露光照度を選択する
のが好ましい。
【0092】平版印刷版を製版する際、必要であれば非
画像部を保護するために版面保護剤(いわゆる、ガム
液)を含んだ整面液を塗布する「ガム引き」といわれる
工程が行なわれる。ガム引きは、平版印刷版の親水性表
面が空気中の微量混入成分の影響を受けて親水性が低下
するのを防ぐため、非画像部の親水性を高めるため、製
版後印刷するまでの期間又は印刷を中断してから再び開
始するまでの間に平版印刷版が劣化するのを防止するた
め、印刷機に取りつける場合などのように平版印刷版を
取り扱う時に指の油、インキなどが付着して非画像がイ
ンキ受容性となって、汚れるのを防止するため、更に、
平版印刷版を取り扱う時に非画像部及び画像部に傷が発
生することを防止するため、などの種々の目的をもって
行われる。
【0093】この目的に使用される皮膜形成性を有する
水溶性樹脂の好ましい具体例としては、例えばアラビア
ガム、繊維素誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロ
ーズ、カルボキシエチルセルローズ、メチルセルローズ
等)及びその変性体、ポリビニルアルコール及びその誘
導体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド及び
その共重合体、アクリル酸共重合体、ビニルメチルエー
テル/無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル/無水マレ
イン酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、
焙焼デキストリン、酸素分解デキストリン、酵素分解エ
ーテル化デキスリン等が挙げられる。
【0094】整面液中の保護剤中の上記水溶性樹脂の含
有量は、3〜25重量%が適当であり、好ましい範囲は
10〜25重量%である。なお、本発明においては上記
水溶性樹脂を2種以上混合使用しても良い。
【0095】平版印刷版用版面保護剤には、そのほかに
種々の界面活性剤を添加してもよい。使用できる界面活
性剤としてはアニオン界面活性剤又はノニオン界面活性
剤が挙げられる。アニオン界面活性剤としては脂肪族ア
ルコール硫酸エステル塩類、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、
レプリン酸、有機スルホン酸などがあり、鉱酸としては
硝酸、硫酸、燐酸等が有用である。鉱酸、有機酸又は無
機塩等の少なくとも1種もしくは2種以上を併用しても
よい。
【0096】上記成分のほかに、必要により湿潤剤とし
てグリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリ
コール等の低級多価アルコールも使用することができ
る。これら湿潤剤の使用量は保護剤中に0.1〜5.0
重量%が適当であり、好ましい範囲は0.5〜3.0重
量%である。以上の他に本発明の平版印刷版用版面保護
剤には、防腐剤などを添加することができる。例えば安
息香酸及びその誘導体、フェノール、ホルマリン、デヒ
ドロ酢酸ナトリウム等を0.005〜2.0重量%の範
囲で添加できる。
【0097】版面保護剤には消泡剤を添加することもで
きる。好ましい消泡剤には有機シリコーン化合物が含ま
れ、その添加量は0.0001〜0.1重量%の範囲が
好ましい。
【0098】版面保護剤には画像部の感脂性低下を防ぐ
ため有機溶剤を含有させることができる。好ましい有機
溶剤には水難溶性のものであり、沸点が約120℃〜約
250℃の石油留分、例えばジブチルフタレート、ジオ
クチルアジペートなどの凝固点が15℃以下で沸点が3
00℃以上の可塑剤が挙げられる。このような有機溶剤
は0.05〜5重量%の範囲で添加される。
【0099】版面保護剤は均一溶液型、サスペンジョン
型、エマルジョン型のいずれの形態をも採ることができ
るが、特に上記のような有機溶剤を含むエマルジョン型
がすぐれた性能を発揮する。この場合、特開昭55−1
05581号公報に記載されているように界面活性剤を
組合せて含有させることが好ましい。
【0100】画像露光され、必要であればガム引きを行
った印刷原版は、印刷機に版を装着し印刷を行うことも
できる。また、露光後ただちに(現像工程を経ずに)印
刷機に版を装着し印刷を行うこともできる。あるいは、
印刷機に印刷原版を装着しておいて、レーザーによる画
像状の走査露光を行って機上で平版印刷版を形成させる
こともできる。即ち、本発明の平版印刷用原版を使用す
る製版方法では、特に現像処理を経ることなく平版印刷
版を製版し得る。
【0101】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、勿論本発明の範囲は、これらによって限定さ
れるものではない。 [実施例1〜4、比較例1] (光熱変換剤粒子の作製)下記組成の混合物を500m
lのビーカーで調製して室温にて6 時間撹拌して有機光
熱変換化合物と金属化合物を含む反応液を作製した。
【0102】<光熱変換剤粒子1用の反応液処方> ・IR色素〔例示化合物(1)〕 0.5g ・5wt%アンモニア水 50g ・エタノール 50g ・テトラエトキシシラン 5.4g
【0103】次にこの反応液を40度に加温し、10時
間撹拌した。反応液を500mlのセロハンの袋に封入
し、一晩水道水にて透析を行った。生じたゲル構造粒子
の分散液をエバポレーターを用いて室温にて乾燥し、
5.0gの色素が封入されたシリカゲル粒子(光熱変換
剤粒子1)を得た。粒径測定装置(堀場製作所(株)
製、レーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置LA−9
20)を用いて粒径を測定したところ、平均粒径は0.
5μmであった。
【0104】上記処方のIR色素を下記のように変更
し、そのほかは上記と同じ方法で下記構成の光熱変換剤
粒子2〜4を作成した。
【0105】(無処理型感光性平版印刷版の作成) <支持体>厚さ0.30mmのアルミニウム板(材質1
050)をトリクロロエチレン洗浄して脱脂した後、ナ
イロンブラシと400メッシュのパミストン−水懸濁液
を用いその表面を砂目立てし、水でよく洗浄した。この
板を45℃の25%水酸化ナトリウム水溶液に9秒間浸
漬してエッチングを行い、水洗後、更に2%硝酸に20
秒間浸漬して水洗した。このときの砂目立て表面のエッ
チング量は約3g/m2であった。次にこの板を7%硫
酸を電解液として電流密度15A/dm2で3g/m2
直流陽極酸化皮膜を設けた後、水洗乾燥した。
【0106】(感応層の塗設)次に下記感光液を調製
し、上記の処理済みのアルミニウム支持体上に塗布し、
100℃で2分間乾燥して輻射線感応性平版印刷用原版
A〜Dを得た。感応層の乾燥後の塗布重量も下記の表に
示す。
【0107】 <感光液組成> ・カルボン酸基を有するポリマー (例示化合物P−5、分子量:15,000 ) 1.00g ・光熱変換剤粒子(上記粒子1〜4) 0.5g ・メガファックF−177 (大日本インキ化学工業(株)製、フッ素系界面活性剤) 0.06g ・メチルエチルケトン 20 g ・メチルアルコール 7 g
【0108】 <感応層組成> 印刷原版 光熱変換粒子 粒子添加量 乾燥後の塗布量 A 粒子1 0.5g 1.4g/m2 B 粒子2 0.5g 1.5g/m2 C 粒子3 0.5g 1.6g/m2 D 粒子4 0.5g 1.4g/m2 E 光熱変換色素* 0.5g 1.3g/m2 (註)*:例示化合物(1)
【0109】得られた印刷原版A〜Eを波長838nm
の赤外光を発する半導体レーザで露光した。露光後、現
像することもなく、ハイデルKOR−D印刷機で通常通
り印刷した。この時の印刷湿し水条件を以下に示す。
【0110】湿し水:pH8.8(水84.7%、イソ
プロピルアミン(IPA)10%、トリエチルアミン5
%、濃塩酸0.3%)
【0111】印刷後、画像部の密着性を見るため、印刷
物の画像部にインク十分に着肉しているかどうかの評価
を行った。印刷時の着肉性は1,000枚、20,00
0枚、50,000枚印刷時の着肉性をみた。結果を表
1に示す。
【0112】
【表1】
【0113】[実施例5〜8、比較例2] (感応層の塗設)下記感光液を調製し、実施例1〜4と
同様に、上記の処理済みのアルミニウム支持体上に塗布
し、100℃で2分間乾燥して平版印刷版用原版F〜J
を得た。感応層の乾燥後の塗布重量も下記の表に示す。
【0114】 <感光液組成> ・カルボン酸塩基を有するポリマー (例示化合物P−11、分子量:15,000 ) 1.00g ・光熱変換剤粒子(上記粒子1〜4) 0.5g ・水 18.0g ・アセトニトリル 9.0g
【0115】 <感応層組成> 印刷原版 光熱変換粒子 粒子添加量 乾燥後の塗布量 F 粒子1 0.5g 1.4g/m2 G 粒子2 0.5g 1.5g/m2 H 粒子3 0.5g 1.6g/m2 I 粒子4 0.5g 1.4g/m2 J 光熱変換色素* 0.5g 1.3g/m2 (註)*:例示化合物(1)
【0116】得られた印刷原版F〜Jを波長830nm
の赤外光を発する半導体レーザで露光した。露光後、現
像することもなく、ハイデルKOR−D印刷機で通常通
り印刷した。この時の印刷湿し水は水道水を用いた。
【0117】印刷後、画像部の密着性を見るため、印刷
物の画像部にインク十分に着肉しているかどうかの評価
を行った。印刷時の着肉性は1,000枚、20,00
0枚、50,000枚印刷時の着肉性をみた。結果を表
1に示す。
【0118】
【表2】
【0119】表1および表2から明らかなように、本発
明にかかわる各実施例の平版印刷版用原版はいずれも、
画像部の強度、密着性(着肉性)に優れ、汚れのない良
好な印刷物が得られ、満足すべき結果を得たが、各比較
例の平版印刷版用原版は画像部の着肉性が不良な印刷物
が得られ、不満足なものであった。
【0120】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の平版印刷
版用原版は、感応層中に、熱反応性に優れ、加熱により
親水性から疎水性に変化する官能基を有するポリマーを
含有し、有機光熱変換化合物が金属酸化物に内包されて
保護される結果、光熱変換が効果的に行われ、極性変換
の敏感性が向上し、画像部の強度および密着性(着肉
性)に優れた平版印刷版を作製することのできる平版印
刷版用原版を提供することができる。この平版印刷用原
版を使用することにより、赤外線レーザーを用いて、コ
ンピューター等のデジタルデータから直接製版すること
が可能であり、高い実用性を有するものである。
フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA01 AA12 AA13 AA14 AB03 AC08 AD01 BH03 CB41 CB51 CC11 CC20 2H096 AA06 BA01 BA20 EA04 EA23 2H114 AA04 AA24 BA01 BA10 DA03 DA04 DA05 DA06 DA08 DA15 DA27 DA34 DA38 DA39 DA52 DA53 DA74 DA75 EA01 EA02 EA08

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、熱により親水性から疎水性
    に変化する官能基を有するポリマーならびに光熱変換剤
    を含有する感応層を設けた平版印刷版用原版であって、
    該光熱変換剤が有機光熱変換化合物を内包する金属酸化
    物粒子であることを特徴とする平版印刷版用原版。
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