JP2000343850A - 平版印刷版の作成方法および平版印刷版用原版 - Google Patents

平版印刷版の作成方法および平版印刷版用原版

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JP2000343850A
JP2000343850A JP15869999A JP15869999A JP2000343850A JP 2000343850 A JP2000343850 A JP 2000343850A JP 15869999 A JP15869999 A JP 15869999A JP 15869999 A JP15869999 A JP 15869999A JP 2000343850 A JP2000343850 A JP 2000343850A
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acid
plate
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English (en)
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Sumiaki Yamazaki
純明 山崎
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 短時間での走査露光、即ち、低エネルギーの
ヒートモード露光による書き込みが可能であり、画像部
の強度、汚れ性に優れたものとなる平版印刷版の作成方
法、およびこれに用いるための、保存安定性にも優れ、
現像処理を必ずしも必要としない平版印刷版用原版を提
供する。 【解決手段】 支持体上に側鎖にスルホン酸基を有する
線状高分子化合物を含有する層を有する感熱性平版印刷
版用原版の上記層に画像状に熱を与えた後、水で現像す
ることを特徴とする平版印刷版の作成方法、および、親
水性表面を有する支持体上に、特定のスルホン酸基を側
鎖に有する線状高分子化合物を含有する層を有すること
を特徴とする平版印刷版用原版であり、前記線状高分子
化合物を含有する層に、さらに光熱変換物質を含有する
ことが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は平版印刷版の作成方
法および平版印刷版用原版に関するものであり、特にデ
ィジタル信号に基づいた走査露光により製版可能であ
り、付加的な湿式処理を必要としない平版印刷版の作成
方法、およびこれに用いる、支持体および親油性記録層
から成る新規な平版印刷版用原版に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、平版印刷版は、印刷過程でイン
クを受容する親油性の画像部と湿し水を受容する親水性
の非画像部とから成る。このような平版印刷版の製版方
法としては、従来、親水性支持体上に親油性の感光性樹
脂層を設けたPS版を原版として用い、通常は、リスフ
ィルムを介してマスク露光した後、非画像部を現像液に
よって溶解除去することによりなされていた。
【0003】近年、画像情報をコンピュータを用いて電
子的に処理、蓄積、出力する、ディジタル化技術が広く
普及してきている。そして、その様な、ディジタル化技
術に対応した、新しい画像出力方式が種々実用されるよ
うになってきた。その結果、レーザ光の様な指向性の高
い活性放射線をディジタル化された画像情報に応じて走
査し、リスフィルムを介することなく、直接印刷版を製
造するコンピュータトゥ プレート技術が切望されてお
り、これに適応した印刷版用原版を得ることは重要な技
術課題の一つとなっている。
【0004】他方、従来のPS版による印刷版の製造
は、露光の後、非画像部を溶解除去する行程が不可欠で
あり、さらに通常は、現像処理された印刷版を水洗水で
水洗したり、界面活性剤を含有するリンス液、アラビア
ガム、澱粉誘導体を含む不感脂化液で処理する後処理行
程も必要であった。この様な付加的な湿式の処理が不可
欠であるという点は、従来技術に対し、改善の望まれて
きたもう一つの課題である。特に近年は、地球環境への
配慮が産業界全体の大きな関心事となっている。処理の
簡素化、乾式化、無処理化は、この様な環境面と、先述
のディジタル化に伴った工程の合理化の両方の観点か
ら、従来にも増して、強く望まれるようになってきてい
る。
【0005】走査露光による印刷版の製版方法として
は、高感度な感光材料を利用する方法の他に、電子線
や、高出力レーザの様な、高エネルギー密度の活性放射
線を利用した方法が提案されている。最近では、半導体
レーザ、YAGレーザ等の固体レーザで高出力なものが
安価に入手できるようになっており、特に、これらのレ
ーザを用いたコンピュータ トゥ プレートシステムが
有望視されるようになってきた。高エネルギー密度露光
系の特徴は、低〜中エネルギー密度の露光を利用する感
光材料系に利用される光反応とは異なった、様々な現像
を利用できることにある。具体的には、化学変化の他、
相変化、形態変化等の構造変化を利用できる。通常、こ
のような高エネルギー密度露光による記録方式はヒート
モード記録と呼ばれる。高エネルギー密度露光系では、
多くの場合、感材に吸収された光エネルギーは、熱に変
換され、生じた熱によって、所望の現像が引き起こされ
ると信じられるためである。ヒートモード記録方式の大
きな長所は潜在的に処理の簡易化、乾式化、無処理化が
可能な点にある。これは、ヒートモード感材の画像記録
に利用される現象が、普通の強度の光に対する暴露や、
普通の環境温度下では実質的には生じないため、露光後
の画像の定着が必要ないことに基づく。
【0006】ヒートモード記録に基づく平版印刷版の好
ましい製版技術としては、親水性層と親油性層からなる
原版をヒートモード露光し、何れか一方の層のみを画像
状に除去する事により、画像状に親水性/疎水性の区別
を発現する技術が提案されている。この技術では、走査
露光可能性と、無処理/乾式処理法に加え、比較的良好
な印刷性能を示す印刷版用原版を提供する。
【0007】この様な平版印刷版用原版の例として、ポ
リオレフィン類をスルホン化したフィルムを版材として
用い、熱書き込みによって、表面の親水性を変化させる
ことにより、現像処理を必要としない版材を形成する事
が、特開平5−77574号公報、特開平4−1251
89号公報等に開示されている。これらのシステムで
は、熱書き込みにより、感材表面のスルホン基を脱スル
ホンさせ画像形成するものである。また米国特許第4,
081,572号明細書にはカルボン酸を有するポリマ
ーを熱もしくはレーザにより脱水閉環して画像形成する
方法が開示されている。これらはいずれも露光前に親水
性の膜を露光により疎水性に変換する、いわゆる極性変
換ネガ型刷版の例であり、特徴として現像処理を必要と
しないことが挙げられる。しかしながら、上記の先行技
術においては、版材の熱反応性が乏しいため、感度が低
く画像形成に多くの時間を要する。また、親水性、疎水
性のディスクリミネーションが低いため親水性が不十分
であるか、もしくは画像強度が低い感材しか作ることが
できない。すなわち、これらの従来技術では感度、汚れ
性、耐刷性の観点で満足できる感材は得られない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、短時間での走査露光、即ち、低エネルギーのヒート
モード露光による書き込みが可能であり、画像部の強
度、汚れ性に優れたものとなる平版印刷版の作成方法、
およびこれに用いる平版印刷版用原版を提供することに
ある。また、保存安定性にも優れた平版印刷版用原版、
現像処理を必ずしも必要としない平版印刷版用原版を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記従来
の技術の問題点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、熱
反応性に優れ、熱により脱スルホン酸化反応を起こすス
ルホン酸基を側鎖に有する高分子化合物を記録層に含有
させることにより、優れたヒートモード露光用の平版印
刷版用原版が得られることを見出し本発明を完成するに
至った。
【0010】即ち本発明は、以下の通りである。 (1)支持体上に側鎖にスルホン酸基を有する線状高分
子化合物を含有する層を有する感熱性平版印刷版用原版
の上記層に画像状に熱を与えた後、水で現像することを
特徴とする平版印刷版の作成方法。 (2)親水性表面を有する支持体上に、下記一般式
(1)で表される官能基を側鎖に有する線状高分子化合
物を含有する層を有することを特徴とする平版印刷版用
原版。
【0011】
【化2】
【0012】(式中、Xは−CO−、−SO−、−SO
2−および4族から6族の元素からなる群から選択さ
れ、−L−は2価の連結基を表し、R1 、R2 はそれぞ
れ同じでも異なっていてもよい1価の基を表す。) (3)前記線状高分子化合物を含有する層に、さらに光
熱変換物質を含有することを特徴とする前記(2)の平
版印刷版用原版。
【0013】本発明の平版印刷版の作成方法に用いられ
る平版印刷版用原版(以下、単に本発明の平版印刷版用
原版ともいう)の記録層に含有されている線状高分子化
合物(以下、単に高分子化合物またはポリマーともい
う)は、親水性のスルホン酸基が熱によって脱スルホン
するため、熱によって、スルホン酸基に由来する親水性
から高分子化合物本来の疎水性に変化する。スルホン酸
基を有する高分子化合物は水に対する溶解性が高いた
め、換言すれば、上記の高分子化合物は、熱によって、
水溶性から水不溶性に変化するものである。このような
高分子化合物を平版印刷版用原版の記録層中に含有させ
ると、加熱された部分では水溶性から水不溶性になる
が、加熱されていない部分は水溶性のままである。この
ような平版印刷版用原版に対して、ヒートモード画像記
録を行い、水現像あるいはそのまま印刷機にセットし
て、機上現像を行うと、記録層のうちの加熱された部分
は残りインク受容部(画像部)となり、加熱されなかっ
た部分は取り除かれ、表面が親水性の支持体が露出し、
非インク受容部(非画像部)となる。すなわち、ネガ型
の平版印刷版用原版となる。
【0014】特開平5−77574号公報、特開平4−
125189号公報には、感材表面のスルホン基を脱ス
ルホンさせ画像形成するものであるが、これらはポリオ
レフィン系樹脂フィルムに発煙硫黄等を吹きつけ、該フ
ィルムにスルホン酸基をグラフトされて製造されるもの
である。しかしながらこのような製造方法によって得ら
れるものは、製造の安定性が悪く、その製造工程中に副
生成物が発生したり、得られた印刷版も印刷工程中でグ
ラフトされたスルホン酸基が、こすれなどにより機械的
脱落して非画像部に汚れが発生することがあった。本発
明の平版印刷版用原版では、上記の製法に由来する構造
とは異なるため、製造安定性、保存安定性、品質安定
性、地汚れ、耐刷性等には問題のないものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の平版印刷版用原版の記録層に含有される、側鎖
にスルホン酸基を有する線状高分子化合物としては、特
に限定されないが、該スルホン酸基が下記一般式(1)
で表されるものが好ましい。
【0016】
【化3】
【0017】(式中、Xは−CO−、−SO−、−SO
2−および4族から6族の元素からなる群から選択さ
れ、−L−は2価の連結基を表し、R1 、R2 はそれぞ
れ同じでも異なっていてもよい1価の基を表す。)
【0018】前記一般式(1)で表されるスルホン酸基
において、R1 、R2 として、水素を含む、一価の非金
属原子団が用いられ、好ましい例としては、水素原子、
ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロ
キシル基、アルキル基、アルコキシ基、アリーロキシ
基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、
アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−
アルキルアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−
アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カ
ルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ
基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジア
ルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカル
バモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバ
モイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスル
ホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキ
ルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレ
イド基、N′−アルキルウレイド基、N′,N′−ジア
ルキルウレイド基、N′−アリールウレイド基、N′,
N′−ジアリールウレイド基、N′−アルキル−N′−
アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−ア
リールウレイド基、N′−アルキル−N−アルキルウレ
イド基、N′−アルキル−N−アリールウレイド基、
N′,N′−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、
N′,N′−ジアルキル−N−アリールウレイド基、
N′−アリール−N−アルキルウレイド基、N′−アリ
ール−N−アリールウレイド基、N′,N′−ジアリー
ル−N−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアリール
−N−アリールウレイド基、N′−アルキル−N′−ア
リール−N−アルキルウレイド基、N′−アルキル−
N′−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシ
カルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ
基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ
基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ
基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ
基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ
基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキ
シカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモ
イル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアル
キルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、
N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N
−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、
アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリ
ールスルホニル基、スルホ基(−SO3H)及びその共
役塩基基(以下、スルホナト基と称す)、アルコキシス
ルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモ
イル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジ
アルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナ
モイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N
−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルフ
ァモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−
ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモ
イル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−ア
ルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスフォノ基
(−PO32)及びその共役塩基基(以下、ホスフォナ
ト基と称す)、ジアルキルホスフォノ基(−PO3(alky
l)2)、ジアリールホスフォノ基(−PO3(aryl)2)、
アルキルアリールホスフォノ基(−PO 3(alkyl)(ary
l))、モノアルキルホスフォノ基(−PO3H(alkyl))
及びその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナト基と
称す)、モノアリールホスフォノ基(−PO3H(ary
l))及びその共役塩基基(以後、アリールホスフォナト
基と称す)、ホスフォノオキシ基(−OPO32)及び
その共役塩基基(以後、ホスフォナトオキシ基と称
す)、ジアルキルホスフォノオキシ基(−OPO3(alky
l)2)、ジアリールホスフォノオキシ基(−OPO3(ary
l)2)、アルキルアリールホスフォノオキシ基(−OP
3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノオキシ基
(−OPO3H(alkyl))及びその共役塩基基(以後、ア
ルキルホスフォナトオキシ基と称す)、モノアリールホ
スフォノオキシ基(−OPO3H(aryl))及びその共役
塩基基(以後、アリールフォスホナトオキシ基と称
す)、シアノ基、ニトロ基、アリール基、アルケニル
基、アルキニル基が挙げられる。
【0019】上記R1 、R2 の具体例の中でもより好ま
しくは、水素原子、アルコキシ基、アミノ基、アリール
基、アルキル基である。アルキル基としては、炭素原子
数が1から20までの直鎖状、分枝状または環状のアル
キル基を挙げることができ、その具体例としては、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、
ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシ
ル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキ
サデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロ
ピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、
イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル
基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチ
ルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、
2−ノルボニル基を挙げることができる。これらの中で
は、炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素数3から
12までの分岐状、ならびに炭素原子数5から10まで
の環状のアルキル基がより好ましい。また、これらアル
キル基としては置換基を有しているものでもよい。
【0020】上記置換アルキル基が有する置換基の例と
しては、水素を除く一価の非金属原子団が用いられ、好
ましい例としては、ハロゲン原子(−F、−Br、−C
l、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロ
キシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ
基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、
N−アルキルアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、
N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ
基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイル
オキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N
−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリー
ルカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリール
カルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリー
ルスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−
アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ
基、ウレイド基、N′−アルキルウレイド基、N′,
N′−ジアルキルウレイド基、N′−アリールウレイド
基、N′,N′−ジアリールウレイド基、N′−アルキ
ル−N′−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド
基、N−アリールウレイド基、N′−アルキル−N−ア
ルキルウレイド基、N′−アルキル−N−アリールウレ
イド基、N′,N′−ジアルキル−N−アルキルウレイ
ド基、N′,N′−ジアルキル−N−アリールウレイド
基、N′−アリール−N−アルキルウレイド基、N′−
アリール−N−アリールウレイド基、N′,N′−ジア
リール−N−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアリ
ール−N−アリールウレイド基、N′−アルキル−N′
−アリール−N−アルキルウレイド基、N′−アルキル
−N′−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキ
シカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ
基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ
基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ
基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ
基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ
基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキ
シカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモ
イル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアル
キルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、
N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N
−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、
アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリ
ールスルホニル基、スルホ基(−SO3H)及びその共
役塩基基(以下、スルホナト基と称す)、アルコキシス
ルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモ
イル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジ
アルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナ
モイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N
−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルフ
ァモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−
ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモ
イル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−ア
ルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスフォノ基
(−PO32)及びその共役塩基基(以下、ホスフォナ
ト基と称す)、ジアルキルホスフォノ基(−PO3(alky
l)2)、ジアリールホスフォノ基(−PO3(aryl)2)、
アルキルアリールホスフォノ基(−PO3(alkyl)(ary
l))、モノアルキルホスフォノ基(−PO3H(alkyl))
及びその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナト基と
称す)、モノアリールホスフォノ基(−PO3H(ary
l))及びその共役塩基基(以後、アリールホスフォナト
基と称す)、ホスフォノオキシ基(−OPO32)及び
その共役塩基基(以後、ホスフォナトオキシ基と称
す)、ジアルキルホスフォノオキシ基(−OPO3(alky
l)2)、ジアリールホスフォノオキシ基(−OPO3(ary
l)2)、アルキルアリールホスフォノオキシ基(−OP
3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノオキシ基
(−OPO3H(alkyl))及びその共役塩基基(以後、ア
ルキルホスフォナトオキシ基と称す)、モノアリールホ
スフォノオキシ基(−OPO3H(aryl))及びその共役
塩基基(以後、アリールフォスホナトオキシ基と称
す)、シアノ基、ニトロ基、アリール基、アルケニル
基、アルキニル基が挙げられる。
【0021】これらの置換基における、アルキル基の具
体例としては、前述のアルキル基が挙げられ、アリール
基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフ
チル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル
基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロメチ
ルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニ
ル基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、ア
セトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、メチ
ルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、メチルア
ミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、アセチル
アミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカ
ルボニルフェニル基、エトキシフェニルカルボニル基、
フェノキシカルボニルフェニル基、N−フェニルカルバ
モイルフェニル基、フェニル基、シアノフェニル基、ス
ルホフェニル基、スルホナトフェニル基、ホスフォノフ
ェニル基、ホスフォナトフェニル基等を挙げることがで
きる。また、アルケニル基の例としては、ビニル基、1
−プロペニル基、1−ブテニル基、シンナミル基、2−
クロロ−1−エテニル基等が挙げられ、アルキニル基の
例としては、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチ
ニル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。
アシル基(G1CO−)におけるG1としては、水素、な
らびに上記のアルキル基、アリール基を挙げることがで
きる。これら置換基の内、更により好ましいものとして
はハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、アル
コキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリール
チオ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルア
ミノ基、アシルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオ
キシ基、N−アリールカバモイルオキシ基、アシルアミ
ノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコ
キシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバ
モイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジア
ルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、
N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、スルホ
基、スルホナト基、スルファモイル基、N−アルキルス
ルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル
基、N−アリールスルファモイル基、N−アルキル−N
−アリールスルファモイル基、ホスフォノ基、ホスフォ
ナト基、ジアルキルホスフォノ基、ジアリールホスフォ
ノ基、モノアルキルホスフォノ基、アルキルホスフォナ
ト基、モノアリールホスフォノ基、アリールホスフォナ
ト基、ホスフォノオキシ基、ホスフォナトオキシ基、ア
リール基、アルケニル基が挙げられる。
【0022】一方、置換アルキル基におけるアルキレン
基としては前述の炭素数1から20までのアルキル基上
の水素原子のいずれか1つを除し、2価の有機残基とし
たものを挙げることができ、好ましくは炭素原子数1か
ら12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐
状ならびに炭素原子数5から10までの環状のアルキレ
ン基を挙げることができる。該置換基とアルキレン基を
組み合わせる事により得られる置換アルキル基の、好ま
しい具体例としては、クロロメチル基、ブロモメチル
基、2−クロロエチル基、トリフルオロメチル基、メト
キシメチル基、メトキシエトキシエチル基、アリルオキ
シメチル基、フェノキシメチル基、メチルチオメチル
基、トリルチオメチル基、エチルアミノエチル基、ジエ
チルアミノプロピル基、モルホリノプロピル基、アセチ
ルオキシメチル基、ベンゾイルオキシメチル基、N−シ
クロヘキシルカルバモイルオキシエチル基、N−フェニ
ルカルバモイルオキシエチル基、アセチルアミノエチル
基、N−メチルベンゾイルアミノプロピル基、2−オキ
ソエチル基、2−オキソプロピル基、カルボキシプロピ
ル基、メトキシカルボニルエチル基、アリルオキシカル
ボニルブチル基、クロロフェノキシカルボニルメチル
基、カルバモイルメチル基、N−メチルカルバモイルエ
チル基、N,N−ジプロピルカルバモイルメチル基、N
−(メトキシフェニル)カルバモイルエチル基、N−メ
チル−N−(スルホフェニル)カルバモイルメチル基、
スルホブチル基、スルホナトブチル基、スルファモイル
ブチル基、N−エチルスルファモイルメチル基、N,N
−ジプロピルスルファモイルプロピル基、N−トリルス
ルファモイルプロピル基、N−メチル−N−(ホスフォ
ノフェニル)スルファモイルオクチル基、ホスフォノブ
チル基、ホスフォナトヘキシル基、ジエチルホスフォノ
ブチル基、ジフェニルホスフォノプロピル基、メチルホ
スフォノブチル基、メチルホスフォナトブチル基、トリ
ルホスフォノヘキシル基、トリルホスフォナトヘキシル
基、ホスフォノオキシプロピル基、ホスフォナトオキシ
ブチル基、ベンジル基、フェネチル基、α−メチルベン
ジル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、p−メチ
ルベンジル基、シンナミル基、アリル基、1−プロペニ
ルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基、2
−メチルプロペニルメチル基、2−プロピニル基、2−
ブチニル基、3−ブチニル基等を挙げることができる。
【0023】アリール基としては、1個から3個のベン
ゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽
和環が縮合環を形成したものを挙げることができ、具体
例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、
フェナントリル基、インデニル基、アセナフテニル基、
フルオレニル基等を挙げることができ、これらのなかで
は、フェニル基、ナフチル基がより好ましい。また、ア
リール基には上記炭素環式アリール基の他、複素環式
(ヘテロ)アリール基が含まれる。複素環式アリール基
としては、ピリジル基、フリル基、その他ベンゼン環が
縮環したキノリル基、ベンゾフリル基、チオキサントン
基、カルバゾール基等の炭素数3〜20、ヘテロ原子数
1〜5を含むものが用いられる。
【0024】置換アリール基としては、前述のアリール
基の環形成炭素原子上に置換基として、水素を除く一価
の非金属原子団を有するものが用いられる。好ましい置
換基の例としては前述のアルキル基、置換アルキル基、
ならびに、先に置換アルキル基における置換基として示
したものを挙げることができる。この様な、置換アリー
ル基の好ましい具体例としては、ビフェニル基、トリル
基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェ
ニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、クロ
ロメチルフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、
ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、メトキシ
エトキシフェニル基、アリルオキシフェニル基、フェノ
キシフェニル基、メチルチオフェニル基、トリルチオフ
ェニル基、エチルアミノフェニル基、ジエチルアミノフ
ェニル基、モルホリノフェニル基、アセチルオキシフェ
ニル基、ベンゾイルオキシフェニル基、N−シクロヘキ
シルカルバモイルオキシフェニル基、N−フェニルカル
バモイルオキシフェニル基、アセチルアミノフェニル
基、N−メチルベンゾイルアミノフェニル基、カルボキ
シフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、アリル
オキシカルボニルフェニル基、クロロフェノキシカルボ
ニルフェニル基、カルバモイルフェニル基、N−メチル
カルバモイルフェニル基、N,N−ジプロピルカルバモ
イルフェニル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイ
ルフェニル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カ
ルバモイルフェニル基、スルホフェニル基、スルホナト
フェニル基、スルファモイルフェニル基、N−エチルス
ルファモイルフェニル基、N,N−ジプロピルスルファ
モイルフェニル基、N−トリルスルファモイルフェニル
基、N−メチル−N−(ホスフォノフェニル)スルファ
モイルフェニル基、ホスフォノフェニル基、ホスフォナ
トフェニル基、ジエチルホスフォノフェニル基、ジフェ
ニルホスフォノフェニル基、メチルホスフォノフェニル
基、メチルホスフォナトフェニル基、トリルホスフォノ
フェニル基、トリルホスフォナトフェニル基、アリル
基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メ
チルアリルフェニル基、2−メチルプロペニルフェニル
基、2−プロピニルフェニル基、2−ブチニルフェニル
基、3−ブチニルフェニル基等を挙げることができる。
【0025】好ましい−X−の具体例は、−O−、−S
−、−Se−、−NR3 −、−CO−、−SO−、−S
2 −、−PO−を表す。その中でも、熱反応性の観点
から−CO−、−SO−、−SO2 −が特に好ましい。
好ましいR3 の具体例は、R1 およびR2 と同じであっ
ても異なっていてもよく、R1 およびR2 具体例から選
ぶことができる。
【0026】Lで表される非金属原子からなる多価の連
結基とは、1個から60個までの炭素原子、0個から1
0個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、
1個から100個までの水素原子、及び0個から20個
までの硫黄原子から成り立つものである。より具体的な
連結基としては下記の構造単位またはこれらが組合わさ
って構成されるものを挙げることができる。
【0027】
【化4】
【0028】本発明の平版印刷版用原版の記録層に含有
される、ポリマーの主鎖は、下記一般式により表される
部分構造に該スルホン酸基を有するモノマー成分群から
選ばれる少なくとも一種を重合したもの等が挙げられ
る。
【0029】
【化5】
【0030】上記スルホン酸基を有するモノマー成分の
具体例を以下に示す。
【0031】
【化6】
【0032】
【化7】
【0033】
【化8】
【0034】本発明における、側鎖にスルホン酸基を有
するポリマーは、1種のみの前記モノマー成分の単独重
合体であっても、2種以上の前記モノマー成分の共重合
体でもよい。また、他のモノマーとの共重合体でもよ
い。用いられる他のモノマーとしては、例えば、アクリ
ル酸エステル類、メタクリルエステル類、アクリルアミ
ド類、メタクリルアミド類、ビニルエステル類、スチレ
ン類、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、
無水マレイン酸、マレイン酸イミド等の公知のモノマー
も挙げられる。このようなモノマー類を共重合させるこ
とで、製膜性、膜強度、親水性、疎水性、溶解性、反応
性、安定性等の諸物性を改善することができる。
【0035】アクリル酸エステル類の具体例としては、
メチルアクリレート、エチルアクリレート、(n−又は
i−)プロピルアクリレート、(n−、i−、sec−
又はt−)ブチルアクリレート、アミルアクリレート、
2−エチルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレー
ト、クロロエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル
アクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、
2−ヒドロキシペンチルアクリレート、シクロヘキシル
アクリレート、アリルアクリレート、トリメチロールプ
ロパンモノアクリレート、ペンタエリスリトールモノア
クリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジル
アクリレート、クロロベンジルアクリレート、ヒドロキ
シベンジルアクリレート、ヒドロキシフェネチルアクリ
レート、ジヒドロキシフェネチルアクリレート、フルフ
リルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレー
ト、フェニルアクリレート、ヒドロキシフェニルアクリ
レート、クロロフェニルアクリレート、スルファモイル
フェニルアクリレート、2−(ヒドロキシフェニルカル
ボニルオキシ)エチルアクリレート等が挙げられる。
【0036】メタクリル酸エステル類の具体例として
は、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、
(n−又はi−)プロピルメタクリレート、(n−、i
−、sec−又はt−)ブチルメタクリレート、アミル
メタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、
ドデシルメタクリレート、クロロエチルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシペンチル
メタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、アリ
ルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタク
リレート、ペンタエリスリトールモノメタクリレート、
ベンジルメタクリレート、メトキシベンジルメタクリレ
ート、クロロベンジルメタクリレート、ヒドロキシベン
ジルメタクリレート、ヒドロキシフェネチルメタクリレ
ート、ジヒドロキシフェネチルメタクリレート、フルフ
リルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリ
レート、フェニルメタクリレート、ヒドロキシフェニル
メタクリレート、クロロフェニルメタクリレート、スル
ファモイルフェニルメタクリレート、2−(ヒドロキシ
フェニルカルボニルオキシ)エチルメタクリレート等が
挙げられる。
【0037】アクリルアミド類の具体例としては、アク
リルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルア
クリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N−ブチ
ルアクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−
ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリ
ルアミド、N−トリルアクリルアミド、N−(ヒドロキ
シフェニル)アクリルアミド、N−(スルファモイルフ
ェニル)アクリルアミド、N−(フェニルスルホニル)
アクリルアミド、N−(トリルスルホニル)アクリルア
ミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチル−
N−フェニルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−
N−メチルアクリルアミド等が挙げられる。
【0038】メタクリルアミド類の具体例としては、メ
タクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エ
チルメタクリルアミド、N−プロピルメタクリルアミ
ド、N−ブチルメタクリルアミド、N−ベンジルメタク
リルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、
N−フェニルメタクリルアミド、N−トリルメタクリル
アミド、N−(ヒドロキシフェニル)メタクリルアミ
ド、N−(スルファモイルフェニル)メタクリルアミ
ド、N−(フェニルスルホニル)メタクリルアミド、N
−(トリルスルホニル)メタクリルアミド、N,N−ジ
メチルメタクリルアミド、N−メチル−N−フェニルメ
タクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメ
タクリルアミド等が挙げられる。
【0039】ビニルエステル類の具体例としては、ビニ
ルアセテート、ビニルブチレート、ビニルベンゾエート
等が挙げられる。スチレン類の具体例としては、スチレ
ン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルス
チレン、エチルスチレン、プロピルスチレン、シクロヘ
キシルスチレン、クロロメチルスチレン、トリフルオロ
メチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシ
メチルスチレン、メトキシスチレン、ジメトキシスチレ
ン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレ
ン、ヨードスチレン、フルオロスチレン、カルボキシス
チレン等が挙げられる。
【0040】共重合体の合成に使用されるこれらの他の
モノマーの割合は、諸物性の改良に充分な量である必要
があるが、割合が大きすぎる場合には、スルホン酸を含
有するモノマーの機能が不十分となる。従って、好まし
い他のモノマー総割合は80重量%以下であることが好
ましく、さらに好ましくは50重量%以下である。本発
明における、側鎖にスルホン酸基を有するポリマーの分
子量は、特に限定されないが、重量平均分子量として5
00〜100,000が好ましく、5000〜80,0
00がより好ましい。
【0041】以下、本発明における、側鎖にスルホン酸
基を有するポリマーおよびコポリマーの具体例を以下に
示す。
【0042】
【化9】
【0043】
【化10】
【0044】
【化11】
【0045】
【化12】
【0046】上記のモノマー、ポリマーおよびコポリマ
ーのうち、代表的なもの合成例を以下に記す。 〔合成例〕 合成例(1)、モノマー(1)の合成 200mlの三口フラスコ中、0.35molのジオキ
サン−三酸化硫黄錯体をJournal of Ame
rican Chemical Society,7
0,2429(1948)記載の方法で作り、室温下
4′−アミノアセトフェノン47.3gをフラスコ内の
温度が35℃以上にならないようにゆっくり滴下した。
滴下後2時間攪拌した後、500mlの水にあけ酢酸エ
チルで抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥させた後、溶
媒を減圧留去し、2−(4−アミノ−フェニル)−2−
オキソ−エタンスルホン酸60gを得た。次に、500
mlの三口フラスコ中、氷浴下、2−(4−アミノ−フ
ェニル)−2−オキソ−エタンスルホン酸60g、水酸
化ナトリウム27.9g及び水300mlを入れ、攪拌
した。更に、メタクリル酸クロライド58.6gをゆっ
くりと滴下し、30分攪拌。その後、氷浴を外し、さら
に室温にて4時間攪拌した。その後、氷浴下、pH1に
なるまで塩酸を滴下して結晶を析出させてろ過を行い、
水による洗浄で63gのモノマー(1)得た。元素分析
の計算値はC:50.88%、H:4.59%であり、
実測値はC:50.74%、H:4.55%であった。
【0047】合成例(2)、モノマー(4)の合成 500ml三口フラスコ中、氷浴下、2−(4−アミノ
−フェニル)−2−オキソ−エタンスルホン酸60g、
ピリジン44.1g、アセトン200mlを入れ、攪拌
した。更に、トルエン−4−スルホン酸−3−ヒドロキ
シプロピルエステル83gとアセトン100mlの溶液
をゆっくりと滴下し、30分攪拌。その後、氷浴を外
し、さらに4時間攪拌した。その後、析出物をろ過し、
ろ液を濃縮して85gの化合物4を得た。化合物4はエ
タノール/水による再結晶で精製し最終的に80gのモ
ノマー(4)を得た。元素分析の計算値はC:52.7
9%、H:5.57%であり、実測値はC:52.60
%、H:5.55%であった。
【0048】合成例(3)、モノマー(23)の合成 500ml三口フラスコ中、氷浴下、オキシ塩化リン1
53gを入れ、3−アクリロイル−プロパン−1−スル
ホン酸カリウム100gをゆっくりと加えていった。氷
浴を外し、室温で3時間乾燥した後、1リットルの氷/
水にあけ更に30分攪拌しトルエンで抽出した。硫酸マ
グネシウムで乾燥させた後、溶媒を減圧留去し、3−ア
クリロイル−プロパン−1−スルホニルクロライド90
gを得た。次に、300ml三口フラスコ中、3−アク
リロイル−プロパン−1−スルホニルクロライド90
g、ハイドロキノン(重合禁止剤)0.06g、水25
0ml、メタノール250mlを加え、60℃で攪拌。
2時間後、溶媒を留去し、化合物23を得た。化合物2
3はエタノール/水による再結晶で精製し最終的に75
gのモノマー23を得た。元素分析の計算値はC:3
7.11%、H:5.15%であり、実測値はC:3
7.13%、H:5.12%であった。
【0049】合成例(4)、ポリマー(P−1)の合成 200ml三口フラスコにモノマー(1)20g及び水
40gを入れ、73℃窒素気流下、過硫酸カリウム0.
25g加えた。同温度に保ち、5時間攪拌した。その
後、アセトン1リットル中で再沈を行い、ポリマー固体
を得た。GPCにより重量平均分子量1.3万のポリマ
ーであることが分かった。
【0050】合成例(5)、ポリマー(P−2〜P−2
7)の合成 モノマー(1)の代わりに表1に示すモノマーを使用し
た他はポリマー(1)の合成方法と同様の方法でポリマ
ー(P−2)〜(P−27)を得た。ポリマー(P−
2)〜(P−27)の重量平均分子量を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】合成例(6)、ポリマー(P−28)の合
成 200ml三口フラスコにモノマー(1)16g、2−
ヒドロキシエチルメタクリレート1.85g及び水40
gを入れ、73℃、窒素気流下、過硫酸カリウム0.2
5g加えた。同温度に保ち、5時間攪拌した。その後、
アセトン1L中で再沈を行い、ポリマー固体を得た。G
PCにより重量平均分子量2.1万のポリマーであるこ
とが分かった。
【0053】合成例(7)、ポリマー(P−29〜P−
33)の合成 下記表2に示すモノマーを使用した他は、ポリマー(P
−28)の合成方法と同様の方法でポリマー(P−2
9)〜(P−33)を得た。ポリマー(P−29)〜
(P−33)の重量平均分子量を表2に示す。
【0054】
【表2】
【0055】[光熱変換物質]本発明の平版印刷版用原
版を赤外線照射により画像を形成するものとして用いる
場合には、平版印刷版用原版の記録層中に光熱変換物質
を含有させることが好ましい。本発明の平版印刷版用原
版において使用される光熱変換物質としては、紫外線、
可視光線、赤外線、白色光線等の光を吸収して熱に変換
し得る物質ならば全て使用でき、例えば、カーボンブラ
ック、金属粉、金属化合物粉等が挙げられる。特に好ま
しいのは、波長760nmから1200nmの赤外線を
有効に吸収する染料、顔料、または金属粉、金属化合物
粉である。
【0056】染料としては、市販の染料および文献(例
えば「染料便覧」有機合成化学協会編集、昭和45年
刊)に記載されている公知のものが利用できる。具体的
には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染
料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボ
ニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン
染料、金属チオレート錯体などの染料が挙げられる。好
ましい染料としては例えば特開昭58−125246
号、特開昭59−84356号、特開昭59−2028
29号、特開昭60−78787号等に記載されている
シアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭5
8−181690号、特開昭58−194595号等に
記載されているメチン染料、特開昭58−112793
号、特開昭58−224793号、特開昭59−481
87号、特開昭59−73996号、特開昭60−52
940号、特開昭60−63744号等に記載されてい
るナフトキノン染料、特開昭58−112792号等に
記載されているスクワリリウム色素、英国特許第43
4,875号記載のシアニン染料等を挙げることができ
る。
【0057】また、米国特許第5,156,938号記
載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特
許第3,881,924号記載の置換されたアリールベ
ンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645
号(米国特許第4,327,169号)記載のトリメチ
ンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同
58−220143号、同59−41363号、同59
−84248号、同59−84249号、同59−14
6063号、同59−146061号に記載されている
ピリリウム系化合物、特開昭59−216146号記載
のシアニン色素、米国特許第4,283,475号に記
載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13
514号、同5−19702号公報に開示されているピ
リリウム化合物も好ましく用いられる。また、染料とし
て好ましい別の例として米国特許第4,756,993
号明細書中に式(I)、(II)として記載されている近
赤外吸収染料を挙げることができる。これらの染料のう
ち特に好ましいものとしては、シアニン色素、スクワリ
リウム色素、ピリリウム塩、ニッケルチオレート錯体が
挙げられる。
【0058】本発明において使用される顔料としては、
市販の顔料およびカラーインデックス(C.I.)便
覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977
年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986
年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年
刊)に記載されている顔料が利用できる。顔料の種類と
しては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔
料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔
料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられ
る。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮
合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔
料、アントラキノン系顔料、ペリレンおよびペリノン系
顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオ
キサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロ
ン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔
料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カー
ボンブラック等が使用できる。これらの顔料のうち好ま
しいものはカーボンブラックである。
【0059】これら顔料は表面処理をせずに用いてもよ
く、表面処理をほどこして用いてもよい。表面処理の方
法には樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性
剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカッ
プリング剤やエポキシ化合物、ポリイソシアネート等)
を顔料表面に結合させる方法等が考えられる。上記の表
面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、
「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)およ
び「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)
に記載されている。
【0060】顔料の粒径は0.01μm〜10μmの範
囲にあることが好ましく、0.05μm〜1μmの範囲
にあることがさらに好ましく、特に0.1μm〜1μm
の範囲にあることが好ましい。顔料の粒径が0.01μ
m未満のときは分散物の記録層組成物の塗布液中での安
定性の点で好ましくなく、また、10μmを越えると塗
布後の記録層の均一性の点で好ましくない。顔料を分散
する方法としては、インク製造やトナー製造等に用いら
れる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、超
音波分散器、サンドミル、アトライター、パールミル、
スーパーミル、ボールミル、インペラー、デスパーザ
ー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロー
ルミル、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は、「最新
顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載が
ある。
【0061】次に、金属粉体または金属化合物粉体につ
いて説明する。金属化合物とは、具体的には、金属酸化
物、金属窒化物、金属硫化物、金属炭化物等の化合物で
ある。金属としては、Mg、Al、Si、Ti、V、C
r、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、G
e、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Pd、Ag、
Cd、In、Sn、Sb、Hf、Ta、W、Re、O
s、Ir、Pt、Au、Pb等が含まれる。この中で
も、熱エネルギーにより、酸化反応等の発熱反応をとく
に容易に起こすものが好ましく、具体的には、Al、S
i、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、
Zn、Y、Zr、Mo、Ag、In、Sn、Wが好まし
い。また、輻射線の吸収効率が高く、自己発熱反応熱エ
ネルギーの大きいものとして、Fe、Co、Ni、C
r、Ti、Zrが好ましい。
【0062】また、これらの金属単体のみでなく、2成
分以上で構成されていてもよく、また、金属と金属酸化
物、窒化物、硫化物、炭化物等で構成されていてもよ
い。金属単体の方が酸化等の自己発熱反応熱エネルギー
は大きいが、空気中での取り扱いが煩雑で、空気に触れ
ると自然発火する危険がある。そのため、表面から数n
mの厚みは酸化物、窒化物、硫化物、炭化物等で覆われ
ている方が好ましい。さらに、これらは、粒子でも蒸着
膜のような薄膜でもよいが、有機物と併用する際は粒子
のほうが好ましい。粒子の粒径は、10μm以下、好ま
しくは、0.005〜5μm、さらに好ましくは、0.
01〜3μmである。0.01μm以下では、粒子の分
散が難しく、10μm以上では、印刷物の解像度が悪く
なる。また、記録層の透過濃度は、国際規格 ISO5-3 及
び ISO5-4 に準拠して測定したときに0.3〜3.0で
あることが好ましい。透過濃度が3.0を超えると輻射
線のアテニユエーションの結果、記録層の厚み方向の輻
射線強度の不均一が起こってアベレーションが起こりや
すい。また、透過濃度が0.3以下では、輻射線エネル
ギーの吸収が十分でなく、光・熱変換によって得られる
熱エネルギーの量が不十分となりやすい。
【0063】本発明の平版印刷版用原版においては、上
記した金属微粉体の中でも、鉄粉体が好ましい。鉄粉体
であればいずれも好ましいが、その中でもα−Feを主
成分とする鉄合金粉末が好ましい。これらの粉末には所
定の原子以外にAl、Si、S、Sc、Ca、Ti、
V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、
Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、P
b、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、
Zn、Ni、Sr、Bなどの原子を含んでもかまわな
い。特にAl、Si、Ca、Y、Ba、La、Nd、C
o、Ni、Bの少なくとも1つをα−Fe以外に含むこ
とが好ましく、Co、Y、Alの少なくとも一つを含む
ことがさらに好ましい。Coの含有量はFeに対して0
原子%以上40原子%以下が好ましく、さらに好ましく
は15原子%以上35原子%以下、より好ましくは20
原子%以上35原子%以下である。Yの含有量は1.5
原子%以上12原子%以下が好ましく、さらに好ましく
は3原子%以上10原子%以下、より好ましくは4原子
%以上9原子%以下である。Alは1.5原子%以上1
2原子%以下が好ましく、さらに好ましくは3原子%以
上10原子%以下、より好ましくは4原子%以上9原子
%以下である。
【0064】鉄合金微粉末には少量の水酸化物、または
酸化物が含まれてもよい。具体的には、特公昭44−1
4090号、特公昭45−18372号、特公昭47−
22062号、特公昭47−22513号、特公昭46
−28466号、特公昭46−38755号、特公昭4
7−4286号、特公昭47−12422号、特公昭4
7−17284号、特公昭47−18509号、特公昭
47−18573号、特公昭39−10307号、特公
昭46−39639号、米国特許第3026215号、
同3031341号、同3100194号、同3242
005号、同3389014号などに記載されている。
より詳細には、Fe:Co:Al:Y比が100:2
0:5:5であり、粒子サイズは長径0.1ミクロン、
短径0.02ミクロンで比表面積が60m2 /gのもの
が好適に用いられる。
【0065】また、本発明の平版印刷版用原版におい
て、特殊な光熱変換物質の例としては、バインダー中に
分散された微細な銀粒子が挙げられる。好ましい銀微粒
子分散物は、撮影用カラー写真感光材料のイエローフィ
ルターに用いられるコロイド銀微粒子や、アンチハレー
ション用に用いられる中性色の銀微粒子分散物である。
前者は、ゼラチン、カルボキシメチルセルローズなどの
セルローズ誘導体、ポリビニルピロリドンなどの親水性
高分子などの重合物を分散媒として硝酸銀などの水溶性
銀塩を水性媒体中で澱粉、グルコース、ハイドロキノ
ン、フォルムアルデヒド、デキストリンなどで還元して
得られる。後者もほぼ同様の方法で得られるが、還元剤
は、ハイドロキノン、p−アミノフェノール誘導体など
をより活性な条件で用いることによって得られる。ま
た、その際に1−メルカプトベンゾイミダゾールや6−
ニトロインダゾールなどの色調剤を添加して吸光度を高
めることもできる。また、ハロゲン化銀乳剤粒子に写真
現像液を添加して銀微粒子分散物を得てもよい。
【0066】銀微粒子の粒径は0.01μm〜10μm
の範囲にあることが好ましく、微細であるほど最大吸光
度は高くなるが、赤外線の分光波長域の吸収が低下する
ので、より好ましい粒径は0.02〜1μmである。イ
エローフィルターに用いられるコロイド銀微粒子の粒径
は0.02〜0.06μmであり、アンチハレーション
用の中性色の銀微粒子分散物の粒径は0.05〜0.2
μm、さらにハロゲン化銀乳剤を還元した銀微粒子の粒
径は0.1〜2.0μmであり、赤外線吸収剤として十
分に機能する。
【0067】これらの染料、顔料あるいは金属粉、金属
化合物粉は、平版印刷版用原版の記録層の組成物全固形
分に対し0.01〜50重量%、好ましくは0.1〜1
0重量%、染料の場合特に好ましくは0.5〜10重量
%、顔料の場合特に好ましくは1.0〜10重量%、金
属粉、金属化合物粉の場合、特に好ましくは0.2〜3
重量%の割合で添加することができる。顔料、染料、金
属粉、金属化合物粉などの添加量が0.01重量%未満
であると感度が低くなり、また50重量%を越えると印
刷時非画像部に汚れが発生しやすい。
【0068】〔その他の成分〕本発明の平版印刷版用原
版の記録層では、以上の成分が必要に応じて用いられる
が、さらに必要に応じてこれら以外に種々の化合物を添
加しても良い。例えば、本発明の平版印刷版用原版の記
録層中には、印刷条件に対する安定性を広げるため、特
開昭62−251740号公報や特開平3−20851
4号公報に記載されているような非イオン界面活性剤、
特開昭59−121044号公報、特開平4−1314
9号公報に記載されているような両性界面活性剤を添加
することができる。非イオン界面活性剤の具体例として
は、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパル
ミテート、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノ
グリセリド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル等が挙げられる。
【0069】両性界面活性剤の具体例としては、アルキ
ルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノエ
チルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カルボキシエ
チル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン
やN−テトラデシル−N,N−ベタイン型(例えば、商
品名アモーゲンK、第一工業(株)製)等が挙げられ
る。上記非イオン界面活性剤および両性界面活性剤の記
録層材料全固形物中に占める割合は、0.05〜15重
量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5重量%であ
る。
【0070】更に本発明の平版印刷版用原版の記録層中
には必要に応じ、塗膜の柔軟性等を付与するために可塑
剤が加えられる。例えば、ポリエチレングリコール、ク
エン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチ
ル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸
トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチ
ル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸ま
たはメタクリル酸のオリゴマーおよびポリマー等が用い
られる。
【0071】本発明の平版印刷版用原版の記録層は、通
常上記各成分を溶媒に溶かして、適当な支持体上に塗布
することにより製造することができる。ここで使用する
溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノ
ン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プ
ロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、
1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチル
アセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、
ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−
ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメ
チルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン、
トルエン、水等を挙げることができるがこれに限定され
るものではない。これらの溶媒は単独あるいは混合して
使用される。溶媒中の上記成分(添加剤を含む全固形
分)の濃度は、好ましくは1〜50重量%である。また
塗布、乾燥後に得られる支持体上の塗布量(固形分)
は、一般的に0.5〜5.0g/m2が好ましい。塗布する
方法としては、種々の方法を用いることができるが、例
えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カ
ーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレー
ド塗布、ロール塗布等を挙げることができる。
【0072】本発明の平版印刷版用原版の記録層中に
は、塗布性を良化するための界面活性剤、例えば特開昭
62−170950号公報に記載されているようなフッ
素系界面活性剤を添加することができる。好ましい添加
量は、記録層全固形分に対し、0.01〜1重量%さら
に好ましくは0.05〜0.5重量%である。
【0073】本発明の平版印刷版用原版の記録層を塗布
すべき支持体(基板)は、親水性表面を有するかまたは
表面親水化処理されたものであれば、特に限定されない
が、寸度的に安定な板状物であり、これ迄印刷版の支持
体として使用されたものが含まれ、好適に使用すること
ができる。かかる支持体としては、紙、プラスチックス
(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン
など)がラミネートされた紙、アルミニウム(アルミニ
ウム合金も含む)、亜鉛、鉄、銅などのような金属の
板、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン
酸セルロース、酪酸セルロース、酪酸酢酸セルロース、
硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネ
ート、ポリビニルアセタールなどのようなプラスチック
スのフィルム、上記のような金属がラミネートもしくは
蒸着された紙もしくはプラスチックフィルムなどが含ま
れるが、特にアルミニウム板が好ましい。アルミニウム
板には純アルミニウム板及びアルミニウム合金板が含ま
れる。アルミニウム合金としては種々のものが使用で
き、例えばケイ素、銅、マンガン、マグネシウム、クロ
ム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケルなどの金属とアルミ
ニウムの合金が用いられる。これらの組成物は、いくら
かの鉄およびチタン、あるいはその他無視し得る程度の
量の不純物をも含むものである。
【0074】支持体は、必要に応じて表面処理、例え
ば、支持体の表面に、親水化処理が施される。また金
属、特にアルミニウムの表面を有する支持体の場合に
は、砂目立て処理、ケイ酸ソーダ、フッ化ジルコニウム
酸カリウム、リン酸塩等の水溶液への浸漬処理、あるい
は陽極酸化処理などの表面処理がなされていることが好
ましい。また、米国特許第2,714,066号明細書
に記載されているように、砂目立てしたのちケイ酸ナト
リウム水溶液に浸漬処理したアルミニウム板、米国特許
第3,181,461号明細書に記載されているように
アルミニウム板を陽極酸化処理を行った後にアルカリ金
属ケイ酸塩の水溶液に浸漬処理したものも好適に使用さ
れる。上記陽極酸化処理は、例えば、リン酸、クロム
酸、硫酸、ホウ酸等の無機酸、若しくはシュウ酸、スル
ファミン酸等の有機酸またはこれらの塩の水溶液又は非
水溶液の単独又は二種以上を組み合わせた電解液中でア
ルミニウム板を陽極として電流を流すことにより実施さ
れる。
【0075】また、米国特許第3,658,682号明
細書に記載されているようなシリケート電着も有効であ
る。これらの親水化処理は、支持体の表面を親水性とす
る為以外に、その上に設けられる記録層との有害な反応
を防ぐ為や、記録層との密着性を向上させる為に施され
るものである。アルミニウム板を砂目立てするに先立っ
て、必要に応じて表面の圧延油を除去すること及び清浄
なアルミニウム面を表出させるためにその表面の前処理
を施しても良い。前者のためには、トリクレン等の溶
剤、界面活性剤が用いられている。又後者のためには水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ・エッチ
ング剤を用いる方法が広く行われている。
【0076】砂目立て方法としては、機械的、化学的お
よび電気化学的な方法のいずれの方法も有効である。機
械的方法としては、ボール研磨法、ブラスト研磨法、軽
石のような研磨剤の水分散スラリーをナイロンブラシで
擦りつけるブラシ研磨法などがあり、化学的方法として
は、特開昭54−31187号公報に記載されているよ
うな鉱酸のアルミニウム塩の飽和水溶液に浸漬する方法
が適しており、電気化学的方法としては塩酸、硝酸また
はこれらの組合せのような酸性電解液中で交流電解する
方法が好ましい。このような粗面化方法の内、特に特開
昭55−137993号公報に記載されているような機
械的粗面化と電気化学的粗面化を組合せた粗面化方法
は、感脂性画像の支持体への接着力が強いので好まし
い。上記の如き方法による砂目立ては、アルミニウム板
の表面の中心線平均粗さ(Ra)が0.3〜1.0μm
となるような範囲で施されることが好ましい。このよう
にして砂目立てされたアルミニウム板は必要に応じて水
洗および化学的にエッチングされる。
【0077】エッチング処理液は、通常アルミニウムを
溶解する塩基あるいは酸の水溶液より選ばれる。この場
合、エッチングされた表面に、エッチング液成分から誘
導されるアルミニウムと異なる被膜が形成されないもの
でなければならない。好ましいエッチング剤を例示すれ
ば、塩基性物質としては水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン
酸三カリウム、リン酸二カリウム等;酸性物質として
は、硫酸、過硫酸、リン酸、塩酸及びその塩等である
が、アルミニウムよりイオン化傾向の低い金属例えば亜
鉛、クロム、コバルト、ニッケル、銅等の塩はエッチン
グ表面に不必要な被膜が形成されてしまうため好ましく
ない。これ等のエッチング剤は、使用濃度、温度の設定
において、使用するアルミニウムあるいは合金の溶解速
度が浸漬時間1分あたり0.3〜40g/m2になる様に行
われるのが最も好ましいが、これを上回るあるいは下回
るものであっても差支えない。
【0078】エッチングは上記エッチング液にアルミニ
ウム板を浸漬したり、該アルミニウム板にエッチング液
を塗布すること等により行われ、エッチング量が0.5
〜10g/m2の範囲となるように処理されることが好まし
い。上記エッチング剤としては、そのエッチング速度が
早いという特長から塩基の水溶液を使用することが望ま
しい。この場合、スマットが生成するので、通常デスマ
ット処理される。デスマット処理に使用される酸は、硝
酸、硫酸、リン酸、クロム酸、フッ酸、ホウフッ化水素
酸等が用いられる。エッチング処理されたアルミニウム
板に、必要により水洗及び陽極酸化される。陽極酸化
は、この分野で従来より行われている方法で行うことが
できる。具体的には、硫酸、リン酸、クロム酸、シュウ
酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸等あるいはそ
れらの二種類以上を組み合せた水溶液又は非水溶液中で
アルミニウムに直流または交流の電流を流すと、アルミ
ニウム支持体表面に陽極酸化被膜を形成させることがで
きる。
【0079】陽極酸化の処理条件は使用される電解液に
よって種々変化するので一概には言えないが、一般的に
は電解液の濃度が1〜30重量%、液温5〜70℃、電
流密度0.5〜60アンペア/dm2、電圧1〜100
V、電解時間30秒〜50分の範囲が適当である。これ
らの陽極酸化処理の内でも、とくに英国特許第1,41
2,768号明細書に記載されている硫酸中で高電流密
度で陽極酸化する方法および米国特許第3,511,6
61号明細書に記載されているリン酸を電解浴として陽
極酸化する方法が好ましい。
【0080】上記のように粗面化され、さらに陽極酸化
されたアルミニウム板は、必要に応じて親水化処理して
も良く、その好ましい例としては米国特許第2,71
4,066号及び同第3,181,461号に開示され
ているようなアルカリ金属シリケート、例えばケイ酸ナ
トリウム水溶液または特公昭36−22063号公報に
開示されているフッ化ジルコニウム酸カリウムおよび米
国特許第4,153,461号明細書に開示されている
ようなポリビニルホスホン酸で処理する方法がある。
【0081】有機下塗層;本発明の平版印刷版用原版
は、支持体上に記録層を塗設する前に有機下塗層を設け
ることが、非画像部の感光層残りを減らす上で好まし
い。かかる有機下塗層に用いられる有機化合物としては
例えば、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、
アラビアガム、2−アミノエチルホスホン酸などのアミ
ノ基を有するホスホン酸類、置換基を有してもよいフェ
ニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アルキルホスホ
ン酸、グリセロホスホン酸、メチレンジホスホン酸およ
びエチレンジホスホン酸などの有機ホスホン酸、置換基
を有してもよいフェニルリン酸、ナフチルリン酸、アル
キルリン酸およびグリセロリン酸などの有機リン酸、置
換基を有してもよいフェニルホスフィン酸、ナフチルホ
スフィン酸、アルキルホスフィン酸およびグリセロホス
フィン酸などの有機ホスフィン酸、グリシンやβ−アラ
ニンなどのアミノ酸類、およびトリエタノールアミンの
塩酸塩などのヒドロキシル基を有するアミンの塩酸塩な
どから選ばれ、これらを単独で用いるほか、二種以上混
合して用いてもよい。
【0082】その他ポリ(p−ビニル安息香酸)などの
構造単位を有する高分子化合物を用いることができる。
【0083】この有機下塗層は次のような方法で設ける
ことができる。即ち、水またはメタノール、エタノー
ル、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれら
の混合溶剤に上記の有機化合物を溶解させた溶液をアル
ミニウム板上に塗布、乾燥して設ける方法と、水または
メタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有
機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に上記の有機化合物を
溶解させた溶液に、アルミニウム板を浸漬して上記有機
化合物を吸着させ、しかる後、水などによって洗浄、乾
燥して有機下塗層を設ける方法である。前者の方法で
は、上記の有機化合物の0.005〜10重量%の濃度
の溶液を種々の方法で塗布できる。例えば、バーコータ
ー塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布などい
ずれの方法を用いてもよい。また、後者の方法では、溶
液の濃度は0.01〜20重量%、好ましくは0.05
〜5重量%であり、浸漬温度は20〜90℃、好ましく
は25〜50℃であり、浸漬時間は0.1秒〜20分、
好ましくは2秒〜1分である。
【0084】これに用いる溶液は、アンモニア、トリエ
チルアミン、水酸化カリウムなどの塩基性物質や、塩
酸、リン酸などの酸性物質によりpHを調節し、pH1
〜12の範囲で使用することもできる。また、平版印刷
版用原版の調子再現性改良のために黄色染料を添加する
こともできる。有機下塗層の乾燥後の被覆量は、2〜2
00mg/m2が適当であり、好ましくは5〜100mg/m2
ある。上記の被覆量が2mg/m2より少ないと十分な耐刷
性能が得られない。また、200mg/m2より大きくても
同様である。
【0085】バックコート:支持体の裏面には、必要に
応じてバックコートが設けられる。かかるバックコート
としては特開平5−45885号公報記載の有機高分子
化合物および特開平6−35174号公報記載の有機ま
たは無機金属化合物を加水分解および重縮合させて得ら
れる金属酸化物からなる被覆層が好ましく用いられる。
これらの被覆層のうち、Si(OCH3)4、Si(OC2
5)4、Si(OC37)4、Si(OC49)4などのケイ素
のアルコキシ化合物が安価で入手し易く、それから得ら
れる金属酸化物の被覆層が親水性に優れており特に好ま
しい。以上のようにして、本発明の平版印刷版用原版を
作製することができる。
【0086】この平版印刷版用原版は、例えば、熱記録
(感熱)ヘッド等により直接画像様に感熱記録を施され
たり、あるいは、波長760nm〜1200nmの赤外線を
放射する固体レーザーまたは半導体レーザーにより画像
露光される。本発明においては、感熱記録後またはレー
ザー照射後に水現像し、さらに必要であればガム引きを
行ったのち、印刷機に版を装着し印刷を行うか、あるい
は、感熱記録またはレーザー照射後ただちに印刷機に版
を装着し印刷を行っても良いが、ともに感熱記録後また
はレーザー照射後に加熱処理を行うことが好ましい。加
熱処理の条件は、80℃〜150℃の範囲内で10秒〜
5分間行うことが好ましい。この加熱処理により、感熱
記録時またはレーザー照射時、記録に必要な熱またはレ
ーザーエネルギーを減少させることができる。
【0087】上記の様な画像記録や加熱処理が施された
平版印刷版用原版は水現像されるかあるいはそのままオ
フセット印刷機等にかけられ、多数枚の印刷に用いられ
る。なお、本発明の平版印刷版用原版を感熱ヘッド等に
より感熱記録する場合には、前述した赤外線吸収剤を記
録層中に含有していなくても良い。この場合に用いられ
る感熱ヘッドとしては特に限定されないが、ワードプロ
セッサーの様な簡単でコンパクトな感熱プリンタあるい
は感熱ファクシミリ等が挙げられる。
【0088】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。 〔支持体の作製〕厚さ0.30mmのアルミニウム板
(材質1050)をトリクロロエチレン洗浄して脱脂し
た後、ナイロンブラシと400メッシュのバミストン−
水懸濁液を用いてその表面を砂目立てし、水でよく洗浄
した。この板を45℃の25%水酸化ナトリウム水溶液
に9秒間浸漬してエッチングを行い、水洗後、さらに2
%HNO3 に20秒間浸漬して水洗した。この時の砂目
立て表面のエッチング量は約3g/m2 であった。次に
このアルミニウム板を7%H2 SO4 を電解液として電
流密度15A/dm2 で3g/m2 の直流陽極酸化皮膜
を設けた後、水洗乾燥した。
【0089】(実施例1〜4)下記溶液(A)におい
て、本発明におけるスルホン酸基を有するポリマーの種
類を表3の通り変えて、4種類の溶液を調製し、この溶
液をそれぞれ、上記の処理済みのアルミニウム板に塗布
し、100℃で2分間乾燥して平版印刷版用原版(A−
1)〜(A−4)を得た。乾燥後の重量は1.3g/m
2 であった。
【0090】 溶液(A) スルホン酸基を有するポリマー(表3) 1.0 g ハイミクロンKブラック 0.30 g (御国色素(株)製) 水 18 g アセトニトリル 9 g
【0091】得られた平版印刷版用原版(A−1)〜
(A−4)を波長830nmの赤外線を発する半導体レ
ーザで露光し、その後、現像することなく、ハイデルK
OR−D機で印刷した。印刷後、印刷物の画像部にイン
クが十分着肉しているかどうかの評価を行った。印刷時
の着肉性は1000枚印刷時及び20000枚印刷時の
着肉性をみた。結果を表3に示す。いずれも画像部にイ
ンクの着肉が良好な印刷物が得られた。
【0092】(比較例1)実施例1〜4で用いたスルホ
ン酸基を有するポリマーのかわりにポリアクリル酸を用
い、それ以外は実施例1〜4と同様にして平版印刷版用
原版(C−1)を得た。これを印刷時における湿し水に
pH8.8(水84.7%、イソプロパノール10%、
トリエチルアミン5%、濃塩酸0.3%)のアルカリ湿
し水を用いたこと以外は実施例1〜4と同様の条件で製
版処理し、印刷した。結果を表3に示す。画像部のイン
クの着肉性は悪く、印刷物は得られなかった。
【0093】
【表3】
【0094】(実施例5〜8、比較例2)前記溶液
(A)において、スルホン酸基を有するポリマーを、表
4に示す通りのポリマーの種類に変えて5種類の溶液を
調製し、この溶液をそれぞれ、実施例1〜4で用いたも
のと同様の処理済みのアルミニウム板に塗布し、100
℃で2分間乾燥して平版印刷版用原版(A−5)〜(A
−8)および(C−2)を得た。乾燥後の重量は1.2
g/m2 であった。
【0095】
【表4】
【0096】得られた平版印刷版用原版(A−5)〜
(A−8)および(C−2)を、波長830nmの赤外
線を発する半導体レーザを用い、出力一定で走査速度を
変えて露光した。尚、この時の版面トータル出力は16
9mW、ビーム半径(1/e2)は12μmであった。
露光前後で空中水滴接触角を測定した。なお、平版印刷
版用原版(C−2)の空中水滴接触角の測定について
は、水ではなく、比較例1に記載のpH8.8の湿し水
を用いた。結果を表5に示す。平版印刷版用原版(A−
5)〜(A−8)では、走査速度が速くなっても接触角
の増加はみられ、露光エネルギーが小さくても親水性−
疎水性のディスクリミネーションがつくことを示してい
る。これに対し平版印刷版用原版(C−2)は、露光エ
ネルギーを変えても親水性−疎水性のディスクリミネー
ションがつかなかった。
【0097】
【表5】
【0098】(実施例9〜12)次に、前記溶液(A)
において、スルホン酸基を有するポリマーの種類を表6
の通りかえて、4種類の溶液を調製し、この溶液を調製
し、この溶液を上記の処理済みのアルミニウム板に塗布
し、100℃で2分間乾燥して平版印刷版用原版(A−
9)〜(A−12)を得た。乾燥後の重量は1.2g/
2 であった。得られた平版印刷版用原版(A−9)〜
(A−12)を、温度40℃、湿度70%の高温高湿条
件下で3日間保存した後、波長830nmの赤外線を発
する半導体レーザで露光し、その後、現像することな
く、ハイデルKOR−D機で印刷した。
【0099】印刷後、印刷物の非画像部の汚れ性をみ
た。非画像部の汚れ性は1000枚印刷時および200
00枚印刷時の汚れで評価した。結果を表6に示す。い
ずれも非画像部に汚れのない良好な印刷物が得られた。
【0100】
【表6】
【0101】(実施例13〜16)下記溶液(B)にお
いて、本発明におけるスルホン酸基を有するポリマーの
種類を表7に示す通り変えて、4種類の溶液を調製し、
この溶液を上記の処理済みのアルミニウム板に塗布し、
100℃で2分間乾燥して平版印刷版用原版(B−1)
〜(B−4)を得た。乾燥後の重量は1.1g/m2
あった。
【0102】 溶液(B) スルホン酸基を有するポリマー(表7) 1.0 g 水 18 g アセトニトリル 9 g
【0103】得られた平版印刷版用原版(B−1)〜
(B−4)をワードプロセッサー「書院」(シャープ社
製)を用いてサーマルヘッドで印字し、実施例1〜4と
同様の印刷機を用いて評価を行った。結果を表7に示
す。1000枚印刷時及び20000枚印刷時において
も画像部にインクの着肉が良好で非画像部に汚れのない
印刷物が得られた。
【0104】(比較例3)実施例13〜16で用いたス
ルホン酸基を有するポリマーの代わりにポリアクリル酸
を用い、それ以外は実施例13〜16と同様にして平版
印刷版用原版(C−3)を得た。これを実施例13〜1
6と同様の条件で製版処理し、印刷した。結果を表7に
示す。
【0105】
【表7】
【0106】表3、5、6及び7から明かなように、本
発明にかかわる各実施例の平版印刷版用原版から得られ
た平版印刷版は、画像部の着肉性(耐刷性)及び印刷汚
れについて、それぞれ満足すべき結果を得たが、比較例
3の平版印刷版用原版から得られた平版印刷版は、印刷
汚れ及び着肉性において不満足なものであった。
【0107】
【発明の効果】以上に示したように、本発明の平版印刷
版の作成方法は、支持体上に側鎖にスルホン酸基を有す
る線状高分子化合物を含有する層を有する平版印刷版用
原版を用いることにより、短時間での走査露光、即ち、
低エネルギーのヒートモード露光による書き込みが可能
であり、画像部の強度(着肉性)、汚れ性に優れた平版
印刷版を製造することのできるものである。さらに本発
明の平版印刷版用原版は、支持体上に側鎖にスルホン酸
基を有する線状高分子化合物を含有する層を有すること
により、現像処理を必ずしも必要としなく、また、保存
安定性にも優れたものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に側鎖にスルホン酸基を有する
    線状高分子化合物を含有する層を有する感熱性平版印刷
    版用原版の上記層に画像状に熱を与えた後、水で現像す
    ることを特徴とする平版印刷版の作成方法。
  2. 【請求項2】 親水性表面を有する支持体上に、下記一
    般式(1)で表される官能基を側鎖に有する線状高分子
    化合物を含有する層を有することを特徴とする平版印刷
    版用原版。 【化1】 (式中、Xは−CO−、−SO−、−SO2−および4
    族から6族の元素からなる群から選択され、−L−は2
    価の連結基を表し、R1 、R2 はそれぞれ同じでも異な
    っていてもよい1価の基を表す。)
  3. 【請求項3】 前記線状高分子化合物を含有する層に、
    さらに光熱変換物質を含有することを特徴とする請求項
    2記載の平版印刷版用原版。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007528807A (ja) * 2003-07-08 2007-10-18 コダック ポリクロウム グラフィクス リミティド ライアビリティ カンパニー 硫酸化ポリマーを含んで成る画像形成可能要素
CN106478463A (zh) * 2015-08-25 2017-03-08 中国石油化工股份有限公司 一种耐温抗盐单体和聚合物及其制备方法和应用

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