JP2000190648A - 平版印刷版用原板 - Google Patents

平版印刷版用原板

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JP2000190648A
JP2000190648A JP37378198A JP37378198A JP2000190648A JP 2000190648 A JP2000190648 A JP 2000190648A JP 37378198 A JP37378198 A JP 37378198A JP 37378198 A JP37378198 A JP 37378198A JP 2000190648 A JP2000190648 A JP 2000190648A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】短時間での走査露光ののちに現像処理を行うこ
となく直接に印刷機に装着して製版することが可能であ
り、画像層の支持体近傍での熱エネルギー不足による残
膜が生じない、したがって印刷面上の印刷汚れの少ない
ヒートモード型の平版印刷版用原板を提供する。 【解決手段】シロキサン結合及びシラノール基を有する
樹脂と、遷移金属化合物とを含有する皮膜を基板上に設
けた平版印刷版用原板。また、300〜1200nmの
分光波長領域中に吸光度が0.3以上の分光吸収領域を
有する上記の皮膜の上に、加熱により疎水性から親水性
に変化する官能基を側鎖に有する疎水性高分子化合物を
含有する層を設けた平版印刷版用原板。遷移金属化合物
としてはコバルト、プラセオジム、鉄及びマンガン化合
物が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は親水性表面を有する
支持体上に、疎水性(以下、親油性ともいう)の層(画
像形成層)を有するポジ型の平版印刷用原板に関する。
より詳しくは、ディジタル信号に基づいた走査露光によ
る製版が可能であり、且つ水現像可能な、または現像す
ることなしにそのまま印刷機に装着し印刷することが可
能な平版印刷版用原板及びその平版印刷版用原板を用い
た平版印刷版の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、平版印刷版は、印刷過程でイン
クを受容する親油性の画像部と湿し水を受容する親水性
の非画像部とからなる。このような平版印刷版用原板と
しては、従来、親水性支持体上に、親油性の感光性樹脂
層を設けたPS版が広く用いられる。その製版方法とし
て、通常は、リスフイルムの画像を通して露光を行った
後、非画像部を現像液によって溶解除去する方法であ
り、この方法により所望の印刷版を得ていた。近年、画
像情報をコンピュータを用いて電子的に処理、蓄積、出
力する、ディジタル化技術が広く普及してきており、こ
のような、ディジタル化技術に対応した、新しい画像出
力方式が種々実用されるようになっきている。これに伴
い、レーザ光のような指向性の高い輻射線にディジタル
化された画像情報を担持してこの光で原板を走査露光
し、リスフィルムを介することなく、直接印刷版を製造
するコンピュータ トゥ プレート技術が注目されてい
る。それに伴ってこの目的に適応した印刷版用原板を得
ることが重要な技術課題となっている。
【0003】他方、従来のPS版に於ける製版行程は、
露光の後、非画像部を溶解除去する操作が必要であり、
このような付加的な湿式の処理を不要化又は簡易化する
ことが、従来技術に対して改善が望まれてきたもう一つ
の課題である。特に近年は、地球環境への配慮から湿式
処理に伴って排出される廃液の処分が産業界全体の大き
な関心事となっている。処理の簡素化、乾式化、無処理
化は、このような環境面と、先述のディジタル化に伴っ
た工程の合理化の両方の観点から、従来にも増して、強
く望まれるようになっている。
【0004】このような観点から、従来の処理工程を必
要としない方法の一つとして次のような方法が提案され
ている。即ち、印刷版用原板の非画像部の除去を通常の
印刷過程の中で行えるような感光層を用い、現像工程を
行うことなく、露光後、印刷機上で現像し最終的な印刷
版を得る方式である。このような方法による平版印刷版
の製版方式は機上現像方式と呼ばれる。具体的方法とし
ては、例えば、湿し水やインク溶剤に可溶な感光層の使
用、印刷機中の圧胴やブランケット胴との接触による力
学的除去を行う方法等が挙げられる。しかしながら、機
上現像方式の大きな問題は、印刷用原板は露光後も、感
光層が定着されないため、例えば、印刷機に装着するま
での間、原板を完全に遮光状態又は恒温条件で保存す
る、といった手間のかかる方法をとる必要があった。
【0005】一方、走査露光による印刷版の製造法とし
て、最近、半導体レーザ、YAGレーザ等の固体レーザ
で高出力のものが安価に入手できるようになってきたこ
とから、特に、これらのレーザを用いる方法が有望視さ
れるようになっている。従来の、低〜中パワー密度の露
光を利用する感光材料は、画像記録が光化学反応によっ
てなされていたが、これらの高出力レーザを用いた高パ
ワー密度の露光を用いる場合には、露光領域に瞬間的な
露光時間の間に大量の光エネルギーが集中するため、光
エネルギーが効率的に熱エネルギーに変換され、熱が引
き起こす様々な現象を画像記録に利用できる。具体的に
は、化学変化の他、相変化、形態変化等の構造変化を利
用できる。通常、このような高パワー密度露光による発
熱を利用した記録方式はヒートモード記録と呼ばれる。
つまり、高パワー密度露光を用いると、感光材料に吸収
された光エネルギーは、熱に変換され、生じた熱によっ
て、所望の現象が引き起こされて画像が記録される。
【0006】このようなヒートモード記録方式の大きな
長所は、露光によって記録された画像の定着が必須では
ないことにある。つまり、ヒートモード感材の画像記録
に利用される現象は、普通の強度の光に対する暴露や、
普通の環境温度下では実質的に起こらないため、露光後
の画像の定着は必須ではない。従って、例えば、ヒート
モード露光により不溶化若しくは可溶化する感光層を用
い、露光した感光層を像様に除去して印刷版とする製版
工程を機上現像方式で行えば、現像(非画像部の除去)
は、画像露光後、たとえ任意の時間、環境光に暴露され
ても、画像が影響を受けない印刷システムが可能であ
る。従ってヒートモード記録を利用すれば、機上現像方
式に望ましい平版印刷版用原板を得ることも可能となる
と期待される。
【0007】ヒートモード記録に基づく平版印刷版の好
ましい製造法の一つとして、親水性の支持体上に疎水性
の画像形成層を設け、画像状にヒートモード露光し、疎
水性層の溶解性・分散性を変化させ、必要に応じ、湿式
現像により非画像部を除去する方法が提案されている。
このような原板の例として、例えば、特公昭46ー27
919号には、親水性支持体上に、熱により溶解性が向
上しいわゆるポジ作用を示す記録層、具体的には糖類や
メラミンホルムアルデヒド樹脂等の特定の組成を有する
記録層を設けた原板をヒートモード記録することによっ
て、印刷版を得る方法が開示されている。
【0008】しかしながら、開示された記録層はいずれ
も感熱性が十分でないため、ヒートモード走査露光に対
しては、感度がはなはだ不十分であった。また、露光前
後の疎水性/親水性のディスクリミネーション、即ち、
溶解性の変化が小さいことも、実用上問題であった。デ
ィスクリミネーションが乏しければ、機上現像方式の製
版を行うことは実質的に困難である。
【0009】また、従来のヒートモードポジ方式原板に
は別の大きな問題として非画像部における残膜と呼ばれ
る現象がある。即ち、記録層中の支持体近傍での露光に
よる溶解性変化が、記録層表面近傍に比較して小さいた
めに支持体近傍の膜物質が溶解し去らないで残るという
欠陥が起こりがちで、その点の改良が必要であった。一
般にヒートモードポジ型原板においては、ヒートモード
露光時の熱の発生は記録層中の光吸収剤の光吸収に基く
ものであるため、熱の発生量は記録層表面で大きく、支
持体近傍では小さいことが多い。このため、支持体近傍
での記録層の親水化の程度が比較的低くなってしまうも
のである。結果として、しばしば、本来、親水性表面を
提供すべき露光部において、疎水性の膜が除去されきれ
ずに残膜となることがあった。このような、非画像部の
残膜は、印刷物に印刷汚れを引き起こす。特に、印刷適
性上好ましい、アルミニウムのような熱伝導性の高い金
属支持体を用いた場合、熱拡散によって、一層、支持体
近傍での温度上昇が妨げられるため、残膜の問題は顕著
である。支持体付近でも十分な親水性を得るためには、
極端に大きな露光エネルギーを与えるか、若しくは露光
後の加熱といった後処理を実施する必要があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、短時
間での走査露光ののちに現像処理を行うことなく直接に
印刷機に装着して製版することが可能であり、画像層の
支持体近傍での熱エネルギー不足による残膜が生じな
い、したがって印刷面上の印刷汚れの少ないヒートモー
ド型の平版印刷版用原板を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、シロキサン
結合及びシラノール基を有する樹脂に吸光性物質を介在
させるとこの樹脂の親水性から疎水性への変化に対する
光感度が増加すること、さらに隣接層中に熱によって物
性が変化する物質があれば、その物性変化の光感度も増
加することを見いだし、これらの発見に基づいてヒート
モード型の前記の弱点の解決を図ることに鋭意努めた結
果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、
以下の通りである。
【0012】1.シロキサン結合及びシラノール基を有
する樹脂と、遷移金属化合物とを含有する皮膜を基板上
に設けたことを特徴とする平版印刷版用原板。
【0013】2.シロキサン結合及びシラノール基を有
する樹脂と、遷移金属化合物とを含有し、かつ300〜
1200nmの分光波長領域中に吸光度が0.3以上の
分光吸収域を有する皮膜を基板上に設けたことを特徴と
する請求項1に記載の平版印刷版用原板。
【0014】3.シロキサン結合及びシラノール基を有
する樹脂と、遷移金属化合物とを含有する皮膜の上に、
加熱により疎水性から親水性に変化する官能基を側鎖に
有する疎水性高分子化合物を含有する層を設けたことを
特徴とする上記1又は2に記載の平版印刷版用原板。
【0015】4.上記1〜3のいずれか1項に記載の平
版印刷版用原板に露光時間が10-4秒以下の短時間の像
様露光を行って印刷用の画像を形成することを特徴とす
る平版印刷方法。
【0016】5.700〜1200nmの分光波長域に
極大分光エネルギーを有する輻射線によって像様露光を
行うことを特徴とする上記4に記載の平版印刷方法。
【0017】本発明の第1の形態は、皮膜そのものが画
像形成層でもある形態である。この形態では、画像形成
層はシロキサン結合及びシラノール基を有する樹脂を含
有した皮膜である。この層は、直接の熱の作用又は光・
熱変換性の光の照射による熱の作用によって2つのシラ
ノール結合の間の縮合反応が起こって親水性基を失い、
その結果親水性から疎水性に変化する。この感熱(又は
感光)反応の感度は、元来は印刷原板用としては不十分
であって満足な印刷品質が得られなかった。しかし、本
発明では、遷移金属化合物をこの皮膜中に含ませること
によって、光・熱変換効果が機能するようになり、親水
性から疎水性への変化の感度が向上し、画像部と非画像
部との識別性に優れた実用的な印刷原板が得られるに至
った。
【0018】本発明の第2の形態は、上記した皮膜の上
に加熱により疎水性から親水性に変化する官能基を側鎖
に有する疎水性高分子化合物を含有する層を設けた形態
である。この形態の印刷原板では、シロキサン結合及び
シラノール基を有する樹脂と、遷移金属化合物とを含有
する皮膜は、その上に設けられた画像形成層の疎水性か
ら親水性へ変化させる反応の感度をも増加させることが
見いだされた。その結果、極性変化が画像形成層の深部
にも及ぶので残膜がなく、したがって画像部と非画像部
との識別性が顕著に改善された実用的な印刷原板が得ら
れる
【0019】したがって本発明の印刷原板の第1の形態
では、光・熱変換性の光照射によって原板表面は親水性
から疎水性に変化し、本発明の印刷原板の第2の形態で
は、光・熱変換性の光照射によって原板表面は疎水性か
ら親水性に変化する。つまり、光に対する画像のネガ・
ポジ関係は逆になる。しかし、いずれの形態においても
シロキサン結合及びシラノール基を有する樹脂と遷移金
属化合物を含有する皮膜によって光・熱変換作用が増幅
されるという共通の機構によって感度の増加と識別性の
向上が得られたものと考えられる。さらに第2の形態の
場合には、この機構に加えて、シロキサン結合及びシラ
ノール基を含有する樹脂を含む皮膜の断熱効果によって
発生した熱の逃散が防止されることも寄与しているもの
と考えられる。
【0020】なおこの皮膜は、光・熱変換作用が効果的
に起るのに必要なレベルの光吸収能を有している必要が
ある。その必要な光吸収能は、300〜1200nmの
分光波長領域中に吸光度が0.3以上の分光吸収域を有
することであるが、具体的にはこの波長域に吸光度が
0.3以上の吸収極大を有するか、又はこの波長域に吸
収極大を有しなくても吸光度が0.3以上の連続した1
00nm以上の分光波長域が存在していることを意味す
る。この光吸収能の条件を満たしておれば、この吸光波
長域に相当する波長の像様露光を行うことによって感光
度が増大して識別性が向上する。
【0021】遷移金属化合物の中でも、マンガン化合
物、コバルト化合物、プラセオジム化合物及び鉄化合物
は、とくに本発明の感光度増大効果と識別性増大効果が
大きく、好ましく用いることができる。光・熱変換効果
は、一般的に熱の発生速度とその熱の逃散速度との競争
関係に依存しており、熱の逃散速度が遅いほど発生熱の
局部蓄積が起こって高温が得られる。したがって本発明
は、高照度光による短時間の像様露光の場合に適してお
り、とくに露光時間が10-4秒以下の短時間であること
がよい。中でもレーザー光による走査方式の露光が本発
明に適している。
【0022】本発明の印刷原板を用いる印刷版の製作に
用いる光源は、本発明の印刷原板と組み合わせて光・熱
変換効果が発揮できる光源であれば、可視域、紫外線領
域、赤外線領域のいずれであってもよいが、とくに70
0〜1200nmの分光波長域に極大分光エネルギーを
有する輻射線であることが有利である。
【0023】本発明の前記した形態2に用いられる熱に
より疎水性から親水性に変化する疎水性高分子化合物の
極性変換官能基として、下記一般式(1)〜(5)で表
される官能基が、感熱性に優れるうえ、極性変換後の親
水性が高いため、非常に好適である。
【0024】
【化1】
【0025】(式中、Lは非金属原子から成る多価の連
結基を表し、R2はアルキル基、アリール基、アルケニ
ル基、アルキニル基又は環状イミド基を表し、R3、R4
はアルキル基、アリール基、アルケニル基又はアルキニ
ル基を表し、R5はアルキル基、アリール基、アルケニ
ル基、アルキニル基又は−SO2−R12を表し、R6、R
7及びR8はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基、ア
ルケニル基又はアルキニル基を表し、R9及びR10の内
の一方は水素、他方は水素、アルキル基、アリール基、
アルケニル基又はアルキニル基を表し、R11はアルキル
基、アルケニル基又はアルキニル基を表し、R12はアル
キル基、アリール基、アルケニル基又はアルキニル基を
表し、R6、R7及びR8の内の任意の2つもしくは3つ
で環を形成してもよく、R9とR11又はR10とR11で環
を形成してもよい。)
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明による平版印刷用原板の第1
の形態では、基板の上にシロキサン結合及びシラノール
基を有する樹脂と遷移金属化合物を含有する皮膜を有し
ており、第2の形態においてはさらにその皮膜の上に親
水性から疎水性に変化する官能基を有する極性変換高分
子化合物(以下、単に「極性変換高分子化合物」と呼
ぶ)を含有する層を有するものである。本明細書では、
皮膜や極性変換高分子化合物層を担持した部分を「基
板」と呼ぶこととする。また、第2の形態においては、
皮膜を設けた基板を「支持体」とよぶこともある。以
下、各要素について順次述べる。
【0027】〔基板〕基板には、寸度的に安定な板状物
が用いられる。本発明に用いることができる基板として
は、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金
属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅、ニッケル、ス
テンレス鋼等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢
酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロ
ース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セル
ロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、
ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポ
リビニルアセタール等)、上記の金属がラミネート又は
蒸着された紙もしくはプラスチックフィルム等が含まれ
る。
【0028】好ましい基板は、ポリエステルフィルム、
アルミニウム、又は印刷版上で腐食しにくいSUS鋼板
であり、その中でも寸法安定性がよく、比較的安価であ
るアルミニウム板が好ましい。好適なアルミニウム板
は、純アルミニウム板およびアルミニウムを主成分と
し、微量の異元素を含む合金板であり、更にアルミニウ
ムがラミネートもしくは蒸着されたプラスチックフィル
ムでもよい。アルミニウム合金に含まれる異元素には、
ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜
鉛、ビスマス、ニッケル、チタンなどがある。合金中の
異元素の含有量は高々10重量%以下である。本発明に
おいて特に好適なアルミニウムは、純アルミニウムであ
るが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困
難であるので、僅かに異元素を含有するものでもよい。
このように本発明に適用されるアルミニウム板は、その
組成が特定されるものではなく、従来より公知公用の素
材のアルミニウム板を適宜に利用することができる。本
発明で用いられる基板の厚みはおよそ0.05mm〜0.
6mm程度、好ましくは0.1mm〜0.4mm、特に好まし
くは0.15mm〜0.3mmである。
【0029】アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所
望により、表面の圧延油を除去するための例えば界面活
性剤、有機溶剤またはアルカリ性水溶液などによる脱脂
処理が行われる。アルミニウム板の表面の粗面化処理
は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗
面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法
および化学的に表面を選択溶解させる方法により行われ
る。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨
法、ブラスト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を用
いることができる。化学的方法としては、特開昭54−
31187号公報に記載されているような鉱酸のアルミ
ニウム塩の飽和水溶液に浸漬する方法が適している。ま
た、電気化学的な粗面化法としては塩酸または硝酸など
の酸を含む電解液中で交流または直流により行う方法が
ある。また、特開昭54−63902号に開示されてい
るように混合酸を用いた電解粗面化方法も利用すること
ができる。このような粗面化方法のうち、特に特開昭5
5−137993号公報に記載されているような機械的
粗面化と電気化学的粗面化を組合せた粗面化方法が、感
脂性画像の支持体への接着力が強いので好ましい。上記
の如き方法による粗面化は、アルミニウム板の表面の中
心線表面粗さ(Ha)が0.3〜1.0μmとなるよう
な範囲で施されることが好ましい。粗面化されたアルミ
ニウム板は必要に応じて水酸化カリウムや水酸化ナトリ
ウムなどの水溶液を用いてアルカリエッチング処理がさ
れ、さらに中和処理された後、所望により表面の保水性
や耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理が施される。
【0030】アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられ
る電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成する種々の電
解質の使用が可能で、一般的には硫酸、塩酸、蓚酸、ク
ロム酸あるいはそれらの混酸が用いられる。それらの電
解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。陽
極酸化の処理条件は、用いる電解質により種々変わるの
で一概に特定し得ないが、一般的には電解質の濃度が1
〜80重量%溶液、液温は5〜70℃、電流密度5〜6
0A/dm2、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分の
範囲であれば適当である。形成される酸化皮膜量は、
1.0〜5.0g/m2 、特に1.5〜4.0g/m2
であることが好ましい。陽極酸化皮膜の量は1.0g/m2
より少ないと耐刷性が不十分であったり、平板印刷版の
非画像部に傷が付き易くなって、印刷時に傷の部分にイ
ンキが付着するいわゆる「傷汚れ」が生じ易くなる。
【0031】これらの陽極酸化処理の内でも、とくに英
国特許第1,412,768号公報に記載されている硫
酸中で高電流密度で陽極酸化する方法及び米国特許第
3,511,661号公報に記載されている燐酸を電解
浴として陽極酸化する方法が好ましい。
【0032】上記の好ましくは粗面化され、更に陽極酸
化されたアルミニウム板は、必要に応じて親水化処理し
ても良く、その好ましい例としては米国特許第2,71
4,066号及び同第3,181,461号公報に開示
されているようなアルカリ金属シリケート、例えば珪酸
ナトリウム水溶液又は特公昭36−22063号公報に
開示されている弗化ジルコニウム酸カリウム及び米国特
許第4,153,461号公報に開示されているような
ポリビニルホスホン酸で処理する方法がある。
【0033】〔皮膜〕以上で基板の説明を終わり、次に
基板上に設けられていて、シロキサン結合およびシラノ
ール基を有する樹脂と遷移金属化合物とを含有する皮膜
について説明する。はじめに、シロキサン結合およびシ
ラノール基を有する樹脂(以後、シロキサン系樹脂とも
呼ぶ)について説明する。本発明の平版印刷版用原版の
画像記録層に含有されるシロキサン系樹脂は、シロキサ
ン結合およびシラノール基を有し、画像記録層としての
適度な強度と表面の親水性を付与するものであれば、特
に限定されないが、下記一般式(I)で示されるものが
挙げられる。
【0034】
【化2】
【0035】上記一般式(I)のシロキサン系樹脂は、
下記一般式(II)で示されるシラン化合物の少なくとも
1種を含有する分散液からゾル−ゲル変換によって形成
され、一般式(I)中のR01〜R03の少なくとも一つは
水酸基を表し、他は下記一般式(II)中の記号のR0
びYから選ばれる有機残基を表わす。
【0036】一般式(II) (R0nSi(Y)4-n 一般式(II)中、R0の、少なくとも一つは水酸基を表
し、その他は、炭化水素基又はヘテロ環基を表わす。Y
は水素原子、ハロゲン原子、−OR1、−OCOR2、又
は、−N(R3)(R4)を表す(R1、R2は、各々炭化
水素基を表し、R3、R4は同じでも異なってもよく、水
素原子又は炭化水素基を表す)。nは1、2又は3を表
わす。
【0037】好ましくは、一般式(II)中のR0は水酸
基であるが、水酸基以外としては、炭素数1〜12の置
換されてもよい直鎖状もしくは分岐状のアルキル基(例
えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニ
ル基、デシル基、ドデシル基等;これらの基に置換され
る基としては、ハロゲン原子(塩素原子、フッ素原子、
臭素原子)、ヒドロキシ基、チオール基、カルボキシ
基、スルホ基、シアノ基、エポキシ基、−OR′基
(R′は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ヘプチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、
プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、オクテニル
基、2−ヒドロキシエチル基、3−クロロプロピル基、
2−シアノエチル基、N,N−ジメチルアミノエチル
基、2−ブロモエチル基、2−(2−メトキシエチル)
オキシエチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、3
−カルボキシプロピル基、ベンジル基等を示す)、
【0038】−OCOR″基(R″は、前記R′と同一
の内容を表わす)、−COOR″基、−COR″基、−
N(R''')( R''' )(R''' は、水素原子又は前記
R′と同一の内容を表わし、各々同じでも異なってもよ
い)、−NHCONHR″基、−NHCOOR″基、−
Si(R″)3 基、−CONHR''' 基、−NHCO
R″基、等が挙げられる。これらの置換基はアルキル基
中に複数置換されてもよい)、炭素数2〜12の置換さ
れてもよい直鎖状又は分岐状のアルケニル基(例えば、
ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、
ヘキセニル基、オクテニル基、デセニル基、ドデセニル
基等、これらの基に置換される基としては、前記アルキ
ル基に置換される基と同一の内容のものが挙げられ
る)、炭素数7〜14の置換されてもよいアラルキル基
(例えば、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプ
ロピル基、ナフチルメチル基、2−ナフチルエチル基
等;これらの基に置換される基としては、前記アルキル
基に置換される基と同一の内容のものが挙げられ、又複
数置換されてもよい)、
【0039】炭素数5〜10の置換されてもよい脂環式
基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、2
−シクロヘキシルエチル基、2−シクロペンチルエチル
基、ノルボニル基、アダマンチル基等、これらの基に置
換される基としては、前記アルキル基の置換基と同一の
内容のものが挙げられ、又複数置換されてもよい)、炭
素数6〜12の置換されてもよいアリール基(例えばフ
ェニル基、ナフチル基で、置換基としては前記アルキル
基に置換される基と同一の内容のものが挙げられ、又、
複数置換されてもよい)、又は、窒素原子、酸素原子、
イオウ原子から選ばれる少なくとも1種の原子を含有す
る縮環してもよいヘテロ環基(例えば該ヘテロ環として
は、ピラン環、フラン環、チオフェン環、モルホリン
環、ピロール環、チアゾール環、オキサゾール環、ピリ
ジン環、ピペリジン環、ピロリドン環、ベンゾチアゾー
ル環、ベンゾオキサゾール環、キノリン環、テトラヒド
ロフラン環等で、置換基を含有してもよい。置換基とし
ては、前記アルキル基中の置換基と同一の内容のものが
挙げられ、又複数置換されてもよい)を表わす。
【0040】好ましくはYは、ハロゲン原子(フッ素原
子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表わす)、−
OR1基、−OCOR2基又は−N(R3)(R4)基を表
わす。−OR1基において、R1は炭素数1〜10の置換
されてもよい脂肪族基(例えば、メチル基、エチル基、
プロピル基、ブトキシ基、ヘプチル基、ヘキシル基、ペ
ンチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、プロペニ
ル基、ブテニル基、ヘプテニル基、ヘキセニル基、オク
テニル基、デセニル基、2−ヒドロキシエチル基、2−
ヒドロキシプロピル基、2−メトキシエチル基、2−
(メトキシエチルオキソ)エチル基、2−(N,N−ジ
エチルアミノ)エチル基、2−メトキシプロピル基、2
−シアノエチル基、3−メチルオキサプロピル基、2−
クロロエチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル
基、シクロオクチル基、クロロシクロヘキシル基、メト
キシシクロヘキシル基、ベンジル基、フェネチル基、ジ
メトキシベンジル基、メチルベンジル基、ブロモベンジ
ル基等が挙げられる)を表わす。
【0041】−OCOR2基において、R2は、R1と同
一の内容の脂肪族基又は炭素数6〜12の置換されても
よい芳香族基(芳香族基としては、前記R中のアリール
基で例示したと同様のものが挙げられる)を表わす。又
−N(R3)(R4)基において、R3、R4は、互いに同
じでも異なってもよく、各々、水素原子又は炭素数1〜
10の置換されてもよい脂肪族基(例えば、前記の−O
1基のR1と同様の内容のものが挙げられる)を表わ
す。より好ましくは、R1とR2の炭素数の総和が16個
以内である。一般式(II)で示されるシラン化合物の具
体例としては、以下のものが挙げられるが、これに限定
されるものではない。
【0042】メチルトリクロルシラン、メチルトリブロ
ムシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエト
キシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチル
トリt−ブトキシシラン、エチルトリクロルシラン、エ
チルトリブロムシラン、エチルトリメトキシシラン、エ
チルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシ
ラン、エチルトリt−ブトキシシラン、n−プロピルト
リクロルシラン、n−プロピルトリブロムシラン、n−
プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキ
シシラン、n−プロピルトリイソプロポキシシラン、n
−プロピルトリt−ブトキシシラン、n−ヘキシルトリ
クロルシラン、n−ヘキシルトリブロムシラン、n−へ
キシルトリメトキシシラン、n−へキシルトリエトキシ
シラン、n−へキシルトリイソプロポキシシラン、n−
へキシルトリt−ブトキシシラン、n−デシルトリクロ
ルシラン、n−デシルトリブロムシラン、n−デシルト
リメトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、n
−デシルトリイソプロポキシシラン、n−デシルトリt
−ブトキシシラン、n−オクタデシルトリクロルシラ
ン、n−オクタデシルトリブロムシラン、n−オクタデ
シルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリエトキ
シシラン、n−オクタデシルトリイソプロポキシシラ
ン、n−オクタデシルトリt−ブトキシシラン、
【0043】フェニルトリクロルシラン、フェニルトリ
ブロムシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニル
トリエトキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラ
ン、フェニルトリt−ブトキシシラン、テトラクロルシ
ラン、テトラブロムシラン、テトラメトキシシラン、テ
トラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テ
トラブトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、ジ
メチルジクロルシラン、ジメチルジブロムシラン、ジメ
チルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジ
フェニルジクロルシラン、ジフェニルジブロムシラン、
ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシ
ラン、フェニルメチルジクロルシラン、フェニルメチル
ジブロムシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フ
ェニルメチルジエトキシシラン、トリエトキシヒドロシ
ラン、トリブロムヒドロシラン、トリメトキシヒドロシ
ラン、イソプロポキシヒドロシラン、トリt−ブトキシ
ヒドロシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリブ
ロムシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエ
トキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニ
ルトリt−ブトキシシラン、トリフルオロプロピルトリ
クロルシラン、トリフルオロプロピルトリブロムシラ
ン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフ
ルオロプロピルトリエトキシシラン、
【0044】トリフルオロプロピルトリイソプロポキシ
シラン、トリフルオロプロピルトリt−ブトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルトリt−ブトキシシラン、γ−メタア
クリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタ
アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メ
タアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタ
アクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−
メタアクリロキシプロピルトリt−ブトキシシラン、γ
−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノ
プロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシ
シラン、γ−アミノプロピルトリイソプロポキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリt−ブトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メル
カプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリイ
ソプロポキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリt−
ブトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等が挙げ
られる。
【0045】本発明の画像記録層形成に用いる一般式
(II)で示されるシラン化合物とともに、Ti、Zn、
Sn、Zr、Al等のゾル−ゲル変換の際に樹脂に結合
して成膜可能な金属化合物を併用することができる。用
いられる金属化合物として、例えば、Ti(OR″)4
(R″はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、
ペンチル基、ヘキシル基等)、TiCl4、Zn(O
R″)2、Zn(CH3COCHCOCH32、Sn(O
R″)4、Sn(CH3COCHCOCH34、Sn(O
COR″)4、SnCl4、Zr(OR″)4、Zr(C
3COCHCOCH34、Al(OR″)3等が挙げら
れる。
【0046】(遷移金属化合物)皮膜中には、ゾル−ゲ
ル変換の際にシラン化合物と結合して樹脂に取り込まれ
て成膜可能な上記したTi、Zn、Sn、Zr、Al等
の金属化合物のほかに、必ずしもシラン化合物と結合し
なくてもよい遷移金属化合物を含んでいる。これらの遷
移金属化合物について説明する。
【0047】本発明には、原子番号21〜30のスカン
ジウムから亜鉛、原子番号39〜48のイットリウムか
らカドミウム、原子番号72〜80のハフニウムから水
銀、原子番号57〜71のランタノイド系希土類金属な
どの任意の遷移金属の化合物を用いることができる。な
お、一般に亜鉛、カドミウム、水銀は、電子殻が採りう
る構造が多いので遷移金属に含ませる場合と含ませない
場合があるが、本発明ではこれらの元素も本発明の効果
が認められるので、遷移金属に含めている。
【0048】遷移金属化合物は、輻射線エネルギーを吸
収して熱エネルギーに変換し、その熱作用が親水性と疎
水性の間の物性変化に利用されて、印刷原板の感光度増
大効果と識別性増大効果の発揮に寄与する。したがっ
て、遷移金属化合物は光・熱変換作用を効果的に発現す
るのに必要な添加量を皮膜中に安定に存在できる必要が
ある。
【0049】この必要条件から、上記の遷移金属化合物
の中でも好ましく用いることのできる化合物は、チタ
ン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニ
ッケル、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブ
デン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、銀、プラ
セオジム、サマリウム、ユーロピウム、イッテリビウ
ム、ビスマス、錫、亜鉛、セリウム、ランタン及びネオ
ジムの金属化合物であり、中でもマンガン化合物、鉄化
合物、プラセオジム化合物及びコバルト化合物は、とく
に本発明の感光度増大効果と識別性増大効果が大きく、
より好ましい。
【0050】光・熱変換作用が効果的に起るのに必要な
レベルの光吸収能は、300〜1200nmの分光波長
領域中に吸光度が0.3以上の分光吸収域を有すること
であるが、具体的にはこの波長域に吸光度が少なくとも
0.3の吸収極大を有するか、又はこの波長域に吸収極
大を有しなくても吸光度が0.3以上の連続した100
nm以上の分光波長域が存在していることを意味する。
この光吸収能の条件を満たしておれば、この吸光波長域
に相当する波長の像様露光を行うことによって感光度が
増大して識別性が向上する。
【0051】上記の遷移金属化合物は、酢酸塩、しゅう
酸塩などのカルボン酸塩、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、オ
キシ塩化物、塩酸塩などの形で用いることができる。ま
た、皮膜中に取り込まれて安定に存在するかぎり、ヘキ
サシアノ錯塩、ペンタシアノアコ錯塩、アンミン錯塩、
ニトロアンミン錯塩などの無機金属錯塩や金属フタロシ
アニンなどの有機金属錯塩の形の遷移金属化合物も用い
ることができる。好ましく用いることのできる代表的な
化合物を以下に例示する。
【0052】しゅう酸塩としては、しゅう酸亜鉛、しゅ
う酸カリウムチタン、しゅう酸コバルト(II)、しゅう
酸すず(II)、しゅう酸セリウム(II)、しゅう酸セリ
ウム(III)、しゅう酸鉄(II)、しゅう酸チタンカリ
ウム、しゅう酸鉄(III)アンモニウム、しゅう酸銅、
しゅう酸ニッケル(II)、しゅう酸マンガン(II)、し
ゅう酸ランタン。
【0053】酢酸塩としては、酢酸亜鉛、酢酸イットリ
ウム、酢酸カドミウム、酢酸銀、酢酸クロム(III)、
酢酸コバルト(II)、酢酸すず(II)、酢酸セリウム
(III)、酢酸銅(II)、酢酸鉛(II)、酢酸鉛(II
I)、酢酸ニッケル(II)、酢酸パラジウム(II)、酢
酸マンガン(II)、酢酸マンガン(III)、酢酸ロジウ
ム。
【0054】硝酸塩としては、硝酸亜鉛、硝酸アンモニ
ウムセリウム(IV)、硝酸アンモニウムセリウム(II
I)、硝酸イッテルビウム、硝酸イットリウム、硝酸イ
ンジウム(III)、硝酸カドミウム、硝酸銀、硝酸クロ
ム(III)、硝酸コバルト、硝酸サマリウム、硝酸ジル
コニル、硝酸シスプロシウム、硝酸水酸化ビスマス、硝
酸ストロンチウム、硝酸セシウム、硝酸セリウム(III
)、硝酸セリウム(IV)、硝酸タリウム(I)、硝酸
タリウム(II)、硝酸タリウム(III)、硝酸鉄(II
I)、硝酸テルビウム(III)、硝酸銅(II)、硝酸ニッ
ケル、硝酸ネオジム、硝酸パラジウム(II)、硝酸ビス
マス、硝酸プラセオジム、硝酸マンガン(II)、硝酸ユ
ウロビウム(III)、硝酸ランタン、硝酸ルテチウム、
硝酸ルビジウム、硝酸ロジウム(III)。
【0055】硫酸塩としては、硫酸亜鉛、硫酸アンモニ
ウムクロム、硫酸アンモニウムコバルト、硫酸アンモニ
ウムセリウム、硫酸アンモニウム鉄(II)、硫酸アンモ
ニウム鉄(III)、硫酸アンモニウム銅(II)、硫酸ア
ンモニウムニッケル(II)、硫酸アンモニウムマンガン
(II)、硫酸インジウム(III)、硫酸カドミウム、硫
酸カリウムクロム(III)、硫酸銀、硫酸クロム(II
I)、硫酸クロムアンモニウム(III)、硫酸クロムカリ
ウム(III)、硫酸コバルト(II)、硫酸コバルト(I
I)アンモニウム、硫酸四アンモニウムセリウム(II
I)、硫酸ジルコニウム、硫酸スズ(II)、硫酸セリウ
ム(II)、硫酸セリウム(III)、硫酸セリウム(III)
アンモニウム、硫酸チタン(III)、硫酸鉄(III)、硫
酸タリウム(I)、硫酸鉄(II)、硫酸銅(II)、硫酸
ニッケル(II)、硫酸ニッケル(II)アンモニウム、硫
酸パラジウム(II)、硫酸バリウム、硫酸ビスマス(II
I)、硫酸マンガン(II)。
【0056】炭酸塩としては、炭酸亜鉛、炭酸イットリ
ウム、炭酸エルビウム、炭酸カドミウム、炭酸コバル
ト、炭酸セシウム、炭酸セリウム(III)、炭酸ニッケ
ル、炭酸ネオジム、炭酸ビスマス、炭酸マンガン(I
I)、炭酸ランタン。
【0057】オキシ塩化物の例としては、SbOCl、
CrO2 Cl4 、Si2 OCl7 、ZrOCl4 、WO
Cl4 、FeOCl4 ・CuCl2 、2CuO・4H2
O、CoCl2 ・Cu(OH)2・NbOCl 、VO
Cl、BiOCl。
【0058】塩化物の例としては、ZnCl2 、SbC
3 、CrCl3 、CoCl2 、ZrCl4 、SrCl
2、WCl4 、TaCl 3、TiCl4 、FeCl3
Cu 2Cl2 、CuCl2、NbCl4 ・BaCl、B
iCl3 、MnCl2 、MoCl2 、LaCl3 などが
挙げられる。
【0059】又、上記金属塩と遷移金属アルコキシドや
遷移金属アセチルアセテートを併用しても良い。金属ア
ルコキシドの例としては、Ti(OCH3 ) 、Ti
(OC2 5 2 、Ti(OC2 5 4 、Ti(O
3 6 4 、Cu(OCH 32 、Zn(OC
25 2 、Y(OC2 53 、Ce(OC2 5 44
、Sb(OC2 5 3 、Ta(OC2 5 4 、W
(OC2 5 4 、La(OC2 5 3 、Nb(OC
2 5 3 、Zr(OCH3 3 、Zr(OC2 5
3 、Zr(OC3 7 4 、Zr(OC4 9 44 、L
a[(Al(OC3 7 2 3 、Ni[Al(OC2
5 5 ] 、(C3 7 O)3 Zr[Al(OC3
7 4 ]などが挙げられる。
【0060】金属アセチルアセトネートの例としては、
Ir(CH3 COCH(OCH3 2 、Mn(CH3
OCHCH3 2 、Cu(CH3 COCHCOCH3
2 、Cr(CH3 COCHCOCH3 3 、Ce(CH
3 COCHCOCH3 4 などがある。
【0061】無機金属錯塩の例としては、ヘキサシアノ
鉄(III)錯塩、ヘキサシアノ鉄(II) 錯塩、テトラシア
ノ銅(II)錯塩、銅(II) ・アンモニア錯塩、塩化金
酸、また、有機金属錯塩としては、銅フタロシアニン錯
塩、鉄フタロシアニン錯塩、コバルトフタロシアニン錯
塩、コバルト・モルフィリン錯塩などが含まれる。
【0062】上記した遷移金属化合物のほかに、遷移金
属以外の金属の、酢酸塩、しゅう酸塩などのカルボン酸
塩、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、オキシ塩化物、塩酸塩な
ども皮膜中に取り込まれて安定に存在するかぎり、皮膜
中に添加してもよい。好ましく用いることのできる遷移
金属以外の金属の化合物には以下に例が挙げられる。
【0063】しゅう酸アルミニウム、しゅう酸カリウ
ム、しゅう酸カルシウム、しゅう酸水素カリウム、しゅ
う酸ストロンチウム、しゅう酸バリウム、しゅう酸マグ
ネシウム、しゅう酸リチウムなどのしゅう酸塩、
【0064】酢酸アルミニウム、酢酸カリウム、酢酸カ
ルシウム、酢酸ストロンチウム、酢酸ナトリウム、酢酸
バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸リチウムなどの酢酸
塩、
【0065】硝酸アルミニウム、硝酸カリウム、硝酸カ
ルシウム、硝酸バリウム、硝酸マグネシウム、硝酸リチ
ウム、硝酸ルテチウムなどの硝酸塩、
【0066】硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムアン
モニウム、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウ
ムナトリウム、硫酸アンモニウムマグネシウム、硫酸カ
リウム、硫酸カルシウム、硫酸水素カリウム、硫酸水素
ナトリウム、硫酸セシウム、硫酸ナトリウム、硫酸鉛
(II)、硫酸マグネシウム、硫酸リチウム、硫酸ルビジ
ウムなどの硫酸塩、
【0067】炭酸カリウム、炭酸カリウムナトリウム、
炭酸カルシウム、炭酸水酸化マグネシウム、炭酸水素カ
リウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ストロンチウム、炭
酸ナトリウム、炭酸鉛(II)、炭酸バリウム、炭酸マグ
ネシウム、炭酸メチルマグネシウム、炭酸リチウムなど
の炭酸塩、
【0068】AlCl ,CaCl 、SiCl 、M
gCl 、LiClなどの塩化物が挙げられる。又、上
記金属塩と金属アルコキシドや金属アセチルアセテート
を併用しても良い。金属アルコキシドの例としては、S
r(OC2 5 2 、Ba(OC2 52 、Ca(O
2 5 2 、Pb(OC2 5 4 、Pb(OC
3 4 、Mg[Al(OC2 5 5 ] 、Mg[A
l(OC4 9 5 ]などが挙げられ、金属アセチル
アセトネートの例としては、Al(CH3 COCH2
OOH)3 などがある。
【0069】遷移金属化合物の添加量は、前記したシラ
ン化合物と結合して樹脂に取り込まれる金属化合物も含
めて、シロキサン系樹脂を構成するシラン化合物に対し
て80モル%以内、好ましくは50モル%以内である。
この範囲においてゾル−ゲル法によって作成される膜の
均一性、強度等が充分に保持される。金属化合物のう
ち、遷移金属化合物の割合は、50%以上であり、好ま
しくは70%以上であり、すべてが遷移金属化合物であ
ってもよい。
【0070】皮膜の厚みは、0.01〜100μm、好
ましくは0.1〜10μm、より好ましくは0.3〜1
μmである。
【0071】〔画像形成層〕本発明において、「画像形
成層」は、第1の形態では前記の皮膜層であり、すでに
説明した。第2の形態では、皮膜層の上に設けられた極
性変換高分子化合物を含有する層である。また、前記皮
膜中に極性変換高分子化合物を含有する場合も第2の形
態と呼ぶことにする。以下の記述では、第2の形態の極
性変換高分子化合物を含有する層を「極性変換高分子化
合物層」(ほかの成分も含むが)と呼ぶこととする。ま
た、本発明の態様の一つとして前記した皮膜層に極性変
換高分子化合物を含有させる態様も可能であり、この場
合も極性変換高分子化合物の特性を有効に利用している
ので第2の形態に含める。極性変換高分子化合物層につ
いて説明する。
【0072】(極性変換高分子化合物)本発明に用いら
れる極性変換高分子化合物とは、前述した通り、側鎖に
熱により疎水性から親水性に変化する官能基を有する疎
水性高分子化合物である。この変化は、レーザー露光時
の光熱変換により熱が加えられた場合に、常温では水に
対して溶解するかまたは膨潤する等の親和性を示さない
高分子化合物が、熱によって側鎖の極性変換官能基の一
部もしく全部が変化して水に対して溶解するかまたは膨
潤する等の親和性を示すようになる程度の変化であるこ
とを要する。
【0073】極性変換高分子化合物側鎖の極性変換官能
基が、熱により疎水性から親水性に変化する過程として
は、本来疎水性の側鎖官能基が熱により反応して親水性
に変化する過程と、本来疎水性の側鎖官能基が熱により
分解して疎水性官能基を失うことで親水性に変化する過
程の二つが考えられる。前者の熱により反応して親水性
に変化する過程としては、疎水性官能基がポリマー内部
の他の官能基と熱により反応して親水性に変化する過程
と、疎水性官能基がポリマー外部の他の化合物と熱によ
り反応して親水性に変化する過程とが考えられ、これら
を二種組み合わせた過程により親水性に変化しても良
い。
【0074】上述した過程のうち、反応性の観点から、
本来疎水性の側鎖官能基が熱により分解して疎水性官能
基を失うことで親水性に変化する過程をとるものが好ま
しい。また、本発明においては、極性変換高分子化合物
の側鎖の極性変換官能基が総て親水性に変化することが
より好ましいが、極性変換高分子化合物が、水に対して
溶解するかまたは膨潤する等の親和性を示すようになる
程度に起これば、特に制限はなく、後述する親水性官能
基の効果を考慮すれば、その総てが親水性に変化しなく
ても良い。熱により疎水性から親水性に変化する官能基
の好ましい例としては、下記一般式(1)〜(5)で表
される官能基が挙げられる。
【0075】
【化3】
【0076】式中、Lは非金属原子から成る多価の連結
基を表し、R2はアルキル基、アリール基、アルケニル
基、アルキニル基又は環状イミド基を表し、R3、R4
アルキル基、アリール基、アルケニル基又はアルキニル
基を表し、R5はアルキル基、アリール基、アルケニル
基、アルキニル基又は−SO2−R12を表し、R6、R 7
及びR8はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基、ア
ルケニル基又はアルキニル基を表し、R9及びR10の内
の一方は水素、他方は水素、アルキル基、アリール基、
アルケニル基又はアルキニル基を表し、R11はアルキル
基、アルケニル基又はアルキニル基を表し、R12はアル
キル基、アリール基、アルケニル基又はアルキニル基を
表し、R6、R7及びR8の内の任意の2つもしくは3つ
で環を形成してもよく、R9とR11又はR10とR11で環
を形成してもよい。
【0077】R1〜R11がアルキル基を表すとき、アル
キル基としては、炭素原子数が1〜20までの直鎖状、
分岐状及び環状のアルキル基を挙げることができる。そ
の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オク
チル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル
基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、
エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブ
チル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル
基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチル
ヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル
基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル基等を挙げる
ことができる。これらの中では、炭素原子数1〜12ま
での直鎖状、炭素原子数3〜12までの分岐状、並びに
炭素原子数5〜10までの環状のアルキル基がより好ま
しい。
【0078】R1〜R11が置換アルキル基を表すとき、
その置換基としては、水素を除く一価の非金属原子団が
用いられ、好ましい例としては、ハロゲン原子(−F、
−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ
基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、
アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ
基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアル
キルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリ
ールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、
アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキル
カルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキ
シ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,
N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−
N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキ
シ基、アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルア
ミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールア
シルアミノ基、ウレイド基、N′−アルキルウレイド
基、N′,N′−ジアルキルウレイド基、N′−アリー
ルウレイド基、N′,N′−ジアリールウレイド基、
N′−アルキル−N′−アリールウレイド基、N−アル
キルウレイド基、N−アリールウレイド基、N′−アル
キル−N−アルキルウレイド基、N′−アルキル−N−
アリールウレイド基、N′,N′−ジアルキル−N−ア
ルキルウレイド基、N′,N′−ジアルキル−N−アリ
ールウレイド基、N′−アリール−N−アルキルウレイ
ド基、N′−アリール−N−アリールウレイド基、
N′,N′−ジアリール−N−アルキルウレイド基、
N′,N′−ジアリール−N−アリールウレイド基、
N′−アルキル−N′−アリール−N−アルキルウレイ
ド基、N′−アルキル−N′−アリール−N−アリール
ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロ
キシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキ
シカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキ
シカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシ
カルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシ
カルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキ
シル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボ
ニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル
基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリール
カルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、
N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキル
スルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルス
ルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SO
3H)及びその共役塩基基(以下、スルホナト基と称
す)、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニ
ル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモ
イル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−
アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスル
フィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィ
ナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファ
モイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−
アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルフ
ァモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイ
ル基、ホスフォノ基(−PO32)及びその共役塩基基
(以下、ホスフォナト基と称す)、ジアルキルホスフォ
ノ基(−PO3(alkyl)2)、ジアリールホスフォノ基
(−PO3(aryl)2)、アルキルアリールホスフォノ基
(−PO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノ基
(−PO3H(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アル
キルホスフォナト基と称す)、モノアリールホスフォノ
基(−PO3H(aryl))及びその共役塩基基(以後、ア
リールホスフォナト基と称す)、ホスフォノオキシ基
(−OPO32)及びその共役塩基基(以後、ホスフォ
ナトオキシ基と称す)、ジアルキルホスフォノオキシ基
(−OPO3(alkyl)2)、ジアリールホスフォノオキシ
基(−OPO3(aryl)2)、アルキルアリールホスフォノ
オキシ基(−OPO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホ
スフォノオキシ基(−OPO3H(alkyl))及びその共役
塩基基(以後、アルキルホスフォナトオキシ基と称
す)、モノアリールホスフォノオキシ基(−OPO3
(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールフォスホ
ナトオキシ基と称す)、シアノ基、ニトロ基、アリール
基、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられる。
【0079】これらの置換基におけるアルキル基の具体
例としては、前述のアルキル基が挙げられ、アリール基
の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチ
ル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル
基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロメチ
ルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニ
ル基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、ア
セトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、メチ
ルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、メチルア
ミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、アセチル
アミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカ
ルボニルフェニル基、エトキシフェニルカルボニル基、
フェノキシカルボニルフェニル基、N−フェニルカルバ
モイルフェニル基、フェニル基、シアノフェニル基、ス
ルホフェニル基、スルホナトフェニル基、ホスフォノフ
ェニル基、ホスフォナトフェニル基等を挙げることがで
きる。また、アルケニル基の例としては、ビニル基、1
−プロペニル基、1−ブテニル基、シンナミル基、2−
クロロ−1−エテニル基等が挙げられ、アルキニル基の
例としては、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチ
ニル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。
アシル基(R12CO−)におけるR12としては、水素及
び上記のアルキル基、アリール基を挙げることができ
る。
【0080】これら置換基の内、更により好ましいもの
としては、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−
I)、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ
基、アリールチオ基、N−アルキルアミノ基、N,N−
ジアルキルアミノ基、アシルオキシ基、N−アルキルカ
ルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ
基、アシルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキ
シル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボ
ニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル
基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリール
カルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモ
イル基、スルホ基、スルホナト基、スルファモイル基、
N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルス
ルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N−
アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスフォノ
基、ホスフォナト基、ジアルキルホスフォノ基、ジアリ
ールホスフォノ基、モノアルキルホスフォノ基、アルキ
ルホスフォナト基、モノアリールホスフォノ基、アリー
ルホスフォナト基、ホスフォノオキシ基、ホスフォナト
オキシ基、アリール基、アルケニル基等が挙げられる。
【0081】一方、置換アルキル基におけるアルキレン
基としては、前述の炭素数1〜20のアルキル基上の水
素原子のいずれか1つを除き、2価の有機残基としたも
のを挙げることができ、好ましくは炭素原子数1〜12
までの直鎖状、炭素原子数3〜12までの分岐状、及び
炭素原子数5〜10までの環状のアルキレン基を挙げる
ことができる。該置換基とアルキレン基を組み合わせる
事により得られる置換アルキル基の、好ましい具体例と
しては、クロロメチル基、ブロモメチル基、2−クロロ
エチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、
メトキシエトキシエチル基、アリルオキシメチル基、フ
ェノキシメチル基、メチルチオメチル基、トリルチオメ
チル基、エチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピ
ル基、モルホリノプロピル基、アセチルオキシメチル
基、ベンゾイルオキシメチル基、N−シクロヘキシルカ
ルバモイルオキシエチル基、N−フェニルカルバモイル
オキシエチル基、アセチルアミノエチル基、N−メチル
ベンゾイルアミノプロピル基、2−オキソエチル基、2
−オキソプロピル基、カルボキシプロピル基、メトキシ
カルボニルエチル基、アリルオキシカルボニルブチル
基、クロロフェノキシカルボニルメチル基、カルバモイ
ルメチル基、N−メチルカルバモイルエチル基、N,N
−ジプロピルカルバモイルメチル基、N−(メトキシフ
ェニル)カルバモイルエチル基、N−メチル−N−(ス
ルホフェニル)カルバモイルメチル基、スルホブチル
基、スルホナトブチル基、スルファモイルブチル基、N
−エチルスルファモイルメチル基、N,N−ジプロピル
スルファモイルプロピル基、N−トリルスルファモイル
プロピル基、N−メチル−N−(ホスフォノフェニル)
スルファモイルオクチル基、ホスフォノブチル基、ホス
フォナトヘキシル基、ジエチルホスフォノブチル基、ジ
フェニルホスフォノプロピル基、メチルホスフォノブチ
ル基、メチルホスフォナトブチル基、トリルホスフォノ
ヘキシル基、トリルホスフォナトヘキシル基、ホスフォ
ノオキシプロピル基、ホスフォナトオキシブチル基、ベ
ンジル基、フェネチル基、α−メチルベンジル基、1−
メチル−1−フェニルエチル基、p−メチルベンジル
基、シンナミル基、アリル基、1−プロペニルメチル
基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基、2−メチル
プロペニルメチル基、2−プロピニル基、2−ブチニル
基、3−ブチニル基等を挙げることができる。
【0082】R1 〜R9 及びR11が、アリール基を表す
とき、アリール基としては、1個〜3個のベンゼン環が
縮合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽和環が縮
合環を形成したものを挙げることができ、具体例として
は、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナン
トリル基、インデニル基、アセナフテニル基、フルオレ
ニル基等を挙げることができ、これらのなかでは、フェ
ニル基、ナフチル基がより好ましい。また、アリール基
には上記炭素環式アリール基の他、複素環式(ヘテロ)
アリール基が含まれる。複素環式アリール基としては、
ピリジル基、フリル基、その他ベンゼン環が縮環したキ
ノリル基、ベンゾフリル基、チオキサントン基、カルバ
ゾール基等の炭素数3〜20、ヘテロ原子数1〜5を含
むものが用いられる。
【0083】R1〜R9及びR11が、置換アリール基を表
すとき、置換アリール基としては、前述のアリール基の
環形成炭素原子上に置換基として、水素を除く一価の非
金属原子団を有するものが用いられる。好ましい置換基
の例としては前述のアルキル基、置換アルキル基及び先
に置換アルキル基における置換基として示したものを挙
げることができる。
【0084】このような、置換アリール基の好ましい具
体例としては、ビフェニル基、トリル基、キシリル基、
メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフ
ェニル基、フルオロフェニル基、クロロメチルフェニル
基、トリフルオロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニ
ル基、メトキシフェニル基、メトキシエトキシフェニル
基、アリルオキシフェニル基、フェノキシフェニル基、
メチルチオフェニル基、トリルチオフェニル基、エチル
アミノフェニル基、ジエチルアミノフェニル基、モルホ
リノフェニル基、アセチルオキシフェニル基、ベンゾイ
ルオキシフェニル基、N−シクロヘキシルカルバモイル
オキシフェニル基、N−フェニルカルバモイルオキシフ
ェニル基、アセチルアミノフェニル基、N−メチルベン
ゾイルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メト
キシカルボニルフェニル基、アリルオキシカルボニルフ
ェニル基、クロロフェノキシカルボニルフェニル基、カ
ルバモイルフェニル基、N−メチルカルバモイルフェニ
ル基、N,N−ジプロピルカルバモイルフェニル基、N
−(メトキシフェニル)カルバモイルフェニル基、N−
メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルフェニル
基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、スルフ
ァモイルフェニル基、N−エチルスルファモイルフェニ
ル基、N,N−ジプロピルスルファモイルフェニル基、
N−トリルスルファモイルフェニル基、N−メチル−N
−(ホスフォノフェニル)スルファモイルフェニル基、
ホスフォノフェニル基、ホスフォナトフェニル基、ジエ
チルホスフォノフェニル基、ジフェニルホスフォノフェ
ニル基、メチルホスフォノフェニル基、メチルホスフォ
ナトフェニル基、トリルホスフォノフェニル基、トリル
ホスフォナトフェニル基、アリル基、1−プロペニルメ
チル基、2−ブテニル基、2−メチルアリルフェニル
基、2−メチルプロペニルフェニル基、2−プロピニル
フェニル基、2−ブチニルフェニル基、3−ブチニルフ
ェニル基等を挙げることができる。
【0085】R1 〜R11が、アルケニル基、置換アルケ
ニル基[−C(R13)=C(R14)(R15)]、アルキ
ニル基、又は置換アルキニル基[−C≡C(R16)]を
表すとき、R13〜R16としては、一価の非金属原子団を
使用することができる。好ましいR13〜R16の例として
は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、置換アルキ
ル基、アリール基及び置換アリール基を挙げることがで
きる。これらの具体例としては、前述の例として示した
ものを挙げることができる。R1316のより好ましい置
換基としては、水素原子、ハロゲン原子及び炭素原子数
1〜10の直鎖状、分岐状、環状のアルキル基を挙げる
ことができる。アルケニル基、置換アルケニル基、アル
キニル基及び置換アルキニル基の具体例としては、ビニ
ル基、1−ブテニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセ
ニル基、1−オクテニル基、1−メチル−1−プロペニ
ル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−1
−ブテニル基、2−フェニル−1−エテニル基、2−ク
ロロ−1−エテニル基、エチニル基、プロピニル基、フ
ェニルエチル基等を挙げることができる。
【0086】R1が環状イミド基を表すとき、環状イミ
ドとしては、コハク酸イミド、フタル酸イミド、シクロ
ヘキサンジカルボン酸イミド、ノルボルネンジカルボン
酸イミド等の炭素原子4〜20までのものを用いること
ができる。上記のうち、R1として特に好ましいもの
は、アルキル基、置換基アルキル基及び環状イミド基で
ある。また、上記のうちR2、R3、R4、及びR11とし
て特に好ましいものは、ハロゲン、シアノ、ニトロ等の
電子吸引性基で置換されたアルキル基、ハロゲン、シア
ノ、ニトロ等の電子吸引性基で置換されたアリール基及
び2級もしくは3級の分岐状アルキル基である。R5
9として好ましいものは、アルキル基、置換アルキル
基、アリール基または置換アリール基であり、R10とし
て好ましいものは、アルキル基または置換アルキル基で
あって、R5、R6及びR7のうちの任意の2つ若しくは
3つで環を形成した場合並びにR8とR10又はR9とR10
で環を形成した場合である。
【0087】Lで表される非金属原子からなる多価の連
結基とは、1から60個までの炭素原子、0個から10
個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1
個から100個までの水素原子、及び0個から20個ま
での硫黄原子から成り立つものである。より具体的な連
結基としては下記の構造単位が組み合わさって構成され
るものを挙げることができる。
【0088】
【化4】
【0089】多価の連結基が置換基を有する場合、置換
基としてはメチル基、エチル基等の炭素数1〜20まで
のアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜
16までのアリール基、水酸基、カルボキシル基、スル
ホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基
のような炭素数1〜6までのアシルオキシ基、メトキシ
基、エトキシ基のような炭素数1〜6までのアルコキシ
基、塩素、臭素のようなハロゲン原子、メトキシカルボ
ニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシ
カルボニル基のような炭素数2〜7までのアルコキシカ
ルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネートのよう
な炭酸エステル基等を用いることができる。
【0090】本発明に用いられる極性変換高分子化合物
は、極性変換性の官能基のほかに親水性基をも側鎖にも
っていてもよい。側鎖の親水性基のためにあらかじめ多
少親水性に近づいていることによって、極性変換高分子
の極性変換性基の一部が親水性に変化したときに極性変
換高分子が親水性化が促進されて溶解し易くなるので、
好都合の場合も多い。このような効果をもつ親水性基と
しては、下記一般式(6)〜(19)の官能基が好適で
ある。
【0091】
【化5】
【0092】式中Lは非金属原子から成る多価の連結基
を表し、Mは対カチオンを表し、R 1、R2、R3、R4
それぞれ独立して水素、アルキル基、アリール基、アル
ケニル基、アルキニル基を表し、Xは対アニオンをす。
Lで表される非金属原子からなる多価の連結基とは、1
から60個までの炭素原子、0個から10個までの窒素
原子、0個から50個までの酸素原子、1個から100
個までの水素原子、及び0個から20個までの硫黄原子
から成り立つものである。より具体的な連結基としては
下記のような構造単位が組み合わさって構成されるもの
を挙げることができる。
【0093】
【化6】
【0094】多価の連結基が置換基を有する場合、置換
基としてはメチル基、エチル基等の炭素数1から20ま
でのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6
から16までのアリール基、水酸基、カルボキシル基、
スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキ
シ基のような炭素数1から6までのアシルオキシ基、メ
トキシ基、エトキシ基のような炭素数1から6までのア
ルコキシ基、塩素、臭素のようなハロゲン原子、メトキ
シカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシ
ルオキシカルボニル基のような炭素数2から7までのア
ルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネ
ートのような炭酸エステル基等を用いることができる。
【0095】Mで表される対カチオンとは、陽電荷を有
するイオンであり、親水性官能基中の負電荷とイオンペ
アを形成する。故に、Mで表される対カチオンは、極性
変換高分子化合物中の親水性官能基に存在する負電荷と
等電荷となるモル数だけ存在する。より具体的な対カチ
オンとしては、金属陽イオン、アンモニウムイオン、ホ
スホニウムイオン等が挙げられる。金属イオンの具体例
としては、Li+、Na+、K+、Mg2+、Ca2+、Ti2+、V2+、Cr
2+、Mn2+、Fe2+、Fe3+、Co2+、Co3+、Ni2+、Cu+、C
u2+、Ag+、Pb2+、Sn2+、Zn2+、Al3+等が挙げられるが、
本発明はこれらに限定されるものではない。アンモニウ
ムイオンの具体例としては以下のようなものが挙げられ
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0096】
【化7】
【0097】
【化8】
【0098】
【化9】
【0099】ホスホニウムイオンの具体例としては、以
下のようなものが挙げられるが、本発明はこれらに限定
されるものではない。
【0100】
【化10】
【0101】
【化11】
【0102】
【化12】
【0103】R1〜R4がアルキル基、アリール基、アル
ケニル基又はアルキニル基を表すとき、これらの置換基
の具体的な例としては前述の例として示したものが挙げ
られる。Xで表される対アニオンとは、負電荷を有する
アニオンであり、親水性官能基中の正電荷とイオンペア
を形成する。故に、Xで表される対アニオンは、極性変
換高分子化合物中の親水性官能基に存在する正電荷と等
電荷となるモル数だけ存在する。
【0104】より具体的な対アニオンとしてはF-、C
l-、Br-、I-、OH-、CN-、SO4 2-、HSO4 -、SO3 2-、HS
O3 -、NO3 -、CO3 2-、HCO3 -、PF6 -、BF4 -、ClO4 -、Cl
O3 -、ClO2 -、ClO -、BrO4 -、BrO3 -、BrO2 -、BrO-、I
O4 -、IO3 -、IO2 -、IO-、スルホン酸アニオン、カルボン
酸アニオン、ホスホン酸アニオン、リン酸アニオン等が
挙げられる。スルホン酸アニオンの具体例としては、以
下のようなものが挙げられるが、本発明はこれらに限定
されるものではない。
【0105】
【化13】
【0106】
【化14】
【0107】カルボン酸アニオンの具体例としては、以
下のようなものが挙げられるが、本発明はこれらに限定
されるものではない。
【0108】
【化15】
【0109】
【化16】
【0110】ホスホン酸アニオンの具体例としては、以
下のようなものが挙げられるが、本発明はこれらに限定
されるものではない。
【0111】
【化17】
【0112】リン酸アニオンの具体例としては、以下の
ようなものが挙げられるが、本発明はこれらに限定され
るものではない。
【0113】
【化18】
【0114】本発明の極性変換高分子化合物を合成する
ために好適に使用される、熱により疎水性から親水性に
変化する官能基を有するモノマーの具体例を以下に示
す。
【0115】
【化19】
【0116】
【化20】
【0117】
【化21】
【0118】
【化22】
【0119】
【化23】
【0120】
【化24】
【0121】
【化25】
【0122】
【化26】
【0123】また、本発明の極性変換高分子化合物が、
露光部の溶解性を促進するために上記のモノマーのほか
に親水性官能基を備えたモノマーをも構成モノマーとし
て含む場合の好ましい親水性官能基を備えたモノマーの
具体例を以下に示す。
【0124】
【化27】
【0125】
【化28】
【0126】本発明の極性変換高分子化合物は、その側
鎖の少なくとも一部に熱により疎水性から親水性に変化
する官能基を有していれば、特に制限はなく、側鎖には
熱により疎水性から親水性に変化する官能基以外の官能
基を有していても良い。故に、熱により疎水性から親水
性に変化する官能基以外の官能基を有するモノマーとの
共重合体であっても、本発明の効果を妨げない限り、好
適に使用することができる。とくに、前記したように親
水性官能基を有していると好都合なことが多いが、それ
以外の側鎖を有するモノマーとしては、以下のようなモ
ノマーが挙げられる。
【0127】共重合体に用いられる他のモノマーとして
は、アクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタク
リル酸エステル類、メタクリルアミド類、無水マレイン
酸、マレイン酸エステル類、マレイン酸アミド類、マレ
イン酸イミド類、イタコン酸無水物、イタコン酸エステ
ル類、イタコン酸アミド類、イタコン酸イミド類、クロ
トン酸エステル類、クロトン酸アミド類、フマル酸エス
テル類、フマル酸アミド類、メサコン酸エステル類、メ
サコン酸アミド類、α,β−不飽和ラクトン類、α,β
−不飽和ラクタム類、不飽和炭化水素類、ビニルエーテ
ル類、ビニルエステル類、α,β−不飽和ケトン類、ス
チレン類、環状エーテル類、環状スルフィド類、環状ア
ミン類、環状ジスルフィド類、アルデヒド類、環状アセ
タール類、ラクトン類、ラクタム類、環状カーボネート
類、環状ウレア類、環状ウレタン類、環状酸無水物類、
スピロオルトカーボネート類、スピロオルトエステル
類、アクリロニトリル、等の公知のモノマーが挙げられ
る。
【0128】アクリル酸エステル類の具体例としては、
メチルアクリレート、エチルアクリレート、(n−又は
i−)プロピルアクリレート、(n−、i−、sec−
又はt−)ブチルアクリレート、ペンチルアクリレー
ト、ヘキシルアクリレート、ヘプチルアクリレート、オ
クチルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアク
リレート、アミルアクリレート、2−エチルヘキシルア
クリレート、ドデシルアクリレート、クロロエチルアク
リレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピルアクリレート、5−ヒドロキシペンチ
ルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、アリル
アクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレー
ト、ペンタエリスリトールモノアクリレート、ベンジル
アクリレート、メトキシベンジルアクリレート、クロロ
ベンジルアクリレート、ヒドロキシベンジルアクリレー
ト、ヒドロキシフェネチルアクリレート、ジヒドロキシ
フェネチルアクリレート、フルフリルアクリレート、テ
トラヒドロフルフリルアクリレート、フェニルアクリレ
ート、ヒドロキシフェニルアクリレート、クロロフェニ
ルアクリレート、スルファモイルフェニルアクリレー
ト、2−(ヒドロキシフェニルカルボニルオキシ)エチ
ルアクリレート等が挙げられる。
【0129】アクリルアミド類の具体例としては、アク
リルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルア
クリルアミド、N−(n−又はi−)プロピルアクリル
アミド、N−(n−、i−、sec−又はt−)アクリ
ルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−ヒドロキ
シエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミ
ド、N−トリルアクリルアミド、N−(ヒドロキシフェ
ニル)アクリルアミド、N−(スルファモイルフェニ
ル)アクリルアミド、N−(フェニルスルホニル)アク
リルアミド、N−(トリルスルホニル)アクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチル−N
−フェニルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N
−メチルアクリルアミド等が挙げられる。
【0130】メタクリル酸エステル類の具体例として
は、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、
(n−又はi−)プロピルメタクリレート、(n−、i
−、sec−又はt−)ブチルメタクリレート、ペンチ
ルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、ヘプチル
メタクリレート、オクチルメタクリレート、ノニルメタ
クリレート、デシルメタクリレート、アミルメタクリレ
ート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ドデシルメ
タクリレート、クロロエチルメタクリレート、2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピル
メタクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレー
ト、シクロヘキシルメタクリレート、アリルメタクリレ
ート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ペ
ンタエリスリトールモノメタクリレート、ベンジルメタ
クリレート、メトキシベンジルメタクリレート、クロロ
ベンジルメタクリレート、ヒドロキシベンジルメタクリ
レート、ヒドロキシフェネチルメタクリレート、ジヒド
ロキシフェネチルメタクリレート、フルフリルメタクリ
レート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、フェ
ニルメタクリレート、ヒドロキシフェニルメタクリレー
ト、クロロフェニルメタクリレート、スルファモイルフ
ェニルメタクリレート、2−(ヒドロキシフェニルカル
ボニルオキシ)エチルメタクリレート等が挙げられる。
【0131】メタクリルアミド類の具体例としては、メ
タクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エ
チルメタクリルアミド、N−(n−又はi−)プロピル
メタクリルアミド、N−(n−、i−、sec−又はt
−)メタクリルアミド、N−ベンジルメタクリルアミ
ド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−フェ
ニルメタクリルアミド、N−トリルメタクリルアミド、
N−(ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、N−
(スルファモイルフェニル)メタクリルアミド、N−
(フェニルスルホニル)メタクリルアミド、N−(トリ
ルスルホニル)メタクリルアミド、N,N−ジメチルメ
タクリルアミド、N−メチル−N−フェニルメタクリル
アミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメタクリル
アミド等が挙げられる。
【0132】クロトン酸エステル類の具体例としては、
メチルクロトネート、エチルクロトネート、(n−又は
i−)プロピルクロトネート、(n−、i−、sec−
又はt−)ブチルクロトネート、ペンチルクロトネー
ト、ヘキシルクロトネート、ヘプチルクロトネート、オ
クチルクロトネート、ノニルクロトネート、デシルクロ
トネート、アミルクロトネート、2−エチルヘキシルク
ロトネート、ドデシルクロトネート、クロロエチルクロ
トネート、2−ヒドロキシエチルクロトネート、2−ヒ
ドロキシプロピルクロトネート、5−ヒドロキシペンチ
ルクロトネート、シクロヘキシルクロトネート、アリル
クロトネート、トリメチロールプロパンモノクロトネー
ト、ペンタエリスリトールモノクロトネート、ベンジル
クロトネート、メトキシベンジルクロトネート、クロロ
ベンジルクロトネート、ヒドロキシベンジルクロトネー
ト、ヒドロキシフェネチルクロトネート、ジヒドロキシ
フェネチルクロトネー卜、フルフリルクロトネート、テ
トラヒドロフルフリルクロトネート、フェニルクロトネ
ート、ヒドロキシフェニルクロトネート、クロロフェニ
ルクロトネート、スルファモイルフェニルクロトネー
ト、2−(ヒドロキシフェニルカルボニルオキシ)エチ
ルクロトネート等が挙げられる。
【0133】クロトン酸アミド類の具体例としては、ク
ロトン酸アミド、N−メチルクロトン酸アミド、N−エ
チルクロトン酸アミド、N−(n−又はi−)プロピル
クロトン酸アミド、N−(n−、i−、sec−又はt
−)クロトン酸アミド、N−ベンジルクロトン酸アミ
ド、N−ヒドロキシエチルクロトン酸アミド、N−フェ
ニルクロトン酸アミド、N−トリルクロトン酸アミド、
N−(ヒドロキシフェニル)クロトン酸アミド、N−
(スルファモイルフェニル)クロトン酸アミド、N−
(フェニルスルホニル)クロトン酸アミド、N−(トリ
ルスルホニル)クロトン酸アミド、N,N−ジメチルク
ロトン酸アミド、N−メチル−N−フェニルクロトン酸
アミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルクロトン酸
アミド等が挙げられる。
【0134】マレイン酸エステル類の具体例としては、
マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸
ジ(n−又はi−)プロピル、マレイン酸ジ(n−、i
−、sec−又はt−)ブチル、マレイン酸ジフェニ
ル、マレイン酸ジアリル、マレイン酸モノメチル、マレ
イン酸モノエチル、マレイン酸モノ(n−又はi−)プ
ロピル、マレイン酸モノ(n−、i−、sec−又はt
−)ブチル、マレイン酸ジベンジル、マレイン酸モノベ
ンジル、マレイン酸メチルエチル、マレイン酸メチルプ
ロピル、マレイン酸エチルプロピル等が挙げられる。
【0135】マレイン酸アミド類の具体例としては、マ
レイン酸アミド、N−メチルマレイン酸アミド、N−エ
チルマレイン酸アミド、N−(n−又はi−)プロピル
マレイン酸アミド、N−(n−、i−、sec−又はt
−)ブチルマレイン酸アミド、N−ベンジルマレイン酸
アミド、N−ヒドロキシエチルマレイン酸アミド、N−
フェニルマレイン酸アミド、N−トリルマレイン酸アミ
ド、N−(ヒドロキシフェニル)マレイン酸アミド、N
−(スルファモイルフェニル)マレイン酸アミド、N−
(フェニルスルホニル)マレイン酸アミド、N−(トリ
ルスルホニル)マレイン酸アミド、N,N−ジメチルマ
レイン酸アミド、N−メチル−N−フェニルマレイン酸
アミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルマレイン酸
アミド、N−メチルマレイン酸モノアミド、N−エチル
マレイン酸モノアミド、N,N−ジメチルマレイン酸モ
ノアミド、N−メチル−N’−エチルマレイン酸アミ
ド、N−メチル−N’−フェニルマレイン酸アミド等が
挙げられる。
【0136】マレイン酸イミド類の具体例としては、マ
レイン酸イミド、N−メチルマレイン酸イミド、N−エ
チルマレイン酸イミド、N−(n−又はi−)プロピル
マレイン酸イミド、N−(n−、i−、sec−又はt
−)ブチルマレイン酸イミド、N−ベンジルマレイン酸
イミド、N−ヒドロキシエチルマレイン酸イミド、N−
フェニルマレイン酸イミド、N−トリルマレイン酸イミ
ド、N−(ヒドロキシフェニル)マレイン酸イミド、N
−(スルファモイルフェニル)マレイン酸イミド、N−
(フェニルスルホニル)マレイン酸イミド、N−(トリ
ルスルホニル)マレイン酸イミド等が挙げられる。
【0137】イタコン酸エステル類の具体例としては、
イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸
ジ(n−又はi−)プロピル、イタコン酸ジ(n−、i
−、sec−又はt−)ブチル、イタコン酸ジフェニ
ル、イタコン酸ジアリル、イタコン酸モノメチル、イタ
コン酸モノエチル、イタコン酸モノ(n−又はi−)プ
ロピル、イタコン酸モノ(n−、i−、sec−又はt
−)ブチル、イタコン酸ジベンジル、イタコン酸モノベ
ンジル、イタコン酸メチルエチル、イタコン酸メチルプ
ロピル、イタコン酸エチルプロピル等が挙げられる。
【0138】イタコン酸アミド類の具体例としては、イ
タコン酸アミド、N−メチルイタコン酸アミド、N−エ
チルイタコン酸アミド、N−(n−又はi−)ブロピル
イタコン酸アミド、N−(n−、i−、sec−又はt
−)ブチルイタコン酸アミド、N−ベンジルイタコン酸
アミド、N−ヒドロキシエチルイタコン酸アミド、N−
フェニルイタコン酸アミド、N−トリルイタコン酸アミ
ド、N−(ヒドロキシフェニル)イタコン酸アミド、N
−(スルファモイルフェニル)イタコン酸アミド、N−
(フェニルスルホニル)イタコン酸アミド、N−(トリ
ルスルホニル)イタコン酸アミド、N,N−ジメチルイ
タコン酸アミド、N−メチル−N−フェニルイタコン酸
アミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルイタコン酸
アミド、N−メチルイタコン酸モノアミド、N−エチル
イタコン酸モノアミド、N,N−ジメチルイタコン酸モ
ノアミド、N−メチル−N’−エチルイタコン酸アミ
ド、N−メチル−N’−フェニルイタコン酸アミド等が
挙げられる。
【0139】イタコン酸イミド類の具体例としては、イ
タコン酸イミド、N−メチルイタコン酸イミド、N−エ
チルイタコン酸イミド、N−(n−又はi−)プロピル
イタコン酸イミド、N−(n−、i−、sec−又はt
−)ブチルイタコン酸イミド、N−ベンジルイタコン酸
イミド、N−ヒドロキシエチルイタコン酸イミド、N−
フェニルイタコン酸イミド、N−トリルイタコン酸イミ
ド、N−(ヒドロキシフェニル)イタコン酸イミド、N
−(スルファモイルフェニル)イタコン酸イミド、N−
(フェニルスルホニル)イタコン酸イミド、N−(トリ
ルスルホニル)イタコン酸イミド等が挙げられる。
【0140】フマル酸エステル類の具体例としては、フ
マル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジ(n−
又はi−)プロピル、フマル酸ジ(n−、i−、sec
−又はt−)ブチル、フマル酸ジフェニル、フマル酸ジ
アリル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フ
マル酸モノ(n−又はi−)プロピル、フマル酸モノ
(n−、i−、sec−又はt−)ブチル、フマル酸ジ
ベンジル、フマル酸モノベンジル、フマル酸メチルエチ
ル、フマル酸メチルプロピル、フマル酸エチルプロピル
等が挙げられる。
【0141】フマル酸アミド類の具体例としては、フマ
ル酸アミド、N−メチルフマル酸アミド、N−エチルフ
マル酸アミド、N−(n−又はi−)プロピルフマル酸
アミド、N−(n−、i−、sec−又はt−)ブチル
フマル酸アミド、N−ベンジルフマル酸アミド、N−ヒ
ドロキシエチルフマル酸アミド、N−フェニルフマル酸
アミド、N−トリルフマル酸アミド、N−(ヒドロキシ
フェニル)フマル酸アミド、N−(スルファモイルフェ
ニル)フマル酸アミド、N−(フェニルスルホニル)フ
マル酸アミド、N−(トリルスルホニル)フマル酸アミ
ド、N,N−ジメチルフマル酸アミド、N−メチル−N
−フェニルフマル酸アミド、N−ヒドロキシエチル−N
−メチルフマル酸アミド、N−メチルフマル酸モノアミ
ド、N−エチルフマル酸モノアミド、N,N−ジメチル
フマル酸モノアミド、N−メチル−N’−エチルフマル
酸アミド、N−メチル−N’−フェニルフマル酸アミド
等が挙げられる。
【0142】メサコン酸エステル類の具体例としては、
メサコン酸ジメチル、メサコン酸ジエチル、メサコン酸
ジ(n−、又はi−)プロピル、メサコン酸ジ(n−、
i−、sec−又はt−)ブチル、メサコン酸ジフェニ
ル、メサコン酸ジアリル、メサコン酸モノメチル、メサ
コン酸モノエチル、メサコン酸モノ(n−又はi−)プ
ロピル、メサコン酸モノ(n−、i−、sec−又はt
−)ブチル、メサコン酸ジベンジル、メサコン酸モノベ
ンジル、メサコン酸メチルエチル、メサコン酸メチルプ
ロピル、メサコン酸エチルプロピル等が挙げられる。
【0143】メサコン酸アミド類の具体例としては、メ
サコン酸アミド、N−メチルメサコン酸アミド、N−エ
チルメサコン酸アミド、N−(n−又はi−)プロピル
メサコン酸アミド、N−(n−、i−、sec−又はt
−)ブチルメサコン酸アミド、N−ベンジルメサコン酸
アミド、N−ヒドロキシエチルメサコン酸アミド、N−
フェニルメサコン酸アミド、N−トリルメサコン酸アミ
ド、N−(ヒドロキシフェニル)メサコン酸アミド、N
−(スルファモイルフェニル)メサコン酸アミド、N−
(フェニルスルホニル)メサコン酸アミド、N−(トリ
ルスルホニル)メサコン酸アミド、N,N−ジメチルメ
サコン酸アミド、N−メチル−N−フェニルメサコン酸
アミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメサコン酸
アミド、N−メチルメサコン酸モノアミド、N−エチル
メサコン酸モノアミド、N,N−ジメチルメサコン酸モ
ノアミド、N−メチル−N’−エチルメサコン酸アミ
ド、N−メチル−N’−フェニルメサコン酸アミド等が
挙げられる。
【0144】スチレン類の具体例としては、スチレン、
メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレ
ン、エチルスチレン、プロピルスチレン、シクロヘキシ
ルスチレン、クロロメチルスチレン、トリフルオロメチ
ルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチ
ルスチレン、メトキシスチレン、ジメトキシスチレン、
クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、
ヨードスチレン、フルオロスチレン、カルボキシスチレ
ン等が挙げられる。
【0145】α,β−不飽和ラクトン類の具体例として
は、以下のような化合物が挙げられる。
【0146】
【化29】
【0147】α,β−不飽和ラクタム類の具体例として
は、以下のような化合物等が挙げられる。
【0148】
【化30】
【0149】不飽和炭化水素類の具体例としては、以下
のような化合物等が挙げられる。
【0150】
【化31】
【0151】ビニルエーテル類の具体例としては、以下
のような化合物等が挙げられる。
【0152】
【化32】
【0153】ビニルエステル類の具体例としては、以下
のような化合物等が挙げられる。
【0154】
【化33】
【0155】α,β−不飽和ケトン類の具体例として
は、以下のような化合物等が挙げられる。
【0156】
【化34】
【0157】環状エーテル類の具体例としては、以下の
ような化合物等が挙げられる。
【0158】
【化35】
【0159】環状スルフイド類の具体例としては、以下
のような化合物等が挙げられる。
【0160】
【化36】
【0161】環状アミン類の具体例としては、以下のよ
うな化合物等が挙げられる。
【0162】
【化37】
【0163】環状ジスルフィド類の具体例としては、以
下のような化合物等が挙げられる。
【0164】
【化38】
【0165】アルデヒド類の具体例としては、以下のよ
うな化合物等が挙げられる。
【0166】
【化39】
【0167】環状アセタール類の具体例としては、以下
のような化合物等が挙げられる。
【0168】
【化40】
【0169】ラクトン類の具体例としては、以下のよう
な化合物等が挙げられる。
【0170】
【化41】
【0171】ラクタム類の具体例としては、以下のよう
な化合物等が挙げられる。
【0172】
【化42】
【0173】環状カーボネート類の具体例としては、以
下のような化合物等が挙げられる。
【0174】
【化43】
【0175】環状ウレア類の具体例としては、以下のよ
うな化合物等が挙げられる。
【0176】
【化44】
【0177】環状ウレタン類の具体例としては、以下の
ような化合物等が挙げられる。
【0178】
【化45】
【0179】環状酸無水物類の具体例としては、以下の
ような化合物等が挙げられる。
【0180】
【化46】
【0181】スピロオルトカーボネート類の具体例とし
ては、以下のような化合物等が挙げられる。
【0182】
【化47】
【0183】スピロオルトエステル類の具体例として
は、以下のような化合物等が挙げられる。
【0184】
【化48】
【0185】本発明に用いられる極性変換高分子化合物
の合成に使用される、熱により疎水性から親水性に変化
する官能基を有するモノマーの割合は、10〜95重量
%が好ましく、40〜90重量%がより好ましい。熱に
より疎水性から親水性に変化する官能基を有するモノマ
ーの割合が10重量%より少ないと、熱による極性変換
の程度が小さ過ぎるために、画像部と非画像部の親疎水
性の差が小さく画像が不鮮明になる。また、95重量%
より多いと、画像形成層加熱部の基板近傍部分において
充分な親水性が得られなくなるために、印刷時に非画像
部に汚れが生じる。この熱により疎水性から親水性に変
化する官能基を有するモノマーは、1種類のみを使用し
ても良いし、2種類以上を混合して使用しても良い。
【0186】本発明で使用される極性変換高分子化合物
の合成において、熱により疎水性から親水性に変化する
官能基を有するモノマーのほかに露光部の溶解性を促進
するために前記した親水性官能基を備えたモノマーを構
成モノマーに加える場合には、その割合は全モノマーの
50重量%以下であり、好ましくは40重量%以下であ
り、加えなくても目的とする光照射による溶解性の増加
が得られるのであれば加える必要はない。
【0187】本発明で使用される極性変換高分子化合物
の合成に、熱により疎水性から親水性に変化する官能基
を有するモノマーと共に用いられる共重合可能な他のモ
ノマーを使用する場合、共重合可能な他のモノマーの割
合は、共重合物が熱により疎水性から親水性に変化する
特性を保持する限り、どの様な割合でも使用することが
できる。共重合可能な他のモノマーは、1種類のみを使
用しても良いし、2種類以上を混合して使用しても良
い。共重合可能な他のモノマーの中に、親水性官能基を
有するモノマーを含む場合、その割合は、全構成モノマ
ーの50重量%を超えることはなく40重量%以下がよ
り好ましい。親水性官能基を有するモノマーの割合が、
50重量%より多いと、もともと親水性の高い高分子化
合物となってしまうために、未加熱部分も印刷時に除去
されやすく、画像が不鮮明になったり耐刷性が悪くなっ
たりしてしまう。この親水性官能基を有するモノマー
は、1種類のみを使用しても良いし、2種類以上を混合
して使用しても良い。以下に、本発明で使用される極性
変換高分子化合物の具体例を示す。但し、本発明はこれ
らに限定されるものではない。
【0188】
【化49】
【0189】
【化50】
【0190】
【化51】
【0191】
【化52】
【0192】
【化53】
【0193】
【化54】
【0194】また、本発明の平版印刷用原板で使用され
る極性変換高分子化合物のGPCで測定した重量平均分
子量は、好ましくは2000以上であり、更に好ましく
は5000〜30万の範囲であり、数平均分子量は好ま
しくは800以上であり、更に好ましくは1000〜2
5万の範囲である。多分散度(重量平均分子量/数平均
分子量)は1以上が好ましく、更に好ましくは1.1〜
10の範囲である。これらの高分子化合物は、ランダム
ポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等何れ
でもよいが、ランダムポリマーであることが好ましい。
【0195】本発明で使用される極性変換高分子化合物
を合成する際に用いられる溶媒としては、テトラヒドロ
フラン、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチ
ルエチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリ
コールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテ
ー卜、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1−メ
トキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピ
ルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N
−ジメチルアセトアミド、トルエン、酢酸エチル、乳酸
メチル、乳酸エチル、ジメチルスルホキシド、水等が挙
げられる。これらの溶媒は単独であるいは2種以上混合
して用いることができる。
【0196】本発明で使用される極性変換高分子化合物
を合成する際に用いられるラジカル重合開始剤として
は、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤等の公知の化合物が
使用できる。また、本発明で使用される極性変換高分子
化合物を合成する際に用いられるカチオン重合開始剤と
しては、過塩素酸、フルオロスルホン酸、トリフルオロ
メタンスルホン酸、12−モリブドリン酸、12−タン
グストリン酸等のプロトン酸、トリフルオロメタンスル
ホン酸メチル、フルオロスルホン酸メチル等の超強酸エ
ステル、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、フルオ
ロスルホン酸無水物等の超強酸無水物、PF5、Sb
5,BF3等のルイス酸、Et3OSbF6、Et3OB
4等のオキソニウム塩、Ph3CPF6、Ph2CHCl
+AgSbF6等のカルベニウム塩、PhCOCl+A
gSbF6等のオキソカルベニウム塩、1,3−ジオキ
ソラン−2−イリウムヘキサフルオロアンチモナート等
のジオキサカルベニウム塩、ベンジル−p−シアノピリ
ジニウムヘキサフルオロアンチモナート、(p−メトキ
シベンジル)−p−シアノピリジニウムヘキサフルオロ
アンチモナート等の熱潜在性開始剤、ジフェニルヨード
ニウムヘキサフルオロアンチモネート等のヨードニウム
塩、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモ
ネート等のスルホニウム塩等の公知の化合物が使用でき
る。本発明で使用される極性変換高分子化合物は一種類
のみで用いてもよいし、数種類を混合して用いてもよ
い。
【0197】本発明で使用される画像形成層は、極性変
換高分子化合物を画像形成層の全固形物分の50〜95
重量%、好ましくは70〜95重量%の割合で使用する
ことができる。添加量が50重量%未満の場合は、画像
強度が弱くなり、耐刷性が低下する。また添加量が95
重量%を超える場合は、赤外線やそのほかのレーザー露
光による光熱変換による熱エネルギーの発生量が画像形
成に対して十分でなくなる。
【0198】本発明に使用されるの画像形成層の極性変
換高分子化合物以外の構成成分としては以下のような化
合物が挙げられる。
【0199】(光吸収剤)本発明の平版印刷版用原板を
レーザー露光により画像を形成する平版印刷版用原板と
して用いる場合には、平版印刷版用原板の画像形成層に
光吸収剤を添加することもできる。本発明において好ま
しく使用される光吸収剤は、波長760〜1200nm
の光を有効に吸収する赤外線吸収染料又は顔料である。
より好ましくは、波長760〜1200nmに吸収極大
を有する赤外線吸収染料又は顔料である。染料として
は、市販の染料及び文献(例えば「染料便覧」有機合成
化学協会編集、昭和45年刊)に記載されている公知の
ものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩ア
ゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、アントラキノン染料、フ
タロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染
料、メチン染料、シアニン染料、金属チオレート錯体等
の染料が挙げられる。
【0200】好ましい染料としては例えば特開昭58−
125246号、特開昭59−84356号、特開昭5
9−202829号、特開昭60−78787号等の公
報に記載されているシアニン染料、特開昭58−173
696号、特開昭58−181690号、特開昭58−
194595号等の公報に記載されているメチン染料、
特開昭58−112793号、特開昭58−22479
3号、特開昭59−48187号、特開昭59−739
96号、特開昭60−52940号、特開昭60−63
744号等の公報に記載されているナフトキノン染料、
特開昭58−112792号等の公報に記載されている
スクワリリウム色素、英国特許第434,875号公報
に記載のシアニン染料等を挙げることができる。
【0201】また、米国特許第5,156,938号公
報に記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、
米国特許第3,881,924号公報に記載の置換され
たアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−
142645号(米国特許第4,327,169号)公
報に記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−
181051号、同58−220143号、同59−4
1363号、同59−84248号、同59−8424
9号、同59−146063号、同59−146061
号公報に記載されているピリリウム系化合物、特開昭5
9−216146号公報に記載のシアニン色素、米国特
許第4,283,475号公報に記載のペンタメチンチ
オピリリウム塩等や特公平5−13514号、同5−1
9702号公報に開示されているピリリウム化合物も好
ましく用いられる。
【0202】また、染料として好ましい別の例として米
国特許第4,756,993号公報中に式(I)、(I
I)として記載されている近赤外吸収染料を挙げること
ができる。これらの染料のうち特に好ましいものとして
は、シアニン色素、スクワリリウム色素、ピリリウム
塩、ニッケルチオレート錯体が挙げられる。
【0203】本発明において使用される顔料としては、
市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、
「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年
刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年
刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)
に記載されている顔料が利用できる。顔料の種類として
は、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、
赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、
金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。
具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合ア
ゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、ア
ントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チ
オインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン
系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔
料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニ
トロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブ
ラック等が使用できる。これらの顔料のうち好ましいも
のはカーボンブラックである。
【0204】好ましい有機顔料の例は、トリフェニルメ
タン系、キナクリドン系、ペリレン系、イソインドリノ
ン系、ジオキサジン系、キノフタロン系、モノアゾ系、
ジスアゾ系の顔料が耐熱性であり、吸光係数も大きく、
優れた光・熱変換性を持つ。この例には、クロモフター
ルスカーレットR,ペリレンレッド178、ベンゾイミ
ダゾロンカルミンHF4C,レーキレッドC,ロダミン
6Gレーキ、パーマネントレッドFGR,パーマネント
ボルドFGR,キナクリドンマゼンタ122、イエロー
H10GLなどを挙げることができる。
【0205】これら顔料は表面処理をせずに用いてもよ
く、表面処理をほどこして用いてもよい。表面処理の方
法には樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性
剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカッ
プリング剤やエポキシ化合物、ポリイソシアネート等)
を顔料表面に結合させる方法等が考えられる。上記の表
面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、
「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)及び
「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に
記載されている。
【0206】顔料の粒径は0.01〜10μmの範囲に
あることが好ましく、0.05〜1μmの範囲にあるこ
とが更に好ましく、特に0.1〜1μmの範囲にあるこ
とが好ましい。顔料の粒径が0.01μm未満のときは
分散物の感光性組成物の塗布液中での安定性の点で好ま
しくなく、また、10μmを越えると塗布後の画像記録
層の均一性の点で好ましくない。顔料を分散する方法と
しては、インク製造やトナー製造等に用いられる公知の
分散技術が使用できる。分散機としては、超音波分散
器、サンドミル、アトライター、パールミル、スーパー
ミル、ボールミル、インペラー、デスパーザー、KDミ
ル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加
圧ニーダー等が挙げられる。詳細は、「最新顔料応用技
術」(CMC出版、1986年刊)に記載がある。
【0207】これらの染料若しくは顔料は、本発明の平
版印刷版用原板の画像形成層の組成物全固形物分に対し
0.01〜50重量%、好ましくは0.1〜10重量
%、染料の場合特に好ましくは0.5〜10重量%、顔
料の場合特に好ましくは1.0〜10重量%の割合で添
加することができる。顔料若しくは染料の添加量が0.
01重量%未満であると感度が低くなり、また50重量
%を越えると印刷時非画像部に汚れが発生しやすい。
【0208】(酸発生剤)本発明のヒートモードの画像
露光による平版印刷版用原板は、画像形成層中に光若し
くは熱により酸を発生させる化合物(以下、酸発生剤と
呼ぶ)を添加することによって露光部の画像形成層の溶
解が促進される場合があり、そのような場合には酸発生
剤を添加することが望ましい。また、前記の極性変換高
分子化合物はそれ自身熱により酸を発生し、酸発生剤と
しての機能を発揮することもあり、この場合にも特に他
の酸発生剤を併用しなくても画像を形成することができ
るため、酸発生剤は必要ではない。
【0209】本発明に用いることができる酸発生剤とし
ては、以下のような公知の化合物を挙げることができ
る。例えば、S.I.Schlesinger, Photogr. Sci. Eng., 1
8, 387(1974)、T.S.Ba1 etal., Polymer, 21, 423(198
0) 等に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055
号、同4,069,056号、特開平3-140,140号等の公報に記載
のアンモニウム塩、D.C.Necker etal., Macromolecule
s, 17, 2468(1984)、C.S.Wen etal., Teh, Proc.Conf.
Rad. Curing ASIA, p478 Tokyo, Oct(1988)、米国特許
第4,069,055号、同4,069,056号等の公報に記載のホスホ
ニウム塩、J.V.Crivello etal., Macromorecules, 10
(6), 1307(1977)、Chem. & Eng. News, Nov. 28, p31(1
988)、欧州特許第104,143号、米国特許第339,049号、同
第410,201号、特開平2-150,848 号、特開平2-296,514号
等の公報に記載のヨードニウム塩、
【0210】J.V.Crivello etal., Polymer J. 17, 73
(1985)、J.V.Crivello etal., J. Org.Chem., 43, 3055
(1978) 、W.R.Watt etal., J.Polymer Sci., Polymer C
hem. Ed., 22, 1789(1984)、J.V.Crivello etal., Poly
mer Bull., 14, 279(1985)、J.V.Crivello etal, Macro
morecules, 14(5), 1141(1981)、J.V.Crivello etal.,
J. Polymer Sci., Polymer Chem. Ed., 17, 2877(1979)
、欧州特許第370,693号、米国特許3,902,114 号、欧州
特許第233,567号、同297,443号、同297,442号、米国特
許第4,933,377号、同410,201号、同339,049号、同4,76
0,013号、同4,734,444 号、同2,833,827号、独国特許第
2,904,626号、同 3,604,580号、同3,604,581 号等の公
報に記載のスルホニウム塩、J.V.Crivello etal., Macr
omorecules,10(6), 1307(1977)、J.V.Crivello etal.,
J. Polymer Sci., Polymer Chem. Ed., 17, 1047(197
9)等に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen etal., Teh, Pr
oc. Conf. Rad. Curing ASIA, p478 Tokyo, 0ct(1988)
等に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩、米国特許第
3,905,815号、特公昭46-4605号、特開昭48-36281号、特
開昭55-32070号、特開昭60-239736号、特開昭61-169835
号、特開昭61-169837号、特開昭62-58241号、特開昭62-
212401号、特開昭63-70243号、特開昭63-298339号等の
公報に記載の有機ハロゲン化合物、
【0211】K.Meier etal., J.Rad.Curing, 13(4), 26
(1986)、T.P.Gill etal., Inorg. Chem., 19, 3007(198
0) 、D.Astruc, Acc. Chem. Res., 19(12), 377(189
6)、特開平2-161445号等の公報に記載の有機金属/有機
ハロゲン化物、S.Hayase etal.,J. Polymer Sci., 25,
753(1987)、E.Reichmanis etal., J. Po1ymer Sci., Po
1ymer Chem. Ed., 23, 1(1985) 、Q.Q.Zhu etal., J. P
hotochem., 36, 85, 39,317(1987) 、B. Amit etal., T
etrahedron Lett., (24) 2205(1973) 、D.H.R.Barton e
tal., J.Chem Soc., 3571(1965) 、P.M.Collins etal.,
J. Chem. Soc.,Perkin I,1695(1975)、M.Rudinstein e
tal, Tetrahedron Lett., (17), 1445(1975)、J.W.Walk
er etal., J. Am. Chem. Soc., 110,7170(1988)、S.C.B
usman etal., J.Imaging Technol., 11(4), 191(1985)
、H.M.Houlihan etal., Macromolecules, 21,2001(198
8)、P.M.Collins etal., J. Chem. Soc., Chem. Commu
n., 532(1972)、S.Hayase etal., Macromolecules, 1
8, 1799(1985)、E.Reichmanisetal., J. Electrochem.
Soc., So1id State Sci. Technol., 130(6)、F.M.Houli
han etal., Macromolcules, 21, 2001(1988) 、欧州特
許第0290,750号、同046,083 号、同156,535号、同271,8
51 号、同0,388,343号、米国特許第3,901,710号、同4,1
81,531号、特開昭60-198538号、特開昭53-133022号等の
公報に記載のo−ニトロベンジル型保護基を有する光酸
発生剤、
【0212】M.TUNOOKA etal., Polymer Preprints Jap
an, 35(8) 、G.Bermer etal, J.Rad,Curing, 13(4)、W.
J.Mijs etal, Coating Technol., 55(697)., 45(198
3)、Akzo, H.Adachi etal., Polymer Preprints, Japa
n, 37(3) 、欧州特許第0199,672号、同84515号、同199,
672号、同044,115号、同0101,122 号、米国特許第4,61
8,564号、同4,371,605号、同4,431,774号、特開昭64-18
143号、特開平2-245756号、特願平3-140109号等の公報
に記載のイミノスルフォネート等に代表される光分解し
てスルホン酸を発生する化合物、特開昭61-166544号等
の公報に記載のジスルホン化合物、特開昭50-36209号
(米国特許第3969118号)公報に記載のo−ナフトキノン
ジアジド−4−スルホン酸ハライド、特開昭55-62444号
(英国特許第2038801号)公報に記載あるいは特公平1-119
35号公報に記載のo−ナフトキノンジアジド化合物を挙
げることができる。
【0213】その他の酸発生剤としては、シクロヘキシ
ルシトレート、p−アセトアミノベンゼンスルホン酸シ
クロヘキシルエステル、p−ブロモベンゼンスルホン酸
シクロヘキシルエステル等のスルホン酸アルキルエステ
ル、本発明者らが先に出願した特願平9−26878号
公報に記載の下記構造式で表されるアルキルスルホン酸
エステル等を用いることができる。
【0214】
【化55】
【0215】上記光、熱又は放射線の照射により分解し
て酸を発生する化合物の中で、特に有効に用いられるも
のについて以下に説明する。 (1)トリハロメチル基が置換した下記一般式(PAG
1)で表されるオキサゾール誘導体又は一般式(PAG
2)で表されるS−トリアジン誘導体、
【0216】
【化56】
【0217】式中、R1は置換若しくは未置換のアリー
ル基、アルケニル基、R2は置換若しくは未置喚のアリ
ール基、アルケニル基、アルキル基、−CY3を示す。
Yは塩素原子又は臭素原子を示す。具体的には以下の化
合物を挙げることができるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0218】
【化57】
【0219】
【化58】
【0220】(2)下記の一般式(PAG3)で表され
るヨードニウム塩、又は一般式(PAG4)で表される
スルホニウム塩、若しくはジアゾニウム塩。
【0221】
【化59】
【0222】ここで、式Ar1及びAr2は、各々独立に
置換若しくは未置換のアリール基を示す。好ましい置換
基としては、アルキル基、ハロアルキル基、シクロアル
キル基、アリール基、アルコキシ基、ニトロ基、カルボ
キシル基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシ基、メ
ルカプト基及びハロゲン原子が挙げられる。
【0223】R3、R4及びR5は各々独立に、置換若し
くは未置換のアルキル基、アリール基を示す。好ましく
は炭素数6〜14のアリール基、炭素数1〜8のアルキ
ル基及びそれらの置換誘導体である。好ましい置換基と
しては、アリール基に対しては炭素数1〜8のアルコキ
シ基、炭素数1〜8のアルキル基、ニトロ基、カルボキ
シル基、ヒドロキシ基及びハロゲン原子であり、アルキ
ル基に対しては炭素数1〜8のアルコキシ基、カルボキ
シル基、アルコキシカルボニル基である。
【0224】Z-は対アニオンを示し、例えば、B
4 -、AsF6 -、PF6 -、SbF6 -、Si22 -、Cl
4 -、CF3SO3 -等のパーフルオロアルカンスルホン
酸アニオン;ペンタフルオロベンゼンスルホン酸アニオ
ン、ナフタレン−1−スルホン酸アニオン等の結合多核
芳香族スルホン酸アニオン;アントラキノンスルホン酸
アニオン;スルホン酸基含有染料等が挙げられるが、こ
れらに限定されるものではない。また、R3、R4及びR
5のうちの2つ及びAr1、Ar2はそれぞれの単結合又
は置換基を介して結合してもよい。
【0225】具体例としては以下に示す化合物が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。
【0226】
【化60】
【0227】
【化61】
【0228】一般式(PAG3)、(PAG4)で示さ
れる上記オニウム塩は公知であり、例えば、J. W. Knap
czyk etal, J. Am. Chem. Soc., 91, 145(1969)、A. L.
Maycok etal, J. Org. Chem., 35, 2532 (1970)、B. G
oethas etal, Bull. Soc. Chem. Belg., 73, 546 (196
4)、H. M. Leicester, J. Am. Chem. Soc., 51, 3587(1
929) 、J. V. Crivello etal, J. Polym. Chem. Ed., 1
8, 2677(1980)、米国特許第2,807,648号及び
同4,247,473号、特開昭53−101,331
号等の公報に記載の方法により合成することができる。
【0229】(3)下記一般式(PAG5)で表される
ジスルホン誘導体又は一般式(PAG6)で表されるイ
ミノスルホネート誘導体。
【0230】
【化62】
【0231】式中、Ar3及びAr4は各々独立に、置換
若しくは未置換のアリール基を示す。R6は置換若しく
は未置換のアルキル基、アリール基を示す。Aは置換若
しくは未置換のアルキレン基、アルケニレン基、アリー
レン基を示す。具体例としては以下に示す化合物が挙げ
られるが、これらに限定されるものではない。
【0232】
【化63】
【0233】
【化64】
【0234】これら酸発生剤の含有量は、本発明の平版
印刷版用原板の画像形成層全固形物分に対して通常0.
1〜30重量%、より好ましくは1〜15重量%であ
る。
【0235】(増感色素)酸発生剤が十分の光感度を持
たない場合に酸発生剤を活性にするために、種々の酸発
生剤の増感色素が用いてもよい。このような増感色素の
例としては、米国特許5,238,782号公報に記載
のピラン系色素、米国特許4,997,745号公報に
記載のシアニン色素、及びスクアリリウム系色素、米国
特許5,262,276号公報に記載のメロシアニン系
色素、特公平8−20732号公報に記載のピリリュウ
ム色素、その他、ミヒラーズケトン、チオキサントン、
ケトクマリン色素、9−フェニルアクリジン等を有効な
ものとして用いることができる。また、その他にも米国
特許4,987,230号公報に記載のビスベンジリデ
ンケトン色素、9,10−ジフェニルアントラセンのよ
うな多環芳香族化合物等を用いることができる。
【0236】その他の成分としては、例えば、可視光域
に大きな吸収を持つ染料を画像の着色剤として使用する
ことができる。具体的にはオイルイエロー#101、オ
イルイエロー#103、オイルピンク#312、オイル
グリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#6
03、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイ
ルブラックT−505(以上オリエント化学工業(株)
製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレッ
ト(C.I.42555)、メチルバイオレット(C.
I.42535)、エチルバイオレット、ローダミンB
(C.I.145170B)、マラカイトグリーン
(C.I.42000)、メチレンブルー(C.I.5
2015)等、あるいは特開昭62−293247号公
報、特願平7−335145号公報に記載されている染
料を挙げることができる。なお、添加量は、本発明の平
版印刷用原板の画像形成層全固形分に対し、0.01〜
10重量%の割合である。
【0237】(界面活性剤)本発明の平版印刷版用原板
の画像形成層中には、印刷条件に対する安定性を拡げる
ため、特開昭62−251740号公報や特開平3−2
08514号公報に記載されているような非イオン界面
活性剤、特開昭59−121044号公報、特開平4−
13149号公報に記載されているような両性界面活性
剤を添加することができる。非イオン界面活性剤の具体
例としては、ソルビタントリステアレート、ソルビタン
モノパルミテート、ソルビタントリオレート、ステアリ
ン酸モノグリセリド、ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル等が挙げられる。両性界面活性剤の具体例と
しては、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、アルキ
ルポリアミノエチルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N
−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリ
ニウムベタインやN−テトラデシル−N,N−ベタイン
型(例えば、商品名アモーゲンK、第一工業(株)製)
等が挙げられる。上記非イオン界面活性剤及び両性界面
活性剤の画像形成層全固形物中に占める割合は、0.0
5〜15重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5
重量%である。
【0238】(その他)更に、本発明の平版印刷版用原
板の画像形成層中には必要に応じ、塗膜の柔軟性等を付
与するために可塑剤が加えられる。例えば、ポリエチレ
ングリコール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチ
ル、フタル酸ジブチル、フクル酸ジヘキシル、フタル酸
ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、
リン酸トリオクチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリ
ル、アクリル酸又はメタクリル酸のオリゴマー及びポリ
マー等が用いられる。
【0239】本発明の平版印刷版用原板の画像形成層
は、通常上記各成分を溶媒に溶かして、適当な支持体上
に塗布することにより製造することができる。ここで使
用する溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロヘ
キサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエー
テル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシ
エチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテ
ート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、
N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホル
ムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリド
ン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラ
クトン、トルエン、水等を挙げることができるがこれに
限定されるものではない。これらの溶媒は単独あるいは
混合して使用される。塗布液を調製する場合、溶媒中の
上記画像形成層構成成分(添加剤を含む全固形分)の濃
度は、好ましくは1〜50重量%である。
【0240】塗布する方法としては、公知の種々の方法
を用いることができるが、例えば、バーコター塗布、回
転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、
エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げ
ることができる。本発明の平版印刷版用原板の画像形成
層中には、塗布性を良化するための界面活性剤、例えば
特開昭62−170950号公報に記載されているよう
なフッ素系界面活性剤を添加することができる。好まし
い添加量は、画像形成層全固形物分に対し、0.01〜
1重量%であり、更に好ましくは0.05〜0.5重量
%である。
【0241】塗布、乾燥後に得られる画像形成層塗布量
(固形分)は、用途によって異なるが、一般的な平版印
刷版用原板についていえば、0.5〜5.0g/m2
好ましく、0.5〜1.5g/m2がより好ましい。
【0242】[その他の層]支持体の裏面には、必要に
応じてバックコートが設けられる。かかるバックコート
としては特開平5−45885号公報に記載の有機高分
子化合物及び特開平6−35174号公報に記載の有機
又は無機金属化合物を加水分解及び重縮合させて得られ
る金属酸化物からなる被覆層が好ましく用いられる。こ
れらの被覆層のうち、Si(OCH3)4、Si(OC25)
4、Si(OC37)4、Si(OC49)4等のケイ素のア
ルコキシ化合物が安価で入手し易く、それから得られる
金属酸化物の被覆層が親水性に優れており特に好まし
い。
【0243】[製版方法]次に、この平版印刷版用原板
の製版方法について説明する。この平版印刷版用原板
は、例えば、熱記録ヘッド等により直接画像様に感熱記
録を施したり、波長760〜1200nmの赤外線を放
射する固体レーザー又は半導体レーザー、あるいは赤外
線灯やキセノン放電灯により画像露光される。
【0244】画像の書き込みは、面露光方式、走査方式
のいずれでもよい。前者の場合は、赤外線照射方式や、
キセノン放電灯の高照度の短時間光を原板上に照射して
光・熱変換によって熱を発生させる方式である。赤外線
灯などの面露光光源を使用する場合には、その照度によ
っても好ましい露光量は変化するが、通常は、印刷用画
像で変調する前の面露光強度が0.1〜10J/cm2 の範
囲であることが好ましく、0.1〜1J/cm2 の範囲であ
ることがより好ましい。支持体が透明である場合は、支
持体の裏側から支持体を通して露光することもできる。
その露光時間は、0.01〜1msec、好ましくは
0.01〜0.1msecの照射で上記の露光強度が得
られるように露光照度を選択するのが好ましい。照射時
間が長い場合には、熱エネルギーの生成速度と生成した
熱エネルギーの拡散速度の競争関係から露光強度を増加
させる必要が生じる。
【0245】後者の場合には、赤外線成分を多く含むレ
ーザー光源を使用して、レーザービームを画像で変調し
て原板上を走査する方式が行われる。レーザー光源の例
として、半導体レーザー、ヘリウムネオンレーザー、ヘ
リウムカドミウムレーザー、YAGレーザーを挙げるこ
とができる。レーザー出力が0.1〜300Wのレーザ
ーで照射をすることができる。また、パルスレーザーを
用いる場合には、ピーク出力が1000W、好ましくは
2000Wのレーザーを照射するのが好ましい。この場
合の露光量は、印刷用画像で変調する前の面露光強度が
0.1〜10J/cm2 の範囲であることが好ましく、0.
3〜1J/cm2 の範囲であることがより好ましい。支持体
が透明である場合は、支持体の裏側から支持体を通して
露光することもできる。
【0246】画像露光された平版印刷版用原板は、露光
後に水現像し、更に必要であればガム引きを行ったの
ち、印刷機に版を装着し印刷を行うこともできる。ま
た、露光後ただちに(現像工程を経ずに)印刷機に版を
装着し印刷を行うこともできる。この場合は、湿し水等
により、加熱部あるいは露光部が膨潤し、印刷初期に膨
潤部が除去され、平版印刷版が形成される。即ち、本発
明の平版印刷版用原板を使用する製版方法では、特に現
像処理を経ることなく平版印刷版を製版し得る。本発明
における水現像とは、水或いは水を主成分とするpH2
以上の現像液により現像することを指す。水現像を行う
場合も、現像処理を行わない場合も、露光後に加熱処理
を行うことが記録時の感度向上の観点から好ましい。加
熱処理の条件は、80〜150℃の範囲内で10秒〜5
分間行うことが好ましい。即ち、この加熱処理を施すこ
とにより、レーザー照射時、記録に必要なレーザーエネ
ルギーを減少させることができる。
【0247】このような処理によって得られた本発明の
平版印刷版用原板は水現像されるかあるいは現像工程を
経ずにそのままオフセット印刷機等にかけられ、多数枚
の印刷に用いられる。
【0248】
【実施例】以下、実施例により、本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0249】〔実施例1〜16及び比較例1〜3〕表1
に本発明の実施例1〜12(第1の形態の実施例1〜6
と第2の形態の実施例12)及びその比較例1〜3の各
平版印刷用原板を作製し、印刷適性を試験した結果を示
す。
【0250】(1)基板の作製 厚さ0.24mmのJIS A1050仕様のアルミニ
ウム板の表面をナイロンブラシと400メッシュのパミ
ストンの水懸濁液を用いて砂目立てした後、よく水で洗
浄した。10重量%水酸化ナトリウム水溶液に70℃で
60秒間浸漬してエッチングした後、流水で水洗後、2
0重量%HNO3水溶液で中和洗浄、水洗した。これを
A =12.7Vの条件下で正弦波の交番波形電流を用
いて1重量%硝酸水溶液中35℃で230クーロン/d
2 の陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。その表
面粗さを測定したところ0.55μm(Ra表示)であ
った。ひきつづいて30重量%H2SO4 水溶液中に浸
漬し、55℃で2分間デスマットした後、10重量%H
2SO4 水溶液中で電流密度30A/dm2 、陽極酸化
皮膜量が2.2g/m2 相当になるように陽極酸化し、
水洗して基板を作成した。
【0251】(2)皮膜の塗設 下記の処方(A)の成分をシリコンテトラエトキシド、
エタノール、純水、塩酸の順に混合してゆき30分間、
室温で攪拌して塗布溶液(A)を作成した。 処方(A) シリコンテトラエトキシド 7.5g エタノール(95%) 12g 純水 5g 塩酸(35%) 0.1g
【0252】次に、上記処方量の塗布溶液(A)にMn
(NO32 ・6H2 Oをそれぞれ8.9g、20.7
g添加し1時間室温で攪拌し、各塗布溶液(B−1)及
び(B−2)を作成した。さらに、上記処方量の塗布溶
液(A)にFe(NO33 ・9H2Oをそれぞれ3.3
g、12.5g添加し1時間室温で攪拌し、各々塗布溶
液(C−1)及び(C−2)を作成した。また、塗布溶
液(A)にCo(NO32 ・6H2 Oをそれぞれ1
0.5g、24.5g添加し、1時間室温で攪拌し、各
々塗布溶液(D−1)及び(D−2)を作成した。さら
に、Pr(NO3 3 ・6H2 Oをそれぞれ13.4
g,38.0g,添加し、1時間室温で攪拌し、各塗布
溶液(E−1)及び(E−2)を作成した。以上のよう
に作成した塗布溶液(B−1)〜(E−2)をスピンコ
ーターを用いて、回転数500rpm、10秒で前記
(1)のアルミニウム基板に塗布した後、オーブンに
て、200℃で10分間乾燥した後、さらに500℃で
30分間乾燥して平版印刷用原板を作成して、原板1〜
8とした。
【0253】(3)極性変換高分子化合物層の塗設 更に上記の原板1〜8に下記の処方(F)に従って極性
変換高分子化合物(1)を混合有機溶媒に溶解して調整
した塗布溶液Eを回転数150rpm、10秒間回転塗
布し、80℃、3分間乾燥して平版印刷用原版9〜16
を得た。乾燥後の重量は0.5g/m2 であった。
【0254】 処方(F) ・極性変換高分子化合物(1) 2.4g ・メチルエチルケトン 30g ・アセトニトリル 30g なお、ここに用いた極性変換高分子化合物(1)は、つ
ぎの方法で合成された。
【0255】(4)極性変換高分子化合物 a.モノマー(1)の合成 1-メトキシ-2-プロパノールを121.2g、ピリジンを141.
6gとり、1000mlの三口フラスコに入れて、氷冷下3
0分攪拌した。この溶液にp−ビニルベンゼンスルホン
酸クロライドの181.7gを氷冷下滴下して、滴下終了後
そのまま6時間攪拌した。反応混合物を500mlの氷水
にあけ、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。
有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し
て油状物が得られた。この油状物をシリカゲルを用いた
カラムクロマトグラフィにより精製すると、モノマー
(1)が無色油状物として得られた。元素分析の理論値
はC:56.23%、H:6.29%であり、実測値はC:56.35
%、H:6.33%であった。
【0256】b.極性変換高分子化合物(1)の合成 200mlの三口フラスコにモノマー(1)を23g、p-
ビニルベンゼンスルホン酸ナトリウムを2.1gを秤取
り、ジメチルスルホキシドの50gに溶かした。この溶液
に65℃、窒素気流下にて攪拌しながらアゾビスジメチ
ルバレロニトリル0.32gを加えた。同温度で攪拌を続け
ながら、2時間おきにアゾビスジメチルバレロニトリル
を0.16g、次いで0.08gを加え、合計6時間攪拌し続け
て反応を終了した。反応混合物をアセトン40gで希釈し
た。5リットルのホーロービーカーに2リットルのヘキ
サンを入れ、ここにメカニカルスターラーにより良く攪
拌しながら上記の希釈液を滴下した。析出した固体を濾
別し、減圧下3日間乾燥した。こうして得られた固体
は、GPCにより重量平均分子量1.52万のポリマーであ
ることが判明した。
【0257】(5)印刷原板の評価と評価方法 <吸光度の測定>得られた印刷原板1〜16を、バリシ
ャ社製の吸光度計CARY5Gを用いて830nmの反
射濃度を測定した。同時に陽極酸化を施した基板の83
0nmの反射濃度も測定し、前者の測定値から後者の測
定値を差し引いた値を吸光度とした。
【0258】<印刷版の作成>得られた平版印刷用原版
1〜16を波長830nmの半導体レーザー光を照射し
た。以下に具体的なレーザー照射条件を下記に示す。 レーザー出力:350mW ビーム半径:12.5μm 走査速度:1.7m/sec 出力:700mJ/cm2
【0259】露光後、接触角計(協和界面化学(株)製
CA−D)を用いて、接触角の測定を行った。測定には
蒸留水を用いてレーザー光を照射した部分と照射してい
ない部分について接触角を測定し、比較した。表1に示
したようにレーザー光の照射により大きな接触角変化を
得ることができた。
【0260】又、レーザー露光した原板に何ら後処理す
ることなく印刷機にかけ印刷を行ったところ1000枚
印刷しても汚れのない鮮明な印刷物が得られた。使用し
た印刷機は、ハイデルベルグSOR−Mであり、湿し水
には、水にEU−3(富士写真フイルム(株)製)を1
vol%、IPAを10vol%添加した水溶液を用
い、インキには、GEOS(N)墨を用いた。
【0261】〔比較例1、2〕比較のために実施例1、
9において、基板上に塗布溶液B−1を塗布する代わり
に塗布溶液(A)を塗布する以外は、実施例1、9と同
じ仕様で印刷原板を作成して比較用の原板17、18と
した。
【0262】〔比較例3〕比較例3は、基板の上に塗布
溶液B−1の塗布・乾燥を行うことなく、直接基板上に
塗布溶液(A)を塗布した以外は、実施例9と同じ仕様
で印刷原板を作成して比較用の原板19とした。
【0263】上記比較例1〜3の印刷原板17〜19も
実施例の原板1〜16と同様に830nmにおける吸光
度を測定したのち、レーザー光照射を行い、接触角の測
定及び印刷評価試験を行った。結果は、表1に併せて示
されているように、比較例1〜3のいずれもレーザー照
射により画像形成できず、接触角も大きな変化はなかっ
た。前記の方法で印刷したところ、比較例1は照射部に
インキが着肉しなかった。比較例2、3は、レーザー照
射部が、印刷開始後、すぐに印刷汚れを生じてしまっ
た。
【0264】なお、上記の実施例1〜16と比較例1〜
3の評価方法は、つぎの通りである。 <画像形成評価方法>レーザー照射部を未照射部との色
の違いを目視で評価した。 ○:レーザー照射部と未照射部と明瞭な区別が付く。 △:レーザー照射部と未照射部との区別が付くが、○程
は明瞭には区別が付かない。 ×:レーザー照射部と未照射部との区別が付かない。 <印刷汚れの評価方法>印刷物の非画像部に汚れが発生
しているかどうかを目視観察し、同時に反射濃度計(国
際規格 ISO5に規定の反射濃度測定条件を満たす)によ
って非画像部の反射濃度も測定した。印刷汚れがなけれ
ば、印刷前の紙面の反射濃度に対する印刷面の反射濃度
の増加は0.01以内であるが、増加値が0.01を僅
かに超えるような目視に掛からない程度の僅かな印刷汚
れも濃度を測定すれば検出される。評価結果も表1に示
す。表1において、印刷汚れを認めない場合を○、認め
られる場合を×、反射濃度計では検出されるが、目視で
は認られず許容内と判定されるものは、△と表示した。
【0265】
【表1】
【0266】〔実施例17〜24及び比較例4〕本実施
例17から24と比較例4では、極性変換高分子層の種
類を変更して行った試験結果を示す。 (1)平版印刷用原板の作製 上記実施例17〜24には、極性高分子層の塗布液処方
を下記の処方(G)に変更した以外は、それぞれ実施例
9〜16と同じ仕様で原板試料を作成して原板20〜2
7とした。乾燥後の極性高分子層の重量は1.3g/m
2であった。また、比較例4は、皮膜を塗設しない基板
に直接塗布溶液(G)を塗設した以外は実施例17〜2
4と同じ方法で原板を作成した。
【0267】 溶液(G) ・極性変換高分子化合物(2) 4.5 g ・ビクトリアピュアブルーBOHの対イオンを 0.05g 1−ナフタレン−スルホン酸にした染料 ・メガファックF−177 0.06g (大日本インキ化学工業(株)製、フッ素系界面活性剤) ・メチルエチルケトン 30 g ・アセトニトリル 30 g
【0268】(2)極性変換高分子化合物の合成 a.モノマー(7)の合成] p−ビニルベンゼンスルホン酸クロライドの代わりに3-
メタクリロイルオキシプロパンスルホン酸クロライドを
用いたほかはモノマー(1)と同様の方法でモノマー
(7)を合成した。モノマー(7)の1H−NMR測定
の結果、6.12 ppm、5.60 ppmにメタクリロイル基の二重
結合炭素に結合した水素に帰属されるシグナルが観測さ
れ、3.39 ppmにスルホン酸エステル部のメトキシ基に帰
属されるシグナルが観測された。
【0269】b.極性変換高分子化合物(2)の合成 モノマー(1)の代わりにモノマー(7)を、p-ビニル
ベンゼンスルホン酸ナトリウムの代わりに3-メタクリロ
イルオキシプロパンスルホン酸カリウムを用いた以外は
極性変換高分子化合物(1)と同様の方法で極性変換高
分子化合物(2)を合成した。得られたポリマーの重量
平均分子量は1.98万であった。
【0270】(3)印刷原版の評価 <吸光度の測定>得られた実施例17〜24の印刷原板
20〜27及び比較例4の印刷原板も印刷原板1〜16
と同様にして吸光度を求めた。ただし、測定波長は10
64nmであった。各原板試料の吸光度は、次に示す通
りであった。 実施例17:0.4 実施例18:1.0 実施例19:0.3 実施例20:0.5 実施例21:0.5 実施例22:1.2 実施例23:0.6 実施例24:1.0 比較例4 :0.1
【0271】<印刷版の作成>得られた各平版印刷版用
原版試料を、波長1064nmのNd:YAGレーザー
光により露光した。このNd:YAGレーザーは、Qス
イッチを装備し、クリプトンアークランプで光学的にポ
ンピングする方式のもので、そのスポットサイズ、つま
りビーム径は約340μmであった。以下に具体的なレ
ーザー照射条件を示す。 走査速度:50mm/sec 発振周波数:4 KHz パルス長:0.12μsec 出力:3.4 W
【0272】実施例1〜16と同じくハイデルSOR−
M機で印刷した。実施例1〜16と同じ評価方法で印刷
汚れを評価したところ、画像形成性に関しては、実施例
18、20、22及び24が○、実施例17、19、2
1及び23が△であり、比較例4は×であった。また、
印刷よごれに関しては実施例17〜24のいずれも○で
あり、比較例4は×であった。ここでも本発明の遷移金
属化合物を含有する樹脂の皮膜が光感度を向上させ、識
別効果を改善する効果が認められた。
【0273】
【発明の効果】本発明のシロキサン結合及びシラノール
結合を有する化合物と遷移金属元素を含有する皮膜を有
する印刷原板は、ヒートモードの画像書き込み後、湿式
現像処理を必要としない平版印刷版用原版であって、親
水性と疎水性との間の物性変換に対する光感度が高く、
したがって露光部と未露光部との識別効果も優れてお
り、汚れのない印刷物を与えることができる。また、本
発明によれば、特に赤外線を放射する固体レーザー又は
半導体レーザー等を用いて記録することにより、ディジ
タルデータから直接製版可能な平版印刷版用原版を提供
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA00 AB03 AC01 AC08 AD03 BH03 CB33 CB45 CC20 DA02 DA18 FA10 2H114 AA04 AA22 AA23 BA01 BA10 DA04 DA05 DA38 DA56 DA78 EA01 EA02 EA05 EA06 GA03 GA04 GA07 GA09 GA34

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シロキサン結合及びシラノール基を有す
    る樹脂と、遷移金属化合物とを含有する皮膜を基板上に
    設けたことを特徴とする平版印刷版用原板。
  2. 【請求項2】 シロキサン結合及びシラノール基を有す
    る樹脂と、遷移金属化合物とを含有し、かつ300〜1
    200nmの分光波長領域中に吸光度が0.3以上の分
    光吸収域を有する皮膜を基板上に設けたことを特徴とす
    る請求項1に記載の平版印刷版用原板。
  3. 【請求項3】 シロキサン結合及びシラノール基を有す
    る樹脂と、遷移金属化合物とを含有する皮膜の上に、加
    熱により疎水性から親水性に変化する官能基を側鎖に有
    する疎水性高分子化合物を含有する層を設けたことを特
    徴とする請求項1又は2に記載の平版印刷版用原板。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の平
    版印刷版用原板に露光時間が10-4秒以下の短時間の像
    様露光を行って印刷用の画像を形成することを特徴とす
    る平版印刷方法。
  5. 【請求項5】 700〜1200nmの分光波長域に極
    大分光エネルギーを有する輻射線によって像様露光を行
    うことを特徴とする請求項4に記載の平版印刷方法。
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