JP2001290127A - 液晶表示装置及びその製造方法、並びに液晶表示装置の駆動方法 - Google Patents

液晶表示装置及びその製造方法、並びに液晶表示装置の駆動方法

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JP2001290127A JP2001070944A JP2001070944A JP2001290127A JP 2001290127 A JP2001290127 A JP 2001290127A JP 2001070944 A JP2001070944 A JP 2001070944A JP 2001070944 A JP2001070944 A JP 2001070944A JP 2001290127 A JP2001290127 A JP 2001290127A
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將市 石原
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浩史 久保田
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Katsumi Adachi
克己 足達
Yoshinori Tanaka
好紀 田中
Mika Nakamura
美香 中村
Tsuyoshi Kamimura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベンド配向型の液晶表示装置では通常の表示
を開始する前に、表示部全体をスプレイ配向状態からベ
ンド配向状態に均一に全画素部全体を転移させておく必
要がある。しかし、従来、単純な交流電圧を印加して
も、転移が起きなかったり、起きても極めて転移時間が
長く掛かったりで、配向欠陥による表示欠陥が発生しや
すかった。 【解決手段】 OCBセルを用いた液晶表示装置の駆動
方法であって、通常の表示動作を開始する前の段階で、
電極22と画素電極23の間に、バイアス電圧を重畳し
た交流電圧を前記基板間に印加する工程と、前記基板間
にゼロ電圧あるいは低電圧を印加する工程とを交互に繰
り返し実施して、全画素をベンド配向転移させた後、通
常の表示動作に移行させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,テレビジョン画像
やパーソナルコンピューター、マルチメディア画像を表
示する高速応答で広視野のOCBモードの液晶表示装置
及びその製造方法、並びに液晶表示装置の駆動方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶表示装置として、例えばその
液晶表示モードとして、誘電率異方性が正のネマティッ
ク液晶を用いたツイステッドネマティック(TN)モ−
ドの液晶表示素子が実用化されているが、応答が遅い、
視野角が狭いなどの欠点がある。また、応答が速く、視
野角が広い強誘電性液晶(FLC)や反強誘電性液晶な
どの表示モ−ドもあるが、焼き付き、耐ショック性、特
性の温度依存性などに大きな欠点がある。また、視角が
極めて広い、面内で液晶分子を横電界駆動する面内スイ
ッチング(IPS)モードがあるが、応答が遅くかつ開
口率が低く輝度が低い。フルカラー動画を大画面で表示
しようとすると、広視野、高輝度、高速の表示性能を持
つ液晶モードが必要であるが、これを同時に完璧に満足
する実用的な液晶表示モードは現在のところ、存在しな
い。
【0003】従来、少なくとも広視野で高輝度をめざし
た液晶表示装置として、上記のTNモード液晶領域を配
向2分割にして視野角を上下に拡大したものがある(S
ID92 DIGEST P798〜801)。即ち、
液晶表示装置の各表示画素内に誘電率異方性が正のネマ
チック液晶を用い、TNモードでかつ液晶分子の配向方
位が異なる2つの液晶領域を形成し、すなわち配向2分
割TNモードによって視野角を拡大するものである。
【0004】図68にその従来の液晶表示装置の構成概
念図を示す。図68において、701,702はガラス
基板であり、703,704は電極であり、705,7
05’,706,706’は配向膜である。一方の配向
領域Aにおいて対向する上下基板界面から若干傾いた誘
電率異方性が正のネマチックの液晶分子707,70
7’の大,小のプレチルト角を形成し、他方の配向領域
Bにおいては対向する上下基板界面に対してプレチルト
角の大きさを前記配向領域Aとは逆の設定にする。その
大小のプレチルト角はいずれも数度で差がつくように設
定している。上記互いに上下基板にプレチルト角が異な
る配向領域を形成する従来の作製法の例として、配向膜
にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフ技術でマ
スキングをし所定の方向に所望の配向膜面をラビングを
する作業を繰り返すなどの方法がある。このような方法
により、図68の如く、配向領域A,Bで液晶層中央部
の液晶分子群の向きが互いに逆向きとなり、電圧印加と
ともに各配向領域の液晶分子が逆に立ち上がっていくた
めに、画素単位で入射光線に対して屈折率異方性が平均
化されて視野角の拡大が図れることになる。上記の従来
の配向2分割TNモードでは、通常のTNモードより視
野角は拡大され、上下視野角はコントラスト10で±3
5度程度となる。
【0005】しかし、応答速度はTNモードと本質的に
変化なく約50mS程度である。このように上記従来の
配向2分割TNモードでは視野角,応答とも不十分であ
る。
【0006】また、配向膜界面で液晶分子をほぼ垂直に
配向させるいわゆるホメオトロピック配向モードを利用
した液晶表示モードで、フィルム位相差板,配向分割技
術を付加して広視野,高速応答の液晶表示装置がある
が、それでも白黒の2値間応答速度は約25msかか
り、特にグレー階調間の応答速度は50〜80msで遅
く、人間の目の視認速度と言われる約1/30sより長
く、動画像は流れて見える。
【0007】これらに対して、基板間の液晶分子がベン
ド配向した状態における各液晶分子の立ち上がり角の変
化による屈折率変化を利用するベンド配向型の液晶表示
装置(OCBモードの液晶表示装置)が提案されてい
る。ベンド配向した各液晶分子のオン状態とオフ状態で
の配列変化速度は、TN型液晶表示装置のオン,オフ状
態との間の配列変化速度に比べてはるかに高速であり、
応答速度が速い液晶表示装置とすることができる。さら
に、上記ベンド配向型の液晶表示装置は全体に液晶分子
が上下基板間でベンド配向しているため、光学位相差的
に自己補償でき、かつフィルム位相差板で位相差補償を
するため低電圧で広視野の液晶表示装置となる可能性を
持つ。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記液晶表
示装置は通常無電圧下で液晶分子を基板間でスプレイ配
向状態にして作製する。ベンド配向を利用して屈折率を
変化させるためには、液晶表示装置の使用開始前に、表
示部全体を上記スプレイ配向状態からベンド配向状態に
均一に転移させておく必要がある。対向する表示電極間
に電圧を印加すると、スプレイ配向からベンド配向への
転移核が発生する場所は一様でなく、分散されたスペー
サ周囲や、あるいは配向膜界面の配向ムラ,キズ部など
である。また、常に一定の上記場所からその転移核が発
生する訳でもないので転移が起きたり、起きなかったり
で表示欠陥を生じ易い。従って、使用開始前に、表示部
全体を少なくとも全画素部全体を均一にスプレイ配向か
らベンド配向へ転移をさせておくのは極めて重要であ
る。
【0009】しかし、従来、単純な交流電圧を印加して
も、転移が起きなかったり、起きても極めて転移時間が
長く掛かった。
【0010】本発明の目的は、ベンド配向転移がほぼ確
実に発生し、かつ極めて短時間に転移が完了することに
より表示欠陥が無い、応答速度が速く動画像表示に適し
かつ広視野のベンド配向型の液晶表示装置及びその製造
方法、並びに液晶表示装置の駆動方法を提案するもので
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、配向転移させるための駆動方法として、
配向転移のための駆動電圧にバイアス電圧を重畳した電
圧波形を基板間に印加するものである。
【0012】また、本発明は、配向転移のための初期化
期間中において、配向状態が異なる複数の液晶領域、
(特に上下一対の基板間中央部での液晶分子の傾斜角度
が正負逆となる配向状態の2つの液晶領域)を発現させ
得ることを特徴とするものである。これにより、その液
晶領域の境界部でディスクリネーション線を形成するこ
とができ、迅速且つ確実にベンド配向への転移が達成で
きるからである。
【0013】以下に、本発明の具体的な構成を述べる。
【0014】請求項1記載の発明は、一対の基板と、基
板間に挟持される液晶層とを含み、電圧無印加時には前
記液晶層は上下界面の液晶のプレチルト角が正負逆で、
互いに平行に配向処理されたスプレイ配向となってお
り、液晶表示駆動に先立って、前記基板間への電圧印加
により前記液晶層の配向状態をスプレイ配向からベンド
配向に転移させる初期化処理を行ない、この初期化され
たベンド配向状態で液晶表示駆動を行う液晶表示装置に
おける前記スプレイ配向からベンド配向に配向転移させ
るための駆動方法において、バイアス電圧を重畳した交
流電圧を前記基板間に印加して、液晶層をベンド配向に
転移させることを特徴とする。
【0015】上記方法によれば、バイアス電圧を重畳し
た交流電圧を基板間に印加することにより、単純に交流
電圧を印加する場合に比べて、転移時間が短縮される。
なぜなら、バイアス電圧の重畳により、バイアス電圧に
よって液晶層の液晶分子配向が揺さぶられて液晶分子が
一方の基板側に片寄る現象が発生する。これにより、液
晶層内において、短い時間でしかも確実に転移核が発生
し、転移時間が速くなる。これに加えて、実効電圧の増
加により、更に転移時間が速くなる。
【0016】請求項2記載の発明は、一対の基板と、基
板間に挟持される液晶層とを含み、電圧無印加時には前
記液晶層は上下界面の液晶のプレチルト角が正負逆で、
互いに平行に配向処理されたスプレイ配向となってお
り、液晶表示駆動に先立って、前記基板間への電圧印加
により前記液晶層の配向状態をスプレイ配向からベンド
配向に転移させる初期化処理を行ない、この初期化され
たベンド配向状態で液晶表示駆動を行う液晶表示装置に
おける前記スプレイ配向からベンド配向に配向転移させ
るための駆動方法において、前記バイアス電圧を重畳し
た交流電圧を前記基板間に印加する工程と、前記基板間
を電気的に開放状態にする工程とを交互に繰り返し実施
して、液晶層をベンド配向に転移させることを特徴とす
る。
【0017】上記構成の如く、交流電圧印加の後に電気
的開放状態期間を設けることにより、液晶層の液晶分子
配向が揺さぶられて液晶分子が一方の基板側に片寄る現
象が発生する。これにより、液晶層内において、短い時
間でしかも確実に転移核が発生し、転移時間が速くな
る。
【0018】請求項3記載の発明は、一対の基板と、基
板間に挟持される液晶層とを含み、電圧無印加時には前
記液晶層は上下界面の液晶のプレチルト角が正負逆で、
互いに平行に配向処理されたスプレイ配向となってお
り、液晶表示駆動に先立って、前記基板間への電圧印加
により前記液晶層の配向状態をスプレイ配向からベンド
配向に転移させる初期化処理を行ない、この初期化され
たベンド配向状態で液晶表示駆動を行う液晶表示装置に
おける前記スプレイ配向からベンド配向に配向転移させ
るための駆動方法において、バイアス電圧を重畳した交
流電圧を前記基板間に印加する工程と、前記基板間にゼ
ロ電圧あるいは低電圧を印加する工程とを交互に繰り返
し実施して、液晶層をベンド配向に転移させることを特
徴とする。
【0019】上記構成の如く、交流電圧印加の後にゼロ
電圧あるいは低電圧印加期間を設けることにより、液晶
層の液晶分子配向の揺さぶりの度合いが請求項2記載の
発明より大きくなる。従って、液晶分子が一方の基板側
に片寄る現象が極めて短い時間に発生する。これによ
り、転移時間が一層速められることになる。
【0020】請求項4記載の発明は、請求項2又は3記
載の液晶表示装置の駆動方法において、前記バイアス電
圧を重畳した交流電圧に代えて、直流電圧とすることを
特徴とする。
【0021】上記構成の如く、交流電圧に代えて直流電
圧を印加するようにしても、当該直流電圧印加の後に、
ゼロ電圧あるいは低電圧印加期間が存在するため、液晶
層の液晶分子配向の揺さぶりが生じることになる。よっ
て、このような駆動方法においてもまた、転移時間の短
縮化を図ることができる。
【0022】請求項5記載の発明は、請求項2記載の液
晶表示装置の駆動方法において、前記交互に繰り返す電
圧の周波数は0.1Hzから100Hzの範囲であり、
且つ前記交互に繰り返す電圧のデューティ比は1:1か
ら1000:1の範囲であることを特徴とする。
【0023】ここで、「交互に繰り返す電圧」とは、交
流電圧印加期間と電気的開放状態期間の交互の繰り返し
を全体として1つの電圧波形と考えた場合における電圧
を意味する。このような交互に繰り返す電圧の周波数及
びデューティ比を規制するのは、以下の理由による。
【0024】周波数が0.1Hzより小さいと、交互の
繰り返しが殆どないため、交互の繰り返しに起因した液
晶分子配向の片寄りの発生が生じなくなる。一方、周波
数が100Hzより大きいと、交互の繰り返しの頻度が
多すぎて直流電圧に近づき、交互の繰り返しに起因した
液晶分子配向の片寄りの発生が生じなくなる。
【0025】また、デューティ比が1:1より小さい
(例えば、1:5等)場合、液晶層に十分な電圧を印加
できない。一方、デューティ比が1000:1より大き
い場合、交互の繰り返しが殆どない直流電圧に近づき、
交互の繰り返しに起因した液晶分子配向の片寄りの発生
が生じなくなる。
【0026】請求項6記載の発明は、請求項3記載の液
晶表示装置の駆動方法において、前記交互に繰り返す電
圧の周波数は0.1Hzから100Hzの範囲であり、
且つ前記交互に繰り返す電圧のデューティ比は少なくと
も1:1から1000:1の範囲であることを特徴とす
る。
【0027】交互に繰り返す電圧の周波数及びデューテ
ィ比を規制するのは、上記請求項6と同様な理由によ
る。
【0028】請求項7記載の発明は、請求項1に記載の
液晶表示装置の駆動方法において、アクティブマトリッ
クス型液晶表示装置の駆動方法であって、前記交流電圧
は、一方の基板に形成されたスイッチング素子に連結さ
れたアクティブマトリックス型の液晶表示装置の画素電
極と、他方の基板に形成された共通電極との間に印加さ
れることを特徴とする。
【0029】上記構成により、アクティブマトリックス
型の液晶表示装置において、転移時間を短縮化すること
ができる。
【0030】請求項8記載の発明は、請求項2、3、
5、6の何れかに記載の液晶表示装置の駆動方法におい
て、アクティブマトリックス型液晶表示装置の駆動方法
であって、前記交流電圧は、一方の基板に形成されたス
イッチング素子に連結されたアクティブマトリックス型
の液晶表示装置の画素電極と、他方の基板に形成された
共通電極との間に印加されることを特徴とする。
【0031】上記構成により、アクティブマトリックス
型の液晶表示装置において、転移時間を短縮化すること
ができる。
【0032】請求項9記載の発明は、請求項8記載の液
晶表示装置の駆動方法において、前記交流電圧は、共通
電極に印加されることを特徴とする。
【0033】上記構成によっても、転移時間を短縮化す
ることができる。
【0034】請求項10記載の発明は、求項4に記載の
液晶表示装置の駆動方法において、アクティブマトリッ
クス型液晶表示装置の駆動方法であって、前記直流電圧
は、一方の基板に形成されたスイッチング素子に連結さ
れたアクティブマトリックス型の液晶表示装置の画素電
極と、他方の基板に形成された共通電極との間に印加さ
れることを特徴とする。
【0035】上記構成により、アクティブマトリックス
型の液晶表示装置において、転移時間を短縮化すること
ができる。
【0036】請求項11記載の発明は、請求項10記載
の液晶表示装置の駆動方法において、前記直流電圧は、
共通電極に印加されることを特徴とする。
【0037】上記構成によっても、転移時間を短縮化す
ることができる。
【0038】請求項12記載の発明は、請求項1、2、
3、5、6、7、8、9の何れかに記載の液晶表示装置
の駆動方法において、前記交流電圧の電圧値は、液晶層
をスプレイ配向状態からベンド配向状態へ転移させるの
に必要な最小電圧値である臨界電圧値に設定されている
ことを特徴とする。
【0039】上記構成により、低電圧化を図ることがで
きる。
【0040】請求項13記載の発明は、請求項4、1
0、11の何れかに記載の液晶表示装置の駆動方法にお
いて、前記直流電圧の電圧値は、液晶層をスプレイ配向
状態からベンド配向状態へ転移させるのに必要な最小電
圧値である臨界電圧値に設定されていることを特徴とす
る。
【0041】上記構成より、低電圧化を図ることができ
る。
【0042】請求項14記載の発明は、請求項1乃至1
3の何れかに記載の液晶表示装置の駆動方法において、
前記電圧は時間的に平均的に交流化された電圧であるこ
とを特徴とする。
【0043】上記構成により、液晶の劣化を防止でき
る。
【0044】請求項15記載の発明は、一対の基板と、
基板間に挟持される液晶層とを含み、電圧無印加時には
前記液晶層は上下界面の液晶のプレチルト角が正負逆
で、互いに平行に配向処理されたスプレイ配向となって
おり、液晶表示駆動に先立って、前記基板間への電圧印
加により前記液晶層の配向状態をスプレイ配向からベン
ド配向に転移させる初期化処理を行ない、この初期化さ
れたベンド配向状態で液晶表示駆動を行う液晶表示装置
において、前記液晶層をスプレイ配向からベンド配向に
転移させるため、前記基板間にバイアス電圧を重畳した
交流電圧又は直流電圧を印加する電圧印加手段を有する
ことを特徴とする。
【0045】上記構成により、転移時間の短い液晶表示
装置が実現される。
【0046】請求項16記載の発明は、請求項15記載
の液晶表示装置において、前記交流電圧又は直流電圧の
電圧値は、液晶層をスプレイ配向状態からベンド配向状
態へ転移させるのに必要な最小電圧値である臨界電圧値
に設定されていることを特徴とする。
【0047】上記構成により、転移時間の短い液晶表示
装置が実現される。
【0048】請求項17記載の発明は、上下一対の基板
と、基板間に挟持される液晶層とを含み、液晶表示駆動
に先立って、前記基板間への電圧印加により前記液晶層
の初期配向をベンド配向に転移させる初期化処理を行な
い、この初期化されたベンド配向状態で液晶表示駆動を
行う液晶表示装置において、前記ベンド配向状態に転移
させる初期化処理過程中に、配向状態が異なる複数の液
晶領域を液晶層内に形成させる手段を備えたことを特徴
とする。
【0049】上記の如く、配向状態が異なる複数の液晶
領域が発現されると、その液晶領域の境界部でディスク
リネーション線を形成することができ、迅速且つ確実に
ベンド配向への転移が達成できる。なお、配向状態は、
スプレイ配向に限らず、スプレイ配向領域の一部領域に
例えば垂直配向を発現するようにしてもよい。
【0050】請求項18記載の発明は、上下一対の基板
と、基板間に挟持される液晶層とを含み、電圧無印加時
には前記液晶層はスプレイ配向となっており、液晶表示
駆動に先立って、前記基板間への電圧印加により前記液
晶層の配向状態をスプレイ配向からベンド配向に転移さ
せる初期化処理を行ない、この初期化されたベンド配向
状態で液晶表示駆動を行う液晶表示装置において、前記
ベンド配向状態に転移させる初期化処理過程中に、2種
類のスプレイ配向状態を有する液晶領域を液晶層内に発
現させる手段を備えたことを特徴とする。
【0051】上記の如く、2種類のスプレイ配向状態を
有する液晶領域が発現されると、その液晶領域の境界部
でディスクリネーション線を形成することができ、迅速
且つ確実にベンド配向への転移が達成できる。
【0052】請求項19記載の発明は、上下一対の基板
と、基板間に挟持される液晶層とを含み、電圧無印加時
には前記液晶層はスプレイ配向となっており、液晶表示
駆動に先立って、前記基板間への電圧印加により前記液
晶層の配向状態をスプレイ配向からベンド配向に転移さ
せる初期化処理を行ない、この初期化されたベンド配向
状態で液晶表示駆動を行う液晶表示装置において、電圧
を印加しない状態において、上下一対の基板間中央部で
の液晶分子の傾斜角度が正負逆となる配向状態の2つの
液晶領域が少なくとも形成されていることを特徴とす
る。
【0053】このような配向状態であると、t−スプレ
イ配向とb−スプレイ配向が発現しやすくなる。
【0054】請求項20記載の発明は、上下一対の基板
と、基板間に挟持される液晶層とを含み、液晶表示駆動
に先立って、前記基板間への電圧印加により前記液晶層
の配向状態をベンド配向に転移させる初期化処理を行な
い、この初期化されたベンド配向状態で液晶表示駆動を
行う液晶表示装置において、前記ベンド配向状態に転移
させる初期化処理過程中に、前記液晶層にディスクリネ
ーション線を形成させる手段を備え、前記ディスクリネ
ーション線からベンドの転移核が発生ないし拡大するよ
うにしたことを特徴とする。
【0055】上記の如く、ディスクリネーション線形成
手段により、ディスクリネーション線が形成されると、
迅速且つ確実にベンド配向への転移が達成できる。
【0056】請求項21記載の発明は、上下一対の基板
と、基板間に挟持される液晶層とを含み、液晶表示駆動
に先立って、前記基板間への電圧印加により前記液晶層
の配向状態をベンド配向に転移させる初期化処理を行な
い、この初期化されたベンド配向状態で液晶表示駆動を
行う液晶表示装置において、前記スプレイ配向状態の液
晶層にベンド配向状態に転移する電圧より低い電圧を印
加した場合、液晶層内にb−スプレイ配向領域とt−ス
プレイ配向領域とが発現されることを特徴とする。
【0057】上記の如く、転移電圧より低い電圧を印加
した場合に、b−スプレイ配向領域とt−スプレイ配向
領域とが発現される場合には、転移電圧以上の電圧印加
の場合にも、必ずb−スプレイ配向領域とt−スプレイ
配向領域とが発現される。よって、迅速且つ確実にベン
ド配向への転移が達成できる。なお、転移電圧以上の電
圧印加の場合には、転移に要する時間が極めて短く、b
−スプレイ配向領域とt−スプレイ配向領域の発現を観
察することが困難である。一方、本発明のように、転移
電圧より低い電圧を印加した場合に、b−スプレイ配向
領域及びt−スプレイ配向領域が発現される場合には、
ベンドに転移はしないが、配向状態を観察することがで
きるメリットがある。
【0058】請求項22記載の発明は、上下一対の基板
と、基板間に挟持される液晶層とを含み、液晶表示駆動
に先立って、前記基板間への電圧印加により前記液晶層
の配向状態をベンド配向に転移させる初期化処理を行な
い、この初期化されたベンド配向状態で液晶表示駆動を
行う液晶表示装置において、前記スプレイ配向状態の液
晶層にベンド配向状態に転移する電圧より低い電圧を印
加した場合、2種の配向領域が発現し、前記2種の配向
領域の透過率の大小関係が、配向方向から観察した場合
と配向方向から180度なす方向から観察した場合で反
対であることを特徴とする。
【0059】上記構成により、b−スプレイ配向領域及
びt−スプレイ配向領域が発現されていることを確認す
ることができる。
【0060】請求項23記載の発明は、上下一対の基板
と、基板間に挟持される液晶層とを含み、液晶表示駆動
に先立って、前記基板間への電圧印加により前記液晶層
の配向状態をベンド配向に転移させる初期化処理を行な
い、この初期化されたベンド配向状態で液晶表示駆動を
行う液晶表示装置において、電圧未印加時において、前
記液晶層には、前記一対の基板のうち一方の基板付近の
液晶分子の長軸と基板法線とのなす角度を第1の角度と
し、他方の基板付近の液晶分子の長軸と基板法線とのな
す角度を第2の角度とした場合、前記第1の角度と前記
第2の角度とを絶対値で比較したときに第1の角度が第
2の角度よりも大きい領域と、第2の角度が第1の角度
よりも大きい領域がともに形成されていることを特徴と
する上記構成により、配向の異なる領域が得られ、その
境界部からディスクリネーション線が形成され得る。
【0061】請求項24記載の発明は、上下一対の基板
と、基板間に挟持される液晶層とを含み、液晶表示駆動
に先立って、前記基板間への電圧印加により前記液晶層
の配向状態をベンド配向に転移させる初期化処理を行な
い、この初期化されたベンド配向状態で液晶表示駆動を
行う液晶表示装置において、電圧未印加時において、前
記液晶層には、セル厚方向中央部の液晶分子の傾斜角が
異なる領域が複数形成されていることを特徴とする。
【0062】上記構成により、配向の異なる領域が得ら
れ、その境界部からディスクリネーション線が形成され
得る。
【0063】請求項25記載の発明は、上下一対の基板
と、基板間に挟持される液晶層とを含み、液晶表示駆動
に先立って、前記基板間への電圧印加により前記液晶層
の配向状態をベンド配向に転移させる初期化処理を行な
い、この初期化されたベンド配向状態で液晶表示駆動を
行う液晶表示装置において、前記液晶のスプレイ配向状
態にベンド配向状態に転移する電圧以下の電圧を印加し
た場合、セル厚方向中央部の液晶分子の傾斜角が異なる
領域が複数形成されることを特徴とする。
【0064】上記構成により、配向の異なる領域が得ら
れ、その境界部からディスクリネーション線が形成され
得る。
【0065】請求項26記載の発明は、請求項17乃至
25のいずれかに記載の液晶表示装置において、前記複
数の領域が各画素内に形成されることを特徴とする。
【0066】請求項27記載の発明は、請求項17,1
8,19,21,22,23,24,25のいずれかに
記載の液晶表示装置において、前記複数の領域が複数の
画素単位で形成されることを特徴とする。
【0067】請求項28記載の発明は、請求項20記載
の液晶表示装置において、前記ディスクリネーション線
が各画素内に形成されることを特徴とする。
【0068】請求項29記載の発明は、請求項20記載
の液晶表示装置において、前記ディスクリネーション線
が複数の画素単位で形成されることを特徴とする。
【0069】請求項30記載の発明は、請求項17乃至
29のいずれかに記載の液晶表示装置において、ベンド
転移を生じさせる所定波形の転移電圧を印加することを
特徴とする。
【0070】請求項31記載の発明は、請求項17乃至
25のいずれかに記載の液晶表示装置において、前記一
対の基板のうち少なくとも一方の基板における液晶のプ
レチルト角が複数種存在することを特徴とする。
【0071】上記構成により、配向の異なる領域が得ら
れ、その境界部からディスクリネーション線が形成され
得る。
【0072】請求項32記載の発明は、請求項31記載
の液晶表示装置において、前記プレチルト角の最大値と
最小値の差が1度以上であることを特徴とする。
【0073】請求項33記載の発明は、請求項31記載
の液晶表示装置において、前記プレチルト角の最大値と
最小値の差が2度以上であることを特徴とする。
【0074】請求項34記載の発明は、請求項31記載
の液晶表示装置において、前記プレチルト角の最小値が
1度以上であることを特徴とする。
【0075】請求項35記載の発明は、請求項31記載
の液晶表示装置において、前記プレチルト角の最小値が
3度以上であることを特徴とする。
【0076】請求項36記載の発明は、請求項31記載
の液晶表示装置において、前記複数種のプレチルト角が
紫外線照射により得られたものであることを特徴とす
る。
【0077】請求項37記載の発明は、請求項31記載
の液晶表示装置において、前記複数種のプレチルト角が
光配向処理により得られたものであることを特徴とす
る。
【0078】請求項38記載の発明は、請求項31記載
の液晶表示装置において、前記一対の基板のうち一方の
基板における液晶のプレチルト角が複数種存在し、前記
一対の基板のうち他方の基板には、前記一方の基板にお
けるプレチルト角の最小値以上、最大値以下のプレチル
ト角が存在することを特徴とする。
【0079】請求項39記載の発明は、請求項31記載
の液晶表示装置において、前記一対の基板にはそれぞれ
プレチルト角が複数種存在することを特徴とする。
【0080】一対の基板それぞれプレチルト角が複数種
存在するようにすれば、より多くの複数種の配向領域が
得られる。
【0081】請求項40記載の発明は、請求項31記載
の液晶表示装置において、前記一対の基板の各内側面に
は、配向強度が基板面内に分布を有するように配向処理
が行われていることを特徴とする。
【0082】請求項41記載の発明は、請求項40記載
の液晶表示装置において、前記配向処理がラビング処理
であることを特徴とする。
【0083】請求項42記載の発明は、請求項41記載
の液晶表示装置において、前記ラビング処理が、剛性の
異なる植毛がなされたラビング布を用いて行うことを特
徴とする。
【0084】請求項43記載の発明は、請求項41記載
の液晶表示装置において、前記ラビング処理が、毛足の
長さに分布を有するラビング布を用いて行うことを特徴
とする。
【0085】請求項44記載の発明は、請求項41記載
の液晶表示装置において、前記ラビング処理により、基
板上に設けられた立体物の周辺領域のうちのラビング方
向下流側の領域と、それ以外の領域とでラビング強度が
異なるような分布状態となっていることを特徴とする。
【0086】立体物の影になる領域と、それ以外の領域
とでは、ラビング強度に差がでる。従って、このような
立体物を設けてラビングすることにより、プレチルト角
の異なる複数種の領域が得られる。
【0087】請求項45記載の発明は、請求項44記載
の液晶表示装置において、前記立体物が電極線であるこ
とを特徴とする。
【0088】請求項46記載の発明は、請求項45記載
の液晶表示装置において、ラビング方向が電極線の方向
より傾いていることを特徴とする。
【0089】上記構成により、電極線と平行にラビング
する場合に比べて、ラビングの影となる領域が大きくな
る。この結果、配向状態の異なる領域を大とすることが
できる。
【0090】請求項47記載の発明は、請求項46記載
の液晶表示装置において、ラビング方向が電極線の方向
より10度以上傾いていることを特徴とする。
【0091】請求項48記載の発明は、請求項44記載
の液晶表示装置において、前記立体物が柱状スペーサで
あることを特徴とする。
【0092】請求項49記載の発明は、請求項48記載
の液晶表示装置において、前記柱状スペーサが各画素に
形成されていることを特徴とする。
【0093】請求項50記載の発明は、請求項17,1
8,19,21,22,23,24,25のいずれかに
記載の液晶表示装置において、前記複数の領域の境界に
発生するディスクリネーション線に近接して、転移励起
用の横電界形成手段が設けられていることを特徴とす
る。
【0094】横電界形成手段による横電界の作用によ
り、転移が促進される。
【0095】請求項51記載の発明は、請求項20記載
の液晶表示装置において、前記ディスクリネーション形
成手段により形成されたディスクリネーション線に近接
して、転移励起用の横電界形成手段が設けられているこ
とを特徴とする。
【0096】横電界形成手段による横電界の作用によ
り、転移が促進される。
【0097】請求項52記載の発明は、請求項50又は
51記載の液晶表示装置において、前記横電界形成手段
により発生する横電界の電界方向が、配向方向と略直交
することを特徴とする。
【0098】横電界の電界方向と配向方向とに転移容易
性が依存しており、電界方向と配向方向が略直交してい
る場合に良好な転移が達成される。
【0099】請求項50又は51記載の発明より、さら
に転移が促進される。
【0100】請求項53記載の発明は、請求項50又は
51記載の液晶表示装置において、前記一対の基板のう
ち一方の基板がアクティブマトリクス基板であり、前記
横電界形成手段により、アクティブマトリクス基板に配
線されたソース電極線と画素電極間に横電界が発生し、
ソース電極線の配線方向と配向方向が略平行であること
を特徴とする。
【0101】ソース電極線の配線方向と配向方向が略平
行であると、ディスクリネーション線はソース電極線に
ほぼ垂直に発生する。このとき、ソース電極線と画素電
極間に発生する横電界効果が転移に良好である。
【0102】請求項54記載の発明は、請求項50又は
51記載の液晶表示装置において、前記一対の基板のう
ち一方の基板がアクティブマトリクス基板であり、前記
横電界形成手段により、アクティブマトリクス基板に配
線されたゲート電極線と画素電極間に横電界が発生し、
ゲート電極線の配線方向と配向方向が略平行であること
を特徴とする。
【0103】ゲート電極線の配線方向と配向方向が略平
行であると、ディスクリネーション線はゲート電極線に
ほぼ垂直に発生する。このとき、ゲート電極線と画素電
極間に発生する横電界効果が転移に良好である。
【0104】請求項55記載の発明は、請求項50又は
51記載の液晶表示装置において、前記一対の基板のう
ち一方の基板がアクティブマトリクス基板であり、前記
横電界形成手段により、アクティブマトリクス基板に配
線されたゲート電極線と画素電極間、並びに、アクティ
ブマトリクス基板に配線されたソース電極線と画素電極
間にそれぞれ横電界が発生し、配向方向がゲート電極線
の配線方向とソース電極線の配線方向の間にあることを
特徴とする。
【0105】配向方向がソース電極線に対して斜め方向
(ゲート電極線にたいしても同様にの斜め方向)の場合
には、ソース電極線と画素電極間、並びに、ゲート電極
線と画素電極間の双方の横電界が転移に効果的である。
【0106】請求項56記載の発明は、請求項31記載
の液晶表示装置の製造方法であって、 前記一対の基板
にそれぞれ形成された配向膜の少なくとも一方の配向膜
の一部領域のプレチルトを変化させる処理を行うプレチ
ルト変化処理工程を含むことを特徴とする。
【0107】前記プレチルト変化処理工程により、配向
状態の異なる領域を有する液晶表示装置を製造できる。
【0108】請求項57記載の発明は、請求項56記載
の液晶表示装置の製造方法において、前記プレチルト変
化処理工程が、基板に形成された配向膜と異なるプレチ
ルトを有する配向膜材料を前記一部領域に噴霧すること
を特徴とする。
【0109】請求項58記載の発明は、請求項56記載
の液晶表示装置の製造方法において、前記プレチルト変
化処理工程が、配向膜が形成された基板を高湿度条件下
で放置することであることを特徴とする。
【0110】ここで、「高湿度」とは、湿度90%以上
を意味するものとする。
【0111】請求項59記載の発明は、請求項56記載
の液晶表示装置の製造方法において、前記プレチルト変
化処理工程が、前記基板に形成された配向膜に、プレチ
ルトを変化させる処理液を噴霧することを特徴とする。
【0112】請求項60記載の発明は、請求項56記載
の液晶表示装置の製造方法において、前記プレチルト変
化処理工程が、配向膜が形成された基板を溶媒蒸気雰囲
気下で放置することを特徴とする。
【0113】請求項61記載の発明は、請求項31記載
の液晶表示装置において、前記一対の基板にはそれぞれ
配向膜が形成され、前記配向膜のうち少なくも一方の配
向膜の膜厚に分布があることを特徴とする。
【0114】請求項62記載の発明は、請求項61記載
の液晶表示装置の製造方法であって、 印刷面が凹凸状
に形成された印刷版を用いて配向膜を印刷する印刷工程
を含むことを特徴とする。
【0115】請求項63記載の発明は、請求項62記載
の液晶表示装置の製造方法であって、 メッシュサイズ
が100μm以上である印刷版を用いて配向膜を印刷す
る印刷工程を含むことを特徴とする。
【0116】請求項64記載の発明は、請求項62又は
63記載の液晶表示装置の製造方法であって、前記印刷
工程が複数回行われることを特徴とする。
【0117】請求項65記載の発明は、請求項17乃至
25のいずれか記載の液晶表示装置において、前記一対
の基板の少なくとも一方の基板表面が凹凸状にが形成さ
れていることを特徴とする。
【0118】基板表面を凹凸状にすることによっても、
配向状態の異なる領域を形成することができる。
【0119】請求項66記載の発明は、請求項17乃至
25のいずれか記載の液晶表示装置の製造方法であっ
て、前記一対の基板の少なくとも一方の基板表面を、凹
凸状に形成する凹凸形状形成工程を含むことを特徴とす
る。
【0120】請求項67記載の発明は、請求項65記載
の液晶表示装置において、前記凹凸形状がフォトレジス
トで形成されていることを特徴とする。
【0121】請求項68記載の発明は、請求項66記載
の液晶表示装置の製造方法において、凹凸形状形成工程
に形成された凹凸形状をなだらかにする熱処理工程を有
することを特徴とする。
【0122】請求項69記載の発明は、請求項66記載
の液晶表示装置の製造方法において、前記凹凸形状形成
工程が印刷方法を用いて凹凸形状を形成する工程である
ことを特徴とする。
【0123】請求項70記載の発明は、請求項65記載
の液晶表示装置において、前記凹凸形状が窒化シリコン
膜よりなることを特徴とする。
【0124】請求項71記載の発明は、請求項66記載
の液晶表示装置の製造方法において、前記凹凸形状形成
工程が基板の表面を荒らすことで凹凸形状を形成する工
程であることを特徴とする。
【0125】請求項72記載の発明は、請求項71記載
の液晶表示装置の製造方法において、前記凹凸形状形成
工程が酸素プラズマ処理を行うことにより凹凸形状を形
成する工程であることを特徴とする。
【0126】請求項73記載の発明は、請求項65記載
の液晶表示装置において、前記一対の基板の少なくとも
一方の基板の内側面に、透明電極が形成されており、こ
の透明電極の結晶径が50nm以上であることを特徴と
する。
【0127】請求項74記載の発明は、請求項65記載
の液晶表示装置において、前記凹凸形状が、基板上に小
粒子を分散して形成されたものであることを特徴とす
る。
【0128】請求項75記載の発明は、請求項65記載
の液晶表示装置において、前記凹凸形状が、プレス成形
により形成されたものであることを特徴とする。
【0129】請求項76記載の発明は、請求項65記載
の液晶表示装置において、前記凹凸形状が、画素電極の
形状が周囲で持ち上がった凹面形状であることを特徴と
する。
【0130】請求項77記載の発明は、請求項66記載
の液晶表示装置の製造方法において、前記凹凸形状形成
工程が、前記一対の基板の少なくとも一方の基板に樹脂
層を形成する工程と、この樹脂層を処理して凹凸形状を
形成する工程とを有することを特徴とする。
【0131】請求項78記載の発明は、請求項65記載
の液晶表示装置において、前記凹凸形状が、画素電極の
中央部に凸部を形成することにより得られたものである
ことを特徴とする。
【0132】請求項79記載の発明は、請求項65記載
の液晶表示装置において、前記凹凸形状が、画素電極の
対角線方向に凸部を形成することにより得られたもので
あることを特徴とする。
【0133】請求項80記載の発明は、請求項17乃至
25記載の液晶表示装置において、電界の方向により複
数の領域を形成することを特徴とする。
【0134】請求項81記載の発明は、請求項17乃至
25のいずれかに記載の液晶表示装置において、前記一
対の基板に形成されている電極の少なくとも一方の電極
には、電極が欠落した電極欠落部が存在することを特徴
とする。
【0135】上記構成により、電極欠落部を挟んだ両側
の電気力線が、傾斜角度が正負逆となる方向に傾斜す
る。これにより、電極欠落部の一方側ではt−スプレイ
配向が、電極欠落部の他方側ではb−スプレイ配向が形
成される。よって、その境界部のディスクリネーション
線からベンド転移が発生する。
【0136】請求項82記載の発明は、請求項17乃至
25のいずれかに記載の液晶表示装置において、前記一
対の基板に形成されている電極のうち、対向基板側の電
極には、電極が欠落した電極欠落部が存在することを特
徴とする。
【0137】請求項83記載の発明は、請求項17乃至
25のいずれかに記載の液晶表示装置において、前記一
対の基板に形成されている電極のうち、アレイ基板側の
電極には、電極が欠落した電極欠落部が存在することを
特徴とする。
【0138】請求項84記載の発明は、請求項81記載
の液晶表示装置において、前記電極欠落部の延在方向が
前記複数の領域の境界に発生するディスクリネーション
線と一致することを特徴とする。
【0139】請求項85記載の発明は、請求項82記載
の液晶表示装置において、配向方向と電極欠落部の方向
が交差することを特徴とする。
【0140】請求項86記載の発明は、請求項17乃至
25のいずれかに記載の液晶表示装置において、画素電
極との間に横電界を形成する横電界形成手段を有するこ
とを特徴とする。
【0141】請求項87記載の発明は、請求項86記載
の液晶表示装置において、画素電極の両端で横電界を発
生し、その横電界の方向が対向していることを特徴とす
る。
【0142】請求項88記載の発明は、請求項87記載
の液晶表示装置において、前記一対の基板うち一方の基
板がアクティブマトリクス基板であり、前記アクティブ
マトリクス基板はソース電極線及び画素電極を有し、ソ
ース電極線と画素電極間に横電界を印加することを特徴
とする。
【0143】請求項89記載の発明は、請求項88記載
の液晶表示装置において、前記画素電極とソース電極線
との距離が5μm以下であることを特徴とする。
【0144】請求項90記載の発明は、請求項87記載
の液晶表示装置の駆動方法であって、画素電位を保持し
ている期間あるいはその一部期間に、ソース電圧を変化
させ、画素電極とソース電極線間に横電界を印加するこ
とを特徴とする。
【0145】請求項91記載の発明は、請求項87記載
の液晶表示装置において、前記基板の一方がアクティブ
マトリクス基板であり、前記アクティブマトリクス基板
はゲート電極線と画素電極を有し、ゲート電極線と画素
電極間に横電界を印加することを特徴とする。
【0146】請求項92記載の発明は、請求項91記載
の液晶表示装置において、前記画素電極とゲート電極線
との距離が5μm以下であることを特徴とする。
【0147】請求項93記載の発明は、請求項87記載
の液晶表示装置の駆動方法であって、画素電位を保持し
ている期間に、ゲート電圧を低いレベルにし、画素電極
とゲート電極線間に横電界を印加することを特徴とす
る。
【0148】請求項94記載の発明は、請求項87記載
の液晶表示装置の駆動方法であって、画素電位よりも高
い電位にゲート電位を設定して、画素電極とゲート電極
線間に横電界を印加することを特徴とする。
【0149】請求項95記載の発明は、請求項91記載
の液晶表示装置において、前記アクティブマトリクス基
板は補助容量電極を有し、前記補助容量電極はゲート電
極線上に存在しないことを特徴とした。
【0150】請求項96記載の発明は、請求項87記載
の液晶表示装置において、横電界形成手段が、電極側部
に形成された突起形状であることを特徴とする。
【0151】請求項97記載の発明は、請求項96記載
の液晶表示装置において、前記突起形状が画素電極に形
成されたことを特徴とする。
【0152】請求項98記載の発明は、請求項96記載
の液晶表示装置において、前記突起形状がゲート電極線
に形成されたことを特徴とする。
【0153】請求項99記載の発明は、請求項96記載
の液晶表示装置において、前記突起形状がソース電極線
に形成されたことを特徴とする。
【0154】請求項100記載の発明は、請求項87記
載の液晶表示装置において、横電界発生方向と配向方と
が略一致していることを特徴とする。
【0155】請求項101記載の発明は、上下一対の基
板と、基板間に挟持される液晶層とを含み、液晶表示駆
動に先立って、前記基板間への電圧印加により前記液晶
層の初期配向をベンド配向に転移させる初期化処理を行
ない、この初期化されたベンド配向状態で液晶表示駆動
を行う液晶表示装置において、前記基板面内における表
示領域には、スペーサが存在しないことを特徴とする。
【0156】表示領域にスペーサが存在すると、転移の
障害となる。従って、本発明のようにスペーサが表示領
域に存在しなければ、転移が円滑に達成される。
【0157】請求項102記載の発明は、請求項101
記載の液晶表示装置において、前記表示領域以外の非表
示領域に、スペーサが形成されていることを特徴とす
る。
【0158】請求項103記載の発明は、請求項102
記載の液晶表示装置において、前記スペーサが柱状スペ
ーサであることを特徴とする。
【0159】請求項104記載の発明は、画素電極を有
するアレー基板と共通電極を有する対向基板の間に配置
された液晶層上下界面の液晶のプレチルト角が正負逆
で、互いに平行に配向処理されたスプレイ配向の液晶セ
ルで、電圧無印加時にはスプレイ配向となっており、液
晶表示駆動に先立って、電圧印加によりスプレイ配向か
らベンド配向に転移させる初期化処理が行われ、この初
期化されたベンド配向状態で液晶表示駆動を行うアクテ
ィブマトリックス型の液晶表示装置において、前記アレ
ー基板の内面側に形成された配向膜における液晶のプレ
チルト角が第1のプレチルト角を示すと共に、対向する
対向基板の内面側に形成された配向膜における液晶のプ
レチルト角が第1のプレチルト角よりも大きい第2のプ
レチルト角を示す第1の液晶セル領域と、前記第1の液
晶セル領域に隣接して配置され、アレー基板の内面側に
形成された配向膜における液晶のプレチルト角が第3の
プレチルト角を示すと共に、対向する対向基板の内面側
に形成された配向膜における液晶のプレチルト角が第3
のプレチルト角よりも小さい第4のプレチルト角を示す
第2の液晶セル領域と、を同一画素内に少なくとも有し
ており、前記配向膜が、第1の液晶セル領域から第2の
液晶セル領域に向けて配向処理されている液晶セルと、
前記画素電極と前記共通電極との間に、ディスクリネー
ション線を形成するための第1の電圧を印加し、前記第
1の液晶セル領域と前記第2の液晶セル領域との境界付
近においてディスクリネーション線を形成する第1の電
圧印加手段と、前記画素電極と前記共通電極との間に前
記第1の電圧よりも高い第2の電圧を印加することによ
り、ディスクリネーション線において転移核を発生さ
せ、スプレイ配向からベンド配向へ転移させる第2の電
圧印加手段と、を備えることを特徴としている。
【0160】前記構成とすることにより、前記画素電極
と共通電極の間に第1の電圧を印加することにより、前
記第1の液晶セル領域と第2の液晶セル領域との間にお
いて、周囲より歪みのエネルギーが高いディスクリネー
ション線を形成することができ、さらに、前記画素電極
と前記共通電極との間に第1の電圧よりも高いの第2の
電圧を印加することにより、更に前記ディスクリネーシ
ョン線にエネルギーが与えられて該ディスクリネーショ
ン線においてスプレイ配向からベンド配向に転移する。
【0161】従って、前記構成とした液晶表示装置にお
いては、スプレイ−ベンド配向転移を液晶セルの多数形
成した各画素領域内で確実に一定の場所(ディスクリネ
ーション線)で起こすことができ、また、配向転移を確
実に速く起こさせることができ、表示欠陥が生ずること
なく、高画質で価格的に優れた液晶表示装置を実現する
ことができる。
【0162】請求項105記載の発明は、請求項104
記載の液晶表示装置であって、前記第1および第4のプ
レチルト角は3度以下であり、前記第2および第3のプ
レチルト角は4度以上であることを特徴としている。
【0163】前記構成とすることにより、前記第2およ
び第4のプレチルト角と前記第1および第4のプレチル
ト角との比を大きくすることができ、前記比を大きくす
ることによって、周囲より歪みのエネルギーが更に高い
ディスクリネーション線を形成することができ、スプレ
イ配向からベンド配向への転移時間をさらに短縮するこ
とが可能となる。
【0164】請求項106記載の発明は、請求項104
記載の液晶表示装置であって、前記配向膜の配向処理さ
れる方向は、前記画素電極に沿う信号電極線またはゲー
ト電極線に対して直角であることを特徴としている。
【0165】前記構成とすることにより、液晶層内の液
晶分子の配向状態方向に横電界印加部から略直交方向に
横電界が印加されるため、該横電界により液晶分子がね
じれる力を受け、従って、ディスクリネーション線にお
いて転移核が発生し、迅速にスプレイ配向からベンド配
向への配向の転移を行うことができる。
【0166】請求項107記載の発明は、請求項104
記載の液晶表示装置であって、前記配向膜の配向処理さ
れる方向は、前記画素電極に沿う信号電極線またはゲー
ト電極線に対して直角方向から若干ずれていることを特
徴としている。
【0167】前記配向膜の配向処理方向を、前記信号電
極線またはゲート電極線に対して直角方向から若干ずれ
るようにすることによって、前記ディスクリネーション
線に対して信号電極線またはゲート電極線からの横電界
が斜めに印加されることとなるので、スプレイ配向した
液晶分子にねじれる力が加わることとなるので、ベンド
配向への転移がし易くなる。
【0168】請求項108記載の発明は、請求項104
記載の液晶表示装置であって、前記第2の電圧は、その
周波数が0.1Hzから100Hzの範囲であり、且つ
第2の電圧のデューティー比は少なくとも1:1から1
000:1の範囲である、パルス状の電圧であることを
特徴としている。
【0169】前記のようなパルス状の第2の電圧を印加
し、電圧印加期間と電圧を印加しない期間を交互に繰り
返すことにより、液晶分子が揺動されて転移し易い状態
となり、従って、スプレイ配向した液晶分子がベンド配
向へ転移する。なお、前記周波数およびデューティー比
を上記範囲に規制するのは、スプレイ配向からベンド配
向への転移領域を拡大するためである。
【0170】請求項109記載の発明は、請求項104
乃至108の何れかに記載の液晶表示装置であって、前
記ゲート電極線は、前記転移させる期間中の少なくとも
大部分においてハイ状態であることを特徴としている。
【0171】前記ディスクリネーション線領域は周囲よ
り歪みのエネルギーが高くなっており、この状態に、画
素電極の横に配置されているゲート電極線からも前記デ
ィスクリネーション線に横電界が印加されることとなる
ので、更にエネルギーが与えられてスプレイ配向からベ
ンド配向へ速く転移する。
【0172】請求項110記載の発明は、請求項104
乃至108の何れかに記載の液晶表示装置であって、前
記画素電極および前記共通電極の内面側に形成された配
向膜のうち、少なくとも一方の配向膜の一部の領域に紫
外線を照射して、該配向膜における液晶のプレチルト角
を変化させて配向分割された液晶セルを有することを特
徴としている。
【0173】前記配向膜の一部の領域に紫外線を照射す
ることにより、紫外線が照射された領域の配向膜の表面
が改質され、改質された配向膜における液晶のプレチル
ト角を小さい値とすることができる。なお、紫外線の照
射によって、配向膜における液晶のプレチルト角が小さ
くなるのは、現在明らかとなっていないが、配向膜表面
に存在する側鎖が紫外線によって切断されるためと考え
られている。このようにして、紫外線照射により、配向
分割された液晶セルを容易に形成することができる。
【0174】請求項111記載の発明は、請求項104
乃至108の何れかに記載の液晶表示装置であって、前
記画素電極および前記共通電極の一部の領域にオゾン雰
囲気下で紫外線を照射して、該画素電極および共通電極
のうち、少なくとも一方の電極の一部の領域を平坦化処
理した後、前記画素電極および共通電極上に配向膜を塗
布焼成して、前記配向膜における液晶のプレチルト角を
変化させて配向分割された液晶セルを有することを特徴
としている。
【0175】前記画素電極および前記共通電極の一部の
領域にオゾン雰囲気下で紫外線を照射することによっ
て、画素電極および共通電極の表面を平坦化することが
でき、従って、画素電極および共通電極上に、配向膜を
塗布することにより、該配向膜における液晶のプレチル
ト角を変化させ配向分割された液晶セルを形成すること
が容易にできる。
【0176】請求項112記載の発明は、画素電極を有
するアレー基板と共通電極を有する対向基板との間に配
置された液晶層上下界面の液晶のプレチルト角が正負逆
で、互いに平行に配向処理されたスプレイ配向の液晶セ
ルを有しており、前記液晶セルは同一画素内に互いに隣
接する第1の液晶セル領域と第2の液晶セル領域とを有
し、前記第1の液晶セル領域は、前記アレー基板の液晶
層側の界面における液晶の第1プレチルト角が、前記対
向基板の液晶層側の界面における液晶の第2プレチルト
角よりも小さくなるように配向処理され、前記第2の液
晶セル領域は、前記対向基板の液晶層側の界面における
液晶の第4のプレチルト角が、前記第2のプレチルト角
よりも小さく、かつ前記アレー基板の液晶層側の界面に
おける液晶の第3のプレチルト角よりも小さくなるよう
に配向処理されており、電圧無印加時には前記液晶層は
スプレイ配向となっており、液晶表示駆動に先立って、
電圧印加によりスプレイ配向からベンド配向に転移させ
る初期化処理が行われ、この初期化されたベンド配向状
態で液晶表示駆動を行う液晶表示装置における前記スプ
レイ配向からベンド配向に配向転移させるための駆動方
法であって、前記画素電極と前記共通電極との間に第1
の電圧を印加することにより、第1の液晶セル領域では
液晶分子をb―スプレイ配向させるとともに、第2の液
晶セル領域では液晶分子をt―スプレイ配向させて、前
記第1の液晶セル領域と前記第2の液晶セル領域との境
界付近においてディスクリネーション線を形成し、前記
画素電極と前記共通電極との間に第1の電圧よりも高い
第2の電圧を印加し、前記第1の液晶セル領域と前記第
2の液晶セル領域との境界付近のディスクリネーション
線において転移核を発生させ、スプレイ配向からベンド
配向へ転移させることを特徴としている。
【0177】前記方法とすることにより、前記液晶表示
装置においては、スプレイ−ベンド配向転移を液晶セル
の多数形成した各画素領域内で確実に一定の場所(ディ
スクリネーション線付近)で起こさせることができ、ま
た、ディスクリネーション線付近は、周囲より歪みのエ
ネルギーが高いので、転移核が確実に発生する。従っ
て、配向転移を確実に速く起こさせることができ、表示
欠陥が生ずることなく、画質の優れた液晶表示が可能と
なる。
【0178】請求項113記載の発明は、画素電極を有
するアレー基板と共通電極を有する対向基板の間に配置
された液晶層上下界面の液晶のプレチルト角が正負逆
で、互いに平行に配向処理されたスプレイ配向の液晶セ
ルを有し、電圧無印加時には前記液晶層はスプレイ配向
となっており、液晶表示駆動に先立って、電圧印加によ
りスプレイ配向からベンド配向に転移させる初期化処理
が行われ、この初期化されたベンド配向状態で液晶表示
駆動を行うアクティブマトリックス型の液晶表示装置の
製造方法において、前記液晶セルの一画素内の一部の領
域において、前記アレー基板の液晶層側の界面における
液晶の第1のプレチルト角が、前記対向基板の液晶層側
の界面における液晶の第2のプレチルト角よりも小さく
なるように配向処理を行って第1の液晶セル領域を形成
し、前記一画素内の他の領域において、前記対向基板の
液晶層側の界面における液晶の第4のプレチルト角が、
前記第2のプレチルト角よりも小さく、かつ前記アレ-
基板の液晶層側の界面における液晶の第3のプレチルト
角よりも小さくなるように配向処理を行って第2の液晶
セル領域を形成する、配向処理工程を含むことを特徴と
する。
【0179】前記方法とすることにより、画素内にb−
スプレイ配向領域とt−スプレイ配向領域が形成され、
その境界にディスクリネーション線が明瞭に形成され
る。前記ディスクリネーション線付近は、前述したよう
に、周囲より歪みのエネルギーが高いので、転移核が確
実に発生し、従って、配向転移を確実に速く起こさせる
ことができる。
【0180】請求項114記載の発明は、請求項113
記載の液晶表示装置の製造方法において、前記配向処理
工程は、前記アレー基板上に形成された画素電極および
前記対向基板上に形成された共通電極の内面側に形成さ
れた配向膜の、一画素内の一部の領域に紫外線を照射し
て、液晶のプレチルト角を変化させて、前記第1の液晶
セル領域と前記第2の液晶セル領域とを形成する工程で
あることを特徴とする。
【0181】前記配向膜の一部の領域に紫外線を照射す
ることにより、紫外線が照射された領域の配向膜の表面
が改質され、改質された配向膜における液晶のプレチル
ト角を小さい値とすることができる。
【0182】請求項115記載の発明は、請求項113
記載の液晶表示装置の製造方法において、前記配向処理
工程は、前記アレー基板上に形成された画素電極および
前記対向電極上に形成された共通電極の、一画素内の一
部の領域にオゾン雰囲気下で紫外線を照射して、前記画
素電極および前記共通電極の一部の領域を平坦化処理
し、前記画素電極および前記共通電極上に配向膜を塗布
焼成して、該配向膜における液晶のプレチルト角を変化
させて、前記第1の液晶セル領域と前記第2の液晶セル
領域とを形成する工程であることを特徴とする。
【0183】前記方法とすることにより、画素電極およ
び共通電極のうち、少なくとも一方の電極の一部の領域
を平坦化することができ、従って、画素電極および共通
電極上に、配向膜を塗布することにより、該配向膜にお
ける液晶のプレチルト角を変化させ配向分割された液晶
セルを有する液晶表示装置を得ることができる。
【0184】請求項116記載の発明は、アレー基板と
対向基板の間の液晶層上下界面の液晶のプレチルト角が
正負逆で、互いに平行に配向処理されたスプレイ配向の
液晶セルで、電圧無印加時にはスプレイ配向となってお
り、液晶表示駆動に先立って、電圧印加によりスプレイ
配向からベンド配向に転移させる初期化処理が行われ、
この初期化されたベンド配向状態で液晶表示駆動を行う
アクティブマトリックス型の液晶表示装置において、1
画素内に、少なくとも1つの転移励起用の横電界印加部
を有し、該横電界印加部によって横電界を発生させると
ともに、画素電極と共通電極間に連続的または間欠的に
電圧を印加し、画素毎に転移核を発生させ画素全体をス
プレイ配向からベンド配向に転移させることを特徴とし
ている。
【0185】前記構成により、以下の作用がなされる。
【0186】画素電極と共通電極間に転移電圧よりも充
分大きい電圧を印加すると共に、1画素内に設けられた
少なくとも1つの転移励起用の横電界印加部が液晶層に
横電界を加え、これにより、該横電界印加部が画素内液
晶層のスプレイ配向からベンド配向への起点となり(即
ち、横電界印加部周辺の液晶層内に転移核を確実に発生
させることができ)、従って、迅速にスプレイ配向から
ベンド配向への配向の転移を行うことができる。
【0187】請求項117記載の発明は、請求項116
記載の液晶表示装置であって、前記横電界印加部によっ
て発生される横電界の方向は、配向処理方向と略直交し
ていることを特徴としている。
【0188】前記構成とすることにより、液晶層内の液
晶分子の配向状態方向に横電界印加部から略直交方向に
横電界が印加されるため、該横電界により液晶分子がね
じれる力を受け、従って、転移核が発生し、迅速にスプ
レイ配向からベンド配向への配向の転移を行うことがで
きる。
【0189】請求項118記載の発明は、請求項116
記載の液晶表示装置であって、前記横電界印加部は、画
素電極の周辺部を基板面に平行な面内で凹凸に変形させ
た電極変形部であることを特徴としている。
【0190】前記構成により、以下の作用がなされる。
【0191】画素電極の周辺を基板面に平行な面内で凹
凸に変形した電極変形部からなる横電界印加部と、該横
電界印加部の側方に存在する信号電極線若しくはゲート
電極線との間で電場が集中することとなり、従って、そ
の場合に発生する横電界は、横電界印加部を有しない画
素電極と信号電極線若しくはゲート電極線との間で発生
する横電界よりも強い。従って、前記横電界印加部の存
在によって発生する横電界により、液晶層内に転移核を
確実に発生することができ、スプレイ配向からベンド配
向への配向の転移を迅速に行うことができる。
【0192】請求項119記載の発明は、請求項116
記載の液晶表示装置であって、前記横電界印加部は、信
号電極線若しくはゲート電極線を基板面に平行な面内で
凹凸に変形させた電極線変形部であることを特徴として
いる。
【0193】前記構成により、以下の作用がなされる。
【0194】請求項118の発明と同様の作用が、いず
れかのあるいは両方の電極線の電極線変形部の存在によ
りなされる。
【0195】請求項120記載の発明は、請求項116
記載の液晶表示装置であって、前記横電界印加部は、画
素電極の周辺部を基板面に平行な面内で凹凸に変形さ
せ、該凹凸に対応して信号電極線若しくはゲート電極線
を凸凹に変形させた電極・電極線変形部であることを特
徴としている。
【0196】前記構成により、以下の作用がなされる。
【0197】画素電極の少なくとも一辺を基板面に平行
な面内でその周辺部を凹凸に変形させ、これに対応して
信号電極線若しくはゲート電極線あるいはその両方を凸
凹に変形させた電極・電極線変形部である横電界印加部
により、請求項31の発明と同様の作用がなされる。
【0198】請求項121記載の発明は、請求項116
記載の液晶表示装置であって、前記横電界印加部は、横
電界印加用線を基板面に対して平行な面内で凹凸に変形
させた横電界印加用線変形部であり、該横電界印加用線
は、信号電極線若しくはゲート電極線の少なくとも一方
の上層若しくは下層に絶縁膜を介して同方向に配設さ
れ、前記信号電極線若しくはゲート電極線が接続された
駆動回路に接続されていることを特徴としている。
【0199】前記構成とすることにより、前記横電界印
加用線は横電界印加専用の線であり、信号電極線若しく
はゲート電極線の少なくとも一方の上層若しくは下層に
絶縁膜を介して配設されているので、横電界印加用線の
側部に凹凸を連続的に形成する等の形状に柔軟性があ
る。また、横電界印加用線は、信号電極線若しくはゲー
ト電極線に重なっているため光の吸収が少なく、従っ
て、画素の開口率が低下しない。よって、設計に自由度
をもたせた冗長設計とすることが可能である。
【0200】請求項122記載の発明は、請求項121
記載の液晶表示装置であって、前記横電界印加用線は、
配向転移後の通常の液晶表示時には、駆動回路と遮断さ
れることを特徴としている。
【0201】前記構成とすることにより、前記横電界印
加用線は、配向転移後の通常の液晶表示時には、駆動回
路と遮断されるので、その場合、横電界印加用線に形成
された横電界印加部と画素電極間に横電界が発生するこ
とはない。従って、通常の液晶表示時に、液晶の配向乱
れが生じるようなことはなく、良好な液晶表示状態を示
す液晶表示装置を得ることができる。
【0202】請求項123記載の発明は、アレー基板と
対向基板の間の液晶層上下界面の液晶のプレチルト角が
正負逆で、互いに平行に配向処理されたスプレイ配向の
液晶セルで、電圧無印加時にはスプレイ配向となってお
り、液晶表示駆動に先立って、電圧印加によりスプレイ
配向からベンド配向に転移させる初期化処理が行われ、
この初期化されたベンド配向状態で液晶表示駆動を行う
アクティブマトリックス型の液晶表示装置において、1
画素内に、転移励起用の横電界印加のために少なくとも
1カ所に欠陥部を形成した画素電極若しくは共通電極の
少なくとも一方を有していることを特徴としている。
【0203】前記構成により、以下の作用がなされる。
【0204】画素単位に、転移励起用の横電界印加のた
め少なくとも1カ所に欠陥部を形成した画素電極若しく
は共通電極の少なくとも一方を有しているので、該欠陥
部の縁において、電界の歪み(斜め電界)が発生する。
従って、該斜め電界により、液晶分子がねじれる力を受
け、転移核が確実に発生し、スプレイ配向からベンド配
向への転移が速くなる。
【0205】請求項124記載の発明は、アレー基板と
対向基板の間の液晶層上下界面の液晶のプレチルト角が
正負逆で、互いに平行に配向処理されたスプレイ配向の
液晶セルで、電圧無印加時にはスプレイ配向となってお
り、液晶表示駆動に先立って、電圧印加によりスプレイ
配向からベンド配向に転移させる初期化処理が行われ、
この初期化されたベンド配向状態で液晶表示駆動を行う
アクティブマトリックス型の液晶表示装置において、1
画素内に、転移励起用の横電界印加部を有し、更に1画
素は、画素電極の一部領域の液晶分子のプレチルト角が
第1のプレチルト角を示し、前記画素電極に対向する共
通電極の一部領域の液晶分子のプレチルト角がそれより
も大きい第2のプレチルト角を持つ第1の配向領域と、
前記画素電極の他領域の液晶分子のプレチルト角が第3
のプレチルト角を示し、前記画素電極に対向する共通電
極の他の一部領域の液晶分子のプレチルト角がそれより
も小さい第4のプレチルト角を持つ第2の配向領域とを
有することを特徴としている。
【0206】前記構成により、以下の作用がなされる。
【0207】横電界印加部の作用と、前記第1の配向領
域と第2の配向領域ではプレチルト角が相違するため、
第1および第2の配向領域の間でディスクリネーション
線が発生し、該ディスクリネーション線が配向転移の起
点となり、スプレイ配向からベンド配向への転移が促進
される。
【0208】請求項125記載の発明は、請求項116
乃至124の何れかに記載の液晶表示装置であって、前
記共通電極と画素電極の間に、周波数が0.1Hzから
100Hzの範囲であり、且つデューティー比は少なく
とも1:1から1000:1の範囲であるパルス状の電
圧を印加するパルス電圧印加部を有していることを特徴
としている。
【0209】前記構成により、以下の作用がなされる。
【0210】画素の大きさ、形状、液晶層の厚さ等によ
ってある程度の相違があるも、パルス電圧印加部の周波
数およびデューティー比を上記範囲に規制するのは、ス
プレイ配向からベンド配向への転移領域を拡大するため
である。
【0211】前記のようなパルス状の第2の電圧を印加
し、電圧印加期間と電圧を印加しない期間を交互に繰り
返すことにより、液晶分子が揺動されて転移し易い状態
となり、従って、スプレイ配向した液晶分子がベンド配
向へ転移する。なお、前記周波数およびデューティー比
を上記範囲に規制するのは、スプレイ配向からベンド配
向への転移領域を拡大するためである。
【0212】請求項126記載の発明は、一対の基板間
に挟持される液晶層と、基板の外側に配設される位相補
償板とを含み、電圧無印加時には前記液晶層は上下界面
の液晶のプレチルト角が正負逆で、互いに平行に配向処
理されたスプレイ配向となっており、液晶表示駆動に先
立って、電圧印加により前記液晶層の配向状態をスプレ
イ配向からベンド配向に転移させる初期化処理を行な
い、この初期化されたベンド配向状態で液晶表示駆動を
行う液晶表示装置において、表示画素内に周囲よりも液
晶層厚の小さな領域を少なくとも1ケ所含み、かつ前記
領域内の液晶層に印加される電界強度が、周囲の液晶層
に印加される電界強度よりも大きいことを特徴とする。
【0213】上記構成により、電界強度の大きい部分で
転移核の発生が生じ易くなり、転移時間を短くすること
ができる。
【0214】また請求項127記載の発明は、一対の基
板間に挟持される液晶層と、基板の外側に配設される位
相補償板とを含み、電圧無印加時には前記液晶層は上下
界面の液晶のプレチルト角が正負逆で、互いに平行に配
向処理されたスプレイ配向となっており、液晶表示駆動
に先立って、電圧印加により前記液晶層の配向状態をス
プレイ配向からベンド配向に転移させる初期化処理を行
ない、この初期化されたベンド配向状態で液晶表示駆動
を行う液晶表示装置において、表示画素外に液晶層厚の
小さな領域を少なくとも1ケ所含み、かつ前記領域の液
晶層に印加される電界強度が、画素内液晶層に印加され
る電界強度よりも大きいことを特徴とする。
【0215】上記構成により、画素外において電界集中
がおこり、画素外に発生する転移核が画素内に伝播す
る。従って、かかる場合においても、転移時間を短くす
ることができる。
【0216】また請求項128記載の発明は、一対の基
板間に挟持される液晶層と、基板の外側に配設される位
相補償板とを含み、電圧無印加時には前記液晶層は上下
界面の液晶のプレチルト角が正負逆で、互いに平行に配
向処理されたスプレイ配向となっており、液晶表示駆動
に先立って、電圧印加により前記液晶層の配向状態をス
プレイ配向からベンド配向に転移させる初期化処理を行
ない、この初期化されたベンド配向状態で液晶表示駆動
を行う液晶表示装置において、表示画素内に電界集中部
位を少なくとも1ケ所含むことを特徴とする。
【0217】また請求項129記載の発明は、請求項1
28記載の液晶表示素子において、前記表示画素内に設
けられた電界集中部位が液晶層の厚み方向に部分的に突
出した表示電極、あるいは共通電極の一部または、その
両方であることを特徴とする。
【0218】上記の如く突出した表示電極構成により、
電界集中部位を構成することができる。、また請求項1
30記載の発明は、一対の基板間に挟持される液晶層
と、基板の外側に配設される位相補償板とを含み、電圧
無印加時には前記液晶層は上下界面の液晶のプレチルト
角が正負逆で、互いに平行に配向処理されたスプレイ配
向となっており、液晶表示駆動に先立って、電圧印加に
より前記液晶層の配向状態をスプレイ配向からベンド配
向に転移させる初期化処理を行ない、この初期化された
ベンド配向状態で液晶表示駆動を行う液晶表示装置にお
いて、表示画素外に電界集中部位を少なくとも1ケ所含
むことを特徴とする。
【0219】上記の如く表示画素外に電界集中部位を設
けることにより、画素外に発生する転移核が画素内に伝
播する。従って、かかる場合においても、転移時間を短
くすることができる。
【0220】また請求項131記載の発明は、請求項1
30項記載の液晶表示装置において、前記電界集中部位
が液晶層の厚み方向に部分的に突出した電極の一部であ
ることを特徴とする。
【0221】また請求項132記載の発明は、一対の基
板間に挟持される液晶層と、基板の外側に配設される位
相補償板とを含み、電圧無印加時には前記液晶層は上下
界面の液晶のプレチルト角が正負逆で、互いに平行に配
向処理されたスプレイ配向となっており、液晶表示駆動
に先立って、電圧印加により前記液晶層の配向状態をス
プレイ配向からベンド配向に転移させる初期化処理を行
ない、この初期化されたベンド配向状態で液晶表示駆動
を行う液晶表示装置において、表示電極、あるいは共通
電極の一部、またはその両方に開口部を有していること
を特徴とする。
【0222】上記構成によっても、転移時間を短くでき
る。
【0223】また請求項133記載の発明は、請求13
2記載の液晶表示装置において、前記開口部が、スイッ
チング素子を含むアクティブマトリックス型液晶表示装
置の、平坦化膜上に形成した表示電極と該スイッチング
素子と電気的に接続する導通口であることを特徴とす
る。
【0224】上記構成によっても、転移時間を短くでき
る。
【0225】また請求項134記載の発明は、請求項1
26乃至133の何れかに記載の液晶表示装置におい
て、前記位相補償板が、主軸がハイブリッド配列した負
の屈折率異方性を有する光学媒体よりなる位相補償板を
少なくとも1枚含む位相補償板であることを特徴とす
る。
【0226】また請求項135記載の発明は、請求項1
34記載の液晶表示装置において、前記位相補償板が、
少なくとも1枚の正の位相補償板を含む位相補償板であ
ることを特徴とする。
【0227】請求項136記載の発明は、 互いに対向
する第1の基板と第2の基板との間に保持された液晶に
電場を印加し、前記液晶の配向をベンド配向に転移させ
る液晶表示装置であって、前記液晶のスプレイ弾性定数
k11を、10×10−7dyn≧k11≧6×10−7d
ynの範囲とし、且つ、前記第1の基板に対する前記液
晶のプレチルト角の絶対値をθ1とし、前記第2の基板
に対する前記液晶のプレチルト角の絶対値をθ2とした
とき、1.57rad>|θ1−θ2|≧0.0002r
adなる関係を満たすことを特徴とする液晶表示装置で
ある。
【0228】上記構成により、液晶転移の臨界電場を低
下させ、液晶分子の配向状態を、初期状態からベンド配
向へ速やかに転移させる液晶表示装置が構成される。
【0229】請求項137記載の発明は、互いに対向す
る第1の基板と第2の基板との間に保持された液晶に電
場を印加し、前記液晶の配向をベンド配向に転移させる
方法であって、前記液晶のスプレイ弾性定数k11を、1
0×10-7dyn≧k11≧6×10-7dynの範囲と
し、且つ、前記電場が、空間的に均一に印加される主電
場に、空間的に不均一に印加される副電場を重畳させた
電場であり、前記主電場をE0とし、前記副電場の最大
値をE1としたとき、1.0>E1/E0>1/100な
る関係を満たすことを特徴とする。
【0230】このような構成によっても、液晶転移の臨
界電場を低下させ、液晶分子の配向状態を、初期状態か
らベンド配向へ速やかに転移させることが可能となる。
【0231】請求項138記載の発明は、互いに対向す
る第1の基板と第2の基板との間に保持された液晶に電
場を印加し、前記液晶の配向をベンド配向に転移させる
方法であって、前記第1の基板に対する前記液晶のプレ
チルト角の絶対値をθ1とし、前記第2の基板に対する
前記液晶のプレチルト角の絶対値をθ2としたとき、
1.57rad>|θ1−θ2|≧0.0002radな
る関係を満たし、且つ、前記電場が、空間的に均一に印
加される主電場に、空間的に不均一に印加される副電場
を重畳させた電場であり、前記主電場をE0とし、前記
副電場の最大値をE1としたとき、1.0>E1/E0>
1/100なる関係を満たすことを特徴とする。
【0232】このような構成によっても、液晶転移の臨
界電場を低下させ、液晶分子の配向状態を、初期状態か
らベンド配向へ速やかに転移させることが可能となる。
【0233】請求項139記載の発明は、互いに対向す
る第1の基板と第2の基板との間に保持された液晶に電
場を印加し、前記液晶の配向をベンド配向に転移させる
方法であって、前記液晶のスプレイ弾性定数k11を10
×10-7dyn≧k11≧6×10-7dynの範囲とし、
前記第1の基板に対する前記液晶のプレチルト角の絶対
値をθ1とし、前記第2の基板に対する前記液晶のプレ
チルト角の絶対値をθ2としたとき、1.57rad>
|θ1−θ2|≧0.0002radなる関係を満たし、
且つ、前記電場が、空間的に均一に印加される主電場
に、空間的に不均一に印加される副電場を重畳させた電
場であり、前記主電場をE0とし、前記副電場の最大値
をE1としたとき、1.0>E1/E0>1/100なる
関係を満たすことを特徴とする。
【0234】このような構成によっても、液晶転移の臨
界電場を低下させ、液晶分子の配向状態を、初期状態か
らベンド配向へ速やかに転移させることが可能となる。
【0235】なお、前記プレチルト角は、各基板表面に
接する液晶分子の電場印加前の配向角であり、基板表面
に接する液晶分子の分子軸の、基板に平行な平面に対す
る傾きを、基板に平行な平面を基準(=0)として反時
計回りに正として、−π/2〜π/2radの範囲で表
した角度である。また、前記第1の基板に対する前記液
晶のプレチルト角と、前記第2の基板に対する前記液晶
のプレチルト角とは互いに異符号の角度である。
【0236】また、請求項140記載の発明は、請求項
137乃至139の何れかに記載の液晶表示装置の駆動
方法において、前記副電場が、前記第1の基板の表面に
形成された薄膜トランジスタのソース電極あるいはゲー
ト電極と、前記第2の基板の表面に形成された透明電極
との間に印加される電場であることを特徴とする。
【0237】また、請求項141記載の発明は、請求項
137乃至140の何れかに記載の液晶表示装置の駆動
方法において、前記副電場が、時間の経過に伴って減衰
振動させた交流電場であることを特徴とする。
【0238】
【発明の実施の形態】本発明は、ベンド配向型のOCB
セルを備えた液晶表示装置において、以下に述べるスプ
レイ配向からベンド配向への転移メカニズムに着目した
結果得られたものである。従って、先ず、該転移メカニ
ズムについて詳細に説明した後、本発明の具体的内容を
実施の形態を用いて説明することにする。
【0239】図1はベンド配向型のOCBセルを備えた
液晶表示装置の一部分を示す斜視図である。図1を参照
して、ベンド配向型のOCBセルを備えた液晶表示装置
の構成を簡単に説明すると、相互に平行配置した基板1
0と11との間に、液晶分子12を含む液晶層13が挿
入されている。図には示さないが、基板10,11の相
互に対向する表面には、それぞれ液晶層13に電界を印
加するための表示電極、及び液晶分子の配向を規制する
ための配向膜が形成されている。上記配向膜は図に示す
ように基板界面付近の液晶分子12を約5〜7度プレチ
ルトし、基板面内における配向方位が相互に同じ方向
に、すなわち平行配向になるように配向処理されてい
る。基板10,11表面から離れるに従って液晶分子1
2は徐々に立ち上がり、液晶層13の厚さ方向のほぼ中
央において液晶分子のチルト角が90度になるベンド配
向となる。基板10,11の外側には、偏光板15,1
6と光学補償板17,18が配置され、上記2枚の偏光
板15,16は、偏光軸が相互に直交あるいは平行に配
置され、その偏光軸と液晶分子の配向方位とは45度の
角度になるよう配置されている。そして、高電圧を印加
したオン状態と低電圧を印加したオフ状態との液晶層の
屈折率異方性の差を利用して、上記偏光板、光学補償板
を通してその偏光状態を変化させ光の透過率を制御して
表示させることになる。
【0240】上記のベンド配向型のOCBセルを備えた
液晶表示装置は、使用前には液晶層がスプレイ配向とな
っているため、液晶表示駆動に先立って電圧印加により
液晶層をスプレイ配向状態からベンド配向状態に転移さ
せておく必要がある。
【0241】かかる配向転移のため転移臨界電圧以上の
高電圧を印加した場合における液晶層のスプレイ配向か
らベンド配向へ転移する配向転移のメカニズムを図2に
模式的に示す。
【0242】図2は、2枚の基板を平行配向配置した場
合の、液晶分子を模式的に図示して液晶分子配列を概念
的に示した液晶セルの断面図である。
【0243】図2(a)は初期のスプレイ配列状態を示
す。基板間が無電界時には、液晶層13の中央の液晶分
子12の長軸は基板面にほぼ平行になるエネルギ−状態
の低いスプレイ配向状態をとっている。ここで、説明の
便宜上、基板に平行な液晶分子を参照符号12aで示す
ことにする。
【0244】次に図2(b)は、基板10,11に形成
された電極(図示せず)間に高い電圧を印加開始した時
の液晶分子配列状態を示す。液晶層13中の中央の液晶
分子12は電界により若干傾斜し始め、その結果、基板
面に平行に向いた液晶分子12aは一方の基板面(図で
は基板11側へ)側に向かって移動して行く。
【0245】次に図2(c)は、電圧を印加後、更に時
間が経過したときの液晶分子配列状態を示す。液晶層1
3の中央の液晶分子12が基板面に対して更に傾斜し
て、これに対して、基板面にほぼ平行に向いた液晶分子
12aは基板界面近傍に来て、配向膜からの強い規制力
を受ける。
【0246】次に図2(d)は、ベンド配向へ転移した
一段とエネルギー状態の高い液晶分子配列状態を示す。
液晶層13の中央の液晶分子12は基板面に対して垂直
になり、基板10上の配向膜(図示せず)界面に接した
液晶分子は、配向膜から強い規制力を受けて、傾斜配向
状態を維持し、このとき図2(a)〜(c)に存在した
基板面に平行に向いた液晶分子12aはほぼ無くなる。
【0247】図2(d)より更に時間が経過すると、上
記配向状態は基板間で図1に示すベンド配向状態へ移行
して転移は完了する。
【0248】このように、電圧を印加した時に起きるス
プレイ配向からベンド配向へ転移する状況が上述の様に
考えられる。
【0249】しかし、これが起きる場所は通常、基板面
内の液晶層全体で一度に起きることはなく、配向領域の
一部の部分でエネルギ−の移動がし易い部分であり、通
常、間隙に分散されたスペーサ周囲部分や、配向ムラ部
などで転移核は発生し、そこからベンド配向領域が広が
る。従って、OCBセルにおいて配向転移させるために
は、基板面内の液晶層の少なくとも一部の領域に転移核
を発生させることと、外部からエネルギ−を与えてスプ
レイ配向状態よりエネルギーの高いベンド配向状態へ遷
移させてこれを維持させておく必要がある。
【0250】このような配向転移のメカニズムを考慮し
た結果、本発明者等は転移核を確実に発生させ、かつ極
めて短時間で転移を完了させる液晶表示装置及びその製
造方法、並びに液晶表示装置の駆動方法を完成するに至
った。具体的な内容を、実施の形態に基づいて説明す
る。
【0251】(実施の形態1)図3は本発明の実施の形
態1に係る液晶表示装置の駆動法による画素単位の構成
概念図を示す。先ず、図3を参照して、本実施の形態1
に係る駆動方法に関連する液晶表示装置の構成を説明す
る。本実施の形態1に係る液晶表示装置は、駆動回路部
を除いた構成に関して、一般的なOCBセルを備えた液
晶表示装置と同一の構成を有している。即ち、一対のガ
ラス基板20,21と、ガラス基板20,21間に挟持
された液晶層26とを有する。ガラス基板20,21
は、一定の間隔を隔てて対向配置されている。ガラス基
板20の内側面には、ITOの透明電極からなる共通電
極22が形成され、、ガラス基板21の内側面には、I
TOの透明電極からなる画素電極23が形成されてい
る。上記共通電極22及び画素電極23上には、ポリイ
ミド膜からなる配向膜24,25が形成されており、こ
の配向膜24,25は配向方向が互いに平行方向になる
ように配向処理されている。そして、配向膜24,25
間には、P型のネマティック液晶からなる液晶層26が
挿入されている。また、配向膜24,25上の液晶分子
のプレチルト角は約5度に設定されており、スプレイ配
向からベンド配向へ転移する臨界電圧は2.5Vに設定
されている。光学補償板29のリターデーションはオン
状態時に白あるいは黒表示となるように選択されてい
る。なお、図1において、27,28は偏光板である。
【0252】また、図中、30は配向転移用駆動回路で
あり、31は液晶表示用駆動回路である。また、32
a,32bはスイッチ回路であり、33はスイッチ回路
32a,32bのスイッチング態様の切換えを制御する
スイッチ制御回路である。前記スイッチ回路32aは、
2つの個別接点P1,P2,と、1つの共通接点Q1を
備えており、前記スイッチ回路32bは、2つの個別接
点P3,P4,と、1つの共通接点Q2を備えている。
共通接点Q1は、スイッチ制御回路33からのスイッチ
切換信号S1に応じて、個別接点P1,P2の何れかに
接続した状態となる。同様に共通接点Q2は、スイッチ
制御回路33からのスイッチ切換信号S2に応じて、個
別接点P3,P4の何れかに接続した状態となる。共通
接点Q1が個別接点P1に接続され且つ共通接点Q2が
個別接点P3に接続された状態では、配向転移用駆動回
路30からの駆動電圧が電極22,23に印加されるこ
とになる。また、共通接点Q1が個別接点P2に接続さ
れ且つ共通接点Q2が個別接点P4に接続された状態で
は、液晶表示用駆動回路33からの駆動電圧が電極2
2,23に印加されることになる。
【0253】次いで、本実施の形態1に係る駆動方法に
ついて説明する。
【0254】先ず、本来の画像信号に基づく液晶表示駆
動に先立って、ベンド配向への転移のために、初期化処
理を行う。先ず、電源投入により、スイッチ制御回路3
3は、スイッチ回路32a,32bにスイッチ切換え信
号S1,S2を出力し、共通接点Q1を個別接点P1に
接続し且つ共通接点Q2を個別接点P3に接続した状態
とする。これにより、配向転移用駆動回路30から図4
に示す駆動電圧が電極22,23間に印加される。この
駆動電圧は、図4に示すように交流矩形波電圧Aがバイ
アス電圧Bと重畳された交流電圧であり、しかも駆動電
圧の値は、スプレイ配向からベンド配向への転移を発生
させるために必要な最小の電圧である臨界電圧よりも大
きい電圧値に設定されている。このような駆動電圧の印
加により、単純な交流電圧を印加する従来例よりも格段
に転移時間を短くすることが可能となる。なお、転移時
間が短くなる理由については後述する。こうして、ベン
ド配向への転移に関する初期化処理が完了する。
【0255】次いで、電極全面が完全にベンド配向に転
移する転移時間が経過すると、スイッチ制御回路33は
共通接点Q1を個別接点P2側に切り換える切換信号S
1をスイッチ回路32aに出力すると共に、共通接点Q
2を個別接点P4側に切り換える切換信号S2をスイッ
チ回路32bに出力する。これにより、共通接点Q1と
個別接点P2とが接続され、且つ共通接点Q2と個別接
点P4とが接続された状態となり、液晶表示用駆動回路
31からの駆動信号電圧が電極22,23間に印加さ
れ、希望する画像が表示されることになる。ここで、液
晶表示用駆動回路31は、30Hzの矩形波電圧2.7
Vにしてベンド配向状態を維持してこれをオフ状態と
し、30Hzの矩形波電圧7Vをオン状態として、OC
Bパネルを表示した。
【0256】次いで、本発明者が、上記構成の液晶表示
装置を作製し、上記駆動方法で初期化処理の実験を行っ
たので、その結果を述べる。なお、実験条件は以下のと
おりである。
【0257】電極面積を2cm2とし、セルギャップを約
6μmとし、交流矩形波電圧Aの周波数を30Hz、振
幅を±4Vとした。
【0258】上記条件下において、バイアス電圧Bを0
V、2V、4V、5Vの4種類の電圧に設定した場合の
それぞれの転移時間を測定したので、その結果を図5に
示す。ここで、転移時間とは、電極面積の全領域で配向
の転移が完了するに要した時間を意味する。
【0259】図5より明らかなよう、バイアス電圧Bが
0Vのとき、転移時間は140秒要した。これに対し
て、バイアス電圧Bを4Vにすると、転移時間は8秒と
なって短縮できた。これは、バイアス電圧の重畳によ
り、バイアス電圧によって液晶層の液晶分子配向が揺さ
ぶられて基板間で図2(d)の如く片寄りが生じてより
多くの転移核が発生し、更に実効電圧のアップで転移時
間が速くなったとものと考えられる。
【0260】以上のように、バイアス重畳された交流電
圧を連続印加することにより、単純な交流電圧印加の場
合より、転移時間を短縮できる。
【0261】上記実験例では、交流矩形波電圧信号は周
波数30Hzで,±4Vの値であったが本発明はこれに
限定されるものではなく、液晶が動作する周波数であれ
ばよく例えば10kHzなどの値でも良く,また交流電
圧Aの振幅を増大すれば転移時間は速くなることはもち
ろんである。このとき、バイアス電圧Bを高く重畳すれ
ばするほど速くなる。但し、駆動電圧の低電圧化を考慮
すれば、バイアス電圧は希望する転移時間に応じた最適
な電圧レベルに設定してことが望ましい。また,波形と
して矩形波を用いたが,デューティ比の異なる交流波形
を用いても良い。
【0262】なお、参考までに述べると、交流電圧を印
加する駆動方法は、特開平9−185032号公報に開
示されている。しかしながら、この先行技術では通常の
正負対称の交流電圧を印加しているにすぎない。一方、
本発明は、バイアス電圧を交流電圧に重畳して交流電圧
の正負の対称を崩し、非対称の波形を液晶層に印加し
て、液晶分子の配向を乱して転移核の発生を促し転移を
促進しやすくすることを特徴とするものである。当該先
行技術では、正負対称の交流電圧を印加するため、液晶
分子の配向を乱すことができず、配向状態の変化が途中
で止まってしまい、転移核が生じないおそれがある。こ
れに対して、本発明では、迅速且つ確実に転移核が発生
する。従って、本発明は、本質的に当該先行技術とは異
なるものである。
【0263】(実施の形態2)図6は実施の形態2に係
る液晶表示装置の画素単位の構成概念図である。本実施
の形態2では、バイアス電圧を重畳した交流電圧を前記
基板間に印加する工程と、前記基板間を電気的に開放状
態(オープン状態)にする工程とを交互に繰り返して、
液晶層をスプレイ配向からベンド配向に転移させること
を特徴とするものである。
【0264】本実施の形態2に係る液晶表示装置におい
て、上記実施の形態1に係る液晶表示装置と同一構成部
分には、同一の参照符号を付して説明は省略する。本実
施の形態2では、実施の形態1の配向転移用駆動回路3
0、スイッチ回路32a、及びスイッチ制御回路32に
代えて、配向転移用駆動回路40、スイッチ回路42
a、及びスイッチ制御回路43が用いられる。スイッチ
回路42aは、個別接点P1,P2に加えて個別接点P
5を備えた3端子切換スイッチ回路である。このスイッ
チ回路42aのスイッチ切り換えは、スイッチ制御回路
43により制御されている。また、前記配向転移用駆動
回路40は、図7に示す駆動電圧を基板22,23間に
印加する。この駆動電圧は、図7に示すように交流矩形
波電圧Cがバイアス電圧Dと重畳された交流電圧であ
り、しかも駆動電圧の値は、スプレイ配向からベンド配
向への転移を発生させるために必要な最小の電圧である
臨界電圧よりも大きい電圧値に設定されている。
【0265】なお、スイッチ回路42aの共通接点Q1
は、スイッチ制御回路42からのスイッチ切換信号S3
により、個別接点P1,P2,P5の何れかに接続した
状態となる。共通接点Q1が個別接点P5に接続した状
態では、電極22,23が配向転移用駆動回路40から
切り離されたオープン状態となる。共通接点Q1が個別
接点P1に接続され且つ共通接点Q2が個別接点P3に
接続された状態では、配向転移用駆動回路40からの駆
動電圧が電極22,23に印加されることになる。ま
た、共通接点Q1が個別接点P2に接続され且共通接点
Q2が個別接点P4に接続された状態では、液晶表示用
駆動回路31からの駆動電圧が電極22,23に印加さ
れることになる。
【0266】次いで、本実施の形態2に係る駆動方法に
ついて説明する。
【0267】先ず、本来の画像信号に基づく液晶表示駆
動に先立って、ベンド配向への転移のために、初期化処
理を行う。先ず、電源投入により、スイッチ制御回路4
3は、スイッチ回路42aにスイッチ切換信号S3を出
力すると共に、スイッチ回路32bにスイッチ切換信号
S2を出力し、共通接点Q1と個別接点P1とを接続状
態とし、且つ共通接点Q2と個別接点P3とを接続状態
する。これにより、配向転移用駆動回路30から図7に
示す駆動電圧が電極22,23間に印加される。そし
て、一定期間T2経過すると、スイッチ制御回路43
は、スイッチ回路42aにスイッチ切換信号S3を出力
し、共通接点Q1と個別接点P5とを接続状態とする。
これにより、電極22,23は、配向転移用駆動回路4
0から切り離されてオープン状態となる。このようなオ
ープン状態が期間W2維持され、このオープン状態期間
W2中、電極22,23間は充電保持状態となる。
【0268】オープン状態期間W2経過すると、スイッ
チ制御回路43は、スイッチ回路42aにスイッチ切換
信号S3を出力し、共通接点Q1と個別接点P1とを再
び接続状態とする。そして、このような配向転移用駆動
とオープン状態とを交互に繰り返し、電源投入時から一
定期間経過すると、電極全面が完全にベンド配向に転移
する。
【0269】そして、この一定期間経過時に、スイッチ
制御回路43は、スイッチ回路42aにスイッチ切換信
号S3を出力すると共に、スイッチ回路32bにスイッ
チ切換信号S2を出力し、共通接点Q1と個別接点P2
とを接続状態とし、且つ共通接点Q2と個別接点P43
とを接続状態する。これにより、液晶表示用駆動回路3
1からの駆動信号電圧が電極20,21間に印加され、
希望する画像が表示されることになる。ここで、液晶表
示用駆動回路31は、上記実施の形態1と同様に30H
zの矩形波電圧2.7Vにしてベンド配向状態を維持し
てこれをオフ状態とし、30Hzの矩形波電圧7Vをオ
ン状態として、OCBパネルを表示する。
【0270】次いで、本発明者が、上記構成の液晶表示
装置を作製し、上記駆動方法で初期化処理の実験を行っ
たので、その結果を述べる。なお、実験条件は以下のと
おりである。
【0271】電極面積を2cm2とし、セルギャップを約
6μmとし、バイアス電圧Bを2Vとし、交流矩形波電
圧Dの周波数及び振幅を周波数30Hz、±4Vとし、
印加時間T2を2秒に固定した。
【0272】上記条件下において、オ−プン状態時間W
2を0秒、0.2秒、2秒、3秒と変化させ、電圧印加
状態とオ−プン状態とを交互に繰り返すしたときの転移
時間を測定したので、その結果を図8に示す。ここで、
転移時間とは、電極面積の全領域で配向の転移が完了す
るに要した時間を意味する。
【0273】図8より明らかなよう、オープン状態時間
W2が0秒すなわちバイアス電圧を重畳した交流電圧を
連続に印加した時,転移時間は80秒要した.これに対
して,オープン状態時間W2を0.2秒として、上記バ
イアス重畳された交流電圧と交互に切り替え繰り返す
と,転移時間は40秒と時間短縮した.しかし,オープ
ン状態時間W2を2秒とすると逆に転移時間は420秒
と長くなり,さらにW2を3秒とすると転移を完了する
ことは出来なかった。
【0274】また、印加時間T2を0.3秒,オープン
状態期間W2を0.3秒とした以外は上記実験例と同一
条件で転移時間を測定すると、転移時間は28秒であっ
た。
【0275】ちなみに、T2を2秒に固定し、W2を
0.1秒以上、0.5秒以下に設定した場合、良好な結
果が得られた。
【0276】以上のようにバイアスされた交流電圧とオ
ープン状態とを切り替え繰り返えすことによって、スプ
レイ配向からベンド配向への状態遷移時間が極めて短く
なったのは、以下の理由によると考えられる。即ち、バ
イアス重畳された交流電圧印加で,液晶層の液晶分子配
向が揺さぶられて基板間で図2(d)の如く片寄りが生
じて乱れ、次に短いオープン状態への切り替えで転移核
が発生し、転移時間が速くなったものと考えられる。
【0277】上記でバイアス重畳された交流電圧を印加
する工程の前か後に、更に他の電圧信号を加え、次にオ
ープン状態を入れてもその効果を得ることができる。
【0278】また,バイアス電圧や交流電圧の電圧値,
印加時間やオープン状態の維持時間などは要望される転
移時間により選択することができる。交流電圧の周波数
は液晶が動作する周波数であればよく、例えば10kH
zなどの値でも良い。波形として矩形波を用いたが,デ
ューティ比の異なる交流波形を用いても良い。
【0279】(実施の形態3)図9は実施の形態3に係
る液晶表示装置の画素単位の構成概念図である。本実施
の形態3では、バイアス電圧を重畳した交流電圧を前記
基板間に印加する工程と、前記基板間に0電圧あるいは
低電圧を印加する工程とを交互に繰り返して、液晶層を
スプレイ配向からベンド配向に転移させることを特徴と
するものである。
【0280】本実施の形態3に係る液晶表示装置におい
て、上記実施の形態2に係る液晶表示装置と同一構成部
分には、同一の参照符号を付して説明は省略する。本実
施の形態3では、実施の形態2のスイッチ回路32b、
及びスイッチ制御回路43に代えて、スイッチ回路42
b、及びスイッチ制御回路53が用いられる。また、本
実施の形態3では、配向転移用駆動回路40に加えて、
電極22,23間に低電圧を印加する配向転移用駆動回
路50が設けられている。
【0281】前記スイッチ回路42bは、個別接点P
3,P4に加えて個別接点P6を備えた3端子切換スイ
ッチ回路である。このスイッチ回路42bのスイッチ切
り換えは、スイッチ制御回路53により制御されてい
る。なお、スイッチ回路42bの共通接点Q2は、スイ
ッチ制御回路53からのスイッチ切換信号S4により、
個別接点P3,P4,P6の何れかに接続した状態とな
る。
【0282】共通接点Q1が個別接点P5に接続され、
且つ共通接点Q2が個別接点P3に接続された状態で
は、配向転移用駆動回路40からの駆動電圧が電極2
2,23に印加されることになる。また、共通接点Q1
が個別接点P5に接続され、且つ共通接点Q2が個別接
点P6に接続された状態では、配向転移用駆動回路50
からの駆動電圧が電極22,23に印加されることにな
る。更に、共通接点Q1が個別接点P2に接続され且共
通接点Q2が個別接点P4に接続された状態では、液晶
表示用駆動回路31からの駆動電圧が電極22,23に
印加されることになる。
【0283】次いで、本実施の形態3に係る駆動方法に
ついて説明する。
【0284】先ず、本来の画像信号に基づく液晶表示駆
動に先立って、ベンド配向への転移のために、初期化処
理を行う。先ず、電源投入により、スイッチ制御回路5
3は、スイッチ回路42aにスイッチ切換信号S3を出
力すると共に、スイッチ回路42bにスイッチ切換信号
S4を出力し、共通接点Q1と個別接点P1とを接続状
態とし、且つ共通接点Q2と個別接点P3とを接続状態
する。これにより、配向転移用駆動回路40から図10
に示す駆動電圧が電極22,23間に印加される。そし
て、一定期間T3経過すると、スイッチ制御回路53
は、スイッチ回路42aにスイッチ切換信号S3を出力
すると共に、スイッチ回路42bにスイッチ切換信号S
4を出力し、共通接点Q1と個別接点P5とを接続状態
とし、且つ共通接点Q2と個別接点P6とを接続状態す
る。これにより、配向転移用駆動回路50から図10に
示す低電圧が電極22,23間に印加される。このよう
な低電圧印加が、期間W3維持される。
【0285】次いで、低電圧印加期間W3経過すると、
スイッチ制御回路53はスイッチ回路42aにスイッチ
切換信号S3を出力すると共にスイッチ回路42bにス
イッチ切換信号S4を出力し、再び、共通接点Q1と個
別接点P1とを接続状態とし且つ共通接点Q2と個別接
点P3とを接続状態する。そして、このような交流電圧
印加工程と低電圧印加工程を交互に繰り返し、電源投入
時から一定期間経過すると、電極全面が完全にベンド配
向に転移する。
【0286】そして、この一定期間経過時に、スイッチ
制御回路53は、スイッチ回路42aにスイッチ切換信
号S3を出力すると共に、スイッチ回路42bにスイッ
チ切換信号S4を出力し、共通接点Q1と個別接点P2
とを接続状態とし、且つ共通接点Q2と個別接点P43
とを接続状態する。これにより、液晶表示用駆動回路3
1からの駆動信号電圧が電極20,21間に印加され、
希望する画像が表示されることになる。ここで、液晶表
示用駆動回路31は、上記実施の形態1と同様に30H
zの矩形波電圧2.7Vにしてベンド配向状態を維持し
てこれをオフ状態とし、30Hzの矩形波電圧7Vをオ
ン状態として、OCBパネルを表示する。
【0287】次いで、本発明者が、上記構成の液晶表示
装置を作製し、上記駆動方法で初期化処理の実験を行っ
たので、その結果を述べる。なお、実験条件は以下のと
おりである。
【0288】電極面積を2cm2とし、セルギャップを約
6μmとし、バイアス電圧Dを2Vとし、交流矩形波電
圧Cの周波数及び振幅を周波数30Hz、±4Vとし、
印加時間T3を1秒に固定した。また、低電圧印加期間
W3中の印加電圧を−2Vの直流電圧した。
【0289】上記条件下において、低電圧印加期間W3
を変化させ、交流電圧印加状態と印加電圧印加状態とを
交互に繰り返すしたときの転移時間を測定したので、そ
の結果を図11に示す。
【0290】図11より明らかなよう、低電圧印加時間
が0秒すなわちバイアス電圧を重畳した交流電圧を連続
に印加した時,転移時間は約80秒要した.これに対し
て,低電圧印加時間W3を0.1秒として上記バイアス
重畳された交流電圧と交互に切り替え繰り返すと,転移
時間は60秒と時間短縮した.しかし,低電圧印加時間
W3を1秒とすると逆に転移時間は360秒と長くな
り,さらにW3を3秒とすると転移を完了することは出
来なかった。
【0291】また、バイアス電圧を2V重畳した交流電
圧±4Vと直流電圧0Vとの切り替え繰り返しでは最短
で50秒内で転移が完了した。また、バイアス2V重畳
した交流電圧±4Vと交流低電圧±2Vとの切り替え繰
り返しでは最短で50秒以内の転移時間が得られた。
【0292】ちなみに、T3を1秒に固定し、W2を
0.1秒以上、0.5秒以下に設定した場合、良好な結
果が得られた。
【0293】以上のようにバイアス重畳した交流電圧を
単に連続印加した場合よりも、バイアス重畳された交流
電圧印加と低電圧印加とを切り替え繰り返えすことによ
って、スプレイ配向からベンド配向への転移時間が短く
なる。これは,バイアス重畳された交流電圧印加で,液
晶層の液晶分子配向が揺さぶられて基板間で図2(d)
の如く片寄りが生じて乱れ、次に短い低電圧印加状態へ
の切り替えで転移核が発生し、転移時間が速くなったも
のと考えられる。
【0294】また,バイアス電圧や交流電圧の電圧値,
印加時間や低電圧値、印加時間などは上記値でなく、要
望される転移時間により選択して変えることができる。
交流電圧の周波数は液晶が動作する周波数であればよ
く、例えば10kHzなどの値でも良い。波形として矩
形波を用いたが,デューティ比の異なる交流波形を用い
ても良い。
【0295】また、上記例では、低電圧印加期間W3中
において−2Vの低電圧を印加するようにしたけれど
も、0Vを印加するようにしてもよい。
【0296】次いで、交流電圧印加期間T3と低電圧印
加期間W3の比、及び1秒間当たりの交流電圧印加と低
電圧印加の繰り返し回数について説明する。ここで、説
明の便宜上、低電圧印加期間W3での電圧を0Vとし、
交流電圧印加と0V印加の交互の繰り返しを、図10の
破線Lで示すように1つの転移電圧と考える。かかる場
合に、転移時間の短くするためには、転移電圧Lの周波
数は、0.1Hzから100Hzの範囲で、且つ転移電
圧Lのデューティ比は1:1から1000:1の範囲に
設定する必要がある。更に、転移電圧Lの周波数は、
0.1Hzから10Hzの範囲で、且つ転移電圧Lのデ
ューティ比は2:1から1000:1の範囲にするの
が、望ましい。以下にその理由について詳述する。
【0297】繰り返し印加電圧のデューティ比が電圧印
加期間よりも電圧印加休止期間の方が大きくなるような
デューティ比の範囲(例えばデューティ比1:1から
1:10等の範囲)では、パルス幅印加で転移核が発生
しても、その後のパルス間隔の電圧印加休止状態で緩和
されスプレイ配向へ戻り、転移が完了しないものと考え
られる。従って、電圧印加期間の方が電圧印加休止期間
よりも大きくなるようなデューティ比の範囲に設定する
必要がある。そして、転移領域が拡大するためには、デ
ューティ比はパルス幅がパルス間隔より広くなる1:1
から1000:1の範囲、望ましくは2:1から10
0:1がよい。1000:1から直流連続では、パルス
繰り返し印加が殆ど無くなるため、転移核発生の機会が
減少していき転移が若干長くなるものと考えられる。
【0298】また、転移用電圧印加の上記繰り返し周波
数は、連続から100Hz程度までよいが、望ましくは
転移拡大には100ms程度以上のパルス幅が得られる
10Hzから、デューティ比1000:1で10ms程
度以上のパルス間隔が得られる0.1Hzまでがよい。
【0299】なお、本発明者は、直流−15Vと0Vの
交互の繰り返し条件で、繰り返し周波数及びデューティ
比を変化させて液晶セルに電圧印加した場合の転移時間
を測定したので、その結果を表1に示す。
【表1】
【0300】表1より明らかなように、周波数が0.1
Hzから10Hzの範囲で且つデューティ比が2:1か
ら1000:1の範囲の場合に転移時間が極めて小さ
く、周波数が0.1Hzから100Hzの範囲で且つデ
ューティ比が1:1から1000:1の範囲の場合であ
っても、十分に小さい転移時間となっていることが認め
られる。
【0301】(実施の形態4)図12は実施の形態4に
係る液晶表示装置の画素単位の構成概念図である。本実
施の形態4では、本発明をアクティブマトリックス型液
晶表示装置の駆動方法に適用した例が示されている。
【0302】先ず、図12を参照して、本実施の形態4
に係る駆動方法に関連する液晶表示装置の構成を説明す
る。本実施の形態4に係る液晶表示装置は、駆動回路部
を除いた構成に関して、一般的なOCBセルを備えたア
クティブマトリックス型液晶表示装置と同一の構成を有
している。即ち、一対のガラス基板60,61と、ガラ
ス基板60,61間に挟持された液晶層66とを有す
る。ガラス基板60,61は、一定の間隔を隔てて対向
配置されている。ガラス基板60の内側面には、ITO
の透明電極からなる共通電極62が形成され、、ガラス
基板61の内側面には、画素スイッチング素子としての
薄膜トランジスタ(TFT)70と、TFT70に接続
したITOの透明電極からなる画素電極63が形成され
ている。上記共通電極62及び画素電極63上には、ポ
リイミド膜からなる配向膜64,65が形成されてお
り、この配向膜64,65は配向方向が互いに平行方向
になるように配向処理されている。そして、配向膜6
4,65間には、P型のネマティック液晶からなる液晶
層66が挿入されている。また、配向膜64,65上の
液晶分子のプレチルト角は約5度に設定されており、ス
プレイ配向からベンド配向へ転移する臨界電圧は2.6
Vに設定されている。光学補償板67のリターデーショ
ンはオン状態時に白あるいは黒表示となるように選択さ
れている。なお、図中、68,69は偏光板である。
【0303】また、図中、71,72は配向転移用駆動
回路であり、この配向転移用駆動回路71は共通電極6
2に図14に示す共通電極中心を基準として駆動電圧を
印加し、且つ画素電極63に0Vを印加する働きをな
す。なお、他の構成として、配向転移用駆動回路72
は、共通電極62及び画素電極63に0Vを印加する働
きをなす。また、73は液晶表示用駆動回路であり、液
晶表示用駆動回路73は図13に示す電圧波形を有する
駆動電圧を共通電極62及び画素電極63に印加する働
きをなす。即ち、液晶表示用駆動回路73は、図13の
参照符号M1に示す電圧を画素電極63に印加し、且つ
図13の参照符号M2に示す電圧を共通電極62に印加
する。なお、上記構成では、配向転移期間中において、
画素電極63に0Vを印加するようにしたけれども、こ
れに代えて、配向転移期間中においても液晶表示用駆動
回路73から画素電極電圧を印加するようにしてもよ
い。
【0304】また、74a,74bはスイッチ回路であ
り、75はスイッチ回路74a,74bのスイッチング
態様の切換えを制御するスイッチ制御回路である。前記
スイッチ回路74aは、3つの個別接点P7,P8,P
9,と、1つの共通接点Q1を備えており、前記スイッ
チ回路74bは、3つの個別接点P10,11,12
と、1つの共通接点Q2を備えている。共通接点Q1が
個別接点P7に接続され且つ共通接点Q2が個別接点P
10に接続された状態では、配向転移用駆動回路71か
らの駆動電圧が電極62,63に印加されることにな
る。また、共通接点Q1が個別接点P2に接続され且つ
共通接点Q2が個別接点P4に接続された状態では、液
晶表示用駆動回路73からの駆動電圧が電極62,63
に印加されることになる。
【0305】次いで、本実施の形態4に係る駆動方法に
ついて説明する。
【0306】先ず、本来の画像信号に基づく液晶表示駆
動に先立って、ベンド配向への転移のために、初期化処
理を行う。先ず、電源投入により、スイッチ制御回路7
5は、スイッチ回路74aにスイッチ切換信号を出力す
ると共に、スイッチ回路74bにスイッチ切換信号を出
力し、共通接点Q1と個別接点P7とを接続状態とし、
且つ共通接点Q2と個別接点P10とを接続状態する。
これにより、配向転移用駆動回路71から図14に示す
駆動電圧が共通電極62に印加される。即ち、共通電極
62には、共通電極中心を基準として、バイアス電圧−
GVが重畳された、垂直同期信号に同期した交流電圧が
印加される。なお、画素電極には0Vが印加される。そ
して、この交流電圧の印加を 期間T4維持する。
【0307】次いで、交流電圧印加期間T4経過する
と、スイッチ制御回路75は、スイッチ回路74aにス
イッチ切換信号を出力すると共に、スイッチ回路74b
にスイッチ切換信号を出力し、共通接点Q1と個別接点
P9とを接続状態とし、且つ共通接点Q2と個別接点P
12とを接続状態する。これにより、配向転移用駆動回
路72から、図14に示すように共通電極62及び画素
電極63に0Vが印加される。そして、この0V電圧印
加を期間W4維持する。
【0308】次いで、0V電圧印加期間W4経過する
と、スイッチ制御回路75はスイッチ回路742aにス
イッチ切換信号を出力すると共にスイッチ回路74bに
スイッチ切換信号を出力し、再び、共通接点Q1と個別
接点P7とを接続状態とし且つ共通接点Q2と個別接点
P10とを接続状態する。そして、このような交流電圧
印加工程と0V電圧印加工程を交互に繰り返し、電源投
入時から一定期間経過すると、電極全面が完全にベンド
配向に転移する。
【0309】そして、この一定期間経過時に、スイッチ
制御回路75は、スイッチ回路74aにスイッチ切換信
号を出力すると共に、スイッチ回路74bにスイッチ切
換信号を出力し、共通接点Q1と個別接点P8とを接続
状態とし、且つ共通接点Q2と個別接点P11とを接続
状態する。これにより、液晶表示用駆動回路73からの
駆動信号電圧が電極62,63に印加され、希望する画
像が表示されることになる。ここで、液晶表示用駆動回
路73は、両電極間にベンド配向状態を維持する駆動電
圧2.7Vを最低にしてこれをオフ状態とし、上限の電
圧を7Vにしてこれをオン状態として、OCBパネルを
表示する。
【0310】上記駆動方法によって、広視野で高速応答
のベンド配向型であるOCBのアクティブマトリックス
型の液晶表示装置が配向欠陥が全くなく高品質駆動表示
できた。
【0311】次いで、本発明者が、上記構成の液晶表示
装置を作製し、上記駆動方法で初期化処理の実験を行っ
たので、その結果を述べる。なお、実験条件は以下のと
おりである。
【0312】セルギャップを約6μmとし、バイアス電
圧Gを−6Vとし、交流矩形波電圧の周波数及び振幅を
7.92kHz、±10Vとし、印加時間T3を0.5
秒とした。また、0V電圧印加期間W4を0.5秒とし
た。
【0313】上記実験結果によれば、上記液晶表示装置
のパネル全画素内の配向転移がほぼ2秒以内で完了する
ことができた。
【0314】なお、バイアス電圧を重畳しないときに
は,表示面全体の配向状態を転移させるのに約20秒必
要であった。よって、本実施の形態4においても、バイ
アス電圧を重畳して駆動するのが、転移時間の短縮化を
達成できることが認められる。
【0315】(実施の形態5)OCBモードのアクティ
ブマトリックス型液晶表示装置の配向転移に関する駆動
方法としては、上記の図14に示す駆動電圧波形に代え
て、図15の駆動電圧波形を用いて駆動するようにして
もよい。即ち、交流電圧印加期間T4においては、共通
電極62に共通電極中心を基準として、直流電圧−15
Vを0.5秒間印加する。次いで、0V電圧印加期間W
4においては、0Vを0.2秒間印加する。そして、直
流電圧−15V印加と0V電圧印加を交互に繰り返す。
このよう駆動方法においても、転移を確実に且つ極めて
短時間に完了することができる。
【0316】なお、本発明者が上記駆動方法を用いて実
験したところ、2秒以内の転移時間が得られた。
【0317】(実施の形態6)本実施の形態6は、上記
実施の形態4,5に用いたアクティブマトリックス型の
液晶表示装置に代えて、スイッチング素子の上に平坦化
膜を配置し、その上に画素電極を構成するいわゆる平坦
化膜構成の液晶表示装置に上記に実施の形態4,5の駆
動方法を適用したことを特徴とするものである。駆動方
法を具体的に説明すると、上記実施の形態4におけるバ
イアス重畳した配向転移用電圧を0.5秒印加し、次い
で、オープン状態を0.5秒とし、これを交互に繰り返
した。この駆動方法によると、転移時間は1秒以内で更
に転移がスムーズに行えた。これは、平坦化膜構成によ
り、画素電極間隔を小さくでき、この結果、スプレイ配
向からベンド配向へスムーズに転移したものと考えられ
る。
【0318】(その他の事項) 上記実施の形態では、バイアス電圧を重畳した交流電
圧を印加するようにしたけれども、直流電圧を印加する
ようにしてもよく、このようにすれば、片極性電圧でよ
いため、駆動回路が簡略化できる。
【0319】上記実施の形態では、バイアス電圧を重
畳された交流電圧信号はバイアス電圧を直流として説明
したが、信頼性向上のために、低周波の交流信号でもよ
い。
【0320】繰返し電圧の周波数及びデューティ比の
最適範囲は、実施の形態3以外の他の実施の形態にも適
用できる。
【0321】上記実施の形態では、発明の液晶表示装
置の駆動法は透過型液晶表示装置で説明したが、反射型
の液晶表示装置でもよい。また、これらはカラーフィル
ターを使用したフルカラー型の液晶表示装置や,カラフ
ィルターレスの液晶表示装置でもよい。
【0322】(実施の形態7) 図16は本発明の実施
の形態7に係る液晶表示装置の概略断面図、図17は同
じく概略平面図を示す。 図16に示す液晶表示装置
は、偏光板101・102と、該偏光板101の内側に
配置された光学補償用の位相補償板103と、前記偏光
板101・102の間に配置されたアクティブマトリッ
クス型の液晶セル104とを有する。 前記液晶セル1
04は、ガラス等からなるアレー基板106と、該アレ
ー基板106に対向する対向基板105とを有し、前記
アレー基板106の内面上には透明電極である画素電極
108が形成され、前記対向基板105の内面上には共
通電極107が形成されている。さらに、該画素電極1
08上に配向膜110が形成され、共通電極107上に
は配向膜109が形成されている。
【0323】また、前記アレー基板106上には、例え
ばa−Si系のTFT素子などからなるスイッチング素
子111が配置され、該スイッチング素子111は前記
画素電極108に接続されている。
【0324】また、前記配向膜109・110の間に
は、図示せぬ直径5ミクロンのスペ−サ、および正の誘
電率異方性のネマティック液晶材料からなる液晶層11
2が配置されている。また、前記配向膜109・110
はその表面上の液晶分子のプレチルト角が正負逆の値を
持ち、互いにほぼ平行方向になるよう同一方向に平行配
向処理されている。従って、前記液晶層112は、無電
圧印加状態では液晶分子が斜めに広がった配向領域から
なるいわゆるスプレイ配向を形成している。
【0325】また、前記配向膜110は、大きい値のプ
レチルト角B2(第3のプレチルト角)の配向膜110
aと、小さい値のプレチルト角A2(第1のプレチルト
角)の配向膜110bよりなる。また、前記配向膜10
9は、小さい値のプレチルト角D2(第4のプレチルト
角)の配向膜109aと、大きい値のプレチルト角C2
(第2のプレチルト角)の配向膜109bよりなり、プ
レチルト角A2に対向してプレチルト角C2が配置さ
れ、プレチルト角B2に対向してプレチルト角D2が配
置されている。
【0326】また、前記配向膜109・110は、ラビ
ングクロスで信号電極線113とほぼ直角方向に、上下
基板同一方向(図16中の左側から右側に)に平行配向
処理されている。
【0327】また、図示せぬが、液晶表示装置には、液
晶表示用駆動回路以外に、第1の電圧印加手段と第2の
電圧印加手段とよりなる配向転移用駆動回路が設けられ
ている。そして、前記第1の電圧印加手段により画素電
極108と共通電極107の間に第1の電圧を印加し
て、第1の液晶セル領域と前記第2の液晶セル領域との
境界付近においてディスクリネーション線を形成し、第
2の電圧印加手段により画素電極108と対向電極10
7の間に前記第1の電圧よりも高い第2に電圧を印加し
て、ディスクリネーション線において転移核を発生さ
せ、スプレイ配向からベンド配向へ転移させようにして
いる。
【0328】次に、この液晶表示装置の製造方法につい
て説明する。
【0329】まず、アレー基板106の内面上に信号走
査線113、スイッチング素子111および画素電極1
08を形成した。
【0330】次に、前記画素電極108上に、日産化学
工業(株)社製のポリアミック酸タイプの約5度の大き
い値を持つ第3のプレチルト角としてのプレチルト角B
2のポリイミド配向膜材料を塗布し、乾燥後焼成し、画
素電極108上に配向膜110aを形成した。
【0331】次に、前記配向膜110aの紙面上左側片
側領域に紫外線を照射して、第1のプレチルト角として
のプレチルト角A2の約2度の小さい値に変化させ、配
向膜110bを形成した。
【0332】対向基板105の内面上には、共通電極1
07を形成した。
【0333】次に、前記共通電極107上には、日産化
学工業(株)社製のポリアミック酸タイプの約5度の大
きい値の第2のプレチルト角としてのプレチルト角C2
を界面液晶分子に付与するポリイミド配向膜材料を塗布
し、乾燥後焼成し、共通電極107上に配向膜109b
を形成した。
【0334】次に、前記配向膜109bの紙面上右側片
側領域(プレチルト角の大きい値を持つプレチルト角B
2に対向する領域)に、紫外線を照射して第4のプレチ
ルト角としてのプレチルト角D2の約2度の小さい値に
変化させ、配向膜109aを形成した。
【0335】以上のようにして、図16の如く小さい値
のプレチルト角A2(第1のプレチルト角)に対向して
大きい値のプレチルト角C2(第2のプレチルト角)を
配置させ、大きい値のプレチルト角B2(第3のプレチ
ルト角)に対向して小さい値のプレチルト角D2(第4
のプレチルト角)を配置させることができた。
【0336】また、以下のようにしてプレチルト角を制
御することも可能である。
【0337】即ち、図18(a)に示すように、アレー
基板106上にa−Si系のTFT素子などからなるア
クティブマトリックス型のスイッチング素子(図示せ
ぬ)と、それに接続して画素電極108を形成した。
【0338】次に、図18(b)に示すように、前記画
素電極108の左側領域にオゾン雰囲気下で紫外線を照
射して、画素電極108の右側領域に比較して平坦化
し、平坦化領域108aを形成した。
【0339】次に、図18(c)に示すように、前記画
素電極108上にJSR社製のプレイミド型のポリイミ
ド配向材料を塗布乾燥あるいは焼成して、配向膜110
を形成した。
【0340】このように形成した場合、画素電極108
の平坦化領域108a上に位置する液晶分子140のプ
レチルト角は、未平坦化領域108b上に位置する液晶
分子140のプレチルト角よりも小さい値とすることが
できる。さらに、共通電極についても同様の処理を行う
ことによって、図16と同様に、第1の液晶セル領域
と、第2の液晶セル領域と、を同一画素内に有する液晶
表示装置とすることができる。
【0341】次に、図16に示すように、前記のように
形成した互いに大小のプレチルト角を付与する配向膜1
09および配向膜110の表面をラビングクロスで信号
電極線113に対して直角方向に上下基板同一方向(図
16中の左側から右側)に平行配向処理し、正のネマテ
ィック液晶材料からなる液晶層112を配置した。
【0342】このようにして作成された液晶表示装置に
おいて、前記画素電極108の配向元(ラビングの処理
方向の上流側)には小さいプレチルト角A2が、その対
向する側には大きい値のプレチルト角C2が配置され、
図16の画素の(イ)領域(第1の液晶セル領域)に
は、共通電極107と画素電極108の間に第1の電圧
として2.5Vを印加すると、液晶分子をアレー基板1
06側にスプレイ配向させたb−スプレイ配向120
が、画素の(ロ)領域(第2の液晶セル領域)には液晶
分子を対向基板105側にスプレイ配向させたt−スプ
レイ配向121が形成されやすくなる。
【0343】即ち、図16、図17に示すように、前記
液晶セル104のスイッチング素子111を通して共通
電極107と画素電極108間に第1の電圧としての
2.5Vを印加すると、画素内にb−スプレイ配向領域
(第1の液晶セル領域)とt−スプレイ配向領域(第2
の液晶セル領域)が形成され、その境界にディスクリネ
ーション線123が信号電極線113に沿って、かつゲ
ート電極線114・114’に渡って明瞭に形成された
(ディスクリネーション線形成工程)。
【0344】さらに、前記共通電極107と前記画素電
極108との間に、第2の電圧として電圧−15Vパル
スを繰り返し印加することにより、図17に示すように
ディスクリネーション線123から転移核が発生してベ
ンド配向124へ転移拡大し、TFTパネル画素全体は
約3秒で速かに転移した(配向転移工程)。
【0345】これは、b−スプレイ配向状態とt−スプ
レイ配向領域の境界であるディスクネーション線領域は
周囲より歪みのエネルギーが高くなっており、この状態
に、上下電極間に高電圧が印加されることによって更に
エネルギーが与えられスプレイ配向がベンド配向に転移
したものと考えられる。
【0346】(実施の形態8)図19は本発明の実施の
形態8に係る液晶表示装置の概略図を示す。
【0347】通常表示時には、ゲート電極線は線順次に
オンされ走査されるが、通常の表示の前に、ゲート電極
線を順次オンし、前記共通電極107と前記画素電極1
08との間に第2の電圧として電圧−15Vパルスを繰
り返し印加することにより、画素電極108とゲート電
極線114、114’の間で電位差に起因する横電界が
発生する。そして、前記横電界により、図19の如くデ
ィスクリネーション線123とゲート電極線114、1
14’付近から転移核が発生してベンド配向へ転移拡大
し、TFTパネル画素全体は約1秒で更に速かにベンド
配向へ拡大転移した(配向転移工程)。
【0348】これは、b−スプレイ配向状態とt−スプ
レイ配向領域の境界であるディスクリネーション線領域
が周囲より歪みのエネルギーが高くなっており、この状
態に、横に配置されているゲート電極線からも前記ディ
スクリネーション線に横電界が印加されることによって
更にエネルギーが与えられ、速く転移したものと考えら
れる。なお、転移が完了した後、ゲート電極線114・
114’は通常の走査状態にもどる。
【0349】なお、前記画素電極と共通電極の間に印加
する第2の電圧は連続的に印加されてもよい。また、パ
ルス状の電圧が繰り返し印加する場合は、その周波数が
0.1Hzから100Hzの範囲であり、且つ第2の電
圧のデューティー比は少なくとも1:1から1000:
1の範囲で転移を速める効果が得られる。
【0350】(その他の事項)実施の形態7、8では、
共通電極の配向先領域のプレチルト角D2を小さい値と
したが、大きい値でも良い。また、画素電極の配向先領
域のプレチルト角B2を大きい値としたが、横電界の影
響でt−スプレイ配向となるため小さい値でも効果は得
られる。
【0351】また、一方の基板側のプレチルト角A2の
2度に対して対向のプレチルト角C2を5度としている
が、その比が大きければ転移時間短縮の効果があり更に
転移時間を速くすることができる。
【0352】また、前記では、小さい方のプレチルト角
A2の値を2度としたが、b−スプレイ配向させベンド
配向へ容易に転移させるために、小さい値のプレチルト
角A2、D2の値として3度以下であれば良く、大きい
値のプレチルト角B2、C2は4度以上であれば良い。
【0353】また、配向処理方向を信号電極線113に
対して直角方向に上下基板同一方向に平行配向処理した
が、ゲート電極線114に対して直角方向(即ち、図1
6のおける紙面に対して垂直方向)に上下基板同一方向
に平行配向処理しても良い。その際、ディスクリネーシ
ョン線の形成場所が異なる。
【0354】また、前記平行に配向処理される方向が、
該画素電極に沿う電極線の直角方向から例えば約2度ず
れて配向処理すると、画素内に形成されたディスクリネ
ーション線に電極から横電界が斜めに印加されるため、
スプレイ配向した液晶分子にねじれる力が加わりベンド
配向へ転移しやすくなり、転移が確実に速い液晶表示装
置となる。
【0355】なお、第1の電圧としては、ディスクリネ
ーション線を形成することが可能な電圧以上であれば良
い。また、画素電極と共通電極の間に第2の電圧を印加
するとしたが、共通電極に印加してもよい。
【0356】また、前記配向膜材料としてポリイミド材
料を使用したが、単分子膜材料などの他の材料でもよ
い。
【0357】他の液晶表示装置においては、例えば、基
板はプラスチック基板から形成することもできる。ま
た、基板の一方を反射性基板から形成し、例えば、シリ
コンで形成してもよい。
【0358】(実施の形態9)本実施の形態は、信号電
極線と画素電極、およびゲート電極線と画素電極に、そ
れぞれ嵌合する形状の凹凸を形成したものである。
【0359】図20、図21に、本実施の形態の液晶表
示装置の要部を概念的に示す。
【0360】本図は、アクティブマトリックス型のOC
Bモードの液晶表示装置の画素を表示面上方(使用者
側)から見たものである。
【0361】図20において、206は信号電極線(バ
スライン)であり、207はゲート電極線であり、20
8はスイッチングトランジスタ(素子)である。
【0362】なお、図では信号電極線206とゲート電
極線207は交差しているが、両方の電極線は絶縁膜
(図示せぬ)を介して立体配置されているのは勿論であ
る。
【0363】また、TFTからなるスイッチングトラン
ジスタ208は、図では略正方形状の画素電極202a
に接続されている。そして、信号電極線206、ゲート
電極線207、スイッチングトランジスタ208、画素
電極202aの機能、動作、作用はOBCモードのみな
らず従来の液晶表示装置と何等異ならない。
【0364】また、最初に液晶分子211をスプレイ配
向させるため、上下の配向膜203a・203bにラビ
ングクロス等を使用しての配向処理がなされているのも
同じである。
【0365】更に、偏光板204a・204b等の作用
と共に、画素内のスプレイ配向状態から、液晶分子を対
向基板間でベンド配向状態としたベンド配向領域に画素
内の液晶分子全体を転移させる作用によって明暗の表示
がなされるのも同じである。
【0366】しかしながら、図20(a)に示すよう
に、略正方形状の画素電極202aの各辺の略中央部
に、凹部221aおよび凸部222aが形成されてい
る。一方、これに近接して配線されている信号電極線2
06及びゲート電極線207は、前記凹部221aおよ
び凸部222aに嵌合するように凸部261・271と
凹部262・272に変形した配線とされている。この
ため、画素電極202aの上下、左右位置(図20
(a)における紙面上)に、変形した転移励起用の横電
界印加部を形成することとなるのが、従来の液晶表示装
置と相違する。
【0367】次に、この液晶表示装置の製造方法につい
て説明する。
【0368】横電界印加部を含めた画素電極202a面
上と共通電極202b面上に、日産化学工業(株)社製
のポリアミック酸タイプの約5度の大きさのプレチルト
角のポリイミド配向膜材料を塗布乾燥焼成して、それぞ
れの電極面の液晶層210側に配向膜203a・203
bを形成した。
【0369】次に、前記配向膜203a・203bの表
面を、共にラビングクロスで図20(a)に示すように
信号電極線206とほぼ直交する方向に配向処理した。
【0370】以上のもとで、上下の基板間に正のネマテ
ィック液晶材料を真空注入して液晶層210を形成し
た。
【0371】このため、図示せぬが、上下の配向膜20
3a・203bの表面では、液晶分子211が、そのプ
レチルト角が正負逆の値を持ち、しかも分子の直軸方向
は互いにほぼ平行になるよう配向し、液晶層210はい
わゆる無電圧印加状態で液晶分子が斜めに広がったいわ
ゆるスプレイ配向となる。
【0372】次に、液晶表示装置の表示のための動作に
ついて説明する。
【0373】以上のもとで、共通電極202bと画素電
極202a間に−15Vという液晶分野では比較的電圧
の高いパルス状の電圧を繰り返し印加すると共に、ゲー
ト電極線207を通常の走査状態か、あるいは殆ど全て
オンさせた状態にする。これにより、横電界印加部によ
って、ゲート電極線207、信号電極線206と画素電
極202a間に周囲の通常の横電界より強い横電界が印
加される。その結果、画素領域内のスプレイ配向領域に
おいて、信号電極線206とほぼ直交する方向にラビン
グした場合、主にゲート電極線207と画素電極202
a間の横電界印加部を基点とした液晶層299にベンド
配向への転移核が発生する。また、図21に示すよう
に、ゲート電極線207と直交する方向にラビングした
場合、主に信号電極線206と画素電極202a間の横
電界印加部を基点とした液晶層298にベンド配向への
転移核が発生する。
【0374】更に、この転移核をもとにベンド配向領域
が拡大し、その結果画素領域全体を約0.5秒でベンド
配向へ完了させることができた。
【0375】なお、TFTパネル全体では、約2秒で速
かに転移した。
【0376】この機構であるが、上下電極間に高電圧が
印加されて、図20(b)に示すように、液晶層210
がb―スプレイ配向状態となり、周囲より歪みのエネル
ギーが高くなり、この液晶分子配向状態方向に横電界印
加部からほぼ直角(図20(b)面垂直方向)に横電界
が印加されるため、図20(b)のb―スプレイ配向に
おける下基板側の液晶分子がねじれる力を受け、転移核
の発生が起きるものと考えられる。
【0377】以上の説明では、横電界印加部は、凹凹に
変形した画素電極部と両方の信号電極線の凹凸部は、相
互に嵌合するように形成されるものとしたが、図22に
示すように、画素電極202aのみ、信号電極線206
のみ、ゲート電極線207のみに形成されてもよいのは
勿論である。
【0378】即ち、本図においては、信号電極線206
の凸部263、ゲート電極線207の凸部273、画素
電極202aの凸部223a・224aはいずれか一方
のみにあり、嵌合型となっていないのが図20に示すも
のと相違する。
【0379】また、凹凸部の平面形状は、図20乃至図
22に示す三角形状、四角形状以外の形状、例えば台形
形状、半円形状、円形状、楕円形状等であってもよいの
は勿論である。
【0380】更に、図20乃至図22では、横電界印加
部は1画素の上下左右に合計4カ所設けているが、画素
の大きさ等によっては上下の2個のみ、あるいは1個だ
け設けても良く、更にまた電極縁にそって凹凸が連続的
に形成されていてもよいのは勿論である。また、これま
で、ラビング方向を信号電極線あるいはゲート電極線の
ほぼ直交するとしたが、ラビング方向を斜め方向にして
も良い。この場合、信号およびゲート電極線と画素電極
間の横電界印加部の液晶層からベンド配向へ転移が発生
する。また、少なくとも、ラビング方向とほぼ直交する
方向に横電界を印加できる横電界印加部を画素単位に少
なくとも1個配置することが望ましい。
【0381】また、図20乃至図22は平面図であるた
め、両電極線(信号電極線206およびゲート電極線2
07)と画素電極202aは同一平面にあるように見え
るが、これは少なくとも一方の電極線が画素電極とアレ
ー基板上異なる高さに配置されていても良い。
【0382】このように、画素電極の周辺の一部を基板
面に平行な面内で凹凸に変形した電極変形部からなる横
電界印加部は、平面視では0.5〜10μm程度離れ
て、該横電界印加部の側方に存在する信号電極線若しく
はゲート電極線の凸部や0.5〜10μm程度凹んだ凹
部の存在により、横電界を発生させる。
【0383】(実施の形態10)本実施の形態は、横電
界印加用の電極線を設けるものである。
【0384】以下、図23を参照しつつ本実施の形態を
説明する。
【0385】本図の(a)は、基板上面より見た平面図
である。(b)は、液晶表示装置のゲート電極線207
に平行な面での断面図である。
【0386】本図の(a)と(b)において、209
は、アレー基板201a上の信号電極線206のほぼ直
下部分に横電界印加専用に布設された電線である。21
2は、前記横電界印加用線209と信号電極線206、
ゲート電極線207等を絶縁するための透明絶縁膜であ
る。従って、この画素を上部(表示面に直交する使用者
側方向)から見た場合には、図23(a)に示すごと
く、画素の左右中央部にて横電界印加用線209の平面
視三角形状の凸部291が信号電極線206の側方に突
出している。なお、前記信号電極線206および画素電
極202aは従来技術のものと何等かわりがない。
【0387】前記横電界印加用線209は、前記信号電
極線206若しくはゲート電極線207が接続された駆
動回路に接続され、さらに、前記横電界印加用線209
は、配向転移後の通常の液晶表示時には、駆動回路と遮
断されるよう構成されている。
【0388】また、前記横電界印加用線209を、信号
電極線206に対する上部の信号電極線とし、透明絶縁
膜を介して画素電極に近接して設け、横電界印加の効果
を増し、併せて透明絶縁膜中の図示していないコンタク
トホールで電気的に接続されていてもよい。この場合、
信号電極線が2本となるため冗長度が増し電気抵抗が低
下するという効果もある。
【0389】即ち、図23(c)に示すように、横電界
印加用線209aは、信号電極線206の直上に透明絶
縁膜213を介して設けられている。なお、画素中央部
への平面視三角形状の凸部291aがあるのは同じであ
る。
【0390】また、図23(d)は、本実施の形態の他
の例である。図に示すように、横電界印加用線209b
が平坦化透明絶縁膜212bによって被覆され、さら
に、専用線209bの下に信号電極線206が平坦化透
明絶縁膜212cによって被覆され、画素電極202a
が前記平坦化透明絶縁膜212bの上に設けられてい
る。なお、画素中央部への三角形状の凸部291bがあ
るのは同じである。
【0391】また、図ではこの横電界印加用の専用線の
凸部を三角形状としているが、これは画素電極に対向す
る部分全てに連続的に凸部を設けたり、更には上方へ突
出した凸部を有する等、立体的な構造を有していてもよ
いのは勿論である。
【0392】また、横電界印加用の専用線は信号電極線
でなく、ゲート電極線の直下、直上に設けても良い。更
には、両電極線の直下等に設けても良い。
【0393】(実施の形態11)本実施の形態は、画素
電極内に少なくとも1カ所の切欠きを設けて欠陥部を形
成するものである。
【0394】図24に、本実施の形態の液晶表示装置の
画素単位の平面と特徴を概念的に示す。本図に示すよう
に、ITO膜からなる画素電極202aは、例えば数μ
m幅でエッチングにより除去されて平面視クランク形状
の電極欠陥部225が形成されている。
【0395】なお、この電極欠陥部225を含めた画素
電極202a面上および図示せぬ共通電極面上には、日
産化学工業(株)社製のポリアミック酸タイプの約5度
の大きさのプレチルト角のポリイミド配向膜材料を塗布
乾燥焼成して、それぞれ配向膜(図示せず)を形成し、
更にそれらの表面をラビングクロスでゲート電極線20
7と直交する方向に配向処理がなされ、このため液晶分
子のプレチルト角が正負逆の値を持ち、互いにほぼ平行
方向になるよう同一方向に平行配向されているのは、第
9および第10の実施の形態と同じである。
【0396】従って、液晶層はいわゆる無電圧印加状態
で液晶分子が斜めに広がった配向領域からなるいわゆる
スプレイ配向の液晶セルを形成しているのも同じであ
る。
【0397】しかしながら、表示前の画素の共通電極と
画素電極間に15V、あるいは共通電極に−15Vの電
圧のパルスを繰り返し印加すると共に、ゲート電極を通
常の走査状態か、あるいは殆ど全てオンさせた状態にす
ると、画素単位には電極欠陥部225が存在するため、
図24(b)に示すように、該電極欠陥部225の縁で
強い歪みの斜め横電界280が発生する。
【0398】このため、画素領域内のスプレイ配向は、
この電極欠陥部225の液晶層299にベンド配向への
転移核が発生し、更にこのベンド配向領域が拡大して画
素領域全体を約0.5秒でベンド配向へ完了させる。ま
た、TFTパネル全体では、約2秒で速かに転移する。
【0399】これは、電極欠陥部225からなる横電界
印加部で強い横電界を受け、この付近の液晶分子は基板
面に水平状態に配向され、いわゆるb−スプレイ配向状
態となり、周囲より歪みのエネルギーが高くなってお
り、この状態のもとで上下電極間に高電圧が印加される
ため更にエネルギーが与えられ、その結果、電極欠陥部
225において転移核が発生し、ベンド配向領域が拡大
するものと考えられる。
【0400】なお、図24では、平面視クランク形状の
電極欠陥部225を1本形成しているが、2本以上とし
ても良いのは勿論である。
【0401】また、その形状は直線、角型や円形、楕
円、更には三角形状等であっても良いのは勿論である。
【0402】更に、電極欠陥部225は、共通電極側に
形成しても良い。
【0403】更にまた、画素電極および共通電極の両方
に形成しても良いのも勿論である。
【0404】(実施の形態12)本実施の形態は、横電
界を発生させると共に、これに併せてあらかじめ画素平
面内にチルト角の相違する領域を形成しておくものであ
る。
【0405】図25に、本実施の形態の液晶表示装置の
画素単位の構成と特徴を概念的に示す。本図の(a)
は、ゲート電極線に平行な方向の画素の断面図であり、
同一画素であるが、左側の(イ)と右側の(ロ)とで、
チルト角が相違している様子を示す。
【0406】図25(b)は、上(使用者側)方向より
見た画素の平面図であり、画素電極202aの上下左右
に凹凸部221a・222aが設けられ、更に信号電極
線206およびゲート電極線207の対応する位置に前
記凹凸部221a・222aに相嵌合するように凹凸部
261・262・271・272が設けられており、前
述した実施の形態7と同様に、第1の電圧である2.5
Vを印加して、図25(a)の(イ)と(ロ)の境界に
ディスクリネーション線226が形成されている。
【0407】以下、本実施の形態の液晶表示装置の製造
方法について説明する。
【0408】アクティブマトリックス型の液晶セルの対
向する基板内面上にはそれぞれ配向膜203am・20
3bmが形成され、この配向膜203am・203bm
は、液晶層210が無電圧印加状態でスプレイ配向を形
成する処理がされていること、画素電極202aやこれ
に近接して配線されているゲート電極線207等に転移
励起用の横電界印加部を形成すること等は、先の第1の
実施の形態と同じである。
【0409】しかしながら、配向膜の処理が異なる。即
ち、図25(a)において、横電界印加部を含めた画素
電極202a面上に、日産化学工業(株)社製のポリア
ミック酸タイプの約5度の大きい値を持つプレチルト角
B2のポリイミド配向膜材料を塗布乾燥焼成し、配向膜
203amを形成する。
【0410】次に、この配向膜203amの左側片側領
域203ahのみ、即ち、(イ)に示す方のみに紫外線
を照射してプレチルト角E2が約2度の小さい値の配向
膜に変化させる。
【0411】これに対して、対向基板201b上には日
産化学工業(株)社製のポリアミック酸タイプの約5度
の大きい値のプレチルト角F2を界面液晶分子に付与す
るポリイミド配向膜材料を塗布乾燥焼成し、共通電極2
02b上に配向膜203bhを形成する。
【0412】次に、前記配向膜203bhの右側片側領
域203bmのみ、即ち、(ロ)に示す方のみに紫外線
を照射してプレチルト角D2の約2度の小さい値の配向
膜に変化させる。
【0413】このようにして、図25(a)の(イ)に
示す如くアレー基板201a側左半分の配向膜203a
hの小さい値のプレチルト角E2に対向して対向基板2
01b側左半分の配向膜203bhの大きい値のプレチ
ルト角F2を配置させ、(ロ)に示すごとくアレー基板
側201a右半分の配向膜203amの大きい値のプレ
チルト角B2に対向して対向基板201b側右半分の配
向膜203bmの小さい値のプレチルト角D2を配置さ
せる。
【0414】更に、このようにして形成した互いに大小
のプレチルト角を付与する配向膜の表面をラビングクロ
スで図25(b)に示すように信号電極6とほぼ直交す
る方向に上下基板同一方向に平行配向処理した。その
後、正のネマティック液晶材料を充填して、これからな
る液晶層210を配置した。
【0415】以上の下で、画素電極202aの配向元
(ラビングの根本方向)には小さいプレチルト角E2
が、該プレチルト角E2に対向する側には大きい値のプ
レチルト角F2が配置され、図25(a)の画素の
(イ)で示す領域には液晶分子を下基板側にスプレイ配
向させたb−スプレイ配向227bが、画素の(ロ)で
示す領域には液晶分子を上基板側にスプレイ配向させた
t−スプレイ配向227tが形成されやすくなる。
【0416】次に、液晶セルのスイッチングトランジス
タ208を通して対向する電極間に転移臨界電圧付近の
2.5Vを印加すると、上述の理由で同一の画素内にb
−スプレイ配向領域とt−スプレイ配向領域が形成さ
れ、その境界にディスクリネーション線226が信号電
極線206に沿って、かつゲート電極線207に渡って
明瞭に形成された。
【0417】この画素の共通電極と画素電極間に−15
Vのパルスを繰り返し印加した。そうすると、図25
(b)に示すように、ディスクリネーション線226と
横電界印加部付近の液晶層299から転移核が発生して
ベンド配向領域へ転移が拡大し、TFTパネル画素全体
では約1秒で速かに転移した。
【0418】これは、b−スプレイ配向状態とt−スプ
レイ配向領域の境界であるディクリネーション線226
領域は周囲より歪みのエネルギーが高くなっていて、こ
の状態に加えて横電界印加部で発生する横電界によって
スプレイ配向にねじれが発生して転移し易くなり、これ
に上下電極間に高電圧が印加されて更にエネルギーが与
えられベンド転移したものと考えられる。
【0419】以上、本発明を幾つかの実施の形態に基づ
いて説明してきたが、本発明は何もこれらに限定されな
いのは勿論である。即ち、例えば以下のようにしてもよ
い。
【0420】1)画素電極と共通電極間に印加する電圧
を連続的、あるいは間欠的とする。
【0421】2)高電圧パルスが繰り返し印加される場
合、その周波数は0.1Hzから100Hzの範囲であ
り、且つ第2の電圧のデューティー比は少なくとも1:
1から1000:1の範囲で、転移を速める値を選択す
る。
【0422】3)使用する基板をプラスチック製とし、
電極として有機導電膜を採用する。
【0423】4)基板の一方を反射性基板により形成
し、例えばシリコンとしたり、あるいは、アルミニウム
等の反射電極よりなる反射性基板により形成し、反射型
液晶表示装置とする。
【0424】5)画素電極、共通電極に基板面に直交す
る方向の強電極電界発生用突起を設ける等の手段をも併
用する。
【0425】6)両基板間を一定に保持する球状ガラス
やシリカに換えて、そのための突起物を形成し、該突起
物に液晶分子を配列させる機能を持たせる等の手段をも
併用する。
【0426】7)前記突起部の上部若しくは下部を前記
強電極発生用突起に兼用する。
【0427】8)画素電極の形状は、正方形状でなく、
長方形状や3角形状とする。
【0428】9)画素を液晶の配向の異なる領域に分割
するのは2つではなく、3つや4つとしたりする。
【0429】10)プレチルト角に大小を付けるのに、
透明電極をO2 アッシャー等で表面状態を変え、該透明
電極に配向膜を形成する等の手段を採用している。
【0430】(実施の形態13)図26は実施の形態1
3に係る液晶表示装置に用いられる液晶セルの構成外観
図であり、図27、および図28は凸形状物作製を説明
するための製造プロセスの一部である。
【0431】ガラス基板308上にJSR株式会社製P
C系レジスト材料を塗布形成し厚さ1μmのレジスト薄
膜を形成する。次にレジスト薄膜320に、矩形状のパ
ターンの開口部322を設けたフォトマスク321を通
して、平行光紫外線323で照射露光する。平行光で露
光された上記レジスト薄膜320を現像、リンスし、9
0℃でプリベークして図28に示すように断面が凸状の
形状物310を形成する。
【0432】次に、前記基板上に、定法に従いITO電
極7を2000A製膜し、電極付ガラス基板308とし
た。その後、透明電極302を有するガラス基板30
1、および上記凸形状物の形成されたガラス基板308
上に日産化学工業製配向膜塗料SE−7492をスピン
コート法にて塗布し、恒温槽中180℃、1時間硬化さ
せ配向膜303、306を形成する。その後、レーヨン
製ラビング布を用いて図29に示す方向にラビング処理
を施し、積水ファインケミカル(株)製スペーサ5、お
よびストラクトボンド352A(三井東圧化学(株)製
シール樹脂の商品名)を用いて基板間隔が6.5μmと
なるように貼り合わせ、液晶セル309(液晶セルAと
する)を作成した。
【0433】この時、配向膜界面での液晶プレチルト角
が約5度となるようにラビング処理を行った。
【0434】次に、液晶MJ96435(屈折率異方性
Δn=0.138)を真空注入法にて液晶セルAに注入
し、テストセルAとした。
【0435】次に、テストセルAに、その偏光軸が配向
膜のラビング処理方向と45度の角度をなし、かつ、お
互いの偏光軸方向が直交するように偏光板を貼合し、7
V矩形波を印加してスプレイ配向からベンド配向への転
移を観察したところ、約5秒で全電極領域がスプレイ配
向からベンド領域へと転移した。
【0436】凸形状物310の形成された領域では、液
晶層厚が周囲の液晶層領域に比べて小さく実効的に電界
強度が大きく、この部分よりベンド転移が確実に発生す
る。発生したベンド配向は速やかに他の領域に広がって
いく。
【0437】即ち、確実かつ高速なスプレイ→ベンド転
移が達成出来る。
【0438】凸形状物としては、その断面形状が本実施
例の如く矩形状のほか、台形状、三角状、半円状でも良
いことは言うまでもない。
【0439】比較例として、凸形状部310を有しない
透明電極付きガラス基板を用いること以外、同様のプロ
セスで、スプレイ配向液晶セルRを作製し、液晶MJ9
6435を封入してテストセルRとした。このテストセ
ルRに7V矩形波を印加した時の、全電極領域がスプレ
イ配向からベンド領域へと転移するに要する時間は42
秒であり、本発明の効果は明らかである。
【0440】(実施の形態14)図30は実施の形態1
4に係る液晶表示装置に用いられる液晶セルの構成外観
図であり、図31はその平面図である。図30は図31
の矢視X1−X1から見た断面図である。実施の形態1
4は、凸形状物310を、表示画素領域外に形成された
透明電極307a上に設けたことを特徴とするものであ
る。以下に、その作製手順を説明する。
【0441】透明電極302を有するガラス基板30
1、および凸形状物の形成されたガラス基板308上に
日産化学工業製配向膜塗料SE−7492をスピンコー
ト法にて塗布し、恒温槽中180℃、1時間硬化させ配
向膜303,306,306aを形成する。その後、レ
ーヨン製ラビング布を用いて図29に示す方向にラビン
グ処理を施し、積水ファインケミカル(株)製スペーサ
5、およびストラクトボンド352A(三井東圧化学
(株)製シール樹脂の商品名)を用いて基板間隔が6.
5μmとなるように貼り合わせ、液晶セル(液晶セルB
とする)を作成した。
【0442】この時、配向膜界面での液晶プレチルト角
が約5度となるようにラビング処理を行った。
【0443】次に、液晶MJ96435(屈折率異方性
Δn=0.138)を真空注入法にて液晶セルBに注入
した。
【0444】次に、液晶セルBに、その偏光軸が配向膜
のラビング処理方向と45度の角度をなし、かつ、お互
いの偏光軸方向が直交するように偏光板を貼合し、7V
矩形波を印加してスプレイ配向からベンド配向への転移
を観察したところ、約7秒で全電極領域がスプレイ配向
からベンド領域へと転移した。
【0445】本実施の形態では、表示画素領域外に凸形
状部を設け、表示画素領域外でベンド転移核発生をさせ
たものであるが、発生したベンド配向は表示画素領域外
から表示画素領域内に速やかに広がっていくことが確認
された。
【0446】表示画素領域とベンド核発生用電極領域と
の間には、電界の印加されない(電極部を有しない)領
域が存在するが、微小領域でありさえすればこの領域を
越えてベンド配向は展開する。
【0447】(実施の形態15)図32は実施の形態1
5に係る液晶表示装置に用いられる液晶セルの構成外観
図であり、図27、図28、および図33は凸形状物作
製を説明するための製造プロセスの一部である。
【0448】ガラス基板308上にJSR株式会社製P
C系レジスト材料を塗布形成し厚さ1μmのレジスト薄
膜を形成する。次にレジスト薄膜320に、矩形状のパ
ターンの開口部322を設けたフォトマスク321を通
して、平行光紫外線323で照射露光する。平行光で露
光された上記レジスト薄膜20を現像、リンスし、90
℃でプリベークして図28に示すように断面が凸状の形
状物310を形成する。
【0449】次に、上記レジスト薄膜材料のガラス転移
点以上の150℃でポストベークして凸形状物310の
肩をなだらかに順方向に傾斜させて、図32に示すよう
にその断面形状を山形様に形成する工程で製造する。
【0450】次に、前記基板上に、定法に従いITO電
極を2000Åの厚みで製膜し、電極付ガラス基板30
8とした。その後、透明電極302を有するガラス基板
301、および上記凸形状物の形成されたガラス基板3
08上に日産化学工業製配向膜塗料SE−7492をス
ピンコート法にて塗布し、恒温槽中180℃、1時間硬
化させ配向膜303、306を形成する。その後、レー
ヨン製ラビング布を用いて図29に示す方向にラビング
処理を施し、積水ファインケミカル(株)製スペーサ3
05、およびストラクトボンド352A(三井東圧化学
(株)製シール樹脂の商品名)を用いて基板間隔が6.
5μmとなるように貼り合わせ、液晶セル309(液晶
セルCとする)を作成した。
【0451】この時、配向膜界面での液晶プレチルト角
が約5度となるようにラビング処理を行った。
【0452】次に、液晶MJ96435(屈折率異方性
Δn=0.138)を真空注入法にて液晶セルCに注入
し、テストセルCとした。
【0453】次に、テストセルCに、その偏光軸が配向
膜のラビング処理方向と45度の角度をなし、かつ、お
互いの偏光軸方向が直交するように偏光板を貼合し、7
V矩形波を印加してスプレイ配向からベンド配向への転
移を観察したところ、約7秒で全電極領域がスプレイ配
向からベンド領域へと転移した。
【0454】本テストセルCは、上記三角形状先端部に
電界の集中が起こり、この部分よりベンド配向が発生す
る。また、三角形状物60上部では、ラビング処理によ
る擦り上げ部と擦り下げ部が存在するため、結果として
液晶プレチルト角の符号が反対の領域が出来る。即ち前
記凸形状部の近傍では液晶ダイレクタが基板面に水平に
なっており、このことも高速なスプレイ−ベンド転移に
寄与しているものと思われる。
【0455】本実施例では画素領域内に電界集中部を設
けたが、画素領域外に設けても同様な効果が認められ
た。また、本実施例では電界集中部位は基板片側に配設
したのみであるが、基板両側に配設しても良いことは言
うまでもない。
【0456】(実施の形態16)図34は実施の形態1
6に係る液晶表示装置に用いられる液晶セルの構成外観
図であり、図35は本実施の形態で用いたガラス基板3
02の電極パターンを表している。
【0457】開口部380を有する透明電極302、及
び開口部を有しない透明電極307を有する2枚のガラ
ス基板301、308上に日産化学工業製配向膜塗料S
E−7492をスピンコート法にて塗布し、恒温槽中1
80℃、1時間硬化させ配向膜303、306を形成す
る。その後、レーヨン製ラビング布を用いて図29に示
す方向にラビング処理を施し、積水ファインケミカル
(株)製スペーサ305、およびストラクトボンド35
2A(三井東圧化学(株)製シール樹脂の商品名)を用
いて基板間隔が6.5μmとなるように貼り合わせ、液
晶セル309(液晶セルDとする)を作成した。
【0458】この時、配向膜界面での液晶プレチルト角
が約5度となるようにラビング処理を行った。
【0459】次に、液晶MJ96435(屈折率異方性
Δn=0.138)を真空注入法にて液晶セルDに注入
し、テストセルDとした。
【0460】次に、その偏光軸が配向膜のラビング処理
方向と45度の角度をなし、かつ、お互いの偏光軸方向
が直交するように偏光板を貼合し、電圧を印加しながら
スプレイ配向からベンド配向への転移を観察した。
【0461】このテストセルDに、ガラス基板8側電極
に2V、30Hz、矩形波を、ガラス基板1側電極に7
V、30Hz、矩形波を印加した時の、全電極領域がス
プレイ配向からベンド領域へと転移するに要する時間は
5秒であり、極めて高速なベンド転移が実現された。
【0462】本実施例においては、二枚の電極間に挟持
された液晶層に5V(=7V−2V)の電界が印加され
るが、電極開口部の液晶層には7V(=7V−0V)の
実効電界が印加されることになるため、ここよりベンド
配向が発生する。
【0463】本実施例では開口部形状を矩形としたが、
円形、三角形状など他の形状でも良いことは言うまでも
ない。
【0464】(実施の形態17)図36は実施の形態1
7に係る液晶表示装置に用いられる液晶セルの要部断面
図であり、図37はその一部の拡大図である。この液晶
セルは、ガラス基板308上に画素スイッチング素子3
80、信号電極線381、ゲート信号線(図示せず)が
形成されており、これらスイッチング素子380、信号
電極線381及びゲート信号線を覆って平坦化膜382
が形成されている。そして、平坦化膜382上に表示電
極307が形成されており、この表示電極307とスイ
ッチング素子380とは、平坦化膜382に開口したコ
ンタクトホール383内を挿通する中継電極384を介
して電気的に接続されている。中継電極384は、コン
タクトホール383の上開口側の部分が、図37に示す
ように凹部384aとなっている。このような凹部38
4aにより、表示電極307に開口が形成されることに
なり、この凹部384a付近で電界の集中を生じさせる
ことが可能となる。よって、転移時間の短縮化を達成す
ることができる。
【0465】(実施の形態18)図38は実施の形態1
8に係る液晶表示装置の構成外観図である。
【0466】実施の形態16で作成したテストセルD
に、主軸がハイブリット配列した負の屈折率異方性もつ
光学媒体よりなる位相差板312、315、負の一軸性
位相差板311、314、正の一軸性位相差板319、
偏光板313、316を図39に示される配置で貼合
し、液晶表示装置を作成した。
【0467】この時の位相差板312、315、31
1、314、319のリターデーション値は波長550
nmの光に対して、それぞれ26nm、26nm、35
0nm、350nm、および150nmであった。
【0468】図40は25℃における液晶表示装置の正
面での電圧−透過率特性である。10Vの矩形波電圧を
10秒印加しベンド配向を確認した後、電圧を降下させ
ながら測定した。本液晶表示素子ではベンド配向からス
プレイ配向への転移が2.1Vで起こるため、実効的に
は2.2V以上の電圧で表示を行う必要がある。
【0469】次に、白レベル電圧を2.2V、黒レベル
電圧を7.2Vとした時のコントラスト比の視角依存性
を測定したところ、上下126度、左右160度の範囲
でコントラスト比10:1以上が達成されており、基板
配向膜面上に液晶ダイレクタ方位が周囲とは異なる部位
を一部設けても、充分な広視野角特性が維持されること
が確認された。また、目視観察においても、配向不良お
よび表示品位不良は認められなかった。
【0470】また、3V〜5V間の応答時間を測定した
ところ、立ち上がり時間は5ミリ秒、立ち下がり時間は
6ミリ秒であった。
【0471】以上より明らかなように、本発明液晶表示
装置は、従来のOCBモードの広視野角特性や応答特性
を犠牲にすることなく、高速なスプレイ−ベンド配向転
移を達成することが出来、その実用的な価値は極めて大
きい。
【0472】(実施の形態19)図41は実施の形態1
9に係る液晶表示装置の要部断面図である。ベンド配向
型セルとして動作させる液晶セルは、2枚の平行な基板
400,401間に液晶層402を封入した、いわゆる
サンドイッチセルである。通常、一方の基板には透明電
極が、他方の基板には薄膜トランジスタを備えた画素電
極が、各々形成されている。
【0473】図41(a)は、電場を印加しない初期状
態の配向を示す模式図である。初期状態の配向は、液晶
分子の分子軸が基板400,401平面に対して若干の
傾きを有しながらもほぼ平行に且つ実質的に一様に配向
した状態、すなわちホモジニアス配向である。基板との
界面に存在する液晶分子は、上下両基板400,401
において、互いに逆方向に傾斜している。すなわち、基
板との界面に存在する液晶分子の配向角θ1およびθ2
(すなわち、プレチルト角)は、互いに異符号となるよ
うに調整されている。なお、以下の説明において、配向
角およびプレチルト角は、基板に平行な平面に対する液
晶分子の分子軸の傾きを、基板に平行な平面を基準に反
時計回りに正として表した角度である。
【0474】図41(a)の状態の液晶層402に、基
板平面に対して垂直方向にある値を超える強さの電場を
印加すると、液晶の配向状態が変化し、図41(b)に
示すような配向へと転移する。
【0475】図41(b)に示す配向は、ベンド配向と
呼ばれるものであり、両基板表面付近においては基板平
面に対する液晶分子の分子軸の傾き、すなわち配向角の
絶対値が小さく、液晶層402の中心部分においては液
晶分子の配向角の絶対値が大きくなっている。また、液
晶層全体に渡って、実質的にねじれ構造を有してない。
【0476】このような、ホモジニアス配向からベンド
配向への転移を詳細に観察すると、まず、液晶層402
の一部においてベンド配向の核が発生しており、この核
が、ホモジニアス配向である他の領域を蚕食しながら次
第に成長し、最終的には液晶層全体がベンド配向とな
る。換言すれば、液晶層のベンド配向への転移には、核
の発生、すなわち微小領域でのホモジニアス配向からベ
ンド配向への転移が必要である。
【0477】そこで、発明者らは、液晶分子配向の単位
ベクトル(以下、「ディレクター」とする。)の運動方
程式を解くことにより、微小領域でのベンド配向への転
移について解析し、核が容易に発生し得る条件を見出し
た。以下に、その手法について説明する。
【0478】液晶の配向状態は、ディレクターによって
記述される。なお、ディレクターnは、[数1]で表さ
れる関数である。
【数1】
【0479】液晶の自由エネルギー密度fは、[数2]
に示すように、ディレクターnの関数として表わすこと
ができる。
【数2】
【0480】ここで、k11、k22、k33はFrankの弾性
定数であり、各々、スプレイ、ツイスト、ベンドの弾性
定数を表す。Δεは、液晶の分子軸方向の誘電率とそれ
に直交する方向の誘電率との差、すなわち誘電率異方性
を表す。また、Eは、外部電場である。
【0481】[数2]において、第1項、第2項、第3
項は、各々、液晶の広がり、捻じれ、曲がりによる弾性
エネルギーを表わす。また、第4項は、外部電場と液晶
との電気的相互作用による電気エネルギーを表す。電気
エネルギーは、Δε>0であればnがEと平行となると
きに最小となり、Δε<0であればnがEに直交すると
きに最小となる。従って、ある特定の強さを超える電場
Eが印加されると、液晶分子は、Δε>0であれば分子
長軸が電場方向に平行になるように配向し、Δε<0で
あれば分子長軸が電場方向に直交するように配向する。
【0482】初期状態の分子配向が外部電場による変形
を受けたときの液晶の全自由エネルギーFは、fの体積
積分として表すことができる。
【数3】 [数3]に示すように、全自由エネルギーFは、ディレ
クターを表す未知関数n(x)を変数として定義される関
数(すなわち、汎関数)である。外部電場印加下におい
て出現する液晶の配向状態は、適当な境界条件のもと
で、全自由エネルギーFを最小とするn(x)で記述され
る。すなわち、Fを最小とするn(x)が決まれば、液晶
の配向状態を予測することができる。更に、適当な境界
条件のもとでFを最小とするような、時間変化をも考慮
したディレクターn(x,t) を決めることができれば、
光学定数などのデバイスのあらゆる挙動を予測すること
ができる。これは、物理的にいえば典型的な最小作用の
原理であり、数学的にいえば境界値付きの変分極小問題
である。
【0483】そこで、[数3]を原理的に解く。しか
し、例えば、Eulerの方程式を用いるような解析的方法
では、複雑な非線形方程式が現れるため、ディレクター
n(x)の関数形を簡単に決定することは困難である。
【0484】そこで、[数3]を容易に解くために、次
のような方法を採用する。まず、積分空間を有限要素法
と同様の手法により離散化する。すなわち、全積分空間
をnp個の要素に分割し、[数3]を各要素の積分の和
として表わす。
【数4】
【0485】ここで、部分積分空間ΔVにおけるディレ
クターn(x)に対して、以下のような近似を行う。nx
、ny、nzは、[数2]式に示すように本来ならば
x、y、zの関数であるが、ΔVにおいては一定である
と仮定する。また、dnx,j/dx=(nx,j+1−dnx,
j)/Δxと近似する。なお、nx,jは、第j番目の要素
中におけるnxであり、前述したようにΔVにおいては
一定ではあるが、未知数である。この部分積分空間ΔV
におけるn(x)の近似は粗いものであるが、これを積分
空間の分割を細かくすることによってカバーし、近似を
高めることができる。
【0486】上記近似によれば、[数4]において、n
x,j、ny,j、nz,jは1つの要素中では定数であるため、
積分自体は容易に計算できる。しかし、この段階でも、
全自由エネルギーFを表す式は、分割数に比例する多数
の未知数nx,j、ny,j、nz,jの高次項および非線型項が
存在し、依然として複雑である。但し、nx,0、ny,0、
nz,0などの値は、境界条件として容易に与えることが
できる。
【0487】上記近似によれば、全自由エネルギーF
は、
【数5】 という形に変換される。すなわち、全自由エネルギーF
は、未知関数n(x)を変数として定義される汎関数か
ら、未知数nx,j、ny,j、nz,jの関数に変換される。未
知数nx,j、ny,j、nz,jは、多次元のパラメーター空間
内で、関数Fを最小とする値である。
【0488】液晶のベンド配向は、前述したように、捻
じれを実質的に有しない構造である。ディレクターn
は、前述したように本来はx、y、zの関数であるが、
配向角の関数として表すことが可能である。この場合、
ベンド配向におけるディレクターnは、
【数6】 で表される。但し、θは、基板に平行な平面に対する液
晶分子の傾き、すなわち配向角である。また、θは、液
晶分子の基板からの距離zのみに依存するものとする。
図2は、このディレクターを示した模式図である。
【0489】[数6]を[数4]に代入し、np個の要
素に分割して離散化を行い、各要素について、Fを最小
化するようなθjを求める。すなわち、各要素につい
て、
【数7】 なる方程式を満足するθjを求める。なお、dはL/n
pであり、Lは基板間距離である。
【0490】しかし、[数7]のような複雑な非線型方
程式を、np個連立させて解くのは容易ではない。そこ
で、以下のような回路類推を行うことにより、[数7]
を解く。ディレクターの運動方程式は、
【数8】 で表される。なお、ηは、液晶の粘性率である。[数8]
について、以下のような回路類推を行う。
【数9】 [数8]は、
【数10】 に変換される。[数10]に対応する回路は、図3に示す
ように、np個のCR回路で構成されている。 [数1
0]の第二項は、CR回路を流れる電流を表す。なお、
Rjは放電緩和のための抵抗であって、CR回路を流れ
る電流(i)を、i=∂F(Vj)/∂Vjとして規定す
る電圧制御抵抗である。
【0491】電流i(=∂F/∂Vj)は、特定のVjで
ゼロに収束する。すなわち、Vjは、回路シミュレータ
ーでCR回路を流れる電流がゼロとなるときの電圧を求
めれば、自動的に求めることができる。
【0492】このように、ディレクターの運動方程式を
等価回路に置き換えることにより、液晶の配向現象を表
現する非線型連立方程式を回路シミュレーター上で解析
し、外部電場Eと配向状態(配向角θj)との関係を求
めることができる。
【0493】上記手法においては、配向現象を表現する
非線型連立方程式を、電気回路的な類推によって回路に
置き換えて回路シミュレーター上で解析するため、プロ
グラム中には等価回路が設定されるだけで、方程式自身
を解くための計算プロセスは含まれない。よって、プロ
グラムの単純化および縮小を実現することができる。
【0494】更に、上記手法に基づいて、外部電場Eの
増加に伴う配向角θjの変化を計算すれば、配向角θjが
突然変化するときの外部電場Eとして、液晶転移の臨界
電場Ecを求めることができる。
【0495】図44は、上記手法に基づく計算結果の一
例であり、外部電場Eを時間とともに増加させたとき
の、θjの時間変化を表す。なお、図4の結果は、境界
条件をθ0=+0.1rad、θnp-1=−0.1radとして
固定し、k11=6×10-7dyn、k33=12×10-7dy
n、Δε=10として計算した結果である。図4に示す
ように、電場印加初期においては、配向角θjがいずれ
も比較的小さく、液晶の配向状態がホモジニアス配向で
あることがわかる。しかし、一定時間経過後、すなわち
外部電場Eが一定値を超えると(E>Ec)、配向角θ
jが突然変化して転移が生じる。転移後の配向角θjは、
両基板近傍から液晶層の中心部に向かってその絶対値が
大きくなっており、転移後の液晶の配向状態がベンド配
向であることがわかる。
【0496】臨界電場Ecが小さいほど、液晶の配向状
態をホモジニアス配向からベンド配向へと速やかに転移
させることができる。そこで、上記手法に基づいて、液
晶の配向を決める条件を種々変化させて、各条件下での
臨界電場Ecを計算した。その結果、臨界電場Ecは、
特に、液晶の弾性定数(スプレイ弾性定数)、プレチル
ト角の非対称性に影響されることが見出された。
【0497】図45は、スプレイ弾性定数k11と臨界電
場Ecとの関係を求めた結果を示したものである。な
お、図45は、境界条件をθ0=+0.1rad、θnp-1=
−0.1radとし、k33=12×10-7dyn、Δε=10
として計算した結果である。図45に示すように、スプ
レイ弾性定数k11が大きいほど、臨界電場Ecが増大す
る。特に、k11>10×10-7dynの範囲では、k11の
増大に伴って、Ecが急激に増大する。
【0498】従って、速やかな液晶転移を実現するため
には、スプレイ弾性定数k11を、10×10-7dyn未
満、好ましくは、8×10-7dyn以下とすることが有効
である。また、スプレイ弾性定数k11の下限について
は、特に限定するものではないが、6×10-7dyn以上
とすることが好ましい。k11<6×10-7dynの液晶材
料を合成または調製することは、通常、困難であるから
である。
【0499】上記のようなスプレイ弾性定数k11を有す
る液晶材料としては、特に限定するものではないが、例
えば、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液晶、ビフェニ
ル系液晶などを挙げることができる。
【0500】プレチルト角の非対称性は、上下基板間で
のプレチルト角の絶対値の差(Δθ)で表すことができ
る。また、前述したように、プレチルト角θ0およびθn
p-1は互いに異符号とされるため、プレチルト角の絶対
値の差(Δθ)は、Δθ=|θ0+θnp-1|で表すこと
ができる。
【0501】図46(a)は、上下基板間でのプレチル
ト角の絶対値の差(Δθ)と臨界電場Ecとの関係を求
めた結果を示すものである。図6のaは、k11=6×1
-7dyn、k33=12×10-7dyn、Δε=10として計
算した結果である。図46(a)に示すように、プレチ
ルト角の差Δθが大きいほど、臨界電場Ecが低下す
る。特に、Δθ≧0.0002radの範囲では、Δθの
増大に伴って、Ecが急激に低下する。
【0502】従って、速やかな液晶転移を実現するため
には、プレチルト角の差Δθを、0.0002rad以
上、好ましくは0.035rad以上とすることが有効で
ある。また、プレチルト角の差Δθの上限については、
特に限定するものではないが、通常、1.57rad未
満、好ましくは0.785rad以下とする。
【0503】なお、プレチルト角θ0およびθnp-1は、
その絶対値が、通常、0radを超え且つ1.57rad未
満、好ましくは0.017rad以上0.785rad以下と
なるように調整される。プレチルト角の調整は、基板表
面に、斜方蒸着法およびラングミュア−ブロジェット
(LB)法などの方法により、適当な液晶配向膜を形成
することによって制御することができる。液晶配向膜と
しては、特に限定するものではないが、例えば、ポリイ
ミド樹脂、ポリビニルアルコール、ポリスチレン樹脂、
ポリシンナメート樹脂、カルコン系樹脂、ポリペプチド
樹脂および高分子液晶などを挙げることができる。ま
た、液晶配向膜の材料選択のほか、斜方蒸着法を採用す
る場合は蒸着方向の基板表面に対する傾きを調製するこ
とによって、LB法を採用する場合は基板の引き上げ速
度などの条件を調整することによって、プレチルト角を
制御することができる。
【0504】また、臨界電場Ecは、液晶層内の電場の
不均一性に影響される。液晶層に発生する電場の歪み
が、液晶分子の配向状態の安定性に影響するからであ
る。なお、電場の不均一性は、液晶層に実質的に均一に
印加される主電場E0と、不均一に印加される副電場E1
との比(E1/E0)で表すことができる。なお、E1
は、印加される副電場の最大値とする。
【0505】電場の不均一性E1/E0と臨界電場Ecと
の関係は、前述した手法に基づいて、以下のようにして
調べることができる。すなわち、液晶層に、外部電場E
として均一電場である主電場E0を印加するとともに、
不均一電場である副電場E1を重畳させて印加するとい
う条件で、主電場E0の増加に伴う配向角θjの変化を計
算する。このとき、副電場E1は、主電場E0の増加に伴
って、E1/E0が所定の値で一定となるように増加させ
る。得られた計算結果より、配向角θjが突然変化する
ときの主電場E0として、液晶転移の臨界電場Ecが求
められる。
【0506】図47は、上記手法に基づいて、E1/E0
の値を種々変化させて、各条件下での臨界電場Ecを計
算した計算結果の一例である。なお、図7の結果は、境
界条件をθ0=+0.26rad、θnp-1=−0.25rad
として固定し、k11=6×10-7dyn、k33=12×1
-7dyn、Δε=10として計算した結果である。図4
7に示すように、E1/E0が大きいほど、すなわち電場
の不均一性が大きいほど、臨界電場Ecが増大し、E1
/E0=1付近ではEcは無限小となる。これは、液晶
層の電場に歪みが存在すると、電場が一様である場合に
比べてホモジニアス配向が不安定となり、その結果、ベ
ンド配向への転移が速やかに発現するからであると考え
られる。
【0507】従って、速やかな液晶転移を実現するため
には、液晶層に、実質的に均一な主電場E0とともに、
空間的に不均一な電場E1を印加することが有効であ
る。特に、0.01<E1/E0<1とすることが有効で
ある。E1/E0≦0.01の範囲では、不均一電場印加
による液晶転移を促進する効果を十分に得ることは困難
であり、E1/E0≧1の範囲では、印加電圧が大きくな
り過ぎるため実際の使用に適当でないという問題がある
からである。更には、0.5≦E1/E0≦1とすること
が好ましい。
【0508】不均一電場E1は、薄膜トランジスタのソ
ース電極(またはゲート電極)と透明電極との間に印加
した電圧を利用することにより、液晶層に対して基板に
垂直な方向に印加することができる。また、不均一電場
E1は、周波数100kHz以下の交流電場とすること
が好ましく、更には、振幅を時間的に減衰させることが
好ましい。
【0509】臨界電場Ecを低下させる条件である、ス
プレイ弾性定数(k11)、プレチルト角の非対称性(Δ
θ)および電場の不均一性(E1/E0)という3条件の
うち、2条件ないし3条件を組み合わせて満足させるこ
とが好ましい。これらの条件を組み合わせることによ
り、各条件を1つのみ満足させる場合に比べ、更に確実
に臨界電場Ecをより確実に低下させることができるか
らである。
【0510】例えば、図46(b)は、実質的に均一な
外部電場E0とともに、不均一な電場E1を印加すること
以外は、図46(a)と同条件で計算した結果である。
なお、図46(b)は、E1/E0=0.03とした場合
の結果である。図46(a)および(b)の比較からわ
かるように、プレチルト角の非対称性および電場の不均
一性の2条件を組み合わせて満足させることにより、臨
界電場Ecをより低下させ、更に速やかな液晶転移を実
現することができる。
【0511】(実施の形態20)本実施の形態20は上
記実施の形態7と同様に第1の液晶セル領域と第2の液
晶セル領域を形成し、その境界部のディスクリネーショ
ン線を核にしてベンド転移を容易に発生させることを特
徴とするものである。但し、実施の形態7では、上下一
対の基板それぞれに紫外線を照射し、局所的にプレチル
ト角を変化させる手法を用いた。しかし、本発明はこれ
に限るものではない。処理する基板は両方の基板であっ
ても一方の基板であっても、第1と第2の液晶セル領域
を形成することは可能であり、また、プレチルト角を変
化させる手法としては紫外線を照射に限らない。以下
に、具体的な内容を実施の形態20−1〜実施の形態2
0−5を例示して説明することにする。
【0512】(実施の形態20−1)図48は実施の形
態20−1の係る液晶表示装置の配向状態を示す概念図
である。本実施の形態20−1は、上下一対の基板のう
ちの一方だけUV照射を行った例である。具体的には、
実施の形態7と同様な方法でアレイ基板500だけにU
V照射を行った。これにより、アレイ基板500には実
施の形態7と同様に、5度と2度のプレチルト領域が形
成された。プレチルト角5度は図16のB2に相当し、
プレチルト角2度は図16のA2に相当する。対向基板
501の内側面及びアレイ側基板500の内側面には、
それぞれ同一材料からなる配向膜が形成されているが、
アレイ基板500側よりも対向基板501側でのラビン
グ強度を上げることにより、対向基板501にはアレイ
基板500の2種のプレチルト角の中間的なプレチルト
角を実現した。本実施の形態では3度であった。このよ
うに対向基板501のプレチルト角がアレイ側基板50
0の2種ののプレチルト角の間にあることが本実施の形
態20−1の特徴である。
【0513】電界を印加しない状態では、液晶層502
には図48(a)のように2つの領域H1,H2が発現
する。ここでアレイ側基板500のプレチルトが、右側
領域H2で2度、左側領域H1で5度であり、対向基板
500のプレチルトが右側領域H2及び左側領域H1共
に3度である。
【0514】一般に電界を印加しない状態における、液
晶パネルの厚み方向(セル厚方向)中央付近の液晶分子
の配列方向は、上下のプレチルト角の平均的な値にな
る。なお、図48において、液晶分子は参照符号503
で示されている。よって、図48(a)のようにアレイ
側基板500のプレチルトが対向基板501のプレチル
トよりも高い左側領域H1では、上記中央付近の液晶5
03は図中右上がりの状態になる。逆にレイ側基板50
0のプレチルトが対向基板501のプレチルトよりも小
さい右側領域H2では、上記中央付近の液晶503は図
中右下がりの状態になる。このようにアレイ基板500
にプレチルトの分布を持たせ、対向基板501側にはそ
の中間的なプレチルトを持たせることで、液晶パネルの
厚み方向中央部の液晶には2種類の配列を実現できる。
なお、対向基板501にプレチルトの分布を持たせ、ア
レイ基板500側にはその中間的なプレチルトを持たせ
るようにしてもよい。、次いで、液晶パネルにベンド配
向に転移する電界以下の電界を印加すると、図48
(b)のような配向になる。本来の転移電圧は非常に高
電圧であるため、かかる高電圧を印加すると1秒以下の
時間でベンド配向に転移する。図48(b)のような配
向は、本来の転移電圧を印加したときに、転移の初期に
確認されたが、これは0.1秒以下の時間であった。
【0515】そこで、この配向状態を詳細に観察するた
め、転移電圧以下の電圧を印加した。電圧印加時の配向
状態は、電圧無印加時における液晶パネルの厚み方向中
央部の液晶の配向状態が影響する。即ち、電圧無印加時
において当該中央部の液晶分子が右上がり状態である左
領域では、対向基板501付近にスプレイ変形部位を有
するt−スプレイ配向が形成され、電圧無印加時におい
て当該中央部の液晶分子が左上がりの右領域では、アレ
イ側基板500付近にスプレイ変形部位を有するb−ス
プレイ配向が形成される。このt−スプレイ配向とb−
スプレイ配向の境界部ではディスクリネーションが発生
し、このディスクリネーション線を核にしてベンド転移
が発生することを見出した。この現象については両側を
UV照射した実施の形態7と同じである。
【0516】本実施の形態では、図48(b)に示すよ
うに、ラビング方向側から観察すると左側が比較的黒っ
ぽく、右側が白っぽく見え、逆方向から観察すると左側
が比較的白っぽく右側が比較的黒っぽく見えた。このこ
とからt−スプレイ状態、b−スプレイ状態と判断し
た。これは液晶層のセル厚方向で中央部の液晶の立ち方
が非対称であり、例えば左側では液晶分子の長軸方向か
ら観察するため、液晶の複屈折性は少なく、比較的黒っ
ぽく見えたと考える。
【0517】この液晶パネルに上記実施の形態1から6
で述べた転移波形を印加すると、ディスクリネーション
線を核にしてベンド配向が成長することが確認された。
【0518】転移を高速化するためには、ベンド転移の
核を確実に形成することが重要であり、本実施の形態で
は各画素ごとにUV照射することで、各画素にt−スプ
レイ配向とb−スプレイ配向を形成し、ディスクリネー
ション線を発生させることで転移の高速化を実現でき
た。
【0519】上述した例では、アレイ基板側に紫外線を
照射しプレチルトの違う領域を形成したが、本発明はこ
れに限るものではない。対向基板に紫外線を照射し、プ
レチルトの異なる領域を形成しても良い。
【0520】また本実施の形態ではプレチルトの異なる
2つの領域に分割したが、本発明はこれに限るものでは
なく、少なくとも上下基板でプレチルトの大小関係が逆
転している領域を有していればよい。また本発明は、各
画素ごとにプレチルトの違う領域を形成したが、複数の
画素ごとに当該領域を形成するようなしてもよい。、ま
た、画素内に多数の領域があってもかまわない。ただ
し、ゲートラインなど画素電極がつながっていない領域
では、各画素ごとに転移核を形成していることが望まし
い。
【0521】また本実施の形態では、プレチルトは5
度、3度、2度のものを用いたが、本発明はこれに限る
ものではない。ただし、安定してディスクリネーション
を発生させるためには基板内のプレチルトの最大と最小
の差を1度以上にする必要が有り、より望ましくは2度
以上にすることが望ましい。また安定にベンド配向する
ためには、プレチルトの最小値が1度以上が理想的であ
り、望ましくは2度以上が望ましい。
【0522】(実施の形態20−2)本実施の形態20
−2では、ラビング強度に面内分布を持たせることで、
プレチルト角に分布を持たせた。
【0523】一般に液晶の配向処理にはラビング処理が
行われている。これは均一な長さの繊維を用いて基板表
面を擦ることで液晶の配向性を制御している。一般にラ
ビング強度が強いとプレチルトが低いことが知られてい
る。本実施の形態20−2では、ラビングに用いる繊維
の長さを不均一にすることでラビング強度に分布を持た
せ、プレチルトを意図的に不均一にした。
【0524】繊維の長さを変えるため、本実施の形態で
は、図49に示す横幅50μm高さ100μmの微小な
段差510を有する基板511を用いて、均一な長さの
繊維を有するラビング布512で、基板511上を10
0回以上ラビングを行った。段差510の高い部分では
ラビング布512の損耗が激しく、これにより、図50
に示すようにラビング繊維の長さに分布を持ったラビン
グ布511aを得た。
【0525】このラビング布511aを用いるとプレチ
ルト角に分布が発生し、プレチルトが2から5度までの
領域がランダムに発生した。上下基板ともプレチルトに
分布を持たせる処理を行った。この2枚の基板を組み合
わせると、さまざまなプレチルトの組み合わせ領域が形
成される。しかし、これらの領域は、大別すると電圧無
印加状態において、セル厚方向中央部での液晶分子が斜
め上方に向いているb−スプレイ配向に近似した配向領
域と、セル厚方向中央部での液晶分子が斜め下方に向い
ているt−スプレイ配向に近似した配向領域の2種の領
域に分けられる。本実施の形態では、このプレチルトの
分布は画素よりも小さい領域で発生したため、この2種
の領域を各画素に形成することができた。
【0526】このような構成の液晶表示パネルに電圧を
印加すると、b−スプレイ配向とt−スプレイ配向の2
種の配向領域が形成され、2種の配向領域の境界部でデ
ィスクリネーション線が発生し、これを核にしてベンド
転移が確認された。
【0527】本実施の形態20−2ではラビング強度の
分布を形成するために繊維の長さに分布を形成したが、
本発明はこれに限るものではない。ラビング布の繊維質
をコットンとレーヨンの混合にすることでラビング強度
の分布を形成することができた。ここでは柔軟なコット
ンと剛直なレーヨンの繊維を独立に編み込むラビング布
を実現した。
【0528】(実施の形態20−3)図51はアレイ配
線によるラビングの影を示した概念図である。本実施の
形態20−3では、アレイ基板500上に形成されてい
る金属配線(ソース電極線520、ゲート電極線52
1)によるラビングの影を用いて局所的にラビング強度
の弱い領域を形成した。なお、対向基板501側では、
ラビング強度が均一な通常のラビング処理を行った。ア
レイ基板500でのラビング方向はソース電極線520
の延在方向から20度傾けて行った。このとき、ゲート
電極線521及びソース電極線520は画素電極部分よ
りも高くなっているため、ラビング処理をすると、ゲー
ト電極線521及びソース電極線520のエッジ部分5
22でラビング強度が弱くなり、画素領域のその他の領
域523に比べプレチルトが高くなった。
【0529】ここで、対向基板501のプレチルト角
は、前記した2つのプレチルトの中間的な値にした。こ
のようなラビング処理により、電圧無印加時において、
領域522にはセル厚方向中央部での液晶分子が斜め上
方に向いているb−スプレイ配向に近似した配向が形成
され、領域523にはセル厚方向中央部での液晶分子が
斜め下方に向いているt−スプレイ配向に近似した配向
が形成された。これにより、上記実施の形態と同様に電
圧を印加すると、領域522にb−スプレイ配向が形成
され、領域523にt−スプレイ配向が形成され、この
2種の配向領域の境界部でディスクリネーション線が発
生し、これを核にしてベンド転移が確認された。
【0530】ところで、本実施の形態20−3での画素
電極は縦長の形状であった。このような縦長形状の画素
電極の場合、上下方向にラビングすると、プレチルトの
高い領域の面積は各画素では少ない。むしろ左右方向に
ラビングするとプレチルトの高い領域の面積は広く得ら
れた。また上述した例のように、斜め方向にラビングし
たときにプレチルトの高い領域の面積は最大に得られ
た。この結果から、ラビング方向はソース電極線520
に対して角度を持ってラビングを行う方式がプレチルト
の異なる領域を十分に形成でき、ベンド転移を効率よく
実現することができる。
【0531】また、ソース電極線と画素電極間、並び
に、ゲート電極線と画素電極間のそれぞれに横電界が発
生している場合には、以下に述べるように横電界の発生
方向とラビング方向とが転移容易性に影響を与える。即
ち、上下方向にラビングすると、ディスクリネーション
線は横方向に発生する。このとき、ソース電極線と画素
電極間に横電界が発生していると、この横電界効果によ
って転移が良好であった。また、左右方向にラビングす
ると、ディスクリネーション線は縦方向に発生する。こ
のとき、ゲート電極線と画素電極間に横電界が発生して
いると転移が良好であった。また、斜め方向にラビング
すると、ディスクリネーション線は図中の画素の左上か
ら右下まで走り、このときにはソース電極線と画素電極
間の横電界、並びに、ゲート電極線と画素電極間の横電
界の双方が効果的であった。
【0532】このように、上下方向のラビングではソー
ス電極線と画素電極間の横電界が効果が有り、左右方向
ラビングではゲート電極線と画素電極間の横電界が効果
が有り、斜め方向ラビングではソースー画素、ゲートー
画素間の双方の横電界が効果的である。従って、横電界
による効果的を希望する場合には、横電界の方向を考慮
してラビング方向を決定しておく必要がある。
【0533】なお、本実施の形態20−3では金属電極
配線の影を用いたが、本発明はこれに限るものではな
い。後述する実施の形態24に述べるような柱状スペー
サや実施の形態13、14に述べたような突起物であっ
てもかまわない。
【0534】(実施の形態20−4)本実施の形態20
−4では、配向膜の膜厚に分布を持たせることでプレチ
ルトに分布をもたせた。一般に配向膜の印刷は、図52
に示す印刷版530を用いて行っている。ここで、一般
的に配向膜の印刷方法を図52を参照して簡単に説明す
ると、配向膜の塗布液は、ディスペンサ531から回転
しているドクターロール532とアニロックスロール5
33間に滴下供給される。この塗布液は、2つのロール
532,533間で練られてアニロックスロール533
の表面に液薄膜となって保持され、アニロックスロール
533から版胴534上の印刷版530に移される。そ
して、テーブル535上に固定された基板536が版胴
534の直下を通過するときに、塗布液が印刷版530
から基板536に転写塗布される。ところで、このよう
な配向膜の塗布工程において使用される印刷版530に
は、配向膜の膜厚を一定にする要請から一般的には均一
な細かいメッシュが形成されている。本実施の形態で
は、上記要請とは逆に配向膜の膜厚に分布を持たせるこ
とが要請されているため、図53及び図54に示すよう
にメッシュサイズLを大きくした印刷版530を使用し
た。これにより、印刷の不均一が生みだされ、膜厚に分
布を持った配向膜が形成された。このようにして形成さ
れた配向膜は、膜厚が薄い領域ではプレチルトの値が低
く、この領域ではb−ツイスト配向が発現しやすい傾向
があった。配向膜の膜厚が厚い領域ではプレチルトの値
が高く、t−ツイスト配向が発現しやすい傾向があっ
た。このようにして、 本実施の形態20−4でも、比
較的ランダムに配向膜の薄い領域、厚い領域が形成され
るため、実施の形態20−2と同様に2領域を形成する
ことができ、ベンド転移核を有効に形成することができ
た。
【0535】メッシュサイズLとしては、100μm以
上とした場合に、配向膜に十分な膜厚分布を持たせるこ
とができた。なお、参考までに述べると、通常のメッシ
ュサイズLは50μm程度である。
【0536】また、上記の例では、配向膜に膜厚分布を
持たせるために、メッシュサイズLを大きくした印刷版
を用いたけれども、メッシュサイズLを不均一にした印
刷版を用いてもよく、また、表面に凹凸をつけるように
した印刷版を用いてもよい。
【0537】(実施の形態20−5)本実施の形態20
−5では、基板の表面処理等によってプレチルト角に分
布を持たせた。具体的に説明すると、基板上に配向膜を
均一に印刷し、硬化させた後、かかる配向膜が形成され
た基板を45℃、90%の高湿度雰囲気中に放置した。
このとき湿度による表面処理によって配向膜の本来的に
付与されたプレチルト角が局所的に低下した。次いで、
従来と同様に配向膜表面をラビング処理することで、基
板に3度から5度のプレチルト角の分布を実現すること
ができた。
【0538】上記の例では、配向膜が形成された基板を
高湿度雰囲気中に放置してプレチルト角に分布を持たせ
たけれども、溶媒噴霧蒸気中を通すことや、溶媒を配向
膜に噴霧吹き付け処理をすることでも実現できる。
【0539】さらに、配向膜上に別種の配向膜を噴霧処
理することでも実現できる。例えばプレチルト角5度の
配向膜上にプレチルト角3度の配向膜を噴霧吹き付けす
ることで実現した。
【0540】(実施の形態21)本実施の形態21は、
基板表面を凹凸状に形成にすることにより、ベンド転移
を効率よく実現することを特徴とするものである。即
ち、基板表面を凹凸状に形成して局所的に強い電界を印
加することでt−スプレイ配向とb−スプレイ配向の領
域の形成による効果と、凸部で強い電界が印加されるこ
とによる効果の両者により、ベンド転移核を良好に発生
させることを特徴とするものである。具体的な構成は、
以下の実施の形態21−1〜実施の形態21−4におい
て説明することにする。
【0541】(実施の形態21−1)前述した実施の形
態13は、凸部を形成しこの凸部に電界の強い領域を形
成することにより、この電界の強い領域を転移の核にす
る方式であった。この方式を用いても、実施の形態20
と同様にt−スプレイ配向とb−スプレイ配向が形成さ
れ、、この異なる配向の境界部で発生するディスクリネ
ーションを核に転移が発生する。以下、図55を参照し
て、詳細に説明する。なお、図55において、535は
電気力線であり、536は凸部あり、537は画素電
極、538は対向電極である。実施の形態13の場合の
電気力線535は、図55(a)のようになる。凸部5
36での電界が強く、この電界は対向電極側538でさ
らに広がる。このため、図55(b)に示すように、凸
部536の両側には横電界成分が発生する。この結果、
図中左側では電界は左上方向に電気力線が向き、この方
向に液晶分子が向こうとするため図のようにb−スプレ
イ配向が形成される。図の右側では、電気力線が右上方
向に向くため、t−スプレイ配向が形成される。従っ
て、b−スプレイ配向とt−スプレイ配向の境界部に発
生するディスクリネーションを核にベンド転移が発生す
る。
【0542】図56は本実施の形態21−1に係る液晶
表示装置の駆動波形図である。この駆動波形は、ベンド
転移への初期化処理期間において、低い電圧(0V)と
高い電圧(−25V)を交互に印加することを特徴とす
るものである。このような電圧波形を有する駆動電圧の
印加により、転移を確実に実現することができる。
【0543】なぜなら、転移が不確実な場合は、以下の
プロセスが発生していると考えられる。即ち、電圧印加
により、t−スプレイ配向とb−スプレイ配向の2つの
スプレイ配向状態が発生し、殆どの画素領域ではこの2
つの配向の境界部からベンド配向が発生する。しかしな
がら、何らかの理由によりベンド配向する前に、1つの
スプレイ配向状態ににってしまった場合、転移は発生し
にくく、この画素では転移が起こらない。
【0544】そこで、低い電圧を印加することで、液晶
の配向を一旦初期状態に戻し、再度転移波形を印加する
ことで次回の転移を確実化するのが、この波形の特徴で
ある。よって、この低い電圧はスプレイ配向に戻る電圧
であることが最低条件であり、望ましくは絶対値で1V
以下、更に望ましくは0Vにするのがよい。
【0545】この低い電圧期間を、初期に印加すること
が望ましく、これによって初期にどのようなノイズが入
っても確実な転移が実現する。なお、パルス幅は、0.
1秒〜10秒が望ましかった。
【0546】(実施の形態21−2)本実施の形態21
−2では各画素に凹凸形状を形成した。図57は凹凸形
状の形成を概念的に説明した図であり、図57(a)は
従来の画素構造を表わし、ここでは各画素は金属配線5
40(ゲート電極線又はソース電極線)に挟まれた領域
である。この金属配線540上には窒化シリコン等によ
る絶縁膜541が形成されている。ただし、画素電極5
42上には、絶縁膜541は一般に形成されていない。
【0547】図57(b)は本実施の形態21−2を示
す断面図であり、画素電極542の中央部で画素電極5
42上に島状にフォトレジスト樹脂からなる凸部543
を形成されている。この凸部543は、画素電極542
上に塗布されたフォトレジスト樹脂膜をフォトリソグラ
フィーによって部分的に残すことにより形成されたもの
である。凸部543の高さは1μm、幅が20μmとし
た。このとき画素の幅は50μmであった。このように
凹凸形状を形成すると、凸部(又は凹部)の左右両側で
b−ツイストとt−ツイスト領域が形成され、良好なベ
ンド転移が実現できた。
【0548】凸部543の変形例として、図57(b)
では凸部543は画素電極542の上に形成している
が、画素電極542の下に形成しても良い。
【0549】また、凸部543の形状は、図57(b)
に示す形状に限らず、図57(c)に示す山形状であっ
てもよい。図57(c)に示す山形状の凸部543は、
例えばフォトリソグラフィーによって部分的に残された
樹脂部分を熱処理により溶融させて形状をなだらかにし
て作製することができる。特に、図57(c)に示す形
状の凸部543は、良好なベンド転移が実現できた。こ
れは断面形状がななめに傾斜しているので、この傾斜角
が液晶のプレチルトに加算される。このため実施の形態
20のようにプレチルトに分布を持たせるのと同様の効
果が得られたものと考えられる。図57(b)に示した
ような急峻な形状でも液晶の配向は連続的に穏やかに変
化するため、図57(c)と同様の効果が得られたもの
と考える。
【0550】さらに画素電極542を凸部543の上に
形成すると、図52(d)の形状が形成できた。このよ
うな変形例では画素電極542を凸部543上に形成す
ることで、凸部543の電界強度を強くする効果が追加
されるため、転移が更に良好に実現できた。
【0551】また、凸部の更に他の変形例としては、図
57(e)に示すように、アレイ基板545上に窒化シ
リコンからなる凸部543が形成されている。この凸部
543は、凹凸形状を形成するために金属配線540上
に形成した窒化シリコン膜を部分的に残すことにより得
られたものである。本方式では作製プロセスが増加しな
いメリットがある。なお、凸部543の段差は1μm程
度を実現できた。
【0552】また、凸部の更に他の変形例としては、ア
レイ基板500の表面に透明樹脂層546を形成し、透
明樹脂層546上にITO電極を形成する手法も用い
た。図57(f)がこのときの構成である。この構成で
は金属配線540上の透明樹脂層546は盛り上がって
いるため、この透明樹脂層546上に形成された画素電
極542は凹構造になる。この凹構造部の傾斜によって
2つのツイスト領域が形成できた。さらにこの透明樹脂
層546をパターニングして、この層に凹凸構造を形成
しても良い。
【0553】(実施の形態21−3)本実施の形態21
−3では、基板上に凹凸を密に形成した。
【0554】本発明は基板上に凹凸形状を形成し、これ
によってb−スプレイとt−スプレイの領域を形成する
ことにある。よって凹凸形状は実施の形態13のように
各画素に点在させても、また画素に複数形成しても、さ
らに画素内に密に形成しても良い。
【0555】本実施の形態では基板上に密に形成するた
めに、基板表面上を荒らす処理を行った。基板のITO
表面をO2アッシャーで処理し、凹凸形状を最大0.2
μmの深さとした。基板の凹凸の深さは0.1μm以上
あれば転移の向上に効果があった。
【0556】また本発明はこの手法に限るものではな
く、凹凸形状を形成できれば良い。例えばITOの蒸着
条件を速くする、膜厚を厚くする等の処理によってIT
O表面の凹凸を形成することができた。なお、このと
き、ITOの結晶粒界は50nmであり、通常のITO
の結晶粒界が10nm以下であるのに比べて十分な凹凸
状が得られていることが理解される。
【0557】また凹凸パターンをアミ点印刷しても良
い。また基板をプレス成形しても良い。
【0558】(実施の形態21−4)その他簡易な手法
として、通常の配向膜の中あるいは上にセル厚以下の大
きさの粒子を分散させることで、基板表面に凹凸構造を
形成してもよい。
【0559】(実施の形態22)図58は実施の形態2
2に係る液晶表示装置の要部断面図であり、図59は実
施の形態22に係る液晶表示装置の画素電極付近の平面
図である。本実施の形態は、上記実施の形態11と同様
に画素電極及び対向電極の少なくとも一方の電極に、電
極欠落部を形成することを特徴とするものである。但
し、本実施の形態では、ラビング方向を考慮して電極欠
落部の形成方向を決定することを特徴とする。ここで、
図58おいて、550は画素電極を示し、551は対向
電極を示し、552はアレイ基板を示し、553は対向
基板を示し、554は電極欠落部を示し、555は電気
力線を示し、556は液晶分子を示す。本実施の形態2
2における電極欠落部552の作用効果について、上記
の実施の形態11と重複説明となるが、ここで再度説明
しておくことにする。電極欠落部554を有する箇所の
電気力線分布は図58(a)のようになり、このとき液
晶の配列は図58(b)のようにt−スプレイ配向とb
−スプレイ配向tが形成され、その境界部のディスクリ
ネーション線からベンド転移が発生する。よって、各画
素に電極欠落部554を形成することでベンド転移を容
易にすることができる。この欠落部554は、画素電極
のみならず、対向電極に形成してもよく、また画素電極
及び対向電極の両者に形成するようにしてもよい。横電
界の形成の状態は同様である。
【0560】ここで、電極欠落部554の形成方向とラ
ビング方向との関係について考察する。電極欠落部55
4の形成方向は、デスクリネーションラインの発生方向
と一致する。そこで、欠落部がないときに発生するディ
スクリネーション線の箇所に欠落部を形成することが安
定して転移を行うためには重要であった。例えば実施の
形態20−3で述べたように、ラビング方向によって発
生するディスクリネーション線の方向が異なる場合があ
る。よってラビング方向と最適な欠落部554の形成方
向には相関関係が存在する。
【0561】上下方向にラビングする場合にはディスク
リネーション線は左右方向に形成されるため、欠落部5
54は画素の左右方向に形成することが望ましい。左右
方向のラビングではディスクリネーション線は上下方向
に形成されるため、欠落部554は画素の上下方向に形
成するのが望ましい。斜め方向にラビングする場合に
は、欠落部554は画素の斜め方向に形成することが望
ましかった。
【0562】本実施の形態では欠落部は1本としたが、
複数本を形成しても良い。また、欠落部は図59(a)
のように矩形のスリットを空けても良く、また画素周辺
に図59(b)のように切り込みを入れても良い。な
お、59(a)及び図59(b)において、558はゲ
ート電極線であり、559はソース電極線である。
【0563】(実施の形態23)本実施の形態は横電界
を形成することで、b−スプレイとt−スプレイを形成
しベンド転移を確実化することを実現した。図60を参
照して説明すると、画素電極560は金属電極線561
(ソース電極線またはゲート電極線)に挟まれた状態に
なっている。ここで画素電極560の電位が金属電極線
561の電位よりも低い場合、矢印562のように横電
界が発生する。この影響で液晶563の配向に異方性が
発生し、図60のようにb−スプレイ配向とt−スプレ
イ配向が発生する。
【0564】ここで、この横電界が画素電極560の両
側から印加されることが特徴であり、方向性が逆になる
ため非対称なスプレイ配向が発生する。なお、ラビング
方向と横電界方向とが略一致することが、転移の促進の
観点から望ましい。以下に、横電界を形成させるための
具体的な駆動について実施の形態23−1〜実施の形態
23−3を例示して説明することにする。
【0565】(実施の形態23−1)本実施の形態23
−1では、ラビング方向を上下方向(図60の左右方
向)にし、横電界はゲート電極線−画素電極間に印加す
るようにした。図61にその駆動波形の概念図を示す。
電位レベルにはゲートレベルの高いレベル(GH)、ゲ
ートレベルの低いレベル(GL)、ソースレベルの高い
レベル(SH)とソースの低いレベル(SL)を有して
いる。ゲートレベルは前記したレベルから2種選択、ソ
ースレベルはSHレベルとSLレベルの間の電位をとる
ことができる。転移波形を印加するための対向電位も別
に有している。対向電極にはソースレベルよりも低い電
圧を印加し、これで画素電極と対向電極間に転移波形を
印加する。この転移波形は実施の形態1から6に記載し
たものなどである。
【0566】ここで、本実施の形態では、ソース電極線
の電圧を低いレベル(SL)とし、また、ゲート電極線
の電圧を高いレベルGHとした。ゲート電極線がレベル
GHであるため、画素トランジスタは導通状態となる。
これにより、画素電極はソース電極線と同電位になる。
このとき、画素電極よりもゲート電極線の電圧が高いた
め、画素電極−ゲート電極線間に電圧V1に対応する横
電界が印加される。そして、画素の上方のゲート電極線
(図60の右側の金属電極線)及び下方のゲート電極線
(図60の右側の金属電極線)との間で電界方向が相互
に逆方向となる横電界が発生するため、本実施の形態で
は、上方部(図60の右側部分)でb−スプレイ配向が
下方部でt−スプレイ配向が形成された。これによって
ベンド転移が良好に行われた。
【0567】また、補助電極層を有する構造の場合は、
横電界の効果を向上するため、図62又は図63に示す
構成とするのがよい。通常、図62に示すようにゲート
電極線570上には補助電極層571が設けられ、この
補助電極層571は補助容量を形成している。この構成
では補助電極層571はゲート電界を遮蔽する効果があ
るため、ゲート電極線570と画素電極580の間に横
電界を有効に発生させるためには、この補助電極層57
1を仮想線で示す従来例の大きさから破線で示す大きさ
のように小さくするか、又は、図63に示すように画素
中央部に形成するとより横電界の効果が高かった。
【0568】(実施の形態23−2)本実施の形態23
−2は、上記実施の形態23−1と同様にゲートー画素
間に横電界を印加したが、ゲートレベルを下げて実現し
た。図64にその駆動波形の概念図を示す。電位レベル
は、基本的には実施の形態23−1と同様である。但
し、上記実施の形態23−1ではゲート電極線の電圧は
高いレベルGHのままであったけれども、本実施の形態
23−2では、ゲート電極線の電圧は画素の充電期間中
は高いレベルGHとし、画素の充電期間以外の期間(画
素電位を保持している期間)は低いレベルGLとした。
即ち、対向電極に電圧を印加し充電が十分になされる期
間は、ソース電極線をレベルSHとするが、充電期間後
はソース電極線をレベルSLとした。これにより、電圧
V2(>V1)に対応する横電界を画素電極とゲート電
極間に印加することができた。なお、本実施の形態で
は、画素電極よりもゲート電極電圧が低いため、上記実
施の形態23−1とは逆の配向状態、即ち、上方部(図
60の右側部分)でt−スプレイが下方部(図60の左
側部分)でb−スプレイが形成された。なお、 (実施の形態23−3)本実施の形態23−3ではソー
スー画素間に横電界を印加したことを特徴とするもので
ある。図65にその駆動波形の概念図を示す。本実施の
形態では、対向電極の電位が変化し充電が完了するまで
の画素の充電期間は画素トランジスタを導通状態にする
ためゲート電極線を高いレベルGHとし、それ以外の期
間(画素電位を保持している期間)はゲート電極線を低
いレベルGLにする。ゲート電極線がレベルGLのとき
はソース電極線と画素電極は導通していないため、ソー
ス電極線と画素電極とは異なる電位に保つことができ
る。そこで、画素電極は電位の高い状態に保ちながら、
ゲート電極線がレベルGLとなった段階でソース電極線
をレベルSLとすることにより、ソース電極線と画素電
極間に電圧V3に対応する横電界を印加した。これによ
って画素−ソース間に横電界を印加して2つのスプレイ
配向状態を形成し、ベンド転移を良好に行うことができ
た。
【0569】本実施の形態23−3ではラビング方向を
横方向(図60の紙面に垂直方向)にするとより効果的
であった。また、上記の例では、画素電位を保持してい
る期間の全ての期間中、ソース電極線をレベルSLとし
たけれども、画素電位を保持している期間の一部の期間
のみソース電極線をレベルSLとするうにしてもよい。
【0570】(実施の形態24)本実施の形態24は、
画素領域にスペーサを形成しないことでベンド転移を良
好に行うことを特徴とするものである。従来は、図66
(a)に示すように画素領域591内に球状のビーズ5
90を分散させて基板間の距離を保っていた。
【0571】ベンド転移の挙動において、このビーズ5
90によってベンド転移が阻害される現象を我々は見出
した。そこで本実施の形態では、表示部である画素領域
591においてこのビーズ590をなくすことで転移を
良好に行うことを実現した。
【0572】具体的には、図66(b)及び図67に示
すように、表示部以外の非表示領域592にフォトリソ
グラフィー工程を用いて厚み5μmのスペーサ柱593
を形成し、これをスペーサビーズの代わりに用いた。こ
のような構成により、ベンド転移が阻害されることな
く、良好に転移が行われた。なお、図66及び図67に
おいて、594はゲート電極線を示し、595はソース
電極線を示す。また、スペーサ柱593の配置は、図6
6(b)に限定されるものではなく、非表示領域に形成
されていればよい。
【0573】
【発明の効果】以上のように本発明によれば,OCBセ
ルを用いた液晶表示装置の駆動方法で,一対の基板に、
バイアス電圧を重畳した交流電圧を印加して、これを連
続印加することにより、または、一対の基板に、バイア
ス電圧を重畳した交流電圧を印加する工程とオープン状
態もしくは低電圧を印加する工程を交互に繰り返すこと
により,スプレイ配向からベンド配向への転移をほぼ確
実にかつ極めて短時間に完了でき、表示欠陥の無い、応
答速度が速く動画像表示に適した,かつ広視野のベンド
配向型OCBの液晶表示装置を得ることができる。
【0574】また、本発明によれば、スプレイ配向から
ベンド配向への転移を確実に速くし易い、表示欠陥の無
いアクティブマトリックス型の液晶セルからなる高速応
答広視野で高画質のOCB表示モードの液晶表示装置を
得ることが出来るという効果が得られる。
【0575】また、本発明によれば、初期化期間中に配
向状態が異なる複数の液晶領域を発現させることによ
り、その液晶領域の境界部でディスクリネーション線を
形成することができ、迅速且つ確実にベンド配向への転
移が達成できる。
【0576】また、本発明によれば、アレー基板と対向
基板の間の液晶層上下界面の液晶のプレチルト角が正負
逆で、互いに平行に配向処理されたスプレイ配向の液晶
セルで、電圧無印加時にはスプレイ配向となっており、
液晶表示駆動に先立って、電圧印加によりスプレイ配向
からベンド配向に転移させる初期化処理が行われ、この
初期化されたベンド配向状態で液晶表示駆動を行うアク
ティブマトリックス型の液晶表示装置において、1画素
内に、少なくとも1つの転移励起用の横電界印加部を有
し、該横電界印加部によって横電界を発生させるととも
に、画素電極と共通電極間に連続的または間欠的に電圧
を印加し、画素毎に転移核を発生させ画素全体をスプレ
イ配向からベンド配向に転移させることにより、スプレ
イ配向からベンド配向への転移を速く確実に起こさせ、
これにより表示欠陥のないしかも高速応答で広視野高画
質のOCB表示モードの液晶表示装置を提供することが
可能となる。
【0577】また、本発明によれば、OCB表示モード
の配向液晶表示素子は、一対の基板間に挟持される液晶
層と、基板の外側に配設される位相補償板とを含むパラ
レル配向液晶表示素子であり、確実かつ高速なスプレイ
−ベンド配向転移を達成することができ、その実用的価
値は極めて大きい。
【0578】また、本発明によれば、互いに対向する第
1の基板と第2の基板との間に保持された液晶に電場を
印加し、前記液晶の配向をベンド配向に転移させる方法
であって、前記液晶のスプレイ弾性定数k11を、10×
10-7dyn≧k11≧6×10-7dynの範囲とし、且
つ、前記第1の基板に対する前記液晶のプレチルト角の
絶対値をθ1とし、前記第2の基板に対する前記液晶の
プレチルト角の絶対値をθ2としたとき、1.57ra
d>|θ1−θ2|≧0.0002radなる関係を満た
すため、液晶をベンド配向に速やかに転移させることが
できる。
【0579】また、本発明によれば、互いに対向する第
1の基板と第2の基板との間に保持された液晶に電場を
印加し、前記液晶の配向をベンド配向に転移させる方法
であって、前記液晶のスプレイ弾性定数k11を、10×
10-7dyn≧k11≧6×10-7dynの範囲とし、且
つ、前記電場が、空間的に均一に印加される主電場に、
空間的に不均一に印加される副電場を重畳させた電場で
あり、前記主電場をE0とし、前記副電場の最大値をE1
としたとき、1.0>E1/E0>1/100なる関係を
満たすため、液晶をベンド配向に速やかに転移させるこ
とができる。
【0580】また、本発明によれば、互いに対向する第
1の基板と第2の基板との間に保持された液晶に電場を
印加し、前記液晶の配向をベンド配向に転移させる方法
であって、前記第1の基板に対する前記液晶のプレチル
ト角の絶対値をθ1とし、前記第2の基板に対する前記
液晶のプレチルト角の絶対値をθ2としたとき、1.5
7rad>|θ1−θ2|≧0.0002radなる関係
を満たし、且つ、前記電場が、空間的に均一に印加され
る主電場に、空間的に不均一に印加される副電場を重畳
させた電場であり、前記主電場をE0とし、前記副電場
の最大値をE1としたとき、1.0>E1/E0>1/1
00なる関係を満たすため、液晶をベンド配向に速やか
に転移させることができる。
【0581】また、本発明によれば、互いに対向する第
1の基板と第2の基板との間に保持された液晶に電場を
印加し、前記液晶の配向をベンド配向に転移させる方法
であって、前記液晶のスプレイ弾性定数k11を10×1
-7dyn≧k11≧6×10 -7dynの範囲とし、前記
第1の基板に対する前記液晶のプレチルト角の絶対値を
θ1とし、前記第2の基板に対する前記液晶のプレチル
ト角の絶対値をθ2としたとき、1.57rad>|θ1
−θ2|≧0.0002radなる関係を満たし、且
つ、前記電場が、空間的に均一に印加される主電場に、
空間的に不均一に印加される副電場を重畳させた電場で
あり、前記主電場をE0とし、前記副電場の最大値をE1
としたとき、1.0>E1/E0>1/100なる関係を
満たすため、液晶をベンド配向に速やかに転移させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ベンド配向型のOCBセルを備えた液晶表示装
置の一部分を示す斜視図である。
【図2】スプレイ配向からベンド配向へ転移する様子を
説明する液晶セルの断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る液晶表示装置の駆
動法による画素単位の構成概念図である。
【図4】本発明の実施の形態1で使用した配向転移用電
圧波形図である。
【図5】本発明の実施の形態1におけるバイアス電圧と
転移時間の関係図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る液晶表示装置の駆
動法による画素単位の構成概念図である。
【図7】本発明の実施の形態2で使用した配向転移用電
圧波形図である。
【図8】本発明の実施の形態2におけるバイアス電圧と
転移時間の関係図である。
【図9】本発明の実施の形態3に係る液晶表示装置の駆
動法による画素単位の構成概念図である。
【図10】本発明の実施の形態3で使用した配向転移用
電圧波形図である。
【図11】本発明の実施の形態3におけるバイアス電圧
と転移時間の関係図である。
【図12】本発明の実施の形態4に係る液晶表示装置の
駆動法による画素単位の構成概念図である。
【図13】本発明の実施の形態4に係る液晶表示装置の
通常駆動電圧波形図である。
【図14】本発明の実施の形態4で使用した配向転移用
電圧波形図である。
【図15】本発明の実施の形態5で使用した配向転移用
電圧波形図である。
【図16】本発明の実施の形態7に係る液晶表示装置の
概略断面図である。
【図17】本発明の実施の形態7に係る液晶表示装置の
概略平面図である。
【図18】本発明の実施の形態7に係る液晶表示装置の
製造方法を示す図である。
【図19】本発明の実施の形態8に係る液晶表示装置を
示す図であり、図19(a)は液晶表示装 置の
概略断面図、図19(b)は液晶表示装置の概略平面図
である。
【図20】本発明の実施の形態9に係る液晶表示装置の
構成を概念的に示した図であり、図20(a)は液晶表
示装置の概略平面図、図20(b)は液晶表示装置の概
略断面図である。
【図21】本発明の実施の形態9に係る液晶表示装置の
構成を概念的に示した図である。
【図22】本発明の実施の形態9に係る液晶表示装置の
他の例を示す図である。
【図23】本発明の実施の形態10に係る液晶表示装置
の構成を概念的に示した図であり、図23(a)は液晶
表示装置の概略平面図、図23(b)は液晶表示装置の
概略断面図、図23(c)は他の例の液晶表示装置の概
略断面図、図23(d)は他の例の液晶表示装置の概略
断面図である。
【図24】本発明の実施の形態11に係る液晶表示装置
の構成を概念的に示した図であり、図24(a)は液晶
表示装置の概略平面図、図24(b)は電界の歪みを示
す概略図である。
【図25】本発明の実施の形態12に係る液晶表示装置
の構成を概念的に示した図であり、図25(a)は液晶
表示装置の概略断面図、図25(b)は概略平面図であ
る。
【図26】本発明の実施の形態13に係る液晶表示装置
の断面構成を概念的に示す図である。
【図27】本発明に係わる液晶表示装置の実施の形態1
3,14のガラス基板上に形成された凸形状物の製造プ
ロセスを説明するための図である。
【図28】本発明に係わる図27に続く凸形状物の製造
プロセスを説明するための図である。
【図29】本発明の実施の形態13に用いた基板のラビ
ング方向を示す図である。
【図30】本発明に係わる実施の形態14の構成外観図
である。
【図31】本発明に係わる実施の形態14の平面図であ
る。
【図32】本発明の実施の形態15に係る液晶表示装置
に備えられる液晶セルの構成外観図である。
【図33】本発明の実施の形態15に係る液晶セルの凸
形状物の製造プロセスを説明するための図である。
【図34】本発明の実施の形態16に係る液晶表示装置
に備えられる液晶セルの断面構成を概念的に示す図であ
る。
【図35】本発明の実施の形態16に係る液晶セルに用
いた透明電極のパターンを概念的に示す図である。
【図36】本発明の実施の形態17に係る液晶表示装置
に備えられる液晶セルの要部断面図である。
【図37】図36の一部の拡大図である。
【図38】本発明の実施の形態18に係る液晶表示装置
に備えられる液晶セルの要部断面図である。
【図39】本発明の実施の形態18に係る液晶表示装置
に備えられる液晶セルでの光学素子の配置を説明するた
めの図である。
【図40】本発明の実施の形態18に係る液晶表示装置
に備えられる液晶セルの電圧−透過率特性を示す図であ
る。
【図41】図41(a)はモジニアス配向を示す模式図
(a)であり、図41(b)はベンド配向を示す模式図
(b)である。
【図42】液晶層のディレクターを示す図である。
【図43】CR等価回路を示す図である。
【図44】時間とともに増加する外部電場下での液晶の
配向角(θj)の時間変化を示す図である。
【図45】スプレイ弾性定数(k11)と臨界電場(E
c)との関係を示す図である。
【図46】プレチルト角の絶対値の差(Δθ)と臨界電
場(Ec)との関係を示す図である。
【図47】電場の不均一性(E1/E0)と臨界電場(E
c)との関係を示す図である。
【図48】図48は実施の形態20−1の係る液晶表示
装置の配向状態を示す概念図である。
【図49】段差510を有する基板511の斜視図であ
る。
【図50】ラビング繊維の長さに分布を持ったラビング
布511aの拡大図である。
【図51】実施の形態20−3におけるアレイ配線によ
るラビングの影を示した概念図である。
【図52】配向膜の塗布装置を示す図である。
【図53】印刷版530の表面の部分拡大平面図であ
る。
【図54】印刷版530の表面の部分拡大断面図であ
る。
【図55】実施の形態21−2の係る液晶表示装置の電
気力線分布と液晶の配向状態を示す概念図であり、図5
5(a)は電気力線分布図であり、図55(b)は液晶
の配向状態を示す図である。
【図56】本実施の形態21−1に係る液晶表示装置の
駆動波形図である。
【図57】本実施の形態21−2に係る液晶表示装置の
構造を示す概念図でおり、図57(a)は従来例の画素
構造を示す図であり、図57(a)は画素の凹凸構造を
示す図であり、図57(b)は画素の凹凸構造の変形例
を示す図であり、図57(c)は画素の凹凸構造の変形
例を示す図であり、図57(d)は画素の凹凸構造の他
の変形例を示す図であり、図57(e)は画素の凹凸構
造の他の変形例を示す図であり、図57(f)は画素の
凹凸構造の他の変形例を示す図である。
【図58】実施の形態22に係る液晶表示装置の要部断
面図である。
【図59】実施の形態22に係る液晶表示装置の画素電
極付近の平面図である。
【図60】実施の形態23に係る液晶表示装置の動作を
示す概念図である。
【図61】実施の形態23−1に係る液晶表示装置の転
移電圧波形を示す概念図である。
【図62】補助電極層571の形状を示す平面図であ
る。
【図63】補助電極層571の他の形状を示す平面図で
ある。
【図64】実施の形態23−2に係る液晶表示装置の転
移電圧波形を示す概念図である。
【図65】実施の形態23−3に係る液晶表示装置の転
移電圧波形を示す概念図である。
【図66】実施の形態24に係るスペーサを説明するた
めの基板平面図であり、図66(a)は従来例のスペー
サを示す図であり、図66(b)は本発明のスペーサを
示す図である。
【図67】実施の形態24に係るスペーサを説明するた
めの基板断面図である。
【図68】従来例の断面図である。
【符号の説明】
20,21 基板 22,23 電極 24,25 配向膜 26 液晶層 30,40,50,71,72 配向転移用駆動回路 31 液晶表示駆動回路 101・102 偏光板 103 位相補償板 104 液晶セル 105 対向基板 106 アレー基板 107 共通電極 108 画素電極 109・110 配向膜 111 スイッチング素子 112 液晶層 113 信号電極線 114・114’ ゲート電極線 120 b−スプレイ配向 121 t−スプレイ配向 123 ディスクリネーション線 124 ベンド配向 A2・B2・C2・D2 プレチルト角 201a アレー基板 201b 対向基板 202a 画素電極 221a 画素電極の凹部 222a 画素電極の凸部 223a 画素電極の非嵌合型凸部 224a 画素電極の非嵌合型凸部 202b 共通電極 203a 配向膜 203am 配向膜 203ah 配向膜 203b 配向膜 203bm 配向膜 203bh 配向膜 204a 偏光板 204b 偏光板 205 位相補償板 206 信号電極線 261 信号電極線の凸部 262 信号電極線の凹部 263 信号電極線の非嵌合型凸部 207 ゲート電極線 271 ゲート電極線の凸部 272 ゲート電極線の凹部 273 ゲート電極線の非嵌合型凸部 208 スイッチングトランジスタ(素子) 209 横電界印加用線 291 横電界印加用線の凸部 209a 横電界印加用線 291a 横電界印加用線の凸部 210 液晶層 298 液晶層 299 液晶層 211 液晶分子 212 透明絶縁膜 225 電極欠陥部 226 ディスクリネーション線 227b b−スプレイ配向 227t t−スプレイ配向 301,308 ガラス基板 302,307 透明電極 303,306 配向膜 304 液晶層 304a 電圧無印加時の液晶配向(スプレイ配向) 304b 電圧印加時の液晶配向(ベンド配向) 305 スペーサ 309 テストセル 310 凸形状物 311,314 負の一軸性フィルム位相板 312,315 主軸がハイブリッド配列した負の屈折
率異方性を有する光学媒体よりなる位相差板 313,316 偏光板 317,318 位相補償板 319 正の一軸性フィルム位相板 320 レジスト薄膜 321 フォトマスク 322 フォトマスク開口部 323 平行紫外線 360 三角形状物 380 電極開口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/139 G02F 1/139 (31)優先権主張番号 特願平11−200102 (32)優先日 平成11年7月14日(1999.7.14) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 石原 將市 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 久保田 浩史 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 八田 真一郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 足達 克己 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 田中 好紀 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 中村 美香 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 上村 強 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (141)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下一対の基板と、基板間に挟持される
    液晶層とを含み、電圧無印加時には前記液晶層は上下界
    面の液晶のプレチルト角が正負逆で、互いに平行に配向
    処理されたスプレイ配向となっており、液晶表示駆動に
    先立って、前記基板間への電圧印加により前記液晶層の
    配向状態をスプレイ配向からベンド配向に転移させる初
    期化処理を行ない、この初期化されたベンド配向状態で
    液晶表示駆動を行う液晶表示装置における前記スプレイ
    配向からベンド配向に配向転移させるための駆動方法に
    おいて、 バイアス電圧を重畳した交流電圧を前記基板間に印加し
    て、液晶層をベンド配向に転移させることを特徴とする
    液晶表示装置の駆動方法。
  2. 【請求項2】 上下一対の基板と、基板間に挟持される
    液晶層とを含み、電圧無印加時には前記液晶層は上下界
    面の液晶のプレチルト角が正負逆で、互いに平行に配向
    処理されたスプレイ配向となっており、液晶表示駆動に
    先立って、前記基板間への電圧印加により前記液晶層の
    配向状態をスプレイ配向からベンド配向に転移させる初
    期化処理を行ない、この初期化されたベンド配向状態で
    液晶表示駆動を行う液晶表示装置における前記スプレイ
    配向からベンド配向に配向転移させるための駆動方法に
    おいて、 前記バイアス電圧を重畳した交流電圧を前記基板間に印
    加する工程と、前記基板間を電気的に開放状態にする工
    程とを交互に繰り返し実施して、液晶層をベンド配向に
    転移させることを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。
  3. 【請求項3】 上下一対の基板と、基板間に挟持される
    液晶層とを含み、電圧無印加時には前記液晶層は上下界
    面の液晶のプレチルト角が正負逆で、互いに平行に配向
    処理されたスプレイ配向となっており、液晶表示駆動に
    先立って、前記基板間への電圧印加により前記液晶層の
    配向状態をスプレイ配向からベンド配向に転移させる初
    期化処理を行ない、この初期化されたベンド配向状態で
    液晶表示駆動を行う液晶表示装置における前記スプレイ
    配向からベンド配向に配向転移させるための駆動方法に
    おいて、 バイアス電圧を重畳した交流電圧を前記基板間に印加す
    る工程と、前記基板間にゼロ電圧あるいは低電圧を印加
    する工程とを交互に繰り返し実施して、液晶層をベンド
    配向に転移させることを特徴とする液晶表示装置の駆動
    方法。
  4. 【請求項4】 前記バイアス電圧を重畳した交流電圧に
    代えて、直流電圧とすることを特徴とする請求項2又は
    3記載の液晶表示装置の駆動方法。
  5. 【請求項5】 前記交互に繰り返す電圧の周波数は0.
    1Hzから100Hzの範囲であり、且つ前記交互に繰
    り返す電圧のデューティ比は少なくとも1:1から10
    00:1の範囲であることを特徴とする請求項2記載の
    液晶表示装置の駆動方法。
  6. 【請求項6】 前記交互に繰り返す電圧の周波数は0.
    1Hzから100Hzの範囲であり、且つ前記交互に繰
    り返す電圧のデューティ比は1:1から1000:1の
    範囲であることを特徴とする請求項3記載の液晶表示装
    置の駆動方法。
  7. 【請求項7】 アクティブマトリックス型液晶表示装置
    の駆動方法であって、前記交流電圧は、一方の基板に形
    成されたスイッチング素子に連結されたアクティブマト
    リックス型の液晶表示装置の画素電極と、他方の基板に
    形成された共通電極との間に印加されることを特徴とす
    る請求項1記載の液晶表示装置の駆動方法。
  8. 【請求項8】 アクティブマトリックス型液晶表示装置
    の駆動方法であって、前記交流電圧は、一方の基板に形
    成されたスイッチング素子に連結されたアクティブマト
    リックス型の液晶表示装置の画素電極と、他方の基板に
    形成された共通電極との間に印加されることを特徴とす
    る請求項2、3、5、6の何れかに記載の液晶表示装置
    の駆動方法。
  9. 【請求項9】 前記交流電圧は、共通電極に印加される
    ことを特徴とする請求項8記載の液晶表示装置の駆動方
    法。
  10. 【請求項10】 アクティブマトリックス型液晶表示装
    置の駆動方法であって、前記直流電圧は、一方の基板に
    形成されたスイッチング素子に連結されたアクティブマ
    トリックス型の液晶表示装置の画素電極と、他方の基板
    に形成された共通電極との間に印加されることを特徴と
    する請求項4記載の液晶表示装置の駆動方法。
  11. 【請求項11】 前記直流電圧は、共通電極に印加され
    ることを特徴とする請求項10記載の液晶表示装置の駆
    動方法。
  12. 【請求項12】 前記交流電圧の電圧値は、液晶層をス
    プレイ配向状態からベンド配向状態へ転移させるのに必
    要な最小電圧値である臨界電圧値に設定されていること
    を特徴とする請求項1、2、3、5、6、7、8、9の
    何れかに記載の液晶表示装置の駆動方法。
  13. 【請求項13】 前記直流電圧の電圧値は、液晶層をス
    プレイ配向状態からベンド配向状態へ転移させるのに必
    要な最小電圧値である臨界電圧値に設定されていること
    を特徴とする請求項4、10、11の何れかに記載の液
    晶表示装置の駆動方法。
  14. 【請求項14】 前記電圧は時間的に平均的に交流化さ
    れた電圧であることを特徴とする請求項1乃至13の何
    れかに記載の液晶表示装置の駆動方法。
  15. 【請求項15】 上下一対の基板と、基板間に挟持され
    る液晶層とを含み、電圧無印加時には前記液晶層は上下
    界面の液晶のプレチルト角が正負逆で、互いに平行に配
    向処理されたスプレイ配向となっており、液晶表示駆動
    に先立って、前記基板間への電圧印加により前記液晶層
    の配向状態をスプレイ配向からベンド配向に転移させる
    初期化処理を行ない、この初期化されたベンド配向状態
    で液晶表示駆動を行う液晶表示装置において、 前記液晶層をスプレイ配向からベンド配向に転移させる
    ため、前記基板間にバイアス電圧を重畳した交流電圧又
    は直流電圧を印加する電圧印加手段を有することを特徴
    とする液晶表示装置。
  16. 【請求項16】 前記交流電圧又は直流電圧の電圧値
    は、液晶層をスプレイ配向状態からベンド配向状態へ転
    移させるのに必要な最小電圧値である臨界電圧値に設定
    されていることを特徴とする請求項15記載の液晶表示
    装置。
  17. 【請求項17】 上下一対の基板と、基板間に挟持され
    る液晶層とを含み、液晶表示駆動に先立って、前記基板
    間への電圧印加により前記液晶層の初期配向をベンド配
    向に転移させる初期化処理を行ない、この初期化された
    ベンド配向状態で液晶表示駆動を行う液晶表示装置にお
    いて、 前記ベンド配向状態に転移させる初期化処理過程中に、
    配向状態が異なる複数の液晶領域を液晶層内に発現させ
    る手段を備えたことを特徴とする液晶表示装置。
  18. 【請求項18】 上下一対の基板と、基板間に挟持され
    る液晶層とを含み、電圧無印加時には前記液晶層はスプ
    レイ配向となっており、液晶表示駆動に先立って、前記
    基板間への電圧印加により前記液晶層の配向状態をスプ
    レイ配向からベンド配向に転移させる初期化処理を行な
    い、この初期化されたベンド配向状態で液晶表示駆動を
    行う液晶表示装置において、 前記ベンド配向状態に転移させる初期化処理過程中に、
    2種類のスプレイ配向状態を有する液晶領域を液晶層内
    に発現させる手段を備えたことを特徴とする液晶表示装
    置。
  19. 【請求項19】 上下一対の基板と、基板間に挟持され
    る液晶層とを含み、電圧無印加時には前記液晶層はスプ
    レイ配向となっており、液晶表示駆動に先立って、前記
    基板間への電圧印加により前記液晶層の配向状態をスプ
    レイ配向からベンド配向に転移させる初期化処理を行な
    い、この初期化されたベンド配向状態で液晶表示駆動を
    行う液晶表示装置において、 電圧を印加しない状態において、上下一対の基板間中央
    部での液晶分子の傾斜角度が正負逆となる配向状態の2
    つの液晶領域が少なくとも形成されていることを特徴と
    する液晶表示装置。
  20. 【請求項20】 上下一対の基板と、基板間に挟持され
    る液晶層とを含み、液晶表示駆動に先立って、前記基板
    間への電圧印加により前記液晶層の配向状態をベンド配
    向に転移させる初期化処理を行ない、この初期化された
    ベンド配向状態で液晶表示駆動を行う液晶表示装置にお
    いて、 前記ベンド配向状態に転移させる初期化処理過程中に、
    前記液晶層にディスクリネーション線を形成させる手段
    を備え、 前記ディスクリネーション線からベンドの転移核が発生
    ないし拡大するようにしたことを特徴とする液晶表示装
    置。
  21. 【請求項21】 上下一対の基板と、基板間に挟持され
    る液晶層とを含み、液晶表示駆動に先立って、前記基板
    間への電圧印加により前記液晶層の配向状態をベンド配
    向に転移させる初期化処理を行ない、この初期化された
    ベンド配向状態で液晶表示駆動を行う液晶表示装置にお
    いて、 前記スプレイ配向状態の液晶層にベンド配向状態に転移
    する電圧より低い電圧を印加した場合、液晶層内にb−
    スプレイ配向領域とt−スプレイ配向領域とが発現され
    ることを特徴とする液晶表示装置。
  22. 【請求項22】 上下一対の基板と、基板間に挟持され
    る液晶層とを含み、液晶表示駆動に先立って、前記基板
    間への電圧印加により前記液晶層の配向状態をベンド配
    向に転移させる初期化処理を行ない、この初期化された
    ベンド配向状態で液晶表示駆動を行う液晶表示装置にお
    いて、 前記スプレイ配向状態の液晶層にベンド配向状態に転移
    する電圧より低い電圧を印加した場合、2種の配向領域
    が発現し、前記2種の配向領域の透過率の大小関係が、
    配向方向から観察した場合と配向方向から180度なす
    方向から観察した場合で反対であることを特徴とした液
    晶表示装置。
  23. 【請求項23】 上下一対の基板と、基板間に挟持され
    る液晶層とを含み、液晶表示駆動に先立って、前記基板
    間への電圧印加により前記液晶層の配向状態をベンド配
    向に転移させる初期化処理を行ない、この初期化された
    ベンド配向状態で液晶表示駆動を行う液晶表示装置にお
    いて、 電圧未印加時において、前記液晶層には、前記一対の基
    板のうち一方の基板付近の液晶分子の長軸と基板法線と
    のなす角度を第1の角度とし、他方の基板付近の液晶分
    子の長軸と基板法線とのなす角度を第2の角度とした場
    合、前記第1の角度と前記第2の角度とを絶対値で比較
    したときに第1の角度が第2の角度よりも大きい領域
    と、第2の角度が第1の角度よりも大きい領域がともに
    形成されていることを特徴とする液晶表示装置。
  24. 【請求項24】 上下一対の基板と、基板間に挟持され
    る液晶層とを含み、液晶表示駆動に先立って、前記基板
    間への電圧印加により前記液晶層の配向状態をベンド配
    向に転移させる初期化処理を行ない、この初期化された
    ベンド配向状態で液晶表示駆動を行う液晶表示装置にお
    いて、 電圧未印加時において、前記液晶層には、セル厚方向中
    央部の液晶分子の傾斜角が異なる領域が複数形成されて
    いることを特徴とする液晶液晶表示装置。
  25. 【請求項25】 上下一対の基板と、基板間に挟持され
    る液晶層とを含み、液晶表示駆動に先立って、前記基板
    間への電圧印加により前記液晶層の配向状態をベンド配
    向に転移させる初期化処理を行ない、この初期化された
    ベンド配向状態で液晶表示駆動を行う液晶表示装置にお
    いて、 前記液晶のスプレイ配向状態にベンド配向状態に転移す
    る電圧以下の電圧を印加した場合、セル厚方向中央部の
    液晶分子の傾斜角が異なる領域が複数形成されることを
    特徴とする液晶液晶表示装置。
  26. 【請求項26】 前記複数の領域が各画素内に形成され
    ることを特徴とする請求項17乃至25のいずれかに記
    載の液晶表示装置
  27. 【請求項27】 前記複数の領域が複数の画素単位で形
    成されることを特徴とする請求項17,18,19,2
    1,22,23,24,25のいずれかに記載の液晶表
    示装置。
  28. 【請求項28】 前記ディスクリネーション線が各画素
    内に形成されることを特徴とする請求項20記載の液晶
    表示装置。
  29. 【請求項29】 前記ディスクリネーション線が複数の
    画素単位で形成されることを特徴とする請求項20記載
    の液晶表示装置。
  30. 【請求項30】 ベンド転移を生じさせる所定波形の転
    移電圧を印加することを特徴とする請求項17乃至29
    のいずれかに記載の液晶表示装置。
  31. 【請求項31】 前記一対の基板のうち少なくとも一方
    の基板における液晶のプレチルト角が複数種存在するこ
    とを特徴とする請求項17乃至25のいずれかに記載の
    液晶表示装置。
  32. 【請求項32】 前記プレチルト角の最大値と最小値の
    差が1度以上であることを特徴とする請求項31記載の
    液晶表示装置。
  33. 【請求項33】 前記プレチルト角の最大値と最小値の
    差が2度以上であることを特徴とする請求項31記載の
    液晶表示装置。
  34. 【請求項34】 前記プレチルト角の最小値が1度以上
    であることを特徴とする請求項31記載の液晶表示装
    置。
  35. 【請求項35】 前記プレチルト角の最小値が3度以上
    であることを特徴とする請求項31記載の液晶表示装
    置。
  36. 【請求項36】 前記複数種のプレチルト角が紫外線照
    射により得られたものであることを特徴とする請求項3
    1記載の液晶表示装置。
  37. 【請求項37】 前記複数種のプレチルト角が光配向処
    理により得られたものであることを特徴とする請求項3
    1記載の液晶表示装置。
  38. 【請求項38】 前記一対の基板のうち一方の基板にお
    ける液晶のプレチルト角が複数種存在し、前記一対の基
    板のうち他方の基板には、前記一方の基板におけるプレ
    チルト角の最小値以上、最大値以下のプレチルト角が存
    在することを特徴とする請求項31記載の液晶表示装
    置。
  39. 【請求項39】 前記一対の基板にはそれぞれプレチル
    ト角が複数種存在することを特徴とする請求項31記載
    の液晶表示装置。
  40. 【請求項40】 前記一対の基板の各内側面には、配向
    強度が基板面内に分布を有するように配向処理が行われ
    ていることを特徴とする請求項31記載の液晶表示装
    置。
  41. 【請求項41】 前記配向処理がラビング処理であるこ
    とを特徴とする請求項40記載の液晶表示装置。
  42. 【請求項42】 前記ラビング処理が、剛性の異なる植
    毛がなされたラビング布を用いて行うことを特徴とする
    請求項41記載の液晶表示装置。
  43. 【請求項43】 前記ラビング処理が、毛足の長さに分
    布を有するラビング布を用いて行うことを特徴とする請
    求項41記載の液晶表示装置。
  44. 【請求項44】 前記ラビング処理により、基板上に設
    けられた立体物の周辺領域のうちのラビング方向下流側
    の領域と、それ以外の領域とでラビング強度が異なるよ
    うな分布状態となっていることを特徴とする請求項41
    記載の液晶表示装置。
  45. 【請求項45】 前記立体物が電極線であることを特徴
    とする請求項44記載の液晶表示装置。
  46. 【請求項46】 ラビング方向が電極線の方向より傾い
    ていることを特徴とする請求項45記載の液晶表示装置
  47. 【請求項47】 ラビング方向が電極線の方向より10
    度以上傾いていることを特徴とする請求項46記載の液
    晶表示装置。
  48. 【請求項48】 前記立体物が柱状スペーサであること
    を特徴とする請求項44記載の液晶表示装置。
  49. 【請求項49】 前記柱状スペーサが各画素に形成され
    ていることを特徴とする請求項48記載の液晶表示装
    置。
  50. 【請求項50】 前記複数の領域の境界に発生するディ
    スクリネーション線に近接して、転移励起用の横電界形
    成手段が設けられていることを特徴とする請求項17,
    18,19,21,22,23,24,25のいずれか
    に記載の液晶表示装置。
  51. 【請求項51】 前記ディスクリネーション形成手段に
    より形成されたディスクリネーション線に近接して、転
    移励起用の横電界形成手段が設けられていることを特徴
    とする請求項20記載の液晶表示装置。
  52. 【請求項52】 前記横電界形成手段により発生する横
    電界の電界方向が、配向方向と略直交することを特徴と
    する請求項50又は51記載の液晶表示装置。
  53. 【請求項53】 前記一対の基板のうち一方の基板がア
    クティブマトリクス基板であり、前記横電界形成手段に
    より、アクティブマトリクス基板に配線されたソース電
    極線と画素電極間に横電界が発生し、ソース電極線の配
    線方向と配向方向が略平行であることを特徴とする請求
    項50又は51記載の液晶表示装置。
  54. 【請求項54】 前記一対の基板のうち一方の基板がア
    クティブマトリクス基板であり、前記横電界形成手段に
    より、アクティブマトリクス基板に配線されたゲート電
    極線と画素電極間に横電界が発生し、ゲート電極線の配
    線方向と配向方向が略平行であることを特徴とする請求
    項50又は51記載の液晶表示装置。
  55. 【請求項55】 前記一対の基板のうち一方の基板がア
    クティブマトリクス基板であり、前記横電界形成手段に
    より、アクティブマトリクス基板に配線されたゲート電
    極線と画素電極間、並びに、アクティブマトリクス基板
    に配線されたソース電極線と画素電極間にそれぞれ横電
    界が発生し、配向方向がゲート電極線の配線方向とソー
    ス電極線の配線方向の間にあることを特徴とする請求項
    50又は51記載の液晶表示装置。
  56. 【請求項56】 請求項31記載の液晶表示装置の製造
    方法であって、 前記一対の基板にそれぞれ形成された配向膜の少なくと
    も一方の配向膜の一部領域のプレチルトを変化させる処
    理を行うプレチルト変化処理工程を含むことを特徴とす
    る液晶表示装置の製造方法。
  57. 【請求項57】 前記プレチルト変化処理工程が、基板
    に形成された配向膜と異なるプレチルトを有する配向膜
    材料を前記一部領域に噴霧することである請求項56記
    載の液晶表示装置の製造方法。
  58. 【請求項58】 前記プレチルト変化処理工程が、配向
    膜が形成された基板を高湿度条件下で放置することであ
    る請求項56記載の液晶表示装置の製造方法。
  59. 【請求項59】 前記プレチルト変化処理工程が、前記
    基板に形成された配向膜に、プレチルトを変化させる処
    理液を噴霧することである請求項56記載の液晶表示装
    置の製造方法。
  60. 【請求項60】 前記プレチルト変化処理工程が、配向
    膜が形成された基板を溶媒蒸気雰囲気下で放置すること
    である請求項56記載の液晶表示装置の製造方法。
  61. 【請求項61】 前記一対の基板にはそれぞれ配向膜が
    形成され、前記配向膜のうち少なくも一方の配向膜の膜
    厚に分布があることを特徴とする請求項31記載の液晶
    表示装置。
  62. 【請求項62】 請求項61記載の液晶表示装置の製造
    方法であって、 印刷面が凹凸状に形成された印刷版を用いて配向膜を印
    刷する印刷工程を含むことを特徴とする液晶表示装置の
    製造方法。
  63. 【請求項63】 請求項62記載の液晶表示装置の製造
    方法であって、 メッシュサイズが100μm以上である印刷版を用いて
    配向膜を印刷する印刷工程を含むことを特徴とする液晶
    表示装置の製造方法。
  64. 【請求項64】 請求項62又は63記載の液晶表示装
    置の製造方法であって、 前記印刷工程が複数回行われることを特徴とする液晶表
    示装置の製造方法。
  65. 【請求項65】 前記一対の基板の少なくとも一方の基
    板表面が凹凸状にが形成されていることを特徴とする請
    求項17乃至25のいずれか記載の液晶表示装置。
  66. 【請求項66】 請求項17乃至25のいずれか記載の
    液晶表示装置の製造方法であって、 前記一対の基板の少なくとも一方の基板表面を、凹凸状
    に形成する凹凸形状形成工程を含むことを特徴とする液
    晶表示装置の製造方法。
  67. 【請求項67】 前記凹凸形状がフォトレジストで形成
    されていることを特徴とする請求項65記載の液晶表示
    装置。
  68. 【請求項68】 凹凸形状形成工程に形成された凹凸形
    状をなだらかにする熱処理工程を有することを特徴とす
    る請求項66記載の液晶表示装置の製造方法。
  69. 【請求項69】 前記凹凸形状形成工程が印刷方法を用
    いて凹凸形状を形成する工程であることを特徴とする請
    求項66記載の液晶表示装置の製造方法。
  70. 【請求項70】 前記凹凸形状が窒化シリコン膜よりな
    ることを特徴とする請求項65記載の液晶表示装置。
  71. 【請求項71】 前記凹凸形状形成工程が基板の表面を
    荒らすことで凹凸形状を形成する工程であることを特徴
    とする請求項66記載の液晶表示装置の製造方法。
  72. 【請求項72】 前記凹凸形状形成工程が酸素プラズマ
    処理を行うことにより凹凸形状を形成する工程であるこ
    とを特徴とする請求項71記載の液晶表示装置の製造方
    法。
  73. 【請求項73】 前記一対の基板の少なくとも一方の基
    板の内側面に、透明電極が形成されており、この透明電
    極の結晶径が50nm以上であることを特徴とした請求
    項65記載の液晶表示装置。
  74. 【請求項74】 前記凹凸形状が、基板上に小粒子を分
    散して形成されたものであることを特徴とする請求項6
    5記載の液晶表示装置。
  75. 【請求項75】 前記凹凸形状が、プレス成形により形
    成されたものであることを特徴とする請求項65記載の
    液晶表示装置。
  76. 【請求項76】 前記凹凸形状が、画素電極の形状が周
    囲で持ち上がった凹面形状であることを特徴とした請求
    項65記載の液晶表示装置。
  77. 【請求項77】 前記凹凸形状形成工程が、前記一対の
    基板の少なくとも一方の基板に樹脂層を形成する工程
    と、この樹脂層を処理して凹凸形状を形成する工程とを
    有することを特徴とする請求項66記載の液晶表示装置
    の製造方法。
  78. 【請求項78】 前記凹凸形状が、画素電極の中央部に
    凸部を形成することにより得られたものであることを特
    徴とする請求項65記載の液晶表示装置。
  79. 【請求項79】 前記凹凸形状が、画素電極の対角線方
    向に凸部を形成することにより得られたものであること
    を特徴とする請求項65記載の液晶表示装置。
  80. 【請求項80】 電界の方向により複数の領域を形成す
    ることを特徴とした請求項17乃至25記載の液晶表示
    装置。
  81. 【請求項81】 前記一対の基板に形成されている電極
    の少なくとも一方の電極には、電極が欠落した電極欠落
    部が存在することを特徴とする請求項17乃至25のい
    ずれかに記載の液晶表示装置。
  82. 【請求項82】 前記一対の基板に形成されている電極
    のうち、対向基板側の電極には、電極が欠落した電極欠
    落部が存在することを特徴とする請求項17乃至25の
    いずれかに記載の液晶表示装置。
  83. 【請求項83】 前記一対の基板に形成されている電極
    のうち、アレイ基板側の電極には、電極が欠落した電極
    欠落部が存在することを特徴とする請求項17乃至25
    のいずれかに記載の液晶表示装置。
  84. 【請求項84】 前記電極欠落部の延在方向が前記複数
    の領域の境界に発生するディスクリネーション線と一致
    することを特徴とする請求項81記載の液晶表示装置。
  85. 【請求項85】 配向方向と電極欠落部の方向が交差す
    ることを特徴とする請求項82記載の液晶表示装置。
  86. 【請求項86】 画素電極との間に横電界を形成する横
    電界形成手段を有することを特徴とする請求項17乃至
    25のいずれかに記載の液晶表示装置。
  87. 【請求項87】 画素電極の両端で横電界を発生し、そ
    の横電界の方向が対向していることを特徴とする請求項
    86記載の液晶表示装置。
  88. 【請求項88】 前記一対の基板うち一方の基板がアク
    ティブマトリクス基板であり、前記アクティブマトリク
    ス基板はソース電極線及び画素電極を有し、ソース電極
    線と画素電極間に横電界を印加することを特徴とする請
    求項87記載の液晶表示装置。
  89. 【請求項89】 前記画素電極とソース電極線との距離
    が5μm以下であることを特徴とする請求項88記載の
    液晶表示装置。
  90. 【請求項90】 請求項87記載の液晶表示装置の駆動
    方法であって、 画素電位を保持している期間あるいはその一部の期間
    に、ソース電圧を変化させ、画素電極とソース電極線間
    に横電界を印加することを特徴とする液晶表示装置の駆
    動方法。
  91. 【請求項91】 前記基板の一方がアクティブマトリク
    ス基板であり、前記アクティブマトリクス基板はゲート
    電極線と画素電極を有し、ゲート電極線と画素電極間に
    横電界を印加することを特徴とする請求項87記載の液
    晶表示装置。
  92. 【請求項92】 前記画素電極とゲート電極線との距離
    が5μm以下であることを特徴とする請求項91記載の
    液晶表示装置。
  93. 【請求項93】 請求項87記載の液晶表示装置の駆動
    方法であって、 画素電位を保持している期間に、ゲート電圧を低いレベ
    ルにし、画素電極とゲート電極線間に横電界を印加する
    ことを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。
  94. 【請求項94】 請求項87記載の液晶表示装置の駆動
    方法であって、 画素電位よりも高い電位にゲート電位を設定して、画素
    電極とゲート電極線間に横電界を印加することを特徴と
    する液晶表示装置の駆動方法。
  95. 【請求項95】 前記アクティブマトリクス基板は補助
    容量電極を有し、前記補助容量電極はゲート電極線上に
    存在しないことを特徴とした請求項91記載の液晶表示
    装置。
  96. 【請求項96】 横電界形成手段が、電極側部に形成さ
    れた突起形状であることを特徴とした請求項87記載の
    液晶表示装置。
  97. 【請求項97】 前記突起形状が画素電極に形成された
    ことを特徴とする請求項96記載の液晶表示装置。
  98. 【請求項98】 前記突起形状がゲート電極線に形成さ
    れたことを特徴とする請求項96記載の液晶表示装置。
  99. 【請求項99】 前記突起形状がソース電極線に形成さ
    れたことを特徴とする請求項96記載の液晶表示装置。
  100. 【請求項100】 横電界発生方向と配向方とが略一致
    していることを特徴とした請求項87記載の液晶表示装
    置。
  101. 【請求項101】 上下一対の基板と、基板間に挟持さ
    れる液晶層とを含み、液晶表示駆動に先立って、前記基
    板間への電圧印加により前記液晶層の初期配向をベンド
    配向に転移させる初期化処理を行ない、この初期化され
    たベンド配向状態で液晶表示駆動を行う液晶表示装置に
    おいて、 前記基板面内における表示領域には、スペーサが存在し
    ないことを特徴とする液晶表示装置。
  102. 【請求項102】 前記表示領域以外の非表示領域に、
    スペーサが形成されていることを特徴とする請求項10
    1記載の液晶表示装置。
  103. 【請求項103】 前記スペーサが柱状スペーサである
    ことを特徴とした請求項102記載の液晶表示装置。
  104. 【請求項104】 画素電極を有するアレー基板と共通
    電極を有する対向基板の間に配置された液晶層上下界面
    の液晶のプレチルト角が正負逆で、互いに平行に配向処
    理されたスプレイ配向の液晶セルで、電圧無印加時には
    スプレイ配向となっており、液晶表示駆動に先立って、
    電圧印加によりスプレイ配向からベンド配向に転移させ
    る初期化処理が行われ、この初期化されたベンド配向状
    態で液晶表示駆動を行うアクティブマトリックス型の液
    晶表示装置において、 前記アレー基板の内面側に形成された配向膜における液
    晶のプレチルト角が第1のプレチルト角を示すと共に、
    対向基板の内面側に形成された配向膜における液晶のプ
    レチルト角が第1のプレチルト角よりも大きい第2のプ
    レチルト角を示す第1の液晶セル領域と、前記第1の液
    晶セル領域に隣接して配置され、アレー基板の内面側に
    形成された配向膜における液晶のプレチルト角が第3の
    プレチルト角を示すと共に、対向する対向基板の内面側
    に形成された配向膜における液晶のプレチルト角が第3
    のプレチルト角よりも小さい第4のプレチルト角を示す
    第2の液晶セル領域と、を同一画素内に少なくとも有し
    ており、前記上下配向膜が、第1の液晶セル領域から第
    2の液晶セル領域に向けて配向処理されている液晶セル
    と、 前記画素電極と前記共通電極との間に、ディスクリネー
    ション線を形成するための第1の電圧を印加し、前記第
    1の液晶セル領域と前記第2の液晶セル領域との境界付
    近においてディスクリネーション線を形成する第1の電
    圧印加手段と、 前記画素電極と前記共通電極との間に前記第1の電圧よ
    りも高い第2の電圧を印加することにより、ディスクリ
    ネーション線において転移核を発生させ、スプレイ配向
    からベンド配向へ転移させる第2の電圧印加手段と、を
    備えることを特徴とする液晶表示装置。
  105. 【請求項105】 前記第1および第4のプレチルト角
    は3度以下であり、前記第2および第3のプレチルト角
    は4度以上であることを特徴とする請求項104記載の
    液晶表示装置。
  106. 【請求項106】 前記上下配向膜の配向処理される方
    向は、前記画素電極に沿う信号電極線またはゲート電極
    線に対して直角であることを特徴とする請求項104記
    載の液晶表示装置。
  107. 【請求項107】 前記配向膜の配向処理される方向
    は、前記画素電極に沿う信号電極線またはゲート電極線
    に対して直角方向から若干ずれていることを特徴とする
    請求項104記載の液晶表示装置。
  108. 【請求項108】 前記第2の電圧は、その周波数が
    0.1Hzから100Hzの範囲であり、且つ第2の電
    圧のデューティー比は1:1から1000:1の範囲で
    ある、パルス状の電圧であることを特徴とする請求項1
    04記載の液晶表示装置。
  109. 【請求項109】 前記ゲート電極線は、前記転移させ
    る期間中の少なくとも大部分においてハイ状態であるこ
    とを特徴とする請求項104乃至108の何れかに記載
    の液晶表示装置。
  110. 【請求項110】 前記画素電極および前記共通電極の
    内面側に形成された配向膜のうち、少なくとも一方の配
    向膜の一部の領域に紫外線を照射して、該配向膜におけ
    る液晶のプレチルト角を変化させて配向分割された液晶
    セルを有することを特徴とする請求項104乃至108
    の何れかに記載の液晶表示装置。
  111. 【請求項111】 前記画素電極および前記共通電極の
    一部の領域にオゾン雰囲気下で紫外線を照射して、該画
    素電極および共通電極のうち、少なくとも一方の電極の
    一部の領域を平坦化処理した後、前記画素電極および共
    通電極上に配向膜を塗布焼成して、前記配向膜における
    液晶のプレチルト角を変化させて配向分割された液晶セ
    ルを有することを特徴とする請求項104乃至108の
    何れかに記載の液晶表示装置。
  112. 【請求項112】 画素電極を有するアレー基板と共通
    電極を有する対向基板との間に配置された液晶層上下界
    面の液晶のプレチルト角が正負逆で、互いに平行に配向
    処理されたスプレイ配向の液晶セルを有しており、前記
    液晶セルは同一画素内に互いに隣接する第1の液晶セル
    領域と第2の液晶セル領域とを有し、前記第1の液晶セ
    ル領域は、前記アレー基板の液晶層側の界面における液
    晶の第1プレチルト角が、前記対向基板の液晶層側の界
    面における液晶の第2プレチルト角よりも小さくなるよ
    うに配向処理され、前記第2の液晶セル領域は、前記対
    向基板の液晶層側の界面における液晶の第4のプレチル
    ト角が、前記第2のプレチルト角よりも小さく、かつ前
    記アレー基板の液晶層側の界面における液晶の第3のプ
    レチルト角よりも小さくなるように配向処理されてお
    り、電圧無印加時には前記液晶層はスプレイ配向となっ
    ており、液晶表示駆動に先立って、電圧印加によりスプ
    レイ配向からベンド配向に転移させる初期化処理が行わ
    れ、この初期化されたベンド配向状態で液晶表示駆動を
    行う液晶表示装置における前記スプレイ配向からベンド
    配向に配向転移させるための駆動方法であって、 前記画素電極と前記共通電極との間に第1の電圧を印加
    することにより、第1の液晶セル領域では液晶分子をb
    ―スプレイ配向させるとともに、第2の液晶セル領域で
    は液晶分子をt―スプレイ配向させて、前記第1の液晶
    セル領域と前記第2の液晶セル領域との境界付近におい
    てディスクリネーション線を形成し、前記画素電極と前
    記共通電極との間に第1の電圧よりも高い第2の電圧を
    印加し、前記第1の液晶セル領域と前記第2の液晶セル
    領域との境界付近のディスクリネーション線において転
    移核を発生させ、スプレイ配向からベンド配向へ転移さ
    せることを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。
  113. 【請求項113】 画素電極を有するアレー基板と共通
    電極を有する対向基板の間に配置された液晶層上下界面
    の液晶のプレチルト角が正負逆で、互いに平行に配向処
    理されたスプレイ配向の液晶セルを有し、電圧無印加時
    には前記液晶層はスプレイ配向となっており、液晶表示
    駆動に先立って、電圧印加によりスプレイ配向からベン
    ド配向に転移させる初期化処理が行われ、この初期化さ
    れたベンド配向状態で液晶表示駆動を行うアクティブマ
    トリックス型の液晶表示装置の製造方法において、 前記液晶セルの一画素内の一部の領域において、前記ア
    レー基板の液晶層側の界面における液晶の第1のプレチ
    ルト角が、前記対向基板の液晶層側の界面における液晶
    の第2のプレチルト角よりも小さくなるように配向処理
    を行って第1の液晶セル領域を形成し、 前記一画素内の他の領域において、前記対向基板の液晶
    層側の界面における液晶の第4のプレチルト角が、前記
    第2のプレチルト角よりも小さく、かつ前記アレ-基板
    の液晶層側の界面における液晶の第3のプレチルト角よ
    りも小さくなるように配向処理を行って第2の液晶セル
    領域を形成する、配向処理工程を含むことを特徴とする
    液晶表示装置の製造方法。
  114. 【請求項114】 前記配向処理工程は、前記アレー基
    板上に形成された画素電極および前記対向基板上に形成
    された共通電極の内面側に形成された配向膜の、一画素
    内の一部の領域に紫外線を照射して、液晶のプレチルト
    角を変化させて、前記第1の液晶セル領域と前記第2の
    液晶セル領域とを形成する工程であることを特徴とする
    請求項113記載の液晶表示装置の製造方法。
  115. 【請求項115】 前記配向処理工程は、 前記アレー基板上に形成された画素電極および前記対向
    電極上に形成された共通電極の、一画素内の一部の領域
    にオゾン雰囲気下で紫外線を照射して、前記画素電極お
    よび前記共通電極の一部の領域を平坦化処理し、 前記画素電極および前記共通電極上に配向膜を塗布焼成
    して、該配向膜における液晶のプレチルト角を変化させ
    て、前記第1の液晶セル領域と前記第2の液晶セル領域
    とを形成する工程であることを特徴とする請求項113
    記載の液晶表示装置の製造方法。
  116. 【請求項116】 画素電極を有するアレー基板と共通
    電極を有する対向基板の間に配置された液晶層上下界面
    の液晶のプレチルト角が正負逆で、互いに平行に配向処
    理されたスプレイ配向の液晶セルで、電圧無印加時には
    スプレイ配向となっており、液晶表示駆動に先立って、
    電圧印加によりスプレイ配向からベンド配向に転移させ
    る初期化処理が行われ、この初期化されたベンド配向状
    態で液晶表示駆動を行うアクティブマトリックス型の液
    晶表示装置において、 1画素内に、少なくとも1つの転移励起用の横電界印加
    部を有し、該横電界印加部によって横電界を発生させる
    とともに、画素電極と共通電極間に連続的または間欠的
    に電圧を印加し、画素毎に転移核を発生させ画素全体を
    スプレイ配向からベンド配向に転移させることを特徴と
    する液晶表示装置。
  117. 【請求項117】 前記横電界印加部によって発生され
    る横電界の方向は、配向処理方向と略直交していること
    を特徴とする請求項116記載の液晶表示装置。
  118. 【請求項118】 前記横電界印加部は、 画素電極の周辺部を基板面に平行な面内で凹凸に変形さ
    せた電極変形部であることを特徴とする請求項116記
    載の液晶表示装置。
  119. 【請求項119】 前記横電界印加部は、 信号電極線若しくはゲート電極線を基板面に平行な面内
    で凹凸に変形させた電極線変形部であることを特徴とす
    る請求項116記載の液晶表示装置。
  120. 【請求項120】 前記横電界印加部は、 画素電極の周辺部を基板面に平行な面内で凹凸に変形さ
    せ、該凹凸に対応して信号電極線若しくはゲート電極線
    を凸凹に変形させた電極・電極線変形部であることを特
    徴とする請求項116記載の液晶表示装置。
  121. 【請求項121】 前記横電界印加部は、 横電界印加用線を基板面に対して平行な面内で凹凸に変
    形させた横電界印加用線変形部であり、該横電界印加用
    線は、信号電極線若しくはゲート電極線の少なくとも一
    方の上層若しくは下層に絶縁膜を介して同方向に配設さ
    れ、前記信号電極線若しくはゲート電極線が接続された
    駆動回路に接続されていることを特徴とする請求項11
    6記載の液晶表示装置。
  122. 【請求項122】 前記横電界印加用線は、配向転移後
    の通常の液晶表示時には、駆動回路と遮断されることを
    特徴とする請求項121記載の液晶表示装置。
  123. 【請求項123】 アレー基板と対向基板の間の液晶層
    上下界面の液晶のプレチルト角が正負逆で、互いに平行
    に配向処理されたスプレイ配向の液晶セルで、電圧無印
    加時にはスプレイ配向となっており、液晶表示駆動に先
    立って、電圧印加によりスプレイ配向からベンド配向に
    転移させる初期化処理が行われ、この初期化されたベン
    ド配向状態で液晶表示駆動を行うアクティブマトリック
    ス型の液晶表示装置において、 1画素内に、転移励起用の横電界印加のために少なくと
    も1カ所に欠陥部を形成した画素電極若しくは共通電極
    の少なくとも一方を有していることを特徴とする液晶表
    示装置。
  124. 【請求項124】 アレー基板と対向基板の間の液晶層
    上下界面の液晶のプレチルト角が正負逆で、互いに平行
    に配向処理されたスプレイ配向の液晶セルで、電圧無印
    加時にはスプレイ配向となっており、液晶表示駆動に先
    立って、電圧印加によりスプレイ配向からベンド配向に
    転移させる初期化処理が行われ、この初期化されたベン
    ド配向状態で液晶表示駆動を行うアクティブマトリック
    ス型の液晶表示装置において、 1画素内に、転移励起用の横電界印加部を有し、 更に1画素は、画素電極の一部領域の液晶分子のプレチ
    ルト角が第1のプレチルト角を示し、前記画素電極に対
    向する共通電極の一部領域の液晶分子のプレチルト角が
    それよりも大きい第2のプレチルト角を持つ第1の配向
    領域と、 前記画素電極の他領域の液晶分子のプレチルト角が第3
    のプレチルト角を示し、前記画素電極に対向する共通電
    極の他の一部領域の液晶分子のプレチルト角がそれより
    も小さい第4のプレチルト角を持つ第2の配向領域とを
    有することを特徴とする液晶表示装置。
  125. 【請求項125】 前記共通電極と画素電極の間に、周
    波数が0.1Hzから100Hzの範囲であり、且つデ
    ューティー比は1:1から1000:1の範囲であるパ
    ルス状の電圧を印加するパルス電圧印加部を有している
    ことを特徴とする請求項116乃至124の何れかに記
    載の液晶表示装置。
  126. 【請求項126】 一対の基板間に挟持される液晶層
    と、基板の外側に配設される位相補償板とを含み、電圧
    無印加時には前記液晶層は上下界面の液晶のプレチルト
    角が正負逆で、互いに平行に配向処理されたスプレイ配
    向となっており、液晶表示駆動に先立って、電圧印加に
    より前記液晶層の配向状態をスプレイ配向からベンド配
    向に転移させる初期化処理を行ない、この初期化された
    ベンド配向状態で液晶表示駆動を行う液晶表示装置にお
    いて、 表示画素内に周囲よりも液晶層厚の小さな領域を少なく
    とも1ケ所含み、かつ前記領域内の液晶層に印加される
    電界強度が、周囲の液晶層に印加される電界強度よりも
    大きいことを特徴とする液晶表示装置。
  127. 【請求項127】 上下一対の基板間に挟持される液晶
    層と、基板の外側に配設される位相補償板とを含み、電
    圧無印加時には前記液晶層は上下界面の液晶のプレチル
    ト角が正負逆で、互いに平行に配向処理されたスプレイ
    配向となっており、液晶表示駆動に先立って、電圧印加
    により前記液晶層の配向状態をスプレイ配向からベンド
    配向に転移させる初期化処理を行ない、この初期化され
    たベンド配向状態で液晶表示駆動を行う液晶表示装置に
    おいて、 表示画素外に液晶層厚の小さな領域を少なくとも1ケ所
    含み、かつ前記領域の液晶層に印加される電界強度が、
    画素内液晶層に印加される電界強度よりも大きいことを
    特徴とする液晶表示装置。
  128. 【請求項128】 上下一対の基板間に挟持される液晶
    層と、基板の外側に配設される位相補償板とを含み、電
    圧無印加時には前記液晶層は上下界面の液晶のプレチル
    ト角が正負逆で、互いに平行に配向処理されたスプレイ
    配向となっており、液晶表示駆動に先立って、電圧印加
    により前記液晶層の配向状態をスプレイ配向からベンド
    配向に転移させる初期化処理を行ない、この初期化され
    たベンド配向状態で液晶表示駆動を行う液晶表示装置に
    おいて、 表示画素内に電界集中部位を少なくとも1ケ所含むこと
    を特徴とする液晶表示装置。
  129. 【請求項129】 前記表示画素内に設けられた電界集
    中部位が液晶層の厚み方向に部分的に突出した表示電
    極、あるいは共通電極の一部または、その両方であるこ
    とを特徴とする請求項128記載の液晶表示装置。
  130. 【請求項130】 上下一対の基板間に挟持される液晶
    層と、基板の外側に配設される位相補償板とを含み、電
    圧無印加時には前記液晶層は上下界面の液晶のプレチル
    ト角が正負逆で、互いに平行に配向処理されたスプレイ
    配向となっており、液晶表示駆動に先立って、電圧印加
    により前記液晶層の配向状態をスプレイ配向からベンド
    配向に転移させる初期化処理を行ない、この初期化され
    たベンド配向状態で液晶表示駆動を行う液晶表示装置に
    おいて、 表示画素外に電界集中部位を少なくとも1ケ所含むこと
    を特徴とする液晶表示装置。
  131. 【請求項131】 前記電界集中部位が液晶層の厚み方
    向に部分的に突出した電極の一部であることを特徴とす
    る請求項130項記載の液晶表示装置。
  132. 【請求項132】 上下一対の基板間に挟持される液晶
    層と、基板の外側に配設される位相補償板とを含み、電
    圧無印加時には前記液晶層は上下界面の液晶のプレチル
    ト角が正負逆で、互いに平行に配向処理されたスプレイ
    配向となっており、液晶表示駆動に先立って、電圧印加
    により前記液晶層の配向状態をスプレイ配向からベンド
    配向に転移させる初期化処理を行ない、この初期化され
    たベンド配向状態で液晶表示駆動を行う液晶表示装置に
    おいて、 表示電極、あるいは共通電極の一部、またはその両方に
    開口部を有していることを特徴とする液晶表示装置。
  133. 【請求項133】 前記開口部が、スイッチング素子を
    含むアクティブマトリックス型液晶表示装置の、平坦化
    膜上に形成した画素電極と該スイッチング素子と電気的
    に接続する導通口であることを特徴とする請求項132
    記載の液晶表示装置。
  134. 【請求項134】 前記位相補償板が、主軸がハイブリ
    ッド配列した負の屈折率異方性を有する光学媒体よりな
    る位相補償板を少なくとも1枚含む位相補償板であるこ
    とを特徴とする請求項126乃至133の何れかに記載
    の液晶表示装置。
  135. 【請求項135】 前記位相補償板が、少なくとも1枚
    の正の位相補償板を含む位相補償板であることを特徴と
    する請求項134記載の液晶表示装置。
  136. 【請求項136】 互いに対向する第1の基板と第2
    の基板との間に保持された液晶に電場を印加し、前記液
    晶の配向をベンド配向に転移させる液晶表示装置であっ
    て、 前記液晶のスプレイ弾性定数k11を、10×10−7d
    yn≧k11≧6×10−7dynの範囲とし、且つ、前
    記第1の基板に対する前記液晶のプレチルト角の絶対値
    をθ1とし、前記第2の基板に対する前記液晶のプレチ
    ルト角の絶対値をθ2としたとき、1.57rad>|
    θ1−θ2|≧0.0002radなる関係を満たすこと
    を特徴とする液晶表示装置。
  137. 【請求項137】 互いに対向する第1の基板と第2の
    基板との間に保持された液晶に電場を印加し、前記液晶
    の配向をベンド配向に転移させる方法であって、前記液
    晶のスプレイ弾性定数k11を、10×10-7dyn≧k
    11≧6×10-7dynの範囲とし、且つ、前記電場が、
    空間的に均一に印加される主電場に、空間的に不均一に
    印加される副電場を重畳させた電場であり、前記主電場
    をE0とし、前記副電場の最大値をE1としたとき、1.
    0>E1/E0>1/100なる関係を満たすことを特徴
    とする液晶表示装置の駆動方法。
  138. 【請求項138】 互いに対向する第1の基板と第2の
    基板との間に保持された液晶に電場を印加し、前記液晶
    の配向をベンド配向に転移させる方法であって、前記第
    1の基板に対する前記液晶のプレチルト角の絶対値をθ
    1とし、前記第2の基板に対する前記液晶のプレチルト
    角の絶対値をθ2としたとき、1.57rad>|θ1−
    θ2|≧0.0002radなる関係を満たし、且つ、
    前記電場が、空間的に均一に印加される主電場に、空間
    的に不均一に印加される副電場を重畳させた電場であ
    り、前記主電場をE0とし、前記副電場の最大値をE1と
    したとき、1.0>E1/E0>1/100なる関係を満
    たすことを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。
  139. 【請求項139】 互いに対向する第1の基板と第2の
    基板との間に保持された液晶に電場を印加し、前記液晶
    の配向をベンド配向に転移させる方法であって、前記液
    晶のスプレイ弾性定数k11を10×10-7dyn≧k11
    ≧6×10-7dynの範囲とし、前記第1の基板に対す
    る前記液晶のプレチルト角の絶対値をθ1とし、前記第
    2の基板に対する前記液晶のプレチルト角の絶対値をθ
    2としたとき、1.57rad>|θ1−θ2|≧0.0
    002radなる関係を満たし、且つ、前記電場が、空
    間的に均一に印加される主電場に、空間的に不均一に印
    加される副電場を重畳させた電場であり、前記主電場を
    E0とし、前記副電場の最大値をE1としたとき、1.0
    >E1/E0>1/100なる関係を満たすことを特徴と
    する液晶表示装置の駆動方法。
  140. 【請求項140】 前記副電場が、前記第1の基板の表
    面に形成された薄膜トランジスタのソース電極あるいは
    ゲート電極と、前記第2の基板の表面に形成された透明
    電極との間に印加される電場である請求項137乃至1
    39の何れかに記載の液晶表示装置の駆動方法。
  141. 【請求項141】 前記副電場が、時間の経過に伴って
    減衰振動させた交流電場である請求項137乃至140
    の何れかに記載の液晶表示装置の駆動方法。
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