JPH117018A - 液晶表示装置、およびその製造方法 - Google Patents
液晶表示装置、およびその製造方法Info
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- JPH117018A JPH117018A JP9238196A JP23819697A JPH117018A JP H117018 A JPH117018 A JP H117018A JP 9238196 A JP9238196 A JP 9238196A JP 23819697 A JP23819697 A JP 23819697A JP H117018 A JPH117018 A JP H117018A
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Abstract
かつ確実に行われ、またはスプレイ配向からベンド配向
への転移を必要とせず、しかも高速な応答性を有する液
晶表示装置を得る。 【解決手段】 透明基板33・36には、それぞれ透明
画素電極31と配向膜32、または対向電極34と配向
膜35が形成されている。配向膜32・35は、液晶セ
ル38に所定の電圧が印加されたときにベンド配向を形
成するように、互いに平行かつ同一な方向に配向処理が
施されるとともに、それぞれの上に、各画素ごとに少な
くとも1つの密度で高プレチルト角領域32h・35h
が形成されている。液晶セル38に所定の電圧を印加す
ると、まず高プレチルト角領域32h・35hで転移の
核が発生し、これを契機に転移領域が拡大成長し、スプ
レイ配向からベンド配向への転移が迅速かつ確実に行わ
れる。
Description
示装置やテレビ受像器などに適用される液晶表示装置、
およびその製造方法に関し、特に、高速な応答性と、広
視野角特性を有する液晶表示装置、およびその製造方法
に関するものである。
ック液晶を用いたツイステッドネマティック(TN)モ
ードの液晶表示装置が実用化されている。しかし、この
液晶表示装置は、応答速度が遅いという欠点を有してい
る。また、画像が適正に視認できる視野角が狭く、斜め
方向からみたときに、輝度やコントラストの低下、およ
び中間調での輝度反転を生じるという欠点を有してい
る。したがって、高速な動画の表示や、斜め方向からで
も良好な視認が必要とされる表示装置に適用することは
困難である。
晶表示モードの液晶表示装置も知られている。この液晶
表示装置は、偏光板を必要としないために、高輝度な画
像を表示できるという長所を有している。しかし、応答
速度は、上記TNモードの液晶表示装置と同じく遅い。
また、視野角は、ある程度広いものの、原理的に、TN
モードの液晶表示装置のように位相補償層によって視野
角を制御できないという欠点を有している。
性液晶(FLC)または反強誘電性液晶(AFLC)な
どの表示モードの液晶表示装置もあるが、これらは、耐
ショック性や温度特性が劣るという大きな欠点があり、
広く実用化されるまでには至っていない。
4に開示されているように、応答速度が極めて速く、視
野角も比較的広い、光学補償ベンド(OCB)モードの
液晶表示装置が提案されている。
ば図10に示すように、液晶12が封入されて液晶セル
11を構成する一対の透明基板13・14に、画素電極
15、対向電極16、および配向膜17・18が形成さ
れて構成されている。
対向電極16との間に所定の電圧を印加することによ
り、同図に示すように、この配向膜17・18付近の液
晶分子12a・12bが対称に傾斜したベンド配向が形
成されるように配向処理されている。より具体的には、
配向膜17・18の表面には、プレチルト角が数度〜1
0°程度になるように、互いに平行かつ同一な方向にラ
ビングが施されている。なお、条件によっては、上記ベ
ンド配向は、透明基板13・14の中央付近で、ねじれ
を含んでいることもある。
9・20が設けられている。透明基板14と偏光板20
との間には、液晶12の配向を光学的に補償する位相補
償層21が設けられている。
と、画素電極15と対向電極16との間に印加された駆
動電圧の変化に対する液晶分子の変化が速いので、応答
速度の高速化が得られる。この高速化は、特に輝度の差
が小さいような中間調の間の変化においても得られる。
また、ベンド配向の対称性は、同図のX−Z軸を含む平
面内(表示画面の左右方向)の視野角を拡大(例えば±
50°程度)させる。一方、位相補償層21は、Y−Z
軸を含む平面内(表示画面の上下方向)の視野角を拡大
(例えば±40°程度)させる。位相補償層21は、ま
た、駆動電圧の低減にも寄与する。
CBモードの液晶表示装置は、画像の表示を開始する前
に、上記ベンド配向が形成されなければならないという
厄介な問題を有している。なぜならば、上記のように配
向膜17・18の表面に配向処理が施されていても、画
素電極15と対向電極16との間に電圧が印加されてい
ないときには、ベンド配向は形成されず、図11に示す
ように、液晶分子が扇状に広がったスプレイ配向Pが形
成されている。そこで、電源投入時などに高い電気エネ
ルギの印加によりスプレイ配向Pがベンド配向Qに確実
に転移させられなければならない。このスプレイ配向P
からベンド配向Qへの転移は、画素電極15と対向電極
16との間に例えば10〜30Vの高い電圧を印加すれ
ば比較的迅速に起こるが、駆動ICに過大な負荷をかけ
ないような数Vの低い電圧では、数十分以上かかり、場
合によっては1時間以上かかっても転移しないことがあ
る。これでは、OCBモードの液晶表示装置の実用化は
困難である。
本国特開平9−96790号公報では、TNモードと同
じく液晶分子がねじれた配向状態と、液晶分子がOCB
モードに類似した、基板の法線方向に立ち上がった配向
状態とを組み合わせる技術が提案されている。この技術
は、ベンド配向が形成される必要がないようにして、上
記のような問題を回避するとともに、ベンド配向に類似
した配向状態を形成して、応答速度をTNモードよりも
高速にすることを図るものである。しかしながら、実際
には、上記のようにベンド配向に類似した配向状態を形
成しても、必ずしも、高速な応答速度を得ることはでき
ない。
からベンド配向への転移が、迅速、かつ確実に行われ、
またはスプレイ配向からベンド配向への転移を必要とせ
ず、しかも、高速な応答性を有する液晶表示装置、およ
びその製造方法の提供を目的としている。
対向電極と、これらの電極の間に設けられた液晶とを有
し、上記画素電極および対向電極のそれぞれの表面が、
その表面付近の液晶分子に所定のプレチルト角を与える
ように配向処理され、上記液晶にベンド配向を形成させ
ることにより、光の透過率を変化させて表示を行う液晶
表示装置において、上記画素電極または対向電極の少な
くとも一方の表面に、その周囲よりも大きなプレチルト
角を液晶分子に与えるような高プレチルト角領域が形成
されていることを特徴としている。
は、比較的立った状態になっているため、画素電極と対
向電極との間に電圧が印加されたときに、スプレイ配向
からベンド配向への転移の核となり、これを契機に転移
領域が拡大成長するため、すべての領域で、上記転移が
短時間で、かつ確実に行われる。しかも、その転移に要
する電気エネルギは低くてよいため、駆動回路に過大な
負荷をかけることがない。
るにあたって、上記配向状態の転移を短時間に、かつ確
実に起こさせるべく、その転移のメカニズムの解明を試
みた。その結果、上記転移は、電圧の印加を開始した直
後は、その間に液晶が設けられる透明基板の間隙を一定
に保持するために両者間に散布配置されたスペーサの近
傍で発生しやすいことを見出した。これは、スペーサの
表面の物性や形状の影響を受けて、スペーサの近傍の液
晶分子の配向は不規則になりがちであり、チルト角が周
囲より高いものもあるからであると考えられるに至っ
た。そのような液晶分子が引き金となって、その部分の
スプレイ配向からベンド配向への転移が引き起こされる
と考えられる。
てのスペーサの近傍から発生するわけではなく、また、
スペーサは移動することもあり、必ずしも全ての画素上
にあるとは限らないため、確実ではない。特に、液晶表
示装置は非常に多くの画素を有しているために、その一
部の画素でも上記転移が行われないと、適正に画像を表
示することができない。
実に転移を行わせるために、上記のように高プレチルト
角領域を設けることを考え出した。
ば大きなプレチルト角を液晶分子に与える配向膜材料
を、相分離や印刷などにより、部分的に設けたり、ま
た、電極上に小さな突起を設けたりすることにより、形
成することができる。
と、これらの電極の間に設けられた液晶と、位相補償層
とを有し、上記液晶にベンド配向を形成させることによ
り、光の透過率を変化させて表示を行う液晶表示装置に
おいて、前記液晶が、カイラル剤を含むことを特徴とし
ている。
よっても、上記転移は容易に行われるようになる。さら
に、高プレチルト角領域とカイラル剤とを併用すれば、
一層転移が起きやすくなる。
1の基板と、対向電極が形成され、上記第1の基板に対
向して配置された第2の基板と、上記第1の基板と第2
の基板との間に設けられた液晶と、上記第1の基板、お
よび第2の基板の外側に配置され、偏光軸が互いに直交
する、または平行な第1の偏光素子、および第2の偏光
素子と、上記画素電極と上記対向電極との間に駆動電圧
を印加する駆動回路とを有する液晶表示装置において、
上記液晶中の液晶分子のねじれ角が160°以上200
°以下であり、上記駆動回路は、液晶表示装置の駆動電
圧−透過率特性における透過率の極大値または極小値を
与える最も高い電圧よりも高い駆動電圧を、上記画素電
極と上記対向電極との間に印加するように構成されてい
ることを特徴としている。
ンド配向が形成された場合と同様の高速な応答性を有す
る液晶表示装置を得ることができる。すなわち、このよ
うな液晶表示装置では、液晶分子がねじれた状態を保っ
ているため、上記のようなスプレイ配向からベンド配向
への転移のような不連続な相転移は必要とされず、しか
も、上記のような駆動電圧が印加されることによって、
液晶分子がベンド配向に類似した配向状態になる。この
ため、例えば液晶表示装置の電源をオンにした直後から
画像の表示が可能となるうえ、高速な応答性が得られ
る。
が速やかに行われるOCBモードの液晶表示装置の例を
説明する。
図1に示すように、それぞれガラスから成る透明基板3
3と、透明基板36との間に、誘電異方性が正のネマテ
ィック液晶である液晶37(メルク社製ZLI−479
2)が封入されて構成されている。上記透明基板33に
は、透明画素電極31、および配向膜32が形成されて
いる一方、透明基板36には、対向電極34、および配
向膜35が形成されている。上記透明基板33と透明基
板36との間隔は、両者間に直径が約6μmの球状のス
ペーサ51を介在させることにより、一定に保たれるよ
うになっている。上記液晶セル38の両側には、偏光板
39・40が設けられている。また、透明基板36と偏
光板40との間には、位相補償板43が設けられてい
る。
0μm、横が300μmの長方形状に形成され、実際に
はこれが複数配置されてビットマップ画像を表示し得る
ようになっているが、図1では、3つの画素のみが描か
れている。
に、各画素ごとに少なくとも1つの密度で高プレチルト
角領域32h・35hが形成されるとともに、互いに平
行かつ同一な方向に配向処理が施されている。これによ
り、液晶セル38に電圧が印加されていないときに、液
晶分子がスプレイ配向を形成する一方、所定の電圧が印
加されているときに、ベンド配向を形成するようになっ
ている。
うにして形成、配向処理されている。
ック酸タイプの約5°の低プレチルト角を液晶分子に付
与するポリイミド配向膜材料SE−7492に、日本合
成ゴム(株)製の、プレイミドタイプの約15の高プレ
チルト角を液晶分子に付与するポリイミド配向膜材料J
ALS−246を10%混ぜ、透明画素電極31、およ
び対向電極34に塗布し、乾燥後、焼成して、配向膜3
2・35を形成する。上記乾燥過程で、2つの配向膜材
料は相分離し、高プレチルト角領域32h・35hが形
成される。
たって、例えばレーヨンのラビングクロスでラビングす
ることにより、上記プレチルト角が得られるように配向
処理する。
角領域32h・35hを有する液晶セル38に、駆動回
路41によって、8Vの電圧を10秒間印加したとこ
ろ、近傍のスペーサ51の有無に係らず、全ての画素
で、スプレイ配向からベンド配向またはねじれ配向を含
んだベンド配向(以下、単に「ベンド配向」と略称す
る。)への転移が起きた。また、同様の電圧印加を繰り
返しても、上記転移は再現性よく起きた。
まず、高プレチルト角領域32h・35hで転移の核が
発生し、これを契機に転移領域が拡大成長したたためで
ある。
5°の高プレチルト角のポリイミド配向膜材料に代え
て、同じく日本合成ゴム(株)製のプレイミドタイプの
約70°の高プレチルト角のポリイミド配向膜材料JA
LS−204を用い、同様に高プレチルト角領域32h
・35hを有する液晶セル38を作製し、5Vの電圧を
2秒間印加したところ、やはり、確実に転移が起きた。
する配向膜材料を少量混合したら、さらに低電圧で容易
に転移が起きた。
の高プレチルト角領域32h・35hを形成する他の方
法を説明する。
イミドタイプの約5°の低プレチルト角ポリイミド配向
膜材料JALS−212を透明画素電極31、および対
向電極34に塗布し、乾燥後、焼成して、配向膜32・
35を形成する。
電極31に対応する部分の上に、日本合成ゴム(株)製
のプレイミドタイプの約70°の高プレチルト角ポリイ
ミド配向膜材料JALS−204を、直径が約10μ
m、ピッチが約100μmで印刷し、乾燥後、焼成し
て、高プレチルト角領域32h・35hを形成する。
処理する。
角領域32h・35hを有する液晶セル38に、5Vの
電圧を1秒間印加したところ、やはり、確実に転移が起
きた。
プレチルト角配向膜材料の混合割合や、高プレチルト角
領域32h・35hの直径は、上記のものに限らず、転
移に要する電圧、時間、使用する液晶材料などに応じて
選択すればよい。ただし、各画素ごとに少なくとも1つ
は形成される必要がある。また、高プレチルト角、およ
びこれと低プレチルト角との差は、それぞれ大きい方
が、より転移が起きやすい。それゆえ、例えば前者が、
15〜90°より好ましくは70〜90°、後者が10
°以上に設定することが好ましいが、これに限らず、上
記のような条件に応じて選択すればよい。
配向への転移が速やかに行われる液晶表示装置の他の例
を説明する。なお、以下の実施の形態において、前記実
施の形態1等と同様の構成要素については、対応する番
号を付して、説明を省略する。
上には、それぞれ1つずつ、アクリル系感光性ポリマー
から成る、高さ(および横断面の1辺)が4μmの4角
柱状の突起52が形成されている。なお、同図では、高
さが誇張されて描かれている。このような突起52は、
例えばこれに対応したマスクを用いた露光と、現像とに
より、容易に形成することができる。各透明画素電極3
1、および突起52の表面には、通常の配向膜と同様
に、低プレチルト角配向膜材料の塗布、乾燥、焼成、お
よび配向処理により、配向膜32が形成されている。
ル38に、3Vの電圧を1秒間印加したところ、やは
り、すべての透明画素電極31上で確実に転移が起き
た。
52の表面に沿って、比較的立った状態になっているた
め、これが核となって、転移領域が拡大成長したたため
であると考えられる。
形成方法は、上記に限らず、各透明画素電極31の上に
少なくとも1つ形成されていればよい。例えば形状は、
円柱、円錐、球状、角錐、角柱などでもよく、高さは、
スペーサ51よりも高くなければよい。また、スペーサ
51の直径と等しくして、スペーサ51を省くこともで
きる。
添加されることにより、スプレイ配向からベンド配向へ
の転移が速やかに行われる液晶表示装置の例を説明す
る。
実施の形態1の液晶表示装置と同様の構成を有する11
個の液晶表示装置A1〜A11を作製した。
角領域32h・35hが形成されていない。
ゴム(株)製のプレイミドタイプの約5°のプレチルト
角のポリイミド配向膜材料JALS−212が用いられ
ている。
のない位置に配置されている。
うなカイラルピッチとなるように、左旋回カイラル剤と
してのコレステリールノナノエートが、誘電異方性が正
のネマティック液晶に添加されて、調製されている。
数が30Hzで、最高電圧が3Vの矩形波電圧を印加
し、配向の転移状況、および画素全面で均一なベンド配
向に転移するのに要した時間を観察した。その観察結果
を上記(表1)に示す。
ピッチ≦40μmの液晶表示装置A2〜A5では、画素
全面で瞬間的に透過率が変化し、配向欠陥は発生しなか
った。すなわち、スプレイ配向からベンド配向へスムー
スな転移が起きたと考えられる。
0μm≦カイラルピッチ≦100μmの液晶表示装置A
1・A6〜A8では、配向転移が局所的に発生し、かな
り短時間に画素全面に拡大した。すなわち、比較的小さ
い値の電気エネルギで画素全面で転移が起きた。
の液晶表示装置A9〜A11では、配向転移が局所的に
発生した後、1〜10分と長い時間印加しつづけて、よ
うやく画素全面で転移が生じた。すなわち、画素全面で
転移させるのに大きな値の電気エネルギが必要とされ
た。
μm、好ましくは7〜40μmになるように、カイラル
剤が液晶37に添加されて、液晶37にねじれ配向成分
を持たせることにより、スプレイ配向からベンド配向へ
の転移に要する電気エネルギを低減し、容易、かつ確実
に転移を行わせることができる。
の形態2の液晶表示装置の液晶37に添加された例を説
明する。
が50μmとなるように、左旋回カイラル剤のコレステ
リールノナノエートが添加されている。実施の形態2と
同じく高プレチルト角領域32h・35hを有する液晶
セル38は、透明基板33・36間に上記液晶37が注
入され、封止されて構成されている。ただし、スペーサ
51は、透明画素電極31のない位置に配置されてい
る。
示装置に、周波数が30Hzで、最高電圧が3Vの矩形
波電圧を印加し、配向の転移状況、および画素全面で均
一なベンド配向に転移するのに要した時間を観察した。
・35hの部分に配向転移が発生し、1秒以内のかなり
短時間に画素全面に拡大した。すなわち、比較的小さい
値の電気エネルギで画素全面で均一に転移が起きた。
5hで転移の核が発生し、これが契機になるとともに、
カイラル剤が液晶37に添加されることによって、スプ
レイ配向からベンド配向への転移が容易になるので、速
やかに転移が行われたと考えられる。
たは3の液晶表示装置の液晶37に添加されても、同様
の効果が得られる。
レチルト角等は種々の選択が可能である。
容易にするために、スペーサ51が、透明画素電極31
のない位置に配置されたが、透明画素電極31の位置に
配置されるようにしてもよい。
に配向状態の転移が必要とされない液晶表示装置の例を
説明する。この液晶表示装置は、OCBモードではない
が、類似した配向状態、およびメカニズムによって、O
CBモードと同様の高速な応答性が得られるものであ
る。
械的な構造は、前記実施の形態5(図3)の液晶表示装
置と類似しているが、図5に示すように、配向膜32・
35の配向方向、すなわち液晶分子のねじれ角ωが18
0°である点が異なる。
される。
対向電極34が形成されたガラスから成る2枚の透明基
板33・36に、日産化学工業製のポリアミック酸タイ
プのポリイミド配向膜塗料RN−474をスピンコート
法にて塗布し、180℃の恒温槽中で、1時間硬化させ
て、配向膜32・35を形成する。
ラビング布を用いて図5に示す方向にラビングすること
により、ねじれ角ωが180°になるように配向処理を
施す。
その間隔が6μmとなるように積水ファインケミカル
(株)製のスペーサ51を介在させて、三井東圧化学
(株)製のシール樹脂であるストラクトボンド352A
により貼り合わせ、液晶セル38を作製する。
うに、左旋回カイラル剤としてのコレステリルノナノエ
ートを、メルク社製の正のネマティック液晶ZLI−2
411(NI点=65度、Δn=0.140)に添加し
て、液晶37を調製する。
り、透明基板33・36の間隙に注入し、封止する。
50nmの2軸性位相差フィルムである位相補償板43
を、図5に示す向きで、液晶セル38に貼り合わせて、
液晶表示装置を形成する。
表示装置に、定法に従い、周波数が30Hzの矩形波を
印加して、電圧−透過率特性を測定した結果を示す。同
図から、液晶分子の配向の変化は連続的であり、確実
に、かつスムーズに、ベンド配向と同様の配向状態が得
られることが確認される。
示を行う場合のコントラスト比は230:1であった。
らV2に変化させたときと、V2からV1に変化させた
ときとの応答時間の合計を示す。同表より、階調間駆
動、すなわち輝度の差が小さいような中間調の間の変化
において、高速な応答性が得られることが確認された。
である。
子のねじれ角ωが180°になるように、配向膜32・
35が配向処理されているので、液晶分子は、STN
(Super Twisted Nematic )モードと同じ配向状態を有
している。
となる1.8V以上の電圧が印加されることにより、液
晶分子は、OCBモードに類似した配向状態になる。こ
のために、上記のように高速な応答性が得られる。
合でも、液晶分子は、ねじれた状態を保っているため、
OCBモードのようにスプレイ配向からベンド配向への
転移のような不連続な相転移を生じない。したがって、
電圧の印加を開始した直後から、画像の表示が可能とな
る。
に液晶分子がねじれた配向状態となっているので、図5
に示すように、偏光板39・40を、その偏光軸が直交
するように(クロスニコル)配置せず、平行になるよう
に(パラニコル)配置することもできる。この場合に
は、ノーマリブラック、すなわち印加電圧が低いほど輝
度が低くなる表示が行われる。ただし、偏光軸が直交す
る場合と平行に成る場合とでは、適正な位相補償板43
の位相差の値は異なるので、それぞれの配置に適した位
相差を選択する必要がある。
の構成で、主として液晶分子のねじれ角ωが異なる液晶
表示装置の例を説明する。
態7の液晶表示装置と同様の構成を有する7個の液晶表
示装置B1〜B7を作製した。
ティック液晶ZLI−2293(NI点=85度、Δn
=0.140)が用いられるとともに、カイラルピッチ
が10μmとなるように、左旋回カイラル剤としてのコ
レステリールノナノエートが、添加されている。
いる。
けられていない。
ように設定されている。
7の電圧−透過率特性を示す。
応答性について、以下の実験を行った。具体的には、下
記(表4)に示すように、各液晶表示装置B1〜B7に
対応させて、印加電圧V1、およびV2を設定し、それ
ぞれ対応するV1からV2に変化させたときと、各V2
からV1に変化させたときとの応答時間を測定し、これ
ら2つの応答時間を合計した。その結果を上記(表3)
に併せて示す。
200°のねじれ角ωの範囲で、それぞれ透過率が極大
値となる電圧以上の電圧を印加することにより、高速な
応答性が得られる。この範囲では、液晶分子の動きが電
圧の印加によって発生するバックフローに妨げられる程
度が少なく、OCBモードと同等の高速応答特性が得ら
れる。
が設けられていないが、各液晶表示装置に適した位相補
償板43を貼り合わせることにより、より高コントラス
トな画像が表示されるようにできる。
加時の液晶セル38の位相差Δndを最適化することに
より調整が可能である。
37の層厚の2倍としたが、1倍〜3倍が適当である。
なぜならば、カイラルピッチが上記層厚よりも小さい場
合には、捻れ角ωが所望の値よりも180度大きくなっ
てしまう一方、上記層厚の3倍よりも大きい場合には、
配向状態が不安定になることがあるからである。
定することにより、スプレイ配向とベンド配向との間の
転移が、連続的かつ可逆的に行われるOCBモードの液
晶表示装置の例を説明する。
同様にOCBモードの液晶表示装置であるが、配向膜3
2・35の配向方向、すなわち液晶分子のねじれ角ω
が、図8に示すように、10°である点が異なる。
記実施の形態7と同じ方法により作製される。
ゴム(株)製のプレイミドタイプのポリイミド配向膜塗
料AL−5062が用いられている。
方向にラビングされることにより、ねじれ角ωが10°
になるように配向処理が施されている。
7μmになるように貼り合わされている。
チッソ(株)製の正のネマティック液晶LIXON−5
052(NI点=104度、Δn=0.102)が用い
られている。
が貼り合わされた、正面位相差が45nmの位相補償板
43が、図8に示すように、貼り合わされている。
表示装置に、定法に従い、周波数が30Hzの矩形波を
印加して、電圧−透過率特性を測定した結果を示す。電
圧無印加状態では液晶分子はスプレイ配向を示している
が、約2.3V付近でベンド配向に転移した。この時の
液晶配向の変化は連続的かつ可逆的であり、確実に、か
つスムーズにベンド配向の状態が得られることが確認さ
れた。
表示を行う場合のコントラスト比は315:1であっ
た。
変化させたときと、その逆に変化させたときとの応答時
間の合計は、22msecであった。これにより、階調
間駆動、すなわち輝度の差が小さいような中間調の間の
変化において、高速な応答性が得られることが確認され
た。また、更に大きな駆動電圧振幅で駆動した場合に
は、より高速な応答が観察された。
は、OCBモードにおいて、液晶配向に捻り力を付与し
たものであり、これによりスプレイ配向からベンド配向
へ確実に、かつ再現よく転移が可能となり、その実用的
価値は極めて高い。
は透過型の何れの液晶表示装置にも適用することができ
る。反射型の液晶表示装置に適用する場合、基板にシリ
コン基板や、アルミニウムなどの金属基板などの反射性
基板を用いたり、画素電極、または対向電極の何れか一
方に反射性金属膜を用いたりしてもよい。
は、パッシブマトリクッス型の液晶表示装置にも適用で
きるが、一方の基板にTFT(Thin Film Transistor)
や、MIM(Metal Insulated Metal)などのアクティ
ブ素子が設けられた、アクティブマトリック型液晶表示
装置に用いるようにしてもよい。このようにすれば、よ
り高品位の表示が得られる。
は黒画素になるノーマリーホワイトまたはノーマリーブ
ラックモードの液晶表示装置など、種々の方式の液晶表
示装置に適用可能である。
ず種々のものを用いてもよい。例えば、透明基板にプラ
スチック基板を用いたりしてもよいし、配向膜材料も、
上記のものに限らず、他の材料も適用できる。また、カ
イラル剤として左旋回のコレステリールノナノエートが
使用されたが、他の種々の、左あるいは右旋回のカイラ
ル剤が使用されてもよい。
は、上記のものに限らず、液晶の材料や光学的設計条件
等に応じて、種々に設定すればよい。特に、プレチルト
角に関しては、視野角の対称性の点からは、液晶セルの
両側の配向膜のプレチルト角が等しくなるように設定す
ることが好ましいが、多少異ならせることにより、液晶
分子の配向が変化しやすいようにしてもよい。
償板が、液晶セルの1面側だけに設けられているが、両
面側にそれぞれ(合計2枚)配置するようにしてもよ
い。
ベンド配向を形成させることにより、光の透過率を変化
させて表示を行う液晶表示装置において、画素電極およ
び対向電極の少なくとも一方の表面に、その周囲よりも
大きなプレチルト角を液晶分子に与えるように配向処理
された高プレチルト角領域を有していることにより、低
い電気エネルギでも、スプレイ配向からベンド配向への
転移が、迅速、かつ確実に行われる。また、液晶が、カ
イラル剤を含むことによって、やはり上記転移が容易に
行われるという効果を奏する。
0°以上200°以下であり、液晶表示装置の駆動電圧
−透過率特性における透過率の極値を与える電圧よりも
高い駆動電圧が、画素電極と対向電極との間に印加され
ることによって、ベンド配向を形成せずに、ベンド配向
が形成された場合と同様の高速な応答性を有する液晶表
示装置を得ることができるという効果を奏する。
縦断面図
面図
面図
面図
置方向を示す説明図
性を示すグラフ
性を示すグラフ
置方向を示す説明図
性を示すグラフ
図
Claims (21)
- 【請求項1】画素電極と、対向電極と、これらの電極の
間に設けられた液晶とを有し、 上記画素電極および対向電極のそれぞれの表面が、その
表面付近の液晶分子に所定のプレチルト角を与えるよう
に配向処理され、上記液晶にベンド配向を形成させるこ
とにより、光の透過率を変化させて表示を行う液晶表示
装置において、 上記画素電極または対向電極の少なくとも一方の表面
に、その周囲よりも大きなプレチルト角を液晶分子に与
えるような高プレチルト角領域が形成されていることを
特徴とする液晶表示装置。 - 【請求項2】請求項1の液晶表示装置であって、 上記高プレチルト角領域は、その周囲よりも10°以上
大きなプレチルト角を液晶分子に与えることを特徴とす
る液晶表示装置。 - 【請求項3】請求項1の液晶表示装置であって、 上記高プレチルト角領域は、15°以上のプレチルト角
を液晶分子に与えることを特徴とする液晶表示装置。 - 【請求項4】請求項3の液晶表示装置であって、 上記高プレチルト角領域は、70°以上のプレチルト角
を液晶分子に与えることを特徴とする液晶表示装置。 - 【請求項5】請求項1の液晶表示装置であって、 複数の上記画素電極を有し、 上記高プレチルト角領域は、各画素電極に対して少なく
とも1つ形成されていることを特徴とする液晶表示装
置。 - 【請求項6】請求項1の液晶表示装置であって、 上記高プレチルト角領域は、その周囲よりも大きなプレ
チルト角を液晶分子に与える配向膜材料を含むことを特
徴とする液晶表示装置。 - 【請求項7】請求項1の液晶表示装置であって、 上記高プレチルト角領域には、その周囲よりも大きなプ
レチルト角を液晶分子に与える突起が形成されているこ
とを特徴とする液晶表示装置。 - 【請求項8】請求項1の液晶表示装置であって、 前記液晶が、カイラル剤を含むことを特徴とする液晶表
示装置。 - 【請求項9】画素電極と、対向電極と、これらの電極の
間に設けられた液晶とを有し、 上記液晶にベンド配向を形成させることにより、光の透
過率を変化させて表示を行う液晶表示装置の製造方法に
おいて、 上記画素電極または対向電極の表面付近の液晶分子に第
1のプレチルト角を与える第1の配向膜材料と、上記第
1のプレチルト角よりも大きな第2のプレチルト角を与
える第2の配向膜材料との混合物を含む膜を、上記画素
電極または対向電極の少なくとも一方の表面に形成する
工程と、 上記膜中の第1の配向膜材料と第2の配向膜材料とを相
分離させる工程とを有することを特徴とする液晶表示装
置の製造方法。 - 【請求項10】画素電極と、対向電極と、これらの電極
の間に設けられた液晶とを有し、 上記液晶にベンド配向を形成させることにより、光の透
過率を変化させて表示を行う液晶表示装置の製造方法に
おいて、 上記画素電極または対向電極の表面付近の液晶分子に第
1のプレチルト角を与える第1の配向膜材料を含む配向
膜を、上記画素電極または対向電極の少なくとも一方の
表面に形成する工程と、 上記第1の配向膜材料を含む配向膜の上に、部分的に、
上記第1のプレチルト角よりも大きな第2のプレチルト
角を与える第2の配向膜材料を含む配向膜を形成する工
程とを有することを特徴とする液晶表示装置の製造方
法。 - 【請求項11】画素電極と、対向電極と、これらの電極
の間に設けられた液晶と、位相補償層とを有し、 上記液晶にベンド配向を形成させることにより、光の透
過率を変化させて表示を行う液晶表示装置において、 前記液晶が、カイラル剤を含むことを特徴とする液晶表
示装置。 - 【請求項12】請求項11の液晶表示装置であって、 上記カイラル剤は、上記液晶に、5μm以上、100μ
m以下のカイラルピッチを与えることを特徴とする液晶
表示装置。 - 【請求項13】請求項11の液晶表示装置であって、 上記カイラル剤は、上記液晶に、7μm以上、40μm
以下のカイラルピッチを与えることを特徴とする液晶表
示装置。 - 【請求項14】画素電極が形成された第1の基板と、 対向電極が形成され、上記第1の基板に対向して配置さ
れた第2の基板と、 上記第1の基板と第2の基板との間に設けられた液晶
と、 上記第1の基板、および第2の基板の外側に配置され、
偏光軸が互いに直交する第1の偏光素子、および第2の
偏光素子と、 上記画素電極と上記対向電極との間に駆動電圧を印加す
る駆動回路とを有する液晶表示装置において、 上記液晶中の液晶分子のねじれ角が160°以上200
°以下であり、 上記駆動回路は、液晶表示装置の駆動電圧−透過率特性
における透過率の極大値を与える最も高い電圧よりも高
い駆動電圧を、上記画素電極と上記対向電極との間に印
加するように構成されていることを特徴とする液晶表示
装置。 - 【請求項15】画素電極が形成された第1の基板と、 対向電極が形成され、上記第1の基板に対向して配置さ
れた第2の基板と、 上記第1の基板と第2の基板との間に設けられた液晶
と、 上記第1の基板、および第2の基板の外側に配置され、
偏光軸が互いに平行な第1の偏光素子、および第2の偏
光素子と、 上記画素電極と上記対向電極との間に駆動電圧を印加す
る駆動回路とを有する液晶表示装置において、 上記液晶中の液晶分子のねじれ角が160°以上200
°以下であり、 上記駆動回路は、液晶表示装置の駆動電圧−透過率特性
における透過率の極小値を与える最も高い電圧よりも高
い駆動電圧を、上記画素電極と上記対向電極との間に印
加するように構成されていることを特徴とする液晶表示
装置。 - 【請求項16】請求項14、または請求項15の何れか
の液晶表示装置であって、 さらに、上記第1の基板と第1の偏光素子との間、また
は上記第2の基板と第2の偏光素子との間の少なくとも
何れか一方に、位相補償層を有することを特徴とする液
晶表示装置。 - 【請求項17】請求項16の液晶表示装置であって、 上記位相補償層は、2軸性位相補償フィルムであること
を特徴とする液晶表示装置。 - 【請求項18】請求項16の液晶表示装置であって、 上記位相補償層は、2軸性位相補償フィルムと1軸性位
相補償フィルムとの積層体であることを特徴とする液晶
表示装置。 - 【請求項19】請求項14、または請求項15の何れか
の液晶表示装置であって、 上記液晶のカイラルピッチが、液晶の厚さの1倍以上3
倍以下であることを特徴とする液晶表示装置。 - 【請求項20】請求項1ないし請求項8、または請求項
11ないし請求項19の液晶表示装置であって、 前記液晶の出射光側に、反射板が設けられたことを特徴
とする液晶表示装置。 - 【請求項21】請求項1ないし請求項8、または請求項
11ないし請求項19の液晶表示装置であって、 さらに、前記画素電極に接続されたアクティブ素子を有
することを特徴とする液晶表示装置。
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