JP2001289310A - 樹脂製歯車及びその製造法、樹脂製歯車のためのリング状補強基材の製造法 - Google Patents

樹脂製歯車及びその製造法、樹脂製歯車のためのリング状補強基材の製造法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】歯部構成体用のリング状補強基材で金属製ブッ
シュの回り止め部材を挟み込んで成形し、歯部構成体と
金属製ブッシュとを直接結合した樹脂製歯車を対象とす
る。歯部構成体と金属製ブッシュの結合強度を大きく
し、また、前記成形を実施するときの作業性(リング状
補強基材の位置不安定性)を改善する。 【解決手段】筒状織布11を両端部から軸方向に巻き上
げて二段重ねの輪にしたものをリング状補強基材12と
する。二段重ねの輪は、輪の内周側又は外周側において
筒状織布11の布地で連結される。この二段重ねの輪の
間に、金属製ブッシュの回り止め部材を上下から挟んだ
状態とする。この状態の樹脂含浸リング状補強基材の成
形品を歯部構成体とし、歯部構成体と金属製ブッシュと
を一体に成形してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂含浸リング状
補強基材の成形品を歯部構成体とし、歯部構成体の中心
に金属製ブッシュをインサート成形してなる樹脂製歯車
及びその製造法、さらには、樹脂製歯車のためのリング
状補強基材の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】上記樹脂製歯車は、図4に示したような
構造が代表的である。連続したシート状の織布に熱硬化
性樹脂を含浸してこれを端縁より棒状に巻き、さらに輪
にしたリング状補強基材を歯部構成体1としている。ま
た、熱硬化性樹脂を含浸した織布の細片(0.7〜2cm
角)を固めて、歯部構成体1の内側に位置するウェブ2
としている。リング状補強基材とその内側に充填した前
記織布の細片は、中央に配置した金属製ブッシュ3をイ
ンサートとして加熱加圧成形により一体化され、成形後
に切削加工により歯部構成体1に歯が切られる。歯部構
成体1のためのシート状の織布としては、綿布やアラミ
ド繊維織布が用いられている。これにフェノール樹脂等
の熱硬化性樹脂を含浸する。また、ウェブ2を構成する
細片としては、綿布やガラス織布が用いられる。これ
は、熱硬化性樹脂を含浸した綿布やガラス織布を裁断し
て、0.7〜2cm角の細片としたものである。金属製ブ
ッシュ3の周面には径方向へ突出した回り止め部材4が
配置されている。ウェブ2を構成する材料は独立した細
片であること、成形時に加圧されることから、この細片
は成形時に流動して回り止め部材4の周辺に十分に充填
される。これによって、ウェブ2と金属製ブッシュ3と
は強固に結合されている。
【0003】歯車の径が十分に大きいときは、上記のよ
うに歯部と金属製ブッシュの間をウェブで連結し、ウェ
ブを構成する材料に金属製ブッシュとの結合強度を大き
くできる材料を選ぶことができる。しかし、歯車の径が
小さくなると、ウェブを配置する余地がなくなり、歯部
構成体と金属製ブッシュとを直接結合しなければならな
くなる。しかし、歯部構成体のリング状補強基材は、歯
の強度を確保する目的で連続した織布からなるので、成
形時の流動が少ない。リング状補強基材が回り止め部材
の周辺に十分に充填されることを期待できず、リング状
補強基材を成形した歯部構成体と金属製ブッシュの結合
強度を確保しにくくなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特に、リング状補強基
材に成形金型内で液状樹脂を含浸する注入成形によって
歯部構成体と金属製ブッシュとを直接結合する場合、以
下の理由で、上記結合強度の確保を一層しにくくなる。
注入成形では、成形金型に投入したリング状補強基材の
中央に金属製ブッシュを配置して成形金型を閉じ、リン
グ状補強基材を圧縮する。この状態で成形金型に液状の
熱硬化性樹脂を注入しリング状補強基材に含浸して硬化
を待つ。リング状補強基材は成形金型を閉じたときの圧
力で変形し、多少径方向に広がる。この時金属製ブッシ
ュの回り止め先端がリング状補強基材に食い込むだけで
あり、その後の液状樹脂の注入ならびに硬化時にリング
状補強基材が流動して前記食い込みが促進されることは
殆どない。このようなことから、リング状補強基材を成
形した歯部構成体と金属製ブッシュの結合強度を確保し
にくくなるのである。
【0005】そこで、図3に示すように、回り止め部材
4を一対のリング状補強基材12で上下から挟み込んだ
状態にし、成形金型13を閉じたときに金属製ブッシュ
3の厚さ方向に加えられる圧力で回り止め部材4をリン
グ状補強基材12に十分に食い込ませ、この状態で注入
成形をすることにより、歯部構成体と金属製ブッシュの
結合強度を確保することが考えられる。しかし、一対の
リング状補強基材12は独立した別個のものであり、金
型にまず一方のリング状補強基材12を収容しその上に
金属製ブッシュ3をのせ、さらにもう一方のリング状補
強基材12をのせて、一対のリング状補強基材で回り止
め部材4を挟み込む作業が必要であり、この一連の作業
性はよくない。また、前記挟み込む作業の際、一対のリ
ング状補強基材12は二段重ねの接合面が露出し無防備
な状態となっている。成形に際しては、鋳バリが発生
し、また、成形品の離型を助けるために離型剤を使用す
るが、これら鋳バリや離型剤が作業者の手袋や自動挿入
ワークハンドを介在して、前記露出した二段重ねの接合
面に混入する心配がある。リング状補強基材の静電気に
よる吸引力が作用して、露出した二段重ねの接合面に周
辺のほこりや鋳バリを吸着する心配もある。これらのこ
とが実際に起こると、二段重ねのリング状補強基材間の
接合力を低下させる原因となり、金属製ブッシュとの接
合力低下にもつながる。
【0006】本発明は、リング状補強基材で金属製ブッ
シュの回り止め部材を挟み込んだ状態で成形し、歯部構
成体と金属製ブッシュとを直接結合した樹脂製歯車を対
象としている。本発明が解決しようとする課題は、前記
成形を実施するときの作業性(リング状補強基材の位置
不安定性)を改善することである。さらには、歯部構成
体と金属製ブッシュの結合強度の信頼性を高めることで
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る樹脂製歯車は、筒状織布をその両端部
から軸方向に巻き上げた構成の二段重ねの輪をリング状
補強基材にする。従って、二段重ねの輪は、輪の内周側
又は外周側において筒状織布の布地で連結されており、
取扱いが容易となっている。その二段重ねの輪の間に、
金属製ブッシュ周面に径方向へ突出するように配置した
回り止め部材を上下(金属製ブッシュ厚さ方向)から挟
んだ状態にしている。二段重ねの輪は連結されているの
で、この状態の位置安定性はよい。当該状態の樹脂含浸
リング状補強基材の成形品を歯部構成体とし、歯部構成
体と金属製ブッシュとが一体になっていることを特徴と
する。
【0008】このような樹脂製歯車の製造は、次のよう
に行なう。筒状織布を両端部から軸方向に巻き上げて二
段重ねの輪にしたリング状補強基材を用意する。また、
径方向へ突出した回り止め部材を周面に備えた金属製ブ
ッシュを用意する。このリング状補強基材と金属製ブッ
シュとを、リング状補強基材が金属製ブッシュの周囲に
位置する関係で成形金型に収容し、成形金型を閉じる力
でリング状補強基材を金属製ブッシュ厚さ方向に加圧す
る。そして、成形金型に注入した液状樹脂をリング状補
強基材に含浸して加熱成形し、樹脂含浸リング状補強基
材の成形品を歯部構成体とする樹脂製歯車を製造する。
上記のような成形を実施するに当たり、リング状補強基
材を構成する二段重ねの輪の間に金属製ブッシュの回り
止め部材を上下(金属製ブッシュ厚さ方向)から挟み込
み、この状態で注入成形を実施することを特徴とする。
二段重ねの輪は、輪の内周側又は外周側において筒状織
布の布地で連結されているので、金属製ブッシュの回り
止め部材を挟み込んだときの位置安定性がよい。二段重
ねの輪が輪の内周側において筒状織布の布地で連結され
ている場合、回り止め部材の箇所では連結の布地を外側
へ突出変形させて、回り止め部材を二段重ねの輪の間に
挟み込む。又は、連結の布地を貫通して回り止め部材を
二段重ねの輪の間に突出させ挟み込む。二段重ねの輪が
輪の外周側において筒状織布の布地で連結されている場
合は、連結の布地が障害となることはなく、回り止め部
材を二段重ねの輪の間に問題なく挟み込むことができ
る。そして、この場合、連結の布地が二段重ねの輪の外
周を覆う構成となるので、成形に際して二段重ねの輪の
接合面に鋳バリ等の異物が混入するのを阻止することが
できる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明を実施するに当り、リング
状補強基材の製作は次のように行なう。図1に示すよう
に、筒状織布11を両端部から軸方向に巻き上げて二段
重ねの輪にしたリング状補強基材12とする。図1
(b)は、筒状織布11を筒の外周側に輪ができるよう
に両端から巻き上げたものである。二段重ねの輪は、輪
の内周側において筒状織布の布地で連結される。一方、
図1(c)は、二段重ねの輪が輪の外周側において筒状
織布の布地で連結されたリング状補強基材12である。
このようなリング状補強基材12は、筒状織布11を筒
の内周側に輪ができるように両端から巻き上げることに
より構成できるが、内周側に巻き上げる作業は難しい。
そこで、一旦、図1(b)に示したリング状補強基材1
2を作製し、これを裏返して内周側と外周側を反転させ
れば、図1(c)に示した構成のリング状補強基材12
を容易に製作することができる。
【0010】上記の巻き上げや反転を容易にするために
は、筒状織布11に伸縮性を持たせるとよい。伸縮性を
持たせることにより、巻き上げや反転が容易になるばか
りでなく、二段重ねの輪の間に金属製ブッシュの回り止
めを挟み込む作業も容易に行なえるようになる。伸縮性
は、筒状織布をニット編みにより製作すれば容易に付与
できる。本発明において、筒状織布とは、厳密に筒状に
織ったもののほか筒状に編んだものもその概念に含む。
【0011】上記のようなリング状補強基材を用い、図
2に示すように、リング状補強基材の二段重ねの輪が回
り止め部材4を金属製ブッシュ3厚さ方向両側から挟
み、樹脂含浸リング状補強基材を成形した歯部構成体1
とインサート成形した金属製ブッシュ3とが一体となっ
た樹脂製歯車とする。
【0012】注入成形は次のように行なう。図3におい
て説明したように、径方向へ突出した回り止め部材4を
周面に配した金属製ブッシュ3とリング状補強基材12
とを成形金型13に収容する。リング状補強基材12
は、中央に配置した金属製ブッシュ3の周囲に配置する
が、リング状補強基材12を構成する二段重ねの輪が回
り止め部材4を上下から挟むようにする。すなわち、リ
ング状補強基材12の内径を、回り止め部材4を含む金
属製ブッシュ3の外径より小さく設定する。図1(b)
に示したリング状補強基材12を用いる場合は、二段重
ねの輪を連結している布地を回り止め部材4の箇所で外
側へ突出変形させて、回り止め部材4を二段重ねの輪の
間に挟み込む。又は、連結の布地を貫通して回り止め部
材4を二段重ねの輪の間に突出させ挟み込んでもよい。
前記貫通の穴は、筒状織布を織ったり編む段階で形成す
ることもできるし、筒状織布を製作した後で所定箇所を
切除・裁断してあけることもできる。図1(c)に示し
たリング状補強基材12を用いる場合は、何等作業を施
すことなく二段重ねの輪の間にそのまま回り止め部材4
を挟み込むことができる。いずれの場合も、二段重ねの
輪が筒状織布の布地で連結されているので、リング状補
強基材12は金属製ブッシュ3に確実に保持・位置決め
される。その結果、二段重ねの輪による回り止め部材4
の挟み込みも確実になる。
【0013】上記のようにリング状補強基材12と金属
製ブッシュ3を成形金型13に位置決めして型締めし、
その圧力でリング状補強基材12を変形させて回り止め
部材4をリング状補強基材12に食い込ませる。あるい
は、リング状補強基材12を回り止め部材4の周囲に回
り込ませる。リング状補強基材12に伸縮性を持たせて
おくと、前記回り止め部材4の食い込みあるいはリング
状補強基材12の回り込みを良好に行なうことができ
る。そして、減圧状態にした金型内に液状樹脂(架橋ポ
リアミノアミド、エポキシ樹脂やポリイミド)を注入
し、リング状補強基材に含浸させて加熱成形する。図2
は、成形した結果を示す断面図である。金属製ブッシュ
3の回り止め部材4は、リング状補強基材が成形された
歯部構成体1に確実に食い込んでいる。
【0014】回り止め部材4を、先端が大きく基部が小
さいアンダーカット形状にしておくと、歯部構成体と金
属製ブッシュとの結合強度をより大きくできるので好都
合である。上記の例では、一つのリング状補強基材12
を使用している。歯車の厚さを厚くする等の都合で、リ
ング状補強基材12を二つ以上重ねるときには、回り止
め部材4を金属製ブッシュ3の周面に複数列配置する。
そして、各回り止め部材を各リング状補強基材の二段重
ねの輪で挟むようにする。
【0015】
【実施例】実施例1 ニット編みした筒状のアラミド繊維織布を両端部から軸
方向に巻き上げ、図1(c)に示したリング状補強基材
とした。このリング状補強基材を一つ用い、上記発明の
実施の形態で説明した方法により成形を行なった。リン
グ状補強基材への樹脂含浸は、減圧状態にした成形金型
に架橋ポリアミノアミドを注入して行なった。成形体の
寸法は、外径80mm,厚さ10mmである。
【0016】実施例2 実施例1において、平織りした筒状のアラミド繊維織布
を用いる以外は、実施例1と同様にして成形した。平織
りの織布は伸縮性に乏しいので、リング状補強基材の二
段重ねの輪の間に金属製ブッシュの回り止め部材を挟み
込む作業が多少手間取ることになる。
【0017】比較例1 ニット編みした筒状のアラミド繊維織布を一方の端部か
ら軸方向に巻き上げ、リング状補強基材とした。このリ
ング状補強基材を二つ用いて二段重ねにし、その間に金
属製ブッシュの回り止め部材を挟み込んだ。そのほかは
実施例1と同様にして成形した。
【0018】比較例2 比較例1において、平織りした筒状のアラミド繊維織布
を用いる以外は、比較例1と同様にして成形した。
【0019】上記の各例の樹脂製歯車は、歯部構成体に
切削加工により歯を形成した。表1には、歯部構成体と
金属製ブッシュ間の破壊強度を測定した結果を示した。
測定方法は、固定された鋼製の相手歯車に樹脂製歯車を
噛み合わせ、樹脂製歯車の回転軸を捻じって、歯部構成
体と金属製ブッシュの間の破壊強度を測定するものであ
る。破壊強度は歯部構成体にクラックが発生する時点の
大きさとし、それぞれ2個の樹脂製歯車の測定値を示し
た。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】上述のように、本発明に係る樹脂製歯車
は、リング状補強基材を構成する二段重ねの輪の一安定
性がよく、二段重ねの輪の間に金属製ブッシュの回り止
め部材を確実に挟み込んで、樹脂含浸リング状補強基材
を成形した歯部構成体と金属製ブッシュの大きな結合強
度を確保することができる。リング状補強基材に伸縮性
を持たせた場合(実施例1)は、回り止め部材のリング
状補強基材への食い込みが良好になり、さらに大きな結
合強度を確保することができる。本発明に係る方法によ
れば、成形に際し、リング状補強基材を構成する二段重
ねの輪の間に金属製ブッシュの回り止め部材を挟み込ん
だ状態を保つ位置決め安定性が良好であり、作業性も改
善される。さらに、リング状補強基材を構成する二段重
ねの輪が、輪の外周側において筒状織布の布地で連結さ
れた構成とした場合は、成形時に二段重ねの輪の接合面
に異物が混入するのを阻止できるので、接合強度の信頼
性も高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る樹脂製歯車の歯部構成体に使用す
るリング状補強基材と、これを準備する工程を示す説明
図である。
【図2】本発明に係る樹脂製歯車の断面図である。
【図3】本発明が対象とする樹脂製歯車を成形する様子
を示す断面説明図である。
【図4】従来の樹脂製歯車を示す断面説明図である。
【符号の説明】
1は歯部構成体 2はウェブ 3は金属製ブッシュ 4は回り止め部材 11は筒状織布 12はリング状補強基材 13は成形金型
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 105:08 B29K 105:22 105:22 B29C 67/14 X Fターム(参考) 3J030 AC03 AC10 BB02 BC02 BC08 BD04 4F205 AA30 AA36 AA39 AA40 AD03 AD12 AD16 AD19 AG13 AH12 HA06 HA08 HA25 HA33 HA35 HA38 HA40 HA44 HA47 HB01 HB11 HC05 HC14 HF01 HF23 HF30 HG04 HK03 HK04 HK05 HK17 HM06 HT08 HT22 HT27 4F213 AA36 AD03 AD12 AD16 AD35 AH12 WA16 WA53 WA57 WA87 WB01 WB11 WC01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂含浸リング状補強基材の成形品を歯部
    構成体とし、歯部構成体の中心に金属製ブッシュをイン
    サート成形してなる樹脂製歯車において、 前記リング状補強基材は、筒状織布をその両端部から軸
    方向に巻き上げて二段重ねの輪にしたものであり、 前記金属製ブッシュは、その周面に径方向へ突出した回
    り止め部材を備えたものであり、 前記リング状補強基材は、その二段重ねの輪の間に前記
    回り止め部材を金属製ブッシュ厚さ方向両側から挟み込
    んだ状態で位置し、 前記状態で、リング状補強基材を成形した歯部構成体と
    金属製ブッシュとが一体になっていることを特徴とする
    樹脂製歯車。
  2. 【請求項2】リング状補強基材は、二段重ねの輪が輪の
    外周側において筒状織布の布地で連結されたものである
    請求項1記載の樹脂製歯車。
  3. 【請求項3】リング状補強基材は、二段重ねの輪が輪の
    内周側において筒状織布の布地で連結されたものであ
    り、回り止め部材は前記連結の布地を変形させて又は貫
    通して二段重ねの輪の間に突出している請求項1記載の
    樹脂製歯車。
  4. 【請求項4】筒状織布が伸縮性を有したものである請求
    項1〜3のいずれかに記載の樹脂製歯車。
  5. 【請求項5】筒状織布を筒の外周側に輪ができるように
    両端部から軸方向に巻き上げて二段重ねの輪としたリン
    グ状補強基材を製造し、前記リング状補強基材を裏返し
    て内周側と外周側とを反転し、二段重ねの輪が輪の外周
    側において筒状織布の布地により連結された構成とする
    ことを特徴とする樹脂製歯車のためのリング状補強基材
    の製造法。
  6. 【請求項6】リング状補強基材と、径方向へ突出した回
    り止め部材を周面に備えた金属製ブッシュとを成形金型
    に投入し、成形金型を閉じることにより、前記金属製ブ
    ッシュ周囲に配置したリング状補強基材を金属製ブッシ
    ュ厚さ方向に加圧し、成形金型に注入した液状樹脂をリ
    ング状補強基材に含浸し加熱成形して、樹脂含浸リング
    状補強基材の成形品を歯部構成体とする樹脂製歯車を製
    造するに当たり、 リング状補強基材として、筒状織布を両端部から軸方向
    に巻き上げて二段重ねの輪にしたものを用い、 前記リング状補強基材の二段重ねの輪の間に前記回り止
    め部材を金属製ブッシュ厚さ方向両側から挟むようにし
    て、成形を行なうことを特徴とする樹脂製歯車の製造
    法。
  7. 【請求項7】筒状織布が伸縮性を有することを特徴とす
    る請求項6記載の樹脂製歯車の製造法。
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