JP5427543B2 - 円筒状部材の接合方法、円筒状成形体の成形方法および成形体 - Google Patents
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Description
この真空注入成形法については、例えば特許文献3にその基本的な技術が開示されており、これは、成形型に繊維レイアップ層を配置し、この上に樹脂分配用の注入管を配設してバッグフィルムで包被するとともに、その周囲をシールして、真空吸引されたバッグフィルム内に樹脂を注入することにより成形品とする成形法であり、これに類するものとして、成形型の上に、強化繊維基材を配置し、適宜離型材を介して樹脂拡散材を設け、これをバッグフィルムで覆い、シールしてバッグフィルムで覆われた内部を真空減圧状態としてバッグフィルム内に樹脂を注入することにより成形品とする成形法がある(例えば、特許文献4、5参照)。
強化繊維基材を、突き合わせた略円筒状部材の端面の接合部の外周縁面に沿い、該円筒状部材相互の外周面に跨って配設する工程と、
前記強化繊維基材をバッグフィルムにより被覆して前記外周面に密封する工程と、
前記外周面と密封材との間を減圧し、流動性樹脂を吸引注入する工程と、
注入した該樹脂を硬化或いは固化させる工程とを含み、
前記強化繊維基材は、前記接合部の外周縁面に沿って周方向および横方向に位置をずらしながら配設される複数枚のシート状物であり、周方向の一端を接着させ、周方向の他端を、隣り合う他のシート状物の外面に重なり合うように配設して、接合部の周方向に沿って重ね張りされることを特徴とする円筒状部材の接合方法が提供される。
前記強化繊維基材をバッグフィルムにより被覆して前記外周面に密封する工程と、
前記外周面と密封材との間を減圧し、流動性樹脂を吸引注入する工程と、
注入した該樹脂を硬化或いは固化させる工程とを含み、
前記強化繊維基材は、前記接合部の外周縁面に沿って周方向および横方向に位置をずらしながら配設される複数枚のシート状物であり、周方向の一端を接着させ、周方向の他端を、隣り合う他のシート状物の外面に重なり合うように配設して、接合部の周方向に沿って重ね張りされることを特徴とする円筒状成形体の成形方法が提供される。
前記強化繊維基材をバッグフィルムにより被覆して前記外周面に密封する工程と、
前記外周面と密封材との間を減圧し、流動性樹脂を吸引注入する工程と、
注入した該樹脂を硬化或いは固化させる工程とを含み、
前記強化繊維基材は、前記接合部の外周縁面に沿って周方向および横方向に位置をずらしながら配設される複数枚のシート状物であり、周方向の一端を接着させ、周方向の他端を、隣り合う他のシート状物の外面に重なり合うように配設して、接合部の周方向に沿って重ね張りされ、
前記円筒状部材は、前記端面に対し交差する方向を回転軸として回転可能に設けられることを特徴とする円筒状成形体の成形方法が提供される。
また、本発明の第10の発明によれば、強化繊維基材を、突き合わせた略円筒状部材の端面の接合部の外周縁面に沿い、該円筒状部材相互の外周面に跨って配設する工程と、
前記強化繊維基材をバッグフィルムにより被覆して前記外周面に密封する工程と、
前記外周面と密封材との間を減圧し、流動性樹脂を吸引注入する工程と、
注入した該樹脂を硬化或いは固化させる工程とを含み、
前記強化繊維基材は、前記接合部の外周縁面に沿って周方向に位置をずらしながら配設される複数種類の幅寸法を有する複数枚のシート状物であり、周方向の一端を接着させ、周方向の他端を、隣り合う他のシート状物の外面に重なり合うように配設して、接合部の周方向に沿って重ね張りされ、
前記円筒状部材は、前記端面に対し交差する方向を回転軸として回転可能に設けられることを特徴とする円筒状成形体の成形方法が提供される。
そして、本発明の接合方法において、前記強化繊維基材は、前記接合部の外周縁面に沿って配設される複数枚のシート状物であり、周方向の一端を接着させ、周方向の他端を、隣り合う他のシート状物の外面に重なり合うように配設して、接合部の周方向に沿って重ね張りされるように略風車状に配設される。
強化繊維基材としては、所定の長さにカットされたシート状物等が挙げられ、シート状物は、上記円筒状部材の外周面に直接に巻回されるバインダーを介在してなる形態のものであってもよい。
シート状物の配設は、周方向および横方向に位置をずらしながら行われるか、或いは複数枚のシート状物として複数種類の幅寸法を有するもの(好ましくは幅が少しずつ異なるもの)が用いられる場合、周方向に位置をずらしながら行われ、好ましくはいずれも図7,8に示されるように両端面がなだらかになるように積層され、全体として央部に必要幅が確保され、両端部側に向かって徐々に減肉していくように配設される。
シート状物のサイズとしては例えば上記円筒状部材相互の外周面における外周長を約2分割から6分割する長さに相当する大きさのものや、さらに高次に分割(例えば7〜16や、7〜50分割)して多重に重なり合うようにしたものなどが挙げられる。
樹脂拡散部材は注入樹脂の拡散を促進するものであり、注入樹脂を強化繊維基材に偏りなく含浸させるとともに、円筒状部材上の所望の範囲全体に注入樹脂を拡散させうるものであり、網状のシート材が好ましい。
樹脂拡散部材は強化繊維基材の種類、厚みなどの条件により、成形可能であれば使用しなくてもよい。
前記強化繊維基材をバッグフィルムにより被覆して前記外周面に密封する工程と、
前記外周面と密封材との間を減圧し、流動性樹脂を吸引注入する工程と、
注入した該樹脂を硬化或いは固化させる工程とを含み、
前記強化繊維基材は、前記接合部の外周縁面に沿って配設される複数枚のシート状物であり、周方向の一端を接着させ、周方向の他端を、隣り合う他のシート状物の外面に重なり合うように配設して、接合部の周方向に沿って重ね張りされることにより、円筒状成形体を成形することができ、シート状物の配設は前記接合方法と同様に行うなど、詳細な態様は前記接合方法と同様である。
このような成形方法において、上記円筒状部材は、前記端面に対し交差する方向を回転軸として回転可能に設けられてもよい。
また、成形体は多種多様の用途に用いうるが、好ましくは管継手等が挙げられる。
管継手としては、エルボ、チーズ、十字管又はレデューサ等が挙げられる。
図3において、2は円筒状部材1に配設される強化繊維基材であって、これは、内層基材21と外層基材22とからなり、内層基材21は、円筒状部材の外周面に直接に巻き付けられるバインダーであり、例えば、強化繊維材をチョップドストランドマット状の形態にステッチ加工を施したもので、シート状に形成された基材であるのが好ましい。このようなチョップドストランドマットのステッチ基材による内層基材21は、ステッチ糸の力により形状保持性を有し、円筒状部材の外周面に対する追従性に優れている。外層基材22は、内層基材21の外径側に重ねて配設される複数枚のシート状のものであって、強化繊維フィラメントを集束した繊維ストランドを引き揃えて形成したロービングを、横糸に用いて織物または不織布とされたシート状繊維基材であるのが好ましい。
このような強化繊維基材2のうち内層基材21を、まず、円筒状部材1の周面に沿わせて配設する。
重ね張りされる各外層基材22の周方向の一端側は、内層基材21に接着して固定するとともに、周方向の他端側は内層基材21に接着させずにおく。
具体的には、例えば、円筒状部材1の直径:500mm、必要積層枚数:10枚、強化繊維基材長さ:円周長の1/4の場合、円周長≒1570、強化繊維基材長さ=1570/4≒393、強化繊維基材端面ずらし代(ピッチ)=393/10=39.3となり、長さ393mmの強化繊維基材を39.3mmずつずらして貼り付けていき、全周で10×4=40枚貼り付けることになる。
また、略風車状に積層する方法として、所定の長さにカットされた同幅の強化繊維基材を円周方向にずらしながら積層すると、円筒管と積層部の両端部に厚み分の段差ができ、高圧力円筒管の場合、応力集中が懸念される。
それを回避する方法として、図7,8に示すように、幅の異なる強化繊維基材を順次積層することや、同幅の強化繊維基材を順次幅方向にずらしながら積層すると、幅方向の端部がなだらかな厚みになり、応力集中が回避される。
例えば、幅300mmで長さ500mmの強化繊維基材を10mm毎に左に順次5枚ずらして積層し、更に右に10mm毎10枚ずらして積層し、又、左に10mm毎ずらして積層し、所定厚みまで積層すると、トータル幅400mmで、左右50mm幅が順次厚みが減じ、なだらかな両端部になる。
更に、従来ハンドレイアップ成形法などで実施されているように、幅が順次異なる強化繊維基材を積層することも、インフュージョン成形においても有効である。
本実施例で説明するを成形方法は、前記実施例1と基本構成は同様であり、強化繊維基材2の外層基材22の配設形態に特徴を有するので、この外層基材22の配設形態について詳細に説明し、他の構成については上記実施例1と共通の符号を用いて説明を省略するものとする。
2 強化繊維基材
21 内層基材
22 外層基材
3 不織布
4 離型布
5 樹脂拡散部材
6 バッグフィルム
7 注入管
Claims (21)
- 略円筒状部材同士の端面を突き合わせて接合する円筒状部材の接合方法であって、
強化繊維基材を、突き合わせた略円筒状部材の端面の接合部の外周縁面に沿い、該円筒状部材相互の外周面に跨って配設する工程と、
前記強化繊維基材をバッグフィルムにより被覆して前記外周面に密封する工程と、
前記外周面と密封材との間を減圧し、流動性樹脂を吸引注入する工程と、
注入した該樹脂を硬化或いは固化させる工程とを含み、
前記強化繊維基材は、前記接合部の外周縁面に沿って周方向および横方向に位置をずらしながら配設される複数枚のシート状物であり、周方向の一端を接着させ、周方向の他端を、隣り合う他のシート状物の外面に重なり合うように配設して、接合部の周方向に沿って重ね張りされることを特徴とする円筒状部材の接合方法。 - 前記シート状物は、各シート状物の一端を、重なり合った他のシート状物の他端に対し、周方向の位置がずれるように配置されることを特徴とする請求項1に記載の接合方法。
- 前記シート状物は、その周方向の長さが所定長に揃えられていることを特徴とする請求項1または2に記載の接合方法。
- 前記シート状物は、その周方向の長さが接合部の外周長に対し約1/2〜1/16の範囲のものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の接合方法。
- 前記略円筒状部材の端面は斜め方向に切断され、端面を突き合わせて屈曲形態に接合することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の接合方法。
- さらに強化繊維基材層の上に離型材または樹脂拡散部材を配設するか、あるいは離型材及び樹脂拡散部材をその順またはその逆順に配設することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の接合方法。
- 強化繊維基材層の上に離型材を敷設し、さらに離型材の上に樹脂拡散部材を敷設することを特徴とする請求項6に記載の接合方法。
- 強化繊維基材を、突き合わせた略円筒状部材の端面の接合部の外周縁面に沿い、該円筒状部材相互の外周面に跨って配設する工程と、
前記強化繊維基材をバッグフィルムにより被覆して前記外周面に密封する工程と、
前記外周面と密封材との間を減圧し、流動性樹脂を吸引注入する工程と、
注入した該樹脂を硬化或いは固化させる工程とを含み、
前記強化繊維基材は、前記接合部の外周縁面に沿って周方向および横方向に位置をずらしながら配設される複数枚のシート状物であり、周方向の一端を接着させ、周方向の他端を、隣り合う他のシート状物の外面に重なり合うように配設して、接合部の周方向に沿って重ね張りされることを特徴とする円筒状成形体の成形方法。 - 強化繊維基材を、突き合わせた略円筒状部材の端面の接合部の外周縁面に沿い、該円筒状部材相互の外周面に跨って配設する工程と、
前記強化繊維基材をバッグフィルムにより被覆して前記外周面に密封する工程と、
前記外周面と密封材との間を減圧し、流動性樹脂を吸引注入する工程と、
注入した該樹脂を硬化或いは固化させる工程とを含み、
前記強化繊維基材は、前記接合部の外周縁面に沿って周方向および横方向に位置をずらしながら配設される複数枚のシート状物であり、周方向の一端を接着させ、周方向の他端を、隣り合う他のシート状物の外面に重なり合うように配設して、接合部の周方向に沿って重ね張りされ、
前記円筒状部材は、前記端面に対し交差する方向を回転軸として回転可能に設けられることを特徴とする円筒状成形体の成形方法。 - 強化繊維基材を、突き合わせた略円筒状部材の端面の接合部の外周縁面に沿い、該円筒状部材相互の外周面に跨って配設する工程と、
前記強化繊維基材をバッグフィルムにより被覆して前記外周面に密封する工程と、
前記外周面と密封材との間を減圧し、流動性樹脂を吸引注入する工程と、
注入した該樹脂を硬化或いは固化させる工程とを含み、
前記強化繊維基材は、前記接合部の外周縁面に沿って周方向に位置をずらしながら配設される複数種類の幅寸法を有する複数枚のシート状物であり、周方向の一端を接着させ、周方向の他端を、隣り合う他のシート状物の外面に重なり合うように配設して、接合部の周方向に沿って重ね張りされ、
前記円筒状部材は、前記端面に対し交差する方向を回転軸として回転可能に設けられることを特徴とする円筒状成形体の成形方法。 - 前記シート状物は、各シート状物の一端を、重なり合った他のシート状物の他端に対し、周方向の位置がずれるように配置されることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の成形方法。
- 前記シート状物は、その周方向の長さが所定長に揃えられていることを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載の成形方法。
- 前記シート状物は、その周方向の長さが接合部の外周長に対し約1/2〜1/16の範囲のものであることを特徴とする請求項8〜12のいずれかに記載の成形方法。
- 前記略円筒状部材の端面は斜め方向に切断され、端面を突き合わせて屈曲形態に接合することを特徴とする請求項8〜13のいずれかに記載の成形方法。
- さらに強化繊維基材層の上に離型材または樹脂拡散部材を配設するか、あるいは離型材及び樹脂拡散部材をその順またはその逆順に配設することを特徴とする請求項8〜14のいずれかに記載の成形方法。
- 強化繊維基材層の上に離型材を敷設し、さらに離型材の上に樹脂拡散部材を敷設することを特徴とする請求項15に記載の成形方法。
- 請求項8〜16のいずれかに記載の成形方法で得られる成形体。
- 成形体が屈曲形状、分岐形状または異径形状のものであることを特徴とする請求項17記載の成形体。
- 成形体がエルボ形状またはチーズ形状のものであることを特徴とする請求項18記載の成形体。
- 成形体が管継手であることを特徴とする請求項17〜19のいずれかに記載の成形体。
- 管継手がエルボ、チーズ、十字管又はレデューサであることを特徴とする請求項20記載の成形体。
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