JP2001289170A - 密閉型電動圧縮機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧縮機の密閉容器表面に設けられた電装部品
が誤った方向に取り付け出来ないようにする。 【解決手段】 密閉容器７内外の電気要素を結線する密
封端子２が密閉容器側部７ａに設けられている圧縮機６
において、前記密封端子２を少なくとも含む電装部品を
覆うよう前記密閉容器７に保護カバー３を設け、この保
護カバー３に絶縁性からなる、かつ、クラスターブロッ
ク８と温度センサ１０とが対峙する面に電装部品および
リード線の流れの形状を凹型で有する干渉部材１５を内
嵌し、クラスターブロック８と温度センサ１０のような
電装部品が誤った方向に取り付けられると、干渉部材１
５がクラスターブロック８と温度センサ１０のような電
装部品と干渉を生じ、当該電装部品が誤った方向に取り
付けられていることを発見することが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は密閉型電動圧縮機
等に利用され、圧縮機の容器表面に露出された端子を少
なくとも覆う覆蓋構造、より具体的には、容器表面に設
けられた保護カバーによって、容器内外の電気要素結線
する露出端子またはこの端子を含む電装部品を覆うため
の構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、密閉型電動圧縮機は実開平２−９
９２７４号公報に記載されたものが知られる。

【０００３】図７に従来の密閉型電動圧縮機の構造を示
しており、密閉容器１の上面に密封端子２が露出され、
端子ピン２ａに雌端子が、例えばクラスターブロック８
が接続され、保護カバー３で覆うようにしたものが公知
となっている。この保護カバー３は、上部を閉塞した箱
状に形成されるとともに、密封端子２近傍に設けられた
密閉容器１から突出するロット４を挿通するための連通
孔５を有しており、ロット４に嵌め付けられた状態で密
封端子２を外部にさらすことなく囲むことが出来るよう
になっている。

【０００４】また、特開平９−８８８２４号公報には、
保護カバーに絶縁性の弾性体で構成された弾性部材を内
嵌することにより、弾性部材を保護カバーで覆われた電
装部品に圧接して、電装部品を固定するものもある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記両
公報に示された考案，発明では、ハーメチック端子２の
端子ピン２ａに接続される雌端子が、誤った方向に取り
付けられないための手段を備えていない。このため、密
封端子２の端子ピン２ａに接続される雌端子（図示せ
ず）を収納したクラスターブロック８が誤った方向に取
り付けられた場合、正しく電気が流れず起動不良が生ず
ることが懸念される。

【０００６】そこで本発明の目的は、圧縮機の密閉容器
表面に設けられた電装部品が誤った方向に取り付け出来
ないようにすることにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前述の目的を達成するた
めに、本発明に係る圧縮機の露出電装部品覆蓋構造は、
密閉容器内外の電気要素を結線する密封端子が密閉容器
表面に設けられている圧縮機において、前記密封端子を
少なくとも含む電装部品を覆うよう前記密閉容器に保護
カバーを設け、この保護カバーに絶縁性で、かつ、電装
部品および前記密封端子の端子ピンにクラスターブロッ
クを介して接続されるリード線の流れの形状を凹型で構
成された干渉部材を内嵌し、凹型部に間違った方向に取
り付けられた電装部品とが干渉を生じ、当該電装部品が
誤った方向に取り付け出来ないものとなっている（請求
項１）。

【０００８】また、本発明に係る圧縮機の露出電装部品
覆蓋構造は、密閉容器内外の電気要素を結線する密閉端
子が密閉容器表面に設けられている圧縮機において、前
記密封端子を少なくとも含む電装部品を覆うよう前記密
閉容器に保護カバーを設け、この保護カバー内部に絶縁
性の材料で構成された突起を有し、この突起が間違った
方向に取り付けられた電装部品と干渉を生じ、当該電装
部品が誤った方向に取り付け出来ないようにしても良い
（請求項２）。

【０００９】なお、上述の請求項２に記載の保護カバー
は、その突起を保護カバーと同じ材料で一体成型品とし
ても良い（請求項３）。

【００１０】これにより、保護カバー内に収納された間
違った方向に取り付けられた電装部品は、保護カバーに
内嵌された絶縁性で、かつ、電装部品および前記密閉端
子の端子ピンにクラスターブロックを介して接続される
リード線の流れの形状を凹型で構成された部材、また
は、絶縁性の材料で構成された突起により干渉を生じる
ため、電装部品が誤った方向に取り付けられることがな
くなる。

【００１１】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載の発明
は、保護カバーに絶縁性で、かつ、電装部品および密封
端子の端子ピンにクラスターブロックを介して接続され
るリード線の流れの形状を凹型で構成された干渉部材を
内嵌し、凹型部以外が間違った方向に取り付けられた電
装部品と干渉を生じ、当該電装部品が誤った方向に取り
付け出来なくするという作用を有する。

【００１２】請求項２に記載の発明は、保護カバーに絶
縁性の材料で構成された突起を有し、この突起が間違っ
た方向に取り付けられた電装部品と干渉を生じ、当該電
装部品が誤った方向に取り付け出来なくするという作用
を有する。

【００１３】請求項３に記載の発明は、保護カバーに保
護カバーと同じ材料で一体成型品として構成された突起
を有し、この突起が間違った方向に取り付けられた電装
部品と干渉を生じ、当該電装部品が誤った方向に取り付
け出来なくするという作用を有する。

【００１４】

【実施例】以下本発明の実施例について図１〜図６を用
いて説明する。なお、従来例と同一部分は同一符号を付
し、詳細な説明を省略する。

【００１５】（実施例１）図１は請求項１に示す本発明
の一実施例による密閉型電動圧縮機の側部構造、図２は
斜視図である。

【００１６】図１，図２において６は密閉型電動圧縮機
で、例えば箱状の閉塞した密閉容器７の内部に圧縮要素
（図示せず）と、この圧縮要素を作動させるための電動
要素（図示せず）とを備えている。

【００１７】密閉容器７の側面７ａには、密閉容器７内
外の電気要素を結線する密封端子２が取り付けられてい
る。この密封端子２は、例えば３本の端子ピン２ａを有
するもので、簡易な接続作業を考慮してクラスターブロ
ック８を介してリード線９が接続されるようになってい
る。つまり、図５に示されるように、クラスターブロッ
ク８は、密封端子２の端子ピン２ａに対応して３つの端
子孔８ａを有しており、端子ピン２ａがこの端子孔８ａ
に挿着されることで、外部に引き出されるリード線９を
密封端子２に電気的に接続している。

【００１８】密閉容器７の側面７ａには、温度センサ１
０が取り付けられている。この温度センサ１０は、例え
ば相対する方向に延びた一対の雄端子１１を有し、この
雄端子１１には、図６で特に示されるようにリード線１
３の端部に設けられた雌端子１２が外嵌されるようにな
っている。

【００１９】保護カバー３は、上述した密封端子２およ
びクラスターブロック８と温度センサ１０とを覆うもの
で、背部３ａを閉塞した箱状をなしており、密閉容器７
の側面７ａに隙間なく当接している。

【００２０】保護カバー３の下部には、密閉容器７と当
接する部位から切り欠かれて保護カバー３の内外を連通
する切欠き１４が形成されている。そして、この切欠き
１４からクラスターブロック８のリード線９および温度
センサ１０のリード線１３が保護カバー３の外に引き出
されている。

【００２１】更にまた、保護カバー３には、ゴム，合成
樹脂等の絶縁性からなる干渉部材１５が保護カバー３の
背部３ａおよび周りの内面と接触するようにして内嵌さ
れている。この干渉部材１５は、クラスターブロック８
と温度センサ１０と密封端子２の端子ピン２ａにクラス
ターブロック８を介して接続されるリード線９の流れの
形状とを囲む凹状部１７の凹型で構成されている。

【００２２】以上のような構成により、クラスターブロ
ック８と温度センサ１０のような電装部品が誤った方向
に取り付けられると、干渉部材１５がクラスターブロッ
ク８と温度センサ１０のような電装部品と干渉を生じ、
保護カバー３は密閉容器７と当接することができず、当
該電装部品が誤った方向に取り付けられることを未然に
防止することが出来る。

【００２３】（実施例２）図３は請求項２および請求項
３に示す本発明の一実施例による密閉型電動圧縮機の側
部構造、図４は斜視図である。

【００２４】密閉容器７の側面７ａには、密閉容器７内
外の電気要素を結線する密封端子２が取り付けられてい
る。密封端子２は、例えば３本の端子ピン２ａを有する
もので、簡易な接続作業を考慮してクラスターブロック
８が接続されるようになっている。つまり、図５に示さ
れるように、クラスターブロック８は、密封端子２の端
子ピン２ａに対応して３つの端子孔８ａを有しており、
端子ピン２ａがこの端子孔８ａに挿着されることで、外
部に引き出されるリード線９を密封端子２に電気的に接
続している。

【００２５】密閉容器７の側面７ａには、温度センサ１
０が取り付けられている。この温度センサ１０は、例え
ば相対する方向に延びた一対の雄端子１１を有し、この
雄端子１１には、図６で特に示されるようにリード線１
３の端部に設けられた雌端子１２が外嵌されるようにな
っている。

【００２６】保護カバー３は、上述した密封端子２およ
びクラスターブロック８と温度センサ１０とを覆うもの
で、背部３ａを閉塞した箱状をなしており、密閉容器７
の側面７ａに隙間なく当接している。保護カバー３の下
部には、密閉容器７と当接する部位から切り欠かれて保
護カバー３の内外を連通する切欠き１４が形成されてい
る。そして、この切欠き１４から前記クラスターブロッ
ク８のリード線９および温度センサ１０のリード線１３
が保護カバー３の外に引き出されている。更にまた、保
護カバー３には、突起１６が保護カバー３の背部３ａか
ら設けられている。

【００２７】以上のような構成により、クラスターブロ
ック８が誤った方向に取り付けられると、突起１６がク
ラスターブロック８と干渉を生じ、保護カバー３は密閉
容器７と当接することができず、当該電装部品が誤った
方向に取り付けられていることを発見することが出来
る。

【００２８】なお、本実施例においては、突起１６は保
護カバー３の背部３ａから設けたが、保護カバーの側面
から突起を設けても同様の効果が得られることは言うま
でもない。

【００２９】図４は保護カバー３および保護カバー３の
背部３ａに設けた突起１６の斜視図である。

【００３０】

【発明の効果】上記実施例から明らかなように、請求項
１記載の発明によれば、電装部品が誤った方向に取り付
けられると、保護カバー内に内嵌された干渉部材が電装
部品と干渉を生じ、取り付けられた電装部品と干渉を生
じ、当該電装部品が誤った方向に取り付けられているこ
とを発見することが出来る。

【００３１】また、請求項２記載の発明によれば、干渉
部材ほど大きな体積を必要とせず、より低コストで同効
果を得ることが出来る。

【００３２】更に、請求項３記載の発明によれば、保護
カバー成型時に保護カバーと突起を一体で得ることが出
来、より低コストで同効果を得ることが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかる密閉型電動圧縮機の露出電装部
品覆蓋構造の実施例１を示す断面図

【図２】同上の実施例における保護カバーおよび保護カ
バーに内嵌した干渉部材の斜視図

【図３】本発明にかかる密閉型電動圧縮機の露出電装部
品覆蓋構造の実施例２を示す断面図

【図４】同上の実施例における保護カバーおよび保護カ
バーの背部に設けた突起の斜視図

【図５】同上の実施例における密封端子とクラスターブ
ロックとを示す斜視図

【図６】同上の実施例における温度センサと、この温度
センサの雄端子と接続する雌端子を示す斜視図

【図７】従来の密閉型電動圧縮機の露出電装部品覆蓋構
造の要部断面図

【符号の説明】

２ 密封端子 ２ａ 端子ピン ３ 保護カバー ７ 密閉容器 ８ クラスターブロック ９ リード線 １５ 干渉部材 １６ 突起 １７ 凹状部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 密閉容器内外を接続する密封端子と、前
   記密封端子の端子ピンにクラスターブロックを介して接
   続されたリード線を前記密閉容器外部で覆う保護カバー
   と、前記保護カバー内に収納された凹状を形成した干渉
   部材からなり、前記密封端子と前記クラスターブロック
   と前記リード線の全ておよび一部分が前記干渉部材の前
   記凹状部内に内装されたことを特徴とする密閉型電動圧
   縮機。
2. 【請求項２】 密閉容器内外を接続する密封端子と前記
   密封端子の端子ピンにクラスターブロックを介して接続
   されたリード線を前記密閉容器外部で覆い、内部に突起
   物を設けた保護カバーからなり、前記突起物は前記クラ
   スターブロックおよびリード線が正規に取り付けられた
   位置に隣接して一つまたは一つ以上形成されたことを特
   徴とする密閉型電動圧縮機。
3. 【請求項３】 突起が、保護カバーと同じ材料からなる
   一体成型品であることを特徴とする請求項２に記載の密
   閉型電動圧縮機。