JP2001289099A - 内燃機関の燃料圧力制御装置 - Google Patents
内燃機関の燃料圧力制御装置Info
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Abstract
得ることのできる内燃機関の燃料圧力制御装置を提供す
る。 【解決手段】デリバリパイプ53内に向けて燃料を吐出
する高圧燃料ポンプ47においては、その燃料吐出量が
電磁スピル弁54の閉弁開始時期を制御することによっ
て調整され、これによりデリバリパイプ53内の燃料圧
力が制御される。電磁スピル弁54の閉弁開始時期を制
御するのに用いられるデューティ比DTは、最大燃料吐
出量をもたらす閉弁開始時期をもとに算出される。ま
た、高圧燃料ポンプの実際の燃料吐出特性は個体差等に
より本来の状態からずれることがある。しかし、実際の
燃料吐出特性において最大燃料吐出量をもたらす電磁ス
ピル弁54の閉弁開始時期は最大吐出タイミングとして
学習され、この最大吐出タイミングをもとにデューティ
比DTの算出が行われるようになる。
Description
力制御装置に関するものである。
るタイプの内燃機関においては、燃料配管内に向けて燃
料を吐出する高圧燃料ポンプを備え、この高圧燃料ポン
プの駆動タイミングを制御して同ポンプの燃料吐出量を
調整することにより、燃料配管内の燃料圧力(燃料噴射
弁に供給される燃料の圧力)を制御するようにしてい
る。こうした燃料圧力の制御では、高圧燃料ポンプの燃
料吐出量を多くすると燃料圧力が高くなり、逆に高圧燃
料ポンプの燃料吐出量を少なくすると燃料圧力が低くな
る。
るのに用いられる制御量は、同ポンプの最大燃料吐出量
をもたらす駆動タイミング”(最大吐出タイミング)を
もとに、同ポンプに要求される燃料吐出量が得られるよ
うに算出される。即ち、制御量は、燃料噴射弁から噴射
される燃料量に対応した値となるフィードフォワード
項、上記燃料圧力とその目標値との偏差を「0」にすべ
く増減する比例項、及び同偏差に応じて増加側若しくは
減少側に更新される積分項に基づき算出される。このよ
うに算出される制御量を用いて高圧燃料ポンプの駆動タ
イミングを制御することで、要求される燃料吐出量が得
られるようになる。
量が大きくなって同ポンプの駆動タイミングが早められ
るほど多くなり、逆に制御量が小さくなって同ポンプの
駆動タイミングが遅らされるほど少なくなる。なお、こ
うした制御量の上限値は、同制御量が上記最大燃料吐出
量をもたらす最大吐出タイミングをもとに算出されるこ
とから、上記最大燃料吐出量をもたらす最大吐出タイミ
ングに対応した値となる。そして、制御量が上記最大燃
料吐出量をもたらす最大吐出タイミングに対応する値と
なったとき、高圧燃料ポンプの燃料吐出量が最大値とさ
れるようになる。
の燃料吐出特性に個体差によるばらつきが生じるため、
たとえ制御量が同じであっても燃料吐出量が個体毎に異
なるものとなる。そこで、例えば特開平8−23270
3号公報に記載された燃料圧力制御装置のように、高圧
燃料ポンプの燃料吐出量が上記ばらつきによって過度に
適正値からずれた値にならないよう学習制御を行うこと
も考えられる。
値に対するずれに対応した値となる学習値を用いて制御
量が補正される。この学習値は、制御量の算出に用いら
れる上記積分項を所定範囲内に収束させるべく増減する
値である。即ち、積分項は燃料吐出量の適正値に対する
ずれが過度に大きくならないよう更新されるが、積分項
を所定範囲内に収束させるべく学習値を増減させること
により、同学習値が燃料吐出量の適正値に対するずれに
対応した値として学習されるようになる。そして、この
学習値で上記制御量を補正することにより、燃料吐出量
が上記ばらつきに伴い適正値から過度にずれることは抑
制される。
って制御量を補正することにより、高圧燃料ポンプの燃
料吐出量が適正値から過度にずれるのを抑制することは
できる。しかし、高圧燃料ポンプにおいては、その燃料
吐出特性の個体毎のばらつきにより、最大燃料吐出量を
もたらす最大吐出タイミングも個体毎にばらつくことと
なる。最大燃料吐出量をもたらす最大吐出タイミングが
ばらついた状態にあっては、上記公報に記載された学習
制御を行ったとしても、制御量を算出する際に用いられ
る上記最大燃料吐出量をもたらす駆動タイミングが変化
することはない。そのため、制御量を上記最大燃料吐出
量をもたらす駆動タイミングに対応した値(上限値)に
設定しても最大燃料吐出量が得られず、機関始動時など
制御量を上限値にして燃料圧力を目標値まで上昇させる
際に余分に時間がかかることとなる。
ものであって、その目的は、燃料ポンプが本来もつ最大
燃料吐出量を確実に得ることのできる内燃機関の燃料圧
力制御装置を提供することにある。
るための手段及びその作用効果について記載する。上記
目的を達成するため、請求項1記載の発明では、燃料配
管内に向けて燃料を吐出する燃料ポンプを備え、この燃
料ポンプの駆動タイミングを制御して同ポンプの燃料吐
出量を調整することにより、前記燃料配管内の燃料圧力
を制御する内燃機関の燃料圧力制御装置において、前記
燃料ポンプの最大燃料吐出量をもたらす最大吐出タイミ
ングをもとに、前記燃料ポンプの駆動タイミングを制御
するのに用いられる制御量を算出する算出手段と、前記
最大燃料吐出量をもたらす駆動タイミングを前記最大吐
出タイミングとして学習する学習手段とを備えた。
タイミングをもとに制御量を算出することで、最大燃料
吐出量が得られる制御量を算出することが可能になる。
そして、この制御量に基づき燃料ポンプの駆動タイミン
グを制御することにより、同燃料ポンプの本来もつ最大
燃料吐出量を得ることができるようになる。
発明において、前記算出手段は、前記燃料ポンプに要求
される燃料吐出量が得られるように前記制御量を算出す
るものであって、前記学習手段は、前記要求される燃料
吐出量の異なる複数の機関運転状態下での前記制御量の
それぞれの値に基づき前記最大吐出タイミングの学習を
行うものとした。
量が異なる複数の機関運転状態下での制御量のそれぞれ
の値から、燃料ポンプにおける実際の燃料吐出特性が推
定される。そして、この推定される実際の燃料吐出特性
から最大吐出タイミングを的確に学習することができ
る。
発明において、前記算出手段は、前記燃料配管内の燃料
圧力とその目標値との偏差に基づき、前記要求される燃
料吐出量が得られるように前記制御量を算出するものと
した。
量が得られる制御量を的確に算出することができるた
め、要求される燃料吐出量が異なる複数の機関運転状態
下での制御量のそれぞれの値も的確なものとなる。従っ
て、これら制御量のそれぞれの値から、燃料ポンプにお
ける実際の燃料吐出特性を的確に推定することができ
る。
記載の発明において、前記学習手段は、同一機関回転数
のもとで前記要求される燃料吐出量の異なる複数の機関
運転状態下での前記制御量のそれぞれの値に基づき前記
最大吐出タイミングの学習を行うものとした。
機関回転数によって変化する。上記の構成によれば、同
一機関回転数のもとで要求される燃料吐出量が異なる複
数の機関運転状態下での制御量のそれぞれの値から、燃
料ポンプにおける実際の燃料吐出特性が的確に推定され
る。そして、この推定される実際の燃料吐出特性から最
大吐出タイミングを学習することで、同学習を一層的確
に行うことができるようになる。
いずれかに記載の発明において、前記学習手段は、機関
回転数に応じて区画される複数の学習領域毎に前記最大
吐出タイミングの学習を行うものとした。
化すると、最大燃料吐出量をもたらす駆動タイミングも
変化するようになる。しかし、上記の構成によれば、最
大吐出タイミングが機関回転数に応じて区画される複数
の学習領域毎に学習されるため、機関回転数に対応する
学習領域の最大吐出タイミングをもとに制御量を算出す
ることで、機関回転数に係わらず的確に燃料ポンプの本
来もつ最大燃料吐出量を得ることができる。
に適用した一実施形態を図1〜図5に従って説明する。
は、そのピストン12がコネクティングロッド13を介
してクランクシャフト14に連結され、同ピストン12
の往復移動がコネクティングロッド13によってクラン
クシャフト14の回転へと変換される。クランクシャフ
ト14には複数の突起14bを備えたシグナルロータ1
4aが取り付けられている。そして、シグナルロータ1
4aの側方には、クランクシャフト14が回転する際に
上記各突起14bに対応してパルス状の信号を出力する
クランクポジションセンサ14cが設けられている。
32及び排気通路33が接続されている。吸気通路32
と燃焼室16との間、及び排気通路33と燃焼室16と
の間は、吸気バルブ19及び排気バルブ20の開閉駆動
によって連通・遮断される。これら吸気バルブ19及び
排気バルブ20の開閉駆動は、クランクシャフト14の
回転が伝達される吸気カムシャフト21及び排気カムシ
ャフト22の回転によって行われる。吸気カムシャフト
21の側方にはカムポジションセンサ21bが設けられ
ている。そして、吸気カムシャフト21の回転に伴い同
シャフト21に形成された突起21aがカムポジション
センサ21bの側方を通過する毎に、同カムポジション
センサ21bからは検出信号が出力される。
にはエンジン11の吸入空気量を調整するためのスロッ
トルバルブ23設けられている。このスロットルバルブ
23の開度は、自動車の室内に設けられたアクセルペダ
ル25の踏込操作に応じて調整される。なお、上記アク
セルペダル25の踏み込み量(アクセル踏込量)はアク
セルポジションセンサ26によって検出される。また、
吸気通路32においてスロットルバルブ23の下流側に
は吸気通路32内の圧力(吸気圧)を検出するためのバ
キュームセンサ36が設けられている。
料を噴射供給して燃料と空気とからなる混合気を形成す
る燃料噴射弁40が設けられている。そして、燃焼室1
6内の混合気を燃焼させると、ピストン12が往復移動
してクランクシャフト14が回転し、エンジン11が駆
動されるようになる。
るためのエンジン11の燃料供給装置の構造について図
1を参照して説明する。図1に示すように、エンジン1
1の燃料供給装置は、燃料タンク45内から燃料を送り
出すフィードポンプ46と、そのフィードポンプ46に
よって送り出された燃料を加圧して燃料噴射弁40に向
けて吐出する高圧燃料ポンプ47とを備えている。
フト22に取り付けられたカム22aの回転に基づきシ
リンダ48a内で往復移動するプランジャ48bと、シ
リンダ48a及びプランジャ48bによって区画される
加圧室49とを備えている。この加圧室49は、低圧燃
料通路50を介して上記フィードポンプ46に接続され
るとともに、高圧燃料通路52を介してデリバリパイプ
53に接続されている。このデリバリパイプ53には、
燃料噴射弁40が接続されるとともに、同パイプ53内
の燃料圧力(燃料噴射弁40に供給される燃料の圧力)
を検出するための燃圧センサ55が設けられている。
燃料通路50と上記加圧室49との間を連通・遮断する
電磁スピル弁54が設けられている。この電磁スピル弁
54は電磁ソレノイド54aを備え、同ソレノイド54
aへの印加電圧を制御することにより開閉動作する。
された状態にあっては、電磁スピル弁54がコイルスプ
リング54bの付勢力によって開き、低圧燃料通路50
と上記加圧室49とが連通した状態になる。この状態に
あって、加圧室49の容積が大きくなる方向にプランジ
ャ48bが移動するとき(吸入行程中)には、フィード
ポンプ46から送り出された燃料が低圧燃料通路50を
介して加圧室49内に吸入される。
プランジャ48bが移動するとき(圧送行程中)には、
電磁ソレノイド54aに対する通電により電磁スピル弁
54がコイルスプリング54bの付勢力に抗して閉弁さ
れる。これにより低圧燃料通路50と上記加圧室49と
の間が遮断され、加圧室49内の燃料が高圧燃料通路5
2及びデリバリパイプ53内に向けて吐出されるように
なる。
調整は、電磁スピル弁54の閉弁開始時期を制御し、圧
送行程中における同スピル弁54の閉弁期間を調整する
ことによって行われる。即ち、電磁スピル弁54の閉弁
開始時期を早めて閉弁期間を長くすると燃料吐出量が増
加し、電磁スピル弁54の閉弁開始時期を遅らせて閉弁
期間を短くすると燃料吐出量が減少するようになる。そ
して、上記のように高圧燃料ポンプ47の燃料吐出量を
調整することにより、デリバリパイプ53内の燃料圧力
が制御される。
置の電気的構成を図3に基づいて説明する。この燃料圧
力制御装置は、エンジン11の運転状態を制御するため
の電子制御ユニット(以下「ECU」という)92を備
えている。このECU92は、ROM93、CPU9
4、RAM95及びバックアップRAM96等を備える
算術論理演算回路として構成されている。
や、それら各種制御プログラムを実行する際に参照され
るマップ等が記憶されたメモリであり、CPU94はR
OM93に記憶された各種制御プログラムやマップに基
づいて演算処理を実行する。また、RAM95はCPU
94での演算結果や各センサから入力されたデータ等を
一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAM9
6はエンジン11の停止時にその保存すべきデータ等を
記憶する不揮発性のメモリである。そして、ROM9
3、CPU94、RAM95及びバックアップRAM9
6は、バス97を介して互いに接続されるとともに、外
部入力回路98及び外部出力回路99と接続されてい
る。
ンセンサ14c、カムポジションセンサ21b、アクセ
ルポジションセンサ26、バキュームセンサ36、及び
燃圧センサ55等が接続されている。一方、外部出力回
路99には、燃料噴射弁40、及び電磁スピル弁54等
が接続されている。
ジン回転数NE及び負荷率KL等に基づき、燃料噴射弁
40から噴射される燃料の量を制御するのに用いられる
最終燃料噴射量Qfin を算出する。ここで、エンジン回
転数NEは、クランクポジションセンサ14cからの検
出信号に基づき求められる。また、負荷率KLは、エン
ジン11の最大機関負荷に対する現在の負荷割合を示す
値であって、エンジン11の吸入空気量に対応するパラ
メータとエンジン回転数NEとから算出される。なお、
吸入空気量に対応するパラメータとしては、バキューム
センサ36からの検出信号に基づき求められる吸気圧P
Mや、アクセルポジションセンサ26からの検出信号に
基づき求められるアクセル踏込量ACCP等があげられ
る。
終燃料噴射量Qfin に基づき燃料噴射弁40を駆動制御
し、燃料噴射弁40から噴射される燃料の量を制御す
る。こうした燃料噴射弁40から噴射される燃料の量
(燃料噴射量)は、デリバリパイプ53内の燃料圧力
(燃圧)と燃料噴射時間によって定まるため、燃料噴射
量を適正にするためには上記燃圧を適正な値に維持する
必要がある。従って、ECU92は、燃圧センサ55か
らの検出信号に基づき求められる燃圧Pが機関運転状態
に応じて設定される目標燃圧P0 となるよう、高圧燃料
ポンプ47の燃料吐出量を調整して上記燃圧Pを適正値
に維持する。なお、高圧燃料ポンプ47における燃料吐
出量の調整は、後述するデューティ比DTに基づき電磁
スピル弁54の閉弁開始時期を制御することによって行
われる。
スピル弁54の閉弁開始時期(閉弁期間)を制御するの
に用いられる上記デューティ比DTについて説明する。
このデューティ比DTは、0〜100%という値の間で
変化する値であって、電磁スピル弁54の閉弁期間に対
応するカム22aのカム角度に関係した値である。即
ち、このカム角度に関して、電磁スピル弁54の最大閉
弁期間に対応したカム角度(最大カム角度)を「θ0 」
とし、同閉弁期間の目標値に対応するカム角度(目標カ
ム角度)を「θ」とすると、上記デューティ比DTは、
最大カム角度θ0 に対する目標カム角度θの割合を示す
ものということになる。従って、デューティ比DTは、
目標とする電磁スピル弁54の閉弁期間が最大閉弁期間
に近づくほど100%に近い値とされ、上記目標とする
閉弁期間が「0」に近づくほど0%に近い値とされるよ
うになる。
に近づくほど、デューティ比DTに基づき制御される電
磁スピル弁54の閉弁開始時期は早められ、同電磁スピ
ル弁54の閉弁期間は長くなる。その結果、高圧燃料ポ
ンプ47の燃料吐出量が増加して燃圧Pが上昇するよう
になる。また、デューティ比DTが0%に近づくほど、
デューティ比DTに基づき調整される電磁スピル弁54
の閉弁開始時期は遅らされ、同電磁スピル弁54の閉弁
期間は短くなる。その結果、高圧燃料ポンプ47の燃料
吐出量が減少して燃圧Pが低下するようになる。
ついてデューティ比算出ルーチンを示す図4のフローチ
ャートを参照して説明する。このデューティ比算出ルー
チンは、ECU92を通じて所定時間毎の時間割り込み
にて実行される。
ーティ比DTは、ステップS104の処理により、フィ
ードフォワード項FF、比例項DTp 、及び積分項DT
i を用いて下記の式(1)に基づき算出される。
燃料ポンプ47に要求される燃料吐出量に対応した値で
あって、燃料噴射弁40からの燃料噴射量に見合った量
の燃料を予めデリバリパイプ53に供給し、機関過渡時
等においても速やかに燃圧Pを目標燃圧P0 へと近づけ
るためのものである。ECU92は、ステップS101
の処理で、最終燃料噴射量Qfin 及びエンジン回転数N
E等の機関運転状態に基づきフィードフォワード項FF
を算出する。このフィードフォワード項FFは、要求さ
れる燃料吐出量(燃料噴射弁40からの燃料噴射量)が
多くなるほど大きい値になり、デューティ比DTを10
0%側、即ち電磁スピル弁54の閉弁開始時期を早める
側へと変化させる。
燃圧Pと目標燃圧P0 との偏差を「0」とすべく増減す
る値である。ECU92は、ステップS102の処理
で、実際の燃圧P及び予め設定される目標燃圧P0 等に
基づき下記の式(2)を用いて比例項DTp を算出す
る。
0 よりも小さい値であって両者の差(「P0 −P」)が
大きい値になるほど、比例項DTp は大きい値になり、
デューティ比DTを100%側、即ち電磁スピル弁54
の閉弁開始時期を早める側へと変化させる。逆に、実際
の燃圧Pが目標燃圧P0 よりも大きい値になり両者の差
(「P0 −P」)が小さい値になるほど、比例項DTp
は小さい値になり、デューティ比DTを0%側、即ち電
磁スピル弁54の閉弁開始時期を遅らせる側へと変化さ
せる。
燃圧Pと目標燃圧P0 との偏差に応じて増加側若しくは
減少側に更新される値であって、燃料漏れや高圧燃料ポ
ンプ47の個体差等に起因する燃料吐出量のばらつきを
抑制するためのものである。ECU92は、ステップS
103の処理で、以前の積分項DTi 、実際の燃圧P、
及び目標燃圧P0 等に基づき下記の式(3)を用いて最
新の積分項DTi を算出する。
0 よりも小さい値である間は、両者の差(「P0 −
P」)に対応した値が積分項DTi に加算されてゆく。
その結果、積分項DTi は、徐々に大きい値へと更新さ
れ、デューティ比DTを徐々に100%側へと変化させ
る。逆に、燃圧Pが目標燃圧P0 よりも大きい値である
間は両者の差(「P0 −P」)に対応した値が積分項D
Ti から減算されてゆく。その結果、積分項DTi は、
徐々に小さい値に更新され、デューティ比DTを徐々に
0%側へと変化させる。
されるデューティ比DTと、クランクポジションセンサ
14c及びカムポジションセンサ21bからの検出信号
とに基づき、電磁スピル弁54における電磁ソレノイド
54aに対する通電開始時期、即ち電磁スピル弁54の
閉弁開始時期を制御する。こうして電磁スピル弁54の
閉弁開始時期が制御されることにより、同電磁スピル弁
54の閉弁期間が変化して高圧燃料ポンプ47の燃料吐
出量が調整され、燃圧Pが目標燃圧P0 に向けて変化す
るようになる。
性について説明する。図5は、エンジン回転数NEを一
定とした条件のもとで、電磁スピル弁54の閉弁開始時
期(デューティ比DT)を変化させた場合における高圧
燃料ポンプ47の燃料吐出量の推移傾向を示すものであ
る。
ンプ47の燃料吐出量は電磁スピル弁54の閉弁開始時
期が早められるほど多くなり、燃料吐出量が最大となる
のは電磁スピル弁54の閉弁開始時期がタイミングT1
になるときである。従って、デューティ比DTが100
%にされたときの電磁スピル弁54の閉弁開始時期は、
このタイミングT1となるように設定される。そして、
高圧燃料ポンプ47に要求される燃料吐出量が最大であ
るとき、デューティ比DTは100%となるように算出
される。また、要求される燃料吐出量が最大値よりも小
さいときには、その要求される燃料吐出量に応じてデュ
ーティ比DTが100%よりも小さい所定の値となるよ
うに算出される。このようにデューティ比DTは、最大
燃料吐出量をもたらす閉弁開始時期(タイミングT1)
をもとに、要求される燃料吐出量が得られるように算出
されることとなる。
(実線L1)は、エンジン回転数NEに応じて変化する
ようになる。即ち、エンジン回転数NEが変化すると、
電磁スピル弁54の閉弁開始時期の変化に対する燃料吐
出量の推移を示す実線L1の傾き、即ち同傾きを表す実
線L2の傾斜角度が変化する。更に、エンジン回転数N
Eが変化すると、高圧燃料ポンプ47の最大燃料吐出量
を示す一点鎖線L3が図中上下方向に変化するととも
に、この最大燃料吐出量が得られる電磁スピル弁54の
閉弁開始時期を示すタイミングT1の位置も図中左右方
向に変化する。
は、その燃料吐出特性が本来は例えば実線L1で示すよ
うになるのに対し、個体差に伴うばらつきにより実際に
は例えば破線L4で示すようになることがある。この場
合、デューティ比DTを100%(上限値)にして電磁
スピル弁54の閉弁開始時期をタイミングT1として
も、一点鎖線L3で示す最大燃料吐出量を得ることがで
きない。そのため、機関始動時など実際の燃圧Pが目標
燃圧P0 よりも極めて小さい状態にあって、デューティ
比DTを100%にして同燃圧Pを目標燃圧P0 まで上
昇させる際には、最大燃料吐出量が得られないことから
余分に時間がかかることとなる。
ーティ比算出ルーチンのステップS105の処理を通じ
て、実際の最大燃料吐出量をもたらすタイミングT4を
最大吐出タイミングとして学習する。そして、デューテ
ィ比DTが100%になったときの電磁スピル弁54の
閉弁開始時期を、上記タイミングT1に代えてタイミン
グT4(最大吐出タイミング)に設定し直す。その結
果、デューティ比DTは、学習された最大吐出タイミン
グ(タイミングT4)をもとに、要求される燃料吐出量
が得られるように算出されることとなる。この場合、機
関始動時などにデューティ比DTが100%(上限値)
とされたとき、電磁スピル弁54の閉弁開始時期がタイ
ミングT4となり、一点鎖線L3で示す最大燃料吐出量
が得られるようになる。
グ(タイミングT4)をもとにデューティ比DTの算出
を行うことで、最大燃料吐出量が得られるようにデュー
ティ比DTを算出することが可能になる。従って、機関
始動時などにはデューティ比DTを100%とすること
により、高圧燃料ポンプ47の燃料吐出量を最大とし、
実際の燃圧Pを速やかに目標燃圧P0 に近づけることが
できるようになる。なお、上記のような最大吐出タイミ
ングの学習は、例えばエンジン回転数NEに応じて区画
される複数の学習領域毎に行われる。こうして学習され
た各学習領域毎の最大吐出タイミングは、バックアップ
RAM96の所定領域に記憶される。そして、デューテ
ィ比DTの算出は、実際のエンジン回転数NEに対応す
る学習領域の最大吐出タイミングをもとに行われる。
れる最大吐出タイミングの学習手順について詳しく説明
する。図5に示すように、高圧燃料ポンプ47の本来の
燃料吐出特性は、エンジン回転数NEが所定の値である
条件のもとで例えば実線L1で示す状態となる。この状
態にあって、高圧燃料ポンプ47に要求される燃料吐出
量が例えば所定値Q1であれば、デューティ比DTは電
磁スピル弁54の閉弁開始時期がタイミングT5とされ
る値になる。しかし、高圧燃料ポンプ47の個体差等に
よって実際の燃料吐出特性が例えば破線L4で示す状態
になっている場合、タイミングT5で電磁スピル弁54
の閉弁を開始しても、燃料吐出量が要求される値(所定
値Q1)よりも少なくなる。
くなって比例項DTp 及び積分項DTi が増加し、それ
らによって算出されるデューティ比DTが100%側へ
と変化する。その結果、電磁スピル弁54の閉弁開始時
期がタイミングT5からタイミングT6へと変化し、こ
れにより燃料吐出量が所定値Q1に達するようになる。
ECU92は、この状態における高圧燃料ポンプ47の
燃料吐出量(所定値Q1)をRAM95に記憶するとと
もに、電磁スピル弁54の閉弁開始時期がタイミングT
6となるときのデューティ比DTをRAM95に記憶す
る。なお、上記所定値Q1は、要求される燃料吐出量が
燃料噴射弁40からの燃料噴射量に応じて変化すること
から、そのときの最終燃料噴射量Qfin に基づき算出さ
れる。即ち、高圧燃料ポンプ47の一回の燃料吐出につ
き例えば二回の燃料噴射が行われるとすると、最終燃料
噴射量Qfin を二倍して得られる値が上記所定値Q1と
して算出されることとなる。
である条件下で、高圧燃料ポンプ47に要求される燃料
吐出量が所定値Q1とは異なる所定値Q2となる場合に
ついては、デューティ比DTが本来は電磁スピル弁54
の閉弁開始時期をタイミングT7とする値になる。しか
し、高圧燃料ポンプ47における実際の燃料吐出特性が
同ポンプ47の個体差等によって破線L4で示す状態に
なるため、実際のデューティ比DTは要求される燃料吐
出量(所定値Q2)を得るべく100%側寄りに変化す
る。その結果、電磁スピル弁54の閉弁開始時期がタイ
ミングT7からタイミングT8へと変化する。ECU9
2は、この状態における高圧燃料ポンプ47の燃料吐出
量(所定値Q2)をRAM95に記憶するとともに、電
磁スピル弁54の閉弁開始時期がタイミングT8となる
ときのデューティ比DTをRAM95に記憶する。
ューティ比としてRAM95に記憶したデューティ比D
Tと、所定値Q2を得るためのデューティ比としてRA
M95に記憶したデューティ比DTとに基づき、高圧燃
料ポンプ47における実際の燃料吐出特性(破線L4)
を推定する。同燃料吐出特性の推定に用いられるデュー
ティ比DTは、要求される燃料吐出量が互いに異なる値
である所定値Q1,Q2となる機関運転状態のときに記
憶されたものである。
ECU92は、まず上記所定値Q1及び同所定値Q1を
得るためのデューティ比DTに対応するタイミングT6
に基づき、図5における点P2を求める。この点P2
は、図5において、上記所定値Q1を示す一点鎖線L7
とタイミングT6を示す一点鎖線L8との交点である。
続いてECU92は、上記所定値Q2及び同所定値Q2
を得るためのデューティ比DTに対応するタイミングT
8に基づき、図5における点P3を求める。この点P3
は、図5において、上記所定値Q2を示す一点鎖線L9
とタイミングT8を示す一点鎖線L10との交点であ
る。ECU92は、上記のように求められる点P2及び
点P3に基づき、これら点P2,P3をつなぐ直線であ
る破線L11を求め、同破線L11から高圧燃料ポンプ
47における実際の燃料吐出特性(破線L4)を推定す
る。
際の燃料吐出特性に基づき、最大燃料吐出量をもたらす
電磁スピル弁54の閉弁開始時期(タイミングT4)を
求める。即ち、ECU92は、まず上記所定の値となる
エンジン回転数NEに基づき、図5に一点鎖線L5で示
す仮想最大吐出量を求める。この仮想最大吐出量は、図
5における実線L1の傾きを表す実線L2と、タイミン
グT1を示す一点鎖線L6との交点P1に対応する燃料
吐出量である。上述したように実線L2の傾斜角度やタ
イミングT1(一点鎖線L6)の図中左右方向の位置は
エンジン回転数NEに応じて変化することから、仮想最
大吐出量を示す一点鎖線L5の図中上下方向の位置はエ
ンジン回転数NEに応じて決まる。従って、エンジン回
転数NEに基づき、予め設定されたマップ等を参照して
上記仮想最大吐出量を求めることが可能になる。
表す一点鎖線L5と、実際の燃料吐出特性(破線L4)
の傾きを表す上記破線L11との交点である点P4を求
める。この点P4に対応したタイミングT4は、実際の
燃料吐出特性にあって最大燃料出量をもたらす電磁スピ
ル弁54の閉弁開始時期となる。こうして上記推定され
る実際の燃料吐出特性(破線L4)に基づき、最大燃料
吐出量をもたらす電磁スピル弁54の閉弁開始時期(タ
イミングT4)が求められる。そして、ECU92は、
上記タイミングT4を現在のエンジン回転数NEに対応
する学習領域の最大吐出タイミングカム角度θ0 として
学習する。そして、以後エンジン回転数NEが当該学習
領域内に位置する状態では、デューティ比DTが100
%になったときの電磁スピル弁54の閉弁開始時期をタ
イミングT4(最大吐出タイミング)に設定する。
示す効果が得られるようになる。 (1)高圧燃料ポンプ47の燃料吐出特性が個体差等に
より本来の状態(実線L1)からずれたとしても、実際
の燃料吐出特性(破線L4)において最大燃料吐出量を
もたらす電磁スピル弁54の閉弁開始時期(タイミング
T4)が最大吐出タイミングとして学習される。そし
て、デューティ比DTを100%としたときの電磁スピ
ル弁54の閉弁開始時期が、上記学習された最大吐出タ
イミング(タイミングT4)となるように設定される。
これにより、デューティ比DTが最大吐出タイミングを
もとに算出され、デューティ比DTを100%としたと
きに最大燃料吐出量が得られるようになる。こうして最
大燃料吐出量が得られるようにデューティ比DTを算出
することが可能になるため、機関始動時など実際の燃圧
Pが目標燃圧P0 よりも過度に小さい状態にあっても、
デューティ比DTを100%として燃料吐出量を最大と
し、実際の燃圧Pを目標燃圧P0 まで速やかに上昇させ
ることができる。
要求される燃料吐出量(燃料噴射弁40からの燃料噴射
量)の異なる複数の機関運転状態下でのデューティ比D
Tのそれぞれの値、及び上記要求される燃料吐出量の各
々の値(所定値Q1,Q2)に基づき図5に示す破線L
11が求められる。この破線L11は実際の燃料吐出特
性(破線L4)の傾きを表すものであり、上記のように
破線L11を求めることによって実際の燃料吐出特性を
的確に推定することができる。こうして推定される実際
の燃料吐出特性(破線L4)に対応した破線L11を用
いて最大吐出タイミングを学習することで、同学習を的
確に行うことができるようになる。
圧Pと目標燃圧P0 との偏差に基づき、要求される燃料
吐出量が得られるように的確に算出される。そのため、
上述した複数の機関運転状態下でのデューティ比DTの
それぞれの値を算出する際に同算出を的確に行い、これ
ら算出されるデューティ比DTに基づき上記破線L4を
的確なものとして求めることができる。従って、破線L
4を求めることによって推定される実際の燃料吐出特性
(破線L4)を的確なものとすることができる。
ン回転数NEに応じて区画される複数の学習領域毎に行
われるため、エンジン回転数NEに対応する学習領域の
最大吐出タイミングをもとにデューティ比DTを算出す
ることで、エンジン回転数NEに係わらず最大燃料吐出
量を得ることができるようになる。
変更することもできる。・本実施形態では、エンジン回
転数NEに応じて区画された学習領域毎に最大吐出タイ
ミングの学習を行ったが、こうした学習を必ずしも学習
領域すべてについて行う必要はない。例えば、低回転領
域のみ最大吐出タイミングの学習を行い、高回転領域で
は同学習を行わないようにしてもよい。この場合におい
ても、機関始動時などエンジン回転数NEが低回転領域
にあるときには、上記学習が行われることから的確に最
大燃料吐出量を得ることができ、燃圧Pを速やかに目標
燃圧P0 まで上昇させることができる。
ンジンの燃料供給装置を示す略図。
ック図。
ート。
のグラフ。
21b…カムポジションセンサ、22…排気カムシャフ
ト、22a…カム、26…アクセルポジションセンサ、
36…バキュームセンサ、40…燃料噴射弁、47…高
圧燃料ポンプ、48a…シリンダ、48b…プランジ
ャ、49…加圧室、52…高圧燃料通路、53…デリバ
リパイプ、54…電磁スピル弁、54a…電磁ソレノイ
ド、54b…コイルスプリング、55…燃圧センサ、9
2…電子制御ユニット(ECU)。
Claims (5)
- 【請求項1】燃料配管内に向けて燃料を吐出する燃料ポ
ンプを備え、この燃料ポンプの駆動タイミングを制御し
て同ポンプの燃料吐出量を調整することにより、前記燃
料配管内の燃料圧力を制御する内燃機関の燃料圧力制御
装置において、 前記燃料ポンプの最大燃料吐出量をもたらす最大吐出タ
イミングをもとに、前記燃料ポンプの駆動タイミングを
制御するのに用いられる制御量を算出する算出手段と、 前記最大燃料吐出量をもたらす駆動タイミングを前記最
大吐出タイミングとして学習する学習手段と、 を備えることを特徴とする内燃機関の燃料圧力制御装
置。 - 【請求項2】前記算出手段は、前記燃料ポンプに要求さ
れる燃料吐出量が得られるように前記制御量を算出する
ものであって、 前記学習手段は、前記要求される燃料吐出量の異なる複
数の機関運転状態下での前記制御量のそれぞれの値に基
づき前記最大吐出タイミングの学習を行う請求項1記載
の内燃機関の燃料圧力制御装置。 - 【請求項3】前記算出手段は、前記燃料配管内の燃料圧
力とその目標値との偏差に基づき、前記要求される燃料
吐出量が得られるように前記制御量を算出するものであ
る請求項2記載の内燃機関の燃料圧力制御装置。 - 【請求項4】前記学習手段は、同一機関回転数のもとで
前記要求される燃料吐出量の異なる複数の機関運転状態
下での前記制御量のそれぞれの値に基づき前記最大吐出
タイミングの学習を行う請求項2又は3記載の内燃機関
の燃料圧力制御装置。 - 【請求項5】前記学習手段は、機関回転数に応じて区画
される複数の学習領域毎に前記最大吐出タイミングの学
習を行う請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関の燃
料圧力制御装置。
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