JP2001288579A - 化成処理液、化成処理方法及び防錆処理方法 - Google Patents

化成処理液、化成処理方法及び防錆処理方法

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JP2001288579A
JP2001288579A JP2000098909A JP2000098909A JP2001288579A JP 2001288579 A JP2001288579 A JP 2001288579A JP 2000098909 A JP2000098909 A JP 2000098909A JP 2000098909 A JP2000098909 A JP 2000098909A JP 2001288579 A JP2001288579 A JP 2001288579A
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resin
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group
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JP2000098909A
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Koichiro Saeki
康一郎 佐伯
Hidetaka Nakanishi
秀高 中西
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種の金属表面に優れた耐食性、塗装下地
性、塑性加工用潤滑下地性等を与え、しかも、簡易にノ
ンクロムの処理をしうる化成処理液を提供する。 【解決手段】 有機イオウ化合物を含んでなる化成処理
液であって、該有機イオウ化合物は、活性イオウ及び/
又は活性金属硫化物を化成処理時に発生する作用を有す
るものである化成処理液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化成処理液、化成
処理方法及び防錆処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属表面の化成処理は、通常、金属表面
に酸化膜や無機塩による薄い膜を形成することにより、
金属表面に耐食性を与えたり、塗装下地性や塑性加工用
潤滑下地性を与えたりするために行われる。このような
化成処理の後に表面被覆処理を施すことにより、金属表
面の耐食性や塗装下地性を向上させた防錆処理鋼板が作
製されており、この防錆処理鋼板は、構造物、機械類、
自動車、家電製品等の塗装鋼板等を作製するために広く
用いられている。このように、金属表面の化成処理は、
防錆処理鋼板を作製する上で不可欠であり、鋼板の保護
や美装にとってなくてはならないものである。
【0003】金属表面の化成処理では、通常、クロメー
ト系処理剤が用いられるため、化成処理時にクロムイオ
ンが排出されないようにする必要から生産コストが上昇
したり、金属製品から毒性が懸念されるクロムイオンが
溶出することにより環境を汚染したりするおそれがあっ
た。また、リン酸塩系処理剤等を用いる場合でも、化成
処理工程において設備コストがかかり、金属表面に対し
て簡易に耐食性や塗装下地性等を付与する工夫の余地が
あった。
【0004】特公平5−37234号公報には、亜鉛系
被覆鋼又は無被覆鋼の表面に硫化水素を接触させ、次い
で塗装又はライニングすることにより、クロメート系処
理剤等による化成処理を行わない防食方法が開示されて
いる。しかしながら、この防食方法における硫化水素に
よる処理では、亜鉛系被覆鋼又は無被覆鋼の表面に硫化
水素を接触させて被覆層を形成しようとするものである
が、充分な耐食性を有する被覆層を形成するのに工夫の
余地がある。また、硫化水素は常温で気体であることか
ら、硫化水素を用いる化成処理では、処理量の制御が困
難で、過度の腐食を起こして外観が変化したり、処理量
が不足することで充分な防錆性能を得ることができなか
ったりする。更に、安全性、作業環境の面から実用性が
低い技術であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑みてなされたものであり、各種の金属表面に優れた耐
食性、塗装下地性、塑性加工用潤滑下地性等を与え、し
かも、簡易にノンクロムの処理をしうる化成処理液を提
供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、有機イオウ化
合物を含んでなる化成処理液であって、上記有機イオウ
化合物は、活性イオウ及び/又は活性金属硫化物を化成
処理時に発生する作用を有するものである化成処理液で
ある。
【0007】本発明はまた、上記化成処理液を、金属表
面に塗布して加熱乾燥することにより行う化成処理方法
でもある。本発明は更に、上記化成処理方法により形成
された化成処理被膜上に表面被覆処理を行う工程を含む
防錆処理方法でもある。以下に本発明を詳述する。
【0008】本発明の化成処理液は、有機イオウ化合物
を含んでなり、金属表面の化成処理に用いられるもので
ある。本明細書中において、化成処理とは、無被覆金属
又はメッキや溶射等により得られる被覆金属の表面に、
耐食性、塗装下地性や塑性加工用潤滑下地性等を与える
ために薄い膜を形成するための処理のことを意味する。
【0009】上記有機イオウ化合物は、活性イオウ及び
/又は活性金属硫化物を化成処理時に発生する作用を有
するものである。上記有機イオウ化合物は、単独で用い
てもよく、2種以上を併用してもよい。上記活性イオウ
とは、金属原子と共有結合を形成することができるイオ
ウ原子を意味し、上記活性金属硫化物とは、このような
イオウ原子を有する金属硫化物を意味する。上記有機イ
オウ化合物を用いることにより、活性イオウ及び/又は
活性金属硫化物を化成処理時に発生させて、金属原子と
イオウ原子とが繰り返し共有結合で結合した被覆層を金
属表面に形成させることができる。
【0010】上記金属原子とイオウ原子とが繰り返し共
有結合で結合した被覆層としては、例えば、−(Mp
q )−で表される繰り返し単位により形成される被覆
層等が挙げられる。上記繰り返し単位において、Mは、
金属原子を表す。また、p及びqは、整数を表し、各繰
り返し単位においてそれぞれ同一であっても異なってい
てもよい。上記Mで表される金属原子としては特に限定
されず、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マ
グネシウム、カルシウム、チタン、クロム、鉄、ニッケ
ル、銅、亜鉛、アルミニウム、スズ、テルル、鉛等が挙
げられる。これらの金属原子は、上記被覆層中におい
て、単独で存在してもよく、2種以上が存在してもよ
い。上記活性イオウ及び/又は活性金属硫化物を有機イ
オウ化合物より化成処理時に発生させるには、例えば、
化成処理時に熱エネルギーを与えたり、紫外線、電子線
等の活性エネルギー線等を照射したりすることにより行
うことができる。
【0011】上記有機イオウ化合物は、チウラム類、ジ
チオカルバミン酸金属塩類、キサントゲン酸類、キサン
トゲン酸金属塩類、ジチオモルフォリン類及びベンゾチ
アゾリル系化合物類からなる群より選択される少なくと
も1種の化合物であることが好ましい。より好ましく
は、有機イオウ化合物の作用がより充分となることか
ら、チウラム類、ジチオカルバミン酸金属塩類、ジチオ
モルフォリン類及びベンゾチアゾリル系化合物類からな
る群より選択される少なくとも1種の化合物である。上
記有機イオウ化合物におけるチウラム類としては、下記
式(1−a)で表される化学構造を有する化合物であれ
ば特に限定されず、例えば、下記一般式(1−b)で表
される化合物等が挙げられる。
【0012】
【化1】
【0013】上記一般式(1−b)中、Rは、同一若し
くは異なって、水素原子、炭素数1〜20の置換基を有
してもよい直鎖若しくは分岐状のアルキル基、炭素数6
〜20の置換基を有してもよいアリール基、又は、炭素
数7〜20の置換基を有してもよいアラルキル基を表
す。同じ窒素原子に結合しているRがともに水素原子で
ない場合には、2つのRは、互いに結合していてもよ
い。nは、2〜20の整数を表す。上記置換基としては
特に限定されず、例えば、炭素数1〜10のアルキル基
を有するアミノ基等が挙げられる。
【0014】上記ジチオカルバミン酸金属塩類として
は、下記式(2−a)で表される化学構造を有する化合
物であれば特に限定されず、例えば、下記一般式(2−
b)で表される金属塩化合物等が挙げられる。
【0015】
【化2】
【0016】上記式(2−a)中、Mは、上記と同じで
ある。上記一般式(2−b)中、Rは、上記と同じであ
る。Meは、1〜4価の金属原子を表す。mは、1〜4
の整数を表す。また、金属塩の形態だけでなく、ピペリ
ジン塩やピペリコン塩となっていてもよい。
【0017】上記Meで表される1〜4価の金属原子と
しては特に限定されず、例えば、リチウム、ナトリウ
ム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄、ニッケ
ル、銅、亜鉛、アルミニウム、テルル等の金属原子が挙
げられる。これらの中でも、亜鉛原子であることが好ま
しい。
【0018】上記キサントゲン酸類としては、下記式
(3−a)で表される化学構造を有する化合物であれば
特に限定されず、例えば、下記一般式(3−b)で表さ
れる化合物等が挙げられる。
【0019】
【化3】
【0020】上記一般式(3−b)中、R及びnは、上
記と同じである。上記キサントゲン酸金属塩類として
は、下記式(4−a)で表される化学構造を有する化合
物であれば特に限定されず、例えば、下記一般式(4−
b)で表される金属塩化合物等が挙げられる。
【0021】
【化4】
【0022】上記式(4−a)中、Mは、上記と同じで
ある。上記一般式(4−b)中、R、Me及びmは、上
記と同じである。
【0023】上記ジチオモルフォリン類としては、下記
式(5−a)で表される化学構造を有する化合物であれ
ば特に限定されず、例えば、下記式(5−b)で表され
るジチオジモルフォリン化合物等が挙げられる。
【0024】
【化5】
【0025】上記ベンゾチアゾリル系化合物類として
は、下記式(6−a)で表される化学構造を有する化合
物であれば特に限定されず、例えば、下記式(6−b)
で表されるジベンゾチアジルジスルフィド、下記一般式
(6−c)で表される2−メルカプトベンゾチアゾール
の金属塩化合物等が挙げられる。また、2−メルカプト
ベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩等も挙げら
れる。
【0026】
【化6】
【0027】上記一般式(6−c)中、Me及びmは、
上記と同じである。上記有機イオウ化合物の中でも、活
性イオウをより多く発生させることができることから、
イオウ原子の含有割合が多いものが好ましい。このよう
な有機イオウ化合物としては、例えば、一般式(1−
b)、(2−b)、(3−b)及び(4−b)で表され
る化合物では、イオウ原子の含有割合が多いものとし
て、上記Rの炭素数が8以下であるもの等が挙げられ
る。
【0028】本発明の化成処理液は、上記有機イオウ化
合物を溶解又は分散するための水、又は溶媒を含んでい
てもよく、溶液や乳化液、懸濁液等のいずれの形態であ
ってもよい。上記溶媒としては、有機イオウ化合物を分
散することができるものであれば特に限定されず、例え
ば、水;トルエンやキシレン等の芳香族炭化水素系溶
剤;ヘキサンやシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶
剤;酢酸エチルや酢酸ブチル等のエステル系脂肪族炭化
水素系溶剤;エタノール等のアルコール系溶剤;テトラ
ヒドロフラン(THF)、N,N−ジメチルホルムアミ
ド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ヘ
キサメチルホスホルアミド(HMPA)、ニトロメタ
ン、アセトン等が挙げられる。これらの中でも、有機イ
オウ化合物を分散しやすく入手が容易であることから、
トルエンやキシレン等の芳香族炭化水素系溶剤が好まし
い。
【0029】本発明の化成処理液において、有機イオウ
化合物の含有割合としては特に限定されず、例えば、化
成処理液100重量部あたり、0.5〜60重量部であ
ることが好ましい。0.5重量部未満であると、有機イ
オウ化合物の有する作用が充分に発揮されないおそれが
あり、60重量部を超えると、化成処理液による被膜の
膜厚が厚くなり過ぎ、被膜が脱落するおそれがある。よ
り好ましくは、1〜50重量部、更に好ましくは、2〜
20重量部である。本発明の化成処理液は、必要に応じ
て、耐食性等を向上させるための添加剤等を含有しても
よい。
【0030】本発明の化成処理液は、金属表面を金属原
子とイオウ原子とが繰り返し共有結合で結合した被覆層
により充分に被覆することができ、該被覆層が従来の化
成処理と同等以上の耐食性、塗装下地性、塑性加工用潤
滑下地性等を付与することができるものである。また、
クロメート系処理剤やリン酸塩系処理剤等を用いる場合
における化成処理のための設備をなくすことができるも
のである。従って、金属基材に対してノンクロムの化成
処理を簡易に行うことができ、かつ、生産コストを抑制
し、また、環境汚染を抑制することができるものであ
る。
【0031】本発明の化成処理液を、金属表面に塗布し
て加熱乾燥する工程を含む化成処理方法によって、金属
表面に化成処理被膜を形成することができる。これによ
り、クロメート系処理剤やリン酸塩系処理剤等により形
成される酸化膜や無機塩の薄い膜にかわって、金属原子
とイオウ原子とが繰り返し共有結合で結合した被覆層を
金属表面に形成させることができ、金属表面に対して簡
易にノンクロムの化成処理を行うことができる。また、
有機イオウ化合物を用いる処理方法では、硫化水素等を
用いる処理方法に比べて、従来の塗工設備で塗工が可能
であり、塗布量の制御が容易で、過度の侵食を起こすこ
ともなく、最適な処理量を施すことで、非常に耐食性に
優れた化成処理を容易に行うことができる。更に、有機
物で処理を行うため、任意の性状の化合物が入手可能で
あり、任意の溶解性、任意の活性イオウや活性金属硫化
物の発生温度を設定することができる。このような化成
処理方法もまた、本発明の一つである。
【0032】上記金属表面における金属基材としては特
に限定されず、例えば、鉄、鋼、合金鋼、亜鉛、亜鉛合
金、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属;これら
の金属に亜鉛等を含む金属をメッキや溶射等により被覆
した金属等が挙げられる。これらの中でも、本発明にお
ける化成処理被膜が充分にその作用を発揮することがで
きることから、亜鉛、亜鉛合金、アルミニウム、アルミ
ニウム合金等の金属や、亜鉛等を含む金属をメッキや溶
射等により被覆した金属を用いることが好ましい。より
好ましくは、金属表面が亜鉛を含む場合である。
【0033】上記化成処理方法における化成処理液の塗
布方法としては特に限定されず、例えば、ハケ塗り、ス
プレー塗装、ロール塗装、浸漬塗装等の通常の塗布方法
が挙げられる。上記化成処理方法における化成処理液の
塗布量としては特に限定されず、例えば、金属表面に対
して、2mg/m2 〜500g/m2 であることが好ま
しい。2mg/m2 未満であると、均一な塗布が困難と
なるおそれがあり、500g/m 2 を超えると、乾燥に
多大な時間を要するおそれがある。より好ましくは、6
0mg/m2 〜200g/m2 であり、更に好ましく
は、100mg/m2 〜150g/m2 であり、最も好
ましくは、150mg/m2 〜100g/m2 である。
上記化成処理液による化成処理の有機イオウ化合物の塗
布量としては特に限定されず、例えば、金属表面に対し
て、1mg/m2 〜50g/m2 であることが好まし
い。1mg/m2 未満であると、化成処理被膜による作
用が発揮されないおそれがあり、50g/m2 を超える
と、被膜の膜厚が厚くなり過ぎ脱落するおそれがある。
より好ましくは、30mg/m2 〜5g/m2 であり、
更に好ましくは、50mg/m2 〜1g/m2 であり、
最も好ましくは、80mg/m2 〜500mg/m2
ある。上記塗布量はまた、化成処理方法が適用される用
途によって、適宜設定することが好ましい。
【0034】上記化成処理方法における化成処理液の加
熱乾燥方法としては特に限定されず、例えば、熱や熱風
により乾燥処理する場合、雰囲気温度が40〜300℃
で数秒〜数分程度行うことが好ましい。より好ましく
は、80〜250℃、更に好ましくは、100〜200
℃である。この場合、金属基材表面の最終到達温度は、
40〜300℃であることが好ましい。より好ましく
は、80〜250℃、更に好ましくは、100〜200
℃である。金属基材表面の最終到達温度が80℃以上、
好ましくは100℃以上であると、有機イオウ化合物か
ら活性イオウを充分に発生させることができることにな
る。
【0035】本発明の化成処理方法により形成された化
成処理被膜上に更に表面被覆処理を行う工程を含むこと
により、防錆処理を行うことができる。このような防錆
処理方法により、金属表面に対してより優れた耐食性や
塗装下地性等を付与することができることになる。この
ような防錆処理方法もまた、本発明の一つである。上記
表面被覆処理は、表面被覆剤を化成処理被膜上に塗布し
て乾燥することにより行われる。上記表面被覆剤として
は特に限定されず、例えば、以下に記載する樹脂等を樹
脂成分とするものを用いることができ、水溶性、水希釈
性、水分散性、非水分散性、溶剤溶解性等のいずれの形
態であってもよい。
【0036】エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン
−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共
重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−
ブテン共重合体等のポリオレフィン系樹脂及びジエン系
樹脂;ポリスチレン、スチレン−無水マレイン酸共重合
樹脂等のポリスチレン系樹脂;ポリ酢酸ビニル系樹脂;
ポリビニルアルコール系樹脂;メタクリル樹脂等のメタ
クリル酸エステル系樹脂;アクリロニトリル系樹脂;ポ
リアミド系樹脂;ポリオキシメチレン、ポリフェニレン
エーテル系樹脂等のポリエーテル系樹脂;ポリカーボネ
ート系樹脂;ポリエステル系樹脂;不飽和ポリエステル
系樹脂;ポリウレタン系樹脂;フェノール系樹脂;尿素
樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等のアミノ
系樹脂;エポキシ系樹脂;ポリイミド系樹脂。これらの
樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよ
い。
【0037】上記表面被覆剤において、樹脂成分の含有
割合としては特に限定されず、例えば、表面被覆剤10
00gあたり、樹脂不揮発分として5〜600gである
ことが好ましい。5g未満であると、化成処理被膜との
密着性が充分でなくなるおそれがあり、600gを超え
ると、被膜の膜厚が厚くなり過ぎて防錆処理鋼板の電気
溶接や加工性等が劣るおそれがある。より好ましくは、
10〜400gである。
【0038】上記表面被覆剤における樹脂成分は、陽イ
オン性樹脂及び/又は両イオン性樹脂を含むことが好ま
しい。これにより、防錆処理により形成される被膜が金
属表面や防錆処理被膜上に形成される塗膜に対して充分
な密着性を有し、かつ、腐食性物質を充分に遮断して金
属表面を保護する作用が向上することになり、金属表面
に優れた耐食性を付与することができることになる。本
明細書中において陽イオン性樹脂とは、分子中の主鎖又
は側鎖に陽イオンを形成する基を有する樹脂を意味す
る。本明細書中では、分子中の主鎖又は側鎖に陽イオン
を形成する原子を有する樹脂も含むこととする。また、
両イオン性樹脂とは、分子中の主鎖又は側鎖に陽イオン
を形成する基と陰イオンを形成する基とを有する樹脂を
意味する。本明細書中では、分子中の主鎖又は側鎖に陽
イオンを形成する原子を有する樹脂と、陰イオンを形成
する原子を有する樹脂もまた含むこととする。
【0039】上記陽イオン性樹脂は、分子中の主鎖又は
側鎖に陽イオンを形成する基として1級アミノ基、2級
アミノ基、3級アミノ基、アミド基の陽イオン性窒素原
子のうち少なくとも1つを有する樹脂であることが好ま
しい。また、上記両イオン性樹脂は、分子中の主鎖又は
側鎖に陽イオン性窒素原子と陰イオンを形成する基とし
てカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸基、リン酸基の
うち少なくとも1つを有する樹脂であり、カルボキシル
基を有する樹脂であることが好ましい。これらの樹脂と
しては特に限定されず、例えば、以下の(1)〜(1
7)に示すもの等が挙げられる。これらは単独で用いて
もよく、2種以上を併用してもよい。
【0040】分子中の主に主鎖に陽イオンを形成する基
として陽イオン性窒素原子を有する陽イオン性樹脂とし
ては、例えば以下のものが挙げられる。 (1)ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミン、ポ
リアルキレンイミン等のポリアミン誘導体からなる陽イ
オン性樹脂。 (2)ポリカルボン酸とポリアミンとの縮合により生成
するポリアミドポリアミン及びその誘導体からなる陽イ
オン性樹脂。 (3)エポキシ樹脂等のポリグリシジル化合物とアミン
及び/又はポリアミンとの反応により得られるアミンエ
ポキシ付加物及びその誘導体からなる陽イオン性樹脂。 (4)ウレタンプレポリマー等のポリイソシアネート化
合物とアミン及び/又はポリアミンとの反応により得ら
れる陽イオン性尿素系樹脂。 (5)クロロメチル基及び/又はヒドロキシメチル基を
有する重合体とアミン及び/又はポリアミンとの反応に
より得られるアミノメチル基を有する陽イオン性樹脂。 (6)ポリハロアルカン、エピハロヒドリン及びポリエ
ピハロヒドリンのうち少なくとも1種とアミン及び/又
はポリアミンとの重縮合物からなる陽イオン性樹脂。
【0041】分子中の主に側鎖に陽イオンを形成する基
として陽イオン性窒素原子を有する陽イオン性樹脂とし
ては、例えば以下のものが挙げられる。(7)ジアルキ
ルアミノアルキル(メタ)アクリレート等のアミノエス
テル基を有するビニル化合物、ビニルピリジン、ビニル
イミダゾール及びそれらの塩類等の陽イオン性窒素原子
を有する化合物のうち少なくとも1種の化合物から得ら
れる重合体、並びに、これらの化合物と共重合可能な他
の単量体とから得られる共重合体からなる陽イオン性樹
脂。 (8)ビニルホルムアミド重合体の酸又は塩基性物質に
よる加水分解物等の方法により得られるポリビニルアミ
ン類からなる陽イオン性樹脂。 (9)アリルアミン又はジアリルアミン及びその塩類の
陽イオン性窒素原子を有する化合物のうち少なくとも1
種の化合物から得られる重合体、並びに、これらの化合
物と共重合可能な他の単量体とから得られる共重合体か
らなる陽イオン性樹脂。 (10)(メタ)アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、
ポリウレタン樹脂、アルキッド樹脂又はマレイン化ポリ
ブタジエン等のカルボキシル基を有する樹脂の全てのカ
ルボキシル基をエチレンイミン、プロピレンイミン、ヒ
ドロキシエチルエチレンイミン及びヘキサメチレンジエ
チレンウレア等のアジリジン化合物並びにグリシジルア
ミン及びその塩等の塩基性窒素原子を有するアルキル化
剤のうち少なくとも1種の化合物と反応させることによ
って得られる陽イオン性樹脂。 (11)(メタ)アクリル系樹脂等のグリシジル基を有
する樹脂のグリシジル基を、アンモニア又はアミン化合
物と反応させることによって得られる陽イオン性樹脂。 (12)(メタ)アクリル酸グリシジル等のグリシジル
基を有する化合物のグリシジル基を、アンモニア又はア
ミン化合物と反応させた陽イオン性窒素原子を有する化
合物から得られる重合体、並びに、これらの化合物と共
重合可能な他の単量体とから得られる共重合体からなる
陽イオン性樹脂。
【0042】上記分子中の主鎖又は側鎖に陰イオンを形
成する基としてカルボキシル基を有する両イオン性樹脂
としては、例えば以下のものが挙げられる。 (13)上記陽イオン性樹脂にクロロ酢酸等を用いて陰
イオン性基としてカルボキシル基を導入した両イオン性
樹脂。 (14)(メタ)アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、
ポリウレタン樹脂、アルキッド樹脂又はマレイン化ポリ
ブタジエン等のカルボキシル基を有する樹脂の一部のカ
ルボキシル基を、エチレンイミン、プロピレンイミン、
ヒドロキシエチルエチレンイミン及びヘキサメチレンジ
エチレンウレア等のアジリジン化合物並びにグリシジル
アミン及びその塩等の塩基性窒素原子を有するアルキル
化剤のうち少なくとも1種の化合物と反応させることに
よって得られる両イオン性樹脂。 (15)(メタ)アクリル系樹脂等のカルボキシル基と
グリシジル基を有する樹脂のグリシジル基を、アンモニ
ア又はアミン化合物と反応させることによって得られる
両イオン性樹脂。 (16)(メタ)アクリル酸グリシジル等のグリシジル
基を有する化合物のグリシジル基を、アンモニア又はア
ミン化合物と反応させたものと、(メタ)アクリル酸、
クロトン酸及びマレイン酸等のカルボキシル基を有する
化合物から得られる重合体、並びに、これらの化合物と
共重合可能な他の単量体とから得られる共重合体からな
る両イオン性樹脂。 (17)上記(7)、(9)又は(12)の陽イオン性
窒素原子を有する化合物のうち少なくとも1種の化合物
と、(メタ)アクリル酸、クロトン酸及びマレイン酸等
のカルボキシル基を有する化合物のうち少なくとも1種
の化合物との共重合体、並びに、これらの化合物と共重
合可能な他の単量体とから得られる共重合体からなる両
イオン性樹脂。尚、上記の分類は一例であって、もちろ
ん主鎖、側鎖の両方に陽イオン性窒素原子を有する樹脂
であってもよい。
【0043】上記陽イオン性樹脂及び上記両イオン性樹
脂は、いずれも通常の方法によって合成することができ
る。また、陽イオン性窒素原子の一部又は全部を、塩
酸、硝酸、ギ酸、酢酸等の有機酸及び/又は無機酸によ
り中和して用いてもよく、両イオン性樹脂のカルボキシ
ル基の一部又は全部を、アンモニア、アミン化合物、苛
性ソーダ等の有機及び/又は無機塩基性化合物にて中和
してもよい。
【0044】上記陽イオン性樹脂における陽イオン性窒
素原子の存在量としては特に限定されず、例えば、コロ
イド滴定法、電導度滴定法等の測定法により測定した場
合に、陽イオン性樹脂1g当たり0.1〜24ミリモル
であることが好ましい。また、上記両イオン性樹脂にお
ける陽イオン性窒素原子及び陰イオン性カルボキシル基
の存在量としては特に限定されず、例えば、上記と同様
の測定法により測定した場合に、両イオン性樹脂1g当
たりそれぞれ0.01〜20ミリモルであることが好ま
しい。陽イオン性窒素原子や陰イオン性カルボキシル基
の存在量が上記の範囲をはずれると、各種の金属表面と
塗膜とを充分に密着させることができなくなるおそれが
ある。
【0045】上記陽イオン性樹脂及び/又は両イオン性
樹脂はまた、1級アミノ基及び2級アミノ基のうち少な
くとも1つを側鎖に有するものを含むことが好ましい。
これにより、陽イオン性樹脂及び/又は両イオン性樹脂
は、カルボキシル基と、1級アミノ基及び2級アミノ基
のうち少なくとも1つとを有することになり、1級アミ
ノ基や2級アミノ基が3級アミノ基やアミド基よりも密
着性に優れた作用を有することから、各種の金属表面や
塗膜への密着性が優れたものとなる。
【0046】上記1級アミノ基及び上記2級アミノ基と
は、例えば、下記一般式(7);
【0047】
【化7】
【0048】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 及びR5
は、同一若しくは異なって、水素原子、ハロゲン原子、
置換基を有してもよいアルキル基、アラルキル基又はア
リール基を表す。aは、0又は1の整数を表す。bは、
1以上の整数を表す。)で表される基等が挙げられる。
上記1級アミノ基及び上記2級アミノ基が陽イオン性樹
脂及び/又は両イオン性樹脂中に2つ以上存在する場合
には、これらは同一であってもよく、異なっていてもよ
い。
【0049】上記一般式(7)中、R1 、R2 、R3
4 及びR5 が、アルキル基、アラルキル基又はアリー
ル基を表す場合には、これらは炭素数が20以下である
ことが好ましい。より好ましくは、炭素数が10以下で
ある。上記アルキル基及び上記アラルキル基は、直鎖状
であってもよく、分岐状であってもよい。
【0050】上記一般式(7)中、アルキル基、アラル
キル基又はアリール基が置換基を有する場合には、該置
換基としては特に限定されず、例えば、シアノ基、ハロ
ゲン原子、アミノ基、ヒドロキシル基、アルコキシル
基、カルボアルコキシル基等が挙げられる。
【0051】上記アルコキシル基又は上記カルボアルコ
キシル基は、炭素数が20以下であることが好ましい。
より好ましくは、炭素数が10以下である。また、これ
らは、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。
【0052】上記1級アミノ基及び2級アミノ基のうち
少なくとも1つを側鎖に有する陽イオン性樹脂としては
特に限定されず、例えば、上記例示のうち(1)、
(7)、(8)、(9)、(10)、(11)又は(1
2)に示した樹脂等の1級アミノ基及び2級アミノ基の
うち少なくとも1つを側鎖に有する陽イオン性樹脂が挙
げられる。上記ポリビニルアミン類やポリアリルアミン
類及びこれらの塩は、炭素数1〜4のアルキル基のモノ
置換体又はジ置換体、該置換体の4級化物であってもよ
い。
【0053】上記ポリビニルアミン類及びその塩として
は特に限定されず、例えば、ポリビニルアミン、ポリメ
タビニルアミン、ポリビニルアミン塩酸塩、ポリビニル
エチルアミン塩酸塩、ポリメタビニルメチルアミン塩酸
塩、ポリビニル−N−トリメチルアンモニウムブロミド
等が挙げられる。
【0054】上記ポリアリルアミン類及びその塩として
は特に限定されず、例えば、ポリアリルアミン、ポリア
リルアミン塩酸塩、ポリアリルエチルアミン塩酸塩、ポ
リアリルジメチルエチルアンモニウム塩酸塩、ジアリル
アミン塩酸塩重合体、ジアリルメチルアミン塩酸塩重合
体、ジアリルジメチルアンモニウム塩酸塩重合体;これ
らの二酸化イオウ共重合体、アクリルアミド共重合体、
ジアリルアミン塩酸塩誘導体共重合体等が挙げられる。
【0055】上記ポリビニルアミン類の調製方法として
は特に限定されず、例えば、ポリビニルホルムアミドの
酸又は塩基性物質による加水分解;ポリニトロエチレン
やその誘導体の還元;ポリアクリルアミドのホフマン分
解;N−ビニルフタルイミドポリマーのアルカリ還元に
よる方法等が挙げられる。また、上記ポリアリルアミン
類の調製方法としては特に限定されず、例えば、ポリア
リルアミン塩酸塩のアルカリ還元による方法等が挙げら
れる。
【0056】上記カルボキシル基を有する樹脂の全ての
カルボキシル基を変性した樹脂において、カルボキシル
基を有する樹脂は、少なくとも一種の不飽和カルボン酸
を含む単量体成分を重合して得た重合体であることが好
ましい。上記不飽和カルボン酸としては特に限定され
ず、例えば、(メタ)アクリル酸、ケイ皮酸、クロトン
酸等の不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、イタコン
酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸やそのモノエステ
ル類等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2
種以上を併用してもよい。
【0057】上記単量体成分は、必要に応じて、不飽和
カルボン酸の他に、不飽和カルボン酸と共重合可能で、
かつ、カルボキシル基と反応しない不飽和単量体を使用
することができる。
【0058】上記不飽和単量体としては特に限定され
ず、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アク
リル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル
等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリロ
ニトリル等の不飽和ニトリル類;(メタ)アクリルアミ
ド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の不飽和
アミド類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニル
エステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエー
テル等のビニルエーテル類;エチレン、プロピレン等の
α−オレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ
化ビニル等のハロゲン化α,β−不飽和モノマー類;ス
チレン、α−メチルスチレン等のα,β−不飽和芳香族
モノマー類等が挙げられる。これらは単独で用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。
【0059】上記カルボキシル基を有する重合体の重合
方法としては、公知の重合法を用いることができ、特に
限定されず、例えば、バルク重合法、溶液重合法、乳化
重合法、懸濁重合法等により行うことができる。この場
合、必要に応じて、メルカプタン化合物等の連鎖移動剤
を用いて重合度の制御を行うことができる。上記カルボ
キシル基を有する重合体の形態としては特に限定され
ず、例えば、水溶性、水希釈性、水分散性、非水分散
性、溶剤溶解性等であることが挙げられる。上記カルボ
キシル基を有する重合体は単独で用いてもよく、2種以
上を併用してもよい。
【0060】上記カルボキシル基を有する樹脂の全ての
カルボキシル基を変性した樹脂において、カルボキシル
基を1級及び/又は2級アミノ基に変性する方法として
は特に限定されず、例えば、アルキレンイミンを用いる
方法;ポリオキシアルキレンポリアミン等のポリアミン
を用いる方法等が挙げられる。これらの中でも、特にア
ルキレンイミンを用いて開環付加させる方法が好まし
い。
【0061】上記アルキレンイミンとしては特に限定さ
れず、例えば、下記一般式(8)で表される化合物等が
挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を
併用してもよい。
【0062】
【化8】
【0063】上記一般式(8)中、R1 、R2 、R3
4 及びR5 は、上記と同じである。このようなアルキ
レンイミンとしては特に限定されず、例えば、エチレン
イミン、1,2−プロピレンイミン、1,2−ドデシレ
ンイミン、1,1−ジメチルエチレンイミン、フェニル
エチレンイミン、ベンジルエチレンイミン、ヒドロキシ
エチルエチレンイミン、アミノエチルエチレンイミン、
2−メチルプロピレンイミン、3−クロロプロピルエチ
レンイミン、メトキシエチルエチレンイミン、ドデシル
アジリジニルフォルメイト、N−エチルエチレンイミ
ン、N−(2−アミノエチル)エチレンイミン、N−
(フェネチル)エチレンイミン、N−(2−ヒドロキシ
エチル)エチレンイミン、N−(シアノエチル)エチレ
ンイミン、N−フェニルエチレンイミン、N−(p−ク
ロロフェニル)エチレンイミン等が挙げられる。これら
の中でも、エチレンイミンや1,2−プロピレンイミン
が工業的に入手しやすく好適である。
【0064】上記アルキレンイミンを用いる方法におい
て、アルキレンイミンによりカルボキシル基を有する重
合体におけるカルボキシル基を全て変性すると、−CO
O−基に1級及び/又は2級アミノ基が結合した下記一
般式(9)で表される基を有する重合体が得られる。
【0065】
【化9】
【0066】上記一般式(9)中、R1 、R2 、R3
4 、R5 、a及びbは、上記と同じである。重合体中
の不飽和カルボン酸量と重合体中のカルボン酸の変性に
用いられるアルキレンイミンの量は、変性後の陽イオン
性樹脂における陽イオン性窒素原子の存在量が上記陽イ
オン性樹脂における陽イオン性窒素原子の好ましい存在
量の範囲となれば特に限定されない。
【0067】上記アルキレンイミンを用いる方法におい
て、アルキレンイミンによって変性されるカルボキシル
基は、重合体中の不飽和カルボン酸量として、1〜30
重量%であることが好ましい。1重量%未満であると、
表面被覆剤により形成される被膜の密着性が充分でなく
なるおそれがある。30重量%を超えると、被膜の耐水
性等の基本性能が低下するおそれがある。より好ましく
は、1〜15重量%である。上記アルキレンイミンを用
いる方法において、変性に用いられるアルキレンイミン
の量は、重合体中の不飽和カルボン酸量と当モル量以上
であれば特に限定されず、重合体中の不飽和カルボン酸
量に対して当モル量〜10倍モル量が好ましい。10倍
モル量を超えると、表面被覆剤により形成される被膜の
耐水性が充分でなくなるおそれがある。より好ましくは
当モル量〜5倍モル量である。上記アルキレンイミンを
用いる方法において、カルボキシル基を有する樹脂の全
てのカルボキシル基を変性する場合には、例えば、トル
エンやキシレン等の極性の低い反応溶媒を用いる等の適
当な条件を採用することによりカルボキシル基を有する
樹脂の全てのカルボキシル基をアルキレンイミンによっ
て変性した樹脂が得られる。
【0068】上記1級アミノ基及び2級アミノ基のうち
少なくとも1つを側鎖に有する両イオン性樹脂としては
特に限定されず、例えば、上記例示のうち(7)、
(8)、(9)、(10)、(11)又は(12)に示
した樹脂等に(13)に示した方法によりカルボキシル
基を導入した樹脂や、(14)、(15)、(16)又
は(17)の1級アミノ基及び2級アミノ基のうち少な
くとも1つを側鎖に有する両イオン性樹脂が挙げられ
る。上記陽イオン性樹脂にクロロ酢酸等を用いて陰イオ
ン性基としてカルボキシル基を導入する方法は工程が煩
雑であること、上記陽イオン性窒素原子を有する化合物
とカルボキシル基を有する化合物との反応によって共重
合体を得る方法は、例えば、アリルアミンと不飽和カル
ボン酸とが低重合性であることや(メタ)アクリル酸ア
ミノエチルが不安定な単量体であるために特別な配慮が
必要であること、上記カルボキシル基を有する樹脂の一
部のカルボキシル基を変性する方法が最も容易であるこ
と等から、カルボキシル基を有する樹脂の一部のカルボ
キシル基を変性する方法が好ましい。上記カルボキシル
基を有する樹脂の一部のカルボキシル基を変性した樹脂
において、カルボキシル基を有する樹脂は、少なくとも
一種の不飽和カルボン酸を含む単量体成分を重合して得
た重合体であることが好ましい。上記不飽和カルボン酸
としては特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル
酸、ケイ皮酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸;
マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボ
ン酸やそのモノエステル類等が挙げられる。これらは単
独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0069】上記単量体成分は、必要に応じて、不飽和
カルボン酸の他に、不飽和カルボン酸と共重合可能で、
かつ、カルボキシル基と反応しない不飽和単量体を使用
することができる。
【0070】上記不飽和単量体としては特に限定され
ず、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アク
リル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル
等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリロ
ニトリル等の不飽和ニトリル類;(メタ)アクリルアミ
ド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の不飽和
アミド類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニル
エステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエー
テル等のビニルエーテル類;エチレン、プロピレン等の
α−オレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ
化ビニル等のハロゲン化α,β−不飽和モノマー類;ス
チレン、α−メチルスチレン等のα,β−不飽和芳香族
モノマー類等が挙げられる。これらは単独で用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。
【0071】上記カルボキシル基を有する重合体の重合
方法としては、公知の重合法を用いることができ、特に
限定されず、例えば、バルク重合法、溶液重合法、乳化
重合法、懸濁重合法等により行うことができる。この場
合、必要に応じて、メルカプタン化合物等の連鎖移動剤
を用いて重合度の制御を行うことができる。上記カルボ
キシル基を有する重合体の形態としては特に限定され
ず、例えば、水溶性、水希釈性、水分散性、非水分散
性、溶剤溶解性等であることが挙げられる。上記カルボ
キシル基を有する重合体は単独で用いてもよく、2種以
上を併用してもよい。
【0072】上記カルボキシル基を有する樹脂の一部の
カルボキシル基を変性した樹脂において、カルボキシル
基を1級及び/又は2級アミノ基に変性する方法として
は特に限定されず、例えば、アルキレンイミンを用いる
方法;ポリオキシアルキレンポリアミン等のポリアミン
を用いる方法等が挙げられる。これらの中でも、特にア
ルキレンイミンを用いて開環付加させる方法が好まし
い。
【0073】上記アルキレンイミンとしては特に限定さ
れず、例えば、上記一般式(8)で表される化合物等が
挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を
併用してもよい。
【0074】上記アルキレンイミンを用いる方法におい
て、アルキレンイミンによりカルボキシル基を有する重
合体におけるカルボキシル基を全て変性すると、−CO
O−基に1級及び/又は2級アミノ基が結合した上記一
般式(9)で表される基を有する重合体が得られる。
【0075】重合体中の不飽和カルボン酸量と重合体中
のカルボン酸の変性に用いられるアルキレンイミンの量
は、変性後の両イオン性樹脂における陽イオン性窒素原
子の存在量が上記両イオン性樹脂における陽イオン性窒
素原子の好ましい存在量の範囲となれば特に限定されな
い。
【0076】上記アルキレンイミンを用いる方法におい
て、アルキレンイミンによって変性されるカルボキシル
基は、重合体中の不飽和カルボン酸量として、1〜30
重量%であることが好ましい。1重量%未満であると、
表面被覆剤により形成される被膜の密着性が充分でなく
なるおそれがある。30重量%を超えると、被膜の耐水
性等の基本性能が低下するおそれがある。より好ましく
は、1〜15重量%である。上記アルキレンイミンを用
いる方法において、変性に用いられるアルキレンイミン
の量は、重合体中の不飽和カルボン酸量と0.1倍モル
量〜当モル量未満であれば特に限定されないが、例え
ば、水等の極性の高い反応溶媒を用いる等の適当な条件
を採用することにより、重合体中の不飽和カルボン酸量
と当モル量以上であってもカルボキシル基を有する樹脂
の一部のカルボキシル基をアルキレンイミンによって変
性した樹脂が得られる。このため、上記アルキレンイミ
ンを用いる方法において、変性に用いられるアルキレン
イミンの量は、重合体中の不飽和カルボン酸量に対して
0.1倍モル量〜10倍モル量が好ましい。0.1倍モ
ル量未満では、導入される陽イオン性窒素原子量が少な
く金属に対する密着性が充分でなくなるおそれがあり、
10倍モル量を超えると、表面被覆剤により形成される
被膜の耐水性が充分でなくなるおそれがある。より好ま
しくは、0.5倍モル量〜5倍モル量である。
【0077】上記陽イオン性及び両イオン性樹脂はま
た、それにより形成される被覆膜の塗膜性能が優れたも
のになることから、主鎖構造に炭素−炭素結合、アミド
結合、ウレタン結合、アミンエポキシ結合を有するもの
が好ましい。これにより、被覆膜の耐水性等の基本的な
塗膜性能が優れたものとなる。
【0078】上記表面被覆剤には、有機イオウ化合物;
リン酸化合物;多官能架橋剤;水分散性シリカ、並び
に、トリ及び/若しくはジアルコキシシラン化合物又は
その加水分解物のうち少なくとも1つを含んでもよい。
表面被覆剤がこれらの化合物を含むことにより、防錆処
理により形成される被膜がより優れた耐食性等の性能を
金属表面に付与することができることになる。
【0079】上記有機イオウ化合物としては特に限定さ
れず、例えば、本発明の化成処理液において記載した化
合物や、下記一般式(10)で表されるチオ尿素類縁体
等が挙げられる。表面被覆剤が有機イオウ化合物を含む
ことにより、化成処理液により形成される被覆層をより
充分なものとすることができる。
【0080】
【化10】
【0081】上記一般式(10)中、Rは、上記と同じ
である。上記チオ尿素類縁体は、金属原子と共有結合を
形成する作用をもつイオウ原子を有する化合物である。
これにより、チオ尿素類縁体中のイオウ原子と金属表面
における金属原子とが共有結合で結合された被覆層を形
成させることができる。
【0082】上記有機イオウ化合物の含有割合としては
特に限定されず、例えば、樹脂不揮発分100重量部に
対して、1〜50重量部であることが好ましい。1重量
部未満であると、有機イオウ化合物の有する作用が発揮
されないおそれがあり、50重量部を超えると、防錆処
理により得られる被膜の耐水性等が充分でなくなるおそ
れがある。より好ましくは、1〜40重量部である。更
に、上記有機イオウ化合物の表面被覆剤における含有割
合としては特に限定されず、例えば、表面被覆剤100
0gあたり、2.5〜300gであることが好ましい。
2.5g未満であると、有機イオウ化合物の有する作用
が発揮されないおそれがあり、300gを超えると、被
膜の耐水性等の基本的な性能が充分でなくなるおそれが
ある。より好ましくは、5〜200gである。
【0083】上記リン酸化合物としては特に限定され
ず、例えば、オルトリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、
メタリン酸、フィチン酸;モリブデン酸やタングステン
酸とリン原子とにより形成されるヘテロポリ酸等が挙げ
られる。また、リン酸ナトリウム、リン酸一水素ナトリ
ウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸カリウム、リン
酸一水素カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸一水
素マグネシウム、リン酸一水素亜鉛等のリン酸の金属
塩;リン酸アンモニウム、リン酸一水素アンモニウム、
リン酸二水素アンモニウム等のリン酸のアンモニウム
塩;リン酸ヒドラジニウム等のリン酸のアミン塩;リン
酸エチル等のリン酸エステル等も挙げられる。これらは
単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記
リン酸化合物が陽イオン性樹脂及び/又は両イオン性樹
脂とともに用いられる場合には、陽イオン性樹脂及び/
又は両イオン性樹脂の陽イオン性窒素原子とリン酸化合
物とがリン酸塩を形成し、このリン酸塩が金属表面との
親和性を向上させる作用を有することから、表面被覆剤
により形成される被膜の耐食性等がより向上することに
なる。
【0084】上記リン酸化合物の含有割合としては特に
限定されず、例えば、陽イオン性樹脂及び/又は両イオ
ン性樹脂の有する陽イオン性窒素原子の一部又は全部を
塩とするために用いられるリン酸等の表面被覆剤中に含
まれるすべてのリン酸化合物を含めて、樹脂不揮発分1
00重量部に対して、0.5〜50重量部であることが
好ましい。0.5重量部未満であると、リン酸化合物の
有する作用が充分に発揮できなくなるおそれがある。5
0重量部を超えると、被膜の耐水性、耐アルカリ性が充
分でなくなるおそれがあり、また、塗膜との密着性が劣
るおそれがある。より好ましくは、1〜40重量部であ
る。更に、上記リン酸化合物の表面被覆剤における含有
割合としては特に限定されず、例えば、表面被覆剤10
00gあたり、0.1〜300gであることが好まし
い。0.1g未満であると、リン酸化合物の有する作用
が充分に発揮できなくなるおそれがある。300gを超
えると、被膜の耐水性、耐アルカリ性が充分でなくなる
おそれがあり、また、被膜との密着性が劣るおそれがあ
る。より好ましくは、0.6〜160gである。
【0085】上記多官能架橋剤は、表面被覆剤中の樹脂
成分を架橋することができるものであれば特に限定され
ず、例えば、アルデヒド基、ケトン基、アルキルハライ
ド基、イソシアネート基、チオイソシアネート基、ブロ
ックイソシアネート基、活性二重結合基、エポキシ基、
カルボキシル基、無水酸基、活性エステル基、オキサゾ
リン基、水酸基、アジリニル基等のうち1種又は2種以
上の官能基を2つ以上有する化合物又は重合体が挙げら
れる。このような化合物又は重合体としては、例えば、
多官能イソシアネート、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、
オキサゾリン樹脂等が挙げられる。これらは単独で用い
てもよく、2種以上を併用してもよい。表面被覆剤が上
記多官能架橋剤を含むことにより、樹脂成分が架橋され
た被膜が形成されることから、表面被覆剤により形成さ
れる被膜における腐食性物質を遮断する作用や被膜の強
度、密着性等が向上して耐食性が向上することになる。
【0086】上記多官能架橋剤の含有割合としては特に
限定されず、例えば、樹脂不揮発分100重量部に対し
て、0.5〜30重量部であることが好ましい。0.5
重量部未満であると、多官能架橋剤の有する作用が充分
に発揮できなくなるおそれがある。30重量部を超える
と、塗膜との密着性が劣るおそれがあり、また、被膜の
基本性能が低下するおそれがある。より好ましくは、1
〜20重量部である。更に、上記多官能架橋剤の表面被
覆剤における含有割合としては特に限定されず、例え
ば、表面被覆剤1000gあたり、0.1〜300gで
あることが好ましい。0.1g未満であると多官能架橋
剤の有する作用が充分に発揮できなくなるおそれがあ
る。300gを超えると、表面被覆剤により形成される
被膜における金属表面や塗膜との密着性が劣るおそれが
あり、また、被膜の基本性能が低下するおそれがある。
より好ましくは、1〜200gである。
【0087】上記水分散性シリカとは、ケイ酸の縮合体
であるコロイダルシリカとして一般的に総称されるもの
を意味する。上記水分散性シリカとしては特に限定され
ず、例えば、粒子径が5〜100μmであるものが好ま
しい。このようなものとしては、市販品を用いることが
でき、例えば、スノーテックスO、スノーテックスN、
スノーテックスNCS、スノーテックス20、スノーテ
ックスC(いずれも商品名、日産化学社製)、Cata
loid SN、Cataloid Si−500(い
ずれも商品名、触媒化成工業社製)等が挙げられる。ま
た、表面処理されたものとして、例えば、アルミン酸で
処理されたCataloid SA(商品名、触媒化成
工業社製)、も用いることができる。これらは単独で用
いてもよく、2種以上を併用してもよい。表面被覆剤が
上記水分散性シリカを含むことにより、表面被覆剤によ
り形成される被膜が水分散性シリカを含んだり、陽イオ
ン性樹脂及び/又は両イオン性樹脂が架橋したりするこ
とから、耐食性等が向上することになる。
【0088】上記水分散性シリカを表面被覆剤中に含有
させる態様としては特に限定されず、例えば、そのまま
の形態で表面被覆剤中に含有させることができるが、分
散性を向上させるために、表面被覆剤中に含まれる樹脂
や第4級アンモニウム塩等のアミン類であらかじめ表面
処理をしたり、エチレンイミン等のアジリジン誘導体を
表面上にグラフトさせたりして表面被覆剤中に含有させ
ることが好ましい。
【0089】上記水分散性シリカの含有割合としては特
に限定されず、例えば、樹脂不揮発分100重量部に対
して、5〜30重量部であることが好ましい。5重量部
未満であると、水分散性シリカの有する作用が充分に発
揮できなくなるおそれがあり、30重量部を超えると、
被膜の膜厚が厚くなり過ぎるおそれがある。より好まし
くは、5〜25重量部である。更に、上記水分散性シリ
カの表面被覆剤における含有割合としては特に限定され
ず、例えば、表面被覆剤1000gあたり、0.5〜1
80gであることが好ましい。0.5g未満であると、
水分散性シリカの有する作用が充分に発揮できなくなる
おそれがあり、180gを超えると、被膜の膜厚が厚く
なり過ぎて防錆処理鋼板の電気溶接や加工性等が劣るお
それがある。より好ましくは、1.5〜100gであ
る。
【0090】上記トリ及び/若しくはジアルコキシシラ
ン化合物又はその加水分解物としては特に限定されず、
例えば、トリ及び/又はジアルコキシシラン化合物を、
酸により加水分解を行って得られるものを用いることが
できる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用
してもよい。表面被覆剤が上記トリ及び/又はジアルコ
キシシラン化合物又はその加水分解物を含むことによ
り、表面被覆剤により形成される被膜がトリ及び/又は
ジアルコキシシラン化合物又はその加水分解物を含んだ
り、陽イオン性樹脂及び/又は両イオン性樹脂が架橋し
たりすることから、耐食性等が向上することになる。
【0091】上記トリ及び/又はジアルコキシシラン化
合物とは、ケイ素原子に対して1個又は2個の有機基
と、3個又は2個のアルコキシル基とが結合したシラン
化合物を意味する。このようなシラン化合物としては特
に限定されず、以下に示すもの等が挙げられる。
【0092】上記ケイ素原子に対して1個の有機基と、
3個又は2個のアルコキシル基とが結合したシラン化合
物としては、例えば、メチルトリエトキシシラン等のア
ルキル基を有するシラン化合物;ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニル−トリス−(β−メトキシエトキシ)シラ
ン等のビニル基を有するシラン化合物;γ−メタアクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン等のメタクリロイル
基を有するシラン化合物;β−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)−エチルトリメトキシシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン等のエポキシ環を有
するシラン化合物;γ−クロロプロピルトリメトキシシ
ラン等のハロゲン原子を有するシラン化合物;γ−メル
カプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプト基を
有するシラン化合物;γ−アミノプロピルトリエトキシ
シラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエ
トキシシラン、γ−(3−アミノエチル)−アミノプロ
ピルメチルジメトキシシラン等のアミノ基を有するシラ
ン化合物等が挙げられる。
【0093】上記ケイ素原子に対して2個の有機基と、
3個又は2個のアルコキシル基とが結合したシラン化合
物としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルメチル
ジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメ
トキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシ
ラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン等が挙
げられる。上記トリ及び/又はジアルコキシシラン化合
物の中でも、陽イオン性樹脂及び/又は両イオン性樹脂
との混和性や分散安定性等が優れることから、アミノ基
を有するものが好ましい。
【0094】上記トリ及び/又はジアルコキシシラン化
合物の加水分解に用いる酸としては特に限定されず、例
えば、塩酸、リン酸、硫酸等の鉱酸;ギ酸、酢酸、乳酸
等の有機酸等が挙げられる。これらは単独で用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。
【0095】上記加水分解の方法としては、通常の加水
分解方法を用いることができ、特に限定されず、例え
ば、トリ及び/又はジアルコキシシラン化合物を単独で
加水分解してもよく、水分散性シリカや陽イオン性樹脂
及び/又は両イオン性樹脂の共存下で加水分解してもよ
い。これらの方法の中でも、水分散性シリカの共存下で
加水分解すると、トリ及び/又はジアルコキシシラン化
合物と水分散性シリカとで反応が起こって水分散性シリ
カが表面処理され、両者を一体化して分散させることが
できるため好ましい。上記加水分解により、トリ及び/
又はジアルコキシシラン化合物の50重量%以上を加水
分解物として表面被覆剤中に分散させることが好まし
い。より好ましくは、完全に加水分解物として分散させ
ることである。
【0096】上記加水分解により、有機基を有するケイ
酸やポリケイ酸誘導体が生成し、アルコールが副生する
ことになる。上記表面被覆剤には、このように生成した
加水分解物をそのまま用いてもよく、減圧留去等の方法
によりアルコールの一部又は全部を除去してから用いて
もよい。
【0097】上記トリ及び/若しくはジアルコキシシラ
ン化合物又はその加水分解物の含有割合としては特に限
定されず、例えば、樹脂不揮発分100重量部に対し
て、SiO2 に換算して5〜30重量部であることが好
ましい。5重量部未満であると、トリ及び/若しくはジ
アルコキシシラン化合物又はその加水分解物の有する作
用が充分に発揮できなくなるおそれがある。30重量部
を超えると、被膜の膜厚が厚くなり過ぎるおそれがあ
り、また、表面被覆剤の安定性が悪くなるおそれがあ
る。より好ましくは、10〜25重量部である。更に、
上記トリ及び/若しくはジアルコキシシラン化合物又は
その加水分解物の表面被覆剤における有割合としては特
に限定されず、例えば、表面被覆剤1000gあたり、
0.5〜180gであることが好ましい。0.5g未満
であるとトリ及び/若しくはジアルコキシシラン化合物
又はその加水分解物の有する作用が充分に発揮できなく
なるおそれがある。180gを超えると、被膜の膜厚が
厚くなり過ぎて防錆鋼板の電気溶接や加工性が劣るおそ
れがあり、また、表面被覆剤の安定性が悪くなるおそれ
がある。より好ましくは、3〜100gである。
【0098】上記表面被覆剤は、更に必要に応じて、無
機顔料や有機顔料等の充填剤;防錆剤等の添加剤等を含
有してもよい。これらの充填剤や添加剤等はそれぞれ単
独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記無
機顔料としては、水不溶性又は水分散性のいずれのもの
を用いてもよく、特に限定されず、例えば、微粉末状シ
リカ、タルク、ケイソウ土、炭酸カルシウム、クレー、
二酸化チタン、アルミニウムシリケート、アルミナゾ
ル、マグネシアゾル、チタニアゾル、ジルコニアゾル等
が挙げられる。
【0099】上記無機顔料の含有割合としては特に限定
されず、例えば、樹脂不揮発分100重量部に対して、
100重量部以下であることが望ましい。より好ましく
は、50重量部以下である。100重量部を超えると、
被膜の膜厚が厚くなり過ぎるおそれがある。
【0100】上記有機顔料としては特に限定されず、例
えば、通常、表面被覆剤に使用される有機顔料を用いる
ことができる。上記防錆剤としては特に限定されず、例
えば、タンニン酸、没食子酸等が挙げられる。
【0101】上記表面被覆剤における溶液のpHとして
は、0.5〜13であれば特に限定されず、例えば、
0.5〜7であることが好ましい。0.5未満である
と、金属表面が浸食されるおそれがある。7を超える
と、表面被覆剤の有する作用が充分でなくなるおそれが
あり、また、溶液の安定性が劣るおそれがある。より好
ましくは、1〜6である。このようなpHに調整するに
は、pH調整剤等を用いることが好ましい。上記pH調
整剤としては特に限定されず、例えば、上述したリン酸
等の酸等が挙げられ、耐食性が向上することから、リン
酸を用いることが好ましい。
【0102】上記表面被覆剤はまた、必要に応じて、通
常用いることができる導電性顔料、重金属を有する化合
物、エッチング剤、エッチング助剤、多価アニオン、ア
ルミニウムイオン、酸化剤、潤滑剤、着色剤等を含んで
いてもよい。また、更に必要に応じて、硬化剤、増粘
剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を含んでいてもよい。
【0103】上記表面被覆剤の塗布方法としては特に限
定されず、例えば、上述した化成処理液の塗布方法と同
様に通常の方法を用いることができる。上記表面被覆剤
を塗布した後の乾燥及び硬化処理方法は特に限定されな
い。熱や熱風による乾燥の場合は、雰囲気温度が、例え
ば、常温〜250℃で数秒〜数分程度乾燥することが好
ましい。より好ましくは、80〜200℃、更に好まし
くは、100〜180℃である。この場合、化成処理被
膜が形成された金属表面の最終到達温度は、常温〜25
0℃であることが好ましい。より好ましくは、80〜2
00℃、更に好ましくは、100〜200℃である。
【0104】上記防錆処理により金属表面上に形成され
る被膜の膜厚としては特に限定されず、例えば、平均膜
厚として0.1〜5μmであることが好ましい。より好
ましくは、0.2〜3μmであり、更に好ましくは、
0.3〜2μmであり、最も好ましくは、0.4〜1.
0μmである。防錆処理による被膜の膜厚を1μm以下
とすると、防錆処理鋼板が被膜により絶縁されにくくな
ることから、電気溶接が可能となる。また、鋼板を加工
するときに被膜が充分な追従性を有することになること
から、防錆処理鋼板の加工性を向上させることができ
る。
【0105】上記防錆処理方法により金属表面上に形成
される被膜は、金属表面に対して優れた耐食性を付与
し、かつ、充分な密着性と基本性能とを有するものであ
る。また、被膜上に、塗装前処理工程で行われる付着油
分除去(脱脂)が行われたり、各種の塗料による塗装が
施されても、被膜が剥離したり基本性能が損なわれたり
することがないものである。このため、金属基材に対し
てノンクロムの防錆処理を簡易に行うことができ、か
つ、従来の防錆処理と同等以上の耐食性と塗装下地性と
を付与することができることから、生産コストを抑制
し、また、環境汚染を抑制することができることにな
る。更に、1μm以下の膜厚であっても、被膜が充分な
耐食性や基本性能を有するものであることから、防錆処
理鋼板の汎用性・実用性をより高めることができること
となる。本発明の化成処理液で処理された鋼板や、本発
明の化成処理方法や防錆処理方法により処理された鋼板
は、本発明の好ましい実施形態である。
【0106】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。なお、「部」は、「重量部」を示す。
【0107】実施例1 有機イオウ化合物として、テトラメチルチウラムジスル
フィドを用い、このトルエン溶液である化成処理液を得
た。次に、板厚0.5mmの電気亜鉛メッキ鋼板を脱脂
後、水洗乾燥して試験板とした。この鋼板に、化成処理
液をバーコーターにてテトラメチルチウラムジスルフィ
ドの塗布量が100mg/m2 となるように塗布後、1
50℃で1分間加熱乾燥を行い、化成処理された表面処
理板を得た。このときの試験板表面の最終到達温度は、
120℃であった。次に、表面被覆剤として、アクリル
酸48部、メタクリル酸メチル58部、ブチルアクリレ
ート157部、スチレン138部からなる単量体混合物
を、水、アニオン性乳化剤及びラジカル重合開始剤の存
在下で重合し、更に、エチレンイミン17部を反応させ
て得られた不揮発分が30%の水分散性両イオン性樹脂
(A)を用い、上記表面処理板に、バーコーターにて乾
燥後の膜厚が1.0μmになるよう塗布した後、130
℃で1分間加熱乾燥を行い表面被覆板(防錆処理鋼板)
を得た。このときの試験板表面の最終到達温度は、10
0℃であった。この表面被覆板の耐食性について、JI
S−Z2371による塩水噴霧試験を行い、白錆発生面
積率が5%になる時間で評価した。
【0108】実施例2 有機イオウ化合物として、テトラエチルチウラムジスル
フィドを用いた他は、実施例1と同様に表面被覆板を得
て評価した。 実施例3 有機イオウ化合物として、テトラブチルチウラムジスル
フィドを用いた他は、実施例1と同様に表面被覆板を得
て評価した。 実施例4 有機イオウ化合物として、ジペンタメチレンチウラムテ
トラスルフィドのトルエン懸濁液を用いた他は、実施例
1と同様に表面被覆板を得て評価した。 実施例5 有機イオウ化合物として、ジメチルジチオカルバミン酸
亜鉛塩のトルエン懸濁液を用いた他は、実施例1と同様
に表面被覆板を得て評価した。 実施例6 有機イオウ化合物として、ジチオジモルホリンのトルエ
ン溶液を用いた他は、実施例1と同様に表面被覆板を得
て評価した。 実施例7 有機イオウ化合物として、ジベンゾチアジルジスルフィ
ドのトルエン溶液を用いた他は、実施例1と同様に表面
被覆板を得て評価した。
【0109】実施例8 化成処理の乾燥時の最終到達板温度を80℃とした他
は、実施例1と同様に表面被覆板を得て評価した。 実施例9 化成処理の乾燥時の最終到達板温度を150℃とした他
は、実施例1と同様に表面被覆板を得て評価した。 実施例10 化成処理の塗布量を50mg/m2 とした他は、実施例
1と同様に表面被覆板を得て評価した。 実施例11 化成処理の塗布量を250mg/m2 とした他は、実施
例1と同様に表面被覆板を得て評価した。
【0110】実施例12 表面被覆剤の乾燥後の膜厚が2.0μmになるよう塗布
した他は、実施例1と同様に表面被覆板を得て評価し
た。 実施例13 両イオン性樹脂(A)100部に対して、有機イオウ化
合物としてジエチルチオ尿素3部添加し、充分に攪拌す
ることで得られた表面被覆剤を用いた他は、実施例1と
同様に表面被覆板を得て評価した。 実施例14 両イオン性樹脂(A)100部に対して、リン酸化合物
として85%リン酸を3.5部添加し、充分に攪拌する
ことで得られた表面被覆剤を用いた他は、実施例1と同
様に表面被覆板を得て評価した。 実施例15 両イオン性樹脂(A)100部に対して、多官能架橋剤
としてエポクロスWS−500(商品名、日本触媒社
製)を4部添加し、充分に攪拌することで得られた表面
被覆剤を用いた他は、実施例1と同様に表面被覆板を得
て評価した。 実施例16 両イオン性樹脂(A)100部に対して、水分散性シリ
カとしてスノーテックスC(商品名、日産化学社製)を
7.5部添加し、充分に攪拌することで得られた表面被
覆剤を用いた他は、実施例1と同様に表面被覆板を得て
評価した。 実施例17 表面被覆剤として、アクリル酸48部、メタクリル酸メ
チル58部、ブチルアクリレート157部、スチレン1
38部からなる単量体混合物を、水、アニオン性乳化
剤、ラジカル重合開始剤の存在下で重合して得られた不
揮発分が30%の水分散性アニオン性樹脂(B)を用い
た他は、実施例1と同様に表面被覆板を得て評価した。
表1に実施例1〜17の評価結果を示した。
【0111】
【表1】
【0112】比較例1 試験板の化成処理を実施しない他は、実施例1と同様に
表面被覆板を得て評価した。 比較例2 試験板の化成処理を実施しない他は、実施例11と同様
に表面被覆板を得て評価した。 比較例3 表面被覆剤の乾燥後の膜厚が2.0μmになるよう塗布
した他は、比較例1と同様に表面被覆板を得て評価し
た。 比較例4 表面被覆剤の乾燥時の最終到達板温度を150℃とした
他は、比較例1と同様に表面被覆板を得て評価した。表
2に比較例1〜4の評価結果を示した。
【0113】
【表2】
【0114】
【発明の効果】本発明の化成処理液は、上述の構成より
なるので、金属表面に対してノンクロムの化成処理を簡
易に行うことができるものであることから、生産コスト
を抑制したり、環境汚染を抑制したりすることができ、
また、防錆処理鋼板の汎用性・実用性をより高めること
ができるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D075 BB21Y BB73X CA13 CA33 DA06 DB01 EA05 EC01 4K026 AA02 AA12 AA22 BA01 BA09 BA12 BB08 CA02 CA16 CA23 CA37 CA39 CA41 EB07 EB08 4K044 AA02 AB02 BA10 BA21 BB03 BC02 CA16 CA18 CA53 4K062 AA01 BB21 BB22 EA02 GA08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機イオウ化合物を含んでなる化成処理
    液であって、該有機イオウ化合物は、活性イオウ及び/
    又は活性金属硫化物を化成処理時に発生する作用を有す
    るものであることを特徴とする化成処理液。
  2. 【請求項2】 前記有機イオウ化合物は、チウラム類、
    ジチオカルバミン酸金属塩類、キサントゲン酸類、キサ
    ントゲン酸金属塩類、ジチオモルフォリン類及びベンゾ
    チアゾリル系化合物類からなる群より選択される少なく
    とも1種の化合物であることを特徴とする請求項1記載
    の化成処理液。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の化成処理液を、金
    属表面に塗布して加熱乾燥する工程を含むことを特徴と
    する化成処理方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の化成処理方法により形成
    された化成処理被膜上に更に表面被覆処理を行う工程を
    含むことを特徴とする防錆処理方法。
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