JP2001288207A - α−オレフィン−芳香族ビニル化合物系共重合体の製造法 - Google Patents

α−オレフィン−芳香族ビニル化合物系共重合体の製造法

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JP2001288207A
JP2001288207A JP2000105820A JP2000105820A JP2001288207A JP 2001288207 A JP2001288207 A JP 2001288207A JP 2000105820 A JP2000105820 A JP 2000105820A JP 2000105820 A JP2000105820 A JP 2000105820A JP 2001288207 A JP2001288207 A JP 2001288207A
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olefin
aromatic vinyl
copolymer
vinyl compound
compound
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Application number
JP2000105820A
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English (en)
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Kiyohiko Yokota
清彦 横田
Noriyuki Tani
徳行 谷
Nobuhide Ishihara
伸英 石原
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高品質のα−オレフィン−芳香族ビニル
化合物系共重合体を、触媒コストを抑制して生産性よく
製造する方法を提供する。 【解決手段】(A)遷移金属化合物と(B)助触媒から
なる触媒を用いてα−オレフィン−芳香族ビニル化合物
系共重合体を製造する方法において、(A)成分として
C1対称性を持ち、かつ架橋基を2つ持ったメタロセン
骨格を有する遷移金属化合物を用いてα−オレフィン−
芳香族ビニル化合物系共重合体を製造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、α−オレフィン−
芳香族ビニル化合物系共重合体の製造方法に関する。さ
らに詳しくは、α−オレフィンと芳香族ビニル化合物、
あるいはさらに環状オレフィンやジエンを加えて共重合
させたα−オレフィン−芳香族ビニル化合物系共重合体
を生産性よく製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エチレン−スチレン共重合体など
のα−オレフィン−芳香族ビニル化合物系共重合体の製
造には、チーグラー・ナッタ触媒により共重合を行う方
法が検討されてきたが、共重合活性が充分でなく、ホモ
ポリマーの混入量が多くなるという問題があった。
【0003】このような課題を解決するため、例えば、
特開平3−25007号公報や、特開平6−49132
号公報、特開平7−278230公報、特開平8−26
9134公報、特開平9−40709号公報、特開平9
−183809公報、特開平9−302014公報、特
開平9−309925公報、特許第2684154号公
報などにおいて、α−オレフィン−芳香族ビニル化合物
系共重合体の製造に用いる触媒として、(A)メタロセ
ン骨格を有する遷移金属化合物と(B)助触媒成分のア
ルミノキサンや硼素化合物からなる共重合触媒を用いる
方法が提案されている。
【0004】しかしながら、これら触媒を用いて充分に
高い共重合活性を得るためには、アルミノキサンなどの
助触媒を多量に用いる必要があり、このため、これら共
重合体を製造する際の触媒コストが高くなり、また、得
られる共重合体中に多量の触媒残渣が残存するという問
題がある。そこで、さらなる触媒活性の向上による触媒
コストの低減と、製品の品質向上が要望されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、α−オレフ
ィンと芳香族ビニル化合物の共重合に高い活性を発現す
る触媒を用いて、低い触媒コストで品質のよいα−オレ
フィン−芳香族ビニル化合物系共重合体を製造する方法
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の化学構
造を有する遷移金属化合物と助触媒成分の組合せからな
る触媒が、α−オレフィンと芳香族ビニル化合物との共
重合活性に優れることを見出し、これら知見に基づいて
本発明を完成させるに至った。
【0007】すなわち、本発明の要旨は、以下のとおり
である。 (1)α−オレフィンと芳香族ビニル化合物を(A)遷
移金属化合物成分と(B)助触媒成分からなる重合触媒
の存在下に共重合させてα−オレフィン−芳香族ビニル
化合物系共重合体を製造する方法において、(A)成分
の遷移金属化合物として、C1対称性を持ち、かつ架橋
基を2つ持ったメタロセン骨格を有する遷移金属化合物
を用いる、α−オレフィン−芳香族ビニル化合物系共重
合体の製造法。 (2)α−オレフィン、芳香族ビニル化合物、環状オレ
フィンおよび/またはジエンを(A)遷移金属化合物成
分と(B)助触媒成分からなる重合触媒の存在下に共重
合させてα−オレフィン−芳香族ビニル化合物系共重合
体を製造する方法において、(A)成分の遷移金属化合
物として、C1対称性を持ち、かつ架橋基を2つ持った
メタロセン骨格を有する遷移金属化合物を用いる、α−
オレフィン−芳香族ビニル化合物系共重合体の製造法。 (3)さらに、触媒成分として(C)アルキル化剤を添
加してなる重合触媒を用いる、前記(1)または(2)
に記載のα−オレフィン−芳香族ビニル化合物系共重合
体の製造法。 (4)さらに、連鎖移動剤の存在下に共重合させる、前
記(1)〜(3)のいずれかに記載のα−オレフィン−
芳香族ビニル化合物系共重合体の製造法。 (5)芳香族ビニル化合物がスチレンである、前記
(1)〜(4)のいずれかに記載のα−オレフィン−芳
香族ビニル化合物系共重合体の製造法。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、α−オレフィンと芳香
族ビニル化合物を(A)遷移金属化合物成分と(B)助
触媒成分からなる重合触媒の存在下に共重合させてα−
オレフィン−芳香族ビニル化合物系共重合体を製造する
方法において、(A)成分の遷移金属化合物として、C
1対称性を持ち、かつ架橋基を2つ持ったメタロセン骨
格を有する遷移金属化合物を用いるα−オレフィン−芳
香族ビニル化合物系共重合体の製造法である。
【0009】また、本発明は、α−オレフィンと芳香族
ビニル化合物、環状オレフィンおよび/またはジエンを
(A)遷移金属化合物成分と(B)助触媒成分からなる
重合触媒の存在下に共重合させてα−オレフィン−芳香
族ビニル化合物系共重合体を製造する方法において、
(A)成分の遷移金属化合物として、C1対称性を持
ち、かつ架橋基を2つ持ったメタロセン骨格を有する遷
移金属化物を用いるα−オレフィン−芳香族ビニル化合
物系共重合体の製造法である。
【0010】ここで、本発明において用いる触媒におけ
る(A)成分の遷移金属化合物は、C1対称性を持ち、
かつ架橋基を2つ持ったメタロセン骨格を有する遷移金
属化合物である。この遷移金属化合物は、一般式
〔1〕、
【0011】
【化1】
【0012】〔式中、A1 、A2 は、各々独立にシクロ
ペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、イン
デニル基または置換インデニル基を示し、Y1 、Y
2 は、各々独立に置換もしくは無置換のアルキレン基ま
たは置換もしくは無置換のシリレン基を示し、Mはチタ
ン、ジルコニウムまたはハフニウムを示し、X1 、X2
は、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、
アルコキシ基またはアリールオキシ基を示す。〕で表さ
れる。
【0013】そして、この一般式〔1〕で表され、その
立体構造においてC1 対称性を有するとともに、アルキ
レン基またはシリレン基からなる架橋基を2つ有する遷
移金属化合物としては、チタニウム化合物では、例え
ば、ビス(ジメチルシリレン)(シクロペンタジエニ
ル)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニ
ウムジクロリド、ビス(ジメチルシリレン)(シクロペ
ンタジエニル)(3,4−ジイソブチルシクロペンタジ
エニル)チタニウムジクロリド、ビス(ジメチルシリレ
ン)(シクロペンタジエニル)(3,4−ジフェニルシ
クロペンタジエニル)チタニウムジクロリド、ビス(ジ
メチルシリレン)(3−メチルシクロペンタジエニル)
(3’,5’−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニ
ウムジクロリド、ビス(ジメチルシリレン)(3−メチ
ルシクロペンタジエニル)(3’,5’−ジイソプロピ
ルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド、ビス
(ジメチルシリレン)(3−メチルシクロペンタジエニ
ル)(3’,5’−ジフェニルシクロペンタジエニル)
チタニウムジクロリド、ビス(ジメチルシリレン)
(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,
5’−ジジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジ
クロリド、ビス(ジメチルシリレン)(3,4−ジメチ
ルシクロペンタジエニル)(3’,5’−ジイソプロピ
ルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド、ビス
(ジメチルシリレン)(3,4−ジメチルシクロペンタ
ジエニル)(3’,5’−ジフェニルシクロペンタジエ
ニル)チタニウムジクロリド、(ジメチルシリレン)
(テトラメチルジシリレン)(4−メチルシクロペンタ
ジエニル)(3’,5’−ジイソプロピルシクロペンタ
ジエニル)チタニウムジクロリドなどが挙げられる。
【0014】また、ジルコニウム化合物では、例えば、
ビス(ジメチルシリレン)(シクロペンタジエニル)
(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド、ビス(ジメチルシリレン)(シクロペン
タジエニル)(3,4−ジイソブチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ジメチルシリレ
ン)(シクロペンタジエニル)(3,4−ジフェニルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(ジメチルシリレン)(3−メチルシクロペンタジエニ
ル)(3’,5’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ビス(ジメチルシリレン)(3
−メチルシクロペンタジエニル)(3’,5’−ジイソ
プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ビス(ジメチルシリレン)(3−メチルシクロペン
タジエニル)(3’,5’−ジフェニルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ジメチルシリ
レン)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)
(3’,5’−ジジメチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、ビス(ジメチルシリレン)(3,
4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,5’−ジ
イソプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、ビス(ジメチルシリレン)(3,4−ジメチル
シクロペンタジエニル)(3’,5’−ジフェニルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(ジメチ
ルシリレン)(テトラメチルジシリレン)(4−メチル
シクロペンタジエニル)(3’,5’−ジイソプロピル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドなどが
挙げられる。
【0015】さらに、ハフニウム化合物では、例えば、
ビス(ジメチルシリレン)(シクロペンタジエニル)
(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ハフニウム
ジクロリド、ビス(ジメチルシリレン)(シクロペンタ
ジエニル)(3,4−ジイソブチルシクロペンタジエニ
ル)ハフニウムジクロリド、ビス(ジメチルシリレン)
(シクロペンタジエニル)(3,4−ジフェニルシクロ
ペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ビス(ジメチ
ルシリレン)(3−メチルシクロペンタジエニル)
(3’,5’−ジメチルシクロペンタジエニル)ハフニ
ウムジクロリド、ビス(ジメチルシリレン)(3−メチ
ルシクロペンタジエニル)(3’,5’−ジイソプロピ
ルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ビス
(ジメチルシリレン)(3−メチルシクロペンタジエニ
ル)(3’,5’−ジフェニルシクロペンタジエニル)
ハフニウムジクロリド、ビス(ジメチルシリレン)
(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,
5’−ジジメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジ
クロリド、ビス(ジメチルシリレン)(3,4−ジメチ
ルシクロペンタジエニル)(3’,5’−ジイソプロピ
ルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ビス
(ジメチルシリレン)(3,4−ジメチルシクロペンタ
ジエニル)(3’,5’−ジフェニルシクロペンタジエ
ニル)ハフニウムジクロリド、(ジメチルシリレン)
(テトラメチルジシリレン)(4−メチルシクロペンタ
ジエニル)(3’,5’−ジイソプロピルシクロペンタ
ジエニル)ハフニウムジクロリドなどが挙げられる。
【0016】そして、上記のこれら塩化物における塩素
原子を、臭素原子や沃素原子で置換した臭化物や沃化物
を用いてもよい。そして、これら化合物は1種単独で用
いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
【0017】これら遷移金属化合物の中でも、特に好ま
しいのは、ビス(ジメチルシリレン)(3−メチルシク
ロペンタジエニル)(3’,5’−ジフェニルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ジメチ
ルシリレン)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニ
ル)(3’,5’−ジジメチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド、ビス(ジメチルシリレン)
(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,
5’−ジイソプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ビス(ジメチルシリレン)(3,4−
ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,5’−ジフェ
ニルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(ジメチルシリレン)(テトラメチルジシリレン)(4
−メチルシクロペンタジエニル)(3’,5’−ジイソ
プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ドなどが挙げられる。
【0018】つぎに、本発明において用いる触媒におけ
る(B)成分の助触媒としては、アルモキサンやボロキ
サン、硼酸塩、イオン性化合物、ルイス酸、粘土あるい
はこれらの混合物を用いることができる。これら化合物
の中でも特に好ましいのは、アルモキサンおよび硼酸塩
である。
【0019】このアルモキサンとしては、とくに制約は
なく、例えば、メチルアルモキサン、エチルアルモキサ
ン、ブチルアルモキサン、イソブチルアルモキサン、テ
トラメチルジアルモキサン、テトラエチルジアルモキサ
ン、テトライソブチルジアルモキサンなどが好適なもの
として挙げられる。
【0020】また、上記ボロキサンとしては、メチルボ
ロキサン、エチルボロキサン、トリメチルボロキシンな
どが好適なものとして挙げられる。さらに、上記硼酸塩
としては、テトラフェニル硼酸トリエチルアンモニウ
ム、テトラフェニル硼酸トリ(n−ブチル)アンモニウ
ム、テトラフェニル硼酸トリメチルアンモニウム、テト
ラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリエチルアン
モニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸
トリ(n−ブチル)アンモニウム、ヘキサフルオロ砒素
酸トリエチルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)硼酸ピリジニウム、テトラ(ペンタフルオ
ロフェニル)硼酸ピロリニウム、テトラキス(ペンタフ
ルオロフェニル)硼酸N,N−ジメチルアニリニウム、
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルジフ
ェニルアンモニウム、テトラフェニル硼酸フェロセニウ
ム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ジメチ
ルフェロセニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)硼酸フェロセニウム、テトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)硼酸デカメチルフェロセニウム、テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)硼酸アセチルフェロセニウ
ム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ホルミ
ルフェロセニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)硼酸シアノフェロセニウム、テトラフェニル硼酸
銀、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸銀、テ
トラフェニル硼酸トリチル、テトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)硼酸トリチル、ヘキサフルオロ砒素酸銀、
ヘキサフルオロアンチモン酸銀、テトラフルオロ硼酸銀
などが好適なものとして挙げられる。
【0021】そして、前記イオン性化合物類としては、
トリフルオロメタンスルホン酸銀や過塩素酸マグネシウ
ムなどが挙げられる。また、ルイス酸としては、トリス
(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、トリス(ヘプタフ
ルオロナフタリニル)ホウ素、ビス(ペンタフルオロフ
ェニル)フッ化ホウ素、トリス(ジイソブチルアミノキ
シ)ボランなどが好適なものとして挙げられる。
【0022】つぎに、前記粘土類としては、天然産ある
いは人工合成した粘土,粘土鉱物およびイオン交換性層
状化合物を用いることができる。この粘土は、細かい含
水ケイ酸塩鉱物の集合体であって、適当量の水を混ぜて
こねると可塑性を生じ、乾燥すると剛性を示し、高温度
で焼くと焼結するような性質を有する物質であり、粘土
鉱物は、粘土の主成分をなす含水ケイ酸塩である。ま
た、イオン交換性層状化合物は、イオン結合などによっ
て構成される面が、互いに弱い結合力で平行に積み重な
った結晶構造をとる化合物であり、含有するイオンが交
換可能なものであり、粘土鉱物の中に、イオン交換性層
状化合物であるものもある。これらイオン交換性層状化
合物には、例えば、六方最密パッキング型、アンチモン
型、塩化カドミウム型、沃化カドミウム型等の層状の結
晶構造を有するイオン結晶性化合物が挙げられる。
【0023】これら粘土,粘土鉱物、イオン交換性層状
化合物のうち、特に好ましいのは、粘土鉱物であるカオ
リン鉱物、蛇紋石及び類縁鉱物、パイロフィライト、タ
ルク、雲母粘土鉱物、緑泥岩、バーミキュライト、スメ
クタイト、混合層鉱物、セピオライト、パリゴルスカイ
ト、アロフェン、イモゴライト、木節粘土、ガイロメ粘
土、ヒシンゲル石、ナクライト等である。さらに好まし
くは、スメクタイトであり、その中でもモンモリロナイ
ト種、サポナイト種、又はヘクトライト種を好適に用い
ることができる。
【0024】そして、これら粘土,粘土鉱物またはイオ
ン交換性層状化合物を本発明で用いる(B)成分の助触
媒に用いる際には、これらを化学処理した後、有機シラ
ン化合物などによる処理をしたものが好適に用いられ
る。
【0025】この化学処理の方法としては、たとえば酸
処理、アルカリ処理、塩類処理、有機物処理などの方法
によることができる。この酸処理の場合には、塩酸,硫
酸などを用いる方法が好ましく、この酸処理によって、
表面の不純物を取り除くとともに、粘土類の結晶構造中
のアルミニウム、鉄、マグネシウムなどの陽イオンを溶
出させることによって、その表面積を増大させることが
できる。また、アルカリ処理の場合には、水酸化ナトリ
ウム水溶液やアンモニア水などを用いる方法が好まし
く、これにより粘土類の結晶構造を好ましい形態に変化
させることができる。そして、塩類処理においては、塩
化マグネシウムや塩化アルミニウムなどが用いられ、有
機物処理では有機アルミニウムやシラン化合物,アンモ
ニウム塩などを用いる方法が好ましい。これら塩類や有
機物処理による場合、イオン複合体、分子複合体、有機
複合体などを形成し、表面積や層間距離などを好ましい
形態に変化させることができる。例えば、イオン交換性
を利用して、層間の交換性イオンを別の嵩高いイオンと
置換することによって、層間が拡大された状態の層間物
質を得ることもできる。この場合、原料に用いる粘土類
は、そのままで化学処理に用いてもよいし、新たに水を
添加して水を吸着させたものを用いてもよく、あるいは
予め加熱脱水処理をしたものを用いてもよい。
【0026】このようにして化学処理をした粘土類は、
有機シラン化合物などによる処理を行う。この処理に適
した有機シラン化合物としては、例えば、トリメチルシ
リルクロリド、トリエチルシリルクロリド、トリイソプ
ロピルシリルクロリド、tert−ブチルジメチルシリ
ルクロリド、tert−ブチルジフェニルシリルクロリ
ド、フェネチルジメチルシリルクロリド等のトリアルキ
ルシリルクロリド類;ジメチルシリルジクロリド、ジエ
チルシリルジクロリド、ジイソプロピルシリルジクロリ
ド、ビスジフェネチルシリルジクロリド、メチルフェネ
チルシリルジクロリド、ジフェニルシリルジクロリド、
ジメシチルシリルジクロリド、ジトリルシリルジクロリ
ド等のジアルキルシリルジクロリド類;メチルシリルト
リクロリド、エチルシリルトリクロリド、イソプロピル
シリルトリクロリド、フェニルシリルトリクロリド、メ
シチルシリルトリクロリド、トリルシリルトリクロリ
ド、フェネチルシリルトリクロリド等のアルキルシリル
トリクロリド類;および上記クロリドの部分を他のハロ
ゲン元素で置き換えたハライド類;ビス(トリメチルシ
リル)アミン、ビス(トリエチルシリル)アミン、ビス
(トリイソプロピルシリル)アミン、ビス(ジメチルエ
チルシリル)アミン、ビス(ジエチルメチルシリル)ア
ミン、ビス(ジメチルフェニルシリル)アミン、ビス
(ジメチルトリルシリル)アミン、ビス(ジメチルメシ
チルシリル)アミン、N,N−ジメチルアミノトリメチ
ルシラン、(ジエチルアミノ)トリメチルシラン、N−
(トリメチルシリル)イミダゾール等のシリルアミン
類;パーアルキルポリシロキシポリオールの慣用名で称
せられるポリシラノール類;トリス(トリメチルシロキ
シ)シラノール等のシラノール類;N,O−ビス(トリ
メチルシリル)アセトアミド、ビス(トリメチルシリ
ル)トリフルオロアセトアミド、N−(トリメチルシリ
ル)アセトアミド、ビス(トリメチルシリル)尿素、ト
リメチルシリルジフェニル尿素等のシリルアミド類;
1,3−ジクロロテトラメチルジシロキサン等の直鎖状
シロキサン類;ペンタメチルシクロペンタンシロキサン
等の環状シロキサン類;ジメチルジフェニルシラン、ジ
エチルジフェニルシラン、ジイソプロピルジフェニルシ
ラン等のテトラアルキルシラン類;トリメチルシラン、
トリエチルシラン、トリイソプロピルシラン、トリ−t
−ブチルシラン、トリフェニルシラン、トリトリルシラ
ン、トリメシチルシラン、メチルジフェニルシラン、ジ
ナフチルメチルシラン、ビス(ジフェニル)メチルシラ
ン等のトリアルキルシラン類が好適なものとして挙げら
れる。
【0027】これら有機シラン化合物の中でも、珪素原
子と直接結合するアルキル基を少なくとも一つ有するも
のが好ましく、アルキルシリルハライド類、殊にジアル
キルシリルハライド類が特に好適に用いられる。そし
て、これら有機シラン化合物は、1種単独で用いてもよ
く、また、2種以上のものを適宜組み合わせて用いるこ
ともできる。
【0028】そして、これら有機シラン化合物によっ
て、上記粘土類の処理をする際には、水の存在下に行う
ことにより効果的に有機シラン化合物による処理を行う
ことができる。この場合、この水は、粘土類の結晶構造
(特に積層構造)を崩し、有機シラン化合物と、粘土類
との接触効率を高める作用をする。すなわち、この水
が、粘土類の結晶の層間を拡大させ、積層内の結晶に、
有機シラン化合物の拡散を促すのである。したがって、
粘土類の有機シラン化合物による処理においては、水の
存在が重要であり、水の量を増加させた方が好都合であ
る。この水の添加量は、粘土類の原料成分の乾燥質量に
対し1質量%以上、好ましくは10質量%以上、さらに
好ましくは100質量%以上である。この粘土類の原料
成分の乾燥質量は、粘土類の原料成分をマッフル炉に入
れて、30分間で150℃に昇温し、150℃で1時間
保持した後に得られた乾燥粘土類の質量のことである。
【0029】ここで用いる水は、粘土類の原料に元々含
まれているものをそのまま使用するのが操作上は簡便で
あるが、新たに水を添加する場合には、粘土類を水に懸
濁させてもよく、水と有機溶媒の混合溶液に懸濁させて
もよい。このような有機溶媒としては、アルコール、エ
ステル、エーテル、ハロゲン化炭化水素、脂肪族炭化水
素、芳香族炭化水素等を用いることができる。
【0030】また、これら粘土類の有機シラン化合物に
よる接触処理は、大気中で行ってもよいが、アルゴンや
窒素等の不活性気流中で行うのがより好ましい。そし
て、この処理に用いる有機シラン化合物の使用割合は、
粘土類の1kgあたり、有機シラン化合物におけるケイ
素原子のモル数が0.001〜1000、好ましくは、
0.01〜100となるようにすればよい。
【0031】本発明において用いる触媒は、前記(A)
成分の遷移金属化合物と(B)成分の助触媒を必須の構
成成分とするが、これに(C)成分として、アルキル化
剤を添加してなる触媒を用いてもよい。このアルキル化
剤としては、有機アルミニウム化合物や有機マグネシウ
ム化合物、有機亜鉛化合物が用いられる。
【0032】この有機アルミニウム化合物としては、例
えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリn−プロピルアルミニウム、トリイソプロピル
アルミニウム、トリn−ブチルアルミニウム、トリイソ
ブチルアルミニウム、トリt−ブチルアルミニウムなど
のトリアルキルアルミニウム類;ジメチルアルミニウム
クロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジn−プロ
ピルアルミニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウ
ムクロリド、ジn−ブチルアルミニウムクロリド、ジイ
ソブチルアルミニウムクロリド、ジt−ブチルアルミニ
ウムクロリドなどのジアルキルアルミニウムハライド
類;ジメチルアルミニウムメトキサイド、ジメチルアル
ミニウムエトキサイドなどのジアルキルアルミニウムア
ルコキサイド類;ジメチルアルミニウムハイドライド、
ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアル
ミニウムハイドライドなどのジアルキルアルミニウムハ
イドライドなどが好適なものとして挙げられる。
【0033】また、有機マグネシウム化合物としては、
ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジn−
プロピルマグネシウム、ジイソプロピルマグネシウムな
どが好適に用いられる。そして、有機亜鉛化合物として
は、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジn−プロピルエチ
ル亜鉛、ジイソプロピル亜鉛などが好適なものとして挙
げられる。
【0034】つぎに、上記の各触媒成分を用いて触媒を
調製する場合には、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下に
接触操作を行うことが望ましい。そして、これら各触媒
成分は、予め、触媒調製槽において調製したものを使用
してもよいし、α−オレフィンや芳香族ビニル化合物な
どの共重合を行う重合反応器内において調製したものを
そのまま共重合に使用してもよい。
【0035】つぎに、本発明のα−オレフィン−芳香族
ビニル化合物共重合体の製造法においては、上記で得ら
れた重合触媒を用いて、α−オレフィン類と芳香族ビニ
ル化合物との共重合体、あるいはα−オレフィン類と芳
香族ビニル化合物に環状オレフィン類および/またはジ
エン類を加えた三元系あるいは四元系の共重合体を製造
する。
【0036】これら共重合体の製造に用いるα−オレフ
ィン類としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−
ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、
1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、4−フェニル
−1−ブテン、6−フェニル−1−ヘキセン、3−メチ
ル−1−ブテン、4−メチル−1−ブテン、3−メチル
−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチ
ル−1−ヘキセン、4−メチル−1−ヘキセン、5−メ
チル−1−ヘキセン、3,3−ジメチル−1−ペンテ
ン、3,4−ジメチル−1−ペンテン、4,4−ジメチ
ル−1−ペンテン、ビニルシクロヘキサン、ヘキサフル
オロプロペン、テトラフルオロエチレン、2−フルオロ
プロペン、フルオロエチレン、1,1−ジフルオロエチ
レン、3−フルオロプロペン、トリフルオロエチレン、
3,4−ジクロロ−1−ブテンなどが好適なものとして
挙げられる。
【0037】また、芳香族ビニル化合物としては、スチ
レン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、p−
プロピルスチレン、p−イソプロピルスチレン、p−ブ
チルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、o−メ
チルスチレン、o−エチルスチレン、o−プロピルスチ
レン、o−イソプロピルスチレン、m−メチルスチレ
ン、m−エチルスチレン、m−プロピルスチレン、m−
イソプロピルスチレン、m−ブチルスチレン、メシチル
スチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチ
ルスチレン、3,5−ジメチルスチレンなどのアルキル
スチレン;p−メトキシスチレン、o−メトキシスチレ
ン、m−メトキシスチレンなどのアルコキシスチレン;
p−クロロスチレン、m−クロロスチレン、o−クロロ
スチレン、p−ブロモスチレン、m−ブロモスチレン、
o−ブロモスチレン、p−フルオロスチレン、m−フル
オロスチレン、o−フルオロスチレン、o−メチル−p
−フルオロスチレンなどのハロゲン化スチレン;さらに
は、p−フェニルスチレン、トリメチルシリルスチレ
ン、ビニル安息香酸エステル、ジビニルベンゼンなどが
好適に用いられる。これら芳香族ビニル化合物は、1種
単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いてもよ
い。
【0038】そして、環状オレフィン類としては、シク
ロペンテン、シクロヘキセン、ノルボルネン、5−メチ
ルノルボルネン、5−エチルノルボルネン、5−プロピ
ルノルボルネン、5,6−ジメチルノルボルネン、5−
ベンジルノルボルネンなどが好適なものとして挙げられ
る。
【0039】さらに、ジエン類としては、1,3−ブタ
ジエン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン
などが用いられる。また、上記環状オレフィンとして
は、シクロペンテン、シクロヘキセン、ノルボルネン、
5−メチルノルボルネン、5−エチルノルボルネン、5
−プロピルノルボルネン、5,6−ジメチルノルボルネ
ン、1−メチルノルボルネン、7−メチルノルボルネ
ン、5,5,6−トリメチルノルボルネン、5−フェニ
ルノルボルネン、5−ベンジルノルボルネンなどが用い
られる。
【0040】そして、これらα−オレフィン類や芳香族
ビニル化合物、環状オレフィン類、ジエン類は、いずれ
も1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使
用してもよい。
【0041】つぎに、これらα−オレフィン−芳香族ビ
ニル化合物系共重合体を製造する際の重合方式として
は、塊状重合や溶液重合を好適に採用することができ
る。溶液重合法による場合に用いる溶媒としては、ブタ
ン、ペンタン、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素、シクロ
ヘキサンなどの脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、
キシレンなどの芳香族炭化水素あるいは液化α−オレフ
ィンが用いられる。そして、重合温度は、特に制限はな
いが、通常、−50〜250℃、好ましくは0〜200
℃の範囲において行うことができる。また、重合時の圧
力は、常圧〜20MPa、好ましくは常圧〜10MPa
の範囲である。
【0042】また、これらα−オレフィン類とスチレン
類、あるいはさらに環状オレフィン類やジエン類との共
重合に際して、上記触媒とともに、連鎖移動剤を用い
て、さらなる共重合活性の向上をはかるようにしてもよ
い。このような連鎖移動剤としては、シラン、フェニル
シラン、メチルシラン、エチルシラン、ブチルシラン、
オクチルシラン、ジフェニルシラン、ジメチルシラン、
ジエチルシラン、ジブチルシラン、ジオクチルシランな
どのシラン類や水素が好適に用いられる。これらは1種
単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0043】このようにして得られるα−オレフィンと
芳香族ビニル化合物との共重合体としては、例えば、エ
チレン−スチレン共重合体、プロピレン−スチレン共重
合体、ブテン−1−スチレン共重合体などを得ることが
できる。そして、これらα−オレフィン−芳香族ビニル
化合物系共重合体の重合体鎖におけるα−オレフィンの
残基に由来する構造単位と、芳香族ビニル化合物の残基
に由来する構造単位の比率は、任意の比率とすることが
できるが、芳香族ビニル化合物の残基に由来する構造単
位を50モル%以下としてあるものが、高い弾性回復性
を示すことから好ましいものである。
【0044】また、α−オレフィンと芳香族ビニル化合
物および環状オレフィンまたはジエンを用いて得られる
三元共重合体としては、例えば、エチレン−スチレン−
ノルボルネン共重合体、エチレン−スチレン−ブタジェ
ン共重合体、エチレン−スチレン−1,5−ヘキサジエ
ン共重合体などを得ることができる。これらα−オレフ
ィン−芳香族ビニル化合物−環状オレフィン系共重合体
や、α−オレフィン−芳香族ビニル化合物−ジエン系共
重合体などの重合体鎖におけるα−オレフィンの残基に
由来する構造単位と、芳香族ビニル化合物の残基に由来
する構造単位および環状オレフィンの残基に由来する構
造単位またはジエンの残基に由来する構造単位の比率
は、任意の比率のとすることができるが、特に芳香族ビ
ニル化合物の残基に由来する構造単位を30モル%以下
とし、かつ環状オレフィンまたはジエンの残基に由来す
る構造単位を20モル%以下としてあるものが、高い弾
性回復性を示すことから好ましいものである。
【0045】
【実施例】次に、実施例により、本発明をさらに詳しく
説明する。 〔実施例1〕内容積1.6リットルの触媒投入管付きオ
ートクレーブに、トルエン180ミリリットルと、スチ
レン200ミリリットルおよび触媒の(C)成分である
トリイソブチルアルミニウムの1.0モル濃度のトルエ
ン溶液1.0ミリリットルを、順次投入し、50℃に昇
温した。
【0046】ついで、このオートクレーブに、エチレン
をその分圧が0.3MPaとなるまで導入した。そし
て、触媒投入管より、触媒の(A)成分であるビス(ジ
メチルシリレン)(3,4−ジメチルシクロペンタジエ
ニル)(3’,5’−ジイソプロピルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリド10.0マイクロモル、
および触媒の(B)成分であるメチルアルミノキサンの
2.0モル濃度のトルエン溶液5.0ミリリットルを、
トルエン20ミリリットルに溶解させた溶液を投入し
た。
【0047】エチレンとスチレンの共重合の進展に伴っ
て、オートクレーブの内圧の低下するので、エチレンは
その分圧が0.3MPaを維持できるように、連続的に
導入しながら、5分間、共重合反応を行った。その後、
メタノールの添加により共重合を停止した。
【0048】反応生成物には、さらに大量のメタノール
を加えて、濾過分離し、生成固体を減圧下に60℃で4
時間乾燥した。この結果、エチレン−スチレン共重合体
18.9g(共重合活性=250kg/g・Zr/h
r)を得た。
【0049】また、ここで得られた共重合体は、 1H−
NMRによる測定結果から、この共重合体中のスチレン
の残基に由来する構造単位の含有割合が1.6モル%で
あり、また、13C−NMRによる測定結果からエチレン
−スチレンの連鎖構造を有するものであることが確認さ
れた。
【0050】〔実施例2〕触媒の(A)成分として、
(ジメチルシリレン)(テトラメチルジシリレン)(4
−メチルシクロペンタジエニル)(3’,5’−ジイソ
プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ドを10.0マイクロモル用いた他は、実施例1と同様
にした。この結果、エチレン−スチレン共重合体24.
5g(共重合活性=324kg/g・Zr/hr)を得
た。
【0051】また、ここで得られた共重合体は、 1H−
NMRによる測定結果から、この共重合体中のスチレン
の残基に由来する構造単位の含有割合が1.0モル%で
あり、また、13C−NMRによる測定結果からエチレン
−スチレンの連鎖構造を有するものであることが確認さ
れた。
【0052】〔比較例1〕触媒の(A)成分に代えて、
C1対称性を持たない公知の遷移金属化合物触媒成分で
あるビス(ジメチルシリレン)ビスシクロペンタジエニ
ルジルコニウムジクロリド10.0マイクロモルを用
い、かつ共重合反応時間を1時間とした他は、実施例1
と同様にした。この結果、エチレン−スチレン共重合体
10.5g(共重合活性=22kg/g・Zr/hr)
を得た。
【0053】また、ここで得られた共重合体は、 1H−
NMRによる測定結果から、この共重合体中のスチレン
の残基に由来する構造単位の含有割合が38モル%であ
り、また、13C−NMRによる測定結果からエチレン−
スチレンの連鎖構造を有するものであることが確認され
た。
【0054】
【発明の効果】本発明の方法によれば、α−オレフィン
と芳香族ビニル化合物、あるいはさらに環状オレフィン
やジエンとの共重合活性が向上することから、助触媒の
アルモキサンや硼素化合物の使用量を低減することが可
能であり、得られる共重合体中の残留触媒量も減少する
ので、より低い触媒コストにおいて高品質のα−オレフ
ィン−芳香族ビニル化合物系共重合体を製造することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 232/00 C08F 232/00 236/02 236/02 Fターム(参考) 4J011 AA01 AA05 NA11 NA29 NB04 4J028 AA01A AB01A AC08A AC09A AC26A AC27A BA01A BA01B BA02B BB00A BB01B BB02B BC04B BC09B BC12B BC13B BC15B BC16B BC25B BC32A BC32B BC33B EA01 EB02 EB04 EB05 EB06 EB07 EB08 EB09 EB10 EB12 EB13 EB17 EB18 EB21 EB24 EC02 EC04 FA03 4J100 AA02P AA03P AA04P AA07P AA15P AA16P AA17P AA18P AA19P AA20P AA21P AB01P AB02Q AB04Q AB07Q AB08Q AB09Q AB10Q AB16Q AC02P AC22P AC24P AC25P AC27P AG04Q AR04R AR05R AR11R AS01R AS02R AS04R BA05Q BA72Q BC43P BC43Q BC43R CA04 CA05 FA04 FA10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α−オレフィンと芳香族ビニル化合物を
    (A)遷移金属化合物成分と(B)助触媒成分からなる
    重合触媒の存在下に共重合させてα−オレフィン−芳香
    族ビニル化合物系共重合体を製造する方法において、
    (A)成分の遷移金属化合物として、C1対称性を持
    ち、かつ架橋基を2つ持ったメタロセン骨格を有する遷
    移金属化合物を用いる、α−オレフィン−芳香族ビニル
    化合物系共重合体の製造法。
  2. 【請求項2】 α−オレフィン、芳香族ビニル化合物、
    環状オレフィンおよび/またはジエンを(A)遷移金属
    化合物成分と(B)助触媒成分からなる重合触媒の存在
    下に共重合させてα−オレフィン−芳香族ビニル化合物
    系共重合体を製造する方法において、(A)成分の遷移
    金属化合物として、C1対称性を持ち、かつ架橋基を2
    つ持ったメタロセン骨格を有する遷移金属化合物を用い
    る、α−オレフィン−芳香族ビニル化合物系共重合体の
    製造法。
  3. 【請求項3】 さらに、触媒成分として(C)アルキル
    化剤を添加してなる重合触媒を用いる、請求項1または
    2に記載のα−オレフィン−芳香族ビニル化合物系共重
    合体の製造法。
  4. 【請求項4】 さらに、連鎖移動剤の存在下に共重合さ
    せる請求項1〜3のいずれかに記載のα−オレフィン−
    芳香族ビニル化合物系共重合体の製造法。
  5. 【請求項5】 芳香族ビニル化合物がスチレンである請
    求項1〜4のいずれかに記載のα−オレフィン−芳香族
    ビニル化合物系共重合体の製造法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002092641A1 (fr) * 2001-05-15 2002-11-21 Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. Procede de production de copolymeres ethylene-cycloolefines
JP2010095458A (ja) * 2008-10-15 2010-04-30 Japan Polypropylene Corp 新規な遷移金属化合物、これを用いたオレフィン重合用触媒及びα−オレフィンの重合又は共重合方法
JP2012007178A (ja) * 2004-06-16 2012-01-12 Dow Global Technologies Llc 重合調整剤を選択するための技術

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