JP3564584B2 - オレフィン重合用触媒およびオレフィンの重合方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、変性粘土、特定の遷移金属化合物および有機アルミニウム化合物からなるオレフィン重合用触媒およびこの触媒を用いたオレフィンの重合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
オレフィンの重合によりポリオレフィンを製造する方法として、遷移金属化合物および有機金属化合物の組み合わせからなる触媒系を用いることは、すでに知られている。また、カミンスキーらは、メタロセンとメチルアルミノキサンを用いた触媒が、プロピレンを含むオレフィン重合体を製造する際に、高い活性を示すことを特開昭58−19309号公報などに記載している。
【0003】
しかしながら、ここで開示されている触媒系は重合活性には優れるが、触媒系が反応系に可溶性であるために、溶液重合系を採用することが多く、製造プロセスが限定されるばかりか、工業的に有用な物性を示すポリマーを製造するためには、比較的高価なメチルアルミノキサンを大量に用いる必要がある。このため、これら触媒系を用いた場合、コスト的な問題やポリマー中に大量のアルミニウムが残存する問題があった。
【0004】
このようなメチルアルミノキサンなどの有機アルミニウムオキシ化合物を用いない新しい助触媒が検討されてきており、例えば、特表平1−501950号公報、特表平1−502036号公報には、特殊なホウ素化合物が有効な助触媒になることが開示されている。しかし、これらのホウ素化合物は非常に複雑な化合物であり、コストの問題を解消するには至っていない。
【0005】
特開平3−163088号公報には、オレフィン重合用触媒として有用なπ配位子を1個有する拘束幾何形状金属錯体が記載されている。この金属錯体においても助触媒として大量のアルミノキサンが用いられており、多量の灰分が残量するという問題があった。また、国際公開特許第9200333号公報では活性プロトンをもつホウ素化合物のアンモニウム塩が、特開平5−194641号公報ではルイス酸として特定のホウ素化合物が助触媒として用いられている。さらに、国際公開特許第9314132号公報には、アルミノキサンと特定のホウ素化合物の両方を助触媒として用いる触媒組成物が開示されている。アルミノキサンの使用を極力抑えるあるいは全く使用しない努力がなされており、残留灰分の問題は低減したものの、高価な助触媒を使用することには変わりなく、コストの問題を解消するには至っていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、オレフィンの重合において高価な有機アルミニウムオキシ化合物あるいはホウ素化合物を使用することなく、安価で重合活性の優れたオレフィン重合用触媒を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、粘土鉱物をその層間にカチオンを導入可能な化合物で処理し、これに特定の遷移金属化合物と有機アルミニウム化合物を加えることにより、高活性にポリオレフィンを製造できる触媒が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、粘土鉱物(a)をその層間にカチオンを導入可能な化合物(b)で処理した変性粘土、特定の遷移金属化合物(c)および有機アルミニウム化合物(d)からなるオレフィン重合用触媒およびこの触媒を用いたポリオレフィンの製造方法に関する。
【0008】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0009】
本発明で用いられる粘土鉱物(a)は、微結晶状のケイ酸塩を主成分とする微粒子である。粘土鉱物の大部分は、その構造上の特色として層状構造を成しており、層の中に種々の大きさの負電荷を有することが挙げられる。この点で、シリカやアルミナあるいはゼオライトのような三次元構造を持つ金属酸化物と大きく異なる。粘土鉱物を前述の負電荷の大きさで分類すると、化学式あたりの負電荷が0であるバイオフィライト,カオリナイト,ディッカライトおよびタルク群、その負電荷が0.25から0.6であるスメクタイト群、0.6から0.9であるバーミキュライト群、およそ1である雲母群、およそ2である脆雲母群に分けることができる。ここで示した各群には、それぞれ種々の鉱物が含まれるが、スメクタイトに属する粘度鉱物としては、モンモリロナイト,バイデライト,サポナイト,ヘクトライト等が挙げられる。また、これらの粘土鉱物は天然に存在するが、人工合成により不純物の少ないものを得ることができる。本発明においてはここに示した天然の粘土鉱物および人工合成により得られる粘土鉱物のすべてが使用可能であり、また、上記に例示がないものでも粘土鉱物の定義に属するものはすべて用いることができる。
【0010】
本発明で用いられる粘土鉱物の層間にカチオンを導入可能な化合物(b)は、次の一般式(2)
【0011】
【化2】
【0012】
で示される。但し、式中[C+]はカチオンであり、具体的には、活性プロトンを含有するものとしてトリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、N,N−ジメチルアニリニウム、N,N−ジエチルアニリニウム、N,N−2,4,5−ペンタメチルアニリニウム、トリフェニルホスホニウム、トリ−o−トリルホスホニウム、トリ−p−トリルホスホニウム、トリメシチルホスホニウム、ジメチルオキソニウム、ジエチルオキソニウム等で表されるようなブレンステッド酸、あるいは活性プロトンを含有しないカルボニウム、オキソニウムまたはスルホニウムカチオンの例としてトリフェニルカルベニウム、トロピリウムイオン等で表されるような化合物が挙げられる。また、銀イオン、フェロセニウムイオン等が例示できるが、これらに限定されるものではない。一方、[A−]はフッ素、塩素、臭素、ヨウ素のハロゲン化イオンあるいは硫酸イオン、ヘキサフルオロフォスフェート、テトラフルオロボレート、テトラフェニルボレート等が例示できるが、これらに限定されるものではない。
【0013】
上記化合物の具体例としてはトリメチルアミン塩酸塩、トリエチルアミン塩酸塩、トリプロピルアミン塩酸塩、トリブチルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルアニリン塩酸塩、N,N−ジエチルアニリン塩酸塩、N,N−2,4,5−ペンタメチルアニリン塩酸塩およびこれらのフッ化水素酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、またはトリフェニルホスフィンヒドロブロマイド、トリ−o−トリルホスフィンヒドロブロマイド、トリ−p−トリルホスフィンヒドロブロマイド、トリメシチルホスフィンヒドロブロマイドおよびこれらのヒドロクロライド、ヒドロアイオダイド、ヒドロフルオライド、あるいはブロモトリフェニルメタン、クロロトリフェニルメタン、トロピリウムブロマイド、フェロセニウム硫酸塩、フェロセニウムヘキサフルオロフォスフェ−ト、フェロセニウムテトラフェニルボレ−ト等が例示できるが、これらに限定されるものではない。
【0014】
本発明において用いられる遷移金属化合物(c)は、下記一般式(1)によって表される化合物である。
【0015】
【化3】
【0016】
[式中、Cp1はシクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基またはそれらの置換体であり、Mはチタン、ジルコニウムまたはハフニウムであり、R1は各々独立して水素原子、ハロゲン、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基、アリールアルキル基、アルキルアリール基もしくはアルキルアリールオキシ基であり、Lはルイス塩基であり、wはルイス塩基Lの数を示しており0≦w≦3であり、Zは炭素または珪素であり、R2は各々独立して水素原子、ハロゲン、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基、アリールアルキル基、アルキルアリール基もしくはアルキルアリールオキシ基であり、JR3はヘテロ原子配位子であり、Jは配位数が3であるVa族の元素または配位数が2であるVIa族の元素であり、qは元素Jの配位数であり、R3は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基もしくはアルコキシ基または炭素数6〜24のアリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基もしくはアルキルアリール基である]
前記一般式(1)で表される化合物としては、例えば、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニル−t−ブチルアミドチタニウムジクロライド、ジメチルシランジイル−t−ブチルシクロペンタジエニル−t−ブチルアミドチタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルトリメチルシリルシクロペンタジエニル−t−ブチルアミドチタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニルフェニルアミドチタニウムジクロライド、メチルフェニルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニル−t−ブチルアミドチタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニル−p−n−ブチルフェニルアミドチタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニル−p−メトキシフェニルアミドチタニウムジクロライド、ジメチルシランジイル−t−ブチルシクロペンタジエニル−2,5−ジ−t−ブチルフェニルアミドチタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルインデニル−t−ブチルアミドチタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロヘキシルアミドチタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルフルオレニルシクロヘキシルアミドチタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロドデシルアミドチタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニル−t−ブチルアミドジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイル−t−ブチルシクロペンタジエニル−t−ブチルアミドジルコニウムジクロライド、ジメチルシリルトリメチルシランジイルシクロペンタジエニル−t−ブチルアミドジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニルフェニルアミドジルコニウムジクロライド、メチルフェニルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニル−t−ブチルアミドジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニル−p−n−ブチルフェニルアミドジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニル−p−メトキシフェニルアミドジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイル−t−ブチルシクロペンタジエニル−2,5−ジ−t−ブチルフェニルアミドジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルインデニル−t−ブチルアミドジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロヘキシルアミドジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルフルオレニルシクロヘキシルアミドジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロドデシルアミドジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニル−t−ブチルアミドハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイル−t−ブチルシクロペンタジエニル−t−ブチルアミドハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルトリメチルシリルシクロペンタジエニル−t−ブチルアミドハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニルフェニルアミドハフニウムジクロライド、メチルフェニルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニル−t−ブチルアミドハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニル−p−n−ブチルフェニルアミドハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニル−p−メトキシフェニルアミドハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイル−t−ブチルシクロペンタジエニル−2,5−ジ−t−ブチルフェニルアミドハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルインデニル−t−ブチルアミドハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロヘキシルアミドハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルフルオレニルシクロヘキシルアミドハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロドデシルアミドハフニウムジクロライド等のジクロル体およびジメチル体、ジエチル体、ジヒドロ体、ジフェニル体、ジベンジル体等を例示することができる。
【0017】
また、本発明で用いられる有機アルミニウム化合物(d)は、次の一般式(3)で表される。
【0018】
【化4】
【0019】
[式中、Xは各々独立して水素、ハロゲン、アミノ基、アルキル基、アルコキシ基またはアリール基であり、且つXの少なくとも1つはアルキル基である]
これらの具体的な例としてはトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−t−ブチルアルミニウム、トリアミルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライド、ジ−t−ブチルアルミニウムクロライド、ジアミルアルミニウムクロライド、メチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、イソブチルアルミニウムジクロライド、t−ブチルアルミニウムジクロライド、アミルアルミニウムジクロライド等が用いられるが、これらに限定されるものではない。
【0020】
本発明のオレフィン重合用触媒は、上述した粘土鉱物(a)を化合物(b)で処理した変性粘土を構成成分とするが、この時の(a)と(b)との反応条件は特に制限はなく、また、(a)と(b)の反応量比についても特に制限はないが、(a)中にカチオンが存在する場合には、このカチオンと当モル以上の(b)と反応させることが好ましい。また、この時用いる反応溶媒としては、一般に用いられる有機溶剤、具体的にはベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、塩化メチレン等が用いられ、その他水も用いることができる。このうち特に粘土を膨潤させることのできる溶媒が好ましく用いられる。
【0021】
また、上記により変性した粘土鉱物、遷移金属化合物(c)および有機アルミニウム化合物(d)の添加方法あるいは添加順序は特に限定されないが、粘土鉱物中の不純物等の影響を低減するために、先に変性した粘土鉱物と有機アルミニウム化合物(d)とを接触させることが好ましい。さらに、本発明の触媒を構成する三成分の使用量、使用量の比も特に制限されないが、遷移金属化合物(c)が反応するのに十分な量の粘土を加えることが好ましい。
【0022】
本発明の重合反応に用られるオレフィンとしてエチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、4−フェニル−1−ブテン、6−フェニル−1−ヘキセン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘキセン等のα−オレフィン、スチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−クロロスチレン、m−クロロスチレン、o−クロロスチレン、p−ブロモスチレン、m−ブロモスチレン、o−ブロモスチレン、p−フルオロスチレン、m−フルオロスチレン、o−フルオロスチレン等の芳香族ビニル化合物、ブタジエン、イソプレン、1,4−ヘキサジエン、1,6−ヘキサジエン等の鎖上ジエン化合物、5−エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、ノルボルナジエン、5−ビニルノルボルネン等の環状ジエン化合物、シクロブテン、シクロヘキセン、ノルボルネン、5−メチルノルボルネン、5−エチルノルボルネン等の環状オレフィン等を用いることも可能である。また、これらの成分のうち2種以上を用いて、多元の共重合体を製造することも本発明の趣旨を逸脱するものではない。
【0023】
また、重合方法は特に限定されず、スラリー重合法、溶液重合法、高圧重合法、塊状重合法、気相重合法などを用いることができる。このうち、溶液中で重合を行う場合の溶媒としては一般に用いられている有機溶媒であればいずれでもよく、具体的にはベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、塩化メチレン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等、またはオレフィンそれ自身を溶媒として用いることができる。これらの溶媒は単独で用いてもよく、2種以上のものを組み合わせて用いてもよい。また、重合は連続式、半連続式、バッチ式のいずれの方法でも行うことが可能であり、重合条件を変えて2段以上に分けて行うことも可能である。重合温度は通常−80〜300℃、工業的に生産性良く製造するために好ましくは20〜200℃の範囲で選ばれる。重合時の圧力についても特に限定されず、通常大気圧〜3000kg/cm2で行われる。
【0024】
また、本発明の重合方法においては、粘土鉱物(a)をその層間にカチオンを導入可能な化合物(b)で処理した変性粘土に、遷移金属化合物(c)を予め担持して用いることも可能であり、また、予備重合を行うことも可能である。予備重合は、本発明触媒に少量のオレフィンを接触させることにより行うことができる。予備重合に用いるオレフィンについては特に限定されず、前記と同様のもの、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン等が挙げられる。予備重合を液相で行う場合の溶媒としては、一般に用いられている有機溶媒であればいずれでもよく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、塩化メチレン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等、またはオレフィンそれ自身を溶媒として用いることができる。また、予備重合は無溶媒で行ってもよい。さらに、予備重合の際のオレフィンの濃度や反応温度等の反応条件も特に限定されない。
【0025】
【実施例】
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0026】
なお、重合操作、反応および溶媒精製は、すべて不活性ガス雰囲気下で行った。また、反応に用いた溶媒等は、すべて予め公知の方法で精製、乾燥、脱酸素を行ったものを用いた。さらに、反応に用いた化合物は、公知の方法により合成、同定したものを用いた。
【0027】
実施例1
[変性粘土の調製]
合成高純度モンモリロナイト7.5g(商品名クニピア、クニミネ工業社製)を水3000mlに加えて、懸濁溶液とした。ジメチルアニリニウム塩酸塩(Me2PhNHCl)2.55gを水75mlに加えて均一な溶液とし、前記の懸濁溶液に滴下した。これをろ過した後、水で洗浄し、室温,10−5Torrで29時間減圧乾燥し、変性粘土を得た。
【0028】
[重合]
2lのオートクレーブを窒素置換した後、トルエン1lを加え、80℃に昇温した。さらに、エチレンを分圧で8kg/cm2となるように導入した。次に、上記の方法で合成した変性粘土50mg、ジメチルシランジイル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(t−ブチルアミド)チタニウムジクロライド1.0μmolおよびトリイソブチルアルミニウム1.0mmolを含むトルエン10mlをオートクレーブに加え、重合を開始した。この重合は、エチレンを分圧8kg/cm2に保つようにエチレンを連続的に導入し、80℃で30分間行った。重合反応終了後、未反応のエチレンを除去後、反応溶液にエタノールを投入し、反応を停止した。内容物を多量のエタノールで洗浄し、析出物をろ取、減圧乾燥を行った。その結果、36gのポリマーを得た。活性は36kg/mmolTiであった。
【0029】
実施例2
[重合]
2lのオートクレーブを窒素置換した後、トルエン900ml、1−ヘキセン100mlを加え、80℃に昇温した。さらに、エチレンを分圧で8kg/cm2となるように導入した。次に、上記の方法で合成した変性粘土100mg、ジメチルシランジイル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(t−ブチルアミド)チタニウムジクロライド2.0μmolおよびトリイソブチルアルミニウム2.0mmolを含むトルエン10mlをオートクレーブに加え、重合を開始した。この重合は、エチレンを分圧8kg/cm2に保つようにエチレンを連続的に導入し、80℃で30分間行った。重合反応終了後、未反応のエチレンを除去後、反応溶液にエタノールを投入し、反応を停止した。内容物を多量のエタノールで洗浄し、析出物をろ取、減圧乾燥を行った。その結果、20gのポリマーを得た。活性は10kg/mmolTiであった。
【0030】
比較例1
実施例2で用いたジメチルシランジイル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(t−ブチルアミド)チタニウムジクロライドの量を1.5μmolとし、変性粘土の代わりにメチルアルミノキサン(東ソーアクゾ社製)4.5mmolを使用した以外は、実施例2と同様に行った。その結果、18gのポリマーを得た。活性は12kg/mmolTiであった。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による触媒を用いることによって、高価な有機アルミニウムオキシ化合物あるいは特殊なホウ素化合物を用いることなく、高い生産性でエチレン重合体およびエチレン/α−オレフィン共重合体を製造することができる。
Claims (2)
- 粘土鉱物(a)を、一般式(2)で表されるその層間にカチオンを導入可能な化合物(b)
[C + ][A − ] (2)
[式中、[C + ]はトリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、N,N−ジメチルアニリニウム、N,N−ジエチルアニリニウム、N,N−2,4,5−ペンタメチルアニリニウム、トリフェニルホスホニウム、トリ−o−トリルホスホニウム、トリ−p−トリルホスホニウム、トリメシチルホスホニウム、ジメチルオキソニウム、ジエチルオキソニウム、トリフェニルカルベニウム、トロピリウムイオン、銀イオンもしくはフェロセニウムイオンから選ばれるカチオンであり、[A − ]はハロゲン化イオン、硫酸イオン、ヘキサフルオロホスフェート、テトラフルオロボレート、テトラフェニルボレートから選ばれるアニオンである]
で処理した変性粘土、下記一般式(1)
で表される遷移金属化合物(c)および下記一般式(3)
AlX 3 (3)
[式中、Xは各々独立して水素、ハロゲン、アミノ基、アルキル基、アルコキシ基またはアリール基であり、且つXの少なくとも1つはアルキル基である]
で表される有機アルミニウム化合物(d)からなることを特徴とするオレフィン重合用触媒。 - 請求項1に記載のオレフィン重合用触媒の存在下、オレフィンを重合または共重合(但し、重合温度120℃以上を除く)させることを特徴とするポリオレフィンの製造方法。
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