JP2001286268A - 摂取エネルギーの効率を向上させる方法 - Google Patents

摂取エネルギーの効率を向上させる方法

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JP2001286268A
JP2001286268A JP2000103484A JP2000103484A JP2001286268A JP 2001286268 A JP2001286268 A JP 2001286268A JP 2000103484 A JP2000103484 A JP 2000103484A JP 2000103484 A JP2000103484 A JP 2000103484A JP 2001286268 A JP2001286268 A JP 2001286268A
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acid
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Tadayoshi Shiraishi
白石忠義
Masayuki Abe
阿部真幸
Takehiko Ofuji
大藤武彦
Shoichi Kato
加藤正一
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 老年者や病人などにおける摂取エネルギー不
足、脂肪蓄積量の減少を予防・改善するために有効、安
全かつ効果的な方法を提供する。また、家畜や愛玩動物
の飼料効率を改善する方法を提供する。 【解決手段】 摂取エネルギーの効率を向上する機能、
脂肪蓄積を亢進する機能、及び/又は脂肪減少を抑制す
る機能を有する炭素数10〜24、不飽和度2〜6の不
飽和脂肪酸、その塩、その誘導体の薬学的・栄養学的有
効量を摂取する事を特徴とする方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不飽和脂肪酸、そ
の塩、その誘導体の薬学的・食品学的有効量を摂取する
事を特徴とする摂取エネルギーの効率を向上させる方
法、脂肪蓄積を亢進させる方法、及び/又は脂肪減少を
抑制する方法に関する。また、本発明は、本発明の方法
を用いてなる飲食品、医薬品、飼料に関する。
【0002】
【従来の技術】動物において、総摂取エネルギーが総消
費エネルギーを上回った場合、過剰摂取されたエネルギ
ーは主としてグリコーゲン、タンパク質、脂肪に変換さ
れ生体内に蓄積される。生体内でのエネルギー蓄積の形
態は圧倒的に脂肪が多く、脂肪は主として脂肪組織中の
脂肪細胞に蓄積される。生体での脂肪蓄積は、個体の代
謝、行動、社会的な環境などの多様な遺伝要因、環境要
因により影響を受ける事が知られている。遺伝的要因が
関与している例としては、ピマインデアンにおけるβ3
アドレナリン受容体(β3R)の変異や肥満マウスでの
レプチン遺伝子の異常例が良く知られている(安田和
基:医学のあゆみ、184,587,1998)。一
方、環境要因としては、食事量、食事内容、運動量が重
要であるが、食事習慣も影響を与えていると考えられて
いる。今日、栄養学的観点から本邦の栄養摂取状態をみ
ると、一般的には摂取エネルギーの過剰状態が問題視さ
れる状況にある。しかし、将来の人口爆発と食糧不足に
対するローマクラブによる警告を持ち出すまでもなく、
現在でも地球規模では慢性的に摂取エネルギー不足に悩
まされている人達が多い。また、最近の若者、特に女性
は痩身願望が強く、その結果として若者層でのエネルギ
ー摂取不足が進行し、20〜29歳の女性では47.1
%がBMI(「体重kg/(身長m)2」)19.8未
満の“やせ”と判定されており(「国民栄養の現状」
(平成9年国民栄養調査結果)、厚生省保健医療局地域
保険・健康増進栄養課生活習慣病対策室監修、第一出版
株式会社)、今後の若者の健康に対する悪影響が心配さ
れている。一般に、20〜65歳までは摂食量も十分
で、エネルギーバランスは正の傾向にあり、体重や脂肪
組織が増加するが、65歳以上の老年者においては、疾
病、薬物投与や運動不足による食欲不振により摂食量が
減少し、エネルギーバランスは負に傾き、栄養不良とな
り体重や脂肪組織が減り易いと言われている。また、拒
食症や病態時には十分な食事を摂取する事が出来ず、栄
養不良となる事が多い。エネルギー摂取不足時には、生
体はホメオスタシスを維持するため、主に貯蔵脂肪から
熱量を得て、なるべくタンパク質を消費しないような代
謝状態をとるように適応するが、この様な負のエネルギ
ーバランスを長時間続けると、るいそうという状態が起
こり、これがさらに進行し、生命の維持が困難な状態に
なる(上田、武内監修、内科学 p1234、朝倉書
店)。生体にとって、蓄積脂肪は、飢餓状態や体力消耗
時にも生命を維持するための予備能力としての機能を担
っており、その蓄積量が健康なレベルより低下すること
は、環境変化に対する抵抗力、ダメージからの回復能力
の低下を意味し、健康維持に対する危険信号と見なされ
ている。また、世の中には、痩身である事に悩み、なん
とか太りたいと思っている人も、少数派ではあるが存在
することも事実である。一方、癌や後天性免疫不全性症
候群(AIDS)等の消耗性疾患、脂肪萎縮性糖尿病、
全身性脂肪萎縮症等においては、脂肪組織が急激かつ高
度に消失する事が知られており、脂肪の消失が病態悪化
の原因の一つと考えられている。
【0003】この様な背景より、食物を十分摂取出来な
い高齢者や病人及び脂肪量低下に悩む消耗性疾患の患者
に対し、摂取エネルギーの効率を高め、脂肪蓄積を亢進
し、及び/又は脂肪低減を抑制する事により、高齢者や
病人の環境の変化に対する抵抗力を高め、弱った体力の
回復や疾病からの回復を促進する方法の開発及びその様
な機能を有する飲食品・医薬品が求められている。ま
た、農業・漁業において、家畜や養殖魚の飼料のエネル
ギー効率を向上させる方法の開発が待たれている。
【0004】エネルギー効率を向上させる方法として
は、摂取エネルギー量が同等でも生体でのエネルギー効
率が高い物質を利用する方法が知られている。江崎ら
は、マウスにパーム油、ラード、ナタネ油、ダイズ油、
サフラワー油、シソ油、魚油を各々32%含有する餌を
エネルギー摂取コントロール下に19週間与えた結果、
体重増加量と白色脂肪組織重量が、ダイズ油>パーム油
≧ラード≧ナタネ油≧サフラワー油≧シソ油>魚油の順
で大きく、油脂の組成により、エネルギー効率が異なる
事を報告している(Metabolism, 45, 1539(1996))。従
って、摂取エネルギーとしては同等であっても、魚油の
代わりにダイズ油を用いることによって、食物・飼料の
エネルギー効率を改善し、脂肪蓄積量を増加或いは蓄積
脂肪の減少を抑制することが可能であると考えられる
が、この場合、食物・飼料の組成物を大幅に変化させる
事が必要で、食物・飼料の風味、物性、機能などに悪影
響を与えない程度の少量で大きな効果を期待することは
出来ない。また、インスリン耐性改善薬としてII型糖
尿病の治療に用いられているトログリダゾンTM(三共株
式会社社製)を長期服用すると、皮下脂肪が増加する事
が知られているが、(森ら、第20回日本肥満学会抄録
集、p127)、その機構は未解明である。トログリダ
ゾンは強力な血糖降下作用があり、本発明の目的のため
飲食品・医薬品・飼料組成物として長期に使用するに
は、安全上問題がある。また、サイコ,チンピ,シヨウ
マ等の生薬の水または水性有機溶剤抽出物を有効成分と
して含有し,癌毒素の脂肪分解促進作用を阻害して癌患
者の脂質代謝及び食欲不振を改善する方法が知られてい
る(特開昭60−25933)が、飲食品・医薬品・試
料組成物として用いるには、効果、安全性、経済性の面
で満足出来るものではない。
【0005】一方、飼料のエネルギー効率を向上する技
術として、飼料中に抗生物質と蛋白分解酵素を一緒に加
える方法が知られている(特開昭54−91486)
が、抗生物質の飼料への利用は、安全上問題があると考
えられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、老年
者や病人などにおける摂取エネルギー不足、脂肪蓄積量
の減少を予防・改善することの出来る、有効かつ安全で
効果の強い方法の提供にある。また、本発明の別の目的
は、本発明の方法を用いてなる、老年者や病人などにお
ける摂取エネルギー不足、脂肪蓄積量の減少を予防・改
善することの出来る飲食品、医薬品、及び、家畜や愛玩
動物の飼料効率を改善する事の出来る飼料の提供にあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、長年に渡
り生体での脂肪蓄積に影響を与える食物因子に関心を持
ち研究を行ってきた。これらの研究の過程で、ある種の
共役トリエン構造をもつ不飽和脂肪酸、その塩、その誘
導体を添加した飼料を用いた場合、飼料のエネルギー効
率が高くなり、脂肪蓄積が促進されることを見出した。
この知見を基に、更に鋭意検討を重ねた結果、本発明を
完成するに至った。
【0008】即ち、本発明の第1は、炭素数10〜2
4、不飽和度2〜6の不飽和脂肪酸、その塩、その誘導
体の薬学的・食品学的有効量を摂取する事を特徴とする
摂取エネルギーの効率を向上させる方法に関する。
【0009】本発明の第2は、上記記載の不飽和脂肪
酸、その塩、その誘導体の薬学的・食品学的有効量を摂
取する事を特徴とする脂肪蓄積亢進、及び/又は、脂肪
減少を抑制する方法に関する。
【0010】好ましい実施態様としては、不飽和脂肪酸
が共役トリエン構造を有することを特徴とする上記記載
の方法に関する。
【0011】更に好ましい実施態様としては、飽和脂肪
酸がプニカ酸であることを特徴とする上記記載の方法に
関する。
【0012】別の好ましい実施態様としては、不飽和脂
肪酸が、植物種子抽出物、或いはその加工物として調製
されたものであることを特徴とする上記記載の方法に関
する。
【0013】別の更に好ましい実施態様としては、植物
種子抽出物がザクロ種子抽出物であることを特徴とする
上記記載の方法に関する。
【0014】本発明の第3は、上記記載の方法を用いて
なる飲食品・医薬品・飼料に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳細に説明す
る。
【0016】本発明の方法において摂取エネルギーの効
率を向上させる機能、脂肪蓄積を亢進させる機能、及び
/又は、脂肪減少を抑制する機能を発揮する有効成分と
して、炭素数10〜24、不飽和度2〜6の不飽和脂肪
酸、その塩、その誘導体を少なくとも一つ以上を用い
る。これら不飽和脂肪酸、その塩、その誘導体は、動物
において摂取エネルギー効率を改善する機能、脂肪蓄積
を亢進する機能、及び/又は、脂肪低減を抑制する機能
を発揮するものであれば特に制限はないが、共役トリエ
ン構造を有するものが望ましく、食品学的、栄養学的、
生理学的、薬理学的に許容されるものが望ましい。具体
的な例としては、プニカ酸(punicic acid)(18:
3,9c、11t、13c)、カレンデイン酸(carend
ic acid)(18:3,8t、10t、12c)、α−
エレオステアリン酸(α-eleosutealic acid)(18:
3,9c、11t、13t)、β−エレオステアリン酸
(β-eleosutealic acid)(18:3,9t、11t、
13t)、カタルピン酸(catalpic acid)(18:3
9t、11t、13c)、ジャルカリック酸(jarucari
cacid)(18:3,8c、10t、12c)、カムロ
レニン酸(kamulolenic acid)(18OH,9c,11
t,13t)などの不飽和脂肪酸、その塩、その誘導体
が挙げられる。安定性及び入手の容易さという点では、
炭素数18の脂肪酸が好ましく、効果の面では、プニカ
酸が好ましい。
【0017】本発明の方法で用いる不飽和脂肪酸の形態
は、遊離の脂肪酸、塩或いは誘導体でも良い。塩として
は、食品学的、栄養学的、或いは薬理学的に許容される
ものであれば何れでも選択しうるが、例えば、ナトリウ
ム塩、カルシウム塩等の金属塩、アンモニウム塩、メチ
ルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチル
アミン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ヘキサ
メチレンイミン、アニリン、ピリジンなどの有機塩基と
の塩、アルギニン、グルタミン酸、オルニチンなどのア
ミノ酸との塩等があげられる。また、本発明の方法で用
いる誘導体としては、不飽和脂肪酸より誘導し得るもの
で、生体内において容易に元の不飽和脂肪酸に変換され
る誘導体であれば特に制限を受けず、経済的な方法で生
産可能で、食品学的、栄養学的、或いは薬理学的に許容
されるものであれば何れでも選択しうるが、エステル誘
導体が望ましい。具体的なエステル誘導体としては、エ
チルエステル、ブチルエステル、プロピルエステル、及
び、グリセロールエステルが挙げられ、中でもエチルエ
ステルが好ましい。本発明において、不飽和脂肪酸をエ
ステル誘導体とする方法としては特に限定されず、例え
ば、当該脂肪酸とエチルアルコール、グリセロールなど
のアルコールより脱水反応で合成する直接エステル化
法、エステルとアルコール又はエステルと当該脂肪酸或
いはエステルとエステルの反応で新しいエステルを合成
するエステル交換法、当該脂肪酸の塩化物とアルコール
より合成する方法、エポキシ化合物と当該脂肪酸を反応
させる方法、オレフィンと当該脂肪酸を反応させる方法
等、公知の方法を用いる事が出来るが、直接エステル化
法、エステル交換法が好ましい。直接エステル化法の具
体例としては、当該脂肪酸とアルコールを混合し、場合
によりトルエン、キシレンなどの共沸脱水剤を加え、硫
酸、p-トルエンスルホン酸、酸化亜鉛、活性アルミ、酸
化チタン、テトライソプロピルチタナートなどの触媒存
在下で加熱する方法が挙げられる。また、エステル交換
法の具体例としては、脂肪酸エステルと他の脂肪酸エス
テル間で交換反応(平尾子之吉“油脂化学本論”後編、
p522、風間書房、(1950))、脂肪酸エステル
とアルコールとの反応(H.J.Wrightら、Oil
& Soap, 21, 145, 1944)アルカリを触媒とし、A.
T.GrosとR.O.Feugeらの方法(J. Am. O
il. Chem., 26, 704, 1949)等が挙げられる。
【0018】本発明の方法では、不飽和脂肪酸、その
塩、その誘導体の製造法により何ら制限を受けるもので
はないが、製造の容易さより天然動植物の抽出物より更
に加工を加える事により調製されたものが好ましい。天
然動植物の抽出物としては、動物抽出物、植物抽出物、
海産物抽出物、更には植物油脂、動物油脂、或いは海産
生物油脂が挙げられ、中でも、植物油脂は量的確保が容
易な為に好ましい。更には植物種子油がより好ましい。
これらの動植物油脂は、工業用・食品用・医薬品用・飼
料用として市販されている一般の油脂を用いても良い
し、天然の動植物、好ましくは植物種子を公知の方法で
抽出して得ることも出来る。原料となる植物種子として
は、本発明の不飽和脂肪酸を含有するものであれば特に
限定されないが、ざくろ科、きく科、とうだいぐさ科、
うり科、のうぜんかずら科、つりふねそう科の植物種子
が好ましく、更に好ましくは、ざくろ科ザクロ属ざく
ろ、きく科キンセンカ属きんせんか、とうだいぐさ科ア
ブラギリ属あぶらぎり、うり科ニガウリ属つるれいし
(にがうり)、のうぜんかずら科キササゲ属きささげの
種子である。
【0019】本発明の方法では、不飽和脂肪酸、その
塩、その誘導体として天然の動植物抽出物をそのまま利
用することも出来るが、動植物抽出物を加工して、脂肪
酸或いはその誘導体として用いても良い。脂肪酸への加
工方法は、上記動植物油脂を必要に応じて前処理した
後、加水分解して脂肪酸を得、それを精製するといった
方法が好ましい。油脂の前処理方法としては、融点以上
の温度で放置し比重の大きなものを沈降除去したり、比
重の軽いものを遠心分離除去するといった物理的な方
法、或いは原料油脂に硫酸又はリン酸を加え、加熱攪拌
して、タンパク質、有機色素類を分解し、中和、洗浄に
より除去したり、活性白土を加え加熱処理し、分解物、
着色物質、樹脂状物質などを吸着除去するといった化学
的な方法が挙げられる。加水分解の具体例としては、油
脂を水酸化カリウムなどのアルカリでケン化する方法、
酸化亜鉛、酸化カルシウム、或いは酸化マグネシウムを
触媒として用い、中圧条件下で分解する中圧触媒分解
法、或いは高圧下連続的に分解する連続高圧分解法等の
化学的な方法、リパーゼや微生物を用いる生物学的な加
水分解法等が挙げられる。脂肪酸の分離精製法として
は、バッチ式、半連続式、連続式蒸留装置、或いは精密
蒸留装置を用い目的とする脂肪酸を蒸留精製する方法、
過飽和状態の溶液或いは溶融体を目的とする脂肪酸に応
じ適切な温度に冷却し、結晶を生成させ、生成した結晶
を、圧搾法、Solexol法(米国特許第22936
74号,1942)、Emersol法(米国特許第2
421157号,1974)、Henkel法(W.S
teinら、J. Am. Oil Chem. Soc., 45,471, 1968)
などの方法で分取する方法が挙げられる。
【0020】また、本発明の方法で用いる共役トリエン
構造を有する不飽和脂肪酸は、藻類などの微生物を培養
し、培養物より油脂を抽出し、更に公知の方法で加工す
ることにより得たものでも良い。また、共役トリエン構
造を含まない公知の不飽和脂肪酸を、化学的触媒存在
下、或いは微生物、動物細胞或いはこれらより抽出した
酵素を用いて反応させる事により調製されたものでも良
い。具体的には、赤色海藻Ptilota filicinaの産生する
イソメラーゼを用いることにより、アラキドン酸、γ−
リノレン酸、或いはエイコサペンタエン酸を共役トリエ
ン構造を有する不飽和脂肪酸に変換することにより得ら
れたものでもよい(M. L. Wise, Biochemistry, 33, 15
223, 1994)。
【0021】次に、本発明の方法の生物学的効果につい
て説明する。本発明の方法は、動物において摂取エネル
ギーの効率を向上し、脂肪蓄積を亢進し、及び/又は、
脂肪低減を抑制する。本発明の方法の生物学的効果を証
明するためには、有効成分の薬学的・食品学的有効量を
含有させた食物・飼料、或いは薬剤を、ヒト、哺乳動
物、鳥類、魚類などに摂取、服用させることにより評価
することが好ましい。経済性、倫理性の面より、市販の
マウスを用いるのがより好ましい。摂取エネルギー効率
を向上させる機能を証明するためには、組成の明確にな
った市販飼料、具体的にはAIN(American Institute
of Nutrition)が推奨するマウス・ラット成長期用標準
配合飼料(AIN−93G)(Journal of Nutrition 1
23, 1941,81993)等と、その脂肪分の一部を本発明の組
成物で置き換えた飼料を調製し、これらの飼料を用い、
出来るだけ摂餌量が同等になるように制御しながらマウ
スを一定期間飼育した後、体重と摂餌量より、体重増加
量/摂取脂肪量比を指標として評価するのが好ましい。
また、脂肪蓄積を亢進する機能は、上記と同様の方法で
マウスを飼育し、一定期間後にマウスを解剖し、脂肪組
織の重量を指標として評価しても良い。一方、脂肪低減
を抑制する機能は、マウスを高脂肪・高糖質食で一定期
間飼育することにより脂肪を蓄積させた後、AIN−9
3G、或いはその脂肪分に一部を本発明の組成物で置き
換えた飼料に変え、更に一定期間飼育した後解剖し、脂
肪組織の重量を指標として評価しても良い。
【0022】本発明の方法を利用し、そのまま、或いは
適宜他の方法と組み合わせることにより、飲食品に用い
ることが出来る。飲食品に応用する場合、有効成分の含
有量は特に限定されないが、好ましくは0.01〜99
重量%、更に好ましくは0.1〜90重量%である。ま
た、所望に応じて飲食品として許容される各種の担体及
び/又は添加剤を添加配合することが出きる。用いる担
体や添加剤は、本発明の組成物の生物学的機能に悪影響
を与えない限り如何なるものでも良い。この様な担体の
具体例としては、各種のキャリアー担体、イクステンダ
ー剤、希釈剤、増量剤、分散剤、乳糖等の賦形剤、ヒド
ロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリビニルピロ
リドン(PVP)等の結合剤、水、エタノール、植物油
等の溶媒、溶解補助剤、重曹等の緩衝剤、溶解促進剤、
カルボキシメチルセルロースナトリウム(ナトリウムC
MC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPM
C)、カンテン、ゼラチン等のゲル化剤、ナトリウムC
MC、ナトリウムアルギネート等の懸濁化剤等が挙げら
れる。また、添加剤の具体例としては、グルタミンソー
ダ、イノシン酸等の可食性・嗜好性を向上させるための
調味料、バニラ、ミント、ローズマリー、リナロール、
天然香料等の香料、ビタミンA、ビタミンB1,ビタミ
ンB2,ビタミンB6,ビタミンC、ビタミンE、パン
トテン酸、ニコチン酸等のビタミン類、クエン酸、リン
ゴ酸、フマル酸、マロン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸等
の有機酸、着色料、湿気防止剤、ファイバー、電解質、
ミネラル、栄養素、抗酸化剤、保存剤、芳香剤、湿潤
剤、茶抽出物、コーヒー抽出物、ココア抽出物、オレン
ジ、グレープ、アップル、モモ、パイナップル、ナシ、
プラム、サクランボ、パパイア、トマト、メロン、イチ
ゴ、ラズベリー、などのフルーツ抽出物等の天然植物抽
出物が挙げられる。
【0023】本発明の方法を利用した飲食品としては、
本発明の方法に悪影響を与えない限り如何なるものでも
良く、具体的には、コーヒー、紅茶、緑茶、ウーロン茶
などの茶飲料類、豆乳、青汁、果物ジュース、野菜ジュ
ースなどの果実野菜飲料類、ヨーグルト等の乳酸菌飲料
類、牛乳などの乳飲料類、コーラ等の炭酸飲料類、及び
各種のスポーツドリンク類等の他、パン類等のベーカリ
ー製品、米飯、麺類、豆腐などの大豆加工食品、ソーセ
ージやハムなどの魚畜肉加工食品、ケーキ、クッキー、
饅頭、煎餅、アイスクリーム、プデイング、羊羹、キャ
ンデイー、チョコレートなどの菓子類、バター、ヨーグ
ルト、チーズなどの乳製品、マーガリン、ショートニン
グなどの加工油脂食品、マヨネーズ、ドレッシング、醤
油、味噌、ソースなどの調味料、コンニャク、漬け物類
などが挙げられる。
【0024】本発明の方法は、健康維持・健康増進・体
力増強用飲食品、健康食品等に利用することが出来る。
具体的には、老年者や病人など必要なエネルギー摂取が
困難なヒト用の高エネルギー補給、病態の回復期のエネ
ルギー補給、滋養強壮、体重増加等を目的とする飲食
品、健康飲食品に用いることが出来る。
【0025】本発明の方法で用いる不飽和脂肪酸、その
塩、その誘導体は、そのまま、又は医薬的に許容される
無毒性かつ不活性の担体中に0.01〜99重量%、好
ましくは0.1〜90重量%を含有させて、ヒトを含む
哺乳動物に投与する。担体としては、固形、半固形、液
状の医薬品製剤におて通常の製造の際用いられる担体を
使用することが出来、特に制限されないが、ブドウ糖、
乳糖などの賦形剤、デンプン、カルボキシメチルセルロ
ースカルシウム(CMC−Ca)等の崩壊剤、ヒドロキ
シプロピルセルロース(HPC)、ポリビニルピロリド
ン(PVP)等の結合剤、タルク、ステアリン酸マグネ
シウム等の滑沢剤、重曹等のpH調節剤、安定化剤、希
釈剤、色素等及び他の処方用の助剤1種以上が用いられ
る。一般に医薬品は、投与単位形態で投与することが好
ましく、本発明の医薬品は、錠剤、カプセル剤、顆粒
剤、末剤、散剤、糖衣錠、懸濁剤、液剤、シロップ剤、
ドロップ剤、舌下錠、乳化剤等の経口剤として、又は注
射剤、坐剤等の非経口投与剤として使用できる。長期に
渡り投与を必要な場合は、経口投与が望ましい。また、
経口投与が困難な場合や緊急に効果を期待する場合は、
経静脈栄養剤として投与することも出来る。
【0026】本発明の方法で用いる有効成分は、エネル
ギー摂取が困難なヒト用の高エネルギー補給用、病態の
回復期のエネルギー補給用、体重・脂肪減少の予防・改
善用、エネルギー補給用輸液の原料として用いる事が出
来る。
【0027】発明の方法で用いる不飽和脂肪酸、その
塩、その誘導体は、そのまま、又は飼料効率を改善する
ため、可食性や嗜好性を向上するため、他の飼料組成
物、調味料、香料等を適宜配合し飼料とする事もでき
る。このとき、一定の物性を保つため、乳化剤、安定剤
を配合することも出来る。また、更に、これらは、工業
的に生産される種々の加工飼料、ペットフードの原料素
材として用いる事も出来る。また、本発明の組成物を飼
料に直接振りかけて用いても良い。飼料における本発明
の組成物の含有量は特に制限されないが、飼料重量に対
して固形分換算で例えば0.01〜99重量%、好まし
くは0.1%〜90重量%の範囲である。
【0028】発明の方法における不飽和脂肪酸、その
塩、その誘導体を含有してなる飼料は、家畜及び愛玩動
物用にエネルギー効率の高い飼料として、また、老齢愛
玩動物用の健康維持増進、体力増強用飼料として用いる
事が出来る。
【0029】また、発明の方法における不飽和脂肪酸、
その塩、その誘導体を、飲食品、医薬品、飼料に用いる
場合に、他の同様な効果を持つ飲食品、医薬品、飼料組
成物として併用しても構わない。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳しく説明
するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではな
い。
【0031】(実施例1) <植物種子油の調製>市販のザクロ青果(イラン産)
(100個:計30kg)より調製した種子(1.2k
g)を乳鉢で粉砕後、2倍量のn-ヘキサンで3回抽出し
た。抽出液を40℃、減圧下濃縮し油状物質180gを
得た。得られた油状物質のメタノール溶液にKOHを加
え、80℃下30分灌流しながら加水分解を行った。分
解物を2倍容のn−ヘキサンで2回抽出後、水層を塩酸
でpHを約3とした後、2倍量のn−ヘキサンで2回抽
出した。得られた抽出液を無水硫酸ソーダで脱水後、減
圧下濃縮し、油状物質(150g)としてザクロ種子油
を得た。
【0032】<種子油由来脂肪酸の調製>得られた油状
物質1gをヘキサンに溶解後、ワコーゲルC−200
(和光純薬工業株式会社製)を用いたシリカゲルカラム
クロマトグラフィーに供した。カラムベッドの2倍容の
n−ヘキサンで洗浄後、20%ジエチルエーテル含有n-
ヘキサンで溶出し、精製脂肪酸画分を得た。得られた脂
肪酸画分を減圧下溶媒を溜去し、ザクロ種子油由来脂肪
酸0.88gを得た。得られた脂肪酸を硫酸−メタノー
ル溶液(2:230、容量比)、ジメチルスルフォキシ
ド存在下で脂肪酸メチルエステルとした後、ガスクロマ
トグラフィーにより下記の条件で分析した。
【0033】 システム :HP社製5890シリーズII カラム :SPELUCO SP−2380、100mm
×0.25mmID カラム温度:185℃ インジェクション温度:200℃ 検出器温度:210℃ 分析の結果、ザクロ種子由来脂肪酸組成は、パルミチン
酸2.9%、ステアリン酸2.1%、オレイン酸3.9
%、リノール酸4.2%、プニカ酸71.6%、その他
の共役酸5.9%であった。
【0034】(実施例2)実施例1の<種子油由来脂肪
酸の調製>と同様の方法で、市販キリ油を処理し、キリ
油由来脂肪酸を調製した。脂肪酸組成を分析した結果、
パルミチン酸2.5%、ステアリン酸2.6%、オレイ
ン酸5.9%、リノール酸6.5%、リノレン酸0.9
%、カタルピン酸1.8%、α−エレオステアリン酸7
0.4%、β−エレオステアリン酸6.2%であった。
【0035】(実施例3)実施例1で得られたザクロ種
子油由来脂肪酸のヘキサン溶液に1/2容の水を加え、
攪拌しながら10%苛性ソーダ水溶液をpH7.5にな
るまで添加した後静置し、水層を回収し、減圧下濃縮乾
固することにより、プニカ酸ナトリウム塩を得た。
【0036】(実施例4)実施例1で得たザクロ種子油
由来脂肪酸1gに、硫酸/エタノール溶液(2:23
0、容量比)200ml、ジメチルスルホキサイド20
0mlを加え、アルゴンガス置換後密封容器内で、80
℃、60分反応させた。反応生成物に水を加え、中性条
件下でジエチルエーテルにて抽出し、ジエチルエーテル
相回収し、水洗、無水硫酸ソーダによる乾燥後、減圧下
ドライアップ後、ヘキサンに溶解後、予めn-ヘキサンで
調製したワコーゲルC200(和光純薬工業株式会社
製)を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供
し、n-ヘキサンで溶出し、プニカ酸エチルエステルを含
む画分を分取し、減圧下溶媒を溜去し、プニカ酸エチル
エステルを得た。 (実施例5〜7、比較例1) 摂取エネルギーの効率向
上作用の評価 (実施例5)6週令の雌性ICR系CD−1マウス(チ
ャールズリバー株式会社製)を8匹/群に分け、脂肪を
除去したマウス・ラット用標準配合飼料(成長期用AI
N−93G、オリエンタル酵母株式会社製)に実施例1
で調製したザクロ種子油由来脂肪酸0.75(プニカ酸
として0.5%)とダイズ油8.25%を添加した飼料
(ザクロ種子油由来脂肪酸飼料)用い、4週間飼育し
た。飼育期間中摂餌量を記録した。4週間後、体重を測
定し、試験期間中の体重増加量(g)/総飼料摂取量
(g)比を求めた。
【0037】(比較例1)ザクロ種子油由来脂肪酸0.
75(プニカ酸として0.5%)とダイズ油8.25%
を添加する替わりにダイズ油9%を添加した飼料(ダイ
ズ油飼料)を用いて、実施例5と同様の方法で試験期間
中の体重増加量(g)/総飼料摂取量(g)比を求め
た。
【0038】結果を表1に示す。ザクロ種子油由来脂肪
酸飼料で飼育した群(実施例5)ではダイズ油飼料で飼
育した群(比較例1)に比較し、約1.4倍の体重増量
/飼料摂取量比を示し、ザクロ種子油由来脂肪酸の摂取
エネルギーの効率向上作用が確認された。
【0039】
【表1】 (実施例6)ザクロ種子油由来脂肪酸0.75(プニカ
酸として0.5%)とダイズ油8.25%を添加する替
わりに実施例3で調製したプニカ酸ナトリウム塩0.7
5%とダイズ油8.25%を添加した飼料(プニカ酸ナ
トリウム塩飼料)を用いて、実施例5と同様の方法で試
験期間中の体重増加量(g)/総飼料摂取量(g)比を
求めた。
【0040】(実施例7)ザクロ種子油由来脂肪酸0.
75(プニカ酸として0.5%)とダイズ油8.25%
を添加する替わりに実施例4で調製したプニカ酸エチル
エステル0.75%とダイズ油8.25%を添加した飼
料(プニカ酸エチルエステル飼料)を用いて、実施例5
と同様の方法で試験期間中の体重増加量(g)/総飼料
摂取量(g)比を求めた。
【0041】結果を表2に示す。
【0042】
【表2】 プニカ酸ナトリウム塩飼料、プニカ酸エチルエステル飼
料で飼育した群ではダイズ油飼料で飼育した群に比較
し、それぞれ約1.4倍、1.2倍の体重増量/飼料摂
取量比を示し、プニカ酸ナトリウム、プニカ酸エチルエ
ステルの摂取エネルギー効率の向上作用が確認された。 (実施例8,比較例2) 脂肪蓄積亢進効果の検討 (実施例8)実施例5と同様にしてマウスを飼育し、4
週間後、エーテル麻酔下解剖し、脂肪組織の代表として
腎臓周囲脂肪組織、卵巣周囲脂肪組織の重量を測定し、
両組織の重量の和を体重で除した値を対体重脂肪組織重
量比として評価した。
【0043】(比較例2)実施例8と同様にしてマウス
を飼育し、4週間後、エーテル麻酔下解剖し、脂肪組織
の代表として腎臓周囲脂肪組織、卵巣周囲脂肪組織の重
量を測定し、両組織の重量の和を体重で除した値を対体
重脂肪組織重量比として評価した。試験期間中の両群間
の摂餌量には有意な変化を認めなかった。対体重脂肪組
織重量比を表3に示す。
【0044】
【表3】 ザクロ種子由来脂肪酸飼料で飼育したマウスの対体重脂
肪組織重量比は明らかな増加が認められ、脂肪蓄積亢進
効果が認められた。 (実施例9〜10,比較例3) 脂肪低減抑制効果の検
討 (実施例9)10週令の雌性C57BL/6Jマウス
(日本クレア株式会社製)を、ラード30%を含む高脂
肪精製飼料(オリエンタル酵母株式会社製)で3週間飼
育することにより肥満にした後、8匹/群に分け、実施
例1で調製したプニカ酸を主成分とするザクロ種子油由
来脂肪酸0.75%(プニカ酸として0.5%)とダイ
ズ油8.25%を添加した飼料(ザクロ種子油由来脂肪
酸飼料)にて更に3週間飼育した後、解剖し、脂肪組織
の代表として腎臓周囲脂肪組織、卵巣周囲脂肪組織の重
量を測定し、両組織の重量の和を体重で除し対体重脂肪
組織重量比を求めた。
【0045】(実施例10)実施例9で用いたプニカ酸
を主成分とするザクロ種子油由来脂肪酸0.75%(プ
ニカ酸として0.5%)とダイズ油8.25%を添加し
た飼料(ザクロ種子油由来脂肪酸飼料)を実施例2で調
製したα−エレオステアリン酸を主成分とするキリ油由
来脂肪酸0.75%(α−エレオステアリン酸として
0.5%)とダイズ油8.25%を添加した飼料(キリ
油由来脂肪酸飼料)に替えて、後は実施例9と同様にマ
ウスを飼育し、対体重脂肪組織重量比を求めた。
【0046】(比較例3)実施例9で用いたプニカ酸を
主成分とするザクロ種子油由来脂肪酸0.75%(プニ
カ酸として0.5%)とダイズ油8.25%を添加した
飼料(ザクロ種子油由来脂肪酸飼料)をダイズ油9.0
%を添加した飼料(大豆油飼料)に替えて、後は実施例
9と同様にマウスを飼育し、対体重脂肪組織重量比を求
めた。試験期間中の両群間の摂餌量には有意な変化を認
めなかった。
【0047】各飼料で飼育したマウスの対体重脂肪組織
重量比を表4に示す。
【0048】
【表4】 ザクロ種子油由来脂肪酸飼料で飼育したマウスの対体重
脂肪組織重量比はダイズ油飼料で飼育したマウスのそれ
と比較すると、有意に大きく、飼料を高脂肪・高糖質飼
料から標準飼料に変換した事による脂肪減少効果はザク
ロ種子油由来脂肪酸飼料で明らかに抑制されていた。キ
リ油由来脂肪酸飼料で飼育したマウスでは、有意ではな
いが脂肪減少の抑制傾向が認められた。
【0049】(実施例11) ザクロ種子油由来脂肪酸
の安全性 実施例5と同様の条件下で、ダイズ油飼料とザクロ種子
油由来脂肪酸飼料で、1地8匹の6週令の雌性ICR系
CD−1マウス(チャールズリバー株式会社製)を4週
間飼育し、一般状態、及び4週間後の主要組織重量測定
及び肉眼的観察を行った。その結果、脂肪組織重量の増
加以外は各群間で差異を認めず、特段の毒性所見を認め
なかった。
【0050】(実施例12) ザクロ種子油由来脂肪酸
含有食パンの製造 製パン原料(強力小麦粉100重量部、イースト3重量
部、粉乳3重量部、砂糖5重量部、水70重量部、塩2
重量部、マーガリン7重量部)の混捏時に、小麦粉10
0重量部に対して実施例1で得られたプニカ酸を主成分
とするザクロ種子油由来脂肪酸1部を添加して、捏上げ
て発酵させてパン生地を作り、このパン生地を25℃で
フロアータイム60分をとり、分割した後、室温でベン
チタイム30分をとし、次いで、パン型に入れ、温度3
8℃、湿度90%の条件下に60分保持した後、オーブ
ンで焼成して(190℃で45分)、食パンを製造する
ことが出来た。
【0051】(実施例13) 経口用カプセル剤の調製 実施例1で得られたザクロ種子油、実施例1と同様の方
法で得られたニガウリ種子油、キンセンカ種子油、ホウ
センカ種子油或いは市販桐油を40mg、乳糖200m
g、デンプン70mg、ポリビニルピロリドン5,結晶
セルロース35mgを混合後、#3ゼラチンカプセルに
充填し、表面をゼラチンコーテイングし経口用カプセル
を調製した。
【0052】(実施例14) 共役不飽和脂肪酸或いは
共役不飽和脂肪酸トリグリセリド含有ペットフードの調
製 チキンすり身80部、赤身牛肉挽肉10部、大豆蛋白1
0部、実施例1で調製したザクロ種子油、実施例1と同
様の方法で得られたニガウリ種子油、キンセンカ種子
油、ホウセンカ種子油、ザクロ種子油由来脂肪酸、桐油
由来脂肪酸、キンセンカ種子油由来脂肪酸、或いはホウ
センカ種子油由来脂肪酸を3部、化学調味料1部、トコ
フェロール1部、その他カルシウムを少々、ビタミン類
少々、デンプン少々、ソルビトールを少々をフードカッ
ターで練り合わせ、羊腸に充填し、90〜95℃で加熱
調理後、50℃で通風乾燥してドライソセージタイプの
ペットフードを得る事が出来た。
【0053】
【発明の効果】本発明の方法は、動物において摂取エネ
ルギーの効率を向上し、脂肪蓄積を亢進し、あるいは脂
肪低減を抑制する効果を発揮する。従って、本法方を用
いてなる飲食品、医薬品はエネルギーを充分摂取出来な
い老年者や病人や消耗性疾患患者の健康維持増進、体力
増強、滋養強壮に有効である。また、家畜や愛玩動物の
飼料効率を改善するために用添加物として利用すること
が出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/201 A61K 31/202 4C206 31/202 35/78 C 4H059 35/78 A61P 3/00 A61P 3/00 C11B 1/10 C11B 1/10 C11C 1/04 C11C 1/04 1/08 1/08 A21D 2/16 // A21D 2/16 13/00 13/00 A23L 2/00 F Fターム(参考) 2B150 AA01 AA06 AB01 AB03 DA37 DD31 DD42 DD57 4B017 LC03 LG01 LK09 4B018 LB01 LB08 MD10 MD15 ME02 MF01 4B032 DB01 DK09 DL20 4C088 AB12 AC04 BA08 MA07 NA14 ZC21 ZC61 4C206 AA01 DA04 DA05 MA04 NA14 ZC21 ZC61 4H059 BA26 BA33 BB05 BB06 BC03 BC13 CA02 CA12 CA38 CA39 EA21

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数10〜24、不飽和度2〜6の不
    飽和脂肪酸、その塩、その誘導体の薬学的・食品学的有
    効量を摂取する事を特徴とする摂取エネルギーの効率を
    向上させる方法
  2. 【請求項2】 請求項1記載の不飽和脂肪酸、その塩、
    その誘導体の薬学的・食品学的有効量を摂取する事を特
    徴とする脂肪蓄積亢進、及び/又は、脂肪減少を抑制す
    る方法
  3. 【請求項3】 不飽和脂肪酸が共役トリエン構造を有す
    ることを特徴とする請求項1,2記載の方法
  4. 【請求項4】 不飽和脂肪酸がプニカ酸であることを特
    徴とする請求項3記載の方法
  5. 【請求項5】 不飽和脂肪酸が、植物種子抽出物、或い
    はその加工物として調製されたものであることを特徴と
    する請求項1〜2記載の方法
  6. 【請求項6】 植物種子抽出物がザクロ種子抽出物であ
    ることを特徴とする請求項5記載の方法
  7. 【請求項7】 請求項1〜6記載の方法を用いてなる飲
    食品
  8. 【請求項8】 請求項1〜6記載の方法を用いてなる医
    薬品
  9. 【請求項9】 請求項1〜6記載の方法を用いてなる飼
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