JP2001284253A - 半導体装置の作製方法 - Google Patents

半導体装置の作製方法

Info

Publication number
JP2001284253A
JP2001284253A JP2000097397A JP2000097397A JP2001284253A JP 2001284253 A JP2001284253 A JP 2001284253A JP 2000097397 A JP2000097397 A JP 2000097397A JP 2000097397 A JP2000097397 A JP 2000097397A JP 2001284253 A JP2001284253 A JP 2001284253A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
laser
silicon film
semiconductor device
region
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000097397A
Other languages
English (en)
Inventor
Masao Moriguchi
正生 守口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2000097397A priority Critical patent/JP2001284253A/ja
Publication of JP2001284253A publication Critical patent/JP2001284253A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Thin Film Transistor (AREA)
  • Recrystallisation Techniques (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アモルファスシリコン膜の結晶化を助長する
金属元素を利用した半導体装置の特性を向上し、安価で
安定に半導体装置を作製する方法を提供する。 【解決手段】 ガラス基板101およびベースコート膜
102上に形成されたアモルファスシリコン膜103を
レーザ照射することにより結晶化して得られる結晶性シ
リコン膜を利用する半導体装置で、レーザ照射は活性化
領域に対応してレーザ光を通過させるようにパターニン
グされたマスクを介して行われる。レーザ光が照射され
た領域は結晶性シリコン膜103aとなり、照射されな
い領域はアモルファスシリコン膜103bのままの状態
にある。続いて、熱酸化処理を加えることでアモルファ
スシリコン膜領域103bを熱酸化して除去すること
で、活性化領域103aのパターニングを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置の作製
方法に関し、より詳しくは、アモルファスシリコン膜を
結晶化した結晶化シリコン膜を活性領域とする半導体装
置の作製方法に関する。特に本発明は、絶縁表面を有す
る基板上に設けられた薄膜トランジスタ(TFT)を用
いた半導体装置に有効であり、アクティブマトリクス型
液晶表示装置、密着型イメージセンサ、三次元ICなど
に利用できる。
【0002】
【従来の技術】近年、大型で高解像度の液晶表示装置、
高速で高解像度の密着型イメージセンサ、三次元ICな
どへの実現に向けて、ガラス等の絶縁基板上に高性能な
半導体素子を形成することが試みられている。これらの
装置に用いられる半導体素子には、薄膜状のシリコン半
導体を用いるのが一般的である。薄膜状のシリコン半導
体としては、アモルファスシリコン半導体(a−Si)
からなるものと、結晶性を有するシリコン膜からなるも
のの2つに大別される。
【0003】アモルファスシリコン半導体は作製温度が
低く、気相法で比較的容易に作製することが可能で量産
性に富むため最も一般的に用いられているが、導電性等
の物性が結晶性を有するシリコン半導体に比べて劣るた
め、今後より一層の高速特性を得るためには、結晶性を
有するシリコン半導体からなる半導体装置の作製方法の
確立が強く求められていた。なお、結晶性を有するシリ
コン半導体としては、多結晶シリコン、微結晶シリコン
等が知られている。
【0004】これら結晶性を有する薄膜状のシリコン半
導体を得る方法として、 (1)成膜時に結晶性を有する膜を直接成膜する。 (2)アモルファスな半導体膜を成膜しておき、熱エネ
ルギーを加えることにより結晶性を持たせる。 (3)アモルファスな半導体膜を成膜しており、強光を
照射して、そのエネルギーにより結晶性を持たせる。と
いった方法が知られている。
【0005】しかしながら、上記(1)の方法では、成
膜工程と同時に結晶化が進行するので、大粒径の結晶性
シリコンを得るには厚膜化が不可欠であり、良好な半導
体物性を有する膜を基板上に全面にわたって成膜するこ
とが技術的に困難である。上記(2)の方法は、結晶化
には600℃以上の高温で数十時間にわたる加熱処理が
必要である。すなわち、安価なガラス基板の使用とスル
ープットの向上には、加熱温度を下げ、さらに短時間で
結晶化させるという相反する問題を同時に解決しなけれ
ばならない。上記(3)の方法では、溶融固化過程の結
晶化現象を利用するため、小粒径ながら粒界が良好に処
理され、高品質な結晶性シリコンが得られ、またレーザ
で照射した場合に高温になるのはシリコン層のみで基板
は高温にはならないので安価なガラス基板を使用でき、
現在最も一般的に利用されている。
【0006】上記(3)の方法にて得られた結晶性シリ
コン膜は、一般に、フォトリソグラフィ法により半導体
装置の活性領域(すなわち素子領域)のパターニングが
なされ、ドライエッチング法によりエッチングされる。
さらに、プラズマCVD法により絶縁膜を成膜し、この
絶縁膜上にゲート電極を形成してMOS型TFTが作製
される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、レーザ照射
を用いて結晶化を行った結晶性シリコン膜を用いてTF
Tを作製する場合の以下に述べる問題点を解決してTF
T特性改善および特性安定を図り、さらに作製プロセス
を短縮するものである。
【0008】TFT特性を向上し安定化させるには、シ
リコン膜と絶縁膜の界面が清浄で欠陥が少ないことが不
可欠であるが、従来のフォトリソグラフィ法を用いて半
導体装置の活性層のパターニングをする際にはフォトレ
ジストをシリコン表面に塗布する必要があり、これによ
りシリコン表面にカーボン等の有機物汚染が生じてしま
う。さらに、エッチングは微細加工が要求される場合に
はドライエッチング法で行われるが、この際にシリコン
表面にプラズマダメージや装置の金属汚染等が生じてし
まう。また、この後に絶縁膜をプラズマCVD法により
成膜した場合、さらにシリコン表面にプラズマダメージ
が生じてしまう。さらにまた、レーザ照射により得られ
た結晶性シリコン膜中には、結晶粒界に多数の欠陥が存
在し、また結晶粒内にも欠陥が存在する。この欠陥はト
ラップとして働くため、TFTの特性を低下させる原因
となる。
【0009】このように従来のレーザ照射により結晶化
した結晶性シリコン膜を用いてTFTを作製する際に
は、シリコン表面の有機物汚染、金属汚染およびプラズ
マダメージが避けられず、これがTFT特性の悪化およ
び不安定化の原因となる。また、フォトリソグラフィ法
で活性領域を作製する場合、フォトレジスト塗布、露
光、現像、エッチング、フォトレジスト剥離というプロ
セスが必要で、工程数が非常に多いという問題点があ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、レー
ザ照射によりアモルファスシリコン膜を結晶化したとき
に生じる上述した大きな問題点を解決するためになされ
たものであり、絶縁表面を有する基板上に、非常に高性
能で高信頼性を有する半導体装置を歩留まりよく作製す
る作製方法を提供するものである。
【0011】本発明は、以下の特徴を有する。 (1)基板上に形成されたアモルファスシリコン膜をレ
ーザ照射することにより結晶化して得られる結晶性シリ
コン膜を利用する半導体装置の作製方法において、前記
レーザ照射はパターニングされたマスクを介して行わ
れ、前記レーザ照射後に熱酸化処理を行うことを特徴と
する。 (2)前記マスクは半導体装置の活性領域すなわち素子
領域に応じてパターニングされていることを特徴とす
る。 (3)前記パターニングされたマスクを介してレーザ照
射が行われた領域を半導体装置の活性領域とすることを
特徴とする。 (4)前記熱酸化工程は水蒸気雰囲気にて行われること
を特徴とする。 (5)前記熱酸化工程は高圧酸化処理にて行われること
を特徴とする。 (6)前記高圧酸化処理時の圧力は5〜30気圧の範囲
内であることを特徴とする。 (7)前記高圧酸化処理時の圧力は、特に20気圧であ
ることを特徴とする。 (8)前記酸化処理は、前記パターニングされたマスク
によりレーザ照射されていない領域のシリコン膜が全て
酸化されるまで行うことを特徴とする。 (9)前記レーザ照射工程はエキシマレーザにより行う
ことを特徴とする。 (10)前記エキシマレーザの中でも特にArFレー
ザ、KrFレーザ、XeClレーザを用いて行うことを
特徴とする。
【0012】具体的には、基板上に形成されたアモルフ
ァスシリコン膜を、パターニングされたマスクを介して
レーザ照射して結晶化する。このとき、マスクによりレ
ーザ光が通過した部分は結晶化が起こり、レーザ光が通
過しない部分はアモルファスシリコンのままである。こ
の状態で熱酸化処理を行うと、結晶性シリコン膜に比べ
てアモルファスシリコン膜の酸化速度が速いため、アモ
ルファスシリコン膜の領域が結晶性シリコン膜よりも先
にシリコン膜が消失する。
【0013】レーザ照射時に用いるパターニングされた
マスクのパターンを半導体装置の活性領域(すなわち素
子領域)のパターンとすると、レーザ結晶化後には活性
領域は結晶化され、その他の部分はアモルファスシリコ
ン膜のままとなる。この状態で、アモルファスシリコン
膜が消失するまで熱酸化処理を行うことで、活性領域の
パターニングを行うことができる。
【0014】このように本発明の半導体装置の作製方法
では、レーザ結晶化後にシリコン表面へのフォトレジス
ト塗布工程やドライエッチング工程を行う必要がなく、
有機物汚染、金属汚染およびプラズマダメージを一切生
じることなく活性層のパターニングを行うことができ、
工程を短縮することもできる。また、熱酸化膜をそのま
ま絶縁膜に用いることで、新たにプラズマCVD法等で
成膜する必要がなく、これによってもプラズマダメージ
を生じることがない。
【0015】前記パターニングされたマスクはレーザ照
射時に非常に高温になるため、液体窒素を用いた冷却機
構を設けることにより、その耐久性を高くすることがで
きる。
【0016】酸化を行う場合、温度が高いほど酸化時間
は少なくて済むが、安価なガラス基板を用いる場合、6
50℃以上には高温にすることができない。通常の酸素
のみの酸化(ドライO2酸化)では、650℃では酸化
反応がほとんど起きない。そこで、酸化雰囲気を水蒸気
とすることで650℃以下の温度でも酸化処理を行うこ
とができる。
【0017】さらに、酸化速度は酸化雰囲気の圧力が高
いほど速くなるため、酸化時の圧力を5〜30気圧の高
圧雰囲気とすることで、650℃以下の低温でもより短
時間で酸化処理を行うことができる。この圧力範囲内で
も特に20気圧の高圧雰囲気で行うことで、制御性と酸
化速度を両立した処理を行うことができる。特に高圧酸
化では常圧に比べて酸化速度はシリコン膜の結晶状態に
より大きく依存するするため、結晶性シリコン膜とアモ
ルファスシリコン膜の酸化の選択比が高くなる。
【0018】ここで、シリコンを熱酸化する際、化学量
論的に過剰シリコンが発生する。この過剰シリコンは、
結晶性シリコンの粒界および粒内にある結晶欠陥を埋め
る働きがあり、熱酸化工程により結晶性は著しく向上す
る。特に高圧雰囲気では化学反応が非常に活性化される
ためこの効果が大きく期待できる。これにより、キャリ
アのトラップ数は著しく減少し、TFT特性を向上する
ことができる。
【0019】パターニングされたマスクを介してレーザ
照射する場合に、より微細なパターンを実現するにはそ
の解像度はレーザの波長で決まるため、レーザ光の波長
は短い方が有利であり、その点でエキシマレーザは波長
の短い紫外光を発生することができる。エキシマレーザ
の中でもArFレーザは193nmと短波長であり、微
細なパターンには非常に有利である。この他にも、Xe
Clレーザ(波長308nm)やKrFレーザ(波長2
48nm)を使用してもよい。一方、レーザ光は高波長
の方がパワーを高くでき、またレンズ等の光学系のダメ
ージも少ない。解像度と装置の性能を両立するには、前
述のArFレーザ、XeClレーザおよびKrFレーザ
のいずれかが最も好ましいと考えられる。アモルファス
シリコンは紫外光に強い吸収性があり、紫外光を用いる
ことでアモルファスシリコンのみを加熱することができ
るため効率が良く、基板も低温で処理することができ
る。
【0020】
【作用】本発明の主旨は、ガラスなどの絶縁基板上にT
FTをレーザ照射により結晶化されたシリコン膜で作製
するものである。これは、アモルファスシリコン膜にマ
スクを介してレーザ照射を行い、所定の領域のみを結晶
化し、結晶化されていない領域を熱酸化工程により選択
的にエッチングするものである。これにより、TFT作
製プロセス上で最も重要であるシリコンと絶縁膜の界面
を不純物や欠陥の少ないものにすることが可能になる。
また、作製工程数を削減することができる。さらに、熱
酸化時に同時に結晶性を向上させることができ、TFT
特性を高くすることができる。これらのことから、本発
明では、TFTを高性能で従来法より少ない工程数で安
定して作製することが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】まず、本発明にかかる第1の実施
形態では、ガラス基板上にN型TFTを作製する工程に
おいて本発明を利用した場合について説明する。本実施
形態のTFTは、アクティブマトリクス型のドライバ回
路や画素部分は勿論、薄膜集積回路を構成する素子とし
ても利用可能である。しかし、本実施形態では、それら
の代表として、基板上に数十万から数百万のN型TFT
を特に均一に作製する必要がある液晶表示装置用アクテ
ィブマトリクス基板上の画素用TFTを例にとって説明
する。
【0022】図1(A)〜(D)は、アクティブマトリ
クス基板上の画素TFT作製工程の概要を示す平面図で
ある。実際には数十万個以上のTFTで構成されるが、
ここでは3行×4列の12個のTFTに簡略化して説明
する。また、図2は、図1における任意の1個のTFT
の断面図であり、(A)〜(E)の順に作製工程が進行
する。
【0023】まず、図2(A)に示すように、ガラス基
板(コーニング1737を使用)101上にベースコー
ト膜として、プラズマCVD法によりシリコン酸化膜
(SiO2膜)102を例えば300nm(100〜4
00nmの範囲内が好ましい)の厚さに成膜し、さらに
その上に真性(I型)のアモルファスシリコン膜(a−
Si膜)103をプラズマCVD法により例えば75n
m(40〜90nmの範囲内が好ましい)の厚さに成膜
する。
【0024】そして、図2(B)に示すように、活性領
域に対応する孔105aがマトリクス状にパターニング
されたマスク105を介してレーザ光104を前記アモ
ルファスシリコン膜103に照射する。このとき、マス
ク105はレーザ照射により加熱されるので液体窒素で
冷却する。マスク105の孔105aを通過したレーザ
光104はアモルファスシリコン膜103に照射され、
その照射部が結晶化しすることにより図1(A)に示す
ように島状の結晶性シリコン膜103aが形成される。
一方、マスク105によりレーザ照射を受けていない領
域103bはアモルファスシリコン膜の状態のままであ
る。ここで、レーザ光には、ArFエキシマレーザ(波
長193nm、パルス幅20nsec)を用いた。レー
ザ光の照射条件としては、照射時に基板101を例えば
400℃(200〜450℃の範囲内が好ましい)に加
熱した状態で照射した。また、ビームサイズはマスク1
05上で150mm×1mmの長尺形状に成型されてお
り、長尺方向に対して垂直方向に0.1mmのステップ
幅で順次走査を行った。
【0025】次に、高圧水蒸気酸化により、レーザ非照
射領域のアモルファスシリコン膜103bを除去して活
性領域のパターニングを行う。高圧水蒸気酸化の条件と
しては、酸化温度を600℃、炉内圧力を20気圧とし
て4時間の処理を行った。この条件での酸化速度は、結
晶性シリコン膜103aでは約0.35μm/min
で、アモルファスシリコン膜103bでは約1.2μm
/minである。この処理により、アモルファスシリコ
ン膜103bの領域は完全に熱酸化されて熱酸化膜であ
るシリコン酸化膜(SiO2膜)106となり、結晶性
シリコン膜103aの領域は熱酸化が途中で終了してい
るので、結晶性シリコン膜103a上には熱酸化膜であ
るシリコン酸化膜106が他の領域103bよりもやや
薄い膜厚85nmで形成される。この状態が図1(B)
および図2(C)に示される。
【0026】続いて、スパッタリング法によって、例え
ば600nm(400〜800nmの範囲内が好まし
い)の厚さのアルミニウム膜を成膜し、これをパターニ
ングしてゲイト電極107を形成する。さらにアルミニ
ウム電極107を陽極酸化して表面に酸化物層108を
形成する。この状態が図2(D)に示される。ゲイト電
極107は、平面的にはゲイトバスラインを同時構成し
ており、この状態を平面的に見ると図1(C)に示す状
態になっている。陽極酸化は、酒石酸が1〜5%含まれ
たエチレングリコール溶液中で行い、最初一定電流で2
20Vまで電圧を上げ、この状態で1時間保持して終了
させる。得られた酸化物層108の厚さは200nmで
あり、これは後のイオンドーピング工程においてオフセ
ットゲート領域を形成する厚さとなるので、オフセット
領域の長さをこの陽極酸化工程で決めることができる。
【0027】その後、図2(D)に示すように、イオン
ドーピング法により、ゲイト電極107とその周りの酸
化物層108をマスクとして不純物(リン)109を注
入する。ドーピングガスとしてホスフィン(PH3)を
用い、加速電圧を例えば80kV(60〜90kVの範
囲内が好ましい)、ドーズ量を例えば2×1015cm -2
(1×1015〜8×1015cm-2の範囲内が好ましい)
として行う。この工程で、結晶性シリコン膜103aの
うち、不純物が注入された領域111,112が、後に
TFTのソース領域およびドレイン領域となり、ゲイト
電極107とその周りの酸化物層108でマスクされる
ことで不純物が注入されていない領域110が、後にT
FTチャネル領域となる。
【0028】次に、レーザ光照射によるアニールでイオ
ン注入した不純物の活性化を行うと同時に、不純物導入
により結晶性が劣化した領域の結晶性改善を行う。この
際、レーザとしてXeClエキシマレーザ(波長308
nm、パルス幅40nsec)を用い、例えば250m
J/cm2(150〜400mJ/cm2の範囲内が好ま
しい)のエネルギー密度で照射した。ここで、N型不純
物(リン)領域111,112のシート抵抗は、200
〜800Ω/cm2であった。
【0029】続いて、厚さ600nm程度の酸化シリコ
ン膜または窒化シリコン膜をプラズマCVD法で成膜し
て層間絶縁膜113を形成する。そして、層間絶縁膜1
13にコンタクトホールを形成して、金属材料、例えば
窒化チタンとアルミニウムの二層膜によって前記コンタ
クトホールを介してソース領域111およびドレイン領
域112にそれぞれ電気的に接続するTFTソース電極
配線114およびドレイン電極配線116を形成する。
本実施形態におけるTFTは画素電極をスイッチングす
る素子であるので、ドレイン電極配線116には透明電
極であるITOなどの画素電極115を設ける。最後
に、1気圧の水素雰囲気で350℃、30分のアニール
を行い、図1(D)および図2(E)に示すTFT11
7が完成する。なお、TFT117を保護するため、T
FT117上に窒化シリコン膜などからなる保護膜を必
要に応じて形成してもよい。
【0030】次に、本発明にかかる第2実施形態につい
て説明する。本実施形態では、アクティブマトリクス型
の液晶周辺回路や、一般の薄膜集積回路を形成するN型
TFTとP型TFTを相補的に構成したCMOS構造の
回路をガラス基板上の作製する工程について説明する。
【0031】図3は、本実施形態で説明するTFT作製
工程の概要を示す平面図である。図4,5は、図3のA
−A線断面図であり、(A)〜(G)の順で工程が進行
する。
【0032】まず、図4(A)に示すように、ガラス基
板(コーニング1737を使用)201上にベースコー
ト膜として、プラズマCVD法によりシリコン酸化膜
(SiO2)202を例えば300nm(100〜40
0nmの範囲内が好ましい)の厚さに成膜し、さらにそ
の上にプラズマCVD法により真性(I型)のアモルフ
ァスシリコン膜(a−Si膜)203を例えば55nm
(40〜90nmの範囲内が好ましい)の厚さに成膜す
る。
【0033】続いて、図4(B)に示すように、活性領
域に対応する孔205aがパターニングされたマスク2
05を介してレーザ光204を照射することで、活性領
域となる島状結晶性シリコン膜203aの結晶化を行
う。マスクはレーザ照射時に加熱されるため液体窒素で
冷却する。マスクによりレーザ照射を受けていない領域
203bはアモルファスシリコン膜のままの状態にあ
る。このときレーザ光としては、XeClエキシマレー
ザ(波長308nm、パルス幅40nsec)を用い
た。レーザ光の照射条件は、照射時に基板201を例え
ば400℃(200〜450℃の範囲内が好ましい)に
加熱し、例えば360mJ/cm2(250〜450m
J/cm2の範囲内が好ましい)のエネルギー密度で照
射した。ビームサイズは、マスク205上で150mm
×1mmの長尺形状になるように成型されており、長尺
方向に対して垂直方向に0.1mmのステップ幅で順次
走査を行った。すなわち、島状結晶性シリコン膜203
の任意の一点において、計10回の照射が行われること
になる。
【0034】その後、高圧水蒸気酸化により、アモルフ
ァスシリコン膜203bを除去して活性領域のパターニ
ングを行う。高圧水蒸気酸化の条件としては、酸化温度
を600℃、炉内圧力を20気圧として2.5時間で処
理を行った。この処理により、図4(C)に示すよう
に、アモルファスシリコン膜203bの領域は完全に酸
化されて熱酸化膜であるシリコン酸化膜206となり、
結晶性シリコン膜203aの領域は熱酸化が途中で終了
しているので、結晶性シリコン膜203a上には熱酸化
膜であるシリコン酸化膜(SiO2膜)206が他の領
域203bよりもやや薄い膜厚50nmで形成される。
この後、シリコン酸化膜206をバッファードフッ酸で
除去してから、減圧CVDにより新たにシリコン酸化膜
を成膜して図4(D)に示すようにゲイト絶縁膜207
を形成する。結晶性シリコン膜203aとゲイト絶縁膜
207の界面特性を改善するため、600℃で2時間の
窒素雰囲気アニール処理を行った。
【0035】そして、図5(E)に示すように、スパッ
タリング法によって例えば600nm(400〜800
nmの範囲内が好ましい)の厚さのアルミニウム膜を成
膜し、これをパターニングしてゲイト電極208を形成
する。さらに、ゲイト電極208を陽極酸化して表面に
酸化物層209を形成する。ゲイト電極208は、平面
的にはゲイトバスラインを同時構成しており、これを平
面的に見ると図1(C)のゲートバスライン107と同
じ状態になっている。陽極酸化は、酒石酸が1〜5%含
まれたエチレングリコール溶液中で行い、最初一定電流
で220Vまで電圧を上げ、その状態で1時間保持して
終了させる。これにより得られた酸化物層209の厚さ
は200nmであり、これは後のイオンドーピング工程
において、オフセットゲート領域を形成する厚さとなる
ので、オフセット領域の長さをこの陽極酸化工程で決め
ることができる。
【0036】次に、図5(E),(F)に示すように、
イオンドーピング法により結晶性シリコン膜203a
に、ゲイト電極208をマスクとして不純物であるリン
210およびホウ素211を注入する。ドーピングガス
としてホスフィン(PH3)およびジボラン(B26
を用い、ホスフィンドーピング時は加速電圧を例えば8
0kV(60〜90kVの範囲内が好ましい)で、ドー
ズ量を例えば2×1015cm-2(1×1015〜8×10
15cm-2の範囲内が好ましい)とし、ジボランドーピン
グ時は加速電圧を例えば65kV(40〜80kVの範
囲内が好ましい)で、ドーズ量を例えば5×1015cm
-2(1×1015〜8×1015cm-2の範囲内が好まし
い)として行った。ドーピングに際しては、ドーピング
が不要な領域をフォトレジスト212,213でそれぞ
れ覆うことにより、それぞれの元素を選択的にドーピン
グする。この工程で、結晶性シリコン膜203aのう
ち、不純物としてリンが注入された領域は、後にTFT
のソース領域215nおよびドレイン領域216nとな
り、不純物としてホウ素が注入された領域は、後にTF
Tのソース領域215pおよびドレイン領域216pと
なり、ゲイト電極208でマスクされて不純物注入され
ていない領域は、後にTFTチャネル領域214とな
る。
【0037】その後、レーザ光照射によりアニールで、
イオン注入した不純物の活性化を行うと同時に、不純物
導入により結晶性が劣化した領域の結晶性改善を行う。
この際、レーザとしてXeClエキシマレーザ(波長3
08nm、パルス幅40nsec)を用い、例えば25
0mJ/cm2(150〜400mJ/cm2の範囲内が
好ましい)のエネルギー密度で照射した。この処理は、
RTA法(Rapid Thermal Anneal)で行ってもよい。
【0038】続いて、図5(G)に示すように、厚さ6
00nm程度の酸化シリコン膜または窒化シリコン膜を
プラズマCVD法で成膜して層間絶縁膜217を形成す
る。そして、この層間絶縁膜217にコンタクトホール
を形成して、金属材料、例えば窒化チタンとアルミニウ
ムの二層膜によってTFTの電極・配線218,21
9,220を形成する。最後に、1気圧の水素雰囲気で
350℃、30分のアニールを行うことにより、Nチャ
ネル型TFT221とPチャネル型TFT222が完成
する。TFT221,222を保護するために、TFT
221,222上に窒化シリコン膜などからなる保護膜
を必要に応じて形成してもよい。
【0039】以上、本発明に基づく2つの実施形態につ
いて説明したが、本発明は上述した実施形態に限定され
るものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変
形が可能である。例えば、上記各実施形態では高圧水蒸
気酸化によるアモルファスシリコン部と結晶性シリコン
部の選択的熱酸化を行ったが、常圧の水蒸気酸化やドラ
イO2酸化でもよい。また、上記各実施形態では熱酸化
膜や減圧CVD膜をゲイト絶縁膜として用いたが、プラ
ズマCVD膜でもよい。さらに、プラズマCVD膜もし
くは減圧CVD膜を成膜した後、熱酸化を行いCVD膜
と熱酸化膜の2層膜を絶縁膜としてもよい。
【0040】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、特性が高く安定した高性能半導体素子が実現で
き、さらに集積度の高い高性能半導体装置が、簡便な製
造プロセスにて得られる。また、その製造工程において
工程数を減らすことができるのでスループットと良品率
を大きく向上でき、商品の低コスト化が図れる。特に液
晶表示装置においては、アクティブマトリクス基板に要
求される高性能化、高集積化を同時に満足し、同一基板
上にアクティブマトリクス部と周辺駆動回路部を構成す
るドライバモノリシック型アクティブマトリクス基板を
実現でき、モジュールのコンパクト化、高性能化、低コ
スト化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態の概要を示す平面図。
【図2】 第1実施形態の作製工程を示す断面図。
【図3】 第2実施形態の概要を示す平面図。
【図4】 第2実施形態の作製工程を示す断面図。
【図5】 第2実施形態の作製工程を示す断面図、図4
の続き。
【符号の説明】
101,201 ガラス基板 102,202 ベースコート膜 103,203 アモルファスシリコン膜(レー
ザ照射前) 103a,203a 結晶性シリコン膜(レーザ照射
後) 103b,203b アモルファスシリコン膜(レー
ザ照射後) 104,204 レーザ光 105,205 マスク 106,206 熱酸化膜 207 シリコン酸化膜 107,208 ゲイト電極 108,209 酸化物層 109,210 不純物(リン) 211 不純物(ホウ素) 212 フォトレジスト 213 フォトレジスト 110,214 チャネル領域 111,215n,215p ソース領域 112,216n,216p ドレイン領域 113,217 層間絶縁膜 114 ソース電極 115 画素電極 116 ドレイン電極 117 画素TFT 218,219,220 電極・配線 221 Nチャネル型TFT 222 Pチャネル型TFT
フロントページの続き Fターム(参考) 5F052 AA02 BA12 DA02 DB03 FA25 HA03 JA01 JA04 5F110 AA16 BB02 BB04 BB10 BB11 CC02 DD02 DD13 EE03 EE34 EE44 FF02 FF23 GG02 GG13 GG25 GG35 GG45 HJ01 HJ12 HJ23 HL01 HL03 HL11 HM14 NN04 NN23 NN24 NN35 NN62 NN65 NN72 PP02 PP03 PP04 PP10 PP27 PP38 PP40 QQ01 QQ24

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成されたアモルファスシリコ
    ン膜をレーザ照射することにより結晶化して得られる結
    晶性シリコン膜を利用する半導体装置の作製方法におい
    て、 前記レーザ照射はパターニングされたマスクを介して行
    われ、前記レーザ照射後に熱酸化処理を行うことを特徴
    とする半導体装置の作製方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記マスクは、半導体装置の活性領域のみに対応してレ
    ーザ光が通過するようにパターニングされていることを
    特徴とする半導体装置の作製方法。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 前記パターニングされたマスクを介してレーザ照射が行
    われた領域を半導体装置の活性領域として用いることを
    特徴とする半導体装置の作製方法。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 前記熱酸化工程は水蒸気雰囲気にて行われることを特徴
    とする半導体装置の作製方法。
  5. 【請求項5】 請求項1または請求項4において、 前記熱酸化工程は高圧酸化処理にて行われることを特徴
    とする半導体装置の作製方法。
  6. 【請求項6】 請求項5において、 前記高圧酸化処理時の圧力は、5〜30気圧の範囲内で
    あることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  7. 【請求項7】 請求項6において、 前記高圧酸化処理時の圧力は、特に20気圧であること
    を特徴とする半導体装置の作製方法。
  8. 【請求項8】 請求項1において、 前記酸化処理は、前記パターニングされたマスクにより
    レーザ照射されていない領域のシリコン膜が全て酸化さ
    れるまで行うことを特徴とする半導体装置の作製方法。
  9. 【請求項9】 請求項1において、 前記レーザ照射工程はエキシマレーザにより行うことを
    特徴とする半導体装置の作製方法。
  10. 【請求項10】 請求項9において、 前記エキシマレーザの中でも特にArFレーザ、KrF
    レーザおよびXeClレーザのいずれかを用いて行うこ
    とを特徴とする半導体装置の作製方法。
  11. 【請求項11】 絶縁表面を有する基板上にアモルファ
    スシリコン膜を形成する工程と、 該アモルファスシリコン膜に半導体装置の活性領域のパ
    ターニングされたマスクを介してレーザ照射する工程
    と、 前記パターニングされたマスクによりレーザ照射されて
    いない領域のシリコン膜が全て酸化するまで熱酸化する
    工程と、 完全に酸化されずに残っているレーザ照射領域のシリコ
    ン膜を半導体装置の活性領域とする工程と、 熱酸化工程で得られた熱酸化膜を絶縁膜として用いる工
    程と、を少なくとも有することを特徴とする半導体装置
    の作製方法。
  12. 【請求項12】 絶縁表面を有する基板上にアモルファ
    スシリコン膜を形成する工程と、 該アモルファスシリコン膜に半導体装置の活性領域のパ
    ターニングされたマスクを介してレーザ照射する工程
    と、 前記パターニングされたマスクによりレーザ照射されて
    いない領域のシリコン膜が全て酸化するまで熱酸化する
    工程と、 完全に酸化されずに残っているレーザ照射領域のシリコ
    ン膜を半導体装置の活性領域とする工程と、 前記熱酸化処理により形成された熱酸化膜を除去する工
    程と、を少なくとも有することを特徴とする半導体装置
    の作製方法。
  13. 【請求項13】 請求項11または請求項12におい
    て、 前記熱酸化工程は高圧水蒸気酸化により行われることを
    特徴とする半導体装置の作製方法。
JP2000097397A 2000-03-31 2000-03-31 半導体装置の作製方法 Pending JP2001284253A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000097397A JP2001284253A (ja) 2000-03-31 2000-03-31 半導体装置の作製方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000097397A JP2001284253A (ja) 2000-03-31 2000-03-31 半導体装置の作製方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001284253A true JP2001284253A (ja) 2001-10-12

Family

ID=18612025

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000097397A Pending JP2001284253A (ja) 2000-03-31 2000-03-31 半導体装置の作製方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001284253A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1310284C (zh) * 2002-12-31 2007-04-11 Lg.菲利浦Lcd株式会社 薄膜晶体管用非晶硅的结晶方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1310284C (zh) * 2002-12-31 2007-04-11 Lg.菲利浦Lcd株式会社 薄膜晶体管用非晶硅的结晶方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5693541A (en) Method for manufacturing a semiconductor device using a silicon nitride mask
US6210997B1 (en) Semiconductor device and method for manufacturing the same
JP3254072B2 (ja) 半導体装置の作製方法
JP5244890B2 (ja) 半導体装置
JPH0758339A (ja) 半導体装置およびその作製方法
JPH0794757A (ja) 半導体装置の作製方法
JPH06296023A (ja) 薄膜状半導体装置およびその作製方法
JP3389022B2 (ja) 半導体装置
US7186601B2 (en) Method of fabricating a semiconductor device utilizing a catalyst material solution
JP2004214615A (ja) 非晶質シリコン膜の結晶化方法及び非晶質シリコンの結晶化用マスク、並びにアレイ基板の製造方法
JPH0794756A (ja) 半導体装置の作製方法
JP3981532B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JPH08339960A (ja) 半導体装置の作製方法
JP2762219B2 (ja) 半導体装置およびその作製方法
JP3202687B2 (ja) 半導体装置の作製方法
JP2001284253A (ja) 半導体装置の作製方法
JP2759411B2 (ja) 半導体装置およびその作製方法
JP3202688B2 (ja) 半導体装置の作製方法
JP3488361B2 (ja) 半導体装置の作製方法
JPH08139331A (ja) 薄膜トランジスタの製造方法
JP3488441B2 (ja) アクティブ型液晶表示装置の作製方法
JPH07193247A (ja) 薄膜トランジスタ及びその製造方法
JP3408242B2 (ja) 半導体装置の作製方法
JP3393857B2 (ja) 半導体装置の作製方法
JP3393863B2 (ja) 半導体装置の作成方法