JP2001283477A - 光記録媒体の初期化方法 - Google Patents

光記録媒体の初期化方法

Info

Publication number
JP2001283477A
JP2001283477A JP2000097147A JP2000097147A JP2001283477A JP 2001283477 A JP2001283477 A JP 2001283477A JP 2000097147 A JP2000097147 A JP 2000097147A JP 2000097147 A JP2000097147 A JP 2000097147A JP 2001283477 A JP2001283477 A JP 2001283477A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording
recording medium
optical recording
initialization
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000097147A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideo Nakakuki
英夫 中久喜
Kunihisa Nagino
邦久 薙野
Takeshi Arai
猛 新井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2000097147A priority Critical patent/JP2001283477A/ja
Publication of JP2001283477A publication Critical patent/JP2001283477A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)
  • Optical Head (AREA)
  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速高密度記録用光記録媒体の2回目以降
のオーバーライト時の記録特性変動が非常に小さい初期
化を行うことができる初期化方法を提供する。 【解決手段】 光を照射することによって情報の記録、
消去、再生が可能であり、情報の記録および消去が非晶
相と結晶相の間の可逆的な相変化により行われ、基板上
に少なくとも厚さ20nm以下の記録層を備え、最短マ
ーク長さが0.5μm以下、記録時の線速度が8m/s
以上であるマーク長記録方式の光記録媒体を初期化する
方法において、初期化の際に照射するレーザー光の発光
波長が750nm以上850nm以下であり、対物レン
ズの開口数が0.4以上であって、レーザー光の焦点が
光記録媒体の記録層位置から外れた状態で、7m/s以
上の線速度でレーザー光を照射することにより行うこと
を特徴とする光記録媒体の初期化方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光の照射により、
情報の記録、消去、再生が可能である光情報記録媒体に
関するものである。特に、本発明は、記録情報の消去、
書換機能を有し、情報信号を高速かつ、高密度に記録可
能な光ディスク、光カード、光テープなどの書換可能相
変化型光記録媒体の初期化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】書換可能相変化型光記録媒体は、テルル
などを主成分とする記録層を有し、記録時は、結晶状態
の記録層に集束したレーザー光パルスを短時間照射し、
記録層を部分的に溶融する。溶融した部分は熱拡散によ
り急冷され、固化し、アモルファス状態の記録マークが
形成される。この記録マークの光線反射率は、結晶状態
より低く、光学的に記録信号として再生可能である。ま
た、消去時には、記録マーク部分にレーザー光を照射
し、記録層の融点以下、結晶化温度以上の温度に加熱す
ることによって、アモルファス状態の記録マークを結晶
化し、もとの未記録状態にもどす。これらの書換可能相
変化型光記録媒体の記録層の材料としては、Ge2Sb2
Te5などの合金(N.Yamada et al.Proc.Int.Symp.on O
ptical Memory 1987 p61-66)が知られている。
【0003】これらTe合金を記録層とした光記録媒体
では、結晶化速度が速く、照射パワーを変調するだけ
で、円形の1ビームによる高速のオーバーライトが可能
である。これらの記録層を使用した光記録媒体では、通
常、記録層の両面に耐熱性と透光性を有する誘電体層を
それぞれ1層ずつ設け、記録時に記録層に変形、開口が
発生することを防いでいる。さらに、光ビーム入射方向
と反対側の誘電体層に、光反射性のAlなどの金属反射
層を積層して設け、光学的な干渉効果により再生時の信
号コントラストを改善する技術が知られている。
【0004】上述の記録層は、主に蒸着やスパッタリン
グ法などの真空成膜法により形成され、一般に非晶質を
多く含んだ状態で成膜される。このような状態は通常反
射率が低く、オートフォーカスやトラッキングが不安定
になりやすい。そのため書換型光記録媒体として使用す
る場合は、記録領域の記録層を結晶状態にする初期化を
行う必要がある。
【0005】初期化を半導体レーザーを用いて行う方
法、装置は、特開平4−216323号公報に開示され
ている。ビームウェストを記録層の位置からずらす方法
は、特開平10−261243号公報および特開平10
−289447号公報に開示されている。これらの方法
はいずれも記録層の厚さが20nm以上の光記録媒体に
関するものであり、記録層が20nm以下と薄い場合に
は初期化むらが生じやすいなど、良好な初期化が困難で
あるという問題点があった。さらには従来より高速、高
密度に記録を行う光記録媒体においては、わずかな初期
化むらやオーバーライト時の反射率変動などが記録特性
に致命的な影響を与えるという問題が生じていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
技術における上述した問題点に鑑みてなされたもので、
その目的とするところは、高速高密度で記録を行うよう
設計された光記録媒体を初期化する場合であっても、初
期化むらやオーバーライト時の反射率変動が少ない初期
化方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の目的
は、光を照射することによって情報の記録、消去、再生
が可能であり、情報の記録および消去が非晶相と結晶相
の間の可逆的な相変化により行われ、基板上に少なくと
も厚さ20nm以下の記録層を備え、最短マーク長さが
0.5μm以下、記録時の線速度が8m/s以上である
マーク長記録方式の光記録媒体を初期化する方法におい
て、照射するレーザーの波長が750〜850nmであ
り、対物レンズの開口数が0.4以上であって、レーザ
ー光の焦点が光記録媒体の記録層の位置から外れた状態
で、7m/s以上の線速度でレーザー光を照射すること
により行われることを特徴とする光記録媒体の初期化方
法を提供することにある。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態について説明する。
【0009】本発明でいう良好な初期化とは、初期化後
の反射率にむらが無く、かつ2回以上のオーバーライト
による記録特性や結晶部の反射率の変動が起きない初期
化のことである。但し、ここでいうオーバーライトと
は、記録回数が2回以上で通常数百回から数千回程度ま
でのディスクの劣化の影響が無視できる範囲の回数のオ
ーバーライトを行う場合のことである。
【0010】本発明の初期化方法で初期化する光記録媒
体は、基板上に少なくとも厚さ20nm以下の記録層を
備え、最短マーク長さが0.5μm以下、記録時の線速
度が8m/s以上であるマーク長記録方式の光記録媒体
である。
【0011】本発明で用いられるレーザー光は、波長7
50〜850nmのものである。この範囲の波長のレー
ザー光は、最短マーク長さが0.5μm以下、記録時の
線速度が8m/s以上である高速高密度マーク長記録用
の光記録媒体の記録層において十分な吸収率が得られ
る。そのようなレーザー光としては、半導体レーザーな
どの各種固体レーザー、ガスレーザー、色素レーザーな
どがあるが、半導体レーザーが高出力であり、好まし
い。高出力のレーザーを照射することで単位時間当たり
に初期化できる面積が広くなり、生産性の点からも優れ
ているためである。
【0012】本発明で用いられる対物レンズの開口数は
0.4以上であることが必要である。対物レンズの開口
数が0.4未満となると、レーザー光が十分絞られな
い。このため初期化の際に同時に広い領域が加熱され、
通常冷却層として作用する反射層への熱の拡散が十分に
行われず、基板の熱損傷が起きたり、記録層に不可逆的
な変化が生じてジッター値が増大したりする。またそれ
を避けようとして弱いレーザー光を用いた結果、十分な
結晶化を行うことができないなどのことが起きる。この
場合、記録の繰り返しによって結晶化が進み、1回目の
記録と数回オーバーライトしたあとの記録で反射率が変
化するため記録感度も変化してジッター値が上昇するな
ど、記録特性に悪影響を及ぼすことがある。結晶化が多
少不十分であっても、さほど記録密度が高くなく、記録
の線速度も遅い場合は実用上問題がない場合もあるが、
本発明が対象とする最短マーク長さが0.5μm以下、
記録時の線速度が8m/s以上のようなマーク長方式の
高速高密度記録時においては、ジッター値の上昇が顕著
になるなど、初期化状態が記録特性に及ぼす影響が大き
くなり、開口数が0.4以上であることが必要となる。
また、開口数を大きくしてビーム径が小さく絞られすぎ
ると、単位時間当たりに初期化できる面積が小さくなる
ことから、対物レンズの開口数は0.4〜0.5である
ことであることが好ましい。
【0013】また、本発明では、初期化を行うレーザー
光の焦点が光記録媒体の記録層の位置から外れているこ
とが必要である。レーザー光の焦点位置においては、レ
ーザー光の強度分布がガウス分布となる。すなわちビー
ム中心から離れるにしたがい強度が急峻に下がるという
光強度プロファイルとなる。この状態で初期化を行うと
ビーム中心部と周辺部では記録層の温度差が大きくな
り、初期化状態にむらが生じたり、基板や記録層に局部
的な熱損傷が生じたりする。さほど記録密度の高くない
光記録媒体においては少々の初期化むらは問題にならな
い場合もあるが、前述の高速高密度記録を行う光記録媒
体ではエラーレートが増大するなど、記録特性に致命的
な影響を与えることが多い。レーザー光の焦点から外れ
たところでは、ビームの収束が適度となり、光強度のプ
ロファイルも焦点位置よりも平坦なものとなる。すなわ
ちレーザー光照射領域にある記録層の温度分布も平坦な
ものとなる。このため、初期化時の線速度が速くても結
晶化のための十分な時間を得ることができる。さらには
基板や記録層に対し局部的な熱損傷を与えにくくなるた
め、照射するレーザーパワーの許容範囲が広がり、生産
時の歩留まりが高くなるなどの長所がある。
【0014】特にレンズの開口数が大きい場合、レーザ
ー光の収束が非常に強くなるため、初期化を行うレーザ
ー光の焦点が、記録層の厚さ方向に6μm以上離れた位
置で初期化を行うことで、前記と同様の効果を得ること
ができるため、好ましい。
【0015】また、記録層の厚さが20nmを越える場
合は膜断面方向の熱容量が大きくかつ面内方向への熱拡
散が大きくなるため、前記のような基板の熱損傷などの
問題は発生しにくい。しかし、本発明において用いられ
る膜厚が20nm以下と薄い記録媒体においては、熱容
量が小さく、面内方向の熱拡散が起きにくいため、レー
ザー光の照射により温度が急速に上昇する。このため基
板に熱損傷を与えないように結晶化だけを起こすように
温度を制御することが非常に困難になる。膜厚が12n
m以下とさらに薄くなるとこの傾向はより強いものとな
る。
【0016】また、本発明が対象とする最短マーク長さ
が0.5μm以下、記録時の線速度が8m/s以上であ
るマーク長記録方式の光記録媒体では、7m/s以上の
線速度で初期化を行う必要がある。レーザー光を照射す
る線速度は、記録層を結晶化温度以上に加熱し、結晶化
に必要な時間だけ保持するよう、適正な値に設定しなけ
ればならず、特に高速高密度記録を行う光記録媒体で
は、高線速で記録を行うことを可能にするために結晶化
時間が短くなるように設計されており、初期化を行うと
きの線速度も速くする必要がある。本発明が対象とする
光記録媒体においては、初期化の線速度が7m/s未満
の場合には、初期化時間が長くなり生産性が低下するの
みならず、基板や記録層が熱損傷を受けやすくなる。
【0017】ここで、本発明の光記録媒体の構成部材の
代表的な層構成は、透明基板上に第1誘電体層、記録
層、第2誘電体層、反射層の順に積層したものである。
さらには、記録層に接するように炭素を主成分とする
層、窒素と金属が化合した物質からなる層、酸素と金属
が化合した物質からなる層、炭素と金属が化合した物質
からなる層などを設けても良い。但し、これらに限定す
るものではない。
【0018】第1誘電体層の材質としては、記録光波長
において実質的に透明であり、かつその屈折率が、透明
基板の屈折率より大きく、記録層の屈折率より小さいも
のが好ましい。具体的にはZnSの薄膜、Si、Ge、
Ti、Zr、Ta、Nbなどの金属の酸化物の薄膜、S
i、Geなどの窒化物の薄膜、Zr、Hfなどの炭化物
の薄膜、およびこれらの化合物の混合物の膜が耐熱性が
高いことから好ましい。特に、ZnSとSiO2の混合
物からなる膜は、繰り返しオーバーライトによる劣化が
起きにくいことから好ましい。特に、ZnSとSiO2
と炭素の混合物は、膜の残留応力が小さいこと、記録、
消去の繰り返しによっても、記録感度、キャリア対ノイ
ズ比(C/N)、消去率などの劣化が起きにくいことか
らも好ましい。膜の厚さは光学的な条件により決められ
るが、10〜500nmが好ましい。これより厚いと、
クラックなどが生じることがあり、これより薄いと、オ
ーバーライトの繰り返しにより基板が熱ダメージを受け
やすく、繰り返し特性が劣化する。膜の厚さの特に好ま
しい範囲は50〜200nmである。
【0019】本発明の記録層としては、とくに限定する
ものではないが、Ge−Te合金、Ge−Sb−Te合
金、Pd−Ge−Sb−Te合金、Nb−Ge−Sb−
Te合金、Pd−Nb−Ge−Sb−Te合金、Pt−
Ge−Sb−Te合金、Co−Ge−Sb−Te合金、
In−Sb−Te合金、Ag−In−Sb−Te合金、
Ag−V−In−Sb−Te合金、In−Se合金など
があげられる。この中でもGe、Sb、Teを主成分と
するものが、消去時間が短く、かつ多数回の記録に優れ
ている。
【0020】さらにこの中でも、記録層に接するように
炭素を主成分とする層、窒素と金属が化合した物質から
なる層、酸素と金属が化合した物質からなる層、炭素と
金属が化合した物質からなる層などを設け、かつ記録層
組成を下記の式(I)の範囲にすることが、最短マーク
長さが0.7μm以下、記録時の線速度が5m/s以上
であるマーク長記録方式の光記録媒体において優れた記
録マークの長期保存安定性(アーカイバル特性)と優れ
た長期保存後のオーバライト特性を両立させることがで
きるため好ましい(←必須要件ではないのでこのような
表現にします)。 {(Ge0.5Te0.5x(Sb0.4Te0.61-x1-y-zSbyz (I) 式中、Aは、元素周期律表における第2周期から第6周
期の3A族から6B族に属するGe、Sb、Teを除く
元素で、Al、Si、Sc、Ti、V、Cr、Mn、F
e、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Y、Zr、
Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、S
n、La、Hf、Ta、W、Re、Ir、Pt、Au、
Tl、Pbから選ばれた少なくとも一種を表し,x,
y,zは数を表し、かつ次の関係式を満たす。0.2≦
x≦0.95、0.01≦y≦0.08、z=0もしく
は、0.2≦x≦0.95、0≦y≦0.08、0<z
≦0.2である。
【0021】x<0.2では、コントラストが小さくな
り過ぎ、十分な信号強度を得られないことがあり、x>
0.95の場合は、結晶化速度が遅くなり、消去特性が
悪化し、線速5m/s以上かつ最短マーク長0.7μm
以下の条件で、ダイレクトオーバーライトが困難になる
ことがある。z=0かつ、y<0.01の場合は、アモ
ルファスの安定性が低く、アーカイバル特性が悪くな
る。y>0.07の場合、長期保存後のオーバーライト
が困難になることがある。z>0.2の場合、結晶化速
度が遅くなり、消去特性が悪化し、線速5m/s以上か
つ最短マーク長0.7μm以下の条件で、ダイレクトオ
ーバーライトが困難になったり、相分離により繰り返し
特性が大きく劣化したり、長期保存後のオーバーライト
が困難になることがあり、z=0の場合はアモルファス
の安定性が低く、アーカイバル特性が悪くなることがあ
る。
【0022】本発明の記録層の厚さとしては、5〜20
nmであることが好ましい。記録層の厚さが上記よりも
薄い場合は、繰り返しオーバーライトによる記録特性の
劣化が著しく、また、記録層の厚さが上記よりも厚い場
合は、本発明のような高速高密度記録においては良好な
ジッタが得にくくなる。特に、最短マーク長が0.5μ
m以下で、線速が8m/s以上のより高速高密度の記録
条件において良好なジッタを得るためには、記録層の厚
さを5〜12nmとすることが好ましい。
【0023】本発明の第2誘電体層の材質は、第1誘電
体層の材料としてあげたものと同様のものでも良いし、
異種の材料であってもよい。厚さは、3〜50nmであ
ることが好ましい。第2誘電体層の厚さが上記より薄い
と、クラック等の欠陥を生じ、繰り返し耐久性が低下す
るために好ましくない。また、第2誘電体層の厚さが、
上記より厚いと記録層の冷却度が低くなるために好まし
くない。第2誘電体層の厚さは記録層の冷却に関し、よ
り直接的に影響が大きく、より良好な消去特性や、繰り
返し耐久性を得るために、また、特にマーク長記録の場
合に良好な記録・消去特性を得るために、30nm以下
であることがより効果的である。光を吸収し、記録、消
去に効率的に熱エネルギーとして用いることができるこ
とから、透明でない材料から形成されることも好まし
い。例えば、ZnSとSiO2と炭素の混合物は、膜の
残留応力が小さいこと、記録、消去の繰り返しによって
も、記録感度、キャリア対ノイズ比(C/N)、消去率
などの劣化が起きにくいことからも好ましい。
【0024】反射層の材質としては、光反射性を有する
Al、Auなどの金属、これらを主成分とし、Ti、C
r、Hfなどの添加元素を含む合金及びAl、Auなど
の金属にAl、Si、などの金属窒化物、金属酸化物、
金属カルコゲン化物などの金属化合物を混合したものが
あげられる。Al、Auなどの金属、及びこれらを主成
分とする合金は、光反射性が高く、かつ熱伝導率を高く
できることから好ましい。前述の合金を例としては、A
lにSi、Mg、Cu、Pd、Ti、Cr、Hf、T
a、Nb、Mnなどの少なくとも1種の元素を合計で5
原子%以下、1原子%以上加えたもの、あるいは、Au
にCr、Ag、Cu、Pd、Pt、Niなどの少なくと
も1種の元素を合計で1原子%以上20原子%以下加え
たものなどがあげられる。特に、材料の価格が安いこと
から、AlもしくはAlを主成分とする合金が好まし
く、とりわけ、耐腐食性が良好なことから、AlにT
i、Cr、Ta、Hf、Zr、Mn、Pdから選ばれる
少なくとも1種以上の金属を合計で0.5原子%以上5
原子%以下添加した合金が好ましい。さらに、耐腐食性
が良好でかつヒロックなどの発生が起こりにくいことか
ら、添加元素を合計で0.5原子%以上5原子%未満含
む、Al−Hf−Pd合金、Al−Hf合金、Al−T
i合金、Al−Ti−Hf合金、Al−Cr合金、Al
−Ta合金、Al−Ti−Cr合金、Al−Si−Mn
合金のいずれかのAlを主成分とする合金で構成するこ
とが好ましい。
【0025】上述した反射層の厚さとしては、いずれの
合金からなる場合にもおおむね10nm以上200nm
以下、さらに好ましくは50〜200nmとするのが好
ましい。
【0026】ここで、上記光記録媒体の製造方法につい
て述べる。誘電体層、炭素層、記録層、反射層などを基
板上に形成する方法としては、真空中での薄膜形成法、
例えば真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタ
リング法などがあげられる。特に組成、膜厚のコントロ
ールが容易であることから、スパッタリング法が好まし
い。形成する記録層などの厚さの制御は、水晶振動子膜
厚計などで、堆積状態をモニタリングすることで、容易
に行える。
【0027】炭素、窒素、酸素と金属が化合した層物質
からなる層をスパッタリングで形成する際には、炭化水
素ガス、窒素ガス、酸素ガスを含むガスを用いた反応性
スパッタリングで容易に行うことができる。
【0028】また、本発明の効果を著しく損なわない範
囲において、反射層を形成した後、傷、変形の防止など
のため、ZnS、SiO2、ZnS−SiO2、などの誘
電体層あるいは紫外線硬化樹脂などの保護層などを必要
に応じて設けてもよい。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。 (分析,測定方法)反射層、記録層の組成は、ICP発
光分析(セイコー電子工業(株)製)により確認した。
記録層、誘電体層、反射層の形成中の膜厚は、水晶振動
子膜厚計によりモニターした。また各層の厚さは、走査
型あるいは透過型電子顕微鏡で断面を観察することによ
り測定した。
【0030】スパッタリングにより成膜した光記録媒体
を下記実施例および比較例に示す各条件で初期化し、光
ディスク評価装置による再生信号をオシロスコープで観
察して、均一な初期化が行われているかどうか確認し
た。
【0031】次に幅0.6μmのグルーブに、対物レン
ズの開口数0.6、半導体レーザーの波長660nmの
光学ヘッドを使用して、線速度8.2m/sの条件で、
8−16変調方式で、最短マーク長が0.42μmとな
る記録周波数で、3Tから11Tの長さのマークをラン
ダムに記録した。1回記録したときのジッター値と、ラ
ンダムシフトさせながら2〜10回オーバーライト記録
したときのジッター値の変動により、適切な条件で初期
化が行われているかどうかを判断した。
【0032】(実施例1)厚さ10nmの記録層と、保
護層、反射層を含む光記録媒体を作製し、開口数0.5
5の対物レンズを用いて初期化した。ビームウエストに
おけるビームの長手方向は約200μmで、送りピッチ
150μm、線速8m/s、照射パワー1300mWの
条件で初期化した。このとき、レーザー光の焦点位置が
記録層位置から8μm外れるように対物レンズを配置し
た。
【0033】初期後の再生信号を観察したところ、周内
の反射率変動はなく、均一に初期化されていた。さらに
ランダムパターンを1回記録したときのジッター値はウ
インドウ幅の7.2%と良好で、2回、3回、5回およ
び10回記録したときのジッター値はそれぞれ7.9
%、8.3%、8.5%、8.5%であり、ジッター値
の変動は実用上問題なく、初期化の状態は良好であっ
た。また照射パワーを1100mW、1200mW、1
400mW、1500mW、1600mWにして初期化
を行ったところ、いずれの条件でも均一な初期化ができ
ており、ジッター値は1300mWの場合とほぼ同様で
あった。すなわち、広範囲な照射パワーにおいて、均一
な初期化を行うことができた。
【0034】(実施例2)レーザー光の焦点位置が記録
層位置から4μm外れるように対物レンズを配置し、照
射パワーを1100mWとした他は実施例1と同様の条
件で初期化を行った。初期化後の再生信号を観察したと
ころ、周内の反射率変動はなく、均一に初期化されてい
た。さらにランダムパターンを1回記録したときのジッ
ター値はウインドウ幅の7.4%と良好で、2回、3
回、5回および10回記録したときのジッター値はそれ
ぞれ7.9%、8.4%、8.7%、8.7%であり、
ジッター値の変動は問題なく、初期化の状態は良好であ
った。また照射パワーを1000mWおよび1200m
Wとした場合も均一な初期化ができ、ジッター値は11
00mWの場合とほぼ同様であった。
【0035】(実施例3)開口数が0.45の対物レン
ズを用い、照射パワーを1500mWとした他は、実施
例1と同様の条件で初期化を行った。初期後の再生信号
を観察したところ、周内の反射率変動はなく、均一に初
期化されていた。ランダムパターンを1回記録したとき
のジッター値はウインドウ幅の7.5%と良好で、2
回、3回、5回および10回記録したときのジッター値
はそれぞれ7.9%、8.4%、8.7%、8.9%で
ジッター値の変動は実用上問題のないものであった。
【0036】(比較例1)レーザー光の焦点位置が記録
層位置と重なるように対物レンズを配置し、照射パワー
を900mWとした他は実施例1と同様の条件で初期化
を行った。初期化後の再生信号を観察したところ、周内
の反射率変動、すなわち初期化むらが見られた。このた
めランダムパターン記録時のジッター値は実用上問題と
なるレベルまで上昇した。また照射パワーのマージンが
狭く、800mWで初期化した場合には初期化パワー不
足による反射率のむらが著しく、1000mWで初期化
した場合にはパワーを投入しすぎたことによる初期化む
らがより顕著なものとなった。
【0037】(比較例2)開口数が0.50の対物レン
ズを用い、レーザー光の焦点位置が記録層位置と重なる
ように対物レンズを配置し、照射パワーを1000mW
として実施例1と同様に初期化を行った。比較例1の場
合と同様、初期化むらが著しく、ランダムパターン記録
時のジッター値は実用上問題となるレベルまで上昇し
た。
【0038】(比較例3)開口数が0.35の対物レン
ズを用い、照射パワーを1600mWとした他は比較例
1と同様の条件で初期化を行った。初期化後の再生信号
を観察したところ、周内の反射率変動はなく、均一に初
期化されていた。ランダムパターンを1回記録したとき
のジッター値はウインドウ幅の7.6%と良好であった
が、2回、3回、5回および10回記録したときのジッ
ター値はそれぞれ8.0%、8.5%、8.9%、9.
1%でジッター値の上昇がやや大きく、このとき記録を
行う度に結晶部の反射率が少しずつ上昇していた。
【0039】(比較例4)レーザー光を照射する線速度
を6m/s、パワーを950mWとした他は実施例1と
同様に初期化を行った。初期化後の再生信号を観察した
ところ、周内の反射率変動は少なく、ほぼ均一に初期化
されていた。しかしオシロスコープの時間軸を拡大して
みると細かな反射率変動があり、記録層が何らかの損傷
を受けている様子が観察された。このためランダムパタ
ーンを1回記録したときのジッター値はウインドウ幅の
9.1%と高い値になっていた。
【0040】
【発明の効果】本発明の光記録媒体によれば、以下の効
果が得られた。 (1)高速高密度記録用光記録媒体の2回目以降のオー
バーライト時の記録特性変動が非常に小さい初期化を行
うことができる。 (2)高速高密度記録用光記録媒体の良好な初期化が達
成できる照射レーザーパワーの範囲が広い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/26 531 B41M 5/26 X Fターム(参考) 2H111 EA04 EA12 EA14 EA23 EA48 FA01 FB05 FB09 FB12 5D029 JA01 JC18 5D090 BB05 CC11 DD03 HH03 LL01 5D119 AA28 JA42 JB02 5D121 AA01 GG26 GG28

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光を照射することによって情報の記録、消
    去、再生が可能であり、情報の記録および消去が非晶相
    と結晶相の間の可逆的な相変化により行われ、基板上に
    少なくとも厚さ20nm以下の記録層を備え、最短マー
    ク長さが0.5μm以下、記録時の線速度が8m/s以
    上であるマーク長記録方式の光記録媒体を初期化する方
    法において、初期化の際に照射するレーザー光の発光波
    長が750〜850nmであり、対物レンズの開口数が
    0.4以上であって、レーザー光の焦点が光記録媒体の
    記録層の位置から外れた状態で、7m/s以上の線速度
    でレーザー光を照射することにより行うことを特徴とす
    る光記録媒体の初期化方法。
  2. 【請求項2】対物レンズの開口数が0.5以下であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の光記録媒体の初期化方
    法。
  3. 【請求項3】初期化を行うレーザー光の焦点が光記録媒
    体の記録層の位置から記録層の厚さ方向に6μm以上外
    れていることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体の
    初期化方法。
  4. 【請求項4】記録層がGe、Sb、Teを含むことを特
    徴とする請求項1記載の光記録媒体の初期化方法。
JP2000097147A 2000-03-31 2000-03-31 光記録媒体の初期化方法 Pending JP2001283477A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000097147A JP2001283477A (ja) 2000-03-31 2000-03-31 光記録媒体の初期化方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000097147A JP2001283477A (ja) 2000-03-31 2000-03-31 光記録媒体の初期化方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001283477A true JP2001283477A (ja) 2001-10-12

Family

ID=18611812

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000097147A Pending JP2001283477A (ja) 2000-03-31 2000-03-31 光記録媒体の初期化方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001283477A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004071025A (ja) * 2002-08-05 2004-03-04 Ricoh Co Ltd 光記録媒体とその初期化方法
JP2008273167A (ja) * 2007-04-03 2008-11-13 Ricoh Co Ltd 光記録媒体、スパッタリングターゲット、及びそれらの製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004071025A (ja) * 2002-08-05 2004-03-04 Ricoh Co Ltd 光記録媒体とその初期化方法
JP2008273167A (ja) * 2007-04-03 2008-11-13 Ricoh Co Ltd 光記録媒体、スパッタリングターゲット、及びそれらの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100401282B1 (ko) 광기록매체
US20010033991A1 (en) Optical recording medium and use of such optical recording medium
EP0594277B1 (en) Optical recording medium
US5876822A (en) Reversible optical information medium
JP2003182237A (ja) ライト・ワンスアプリケーション用の相変化記録素子
JP2002074741A (ja) 光学的情報記録用媒体
JP3651231B2 (ja) 光学的情報記録用媒体
JPH10112028A (ja) 光学的情報記録用媒体
JP2001283477A (ja) 光記録媒体の初期化方法
JP3493913B2 (ja) 光学的情報記録用媒体
JP2006212880A (ja) 相変化型光記録媒体
JPH11339314A (ja) 光記録媒体
JP2002056576A (ja) 光記録媒体
JP2004311011A (ja) 光学的情報記録媒体とその製造方法、この媒体を用いた情報の記録方法及び記録装置
JP2001344807A (ja) 情報記録媒体
JPH07214913A (ja) 光記録媒体
JP2000043414A (ja) 相変化型光記録媒体
JP2002074739A (ja) 光記録媒体および光記録装置
JPH11339316A (ja) 光記録媒体
JP2002157786A (ja) 光記録媒体
JPH0757301A (ja) 光情報記録媒体
JP2003331467A (ja) 光記録媒体
JPH07262615A (ja) 光情報記録媒体
JPH11339315A (ja) 光記録媒体
JPH11283277A (ja) 光記録媒体