JP2001283179A - Icカード用ポリエステルフィルムおよびicカード - Google Patents

Icカード用ポリエステルフィルムおよびicカード

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JP2001283179A
JP2001283179A JP2000100485A JP2000100485A JP2001283179A JP 2001283179 A JP2001283179 A JP 2001283179A JP 2000100485 A JP2000100485 A JP 2000100485A JP 2000100485 A JP2000100485 A JP 2000100485A JP 2001283179 A JP2001283179 A JP 2001283179A
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acid
polyester
card
polyester film
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JP2000100485A
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Mitsumasa Ono
光正 小野
Tetsuo Yoshida
哲男 吉田
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気テープの埋め込みやエンボスなどの加工
に対して、優れた加工性を有するICカードのオーバー
シートに好適なポリエステルフィルムの提供。 【解決手段】 融点が210〜245℃の共重合ポリエ
チレンテレフタレートを少なくとも45wt%および融
点が180〜223℃のホモもしくは共重合ポリブチレ
ンテレフタレートを高々55wt%含有するポリエステ
ルからなり、面配向係数が高々0.16であることを特
徴とするICカード用ポリエステルフィルムおよびそれ
を用いたICカード。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ICカード用ポリ
エステルフィルムに関し、さらに詳しくは、磁気テープ
の埋め込みやエンボスなどに対し優れた加工性を有する
ICカードのオーバーシートに好適なポリエステルフィ
ルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ICカードは、従来からクレジットカー
ドやキャッシュカードに用いられているプラスチックカ
ードに集積回路ICを埋め込んだものの総称である。I
Cカードは種々の構成をとるが、基本的にはICモジュ
ールを埋め込むコアシートと、その両面に保護層として
積層されるオーバーシートの3層構成をとる。
【0003】ところで、ICカードは、従来のプリペイ
ドカードやクレジットカードなどと同様、オーバーシー
トの表面に磁気テープが埋め込まれたり、また、クレジ
ットカードなどと同様にICカードの積層体全層を通し
て文字、数字などのエンボス加工が施されたりする。こ
のような磁気テープの埋め込み加工やエンボス加工を伴
うICカードを構成するオーバーシートの素材は、それ
らの加工に対して良好な加工性を有することが必要であ
る。
【0004】オーバーシートの素材としては、従来から
磁気テープの埋め込みやエンボスなどの加工性に優れる
硬質塩化ビニル樹脂を使用してきたが、近年の廃棄物処
理の問題からその使用が避けられつつあり、該塩化ビニ
ル樹脂の代替素材が求められていた。この代替素材とし
てポリエステルは、廃棄物を処理する際の問題がない上
にリサイクルも可能で、しかも、強度に優れることから
有望視されつつある。しかしながら、硬質塩化ビニル樹
脂に比べてポリエステルは磁気テープの埋め込みやエン
ボスなどの加工性に劣り、これらの加工を伴うICカー
ドには、未だ硬質塩化ビニル樹脂の代替素材を提供でき
てないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
のポリエステルからなるオーバーシートの問題を解消
し、磁気テープの埋め込みやエンボスなどの加工に対し
て、優れた加工性を有するICカードのオーバーシート
に好適なポリエステルフィルムの提供にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため、ポリエステルフィルムの磁気テープの
埋め込みやエンボスなどに対する加工性を向上させよう
と鋭意研究した結果、融点が高々245℃の共重合ポリ
エチレンテレフタレートを採用し、それから得られるフ
ィルムの面配向係数を高々0.16とするとき、上記加
工性が達成できることを見出し、本発明に到達した。
【0007】かくして本発明によれば、融点が210〜
245℃の共重合ポリエチレンテレフタレートを少なく
とも45wt%および融点が180〜223℃のホモも
しくは共重合ポリブチレンテレフタレートを高々55w
t%含有するポリエステルからなり、面配向係数が高々
0.16であることを特徴とするICカード用ポリエス
テルフィルムが提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のポリエステルフィルム
は、融点が210〜245℃の共重合ポリエチレンテレ
フタレートを少なくとも45wt%および融点が180
〜223℃のホモもしくは共重合ポリブチレンテレフタ
レートを高々55wt%含有するポリエステルからな
り、面配向係数が高々0.16であることを特徴とす
る。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おける共重合ポリエチレンテレフタレートは、融点が2
10〜245℃の範囲にあることが必要である。融点が
210℃未満のものは、耐熱性に劣り、例えば印刷など
の後加工における熱に耐えられず、他方、245℃を越
えると、剛直すぎ、成形性が劣る。融点の好ましい範囲
は、212〜235℃である。ここで、本発明でいう共
重合ポリエチレンテレフタレートとは、エチレンテレフ
タレート単位を主たる構成成分とするものであり、「エ
チレンテレフタレート単位を主たる構成成分とするも
の」とは、テレフタル酸成分を全ジカルボン酸成分の7
5モル%以上、エチレングリコール成分を全ジオール酸
成分の75モル%以上含有するものである。この範囲を
外れる過剰な共重合割合の共重合ポリエチレンテレフタ
レートは、ガラス転移温度が低すぎ、カードとしての強
度に劣るばかりか、フィルムへの製膜も難しくなる。な
お、共重合ポリエチレンテレフタレートの共重合割合に
ついては、前述の融点を高々245℃とする上から、全
繰り返し単位中に占めるエチレンテレフタレート単位の
上限は、高々95モル%であることが好ましい。
【0010】上記共重合ポリエチレンテレフタレートの
共重合成分としては、融点が上述のの範囲を超えなけれ
ば限定されるものではないが、特に好ましいものとし
て、以下のものを挙げることができる。
【0011】まず、ジカルボン酸成分としては、イソフ
タル酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフ
タレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニレンジカルボ
ン酸などの芳香族ジカルボン酸成分、シクロヘキサン−
1,4−ジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸成分、
コハク酸、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカル
ボン酸成分などがある。また、ジオール成分としては、
プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テト
ラメチレングリコールなどの脂肪族ジオール成分、シク
ロヘキサン−1,4−ジメタノールなどの脂環族ジオー
ル成分、ビスフェノールAなどの芳香族ジオール成分、
ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリ
テトラメチレングリコールなどのエーテル縮合型ジオー
ル成分などがある。その他にも、p−ヒドロキシ安息香
酸、ω−ヒドロキシ酪酸、ω−ヒドロキシ吉草酸、乳酸
などのヒドロキシカルボン酸成分、ポリカーボネートに
見られるような炭酸成分、さらに、トリメリット酸、ピ
ロメリット酸やグリセリンなどの3官能以上の成分など
もある。これらの中でも、諸特性の発揮のしやすさ、原
料の入手のしやすさ、共重合ポリエステルの製造のしや
すさなどから、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸およびジエチレングリコール特に好ましい。
【0012】本発明におけるホモもしくは共重合ポリブ
チレンテレフタレートは、融点が180〜223℃の範
囲にあることが必要である。融点が180℃未満では、
耐熱性に劣り、例えば印刷などの後加工における熱に耐
えられない。また、通常のポリブチレンテレフタレート
の融点が223℃であるため、融点が223℃を越える
ものは過剰に結晶化を起こしたものであり、剛直すぎ、
成形性に劣る。融点の好ましい範囲は、190〜223
℃である。本発明でいうホモもしくは共重合ポリブチレ
ンテレフタレートとは、ブチレンテレフタレート単位を
主たる構成成分とするものであり、ここでいう「ブチレ
ンテレフタレート単位を主たる構成成分とするもの」と
は、テレフタル酸成分を全ジカルボン酸成分の75モル
%以上、テトラメチレングリコール成分を全ジオール酸
成分の75モル%以上含有するものである。この範囲を
外れる過剰な共重合割合の共重合ポリブチレンテレフタ
レートは、ガラス転移温度が低すぎ、カードとしての耐
熱性などに劣る可能性があるばかりか、フィルムの製膜
が難しくなる。なお、全ジカルボン酸成分中のテレフタ
ル酸成分および全ジオール酸成分中のテトラメチレング
リコール成分の割合は、前述の過剰な結晶化状態をとら
ない、すなわち、融点が223℃を越えなければ、勿論
100モル%であってもよい。
【0013】共重合ポリブチレンテレフタレートの共重
合成分としては、得られたフィルムの特性が本発明の範
囲を超えるなければ限定されないが、特に好ましいもの
として、以下のものを挙げることができる。
【0014】まず、ジカルボン酸成分としては、イソフ
タル酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフ
タレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニレンジカルボ
ン酸などの芳香族ジカルボン酸成分、シクロヘキサン−
1,4−ジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸成分、
コハク酸、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカル
ボン酸成分などがある。また、ジオール成分としては、
エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチ
レングリコールなどの脂肪族ジオール成分、シクロヘキ
サン−1,4−ジメタノールなどの脂環族ジオール成
分、ビスフェノールAなどの芳香族ジオール成分、ジエ
チレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテト
ラメチレングリコールなどのエーテル縮合型ジオール成
分などがある。その他に、p−ヒドロキシ安息香酸、ω
−ヒドロキシ酪酸、ω−ヒドロキシ吉草酸、乳酸などの
ヒドロキシカルボン酸成分、ポリカーボネートに見られ
るような炭酸成分、さらに、トリメリット酸、ピロメリ
ット酸やグリセリンなどの3官能以上の成分もある。こ
れらの中でも、諸特性の発揮のしやすさ、原料の入手の
しやすさ、共重合ポリエステルの製造のしやすさなどか
ら、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、
アジピン酸およびジエチレングリコールが特に好まし
い。
【0015】本発明のポリエステルフィルムを構成する
ポリエステルは、上記の共重合ポリエチレンテレフタレ
ートを少なくとも45重量%および上記のホモもしくは
共重合ポリブチレンテレフタレートを高々55重量%以
下含有することが必要である。共重合ポリエチレンテレ
フタレートが45重量%未満またはホモもしくは共重合
ポリブチレンテレフタレートが55重量%を超えたもの
は、結晶化速度の速いブチレンテレフタレート成分の比
率が過剰に多くなるため、脆化、不透明化などが起きや
すくなり、ICカードオーバーシート用として適さない
ものとなる。
【0016】本発明のポリエステルフィルムは、上述の
共重合ポリエチレンテレフタレートおよびホモもしくは
共重合ポリブチレンテレフタレートの融点および配合割
合のほかに、面配向係数が高々0.16であることを特
徴とする。ここで、面配向係数とは、アッベ法にて測定
された該フィルムの屈折率の各方向成分から、下記式
(1)によって計算されるものである。
【0017】
【数1】P=(nMD+nTD)/2−nZ … (1) (ここで、P:面配向係数、nMD:フィルム製膜方向の
屈折率、nTD:フィルム面に平行かつnMDと垂直な方向
の屈折率、nZ:フィルム面に垂直な方向の屈折率をそ
れぞれ示す)
【0018】面配向係数は、フィルム内における分子鎖
の配向状態を表すものであり、これが0.16を越える
ものでは、分子鎖が過度に配向しているため、加工の際
にフィルムが変形しにくい。なお、面配向係数の下限に
ついては、経時や熱履歴による脆化を抑制することか
ら、少なくとも0.001であることが好ましい。面配
向係数の好ましい範囲は、0.001〜0.14である。
【0019】このようなポリエステルフィルムは、従来
周知の手法により行うことができ、例えば、前述の共重
合ポリエチレンテレフタレートとホモもしくは共重合ポ
リブチレンテレフタレートとのペレットを、45:55
〜100:0の重量比で、混合−乾燥−溶融し、ダイか
ら冷却ドラム上に押出し急冷固化する方法にてフィルム
を製膜すればよい。なお、上述の面配向係数などフィル
ム特性を使用目的に合わせて調整するために、未延伸状
態の前記フィルムに、例えば、製膜方向、ついでそれに
垂直な巾方向に逐次延伸するような二軸延伸法を施した
後、熱固定処理を施しても良い。二軸延伸法における製
膜方向および巾方向の延伸倍率ならびに面積倍率は、そ
れぞれ4.5倍以下および5.0倍以下ならびに22.
5倍以下とすることが好ましい。製膜方向もしくは巾方
向の延伸倍率または面積倍率がそれぞれ上記範囲を越え
ると、前述の高々0.16という面配向係数が達成し難
い。さらに、フィルムの均一な延伸を達成するために
は、製膜方向および巾方向の延伸倍率ならびに面積倍率
を2.0〜4.5倍および2.0〜5.0倍ならびに
4.0〜22.5倍とすると特に好ましい。また、得ら
れた二軸延伸フィルムの熱収縮を抑制するために、15
0〜230℃で1〜180秒間の熱固定を施してもよ
い。
【0020】このようにして得られるICカード用ポリ
エステルフィルムは、磁気テープの埋め込みやエンボス
などに対し優れた加工性を有する。なお、該フイルムの
厚みは、0.5〜250μmの範囲にあることが、取扱
い性などの観点から好ましく、勿論、本発明の効果を損
なわない限りにおいて、本発明のポリエステルフィルム
は、各種添加剤、例えば安定剤、帯電防止剤、染料、顔
料、および難燃剤などを含有してもよい。
【0021】ところで、本発明のICカード用ポリエス
テルフィルムは、さらに径時安定性、耐熱性、成形加工
性または印刷性などの特性を向上させることができ、そ
れらの好ましい態様について、以下、詳述する。
【0022】第1に、成形加工性をさらに向上させるに
は、本発明のICカード用ポリエステルフィルムを構成
するポリエステルは、融点210〜245℃の共重合ポ
リエチレンテレフタレート45〜95wt%および融点
180〜223℃のホモもしくは共重合ポリブチレンテ
レフタレート5〜55wt%からなることが好ましい。
これらの共重合ポリエチレンテレフタレートおよびホモ
もしくは共重合ポリブチレンテレフタレートは、ポリマ
ー間の相溶性に優れるため、該ホモもしくは共重合ポリ
ブチレンテレフタレートが少なくとも5wt%存在する
ことで、フィルムのガラス転移温度を下げる効果が得ら
れ、成形加工時の分子鎖間の移動がスムーズに進行し易
くなる。該割合が5wt%未満では、成形性向上効果が
十分に発揮され難い。
【0023】ところで、ホモもしくは共重合ポリブチレ
ンテレフタレートを5wt%以上含有するものは、高目
の面配向係数でも高度の成形加工が可能であることか
ら、面配向係数を0.05〜0.16の範囲とすること
で、成形加工性を維持しつつさらに優れた径時安定性を
付与することができる。面配向係数が0.05未満で
は、例えば、ガラス転移温度近傍での熱処理や1ヶ月日
を越えるような長期の保管によって脆化が若干であるが
発生する場合がある。なお、このような面配向係数0.
05〜0.16のポリエステルフィルムは、製膜方向お
よび巾方向の配向をバランスさせ易いことから、二軸延
伸フィルムであることが好ましい。より好ましい共重合
ポリエチレンテレフタレートとホモもしくは共重合ポリ
ブチレンテレフタレートの含有量は、50〜90wt%
と10〜50wt%の範囲であり、より好ましい面配向
係数の範囲は、0.07〜0.13である。
【0024】第2に、耐熱性、特に180℃を越えるよ
うな高度の熱処理による白化を抑制するには、実質的に
融点が210〜245℃の共重合ポリエチレンテレフタ
レートからなる、換言すれば、ホモもしくは共重合ポリ
ブチレンテレフタレートを含有しないポリエステルから
なる、面配向係数が高々0.05のフィルムを採用する
ことが好ましい。このようなフィルムは、たとえば溶融
ポリマーをダイから冷却ドラム上に押出し急冷固化した
状態の未延伸フィルムにより達成することができる。こ
こで、「実質的に融点が210〜245℃の共重合ポリ
エチレンテレフタレートからなるポリエステル」とは、
ホモもしくは共重合ポリブチレンテレフタレートによる
影響が発現し難い、すなわち、ホモもしくは共重合ポリ
ブチレンテレフタレートの含有量が5wt%未満、より
好ましくは3wt%未満のポリエステルを意味する。こ
のようなポリエステルは、前述のホモもしくは共重合ポ
リブチレンテレフタレートの存在による成形性向上効果
が乏しいため、面配向係数は高々0.05であることが
好ましい。面配向係数の下限については、実用に耐え得
る径時安定性を確保する上から、少なくとも0.001
であることが好ましい。このように実質的に融点が21
0〜245℃の共重合ポリエチレンテレフタレートから
なるポリエステルフィルムは、ホモもしくは共重合ポリ
ブチレンテレフタレートが実質的に存在しないため、1
80℃を越えるような高温の熱処理を施しても白化が惹
起せず、高温キュアリングの必要な印刷などが表面に施
されるような用途に好ましく用いることができる。より
好ましい面配向係数の範囲は、0.01〜0.045の
範囲である。
【0025】第3に、本発明のポリエステルフィルムに
成形加工時の取扱い性をさらに向上させるには、平均粒
径が高々2.5μmの粒子を含有させることが好まし
い。該粒子の存在によって、適度な滑り性が得られ、フ
ィルムの取扱い性が極めて容易になる。粒子の種類は特
に限定されないが、シリカ、アルミナ、酸化チタン、炭
酸カルシウム、カオリンなどの無機微粒子、触媒残渣の
析出微粒子および/またはシリコーン、ポリスチレン架
橋体、アクリル系架橋体などの有機微粒子などを好まし
いのもとして挙げることができる。これらの粒子のフィ
ルム中への添加量は、0.001〜0.5重量%である
ことが好ましい。多すぎるとフィルムの透明性が損なわ
れ、オーバーシートとしての適用の際にコアシートにな
された印刷が不鮮明になる場合があり、一方少なすぎる
と滑り性が不足し、フィルムの取扱い性の向上効果が乏
しくなる。
【0026】第4に、本発明のポリエステルフィルムに
優れた印刷性を付与するには、該フィルムの少なくとも
片面に、主に易接着を目的とした塗膜を形成することが
好ましい。このような塗膜層は、印刷や磁気記録層など
の塗工、またはコアシートとの貼合せの際の接着剤の塗
工などにおいて、これらの層との接着性を向上させるこ
とができる。該塗膜層を構成する成分は、本発明の目的
を達成するものであればどのようなものを使用しても良
いが、中でも、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリ
ウレタン樹脂ならびにアクリルおよびビニル系樹脂変性
ポリエステル樹脂の中から選ばれた少なくとも1種類の
樹脂を主成分とする組成物からなることが特に好まし
い。
【0027】塗膜層として用いるポリウレタン樹脂とし
ては、それを構成する成分として以下のような多価ヒド
ロキシ化合物、多価イソシアネート化合物、鎖長延長
剤、架橋剤などを例示できる。すなわち、多価ヒドロキ
シ化合物としては、ポリオキシエチレングリコール、ポ
リオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチ
レングリコールのようなポリエーテル類、ポリエチレン
アジペート、ポリエチレン−ブチレンアジペート、ポリ
カプロラクトンのようなポリエステル類、ポリカーボネ
ート類、アクリル系ポリオール、ひまし油、などを用い
ることができる。多価イソシアネート化合物としては、
トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネー
ト、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシア
ネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート、などを用いるこ
とができる。鎖長延長剤あるいは架橋剤の例としては、
エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレ
ングリコール、トリメチロールプロパン、ヒドラジン、
エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、エチレンジ
アミン−ナトリウムアクリレート付加物、4,4’−ジ
アミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジシクロ
ヘキシルメタン、水などを用いることができる。これら
の化合物の中から、それぞれ適宜1つ以上選択して、常
法の重縮合−架橋反応によりポリウレタン系樹脂を合成
する。
【0028】塗膜層として用いるポリエステル樹脂とし
ては、それを構成する成分として以下のような多価カル
ボン酸および多価ヒドロキシ化合物を例示できる。すな
わち、多価カルボン酸としては、テレフタル酸、イソフ
タル酸、オルトフタル酸、4,4’−ジフェニルジカル
ボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカル
ボン酸、2−カリウムスルホテレフタル酸、5−ナトリ
ウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、
セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、グルタル酸、コハ
ク酸、トリメリット酸、トリメシン酸、無水トリメリッ
ト酸、無水フタル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、トリメ
リット酸モノカリウム塩、およびそれらのエステル形成
性誘導体、などを用いることができ、多価ヒドロキシ化
合物としては、エチレングリコール、1,2−プロピレ
ングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4
−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メ
チルー1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、p−キシ
リレングリコール、ビスフェノールA−エチレングリコ
ール付加物、ビスフェノールA−1,2−プロピレング
リコール付加物、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリテト
ラメチレンオキシドグリコール、ジメチロールプロピオ
ン酸、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジメチロ
ールエチルスルホン酸ナトリウム、ジメチロールプロピ
オン酸カリウム、などを用いることができる。これらの
化合物の中から、それぞれ適宜1つ以上選択して、常法
の重縮合反応によりポリエステル系樹脂を合成する。な
お、上記のほか、後述するアクリルおよびビニル系樹脂
変性ポリエステル樹脂や、ポリエステルポリオールをイ
ソシアネートで鎖延長したポリエステルポリウレタンな
どのポリエステル成分を有する複合高分子も本発明でい
うポリエステル系樹脂に含まれる。
【0029】塗膜層として用いるアクリル樹脂として
は、アルキルアクリレートあるいはアルキルメタクリレ
ートを主要な成分とするものが好ましく、当該成分が3
0〜90モル%であり、共重合可能でかつ官能基を有す
るビニル単量体成分70〜10モル%を含有する水溶性
あるいは水分散性樹脂である。アルキルアクリレートあ
るいはアルキルメタクリレートと共重合可能でかつ官能
基を有するビニル単量体は、官能基としてカルボキシル
基またはその塩、酸無水物基、スルホン酸基またはその
塩、アミド基またはアルキロール化されたアミド基、ア
ミノ基(置換アミノ基を含む)またはアルキロール化さ
れたアミノ基あるいはそれらの塩、水酸基、エポキシ基
などを有するビニル単量体である。これらの中でも特に
好ましいものはカルボキシル基またはその塩、酸無水物
基、エポキシ基などである。これらの基は樹脂中に2種
類以上含有されていてもよい。アルキルアクリレートお
よびアルキルメタクリレートのアルキル基の例として
は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2
−エチルヘキシル基、ラウリル基、ステアリル基、シク
ロヘキシル基などが挙げられる。アルキルアクリレート
あるいはアルキルメタクリレートと共重合する官能基を
有するビニル系単量体は、反応性官能基、自己架橋性官
能基、親水性基などの官能基を有する下記の化合物類が
使用できる。カルボキシル基またはその塩、酸無水物基
を有する化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、
イタコン酸、マレイン酸、これらのカルボン酸のナトリ
ウムなどとの金属塩、アンモニウム塩あるいは無水マレ
イン酸などが挙げられる。スルホン酸基またはその塩を
有する化合物としては、ビニルスルホン酸、スチレンス
ルホン酸、これらのスルホン酸のナトリウムなどとの金
属塩、アンモニウム塩などが挙げられる。アミド基ある
いはアルキロール化されたアミド基を有する化合物とし
ては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチル
メタクリルアミド、メチロール化アクリルアミド、メチ
ロール化メタクリルアミド、ウレイドビニルエーテル、
β−ウレイドイソブチルビニルエーテル、ウレイドエチ
ルアクリレートなどが挙げられる。アミノ基あるいはア
ルキロール化されたアミノ基あるいはそれらの塩を有す
る化合物としては、ジエチルアミノエチルビニルエーテ
ル、2−アミノエチルビニルエーテル、3−アミノプロ
ピルビニルエーテル、2ーアミノブチルビニルエーテ
ル、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルア
ミノエチルビニルエーテル、それらのアミノ基をメチロ
ール化したもの、ハロゲン化アルキル、ジメチル硫酸、
サルトンなどにより4級化したものなどが挙げられる。
水酸基を有する化合物としては、β−ヒドロキシエチル
アクリレート、β−ヒドロキシエチルメタクリレート、
β−ヒドロキシプロピルアクリレート、β−ヒドロキシ
プロピルメタクリレート、β−ヒドロキシエチルビニル
エーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6
−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、ポリエチレング
リコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモ
ノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノアク
リレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレー
トなどが挙げられる、エポキシ基を有する化合物として
は、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレー
トなどが挙げられる。その他官能基を有する化合物とし
て、ビニルイソシアネート、アリルイソシアネートなど
が挙げられる。さらに、エチレン、プロピレン、メチル
ペンテン、ブタジエン、スチレン、αーメチルスチレン
などのオレフィン類や、ビニルメチルエーテル、ビニル
エチルエーテル、ビニルトリアルコキシシラン、アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニリデン、塩
化ビニル、フッ化ビニリデン、四フッ化エチレン、酢酸
ビニルなどもビニル系単量体化合物として挙げられる。
【0030】塗膜層として用いるアクリルおよびビニル
系樹脂変性ポリエステル樹脂の水溶性または水分散性樹
脂は、ポリエステルの水溶性または水分散性樹脂中にお
いてアクリルおよびビニル系樹脂を重合することによっ
て合成できる。このポリエステルを構成する成分として
は、上述したものと同様の多価カルボン酸および多価ヒ
ドロキシ化合物およびこれらの化合物のエステル形成性
誘導体を例示でき、これらの化合物の中から、それぞれ
適宜1つ以上選択して、常法の重縮合反応によりポリエ
ステル樹脂を合成したのち水溶性または水分散性樹脂と
する。アクリルおよびビニル系樹脂を構成する成分とし
ては、やはり上述したものと同様のアルキルアクリレー
トあるいはアルキルメタクリレート、またこれらと共重
合する上述したものと同様のビニル系単量体化合物の1
種あるいは2種以上を適宜用いることができる。本発明
のアクリルおよびビニル系樹脂変性ポリエステル樹脂の
水溶性または水分散性樹脂として、特開平1−1656
33号公報に記載されている、いわゆるアクリルグラフ
トポリエステルのような分子構造を持つものも含まれ
る。勿論、該塗膜は上記成分以外にメラミン樹脂等の他
の樹脂、帯電防止剤、着色剤、界面活性剤、紫外線吸収
剤等を使用してもよい。
【0031】特に、ICカードとしての使用に際して
は、静電気が発生しないことが好ましいので、帯電防止
剤を含んだ塗膜を有することは、きわめて好ましい形態
の1つである。
【0032】このような塗膜を、本発明のポリエステル
フィルムの少なくとも片面に形成する方法としては、例
えば、延伸可能なポリエステルフィルムに塗膜を形成す
る成分を含む液体(水溶液または水分散液が好ましい)
を塗布したのち、乾燥、延伸し必要に応じて熱処理する
ことにより積層すればよい。この水溶液または水分散液
の塗工は、通常の塗工工程、すなわち、二軸延伸熱固定
したポリエステルフィルムに該フィルムの製造工程と切
り離した工程で行うよりも、よりクリーンな雰囲気での
塗布、すなわち該フィルムの製造工程中で行う方が、埃
やちり等を巻き込み難いので好ましい。また、該フィル
ムの製造工程中で行う塗布の中でも、延伸可能なポリエ
ステルフィルムの状態で塗布することが、後の延伸によ
って、塗膜のポリエステルフィルムへの密着性をより向
上させることができることからより好ましい。ここで、
「延伸可能なポリエステルフィルム」とは、未延伸ポリ
エステルフィルム、一軸延伸ポリエステルフィルムまた
は二軸延伸ポリエステルフィルムを意味し、この中で
も、フィルム製膜方向(縦方向)に一軸延伸したポリエ
ステルフィルムが特に好ましい。塗布方法としては、公
知の任意の塗布方が適用でき、例えば、ロールコート
法、グラビアコート法、ロールブラッシュ法、スプレー
コート法、エアーナイフコート法、含浸法およびカーテ
ンコート法などを単独または組み合わせて用いることが
出来る。塗布量は走行しているフィルム1m2当たり
0.5〜20g、さらに1〜10gが好ましい。
【0033】
【実施例】以下、実施例を掲げて本発明を更に詳細に説
明する。また、フィルムの特性は以下の方法で測定およ
び評価を行った。
【0034】(1)融点 試料を20mgサンプリングし、アルミニウムパンに充
填したものをDSC装置(DuPont Instru
ment 910 DSC)にセットし、20℃/分の
速度で室温から昇温した。空のアルミニウムパンを対照
として熱量変化を記録し、もっとも高温部の吸熱のピー
クに相当する温度を融点(℃)とした。
【0035】(2)面配向係数 試料の各方向成分の屈折率をアッベ法にて測定し、得ら
れた屈折率から、下記式(1)によって計算した。
【0036】
【数2】P=(nMD+nTD)/2−nZ … (1) (ここで、P:面配向係数、nMD:フィルム製膜方向の
屈折率、nTD:フィルム面に平行かつnMDと垂直な方向
の屈折率、nZ:フィルム面に垂直な方向の屈折率、を
それぞれ示す)
【0037】(3)埋込み加工性 試料に、厚み12μm幅7mmのポリエチレンテレフタ
レート二軸延伸フィルム(PETテープ)を重ね合せ、
180℃に設定した加熱プレス機にて1.96MPa
(20kg/cm2)の圧力で15分間プレスした。抜
重後、加圧部分をPETテープの厚み方向に沿ってスラ
イスし、断面を観察した。そして、PETテープの試料
への陥入状態を以下の基準にて評価した。 ◎:PETテープが試料内に完全に陥入し、陥入部分は
完全に平滑 ○:PETテープが完全に陥入しているが、PETテー
プと周囲の試料の境界には段差が見られる △:PETテープの陥入は不完全 ×:PETテープがまったく陥入してない
【0038】(4)加熱時白化 (3)の評価後の試料の状態を観察して、以下の基準に
て評価した。 ○:まったく白化せず透明なまま △:若干の濁りが見られる ×:完全に白化する
【0039】(5)耐熱性 試料を180℃の熱風循環型オーブン中に2分間放置
し、試料の外観の変化を、以下の基準にて評価した。 ○:フィルム外観に変化が見られない △:若干の濁りおよび/または若干の平面性の変化が見
られる ×:フィルムの透明性および/または平面性が著しく損
なわれる
【0040】(6)重ね合せ接着性 易接着処理(塗膜層の形成)を施している試料におい
て、試料の易接着処理面(塗膜層)同士を市販のエポキ
シ系接着剤を介して圧着し、引張試験機(東洋ボールド
ウィン社 テンシロン)を用いて100mm/分の速度
で90°剥離試験を行い、剥離状況から以下の基準にて
評価した。 ○:試料が破断、または接着剤もしくは試料が凝集破壊 △:一部に試料〜接着剤間の界面剥離が見られる ×:試料〜接着剤間が完全に界面剥離する
【0041】[実施例1]固有粘度0.65のポリエチ
レン(テレフタレート−イソフタレート)共重合体(テ
レフタル酸成分/イソフタル酸成分モル比=88/1
2)55重量%と固有粘度0.9のポリブチレンテレフ
タレート45重量%のペレットの混合物(平均粒径1.
5μmの球状シリカ粒子を0.1重量%含有する)を乾
燥した後、押出機に供給し、20℃に維持した回転冷却
ドラム上に溶融押出して厚み100μmの未延伸フィル
ムを得た。次いで得られたフィルムの片面に、メタクリ
ル酸メチル(30mol%)、アクリル酸エチル(55
mol%)、アクリロニトリル(10mol%)及びN
−メチロールメタクリルアミド(5mol%)から作成
されたアクリル共重合体(数平均分子量=25800
0)65重量%、以下の一般式
【0042】
【化1】
【0043】で示される高分子帯電防止剤(ポリアクリ
ルアミド)30重量%、ポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテル5重量%からなる固形分組成の1.5重量
%水性液を4g/m2(wet)の量マイクログラビア
コート法にて塗布し、乾燥して厚さ0.15μmの塗膜
を形成した。得られたフィルムの特性を表1に示す。
【0044】[実施例2]厚み960μmの未延伸フィ
ルムを作製し、次いで製膜方向(以下、縦方向)に3.
0倍延伸した後、フィルムの片面に、実施例1と同じ固
形分組成の5重量%水性液を4g/m2(wet)の量
マイクログラビアコート法にて塗布し、テンター内にて
乾燥に引続き製膜方向に垂直(以下、横方向)に3.2
倍延伸し、さらに横方向を把持したまま該方向に全幅の
3%の弛緩を与えながら190℃で熱処理して二軸延伸
ポリエステルフィルム(フィルム厚み100μm、塗膜
層の厚み0.15μm)とした以外は、実施例1と同様
な操作を繰り返した。得られたフィルムの特性を表1に
示す。
【0045】[実施例3および比較例5]フィルム素材
として使用した、ポリエチレン(テレフタレート−イソ
フタレート)共重合体とポリブチレンテレフタレートの
混合比を表1に示すように変更した以外は、実施例1と
同様な操作を繰り返した。得られたフィルムの特性を表
1に示す。
【0046】[実施例4および比較例6]フィルム素材
として使用した、ポリエチレン(テレフタレート−イソ
フタレート)共重合体とポリブチレンテレフタレートの
混合比を表1に示すように変更した以外は、実施例2と
同様な操作を繰り返した。得られたフィルムの特性を表
1に示す。
【0047】[実施例5、6]フィルム素材として、固
有粘度0.65(35℃のo−クロロフェノール中で測
定、以下同じ)のポリエチレン(テレフタレート−イソ
フタレート)共重合体(テレフタル酸成分/イソフタル
酸成分モル比=88/12)を用いた以外は、それぞれ
実施例1または2と同様な操作を繰り返した。得られた
フィルムの特性を表1に示す。
【0048】[実施例7〜10、比較例1〜4]フィル
ム素材として、固有粘度0.65のポリエチレン(テレ
フタレート−イソフタレート)共重合体(テレフタル酸
成分/イソフタル酸成分モル比は表1の通り)を用いた
以外は、実施例7および9は1と、実施例8および10
は2と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの
特性を表1に示す。
【0049】[実施例11、12]フィルム素材とし
て、固有粘度0.65のポリエチレン(テレフタレート
−ナフタレン−2,6−ジカルボキシレート)共重合体
(テレフタル酸成分/ナフタレン−2,6−ジカルボン
酸成分モル比=88/12)を用いた以外は、それぞれ
実施例1、2と同様にしてフィルムを得た。得られたフ
ィルムの特性を表1に示す。
【0050】[実施例13、14]フィルムへの塗工を
行わなかった以外は、それぞれ実施例1、2と同様にし
てフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示
す。
【0051】[比較例7]未延伸フィルムの厚さを17
00μmにし、フィルム製膜時の延伸倍率を、縦方向:
3.8、横方向:4.4とした以外は、実施例2と同様
にしてフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1
に示す。
【0052】
【表1】
【0053】表中のPETは、ジオール成分が全てエチ
レングリコール成分からなる共重合ポリエチレンテレフ
タレートであり、また、TAはテレフタル酸成分、IA
はイソフタル酸成分およびNDCAはナフタレン−2,
6−ジカルボン酸成分を示し、PBTはポリブチレンテ
レフタレートのホモポリマーを示す。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、良好な加工性を有し、
特にICカードのオーバーシートとしての用途に適した
ICカード用ポリエステルフィルムを提供することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C005 MA19 MA28 MB08 PA03 PA15 4F071 AA45 AA46 AH14 AH19 BA01 BB06 BB08 BC01 5B035 AA04 BA05 BB09

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融点が210〜245℃の共重合ポリエ
    チレンテレフタレートを少なくとも45wt%および融
    点が180〜223℃のホモもしくは共重合ポリブチレ
    ンテレフタレートを高々55wt%含有するポリエステ
    ルからなり、面配向係数が高々0.16であることを特
    徴とするICカード用ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 ポリエステルが、実質的に融点210〜
    245℃の共重合ポリエチレンテレフタレートからなる
    請求項1記載のICカード用ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 ポリエステルが、融点210〜245℃
    の共重合ポリエチレンテレフタレート45〜95wt%
    および融点180〜223℃のホモもしくは共重合ポリ
    ブチレンテレフタレート5〜55wt%からなる請求項
    1記載のICカード用ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】 面配向係数が高々0.05である請求項
    2記載のICカード用ポリエステルフィルム。
  5. 【請求項5】 面配向係数が、0.05〜0.16であ
    る請求項3記載のICカード用ポリエステルフィルム。
  6. 【請求項6】 少なくとも片面に、ポリエステル樹脂、
    アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂ならびにアクリルまた
    はビニル系変成ポリエステル樹脂からなる群より選ばれ
    た少なくとも一つからなる塗膜層を形成する請求項1〜
    5のいずれかに記載のICカード用ポリエステルフィル
    ム。
  7. 【請求項7】 少なくとも片面に、請求項1〜6いずれ
    かに記載のICカード用ポリエステルフィルムを貼付す
    ることを特徴とするICカード。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007182509A (ja) * 2006-01-10 2007-07-19 Mitsubishi Polyester Film Copp 成形転写用二軸延伸ポリエステルフィルム
CN110997847A (zh) * 2017-07-06 2020-04-10 德莎欧洲股份公司 具有抗分裂性的pet载体的自胶粘带

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JP2007182509A (ja) * 2006-01-10 2007-07-19 Mitsubishi Polyester Film Copp 成形転写用二軸延伸ポリエステルフィルム
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