JP2001280309A - 揺動アクチュエータ - Google Patents

揺動アクチュエータ

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JP2001280309A
JP2001280309A JP2000096426A JP2000096426A JP2001280309A JP 2001280309 A JP2001280309 A JP 2001280309A JP 2000096426 A JP2000096426 A JP 2000096426A JP 2000096426 A JP2000096426 A JP 2000096426A JP 2001280309 A JP2001280309 A JP 2001280309A
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actuator
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JP2000096426A
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Futoshi Yamamoto
太 山本
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Nok Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボディの内部で揺動する揺動部材3と、揺動
部材3に従動するテーブル31とを備えた揺動アクチュ
エータにおいて、テーブル31が回転方向にガタついた
り、テーブル31の揺動角度か変わってしまったりする
のを抑えることができ、もってテーブル31を高精度に
揺動させることが可能な揺動アクチュエータを提供す
る。 【解決手段】 揺動部材3が、ボディに軸受を介して回
転自在に支持される軸方向一対の回転部3gと、この一
対の回転部3gの間に配置された軸部3cと、一対の回
転部3gの間であってかつ軸部3cの外周側円周上一箇
所に配置された可動翼3dとを一体に備えるとともに、
この揺動部材3にテーブル31が一体成形されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、揺動アクチュエー
タに係り、更に詳しくは、ボディの内部で揺動する揺動
部材と、ワーク等を取り付けるテーブルとを備え、揺動
部材にテーブルを従動させる機能を備えた揺動アクチュ
エータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図11に示すように、公知の揺動アクチ
ュエータ51においては、作動流体である圧縮空気の給
排により揺動する揺動部材52が、可動翼54を備えた
軸53と、軸53に固定されたストッパレバー55と、
軸53の上端部に固定されたプレート56と、ストッパ
レバー55およびプレート56に複数のボルト58によ
り固定されたテーブル57とよりなる多数の部品群によ
り構成されており、これらの部品群にあって軸53、プ
レート56およびテーブル57が軸方向一対の軸受59
を介してボディ60に回転自在に支持されている(実用
新案登録第2521778号公報参照)。
【0003】しかしながら、この従来の揺動アクチュエ
ータ51においては、揺動角度の調整部材61に衝接す
るストッパレバー55が上記したように軸53に固定さ
れるとともに、このストッパレバー55にテーブル57
がボルト止めされているために、これらの部品の締結部
に緩みやへたり等が発生し易く、このように締結部に緩
みやへたり等が発生すると、テーブル57が回転方向に
ガタついたり、テーブル57の揺動角度が変わってしま
う等の不都合を生じることがある。また、締結部を構成
する構成部品によって製作コストが高いと云う不都合が
あり、上記構成の揺動角度の調整機構を備えているため
にアクチュエータ51全体が軸方向に大きくなってしま
うと云う不都合もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の点に鑑
みて、ワーク等の被取付部材を取り付けるテーブルが回
転方向にガタついたり、テーブルの揺動角度か変わって
しまったりするのを抑えることができ、もってテーブル
を高精度に揺動させることが可能な揺動アクチュエータ
を提供することを目的とする。また、部品点数が比較的
少なく、もって製作コストを低く抑えることが可能な揺
動アクチュエータを提供することを目的とする。
【0005】また、揺動部材に設けられた可動翼が調整
部材に当接するときに大きな捩りモーメントが発生する
のを抑えることができ、もって揺動部材を回転可能に支
持する軸受に大きな負担がかかるのを防止することが可
能な揺動アクチュエータを提供することを目的とする。
また、揺動角度の調整機構を備えていてもアクチュエー
タが軸方向に大きくなることがなく、もってアクチュエ
ータを小型化することが可能な揺動アクチュエータを提
供することを目的とする。
【0006】また、固定翼をボディに固定する手段を別
途設ける必要がなく、もってこの点からも部品点数を削
減し、製作コストを低く抑えることが可能な揺動アクチ
ュエータを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の請求項1による揺動アクチュエータは、ボ
ディの内部で揺動する揺動部材と、前記揺動部材に従動
するテーブルとを備えた揺動アクチュエータにおいて、
前記揺動部材が、前記ボディに軸受を介して回転自在に
支持される軸方向一対の回転部と、前記一対の回転部の
間に配置された軸部と、前記一対の回転部の間であって
かつ前記軸部の外周側円周上一箇所に配置された可動翼
とを一体に備えるとともに、前記揺動部材に前記テーブ
ルが一体成形されていることを特徴とするものである。
【0008】また、本発明の請求項2による揺動アクチ
ュエータは、ボディと、前記ボディの軸方向の略中央に
穿設され、少なくとも一端が外部に開口する円筒孔と、
前記円筒孔に固定された固定翼と、前記円筒孔内に往復
揺動自在に支持された揺動部材と、前記揺動部材に設け
られた可動翼とを備え、前記円筒孔内に固定翼と可動翼
により仕切られた一対の圧力室に圧縮空気を給排するこ
とにより前記揺動部材を揺動させる揺動アクチュエータ
において、前記揺動部材の一端に前記ボディの一端面よ
り外部に突出するテーブルを一体的に形成するととも
に、前記テーブルの端面に複数のねじ手段を螺設したこ
とを特徴とするものである。
【0009】また、本発明の請求項3による揺動アクチ
ュエータは、ボディと、前記ボディの軸方向の略中央に
穿設され、少なくとも一端が外部に開口する円筒孔と、
前記円筒孔に固定された固定翼と、前記円筒孔内に往復
揺動自在に支持された揺動部材と、前記揺動部材に設け
られた可動翼とを備え、前記円筒孔内に固定翼と可動翼
により仕切られた一対の圧力室に圧縮空気を給排するこ
とにより前記揺動部材を揺動させる揺動アクチュエータ
において、前記揺動部材に前記可動翼を一体的に形成す
るとともに、先端が前記可動翼の軸方向略中央に当接可
能に前記一対の圧力室内に突出する一対の調整部材を前
記ボディに進退可能に設けたことを特徴とするものであ
る。
【0010】また、本発明の請求項4による揺動アクチ
ュエータは、上記した請求項3の揺動アクチュエータに
おいて、ボディを貫通して一対の圧力室内に突出する一
対の調整部材を固定翼に進退可能に螺合したことを特徴
とするものである。
【0011】上記構成を備えた本発明の請求項1による
揺動アクチュエータにおいては、ボディの内部で揺動す
る揺動部材が、ボディに軸受を介して回転自在に支持さ
れる軸方向一対の回転部と、この一対の回転部の間に配
置された軸部と、一対の回転部の間であってかつ軸部の
外周側円周上一箇所に配置された可動翼とを一体に備え
るとともに、この揺動部材にテーブルが一体成形されて
いるために、この揺動部材は上記構成要素が全て一体物
であって、この揺動部材には部品の締結部が存在しな
い。したがって、上記従来技術のように部品締結部に緩
みやへたり等が発生することがないために、この緩みや
へたり等を原因としてテーブルが回転方向にガタついた
り、テーブルの揺動角度が変わってしまうのを防止する
ことが可能となる。また、部品点数が削減されるため、
製作コストを低減させることが可能となる。
【0012】また、上記構成を備えた本発明の請求項2
による揺動アクチュエータにおいては、ボディの円筒孔
内に揺動自在に支持された揺動部材の一端にテーブルが
一体形成されているために、揺動部材とテーブルの間に
部品締結部が存在しない。したがって、上記従来技術の
ように部品締結部に緩みやへたり等が発生することがな
いために、この緩みやへたり等を原因としてテーブルが
回転方向にガタついたり、テーブルの揺動角度が変わっ
てしまうのを防止することが可能となる。また部品点数
が削減されるため、製作コストを低減させることが可能
となる。
【0013】また、上記構成を備えた本発明の請求項3
による揺動アクチュエータにおいては、揺動部材に可動
翼が一体形成されているために、部品点数を削減するこ
とができ、これにより製作コストを低減させることが可
能となる。また、一対の調整部材の先端が、揺動部材に
設けられた可動翼の軸方向略中央に当接するように構成
されているために、揺動部材に圧縮空気の押圧による捩
りモーメントが発生せず、これにより揺動部材を揺動可
能に支持している軸受に捩りモーメントによる力が作用
するのを防止することが可能となる。また、圧力室内で
調整部材が可動翼に当接するために、揺動角度の調整機
構を備えていてもアクチュエータが軸方向に大きくなる
ことがない。
【0014】またこれに加えて、上記構成を備えた本発
明の請求項4による揺動アクチュエータにおいては、ボ
ディを貫通して一対の圧力室内に突出する一対の調整部
材が固定翼に進退可能に螺合されているために、固定翼
をボディに固定する手段を別途設ける必要がない。
【0015】
【発明の実施の形態】つぎに本発明の実施例を図面にし
たがって説明する。
【0016】図1は、本発明の実施例に係る揺動アクチ
ュエータ1の正面図、図2は右側面図、図3は左側面
図、図4は背面図、図5は平面図、図6は底面図をそれ
ぞれ示している。また、図7は図1におけるA−A線断
面図、図8は図2におけるB−B線断面図、図9は図1
におけるC−C線断面図であり、図10は揺動部材3お
よび一方の調整部材15の分解斜視図である。
【0017】当該実施例に係る揺動アクチュエータ1は
ベーン形揺動アクチュエータであって、先ず、軽量でか
つ耐食性および加工性に優れたアルミ合金によって成形
された角筒状のボディ2を有しており、この非磁性体製
のボディ2の軸方向(図1における上下方向)に沿って
略中央に穿設された円筒状の円筒孔(貫通孔とも称す
る)2aに同じく円筒状の揺動部材(揺動体とも称す
る)3が内挿されている。揺動部材3の軸方向両端部に
形成された一対の縮径部3aと円筒孔2aの内面との間
にそれぞれ深溝玉軸受4が配設されており、この一対の
軸受4を介して揺動部材3がボディ2に対して回転自在
に支持されている。
【0018】円筒孔2aの上端部に孔用止め輪5が配設
されるとともに、ボディ2の下端面2bに円筒孔2aを
塞ぐ蓋板6が皿小ネジ7によって取り付けられており、
蓋板6が一対の軸受4を孔用止め輪5に押圧することに
より軸方向の隙間が取り除かれている。すなわち、互い
に対向する蓋板6とボディ2の下端面との間に隙間が設
けられて、一対の軸受4の外輪が蓋板6および孔用止め
輪5に圧接しているために、揺動部材3が軸方向にガタ
つくのが防止されている。皿小ネジ7の締付トルクを一
定にすれば、軸受4の内部隙間を一定にすることが可能
である。皿小ネジ7の代わりに蓋板6の外周にねじ手段
を設けて、蓋板6をボディ2に直接ねじ込むようにして
も良い。
【0019】上記構成により、円筒孔2aの内径寸法に
略等しい外径寸法を有する比較的大きな一対の軸受4が
ボディ2の軸方向両端に配設されているために、当該ア
クチュエータ1は比較的大きなモーメントを支えること
が可能とされている。すなわち、円筒孔2aに深溝玉軸
受4を取り付けることで、この深溝玉軸受4は径が大き
くなり、大きな荷重を支えることができる。また、揺動
部材3はボディ2の両端で許容荷重の大きい一対の深溝
玉軸受4に支持されているので、大きな偏心荷重を作用
させることができる。また、深溝玉軸受4はラジアル方
向の荷重の他にスラスト方向の荷重を負荷することがで
きるので、揺動部材3は大きなスラスト荷重を作用させ
ることもできる。一対の深溝玉軸受4の代わりに対向す
る一対のアンギュラ玉軸受を使えば、更に大きなスラス
ト荷重を作用させることもできる。
【0020】図10に示すように、円筒形の揺動部材3
は、ボディ2と同様、軽量でかつ耐食性および加工性に
優れたアルミ合金により一体的に成形されており、一対
の縮径部3aの軸方向内側に一対のフランジ部3bを介
して軸部(中心軸部とも称する)3cが設けられてお
り、この軸部3cから可動翼3dが一対のフランジ部3
bの外周面まで半径方向に延設されている。縮径部3a
およびフランジ部3bはこの両者3a,3bにより円板
状の回転部3gを構成しており、軸方向一対の回転部3
gの間に軸部3cおよび可動翼3dが一体成形されてい
る。縮径部3aは比較的小径の円板形状、フランジ部3
bは比較的大径の円板形状であって、この大小の円板体
が同軸上に配置されており、小径部3aの外周に軸受4
の内輪が嵌合されている。また、一対のフランジ部3b
および可動翼3dには円筒孔2aの内面との間で気密を
保持するシール手段8が設けられており、一対のフラン
ジ部3bにはそれぞれ圧縮空気の外部漏れを防ぐOリン
グ等のシール手段9が設けられている。前者のシール手
段8は、各フランジ部3bの外周面に沿って配置された
軸方向一対の周方向部分8aと、可動翼3dの外周面の
周方向両縁部においてそれぞれ軸方向に沿って配置され
た周方向一対の軸方向部分8bとを一体に有しており、
これらの部分8a,8bが一本のエンドレス線をなして
いる。尚、当該実施例では、このシール手段8としてゴ
ム状弾性部材を揺動部材3に焼き付けているが、揺動部
材3に装着溝を形成してこの装着溝にゴム状弾性部材で
製作したトラックシール等を装着するようにしても良
い。
【0021】ボディ2の円筒孔2a内に、固定翼10が
揺動部材3の一対のフランジ部3bに挟まれた状態で配
設されており、この固定翼10に円筒孔2aの内面なら
びに揺動部材3の軸部3cおよび一対のフランジ部3b
との間で気密を保持するシール手段11が設けられてい
る。尚、当該実施例では、シール手段11としてゴム状
弾性部材で製作したトラックシールを装着溝に装着して
いるが、固定翼10にゴム状弾性部材を焼き付けるよう
にしても良い。
【0022】揺動部材3の軸部3cと一対のフランジ部
3bとが交わる角部には滑らかな曲面3eが設けられて
おり、固定翼10のこれに対応する部分にも前記曲面3
eに合う滑らかな曲面10aが設けられている。したが
ってシール手段8のシール性が高められている。
【0023】以上の構成により、ボディ2の円筒孔2a
内に、揺動部材3の可動翼3dおよび固定翼10により
仕切られた一対の圧力室12が形成されている。
【0024】ボディ2の正面2cに一対の配管ポート1
3が設けられており、この一対の配管ポート13が流路
14を介して一対の圧力室12に連通している。また同
じくボディ2の正面2cに、一対の圧力室12に開口す
る一対の貫通孔(差込み孔とも称する)2dが設けられ
ており、この一対の貫通孔2dに一対の調整部材(揺動
部材停止位置調整部材とも称する)15が差し込まれて
いる。この一対の調整部材15はそれぞれ圧力室12内
で固定翼10に対して進退自在に螺合されており、ボデ
ィ2の外部で固定用ナット16に螺合している。また、
このナット16とボディ2との間には、調整部材15と
貫通孔2dの内面との間の気密を保持するシールワッシ
ャ17が装着されている。
【0025】この調整部材15は固定翼10から圧力室
12内に突出しており、この調整部材15の先端部に可
動翼3dが揺動時に当接することにより揺動部材3の揺
動が停止せしめられるとともに、この調整部材15の進
退具合に応じて揺動部材3の揺動角度が調整される。ま
た、この調整部材15は固定翼10をボディ2に固定す
る機能を兼ね備えており、これにより固定翼10をボデ
ィ2に固定する手段を別途必要としないために、製作コ
ストを低く抑えることができるだけでなく、当該アクチ
ュエータ1をコンパクトに構成することが可能とされて
いる。また、この調整部材15が、配管ポート13が設
けられたボディ2の正面2cに配設されているために、
揺動角度の調整と揺動速度の調整とをボディ2の同一面
で行なうことができ、作業性が頗る良い。また、揺動角
度の調整機構を備えていてもアクチュエータ1が大きく
なったり、アクチュエータ1の取付けに制約が生じたり
することもなく、更には調整部材15が可動翼3dにそ
の軸方向中央ないし略中央で当接するために、当接の際
に捩りモーメントが発生することもない。したがって、
軸受4に捩りモーメントによる力が作用することがな
い。
【0026】揺動部材3に、その外周面に開口する穴部
3fが設けられており、この穴部3f内に被検出体18
であるマグネットが配設されて接着剤で固定されてい
る。したがって、この被検出体18は当該アクチュエー
タ1の作動流体である圧縮空気によって脱落したり、揺
動部材3の揺動端で他の部材と衝突して破損したりする
ことがない。
【0027】ボディの両側面2e,2e’にそれぞれ、
その長手方向に沿ってかつ揺動部材3の揺動中心軸線0
と平行にセンサ取付溝21が延設されており、このセン
サ取付溝21にそれぞれ位置検出センサ22が収容され
ている。この位置検出センサ22は固定具25およびね
じ部材26によりセンサ取付溝21内で所望の位置に移
動可能に固定されている。また、この位置検出センサ2
2は、センサケース23内に収容された磁気近接スイッ
チを備えており、揺動部材3の外周面に配設された被検
出体18であるマグネットの接近によって信号を出力
し、所望の箇所に伝達する。
【0028】また、ボディ2には、その正面2cから背
面2gに貫通する複数の貫通孔2hが設けられており、
背面2gには貫通孔2hと同軸に複数の雌ねじ状のねじ
手段2iが設けられている。また、ボディ2の背面2g
には、位置決めピンを嵌入する丸孔2jおよび長孔2k
がそれぞれ高精度に仕上げられており、これらによりボ
ディ2の取付再現性ないし取付位置の正確性が確保され
ている。
【0029】また、ボディ2には、その右側面2eから
左側面2e’に貫通する複数の貫通孔2mが設けられて
おり、右側面2eおよび左側面2e’にはそれぞれ貫通
孔2mと同軸に複数の雌ねじ状のねじ手段2nが設けら
れている。また、右側面2eおよび左側面2e’にはそ
れぞれ、位置決めピンを嵌入する丸孔2pおよび長孔2
qが高精度に仕上げられており、これらによりボディ2
の取付再現性ないし取付位置の正確性が確保されてい
る。
【0030】また、ボディ2には、その上面2fから下
面2bに貫通する複数の貫通孔2rが設けられており、
上面2fおよび下面2bにはそれぞれ貫通孔2rと同軸
に複数の雌ねじ状のねじ手段2sが設けられている。ま
た、下面2bにはそれぞれ位置決めピンを嵌入する丸孔
2tおよび長孔2uが、上面2fには円筒孔2aの端部
および、位置決めピンを嵌入する長孔2vがそれぞれ高
精度に仕上げられており、これらによりボディ2の取付
再現性ないし取付位置の正確性が確保されている。
【0031】尚、上記貫通孔2h,2m,2rおよびね
じ手段2i,2n,2sは、ボディ2をロボットのヘッ
ドや設備の架台等へ取り付ける取付手段として選択的に
利用される。
【0032】また、このように当該アクチュエータ1
は、ボディ2の取付面として正面2cを除く5面を選択
することができるために、取付自由度が非常に大きいも
のであり、特に上面2fを取付面として使用すると、フ
ランジ等の連結部材(図示せず)を1枚介在させるだけ
でボディ2をロボットのヘッドに対して同軸に固定する
ことが容易にでき、設備の製造コストを低く抑えること
ができる。尚、この場合には、ボディ2の上面2fから
位置検出センサ22のリード線24が延出しているの
で、連結部材には必要な逃げ加工を施すことになる。ま
た、センサケース23が僅かに飛び出る場合にも同様に
逃げ加工を施すことになる。
【0033】また、ボディ2内部の揺動部材3には、ボ
ディ2の下面2bより外部に突出するテーブル31が一
体的に設けられており、このテーブルの端面31aに、
ワークやツールを取り付けるための複数の雌ねじ状のね
じ手段31bが設けられている。また、位置決めピンを
嵌入する長孔31cや、ワークやツール等を取り付ける
連結板(図示せず)に形成された孔部と嵌合することに
なるテーブル31の外周面31dが高精度に仕上げられ
ており、これらにより取付再現性ないし取付位置の正確
性が確保されている。
【0034】この揺動部材3において、軸受4を嵌合す
る一対の縮径部3aとテーブル31とはこれらを容易に
同軸加工することが可能である。また、ボディ2の円筒
孔2aが圧力室12、軸受4の外輪のハウジングおよび
位置決め孔を兼ね備えているために、上面2f側の円筒
孔2aの端部開口を基準としたテーブル31の円周振れ
量を著しく小さくすることができる。また、上記したよ
うに一対の軸受4の外径寸法が円筒孔2aの内径寸法に
略等しく設定されているために、比較的大きなモーメン
トを支えることができる。更に、テーブル31と可動翼
3dとが一体に成形されているために、テーブル31と
可動翼3dとの間で緩み等が生じることがない。したが
って、これらにより高精度でかつ高剛性の揺動アクチュ
エータ1を提供することができる。
【0035】つぎに上記構成の揺動アクチュエータ1の
作動について説明する。
【0036】すなわち先ず、図示しない圧縮空気供給源
および切換弁から一方の配管ポート13および流路14
を介して一方の圧力室12に作動流体である圧縮空気を
供給するとともに、他方の流路14、配管ポート13お
よび図示しない切換弁を介して他方の圧力室12を大気
に開放すると、揺動部材3の可動翼3dが圧縮空気によ
り押圧されて揺動部材3が一方向に回転し、可動翼3d
が、固定翼10から他方の圧力室12内に突出している
一方の調整部材15の端部に当接すると、揺動部材3の
回転が停止する。揺動部材3の停止位置ないし揺動角度
の大きさは、調整部材15の突出量を変更することによ
り容易に調整することが可能である。調整部材15の端
部が固定翼10から突出していない場合には、可動翼3
dが固定翼10の端面に直接当接することにより揺動部
材3が停止する。一対の調整部材15はそれぞれ可動翼
3dの軸方向中央ないし略中央に配設されているため
に、当接の際に捩りモーメントが発生することはなく、
軸受4に捩りモーメントによる力が作用することがな
い。ボディ2内部の揺動部材3の可動翼3dが揺動範囲
の一方の端限に達したことは、ボディ2外面の一方のセ
ンサ取付溝21に取付固定された一方の位置検出センサ
22に内蔵された磁気近接スイッチが被検出体18であ
るマグネットの磁界を検出することにより検知され、磁
気近接スイッチからリード線24を介してシーケンサ等
に信号が送られる。
【0037】すなわち、当該アクチュエータ1において
は、ボディ2外面の両側面2e,2e’に設けられたセ
ンサ取付溝21にそれぞれ位置検出センサ22が一つず
つ取り付けられ、揺動部材3がその揺動の両端限で停止
したときにそれぞれ位置検出センサ22が被検出体18
のマグネットの磁界を検出して外部に信号を送る。上記
したように揺動部材3は調整部材15により揺動角度を
調整され、調整の際には揺動部材3の穴部3fに配設さ
れた被検出体18の停止位置も同時に変更される。した
がって、このように被検出体18の停止位置が変更され
ても位置検出センサ22が正確に作動するように、位置
検出センサ22の取付固定位置をセンサ取付溝21内で
溝幅方向に変更する。
【0038】つぎに、図示しない切換弁を切り換えて、
他方の配管ポート13および流路14を介して他方の圧
力室12に作動流体である圧縮空気を供給するととも
に、一方の流路14、配管ポート13および図示しない
切換弁を介して一方の圧力室12を大気に開放すると、
揺動部材3の可動翼3dが圧縮空気により反対方向に押
圧されて揺動部材3が反対方向に回転し、可動翼3d
が、固定翼10から一方の圧力室12内に突出している
他方の調整部材15の端部に当接すると、揺動部材3の
回転が停止する。揺動部材3の停止位置ないし揺動角度
の大きさは、調整部材15の突出量を変更することによ
り容易に調整することが可能である。調整部材15の端
部が固定翼10から突出していない場合には、可動翼3
dが固定翼10の端面に直接当接することにより揺動部
材3が停止する。ボディ2内部の揺動部材3の可動翼3
dが揺動範囲の他方の端限に達したことは、ボディ2外
面の他方のセンサ取付溝21に取付固定された他方の位
置検出センサ22に内蔵された磁気近接スイッチが被検
出体18であるマグネットの磁界を検出することにより
検知され、磁気近接スイッチからリード線24を介して
シーケンサ等に信号が送られる。
【0039】
【発明の効果】本発明は、以下の効果を奏する。
【0040】すなわち先ず、上記構成を備えた本発明の
請求項1による揺動アクチュエータにおいては、ボディ
の内部で揺動する揺動部材が、ボディに軸受を介して回
転自在に支持される軸方向一対の回転部と、この一対の
回転部の間に配置された軸部と、一対の回転部の間であ
ってかつ軸部の外周側円周上一箇所に配置された可動翼
とを一体に備えるとともに、この揺動部材にテーブルが
一体成形されているために、この揺動部材は上記構成要
素が全て一体物であって、この揺動部材には部品の締結
部が存在しない。したがって、上記従来技術のように部
品締結部に緩みやへたり等が発生することがないため
に、この緩みやへたり等を原因としてテーブルが回転方
向にガタついたり、テーブルの揺動角度が変わってしま
うのを防止することができ、これによりテーブルを精度
良く揺動させることができる。また部品点数が削減され
るために、製作コストを低減させることができる。
【0041】また、上記構成を備えた本発明の請求項2
による揺動アクチュエータにおいては、ボディの円筒孔
内に揺動自在に支持された揺動部材の一端にテーブルが
一体形成されているために、揺動部材とテーブルの間に
やはり部品の締結部が存在しない。したがって、上記従
来技術のように部品締結部に緩みやへたり等が発生する
ことがないために、この緩みやへたり等を原因としてテ
ーブルが回転方向にガタついたり、テーブルの揺動角度
が変わってしまうのを防止することができ、これにより
テーブルを精度良く揺動させることができる。また、部
品点数が削減されるために、製作コストを低減させるこ
とができる。
【0042】また、上記構成を備えた本発明の請求項3
による揺動アクチュエータにおいては、揺動部材に可動
翼が一体形成されているために、やはり部品点数を削減
することができ、これにより製作コストを低減させるこ
とができる。また、一対の調整部材の先端が、揺動部材
に設けられた可動翼の軸方向略中央に当接するように構
成されているために、揺動部材に圧縮空気の押圧による
捩りモーメントが発生せず、これにより揺動部材を揺動
可能に支持している軸受に捩りモーメントによる力が作
用するのを防止することができ、軸受に大きな負担がか
かるのを防止することができる。また、圧力室内で調整
部材が可動翼に当接するように構成されているために、
揺動角度の調整機構を備えていてもアクチュエータが軸
方向に大きくなることがなく、アクチュエータを小型化
することができる。
【0043】またこれに加えて、上記構成を備えた本発
明の請求項4による揺動アクチュエータにおいては、ボ
ディを貫通して一対の圧力室内に突出する一対の調整部
材が固定翼に進退可能に螺合されているために、固定翼
をボディに固定する手段を別途設ける必要がなく、この
点からも部品点数を削減して、製作コストを低減させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に揺動アクチュエータの正面図
【図2】同アクチュエータの右側面図
【図3】同アクチュエータの左側面図
【図4】同アクチュエータの背面図
【図5】同アクチュエータの平面図
【図6】同アクチュエータの底面図
【図7】図1におけるA−A線断面図
【図8】図2におけるB−B線断面図
【図9】図1におけるC−C線断面図
【図10】揺動部材および調整部材の分解斜視図
【図11】従来例に係る揺動アクチュエータの断面図
【符号の説明】
1 揺動アクチュエータ 2 ボディ 2a 円筒孔 3 揺動部材 3a 縮径部 3b フランジ部 3c 軸部 3d 可動翼 3g 回転部 4 軸受 5 孔用止め輪 6 蓋板 7 皿小ネジ 8,9,11 シール手段 10 固定翼 12 圧力室 13 配管ポート 14 流路 15 調整部材 16 ナット 17 シールワッシャ 18 被検出体 21 センサ取付溝 22 位置検出センサ 23 センサケース 24 リード線 25 固定具 26 ねじ部材 31 テーブル 31a 端面 31b ねじ手段 31c 長孔 31d 外周

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボディ(2)の内部で揺動する揺動部材
    (3)と、前記揺動部材(3)に従動するテーブル(3
    1)とを備えた揺動アクチュエータ(1)において、 前記揺動部材(3)が、前記ボディ(2)に軸受(4)
    を介して回転自在に支持される軸方向一対の回転部(3
    g)と、前記一対の回転部(3g)の間に配置された軸
    部(3c)と、前記一対の回転部(3g)の間であって
    かつ前記軸部(3c)の外周側円周上一箇所に配置され
    た可動翼(3d)とを一体に備えるとともに、前記揺動
    部材(3)に前記テーブル(31)が一体成形されてい
    ることを特徴とする揺動アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 ボディ(2)と、前記ボディ(2)の軸
    方向の略中央に穿設され、少なくとも一端が外部に開口
    する円筒孔(2a)と、前記円筒孔(2a)に固定され
    た固定翼(10)と、前記円筒孔(2a)内に往復揺動
    自在に支持された揺動部材(3)と、前記揺動部材
    (3)に設けられた可動翼(3d)とを備え、前記円筒
    孔(2a)内に固定翼(10)と可動翼(3d)により
    仕切られた一対の圧力室(12)に圧縮空気を給排する
    ことにより前記揺動部材(3)を揺動させる揺動アクチ
    ュエータ(1)において、 前記揺動部材(3)の一端に前記ボディ(2)の一端面
    より外部に突出するテーブル(31)を一体的に形成す
    るとともに、前記テーブル(31)の端面(31a)に
    複数のねじ手段(31b)を螺設したことを特徴とする
    揺動アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 ボディ(2)と、前記ボディ(2)の軸
    方向の略中央に穿設され、少なくとも一端が外部に開口
    する円筒孔(2a)と、前記円筒孔(2a)に固定され
    た固定翼(10)と、前記円筒孔(2a)内に往復揺動
    自在に支持された揺動部材(3)と、前記揺動部材
    (3)に設けられた可動翼(3d)とを備え、前記円筒
    孔(2a)内に固定翼(10)と可動翼(3d)により
    仕切られた一対の圧力室(12)に圧縮空気を給排する
    ことにより前記揺動部材(3)を揺動させる揺動アクチ
    ュエータ(1)において、 前記揺動部材(3)に前記可動翼(3d)を一体的に形
    成するとともに、先端が前記可動翼(3d)の軸方向略
    中央に当接可能に前記一対の圧力室(12)内に突出す
    る一対の調整部材(15)を前記ボディ(2)に進退可
    能に設けたことを特徴とする揺動アクチュエータ。
  4. 【請求項4】 ボディ(2)を貫通して一対の圧力室
    (12)内に突出する一対の調整部材(15)を固定翼
    (10)に進退可能に螺合したことを特徴とする請求項
    3記載の揺動アクチュエータ。
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