JPH087102Y2 - 可変容量型斜板式圧縮機における斜板構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は両頭ピストンを備えた可変容量型斜板式圧縮
機における斜板構造に関するものである。

［従来の技術］ この種の可変容量型斜板式圧縮機として、本願考案者
等は最近、第８図及び第９図に示す構成のものを提案し
ている。この圧縮機ではシリンダブロック51に形成され
た複数のシリンダボア52内に両頭のピストン53が収容さ
れるとともに、シリンダボア52と平行な軸線上にフロン
ト軸部54a、ガイド孔54b及びリヤ軸部54cを具備する回
転軸54が配置され、前記リヤ軸部54cにはスライダ（ガ
イドブッシュ）55が摺動可能に嵌挿されている。

又、斜板57はシュー56を介して両頭ピストン53に係合
され、フランジ部61aと該フランジ部61aの内側に一体に
形成された筒状部61bとから形成された斜板本体61と、
前記スライダ55に一対の軸ピン62を介して回動可能に支
持されるとともに、回転軸54のガイド孔54bが形成され
た中間部を一対の連結片63aで挟持した状態でガイドピ
ン58、ローラ64、ラジアルベアリング65を介して回転軸
54と一体回転可能に連結される回転力伝達部63とから構
成され、回転力伝達部63の嵌合部63bを斜板本体61の筒
状部61bに嵌合固着することにより両者が固着されてい
る。

そして、前記斜板57がスライダ55の摺動に伴って揺動
可能となっており、その揺動中心Ｃが斜板本体61の周縁
側に設定されている。これによりピストン53の一側のシ
リンダボア52における圧縮行程上死点が定位置に規定さ
れ、斜板傾斜角が零側に近い小容量側の圧縮作用領域で
も実質的な圧縮及び吐出が行われる。

さらに、前記シリンダブロック51のリヤ側には吐出圧
領域又は吸入圧領域に切換え接続される制御圧室59及び
該制御室59の圧力により前後動される摺動制御体60が設
けられ、該摺動制御体60はリヤ軸部54cに嵌合した移動
体66を介して前記スライダ55を前方へ押圧するようにな
っている。そして、斜板傾角は前後両シリンダボア52内
の圧力による斜板揺動力と、制御圧室59内の圧力により
斜板を前方へ押圧する力との対抗により制御されるよう
になっている。

［考案が解決しようとする課題］ ところが、この種の可変容量型斜板式圧縮機では斜板
を前記のように二つに分けて形成した後、両者を嵌合固
着する構成を採用した場合には、回転力伝達部63の嵌合
部63bが斜板本体61の筒状部に圧入されることにより斜
板本体61のフランジ部61aが歪み（例えば、フランジ部6
1aの外周部がリヤ側に反ったり、フランジ部61a全体が
波を打ったように歪む）、シューの摺動面の平行度が悪
くなってシューと斜板の耐焼付き性が低下したり、局部
的に摩耗が進行するという不都合が生じる場合がある。

一方、回転力伝達部63の一対の連結片63aはその先端
の間隔Ａが拡がるように変形して両者と回転軸54のクリ
アランスが適正に管理できず、該回転軸54と連結片63a
との間にガタが生じて騒音が発生したり、ガイドピン58
がガイド孔54bに沿って円滑に移動し難くなる場合があ
る。

又、斜板本体61と回転力伝達部63とは嵌合固着により
連結されているので、液圧縮等により異常負荷が斜板に
作用した場合、斜板本体61が回転力伝達部63から外れる
虞もある。

なお、前記回転力伝達部63の嵌合部63bと斜板本体61
の筒状部61bとを所定の小間隙ができるように嵌合して
嵌合部63bと筒状部61bの先端部を溶着する方法もある
が、これには熱歪みが発生して両者の寸法精度が低下す
るとともに、両者の変質による強度低下が生じるという
問題があった。

本考案は前記の問題点に鑑みてなされたものであっ
て、その目的は斜板の加工が容易となってシューとの摺
動面等の加工精度の向上を図ることができ、しかも組付
け後も斜板本体や回転力伝達部に歪みが発生せず、シュ
ーが斜板上を円滑に摺動して両者の焼付きが防止され、
回転力伝達部と回転軸間のガタつきがなくなって騒音が
低減されるとともに斜板の傾斜角変更が円滑に行われ、
かつ液圧縮等により異常負荷が斜板に作用した場合にも
斜板本体が回転力伝達部から外れる虞のない可変容量型
斜板式圧縮機における斜板構造を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 前記の目的を達成するため本考案においては、両頭ピ
ストンを往復動可能に収容するシリンダブロック内に回
転軸を回転可能に収容支持するとともに、該回転軸には
両頭ピストンを往復駆動する斜板を相対回転不能に、か
つその周縁側を中心として前後に揺動可能に支持し、そ
の揺動中心位置をリヤ側シリンダボア寄りに設定すると
ともに、回転軸の回転に伴う揺動中心の回転領域上に前
記両頭ピストンの往復動領域を設定し、前記斜板の傾斜
角変更によりピストンストロークを変更して容量を調節
可能にした可変容量型斜板式圧縮機において、 斜板を、その回転揺動運動を前記両頭ピストンに往復
運動として伝達するシューと係合する斜板本体と、回転
軸に沿って摺動可能に嵌挿されたスライダに軸ピンを介
して回動可能に支持されるとともに回転軸に設けられた
連結部に対してガイドピンを介して連結される回転力伝
達部とから構成し、さらに、前記回転力伝達部には前記
斜板本体の片面を位置規制する鍔部及び斜板本体の嵌合
孔に嵌挿される嵌合部を設け、該嵌合部を斜板本体の嵌
合孔に嵌挿した状態で回転力伝達部と斜板本体とを螺合
手段により締め付け固定するという手段をとつている。

前記回転力伝達部の嵌合部に雄ネジ部を形成し、前記
嵌合部に斜板本体を嵌合した状態で前記雄ネジ部に対
し、内周に雌ネジ部を形成した締付リングを螺合して斜
板本体を鍔部に締め付け固定するとよい。

［作用］ 請求項１記載の考案は、斜板全体としては複雑な形状
であっても、個々の部品は形状が単純となって加工が容
易となり、シューとの摺動面等の部分の加工精度を高め
ることが容易となる。斜板は回転力伝達部の嵌合部が斜
板本体の嵌合孔の内側に嵌挿された状態で両者を螺合手
段で締め付けているため、両者を圧入嵌合したり、溶着
したりする場合と異なり、両者の組付け後も斜板本体や
回転力伝達部に歪みが発生しない。従って、シューが斜
板上を円滑に摺動して両者の焼付きが防止され、回転力
伝達部と回転軸間のガタツキがなくなって騒音が低減さ
れるとともに斜板の傾斜角変更が円滑に行われる。又、
液圧縮等により異常負荷が斜板に作用した場合に、斜板
本体が回転力伝達部から外れる虞もない。

又、請求項２記載の考案は、締付リングにより斜板本
体が回転力伝達部の鍔部に均一圧力で締め付けられる。

［実施例］ 以下、本考案を具体化した一実施例を第１図〜第３図
に従って説明する。

第２図に示すようにシリンダブロック１は前後一対の
ブロック体1a,1bを互いに接合して構成され、その内部
中央には斜板室２が形成されるとともに、前後両端面に
はフロントハウジング３及びリヤハウジング４が接合固
定されている。前記シリンダブロック１には斜板室２の
フロント側及びリヤ側の対向する位置に複数組のシリン
ダボア5a,5bが形成され、両シリンダボア5a,5b内には両
頭ピストン６が往復動可能に収容されている。シリンダ
ブロック１にはフロント軸部7aと、リヤ軸部7bと、両者
の間に形成された偏平な連結部7cとからなる回転軸７が
シリンダボア5a,5bと平行に延びるように回転可能に支
持され、連結部7cにはガイド孔7dが形成されている。リ
ヤ側のブロック体1bには移動体８が回転軸７の軸線方向
に沿って移動可能に配設され、回転軸７はフロント軸部
7aがラジアルベアリング9aを介してフロント側のブロッ
ク体1aに支持され、リヤ軸部7bが前記移動体８にラジア
ルベアリング9bを介して回転可能に支持されたスライダ
10に摺動可能に嵌挿された状態で配設されている。

斜板室２内に突出したスライダ10の基端には一対の軸
ピン11がリヤ軸部7bと直交する状態で突設され、軸ピン
11を介して斜板12がスライダ10に対して回動可能に支持
されている。斜板12はその回転揺動運動を前記両頭ピス
トン６に往復運動として伝達するシュー13と係合する一
枚板状の斜板本体14と、回転軸７に設けられた連結部7c
に対してガイドピン15を介して連結される回転力伝達部
16とにより別体に形成されている。斜板本体14の中央部
には嵌合孔14aが形成されている。又、回転力伝達部16
は斜板本体14の片面の位置規制を行う鍔部16aと、斜板
本体14の嵌合孔14aの内径より若干小さな外径を有する
環状の嵌合部16bと、該嵌合部16bに形成された雄ネジ部
16cと、さらに嵌合部16bと反対側に突出するように形成
された一対の連結片16dとを備えている。そして、回転
力伝達部16の嵌合部16bが斜板本体14の嵌合孔14aの内側
に僅かな間隙を有する状態又は適当な圧入状態で嵌挿さ
れ、前記雄ネジ部16cに対し雌ネジ部17aを有する螺合手
段としての締付リング17を螺合することにより両者が締
め付け固定されて斜板12が構成されている。そして、回
転力伝達部16の嵌合部16bに形成された一対の透孔18aに
前記軸ピン11が嵌挿されて、斜板12がスライダ10に対し
て回動可能に支持されている。

又、両連結片16dには嵌合孔18bが形成されるとともに
ベアリング15aが嵌着され、両連結片16d間に前記回転軸
７の連結部7cが挾入された状態で連結部7cのガイド孔7d
に嵌合するローラ19を貫通するガイドピン15の両端部が
前記ベアリング15aに嵌挿されている。これにより回転
軸７の回転が回転力伝達部16を介して斜板本体14に伝達
されるとともに、ガイドピン15とガイド孔7dとの係合に
より、スライダ10の軸線方向への摺動変位に応じて斜板
本体14が揺動可能となり、この揺動中心Ｃが斜板本体14
の周縁側に設定されている。そして、前記各両頭ピスト
ン６は前記揺動中心Ｃを中心とした球の一部となる形状
に形成されたシュー13を介して前記斜板本体14の周縁部
に係合され、斜板本体14の回転に伴って前後へ往復摺動
されるようになっている。

シリンダブロック１と前後両ハウジング3,4との間に
はバルブプレート20,21が介在されている。前後両ハウ
ジング3,4内には吸入室22,23及び吐出室24,25が形成さ
れ、各吐出室24,25は図示しない吐出口を介して外部冷
却回路に連結されている。フロント側吸入室22は吸入通
路26を介して斜板室２に連通するとともに、バルブプレ
ート20に設けられた吸入弁機構27を介してフロント側圧
縮室Pfに連通されている。フロント側吐出室24は吐出弁
機構28を介してフロント側圧縮室Pfに連通されている。
リヤ側吸入室23は吸入通路29を介して斜板室２に連通す
るとともに、バルブプレート21に設けられた吸入弁機構
30を介してリヤ側圧縮室Prに連通されている。リヤ側吐
出室25は吐出弁機構31を介してリヤ側圧縮室Prに連通さ
れている。

リヤ側吸入室23の後側には該吸入室23と連通する制御
圧室32が形成され、制御圧室32内には制御体33が前記移
動体８と当接する状態で前後方向に摺動可能に嵌入され
ている。これにより制御圧室32内の圧力が制御体33、移
動体８、スライダ10及び斜板12を介してフロント側圧縮
室Pf内の圧力及びリヤ側圧縮室Pr内の圧力により生じる
斜板揺動力に対抗する。

制御圧室32、リヤ側吐出室25、斜板室２及び外部冷却
回路（図示せず）と斜板室２とを接続する吸入管路（図
示せず）は図示しない容量制御弁機構に接続されてお
り、制御体33の前後の変位が例えば吸入管路内の吸入圧
の変動により制御されるようになっている。すなわち、
吸入管路内の吸入圧に基く容量制御弁機構内の弁の開閉
により制御圧室32が吐出圧相当の高圧又は吸入圧相当の
低圧に切換え制御され、斜板12が第２図に示す傾角最大
位置と、図示しない傾角最小位置とに揺動切換え配置さ
れて圧縮容量が調節されるようになっている。

さて、前記のように構成された圧縮機が運転されて回
転軸７が回転すると、斜板12は回転軸７と一体的に回転
するとともに揺動運動し、シュー13を介して両頭ピスト
ン６がシリンダボア5a,5b内を往復動する。外部冷媒ガ
ス回路を構成する吸入管路内の冷媒ガスは、両頭ピスト
ン６の往復動に伴って入口から斜板室２へ入り、フロン
ト側吸入通路26及びリヤ側吸入通路29、フロント側吸入
室22及びリヤ側吸入室23をそれぞれ経てフロント側圧縮
室Pf及びリヤ側圧縮室Prへ吸入されて圧縮作用を受け
る。そして、両圧縮室Pf,Prから吐出弁機構28,31を介し
て吐出室24,25へ吐出された冷媒ガスは、吐出通路を経
て外部冷媒ガス回路へ送り出される。この場合、斜板12
の揺動中心Ｃが斜板12の周縁側に設定されるとともに、
リヤ側シリンダボア5b寄りに設定されており、これによ
りフロント側圧縮室Pfにおける両頭ピストン６の圧縮行
程上死点は斜板12の傾斜角に応じて変動するが、リヤ側
圧縮室Prにおける両頭ピストン６の圧縮行程上死点は第
２図に示す定位置に規定される。

斜板12の揺動回転を両頭ピストン６の往復動に円滑に
変換するためにはシュー13との摺動面である斜板本体14
の両面が平行になっていることが重要である。本考案の
斜板12は斜板本体14と回動力伝達部16とに分割して形成
された後、両者を締付リング17により締め付け固定する
ことにより構成されるため、斜板全体として形状が複雑
であるにも拘らず、分割されたもの個々についてはそれ
ほど形状が複雑とならずに加工が容易となり、シュー13
との摺動面等の部分の加工精度が高められる。

又、斜板12は回転力伝達部16の嵌合部16bが斜板本体1
4の嵌合孔14aの内側に僅かな間隙を有するように嵌挿さ
れた状態で両者が締め付け固定されるため、両者を圧入
固着した場合と異なり、両者の組付け後も斜板本体14や
回転力伝達部16に歪みが発生しない。又、斜板本体14と
回転力伝達部16は溶接されていないので、熱の影響を受
けることはなく熱歪みも生じない。従って、斜板本体14
の両面の平行度が高くなってシュー13が斜板本体14上を
円滑に摺動し、両頭ピストン６がシリンダボア5a,5b内
を円滑に往復動されるとともに、斜板本体14とシュー13
の焼付きが防止される。

又、回転力伝達部16の両連結片16dと回転軸７の連結
部7cとのクリアランスが組付けによって変化せず適正な
値に保持され、斜板12と回転軸７間のガタつきがなくな
って騒音が低減されるとともに斜板12の傾斜角変更が円
滑に行われる。又、斜板本体14と回転力伝達部16とが締
付リング17により締め付け固定されているため、液圧縮
等により異常負荷が斜板12に作用した場合、斜板本体14
が回転力伝達部16から外れる虞がない。

なお、本考案は前記実施例に限定されるものではな
く、次のように具体化することもできる。

（１） 第４図に示すように回転力伝達部16の嵌合部16
全体に雄ネジ部を形成し、その外周縁により斜板本体14
の嵌合孔14a内周面を僅かな隙間をもって嵌合するこ
と。

（２） 第５図及び第６図に示すように回転力伝達部16
と斜板本体14とを複数本の締付ボルト37及び押圧板38に
より締め付け固定すること。

（３） 第７図に示すように、雄ネジ部16cの端面に切
欠部39を形成し、締付リング17を締め付けた後、該リン
グ17の端面をポンチ等でかしめ（コーキング）してリン
グ17が弛まないようにすること。

（４） 図示しないが斜板本体14の嵌合孔14aに雌ネジ
部を形成し、回転力伝達部16の雄ネジ部16cに嵌合する
こと。

（５） 斜板本体14及び回転力伝達部16の材質として従
来と同様、両者とも鉄系材料を使用してもよいが、斜板
本体14の材質を他の材料に変更することにより、斜板12
の軽量化、あるいはシュー13との摺動部の耐久性、摺動
抵抗の減少等を向上させるようにすることもできる。

又、例えば斜板本体の鉄系母材の表面を浸炭コーティ
ング、窒化コーティング、あるいは硼素コーティングし
たり、TiN、CrNコーティングしたり、さらに、セラミッ
クスやFRMとして耐久性を向上させてもよい。

［考案の効果］ 以上詳述したように、請求項１記載の考案によれば、
シュートとの摺動面を有する斜板本体と、回転軸の回転
が伝達される回転力伝達部とがそれぞれ別体に形成され
た後、両者が螺合手段により締め付けられて斜板が構成
されるため、摺動面等の加工が容易となり加工精度が向
上するとともに、従来の圧入嵌合方式と異なり、回転力
伝達部と斜板本体との組付け後も斜板本体や回転力伝達
部に歪みが発生せず、シューが斜板上を円滑に摺動して
両者の焼付きが防止され、回転力伝達部と回転軸間のガ
タつきがなくなって騒音が低減されるとともに斜板の傾
斜角変更が円滑に行われる。又、液圧縮等により異常負
荷が斜板に作用した場合に、斜板本体が回転力伝達部か
ら外れる虞もない。さらに、斜板本体側を鉄系以外の材
質で形成することにより、摺動部の耐久性をより向上す
ることができ、圧縮機全体としての耐久性、信頼性の向
上を図ることもできる。

又、請求項２記載の考案は、締付リングにおり斜板本
体を回転力伝達部の鍔部に均一圧力で締め付けることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は回転軸に対する斜板とスライダの組付け関係を
示す分割斜視図、第２図は圧縮機の断面図、第３図は要
部断面図、第４図はこの考案の別例を示す要部断面図、
第５図はこの考案の別例を示す要部断面図、第６図は第
５図の正面図、第７図はこの考案の別例を示す要部斜視
図、第８図は従来の圧縮機の断面図、第９図は従来の回
転軸に対する斜板とスライダの組付け関係を示す分解斜
視図である。 シリンダブロック１、シリンダボア5a,5b、両頭ピスト
ン６、回転軸７、連結部7c、ガイド孔7d、スライダ10、
軸ピン11、斜板12、シュー13、斜板本体14、嵌合孔14
a、ガイドピン15、回転力伝達部16、鍔部16a、嵌合部16
b、螺合手段としての雄ネジ部16c、連結片16d、螺合手
段としての締付リング17。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】両頭ピストンを往復動可能に収容するシリ
   ンダブロック内に回転軸を回転可能に収容支持するとと
   もに、該回転軸には両頭ピストンを往復駆動する斜板を
   相対回転不能に、かつその周縁側を中心として前後に揺
   動可能に支持し、その揺動中心位置をリヤ側シリンダボ
   ア寄りに設定するとともに、回転軸の回転に伴う揺動中
   心の回転領域上に前記両頭ピストンの往復動領域を設定
   し、前記斜板の傾斜角変更によりピストンストロークを
   変更して容量を調節可能にした可変容量型斜板式圧縮機
   において、 斜板を、その回転揺動運動を前記両頭ピストンに往復運
   動として伝達するシューと係合する斜板本体と、回転軸
   に沿って摺動可能に嵌挿されたスライダに軸ピンを介し
   て回動可能に支持されるとともに回転軸に設けられた連
   結部に対してガイドピンを介して連結される回転力伝達
   部とから構成し、前記回転力伝達部には前記斜板本体の
   片面を位置規制する鍔部及び斜板本体の嵌合孔に嵌挿さ
   れる嵌合部を設け、該嵌合部を斜板本体の嵌合孔に嵌挿
   した状態で回転力伝達部と斜板本体とを螺合手段により
   締め付け固定した可変容量型斜板式圧縮機における斜板
   構造。
2. 【請求項２】前記回転力伝達部の嵌合部に雄ネジ部を形
   成し、前記嵌合部に斜板本体を嵌合した状態で前記雄ネ
   ジ部に対し、内周に雌ネジ部を形成した締付リングを螺
   合して斜板本体を鍔部に締め付け固定した請求項１記載
   の可変容量型斜板式圧縮機における斜板構造。