JP2001279445A - 化学的気相成長法による炭化珪素膜の体積抵抗率の制御方法 - Google Patents
化学的気相成長法による炭化珪素膜の体積抵抗率の制御方法Info
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Abstract
って、かつ緻密質の炭化珪素体において、炭化珪素膜の
体積抵抗率を、広い範囲で容易に制御する。 【解決手段】基体上に化学的気相成長法によって炭化珪
素膜を成膜するのに際して、炭化珪素膜の成膜速度を制
御することによって炭化珪素膜の体積抵抗率を制御す
る。炭化珪素膜の体積抵抗率は、成膜速度に応じて10
4 倍もの広い範囲で容易に制御できる。
Description
による炭化珪素膜の体積抵抗率の制御方法に関するもの
である。
法によって炭化珪素膜を製造する方法は、例えば特開平
10−256108号公報に記載されている。こうした
炭化珪素膜は、緻密質であって、高い耐蝕性を示す傾向
がある。
膜の電気抵抗率を向上させ、高抵抗の炭化珪素膜を得る
必要に迫られていた。なぜなら、例えば半導体製造装置
の分野において、高抵抗炭化珪素膜を形成するという要
求があったからである。しかし、通常、ドーピングを行
わない化学的気相成長法で得られるような、高純度であ
って、かつ緻密質の炭化珪素体は、体積抵抗率をある程
度以上上昇させる手段がなく、体積抵抗率の上昇制御は
困難と考えられていた。炭化珪素膜の体積抵抗率は、炭
化珪素膜の純度、ドーピング材、気孔率といった構造的
要因によってほぼ決定されるというのが常識的である。
晶相を有している。しかし、文献(「SiC半導体材
料、デバイスとコンダクター材料」松渡弘元他、199
4年「まてりあ」33巻、6号、720−724頁)に
よると、結晶相の相違による体積抵抗率の変化は、各結
晶相におけるキャリア移動度から計算すると、高くとも
2倍程度である。
て得られる高純度であって、かつ緻密質の炭化珪素体に
おいて、その体積抵抗率を広い範囲で容易に制御する方
法を提供することである。
的気相成長法によって炭化珪素膜を成膜するのに際し
て、炭化珪素膜の成膜速度を制御することによって前記
炭化珪素膜の体積抵抗率を制御することを特徴とする方
法に係るものである。
られる高純度であって、かつ緻密質の炭化珪素体におい
て、炭化珪素膜の体積抵抗率が予想を超えて大きく成膜
速度に依存することを発見し、本発明に到達した。
の変化は、104 倍ものオーダーに達しており、従って
炭化珪素膜の体積抵抗率の制御方法として有用であっ
た。例えば、炭化珪素膜の結晶相の変化による体積抵抗
率の変化が前述のように僅かであることを考えると、こ
うした成膜上の要因による制御は極めて有用である。
/時間以下に制御することによって、炭化珪素膜の室温
での体積抵抗率を1×105 Ω・cm以上に制御が可能
であった。成膜速度の下限は特にない。100−10μ
m/時間の範囲内では、室温での体積抵抗率は、1×1
05 −1×106 Ω・cm程度であった。このような急
激な高抵抗化は、本発明によって初めて可能となったも
のである。
160μm/時間以下に制御することによって、炭化珪
素膜の室温での体積抵抗率を1×102 Ω・cm以上、
1×105 Ω・cm以下に制御できる。
制御することによって、前記炭化珪素膜の室温での体積
抵抗率を1×102 Ω・cm以下に制御できる。成膜速
度の上限は特にないが、粗大粒子が多数生成して表面状
態が粗くなるのを避けるという観点から、170μm/
時間以下が好ましく、これによって炭化珪素膜の室温で
の体積抵抗率を1×102 −1×100 Ω・cmに制御
できる。
制御することによって、炭化珪素膜の200℃での体積
抵抗率を1×103 Ω・cm以上に制御できる。
C結晶相、6H結晶相であることが好ましい。
9%以上であり、特に好ましくは99.9999%以上
である。好ましくは、炭化珪素膜の相対密度が、0.1
%のオーダーで見て、理論密度と同じ完全緻密体であ
る。
上であることが好ましく、これによって基体の表面を、
その全面にわたって、安定して被覆できる。炭化珪素膜
の厚さは、更には100μm以上であることが好まし
い。また、主として経済的な理由から、炭化珪素体の膜
厚は、8000μm以下であることが好ましい。
粒径は、5μm以下であることが好ましい。結晶の平均
粒径を小さくすることによって、一層炭化珪素体の電気
抵抗値が上昇する。この理由は明確ではないが、炭化珪
素結晶の粒界がキャリアトラップとなっている可能性が
ある。
が特に好ましい。 (1)Si−SiC複合材料 炭化珪素と金属シリコンとの混合焼結体。金属シリコン
は炭化珪素の空洞内に含浸されている。 (2)炭化珪素を主成分とする焼結体。例えば、(a)
炭化珪素の組成比率が90%以上であり、かつ相対密度
が90%以上である焼結体。(b)炭化珪素の組成比率
が90%以上であり、かつ相対密度が56%〜90%で
ある多孔質焼結体。 (3)窒化珪素、窒化アルミニウム等の絶縁性セラミッ
クス。 (4)黒鉛(カーボン)
珪素膜を生成させる場合には、好ましい条件は以下のと
おりである。
て、炉内にしばらく水素を流し続けた後に、水素と炭素
源化合物とをしばらく流し、次いで炭素源化合物を停止
して水素と珪素源化合物とを炉内に短時間導入する。次
いで、水素と珪素源化合物と炭素源化合物とを炉内に導
入し、炭化珪素膜を形成する。珪素源化合物としては、
SiCl4 、SiHCl3 、SiCl2 H2 、SiH4
を使用でき、炭素源化合物としてはCH4 、C2 H6 、
C3 H8 を使用できる。成膜温度は、装置にもよるが低
くする方が良く、例えば1200−1280℃とするこ
とができる。
がある。 (1)原料導入部と基体との距離を制御することによ
り、成膜速度を制御する。原料導入部と基体との距離を
大きくすることによって、成膜速度が遅くなり、この距
離を小さくすることによって、成膜速度が速くなる。 (2)原料導入量を制御することにより、成膜速度を制
御する。原料導入量を多くすることによって、成膜速度
が速くなり、原料導入量を少なくすることによって、成
膜速度が遅くなる。 (3)成膜温度を制御することにより、成膜速度を制御
する。成膜温度を高くすることによって、成膜速度が速
くなり、成膜温度を低くすることによって、成膜速度が
遅くなる。 (4)炉内圧力を制御することにより、成膜速度を制御
する。炉内圧力を高くすることによって、成膜速度が速
くなり、炉内圧力を低くすることによって、成膜速度が
遅くなる。
体との積層構造体は、各種の製品に対して適用すること
ができる。こうした製品として、ガスタービン用の燃焼
器、静翼、動翼、熱交換器、燃焼ガス通路部品を例示で
きる。また、電磁波透過体にも適用できる。これには、
電磁波透過窓、高周波電極装置、高周波プラズマを発生
させるためのチューブ、高周波プラズマを発生させるた
めのドームを例示できる。また、半導体ウエハーを設置
するためのサセプターの基材として使用できる。こうし
たサセプターとしては、セラミック静電チャック、セラ
ミックスヒーター、高周波電極装置を例示することがで
きる。この他、ダミーウエハー、シャドーリング、半導
体ウエハーを支持するためのリフトピン、シャワー板等
の各半導体製造用装置用の基材として、使用することが
できる。
合材料からなる平板形状の基体の表面に炭化珪素膜を生
成させた。Si−SiC複合材料を製造する際には、6
0重量%の炭化珪素粗粒と、30重量%の炭化珪素微粒
と、10重量%の炭素粉末とを混合して成形体を得、こ
の成形体の上に、金属珪素を主成分とする別の成形体を
載せ、1400℃で熱処理することによって、珪素金属
を溶融させつつ、粉末焼結させた。
m×厚さ10mmの平板状とした。基体の一方の主面を
♯800以上の砥石で研磨し、その中心線平均表面粗さ
Raを3μm未満にした。基体を化学的気相成長炉内に
収容し、設置した。この際、基材の一方の主面と他方の
主面とが、反応性ガスの噴出方向に対して平行となるよ
うにした。言い換えると、平板状の基体の側面が噴出口
に対向するように、基体を設置した。
置換した。室温から成膜温度(1280℃)まで昇温す
る間は、キャリアガスとしてアルゴンを供給した。次い
で、成膜温度に到達した時点で、最初に水素を10分間
−1時間単独で流し、次いで水素とメタンとを1−10
分間流した。次いで、メタンを停止し、水素と四塩化珪
素とを5−10分間流した。次いで、水素と四塩化珪素
とメタンとを15−80時間流すことによって、膜厚約
3−4mmの炭化珪素膜を形成した。
mm、300mmの中から選んだ。 (2)原料導入量を、2.2リットル/分、4.4リッ
トル/分、8.8リットル/分から選んだ。ただし、こ
の原料供給量は、SiCl4 (mol)/CH4(mo
l)=1.3かつH2 (mol)/SiCl4 (mo
l)=3.5−4.5のときのSiCl4 の導入量であ
る。 (3)成膜温度を1160℃、1200℃、1280
℃、1320℃、1400℃、1440℃の中から選択
した。 (4)炉内圧力を100Torr、200Torr、3
00Torrの中から選択した。
表1、表2に示すように変更した。
上である。また、各炭化珪素膜の気孔率は99.9%以
上であり、緻密体であった。
40mmの板状の試験片を切り出した。各試験片に、ア
ルメル線を4個所に巻付け、アルメル線を電流計および
電圧計に接続し、四端子法によって各炭化珪素膜の電気
抵抗率を測定した。試験片とアルメル線の導通を確実に
するため、カーボンペーストをアルメル線と試験片の表
面との間に塗布した。4本のアルメル線のうち、外側の
2本の線(電流端子)に一定の電流を流し、その時の内
側の2本の線(電圧端子)間の電圧を測定した。測定
は、20℃に保たれた室内で行った。この時の体積抵抗
率を次の式で計算した。この結果を表1、表2に示す。
(電圧端子間距離×電流)
は略記法によって記載してある。ここで「E」は、10
の乗数であることを示す記号である。従って、例えば
「1.1E+01」は「1.1×10+1」を示す。
抗率との関係を示し、図2には、200℃での成膜速度
と体積抵抗率との関係を示す。
学的気相成長法によって得られる高純度であって、かつ
緻密質の炭化珪素体において、炭化珪素膜の体積抵抗率
を、広い範囲で容易に制御できる。
グラフである。
示すグラフである。
Claims (8)
- 【請求項1】基体上に化学的気相成長法によって炭化珪
素膜を成膜するのに際して、前記炭化珪素膜の成膜速度
を制御することによって前記炭化珪素膜の体積抵抗率を
制御することを特徴とする方法。 - 【請求項2】前記成膜速度を100μm/時間以下に制
御することによって、前記炭化珪素膜の室温での体積抵
抗率を1×105 Ω・cm以上に制御することを特徴と
する、請求項1記載の方法。 - 【請求項3】前記成膜速度を100μm/時間以上、1
60μm/時間以下に制御することによって、前記炭化
珪素膜の室温での体積抵抗率を1×102 Ω・cm以
上、1×105 Ω・cm以下に制御することを特徴とす
る、請求項1記載の方法。 - 【請求項4】前記成膜速度を160μm/時間以上に制
御することによって、前記炭化珪素膜の室温での体積抵
抗率を1×102 Ω・cm以下に制御することを特徴と
する、請求項1記載の方法。 - 【請求項5】前記成膜速度を100μm/時間以下に制
御することによって、前記炭化珪素膜の200℃での体
積抵抗率を1×103 Ω・cm以上に制御することを特
徴とする、請求項1記載の方法。 - 【請求項6】前記炭化珪素膜の原料ガスとして、SiC
l4 、SiHCl3 、SiCl2 H2 およびSiH4 か
らなる群より選ばれた珪素源化合物と、CH4 、C2 H
6 およびC3 H8 からなる群より選ばれた炭素源化合物
とを使用することを特徴とする、請求項1−5のいずれ
か一つの請求項に記載の方法。 - 【請求項7】前記炭化珪素膜を1200−1400℃で
成膜することを特徴とする、請求項6記載の方法。 - 【請求項8】前記炭化珪素膜の純度が99.99%以上
であることを特徴とする、請求項1−7のいずれか一つ
の請求項に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000090500A JP2001279445A (ja) | 2000-03-29 | 2000-03-29 | 化学的気相成長法による炭化珪素膜の体積抵抗率の制御方法 |
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JP2000090500A JP2001279445A (ja) | 2000-03-29 | 2000-03-29 | 化学的気相成長法による炭化珪素膜の体積抵抗率の制御方法 |
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JP2000090500A Pending JP2001279445A (ja) | 2000-03-29 | 2000-03-29 | 化学的気相成長法による炭化珪素膜の体積抵抗率の制御方法 |
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---|---|
JP (1) | JP2001279445A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2007139015A1 (ja) * | 2006-05-31 | 2009-10-08 | コニカミノルタオプト株式会社 | 成膜方法、金型及び金型の製造方法 |
-
2000
- 2000-03-29 JP JP2000090500A patent/JP2001279445A/ja active Pending
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